- 1二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:20:57タイシンの♀トレは身長低いって概念出したそこのアナタ|あにまん掲示板末代まで誇れbbs.animanch.comテイトレTSウマ娘化概念に脳を侵されたもの|あにまん掲示板幻覚は文章にならば文章は絵にするものhttps://bbs.animanch.com/board/58697/bbs.animanch.com
普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえばタイシンより低身長♀トレーナーができるんじゃねぇか?
・ここはウマ娘になってしまったトレーナー達をかわいいかわいいするスレです
・自分だけのトレーナーを考えたり概念を投げつけたりして楽しんで行きましょう
・別にTSに拘らなくても良かったり、既に居るトレーナーの別概念を上げても良いです
・大事なのは自分の性癖をさらけ出す事と他の人の性癖を否定しない事、それとトレーナー達への愛です
・そしてタイシンの性癖は破壊するもの
前スレ
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part722【TSトレ】|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/https://bbs.animanch.com/board/60076/普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえ…bbs.animanch.comWiki(解説/全パートリンク/用語集などはこちらから)
言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ @ ウィキ【9/26更新】言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ@ウィキへようこそ 詳しくはこちら→言うっちまうTSウマ娘化タイトレ解説スレ(外部リンク) まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧...w.atwiki.jp後感想用言うっちまえなかったスレ(1/31更新)
おれ居なかったから言うっちまえなかったんだけどよぉ…新part3|あにまん掲示板リアタイで伝えられなかった感謝や感想を伝えれる方がより清々しく尊死できるんじゃねぇか?それに大量の情報がある中、いまさら聞けないことを聞ける場所があったらより素敵なSSを書くことができるんじゃねぇか?…bbs.animanch.com本筋のタイトレ情報まとめ
・140-90-55-80(魔法の合言葉)
・25歳
・髪色は茶色でパーマーみたいな流星、目の色はエメラルドグリーン、耳飾りはタイシンとお揃い
・全身からおひさまのにおい、髪と尻尾はタイシンと同じシャンプーの匂いがする
・耳と尻尾と胸が敏感
・熱血クソボケ
- 2二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:32:57
たておーつ
- 3二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:33:36
O
O - 4二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:34:26
ゼロツー
- 5二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:36:26
おつメカ
- 6二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:37:18
おつ
前スレ200のるっ…てなに? - 7二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:38:10
乙でーす
- 8二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:39:07
- 9二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:42:02
よくコラ元になってる漫画が「ぐらぶるっ!」ってタイトルで略して「るっ」って呼ばれてる
- 10二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:42:23
3人組はなかなか難しい……
- 11二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:43:07
たておつ
- 12二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:44:57
- 13二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:45:03
スウィンガートリオでいいんじゃないかな(適当)
- 14二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:45:11
ネタ絵はいいね
ネタ絵は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ - 15二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 20:46:13
助かります!
- 16二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:16:21
ありがとうございます
- 17二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:16:28
前スレ188マベトレはハレゼナってキャラの衣装が似合うと思う
というか俺が見たい - 18二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:41:18
入学式という事で新入生の学園案内や迷子対応等に駆り出されるトレーナー達
- 19二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:42:45
黒メブのカリオストロコス描くって言ったけど、こいつクソほど服あるの忘れてたわ……
よく使うのはリミと水着だけど……悩むな。制服やCDもかわいい - 20二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:45:08
ちっトレが迷子対応したら混乱しそう
- 21二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:47:54
グラトレさーん、何処ですかー?ってグラスか黄金世代トレ辺りが言い出すのは想像出来る。
- 22二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:48:11
逆に迷子かと問われるちっトレ
身分証を見せてトレーナーだと驚かれるまでがセット - 23二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:49:53
よりにもよってボノトレと行動しているグラトレ
- 24二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:51:15
都道府県外で済めばいいですね…
- 25二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 21:55:45
- 26二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:00:29
- 27二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:01:07
サトトレさんと横にちんまりといるイクトレさんいい…
- 28二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:02:51
あっ!ちっちゃいもの倶楽部だ……観察しなきゃ
- 29二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:03:38
- 30二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:07:57
https://bbs.animanch.com/board/317698/?res=53
多分これですね、覚えてくださり嬉しい…かわいいサトトレありがとうございます!
そこも担当とそっくり()ちなみに走ってる頃と車椅子の頃、どちらでかいてもらっても大丈夫です。車椅子の方は痛々しいとか言われそうですけど。
- 31二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:08:01
サトトレさんとイクトレさんかわいい…
- 32二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:30:28
SS投げて良い?
5レスくらい - 33二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:31:59
GO!
- 34二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:32:01
いいよー
