トレーナー君、出かけるとしよう

  • 1二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 00:33:40

    ふむ、また実験か…ね。
    …その通りだ。私のことをよくわかっているじゃないか。少し、知りたいことがある。
    だからすぐに支度を済ませるように。…うん、今すぐに。君の今日の予定がないのは知っているから、断る理由もないはずだ。…ありがとう。

    まずは水族館だが…私もあれから勉強してね、アクリルパネルだけでなく魚に関する知識も多少はついた。ほら見たまえ、あそこにいるのは──あれ、なんだっけ。おかしいな、私がド忘れするなんて。

    次はショッピングだ。以前は買い物もせずに終わったが…一応買いたいものくらいは見つけてきた。どうせ君に聞いたところで、特に欲しいものはないと言うのが目に見えていたし。
    …何ってクッションだよ、それも視覚効果による作用も考えて動物のもので…ほらごらん。あのぬいぐるみたちの気の抜けた顔、実に癒されそうじゃないかい?
    特にこのモルモットは抱きやすい大きさで汎用性が高い!せっかく買うなら君のと合わせて二つ買おう。いいかい?…よし。

    …懐かしいね、そういえばこの通りで君に言われたんだっけな。『泥臭い』だろ?フフフ、思い出すだけで笑いが込み上げてくるようだ。

    …。

    …なぁ、トレーナー君。感情の解明は、思ったよりも困難で可能性に満ちているとは思わないかい?
    ……今日君を連れ出したのには理由がある。実験と言えばそうだし、そうではないとも言える。ただ、君に伝えたいことがあってね?…この感情は、受け止めた両手からすり抜けていく、透き通った水のように掴み難くて…断ってくれても構わない私個人の願いによるものだ。この誘いは君に、いや私にもだが…色々影響を及ぼしすぎるから──
    私はどうやら…さまざまな理由は考えられるが、表現の仕方がわからない感情で…君のことが好きになってしまったらしい。生物としては当たり前だが原理がわからなくてそのうわっ!?
    …抱きしめるなら、そう言いたまえ。はぁ…暖かいな、君。これからも改めて、よろしく頼むよ。

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