ダージリンのファーストフラッシュかぁ……

  • 1◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:22:11

    昼休み、トレセン学園中庭のベンチに腰掛けウマスタグラムを見ていると紅茶専門店の宣伝が目に入る。
    今日はトレーニングも休みだし放課後にでも買いに行こうか、と予定を立てていると。

    「おっ、ドーベルじゃないか!」
    「ひゃっ!」

    意識の外、左の方から声を掛けられ思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
    毎日聴く快活な声。
    ただ今日はその大きめな声が恨めしい。
    左を向き声の主……アタシ、メジロドーベルの担当トレーナーを睨む。

    「急におっきな声で呼ばないでよ!びっくりするじゃない!」
    「ご、ごめん!まさか驚かれるとは思ってなくて!」

    申し訳なさそうにこちらに頭を下げてくる。
    ……いくら男性とは言え、流石にアタシも担当トレーナー相手に驚き過ぎだ。

    「はぁ……別にいいわよ……それで?何か用事?」
    「いや、ご機嫌そうだったから何かあったのかな、って」

    ……そんなに分かりやすくご機嫌だったのだろうか?少し気恥ずかしくなる。
    機嫌がいい理由自体は知られて特に恥ずかしいものでもないので、見ていたスマホの画面をトレーナーにも見せる。

    「紅茶の宣伝?」
    「うん、ダージリンのファーストフラッシュが入荷したんだって。だから買いに行こうかな、って思ってたの」
    「ファーストフラッシュ?」

    ……トレーナーはいまいちピンと来ていないようだ。
    紅茶が好きな人じゃないと知らないか、とトレーナーに説明する。

  • 2◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:22:37

    「……茶葉には旬があるんだけどダージリンの場合は春、夏、秋の3回あるの。それでファーストフラッシュは春に摘まれる新茶のことなの」
    「ふ~ん。あ、隣座っていい?」
    「え、うん」

    中腰の姿勢で画面を見るのが辛かったのか、もしくはアタシに画面を向けさせ続けるのは悪いと判断したのか。
    遠すぎず、近すぎず。絶妙な距離感でトレーナーが隣に腰掛けてくる。
    恐らく理由は後者だろうし、男の人が苦手なアタシが嫌がらない距離を的確に保ってくるあたり本当にこの人は気遣いが上手い。
    トレーナーの方に画面を寄せつつ説明を続ける。

    「ダージリンのファーストフラッシュは青みがあって甘味が強めなの。緑茶っぽい、って言えば分かりやすいかな」
    「へぇ、摘む時期で味も変わってくるんだな、紅茶って」
    「……トレーナーって普段紅茶って飲んだりするの?」
    「ペットボトルのなら……」

    正直そんなところだろうとは思っていた。
    それにトレーナーは優雅にお茶、って感じの人でもない。若干暑苦しいとこあるし。

    「ねぇ、トレーナー。良かったらなんだけど……飲んでみる?アタシが淹れたので良ければだけど……」
    「ドーベルが淹れてくれるのか?」
    「べ、別にアタシも自分で飲む為くらいで対して淹れるのが上手い訳じゃないから。あんまり期待しないで」
    「いや、ドーベルが紅茶を振る舞ってくれる、ってだけでも嬉しいよ!」

  • 3◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:22:49

    ちょっと喜び方が大袈裟過ぎやしないだろうか……
    ほら、少し周りの注目を集めてしまっている。

    「で、いつ買いに行くんだ?」
    「今日の放課後にでも買いに行こうかと思ってたんだけど」
    「じゃあ、授業が終わったら声をかけてくれ」
    「え?トレーナーもついてくるの?」

    至極当たり前のようについて来ようとするトレーナーに思わず聞き返す。
    が、トレーナーもアタシの反応が予想外だったようで

    「……ダメなのか?」
    「別にダメって訳じゃないけど……」

    ……トレーナーとお出掛け出来るのは嫌じゃない。むしろ嬉しい。
    ただ……アタシが勇気を振り絞っても出来そうにもないお誘いを、そんないとも簡単にされると少し複雑な気分になる。

    「……じゃあ授業が終わったらトレーナー室に行くから」
    「了解、じゃあまた後でな!」

    トレーナーが手を振りながら去っていく。
    ……視線を引いている事に気づいていないのだろうか。
    ちょっと恥ずかしいからやめてほしい。
    胸の前でひらひらと手を振り返し、アタシも教室へと戻る。
    思いがけないお出掛けの予定に、残りの授業はいまいち頭に入ってこなかった。