- 35二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:33:15
むかし、むかし。あるところに、それはそれはカワイイ女王がいました。
この女王さまはとてもカワイらしい方でしたが、たいへんうぬぼれが強く、わがままな方で、自分よりも他の人が少しでもカワイイと、じっとしてはいられない方でありました。
だから、その女王さまは、自分が何よりもカワイくなることを目指しました。滝行、合気道といった修行を繰り返しながら、その女王さまはカワイイの道を駆けあがり、カワイイの国を立派に治めていました。
ところが、この女王さまの姿がカワイくなるにつれ、この国の民(ファン)たちは女王さまの顔を直接見ることができなくなりました。あまりのカワイさに負けて、カワイイカレンチャン! としか叫ぶことができなかったのです。
女王さまは、最初確かに褒め称える言葉に喜んでいたものの、次第に寂しさを感じるようになりました。
そこで、女王さまは鏡を使って、自分の姿を見ようとしました。今の自分はどれほどカワイイ存在なのだろう? 少しワクワクとしながら、女王さまは鏡を覗きます。
しかし、鏡はパリンッと音を立てて砕けてしまいました。この女王さまのあまりのカワイさに鏡が耐えきれなかったのです。そんなバカなと思いながら、女王さまは城中の鏡を家臣(ファン)に持ってこさせましたが、どの鏡も女王さまの姿を映すと、音を立てて割れてしまいました。
それから、女王さまは、なんとか自分の姿をひとめ見たいと願い、あらゆる手段を尽くしました。
しかし、画家はその姿を再現できないと筆を折り、鉄や銅の古い鏡はそのカワイさを真に映すことは無く、水面も覗けばあまりのカワイさに揺らぎ、揺れたカワイイが映るだけでした。
そうして女王さまは、誰よりもカワイイ存在になったのに、ただ女王さまだけが、そのカワイさを真に知ることはできませんでした。
ただ、人々がその女王さまを見て、カワイイカレンチャン! と褒めたたえる声だけが、そのカワイイを映す鏡だったのです。
それでも、女王さまは国中にカワイイを振り撒いたので、その国はとても豊かで幸福な国でした。 - 36二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:33:42
そんなある日のことです。
女王さまが街を視察していると、一人のみすぼらしい芦毛の少女を見つけました。その体からはすっかりカワイイが抜け落ちており、ぼさぼさとなり油で固まった髪からは芦毛の綺麗さが失われています。世界の損失ですね。
「かわいそうに、どうしたの?」
女王さまはゆっくりと声をかけました。このカワイイの治世において、カワイくないものは抹……めっ!(カワイイ的表現)したはずですが、なぜこの少女はこのような姿のまま、街にいたのだろうか。そう女王さまは不思議になり、少女に声をかけたのです。
しかし、少女はただ不思議そうな顔をして、女王さまを見返すだけでした。
その時、女王さまはあっと声を上げて驚きました。少女は女王さまから放たれる真のカワイイに負けないままに、女王さまの姿をその瞳に映していたのです。この時初めて、女王さまは、自分の真のカワイイを知ることができました。
きっと、この少女なら、私の「鏡」になってくれるかもしれない──。女王さまは、そう考え、その少女をお城に連れ帰ることにしました。
「それに、こんな少女を放置しておくわけにもいかないし。」
もっとも女王さまは真っ当に女王だったので、瞳のことが無くとも、その少女を連れ帰っていたでしょう。
さて、女王さまはお城に帰ると、とりあえずその少女を風呂に叩き込みました。何も女王さまがやらずともと家臣達はいいましたが、女王さまが、他の誰がやるよりもその少女をカワイく出来ると言い放つと、納得しました。
お風呂場では、なぜかその少女は酷く恥ずかしがりましたが、黙って服を脱がせると、あばら骨が浮いた体が見えました。女王さまはますます不思議になり、少女に問いかけました。
「なぜ、お前はそのような風貌になっているの?」
「…………」
しかし、少女は答えることができませんでした。女王さまは残念がりながらも、その裏にどんな陰惨な過去があったかを思わず想像してしまい、ただゆっくりと少女を抱きしめることにしました。 - 37二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:33:55
少女は少しの間抵抗していましたが、次第に動きを止めて、なすがままにされていました。それから、ようやく安心したのか、どこか安らいだ顔のまま糸が切れるようにぱたりと顔を赤くして倒れてしまいました。
女王さまは驚きましたが、とにかく今のうちにと、その髪をゆっくりとほぐしていきました。すると、油で汚れた暗い灰色の汚れの下から、白い雪のような、それはそれはうつくしくカワイらしい芦毛が現れました。
それで、女王さまは、この少女を白い雪のような芦毛を持ったお姫様として、白雪姫と名付けることにしました。
それから、この女王さまと白雪姫の日々が始まりました。
「おいで白雪姫、その瞳を私によーくみせて?」
朝起きた時、白雪姫の瞳に女王さまを映すことが、彼女たちの日課となっていました。
鏡が無い間、女王さまは自分のカワイさが分かりませんでした。化粧の時もただ昔の感覚だけで紅を付けていたのです。しかし、今では、白雪姫の瞳をすっと覗きながら、化粧をしています。
それだけではありません。もっとカワイくなろうと、まるで白雪姫の瞳に映した自分に対抗しているかのように、カワイイを重ねていました。
女王さまの姿を少しでも大きく映そうと、涙目になりながらも目を開く白雪姫に、そんなにしなくても大丈夫だよと女王さまは声をかけます。それから、女王さまはゆっくりと、白雪姫に語りはじめました。
「ねぇ白雪姫。私は今、この国いち、世界一カワイイけれども。」
「きっとあなたがいれば、星空に輝く星にも負けない、宇宙一カワイイ存在になれると思うの!」
女王さまがいっていることは、白雪姫にはよくわかりませんでした。それでも、それはきっと素敵なことなのだろうと、いつも思っていました。 - 38二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:34:28
「よくお聞き、白雪姫。貴方の瞳に移った私が何よりもカワイく映るのは、それはね────」
……しかし、そこから先の言葉を、白雪姫は聞かない振りをしました。
それは、白雪姫にはあまりにも、過ぎた言葉に思えたからです。
女王さまも、今はそれでいいと思っていました。
彼女の自信に揺るぎは無く、ただ巡る季節と自身の成長を無邪気に楽しみながら、いつかくるその時に向けて、一歩一歩、階段を進んでいくことを決めていたのですから。
ある日、白雪姫は、桜の花びらがウマの尻尾のように、ゆらゆらと天から降る中、窓辺に座りじっと外を眺めていました。
白雪姫はなにをするでもなく、ただ桜が風に吹かれて散る様をじっと眺めていましたが、ちらりと目線を下に移しました。すると、中庭には桜の花びらがつもった三女神様の像が見えたので、見なかったことにしました。
しかしながら、桜で彩られた三女神様の像は確かにカワイらしいものだったので、白雪姫はひとり、こんなことを考えました。
「どうかして、女王さまには、桜のようには儚くなく、花びらのようにうつくしいほっぺたをもち、瞬きすらも許さないほどカワイくなってほしいものだ。」と。
果たして、そのためには、白雪姫には何が出来るのでしょうか? 白雪姫はじっと考えました。
しかし、白雪姫に出来ることは、全て女王さまに出来ることでした。国の雑務を手伝うことはなんとかできましたが、ことカワイイとなれば、白雪姫に出来ることはなかったのです。
なんとか女王さまの役に立ちたい。女王さまが頼ってくれる存在になってみたい。白雪姫はただぼんやり、そう考えていました。女王さまの言葉に秘められた真意に、気づかない────あるいは、気づこうとしないままに。 - 39二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:34:55
それから、白雪姫は、女王さまの言葉をゆっくりと思い返していました。
『カレンのやりたいことを、完璧じゃなくても理解して……夢の叶うところを見たいと思ってくれてる』
窓からのぞくは春の景色。その眼下には、三女神様の像があります。
『同じところにいようとしてくれるよね。そんな人がいるなんて、考えもしなかったな』
ふと、思いました。彼女の役に立つのは、どんな存在だろう? もし、そう、もしなれるなら────
「鏡になりたいな。カレンのカワイさを真に映す、カレンがもっとカワイくなるための、鏡に」
────春のトレセン学園、一年の終わりと始まりを迎えようとする中。あの「ウマ娘化騒動」が起きるより前のこと。
吹きすさぶ春風がかき消したその小さな言葉を、ただ三女神様の像だけが静かに聞いていたのでした。
うまぴょいうまぴょい - 40二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:35:43
以上、誕生日SSは間に合わなかったので誕生日記念ってことに……
- 41二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:40:04
いい…
それだけしか言えない位いい…… - 42二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:41:17
素晴らしい…
- 43二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:51:35
いい記念だ…
では私も投げていいかな? - 44二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:52:28
読み応え抜群!
まるで文学作品の如き素晴らしいSSです…! - 45二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:56:06
じゃあss投げますね
- 46二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 22:56:49
「う〜ん、新しい娘達も輝いてるね。キタトレに後でリストアップして送っておかないと。一応ギブアンドテイクの関係だし。」
───電動車椅子を右手で操縦しながら、サトトレは新入生の娘達を遠巻きに眺めていた。時は入学シーズンである。
この姿でノコノコ出向けば好奇の目で注目を集めるのは確定だし、何より彼は退くことを決めた身なのだ。
(この車椅子もダイヤが用意してきたものだけど、イクトレに頼んであのロボ○アーマーみたいなの…っていけないいけない)
「…あの、すみません」
「こんにちは、どうしたのかな?」
ふと声をかけられるサトトレ。気づけばどうやら新入生らしきウマ娘が、心配するような眼をしていた。
「…もしかして、来客の方でしょうか。」
「うん?」
「いえ、もしかして迷っているのかなと。…まあ私もここに詳しいって訳じゃないのですが、理事長室なら…」
(ああ、またこのパターンか。そろそろ慣れてきたね…)
理事長室に案内しようとする彼女を止め、自分がトレーナーであることをネタバラシする
「ん〜、僕はトレーナーだよ」
「…はい?」
信じられないという顔で見られるサトトレ。こんな反応にももう慣れっこである。ごそごそとバッジを取り出し
「これで信じてもらえるかな?…それに、僕は元競争バなんだよね。『サトノジャッジ』って言ったら分かるかな」
「えっ…ええっ!?」
どうやら凄く驚いたらしい。わなわなと体を震わせて表情がコロコロと変わっている。恐らく思考が使い物になってないのだろう。
「…それで、何処かへ行こうとしてたみたいだけど、もしかして迷子?」
「は、はいぃ〜…」
「じゃあ案内してあげるから、どこへ行きたいのか教えて。ついでに、ちょっとだけお話していこっか。」
───その後、無事に連れて行ってもらった彼女は、サトトレからの話を聞けたことに凄く嬉しそうにしていたらしい。
短文失礼しました
ネタ通り迷子に間違われるサトトレ。とはいえ車椅子のロリウマ娘トレーナーってあんまり聞かないだろうし無理もないかも()
ちなみに車椅子のサトトレは冗談抜きに右腕以外自由に動かせないため、電動のだったりと凄く気を遣われてます。
ダイヤちゃんが主に大体用意してくれるスタイル。(尚フラストレーションは片手縛りでゲームとかして発散してることも) - 47二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:02:12
お労しやサトトレ……いや、マジで
この新入生ちゃんはこの後サトノジャッジを調べて脳を焼かれるんだよね - 48二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:18:12
車椅子で制服着てない小さなウマ娘が居たら間違われるのもやむなしよね…
- 49二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:31:32
「……迷いましたね〜、ボノトレさん」
「……迷ったねグラトレさん」
「カフェテリアへ向かっていた筈なのですが~」
「人を避けていつもと違うルートを通ったのが悪かったかなぁ?」
「いつもなら迷わないのですがね~」
「普段より人が多いから勝手が違って困るよね」
「さてさて、こういう時はグラスに連絡をするのですが~……」
「ボノも忙しそうだったからなぁ……」
「まあまあ、私達だけでもカフェテリアに辿り着くくらい出来るでしょう~」
「流石に慣れた学園だしね、今は迷ってるけど巻き返せる筈だよ」
「では、現在地を把握する為に見晴らしの良い山へと登りましょうか~」
「それじゃあ、現在地を把握する為に開けた海岸へと行こうか」
「「……………」」
「迷った時は高い所へ行くべきですよ~、登山の鉄則ですね~」
「こんな右も左も分からない場所よりも開けた海岸に出て落ち着いた方が良いと思うな」
「むう……」
「むむ……」
それから二人は、山へ向かうか海へ向かうか言い合っているうちにGPSで追って来たグラスとボーノに保護されたそうな。 - 50二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:54:55
立ち止まってたほうがまだ安全なまであるな…
- 51二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:59:26
- 52二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:01:32
- 53二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:07:54
神がかり的な道の迷いをしてる
でも脇道に入ってみたくなるのもわからなくもないというのが困りどころよね - 54二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:09:38
何やら今日の13時からメジロ家でパーティーが開かれるらしいね
- 55二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:11:01
- 56二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:16:28
- 57二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 00:17:26
エイプリルフール一日目か…
担当に何か嘘をついてみよう - 58二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 05:38:55
- 59二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 05:39:40
でかい
- 60二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 06:26:52
- 61二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 06:51:18
- 62二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 07:09:54
おはメカ
金曜メカねえ - 63二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 07:11:39
夢の中では喜んでいるんだろうなぁ
- 64二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 07:19:38
本当にやるヤツがいるかぁ!
- 65二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 07:27:50
サイゲは1年中エイプリルフールだぞ!ケツ上が巨乳になっちまうー!
- 66二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:03:41
拝啓
春爛漫の季節を迎えた今日この頃、トレーナー様はいかがお過ごしでしょうか。
このたび日頃の感謝を込めて、本日13時より拙宅にてささやかなパーティーを開くことになりました。
トレーナー様のご来宅心よりお待ち申しております。
メジロ家一同
<a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/メジロ家" target="_blank">#メジロ家</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a>_エイプリルフール — ウマ娘プロジェクト公式アカウント (uma_musu) 2022年04月01日【メジロ家アフタヌーンパーティーのお知らせ】
- 67二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:12:52
- 68二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:19:35
- 69二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:23:53
えっ!?今日はルドゴルムン(+黒ルド)がメジロ家を強襲するSS書いてもいいのか!?
- 70二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:31:09
- 71二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:35:56
見立てだと風雲メジロ城が来るね
メジロ家が挑戦する側で - 72二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 09:45:05
- 73二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 10:14:12
グラトレ「グラーァス! グラーァス!!」
グラス「トレーナーさん? そんな大きな声を出されてどうさ……れ……」
グラトレ「グラーァス! 私は変わりマース!」
グラス「え、えっと、そのマスクはどうされて……」
グラトレ「これから私はルチャドーラとして高みを目指しマース!!」
グラス「ル、ルチャ……!?」
グラトレ「イエース! ルチャでマッチ相手を倒して強くなりマース! ノットヴィズドロー デース!!」
グラス「う、嘘ですよね……トレーナーさん……」
グラトレ「イエース! エイプリルフールデース!!」
グラス「………………トレーナーさんとエルにはお話を聞かないといけないみたいですね?」
グラトレ「グ、グラス? エイプリルフール……エイプリルフールですよ?」
グラス「問答無用!」
グラトレ「ご、ごめんなさぁい!」
エル(……何故か巻き込まれた気がしマース!?) - 74二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 10:33:07
『空想、嘘、空、想い』
「バンブーさん、一つあなたに伝えなければならないことがあります」
「な、なんっスか唐突に……」
「バンブーさん、私はですね……人間じゃないんです。私は月より降り立った宇宙ウマ娘なんです。本当の名前は輝夜壱拾八世なのです」
「は?え?はぁー!?」
「驚くのも無理はないでしょう。それは今から三百年前、月の地下渓谷に封じられた巨大な悪なるものが復活した際に私たちは月の箱舟に乗って此方へと避難してきたのです。そうして今、かの悪の存在に対抗するためまた月に集まることになりまして……しばしの間お別れになります」
「いやいやいやいやいやいやいや宇宙!?何っスか!?突然ファンタジー!?」
「恐らく戦いは熾烈を極め、ゴルトレさんが飛び、マベトレさんがまぁべらすをし、そしてマヤトレさんが無茶ぶりをさせられることでしょう……ですが、私はきっとあなたの元に戻ってきますよ」
「え、マジなんっスか?え?え?え?」
「いえ、すべて冗談です。えいぷりるふぅるというものです」
「はぁー!本当にもう!真面目な顔して突然メチャクチャ言うんだからびっくりしたっスよ!」
「ですがもし、私が宇宙ウマ娘だとして……その時、バンブーさんはどう思いますか?」
「うん?うーん……でもトレーナーさんはトレーナーさんのままっスよね?じゃあ普通に受け入れちゃうんじゃないかなと思うっスよ」
「それは大変ありがたいことです。誰であれ本質を見抜き、正しく人と付き合うことのできるバンブーさんですから、きっといろんな人と仲良くなっていけるものと私は信じていますよ」
「あー、そんなことダイレクトに言われても……恥ずかしいっスよ……」 - 75二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 10:34:10
以上。頭から離れなかった宇宙ウマ娘というワード…意味☆不明
バンブーはなんか絶対おかしいと思いつつもちょっと信じそう - 76二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 10:35:15
グラトレの思い付きによって関係ないのに巻き込まれたエルよ…おいたわしや…
- 77二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 10:48:04
- 78二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 11:01:03
バントレが真面目な顔して言ってきたら荒唐無稽な話でも少し信じてしまうのも仕方無いと思うな
- 79二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:21:48
- 80二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:30:02
- 81二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:30:04
しゃい☆
- 82二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:32:28
別バースや異聞帯から人数引っ張ってきても大変そうな人数だ
- 83二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:40:16
何かイベント始まってる!?
- 84二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:46:49
これは言うっちまうアイドル活動が始まる…!
担当ウマ娘をトップアイドルにするべくプロデュースするトレーナー
もしくは
アイドルデビューしてトップアイドルを目指すトレーナー
そんな概念 - 85二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:49:32
蒼「素晴らしい提案をしましょう。貴方もウマドルになりませんか?」
ウマドル勧誘構文も懐かしいね - 86二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:51:58
ウマドル勧誘構文楽しいからもっと皆やって欲しいんだ。
私はギャグに振り切って書いたけどアピールポイント解説にもなるんだ。 - 87二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:04:33
普通だ…
ようこそ、メジロ家のアフタヌーンパーティーへ。
<a href="https://umamusume.jp/mejiro/" target="_blank">umamusume.jp/mejiro/</a>
<a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/メジロ家" target="_blank">#メジロ家</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a>_エイプリルフール — ウマ娘プロジェクト公式アカウント (uma_musu) 2022年04月01日 - 88二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:09:27
メージロッ!メージロッ!