  • 4◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:23:56

    放課後。
    約束通りトレーナーと茶葉を買いにショッピングモールへと訪れる。
    お目当てのダージリンのファーストフラッシュ自体は目立つところに置かれていたのですぐに買えたのだが、どこで紅茶を淹れるか決めていなかった。
    2人で思案しているとふとトレーナーが思考を口から漏らす。

    「俺の部屋……いや、ないな」
    (トレーナーの部屋……)

    ウマ娘寮へのトレーナーの立ち入りは原則禁止だが、トレーナーの宿舎へウマ娘が行く事は別に禁止されていない。
    実際行った事がある、という子も周りにいるしメジロ家の中でもアルダンさんは行った事があるらしい。
    ……いや、アルダンさんとあの人は基準にはならないか。
    ともかく、正直トレーナーがどういう部屋で過ごしているのかはとても気になる。

    「トレーナー室でい「……トレーナーの部屋、行ってみたい……」

    ……しまった。
    つい漏れ出てしまった声に言い訳するように慌てて捲し立てる。

    「だ、だって、ほら、アンタは前にアタシとタイキの部屋に来ちゃったことあるんだし。アタシもお茶会するついでにアンタの部屋を見に行ってもいいでしょ?」

    我ながらどういう理屈だ、と思う。
    一応事実ではあるがトレーナーの意思ではなくタイキに担がれて無理やり連れて来られた形なので事故がいいところだ。
    苦し紛れの言い訳に流石にダメかな……と思っていたが。

  • 5◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:24:09

    「えっと、ドーベルがそれでいいなら?でもドーベルからしたら汚いかもしれないよ?」
    「アタシからしたら、って事は散らかってる、って程でもないって事でしょ?」
    「まあ、一応は片付けてるつもりだけど」
    「ん、じゃあ決まりね」

    場所も決まり、意気揚々とショッピングモールを後にしようとしたがふとある考えが脳裏を過ぎる。
    ……茶葉はこの通り購入した。
    しかし、紅茶を淹れるのに決定的に足りていないものがある。

    「ねぇ、トレーナー。ティーポットとかカップとかって……」
    「持ってないな!」
    「買わなきゃダメか……」

    ペットボトルの紅茶しか基本的に飲まないトレーナーの部屋に、道具が揃ってる訳もなかった……

  • 6◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:24:29

    幸いショッピングモール内に茶器の取り扱いがあるお店はあった。
    荷物が多くなる事を見越して計量器の方はモール内の家電量販店で先に購入。
    ケトルは持っているらしいのでティーポットとカップ、それとスプーン、後はストレーナーがあれば取り合えずは大丈夫だろう。
    ポットとスプーン、ストレーナーは決まったので残るティーカップをトレーナーと選ぶ。

    「しかし意外だったな。ドーベルが俺の部屋に来たい、って言ってくれるなんて」
    「い、いいでしょ、別に。周りの子で遊びに行った、って言ってる子もいたからちょっと興味があっただけだし」
    「正直ドーベル的には男の部屋で2人きり、ってのは抵抗があると思ったからさ。信頼してくれてるんだな、と思うと嬉しいよ」

    確かに以前までのアタシだったら絶対にトレーナーの部屋に行きたいだなんて思わなかっただろう。
    男の人への苦手意識が消えた訳ではないがトレーナーと出会ってから少しは変われたと思う。
    ……しかし茶葉を買いに来たはずが思いの外荷物が多くなってしまった。
    トレーナーの部屋に行きたいと言ったのはアタシだが今更になって気が引けてくる。

    「けどトレーナー……一から揃えるから結構な値段がしちゃうけどいいの?」
    「担当の子と親睦を深める為なんだからこれくらい安いもんだよ?」

    この人はアタシの為となるとフットワークが軽すぎやしないだろうか。
    遊園地の時といい、カフェの時といい、座右の銘は思い立ったが吉日、とでも言わんばかりの行動力である。
    トレーナーと話しつつ店内を探しているとひとつのカップに目を奪われる。