ジーク、メジロ!! - 89二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:10:15
♪メージロ~メージロ~
- 90二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:14:34
メージーロ〜〜
- 91二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:20:01
め〜じろ♪
- 92二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:23:04
エイプリルフールでトレセン総メジロ化?
- 93二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:30:01
筋肉ですわ!筋肉ですわ!!!
皆様でトレーニングを積んで、共に金肉を育てますわ!!
プロテイン!!プロテインもお忘れなく!! - 94二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:36:54
お前は元からメジロだろ!?
- 95二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:49:39
- 96二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:52:14
たぶん効果が有るのは最初の1日だけで、後は仕事効率が落ちて終わらなくなると思うんですよ
- 97二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:53:13
やっぱりロイヤルビターが一番ですね
- 98二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 13:53:19
タバカフェの因子伝承してる……
- 99二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 14:06:19
ビタージュースとカップケーキ!!これで勝ちですわ!!
- 100二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 14:10:02
カッコいいウマ娘を目指す以上、自分を曲げてはいけません。走って勝ち、それ以外でも己を貫く!これこそメジロたるものの務めですわ!
……よ…
そしてわたくしもメジロである以上、トレーナーとしてもやはり天皇賞の盾を目指したいですわね!
……こよ……
もうっ、さっきからなんですの?何か言いたいならもう少し大きな声で言ってくださいな?
息子よ…春の盾は任せたぞ……
誰ですのー⁉ - 101二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 14:23:26
パチンコですわ!スロットですわ!
ギャンブルは最高ですわ!
無限に稼げますわ!(-100万) - 102二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 14:32:58
胸がねぇですわ!!ケツさん行きますわよ!
黒さん!!私も参戦致しますわ!!ケツばかりでなく胸を盛らせていただきますわ!!
パチンコですわ!スロットですわ!!これで勝ちですわ!!(今月10万円負け)
タマ…どこですの…?こわいですわ……タマ…
なんやこれぇ!!?!? - 103二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 14:46:13
よわよわですわ★ざこですわ★なさけなーいですわ★カップケーキマーベラスですわ☆
- 104二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 15:10:01
うーん、エイプリルフールSS練ってたらメジロ(鳥)が脳内にへばりつく……
これでいくか! - 105二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 15:36:34
- 106二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 15:39:56
(それ、梅の花じゃ…)
- 107二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 16:03:42
おのれそれでもメジロか
- 108二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:15:03
えいぷりる★ふーる
「えへへっ、だーいっきらいっ!」
スイトレは死んだ。
生命活動は停止していないが、そのよわよわの魂は完全に砕け散ったのだ。
どすん、という音と共に倒れ伏した彼女はそれはもうさめざめと泣き、ひんひんと喚いた。
スイトレにとって、愛しのスイープトウショウに嫌われるというのはそれほどに耐え難いことであったのだ。
「ひぃーん、ひんひんひんひん……」
「あっ……だっ、騙されたわねトレーナー! 今日は何の日か知らないのねっ!」
「ひぬぃ?」
「じゃーん!」
指し示された日めくりカレンダー(オペトレ謹製、古今東西の魔法トリビア付きだ)をスイトレが見やれば、そこに書かれていたのは4月1日。
「今日はエイプリルフールよ! いっぱいウソつきしていい日なんだから!」
「な、なるほどぉ〜!」
スイーピー、なんて素晴らしい子なのだろう。忙しない大人は企業の悪ふざけ以外にまったく気にも留めないイベントを、心の底から楽しめるだなんて!
若干脳を焼かれた思考でスイープを称賛しながら、スイトレは先の言葉の意味を噛みしめる。
だいっきらいはうそ。つまりそれは、好意の裏返しであり……
「……だいしゅきぃ?」
「……教えてあげないっ」
「ヒンッ」
頬を赤らめて立ち去ったスイープを見て、スイトレは二度目の昏倒を果たした。
スイトレは死んだ。アグネスデジタルのよく叫ぶ「尊み」を理解しながら死んだ。スイトレがざこであるかそうでないかは関係のない致死ダメージであった。
うまぴょいうまぴょい - 109二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:17:10
あとがき:スイトレは疑り深いが騙されやすいのでエイプリルフールにはよくだまされる
仕事の息抜きで遊ばせてもらった……さらばだ…… - 110二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:22:49
ストレートじゃないやり方で伝えられる好意いいね…
- 111二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:25:34
死ぬ、死んでしまうぞスイトレ…
- 112二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:29:51
まことか弱き者よのぉスイトレ殿…
でもたゆんたゆんなのかわいいよね - 113二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 17:37:10
本日の20割おいたわしやスイトレ殿
- 114二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:20:22
でもトレーナー達は、担当ウマ娘に嫌いって言われたらエイプリルフールだと分かっていても大ダメージ入りそうだよね
- 115二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:28:21
逆にダメージ食らわない人いるか…?
- 116二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:39:43
カフェトレ、たばこ逆さだぜ
- 117二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:41:01
パチ……ブラ着いてるぞ
- 118二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:41:55
魔ルド!グルトレ!お前ら……アイデンティティが!
- 119二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:47:08
(チヨトレの精神を回復させてて良かった…)
- 120二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:49:53
(やっぱり『俺』と『私』のことがっつりSSにした方がいいな)
- 121二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:53:51
桜の木の下で 黒メブ
「トレーナーさま、本日はこちらですわ〜」
朝起きれば、ブライトが家にやってくる。小さなウマ娘になってしまったボクに可愛らしい服を着せる為だ。彼女はボクのことを男だったことを忘れてはいないだろうか。距離の近さに少し困惑する。彼女はそんなボクを気にした様子もなく、セーラー服のような襟の大きなワンピースをボクに着せていく。
「トレセンの制服みたいだな」
「ふふふ、制服よりも可愛らしいフリルがたくさんあしらわれていますわ~」
大きな襟と袖には細かな刺繍とフリル。パフスリーブのふんわりとした上半身をきゅっと締めるような大きく膨らみのあるハイウエストのスカートには大きなリボンが腰についている。これにもフリルや刺繍があしらわれている。リボンタイをつけ、リボンが編み込まれたハイソックスとスカートからフリルが見える程度に長めのドロワを履く。今日のボクの服装だ。
「あと、こちらも~」
「帽子か?」
「はい。お洋服と合わせてより可愛らしくなりますわ~」
一部の髪を花のような形に整えたブライトはその花とは反対の位置に帽子を斜めにかぶせた。被せるというよりは乗せる感じに近い。
「これ落ちたりしないのか?」
「そうですわね、それでしたら…こちらも使いましょう~」
彼女は黒いヘアピンで帽子を留めた。これなら落ちなさそうだ。
「花見に行くってどこへ行くんだ?」
「ないしょ、ですわ~」
るんるんとした足取りの彼女についていき、家を出る。いつものようにメジロ家のドライバーの運転する車内で彼女とまったりとした会話を楽しむ。
「今日は『マキちゃん』たちは一緒じゃないんだな」
「はい。今日はトレーナーさまとふたりきりでお花見したいと思っておりますので、『マキちゃん』たちにはお留守番して頂いてますわ~」
「それならもう一度花見がしたいな」
「……はい!」
会話を楽しんでいると、車が停まりドアが開く。車を降りて周囲を見渡すが、これといった人の姿は見られない。彼女がバスケットを片手に声をかけてきた。
「トレーナーさま。こちらは、メジロ家が持つ土地のひとつですわ」
「どおりで人が居ないわけだ」 - 122二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:53:54
このレスは削除されています
- 123二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:54:09
ブライトと手を繋ぎ、道を進む。自然の多い場所ではあるが、定期的に手入れがされているのか道は整えられていた。前の身体なら、体力はもたなかったかもしれないがこの身体は疲れる気がしなかった。若くなっているのか、それともウマ娘という身体になったからだろうか。
「見えてきましたわ~トレーナーさま、見えますか?」
「いや、見えないな……っブライト!」
ボクが見えないと言うと彼女はボクをバスケット片手に抱きかかえた。
「これなら見えますわ~あそこの大きな桜の木の下でお昼にしたいのです」
「わかったから、降ろしてくれ」
桜の木を確認し、彼女に降ろしてもらい桜の木の下へとまた歩き始める。
「ほわぁ~近くで見るとより綺麗ですわ~」
「……そうだな」
木の下に着き、バスケットからビニールシートを取り出した彼女を手伝う。学園内で彼女とピクニックをしたことがある。あの時はいろいろとまったりし過ぎていた気がした。今回はふたりで楽しむのだから、この小さな身体でもできることはしたい。
「前みたいに飛ばされないようにしないとな」
「はい」
何事もなくシートが敷かれ、食事の準備が整った。ピクニック向けのもの、サンドイッチといった食べやすいものだ。メジロ家のシェフが作ったのだろう。とてもおいしい。
「トレーナーさま」
「どうした?」
「あ~ん、ですわ~」
「……あ、あーん……んむ」
ボクが差し出されたおかずをほおばると彼女は穏やかに笑みを浮かべた。彼女との3年間が終わり、ひと段落した後の初めての春だ。こうして彼女と花見をゆっくりとできることは悪いことじゃない。メジロ家が問題視する加速し続けるスピード重視の流れもいつかはと。風に揺られ落ちていく桜の花びらを見ながらそう思った。
「トレーナーさま」
「ブライト…?」
「わたくし、また次も来年も毎年。トレーナーさまとお花見したいですわ~」
「ボクもだ」
ボクたちはボクたちで在り続ける。ゆっくりと、でも着実とした歩みで向き合っていく。ボクがウマ娘になってもそれだけは変わることはない。あのカカオの木に実ったカカオで作った彼女のチョコレートもまだ食べれていないのだ。
- 124二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:56:08
- 125二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:00:38
- 126二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:25:07
花見、今年はできるかしら……でも見てて気持ちいいね
こちらも簡単な駄弁りSS投げます - 127二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:25:29
家紋
- 128二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:26:14
「エイプリルフールをうっかり失念して普通に好意を示したら、トレーナーさんにこの世の終わりみたいな顔されてしまったネイチャさんが通りますよっと……」
「なんか浮かない顔してると思ったら何してんのさ……」
「だってさテイオー、話の前振りが微妙に長くて。今思うとそれもウソ話の導入だったんだろうけど」
「あまりあっちこっち話行くとダメだよねー、それでそれで?」
「それでつい先読みしちゃったのよ。『はいはい大好きですよー』って。……そしたらゆっくりと膝から崩れ落ちた」
「どういう展開だったんだろ……先読み自体あんまりよくないけど」
「トレーナーさんとはよくやってるからいいの」
「たしかにたまに見るけどさぁ……。というか、ナチュラルに『大好き』って言ってるんだ」
「……そこは今更ってことで。はぁ〜〜やっちゃったぁーー……」
「まぁ今回に関してはうっかりしてたネイチャが良くないんじゃない? でも元気出しなよー。そうじゃないとキレのあるツッコミができないってタマモクロスも言ってたよ?」
「ん、ありがと……アタシ、テイオーのこと好きじゃないよ」
「……にっしっしっし! ボクはけっこうネイチャのこと嫌いだよー?」
「……あっそ」
「おぉ、照れてる? ネイチャ照れてるーー???」
「照れてn……る! 照れてる!! ……いや、照れてないって意味の照れてるなの! ああもうややこしい!!」
「……うぅ、ネイチャ……」
「好きな人から不意打ちの『大好き』で傷を負うとか器用な真似を……」
「しかも結構なスリップダメージです……テイトレさんも覚悟しててください」
「テイオーはどんなウソを言うんだろうなぁ……インパクト大きそうで既に不安です」
「…………あ、無理。まだちょっと辛い」
「そんなに???」
(終)
以上。認識の齟齬は怖いねって話……今日はウラトレのも書かねば
- 129二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:29:21
器用な致命傷の食らい方すぎてお労しさが加速する…
- 130二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:40:33
この四人可愛いね…てぇてぇじゃん…
- 131二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 19:53:26
このエイプリルフールに一喜一憂してる感じいいね…
テイオーに嘘をつかれた時にテイオーがどんな反応をするのか気になる~ - 132二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:28:09
なんか書けたからSS投げるよ
- 133二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:32:27
ある日のこと。
自然な流れ、自然な雰囲気で、四人(とゴルシ)はメジロ家のお茶会へと呼ばれたのであった。
「これが、メジロ家のお屋敷……」
「……ルドルフが来れないのが不安だが。どうにかなるよな?」
そう溢すのは黒ルド、何故か呼ばれた四人目のトレーナーである。
因みに魔ルドと二人、スーツ姿である。
「おっ、お前らこっちだ!」
「あっ、ゴルトレちゃんとゴルシちゃん!今そっち行くね!」
「……やはり面子が不安だ」
腕を振りこちらに呼び掛けるゴルトレとゴルシ、因みにゴルトレはスーツ、ゴルシは学園の制服である。学生の正装って制服だし。
「おや、もう皆揃っていたのか……」
「あっ、ムントレちゃん!」
「んだよムントレ、若干遅くないか?」
「ああすまない二人とも。少しタンホイザのお母さんと話し込んでしまって……」
「……お前も大変だよなぁ……」
「……それは仕方ないねぇ……」
(二人の目付きが変わった……!方やおもちゃに、方やぴょいの波動に……!)
「……黒ルドだったか?アンタ、舐めたらこの茶会……死ぬぜ」
「……ゴールドシップまで!くそっ、正気なのは……あ、屋敷、屋敷で正気な者を……!」
流れるように合流したムントレと軽く話す三人、いつものゴルシをよそに黒ルドは先に挨拶に向かう。 - 134二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:33:13
そうして使用人とのいくらかのやり取りを経て……
「皆様。本日はお越しいただき感謝いたしますわ。我々メジロ家といたしまして……も……な、何故貴方も……!?」
「……そりゃマックちゃん、ゴルシちゃんにかかればメジロ家への潜入も楽勝に決まってるだろ?それに、ちょーっと切るもん切ったってだけよ」
「切るものって何ですの!?って!トレーナーさん、トレーナーの方を!」
「言われなくても既に手を回しておりますわ!リャイトレ!侘助!エクストリームアタックを!」
「おい兄貴、エクストリームアタックって何だよ!?」
「「うっ……」」
「ああっ!トレーナー!何ちょっとオグリキャップくらいの年齢の男に『そういえば私、ハルヒの原作と同い年なんですよね』と博物館で言われて項垂れる20代後半から30代の男性グループみたいになってるんだよ!」
「やめろゴルシ、今その言葉は……」
「何ですの!?どこでそんな武器を手にいれましたの!?」
「仲いいよね、あの二人」
「……魔ルド、現実逃避をするな!あー、黒メブ君は!?せめて、アルトレさんか……パマトレさんは、いいか……うん……」
「……その、あっちがあの騒ぎなので。先に私が中庭まで案内しますね」
「あ、ありがとうライアン君。今日のお茶会が良いものになるように……ああ、これはつまらないものだけれども。サメの肉を使ったはんぺんとそれに見合ったおでんだしだ。まだまだ冷える時期、是非とも……」
「わぁ!ありがとうございます!ドーベル、ちょっとこれを厨房に持っていくから案内を……」
「えっ?ちょっ、逃げ……!」
「……まあ、自分のトレーナーと親戚のトレーナーがあんなことになってるなら逃げるよな……」
「黒ルドちゃん、まさか最近の子ってハルヒと同い年だったりする?」
「……ハルヒ原作と同じ年の子が大学新一年生だ」
「……ぐはっ」
「……魔ルドさんがやられた……!」
「……なに、この……なんなの?この空間?ジェネレーションギャップで次々と心を折られる人ばかりいるんだけど」 - 135二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:33:33
いつも通りのゴルシとマックイーンの戦いに互いのトレーナー、リャイトレ、侘助も加わりお労しやゴルマクトレ上となり、魔ルドもダメージを受けるこの頃、しれっと黒メブはこの空間を覗き見て、
(ダメだこの空間……ボケに対してツッコミが圧倒的に足りてねぇ……今参加したら飲まれる……この不条理空間に……!)