    「あ、このティーカップ可愛い……」

    ピンク色のライン、カップの内側に花があしらわれたカップを手に持つ。
    しかし横にも同じようなデザインで、ピンク色の部分が水色のものが鎮座している。
    このデザインと……値札から察するにペアカップだろう。
    ……将来的にトレーナーとこういうものが使えたらなぁ……とは思う。
    パッと見で目を惹かれるくらいには気になったのもあり、残念ではあるが元あった位置に戻す。
    引き続き探すもどうしても先ほどのカップが気になり、思わず目線が向いてしまう。
    同じくティーカップを見ていたトレーナーも気に入ったものが見つかったのかカップをひとつ手に持っている。

  • 7◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:25:41

    「うん、このティーカップがいいな」

    トレーナーが手にしているのは、さっきアタシが手にしたものの水色の方だった。
    ……アタシだってデザインはそのカップがいいと思った。
    ただ、それでも決めるに至れなかった懸念をぶつける。

    「でもトレーナー……それ、ペアカップだよ?」
    「いいんじゃないか?トレーナーとその担当ウマ娘なんだし、ペアと言えばペアだろ」

    ……トレーナーはアタシがそのカップが気になっているのに気づいていたんだろうか。
    気づいた上で選んでくれたのなら……無理にアタシに合わせてくれていないか不安になる。

    「ああ……でもドーベルはやっぱりこういうのはちゃんと大切にしたいだろうし嫌だよな」

    アタシの不安げな表情が別の意味で捉えられたのだろうか。
    少し困ったような笑みでこちらを見てくる。
    ……その言い方は卑怯だ。
    本当は……アタシの気持ちなんて全部筒抜けなんじゃないか、と思ってしまう。
    嫌な訳がない。
    トレーナーとペアカップを使えたら。
    そんな関係であれたら。
    ただ、今のアタシとトレーナーとでは似つかわしくない、過ぎた代物なのはアタシが一番よく分かってる。よく分かっているが……
    担当ウマ娘とトレーナーという建前まで用意してくれて……断れるはずがない。

    「別に……嫌じゃないけど……」
    「うん、じゃあこれにしよっか」

    顔を隠すように俯きながら、会計に向かうトレーナーの半歩後ろをついていく。
    自分でも顔が赤くなっているのが分かる。
    嬉しさと気恥ずかしさで何とも言えない今の顔は、とてもトレーナーには見せられないだろう。

  • 8◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:26:00

    「そんなに片付いてないけど、上がって」
    「お、お邪魔します……」

    買い物を済ませトレーナー宿舎へと訪れる。
    初めて踏み入れるトレーナーの……男の人の部屋はアタシにとっては未知の空間だ。
    リビングまで進み、あまり行儀は良くないがきょろきょろと部屋を見渡してしまう。

    「……思ったよりも綺麗だね」
    「良かった。汚い、って言われたらどうしようかと思ったよ」

    あはは、と笑いながら返すトレーナーの表情はどこか安堵しているようだ。
    唐突にお邪魔する事になったのにしっかりと部屋が片付いている事からトレーナーのマメさがうかがえる。
    ……トレーナーの部屋へと来れた事で若干満足しそうになってしまったが、元々はアタシがトレーナーに紅茶を振る舞う、という話から始まったお出掛けだ。
    当初の目的である紅茶を淹れるべく、台所を借りる。

    「俺も見てていい?」
    「……そんなに楽しいものでもないと思うけど?」
    「折角道具を買ったんだし、淹れられるようになっておこうかと思って」
    「……じゃあ教えてあげるから見てて」

    ケトルに水を入れ、お湯を沸かす。

    「水道水でいいんだ?」
    「うん、むしろ日本の場合は水道水の方がいいんだって」

    ケトルでお湯を沸かしている間、先ほど購入した茶器をトレーナーがさっと洗う。
    ……何も言ってないのにトレーナーの手際の良さに少し驚く。
    ポットに茶葉を入れるべくスプーンで掬い、計量器に乗せる。

  • 9◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:26:14

    「スプーン一杯分でカップ一杯分なの。ファーストフラッシュだから3.5gくらいがいいかな……」

    トレーナーに説明する名目もある為、計量器に乗せて重さを量る。
    特に微調整をすることもなく、計量器の数字は3.5gでぴたりと止まる。

    「わ、凄い」
    「茶葉が多すぎたり少なすぎても味わいが変わっちゃうから基本的には量った方がいいと思うよ」

    量った茶葉をそのままポットの中に入れ、もう一杯分続けて入れる。

    「あれ?ポットとかカップを温めておくってよく聞くけど大丈夫なの?」
    「うん、普通はそうなんだけどね。ダージリンのファーストフラッシュの場合は渋みをあまり出さない為にも沸騰した温度よりもちょっと低めがいいの」