と震えていた。
そんな地獄の釜をひっくり返したような騒ぎの中、大きな影が一つ。
「……お茶会の準備をアルダンさんとしていたのですが、これは?」
「あっ!アルトレちゃん!」
「あ、これは……」
「驚きましたが、にぎやかなのはいいことです」
「……なぁゴルシ、助かると思うか?」
「トレーナー、腹くくっとけよ」
「しかし、玄関口でお客様と騒ぐのは些か問題であると思いまして。それに……」
そう言いながらアルトレは、黒メブの隠れている方向をちらりと見た後、続ける。
「……困っている人もいますから。あとドーベルさん、ありがとうございます」
「あ、いや、別に何も……」
「では、行きましょうか。あちらでは何故か黒タマさんが待っていますよ」
(何故か……?)
恐らく、アルトレ以外の全員の気持ちと考えが一致しただろうこれはさておき、皆メジロ家の中庭へと歩んでいく。
そうして、そこにあった光景は……
「えっ!?」
「ウオシスさんは出てこないよなこれ!?」
「ゴルシ、なんかやったか?」
「なにもしてないぞ?」
「……あの形は……!」
そう、何故かケツ上の特に豊かではない胸が黒タマの鋭利な身体に刺さっていたのであった…… - 136二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:34:09
────
───
──
楽しそうなお茶会から一転。突然の恐ろしい光景に思わず崩れ落ちたドーベルを侘助がお姫様だっこで部屋に運んでから、黒ルド主導で捜査が始まる。
「……それで魔ルド。死亡推定時刻は?」
「心音はないけど身体はまだあったかいから、さっきだと思う。出血量もそこまでではないのと、即死だと思う。あと、凶器も黒タマさんで間違いないと思う」
「ゴルトレさん、犯行に使われた黒タマの特徴は?」
「赤黒く光った鋭利な刃物だな。黒タマだから自立するし、まさしく百舌鳥の早贄にはぴったりだな」
「……それで、アルトレさん。皆のアリバイは?」
「ブライトさんは騒ぎを聞き付けてから部屋を出たようで、それまではメブトレさんと二人で部屋に居たようです。黒メブさんはお手洗いからブライトさんの部屋に戻ろうとしたところを騒ぎに出くわし立ち往生、といったところでしょうか」
「……はい。大方それで間違っていません。あと、ブライトには、この光景は見せられませんので二人はまだ部屋に待機するよう厳命をしました」
「……それで、リャイトレさんとライアンさんですが」
「マクトレの命でゴルトレとゴルシを止めていたな」
「私はムントレさんからの荷物をシェフに渡していました。シェフ達もそれを証言してくれる筈です!」
「……成程。それで、先程やってきた我々客人は皆アリバイがある、と……」
「……なぁ。アルトレのアリバイは?」
「トレーナーさんは侘助さんやマクトレさん程走れるわけでもありませんので。確かに、殺してからこちらに来ることも可能でしょうが……」
「あ、返り血……あと、歩いていたから犯行時刻とは少しずれるのか」
「はい♪」
アルダンと侘助が指摘しあうのをよそに、奥からやってきたパーマーが一言。
「……あのさ。この黒タマさん、魔剣グラムの形してない?」 - 137二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:34:51
「「「……あっ!」」」
そう、黒タマは魔剣グラムだったのだ!
それに気が付いた一同は、マクトレを見る。
そこには……
「……あら。私がマックイーンでしてよ」
「おや?私が本物のメジロマックイーンですわ」
争う二人のマックイーンだった……
「くそっ、どっちが本物だ!?」
「……あまりにも似すぎててわからない……」
「トレーナーさん!マッスルスキャンを!本物なら大胸筋に対して旨の脂肪が少ないはず!」
「わかった!」
「「しれっと人の胸を弄るのは人の心がなさすぎましてよライアン!」」
「そこも被せるあたり本当にそっくりですね……」
「なぁこれメジロ家のお茶会に招待されたんだよな!?」
「黒ルドさん、そこは間違いありませんよ」
「……ありがとう黒メブ君」
そんなことをやっていると、ゴルシとゴルトレが二人のマックイーンの傍に来て、こう叫ぶ。
「「ムントレ!あのカードを使うぞ!」」
「……わかった!」
「んじゃ行くぞトレーナー!」
「おうよ!」 - 138二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:35:15
「リバースカードオープン!融合を使用する!」
「「合☆体!」」
「「なんですのそれは──っ!?」」
二人のマックイーンがゴルシとゴルトレにより互いの頭を掴まれ、ぶつけられる──と思いきや、ひっつき、混じり合う。
そうして現れたのは……
「ホーホケキョですわ!真の一心同体でしてよ!」
「あれは……メジロ!?」
「いや鳴き声がウグイスだろ!?」
「そもそも見た目がメジロの身体にマックイーンのマックリーチャーだから今更だろ!?」
「黒メブ、素が出てるぞ!?」
「……御託はここまでですわ。あの「エイプリルフールなので胸が増えます」なんてほざきやがったケツ上も粛清したことですし、まずはお前ら全員の胸のふくらみを奪って差し上げますわ……」
「1から10まで何言ってるんだ兄貴……」
「とりあえず侘助の胸を奪いますわ!サラシでデロデロになる前に奪ってしまいますわ!バルンバルンですわ!食らいなさい!メジロビーム!」
「ぐああああっ!!!?」 - 139二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:35:38
「侘助の胸が……!」
「ドベトレちゃんの胸が、どんどんちいさく……!」
「あ、おい黒メブ君、何処に!」
「ちょっと奴をしとめる方法を思いついたから!」
侘助の胸がどんどん縮み、皆が怯えるなか黒メブは倉庫に駆けていく。
そこにあるのは……
「農業用トラクターだッ!」
「な、なんですのそれは!」
「これで、お前を轢く!」
「そんなこと、させませんわ~」
「ブ、ブライト……なんで……」
「トレーナーさま……」
しっかりと黒メブの身体を抑えるブライト。
そうして、ゆっくりと、意識が遠ざかっていき……
「……はっ」
そうして黒メブが気が付くと、そこはベッド。
じっとりと汗に塗れた背中が、悪夢であったことを表す。
「あの夢は何だったんだ……ところで、日付は……」
3月31日、午後23時。その日付と時刻だけが、ただ光っていた。 - 140二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:37:13
ってことで4000文字近いルドゴルムン+黒ルドのメジロ家のお茶会SSですが、まず一言
このSSに登場した全てのトレーナーを考えた人になんと言えばいいのかわかりません。どうか、こんなわけのわからないものに出した罪をお許しください - 141二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:41:08
わぁ…闇鍋SSだぁ…
頭空っぽで読める… - 142二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:41:31
底知れぬ恐怖を感じた()
何が起こってんだァ……? - 143二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:42:17
何を見せられたんだ?
- 144二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:42:45
一体なんなんだこれは……
- 145二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:45:56
??????????????
よくわかんなかったけどよくわかんなかったね! - 146二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:47:40
何が何だかわからないけどとにかく面白いということだけは確かなんだ
こんなことはじめて…! - 147二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:47:59
- 148二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:48:26
グラムは黒タマだった……?
- 149二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:50:04
やっぱカードで対処出来る奴は決闘で拘束しないと危険だな、うん!(理解放棄)
- 150二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:50:14
やっぱ胸が無いやつは駄目だな
全員盛らなきゃ - 151二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:55:49
待てよ
おしりも忘れずに盛れよな、今日は特別な日なんだからよ - 152二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 20:58:04
このssのタチの悪いところは最初は理解できる文章から始まるところなんだよね
そして途中で急に理解できない展開がさもあたりまえのように流れていくから「あれ?何か読み逃した?」とか「もしかして俺がおかしいんか?」というドツボにはまっていくんだよね
まさに黒ルドの追体験だね - 153二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:10:27
サイゲは年中エイプリルフールだからな……
- 154二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:11:34
俺は今、言うっちまうの混沌をほんのちょっぴりだが体験した……
い……いや……体験したといよりはまったく理解を超えていたんだが……
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……
俺はほのぼのお茶会SSを読んでいた筈が気付けば不条理空間に居た
な……なにを言ってるか分からねーと思うが、俺も何を読んでいるのか分からなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
トンチキだとかアホ企画だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…… - 155二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:29:45
目が滑る…滑るよぉ…ツルッツルの摩擦係数ゼロだよおお…!
- 156二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:32:13
頭が…頭が理解することを放棄している…ッ!!
- 157二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:57:59
スレの人々が困惑してる…
SSが書きあがったので投稿してもよろしいでしょうか?
3248文字で、4+1レスお借りすることになります - 158二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 21:58:58
こいこい
- 159たとえ嘘ばかりだとしても1/422/04/01(金) 22:00:58
[たとえ嘘ばかりだとしても]
パラパラと紙をめくる音と、ペンが紙の上を走る音が部屋を満たす。
トレセン学園のトレーナーは担当のトレーニングが主な仕事として挙げられるが、決してそれのみが仕事という訳でもない。担当の指導にマスコミへの対応、更にはレースの研究や各種事務手続きに至るまでを行うのがトレーナーの仕事であり、自分が今こうして行っている事務仕事も大切の仕事なのだ。
「それで、もしも逃げを使う相手と走る際はどうするんだ?」
(相手によりけりだが…多人数でやるなら全体のペースを崩して掛からせるのが一番だな。理想としては掛かったメンツの後ろでスタミナを温存して最終直線で差しきる。強い逃げ相手と戦う時は相手の想定をどう崩すかが重要になるな)
と、言っても1人で黙々と書類に記入し続けるというのも性に合わないのが正直な所。以前は音楽をかけるなりして気を紛らわせていたのだが、最近は専らギムレットと話をしているのが常だった。走る側、それも一度世代の頂点に立った彼から聞く話は実感が伴っており、それを聞くのはウオッカ以外の担当経験のない自分からするとありがたい話だった。
(……そういえばだがボウズ。今日は学園の空気がいつもとは違うが何か催し事でもあるのか?)
「何言ってるんだよギムレット。今日はエイプリルフールだぞ?大方、何か嘘の1つでもつこうとしているんだろうさ」
(なるほど、エイプリルフールか。そういえば俺が生きていた頃、引退してから毎年シリーズに復帰すると言ってイベントを開催していたウマ娘が居たがここでも似たようなことをやってるのか)
「そこまで大掛かりな嘘はないだろうけどな。というか毎年言ってたのかよ」
(それが天下のイギリスダービーウマ娘、しかも歴代有数の実力者が言っているのだからジョークとしては満点だけどな。周囲もそれを理解した上で騙されてパーティーに参加していたらしいぞ)
「えぇ…」
エプソムダービーを勝った名ウマ娘が毎年復帰をするという嘘をつく、という嘘に困惑しながらそれと同時に思う。 - 160二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:00:59
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- 161たとえ嘘ばかりだとしても2/422/04/01(金) 22:01:27
レースやトレーニングに関しては自分よりも遥かに造詣が深い自分の相棒だが、意外なことにレース以外だと少しばかり天然な所がある。近年の流行だとか季節の行事などはこうして言われないと気づかないことが多く、ウマ娘のことについてはギムレットが、日常のことに関しては自分が相手を支えているのが自分たちの常だった。
「ギムレットも今日ぐらい嘘をついてみたらどうだ?」
(俺がか?如何せんこういうのには不慣れだからな…何を言ったものか)
「駄目ならハッキリとその時いうさ。午後には説明することになってるし、あまり気にしなくても良い」
自分の言葉を聞いて考え込むような空気を醸し出すギムレット。
こうしてエイプリルフールにつく嘘1つを真面目に考えている姿を見ていると、変に真面目な所がウオッカそっくりに思われて、彼らが親子というのもなんとなくだがしっくりくるような気がしてくる。彼がウオッカの父親と自称しているのに納得しているのはそう言った部分もあるのだろう。
(嘘か……そうだな、もしもだが今まで全部嘘だったらというのはどうだ?)
「何言ってるんだギムレット。それに全部って、どのぐらいだ?」
(そりゃあ全部さ。タニノギムレットという名前も、ウオッカの父親なのも、ダービーウマ娘だということも全て真っ赤な嘘だとしたら…お前はどうする?)
「そうだな…」
自分を試すかのような彼の言葉を聞いて、ふと考える。
彼の何もかもが嘘だとして、自分は果たしてどうするのだろうか。レースへの的確な助言や、ダービーウマ娘として彼が誇っている部分が嘘だった場合、自分と彼の関係はどうなるのだろうか。
瞑目してしばしの間考える。嘘ばかりの彼に対して自分は何をするのだろうかを考えた時、答えは意外なことにすぐに出てきた。 - 162たとえ嘘ばかりだとしても3/422/04/01(金) 22:02:05
「いつも通りに接するよ。もしお前が嘘ばかりなら、いつか本当のことを言ってくれるようになるまで付き合い続けるさ。それに、俺はそういった事の方が嘘に感じられるしな」
(今から嘘をつく、という話の流れだからそう感じられるだけかもしれんぞ?)
「いいや、いつだってそう思うさ。だって、ウオッカのことを思うお前にも、全力で走ってレースと向き合っているお前にも嘘なんて1つもないって信じてるからな。それに比べたらいきなり出てきた言葉1つの方が嘘だと思うよ」
彼からの疑念を切って捨てる。
今までの全てが嘘?そんなことがある筈がない。
自分は知っている。同じ体を共有して、誰よりも近くから彼を見続けたからこそわかる。ギムレットは大事なものに対して誤魔化すために決して嘘をつかない。もし何もかもが嘘だとしても、彼がウオッカに向ける愛情とレースにかける情熱だけは嘘ではないと自分は信じている。もし何もかも嘘なのならば、その嘘さえも本当ではないと信じるのだって大丈夫なはずだとおもう。
(そうか…難しいな。嘘をつくのは)
「エイプリルフールの嘘はハッキリと嘘とわかるぐらいが丁度いいんだろうさ。お前が言ってたイギリスの話もそういうことなんだとおもうぞ」
(全くだな……ありがとうな、ボウズ。お前がそう言ってくれて、俺は嬉しいよ)
「どうもいたしまして…よし、これで仕事も終わりだ。あとはウオッカを待つだけだな」
少し恥ずかしげになりながらも感謝を贈るギムレットに気にするなと返して、仕事を一段落させる。後はウオッカを待ってトレーニングを始めるだけだ。たとえエイプリルフールだとしても、自分達のやることは変わらない。
そう思いながらギムレットと時折入れ替わったりしながら午後の時間を過ごす。後輩たちもウオッカも居ない2人だけの時間は久しぶりを過ごしてしばし、トレーナー室のドアが勢いよく開かれる音がした。 - 163たとえ嘘ばかりだとしても4/422/04/01(金) 22:03:08
「おーい、授業終わったから来たぜトレーナー…じゃなくてギムレットか。トレーナーと何話してたんだ?」
「さて、何を話してたんだったか。残念ながらもう忘れちまったな」
「オイオイ男のヒミツだってか?そんな水臭いことを言うなよ。オレとトレーナーは相棒なんだし言ってくれたって良いじゃないか」
「気になるんだったらボウズから聞きな。少なくとも俺からは話す気は無いぜ?」
「ちぇ~少しぐらいは言ったって良いじゃないか」
意気揚々とトレーナー室に入って来たウオッカの質問に飄々と返して話を続けるギムレット。言葉だけ見てみるならばいい加減、しかし彼から放たれる空気は慈愛に満ちていて、表情は優しげな笑みを浮かべている
彼の表情を見ていると、さっきの何もかも嘘なんて有るはずがないと誰しもがわかるはずだ。
「なあ、ウオッカ」
「ん?どうしたギムレット」
「もし俺が本当はお前の父親じゃないって言ったら、お前は信じるか?」
「んなワケないだろ……オレはお前のこと親父だとは思ってないけど、お前がオレのことを子供みたいに思っているのは本当だって、お前とこうして過ごしていてハートでわかるぜ。…へへっ、なんだか恥ずかしいな」
「……! ……ありがとうな、ウオッカ」
「ん?何か言ったか?」
「いいや?今日は気分がよくてな。特別に練習量を増やしてやろうと思ったまでさ」
「ウワーッ⁉絶対嘘⁉……それはともかく、今日もよろしくなギムレット」
「──ああ!」
互いに言葉を交わしながら午後のトレーニングの準備をし始めるギムレットとウオッカ。互いに遠慮することなんてないとばかりに気安く話し合っている彼らの姿を見ていると、彼らの関係だけは決して偽りではないと心の底から確かに理解できる。
きっと自分が彼のことを受け入れて、こうしてチームの皆にも受け入れられているのはきっと彼のそういう所もあったからなのだろう。ウオッカのことを揶揄いながら感謝しているギムレットの姿を見ながらなんとなくだがそう思った。
暖かく、朗らかな空気が部屋を満たしていく。たとえ全てが嘘なのだとしても、彼らの間の感情は本物に違いないのだと部屋に漂う感情が証明してくれるかのような、そんな気がした。 - 164たとえ嘘ばかりだとしても+122/04/01(金) 22:06:06
これにて終了です
エイプリルフールネタのSSを書こうとしていたらいつの間にか別のSSに
ある日いきなりウオッカのことを「息子よ…」と呼ぶ人格がトレーナーの中に現れて、それが自然な形で受け入れられていったのはギムレットのウオッカを想う気持ちが本当だと傍目から見ていてもわかるからなのだと思ったり
4レスになりますが、読んでいただけると幸いです - 165二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:11:26
いい……
- 166二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:12:39
親父が息子と仲良くてなによりだなあ
- 167二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:13:30
この親子仲…いい…
- 168二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:13:47
素晴らしい……
- 169二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:16:33
確かに傍から見たらウオトレがウマ娘化したと思ったらなんかウオッカを息子と呼ぶ人格も出来たって状態だもんなぁ
それを受け入れたウオトレの度量も凄いと思うんだ
この三人(?)の関係は本当に良い…… - 170二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:22:20
いい関係だなあ
- 171二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:31:01
奇妙だけど素敵な関係だよねえ、表に出てくる人格が生えた組は…
嘘ヘタクソなのは想像できる。あんまり自分を偽るような人…というかウマじゃないだろうし、隠しはしても嘘はつかなさそう - 172二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:38:26
エイプリルフールはいいね
- 173二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:40:48
レース面でハッタリとかフェイクとか平然とした顔で仕込んでくるけど、私生活だとギムレットは嘘とか下手そう
それをウオトレとウオッカの両方が理解してる感じがするのいいよね…… - 174二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:41:35
嘘が苦手ながら何かしら担当に嘘ついてみよう
- 175二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 22:57:29
下手な人が頑張って嘘ついて欲しい
- 176二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:02:23
タイトレは間違いなく嘘付けないな
- 177二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:04:11
まあタイトレだからな…
- 178二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:06:45
「あっ、もふもふの犬」
「えっ」
「……ごめんベガ、嘘。……いや本当ごめん……そんなしょんぼりしないで……」
「……別にそんな表情してないから……」 - 179二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:12:00
割とみんな嘘は下手な気もする
- 180二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:12:47
もふもふの犬に興味深々のアヤベさん
街でバーニーズマウンテンドッグとかレトリーバーとかみたら心惹かれるんだろうか - 181二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:18:13
「失礼します! トレーナーさん、貴方の愛バ、サクラバクシンオーが参りましたッ!」
「あー……うん、今日も元気だね。よかった……それじゃミーティングから始めようか」
「ややっ? なんだか元気がないご様子ですね……よろしければ、事情をお聞きしても?」
「えっ……あ、いや、別に大したことじゃ……ない、はずなんだけど……その、うん……」
「バクシンオー。君に謝らなきゃいけないことがあるんだ……1つ、じゃなくて2つほど」
「トレーナーさんが、私に謝る、ですか」
「そうなんだ。すー……はー……言うぞ……大丈夫、大丈夫……よし、聞いてくれるかい」
「は、ハイッ! むむむ……トレーナーさんがそこまで深刻そうなお顔をなさるとは……一体どのような」
「1つ目は……憶えてるかな、君がお財布忘れちゃって、僕のお財布を持って買ってきてくれた桜餅のこと」
「ええ、憶えていますよ! これまでを振り返り、そして二人でバクシンロードを共に駆けると約束しましたよね!」
「そう。あそこの桜餅を買っておいたんだけど……実は……僕一人で二人分食べちゃったんだ……!」
「な……なんと! トレーナーさん、おひとりで二人分を食べてしまわれたのですかッ!」
「うう……ごめん、ごめんよバクシンオー……君の分まで……」
「……そうですか、素晴らしいですッ!」
「えっ」
「思わず二人分食べてしまう、それだけ桜餅が好きになった、つまりそういうことですねッ!!」
「あ、その、ええと」
「私の分まで食べてしまったというのは少し残念ですが、仕方のないことです。また買いに行けばいいのですよ!」
「……ごめん、バクシンオー。謝らなきゃいけないことの2つ目って、今のがウソってことなんだ」
「……えっ?」
「あの店で二人分の桜餅を買っておいたのは本当だ。僕と君とで食べようと思って。僕が全部食べちゃったのはウソ」
「なるほど、そういうことでしたか……いやー。トレーナーさんはウソがお上手ですね!」
「下手な方だと思うよ? それはそれとして、桜餅、食べながらミーティングしようか」
「ハイッ♪」
(了) - 182二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:20:05
嘘が上手い…
- 183二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:24:55
バクトレさんいいね…
- 184二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:25:03
バクちゃんは前向きにバクシンしているから嘘が通じない……!
そしてバクトレも謝る数に嘘をつく事を最初から入れているあたり真っ直ぐ過ぎる……! - 185二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:26:21
- 186二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:27:09
さすがは肯定感の塊な委員長。バクトレの言葉にも「それだけ桜餅を好きになってくれたということなのでOKです!」は心が広い
- 187二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:28:27
お願いします
- 188二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:28:32
たのむ
- 189二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:28:51
- 190二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:29:22
- 191二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:29:27
- 192二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:29:45
立て乙です
- 193二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:29:58
立て乙めか
- 194二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:30:05
- 195二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:30:19
立て乙
- 196二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:30:48
梅
- 197二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:31:07
おつ
- 198二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:31:17
埋め
- 199二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:31:24
うめうめ
- 200二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:31:42
嘘だっ!