    その後すぐにお湯が沸き、ポットの中に注ぐ。

    「あ、トレーナー、タオルってある?」
    「あるけど何に使うの?」

    言いつつ引き出しからタオルを持ってきてくれて、こちらに渡してくれる。
    そのまま受け取ったタオルでポットを包む。

    「本当はティーコジーっていう専用の道具があるんだけどね。ポットの温度が下がらないようにしておくの」
    「……他にも道具があるのか。今日買ったもので全部だと思ってた」
    「トレーナーの負担になるだそうし、あんまり買わせちゃうのも悪いかな、って思って」

    ひとまず後は蒸らすだけだ。
    蒸らしている間少し手持ち無沙汰になり、何とはなしにトレーナーの部屋を眺める。

  • 10◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:26:27

    (ここが普段トレーナーが過ごしてる部屋かぁ……)

    改めて見ても良く片付いていると思う。
    ところどころ生活感を感じる部分はあるが散らかっている訳ではない。
    リビングの机の上には月刊トゥインクルやアタシが前に勧めた漫画が置かれており、ちゃんと読んでくれてるんだ、と少し安堵する。
    ……つくづく担当想いの、いいトレーナーだと思う。

    「やっぱり気になる?」

    流石に目線で部屋を見てるのはバレバレだったらしい。

    「え、いや」
    「まあ男の部屋に入る機会ってあんまりないだろうしね、仕方ないよ」

    ……幸い変に勘繰られず軽く流してくれた。
    すぐさま助け舟のようにタイマーが鳴る。
    撒いていたタオルを解き、ポットの蓋を外す。

    「最後にスプーンで軽くかき混ぜて」

    カップにティーストレーナーの上から紅茶を注ぐ。

    「カップに注いだら、これで出来上がり」

    カップからダージリンの良い香りが漂ってくる。
    リビングの机に運び、ソファに腰掛ける。
    が、部屋の主であるトレーナーは何故か右往左往している。
    不思議に思っていたが普段のトレーナーの振る舞いからなんとなく察しがついた。

  • 11◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:26:41

    「別に、隣に座ればいいでしょ」
    「あ、ああ。じゃあ失礼して」

    1人暮らしのソファの為、隣がけて座ると自然と距離が近くなる。
    トレーナーからしたら近すぎたら不快だろう、とかそんなことを考えていたのだろう。
    確かに落ち着かない近さではあるが……嫌な距離感ではない。
    それに今は周りの視線もないし、多少引っ付いていたって注目を集める心配もない。
    2人で腰掛けたところで紅茶をいただく。
    ……ちゃんと上手く淹れられているようだ。

    「ん!美味しい!」
    「ほんと?良かった」

    程なくしてトレーナーからも反応が返ってくる。
    自分が飲む為に淹れる事はあっても誰かに振る舞う事はあまりない為、美味しいと言ってもらえ一安心だ。

    「今までで飲んできた紅茶で一番美味しいよ!ドーベルが淹れてくれたからかな?」
    「そんな……大袈裟だよ」

    そこまで面と向かってベタ褒めされると流石に恥ずかしい。

    「でも確かに緑茶っぽいな。ドーベルが言ってた通りだ」
    「一般的に美味しいと言われてるのはセカンドフラッシュ……夏に摘んだ茶葉なんだけどね。これはこれで悪くないでしょ?」
    「うん、前に一緒に試飲したのもダージリンだっけ?同じ茶葉でもこんなに違うものなんだな」

    トレーナーと談笑しながらちょっとしたお茶会の時間を過ごす。
    ソファで並んで座っている今の距離感とまでは言わないけれど、少しだけトレーナーとの距離が縮まった気がした。

  • 12◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:26:54

    トレーナーは仕事の途中で抜け出している為、あまり長居するのも悪いだろう。
    明日に回しても大丈夫な仕事だからゆっくりしていってもいいのに、とは言ってくれたがこれ以上は正直アタシの心臓が持たない、と言った方が正しいかもしれない。
    一緒に片づけを済ませた後、玄関に向かう。
    ……手に提げていた茶葉を見てひとつ思い付き、トレーナーに差し出す。

    「そうだ、残った茶葉はトレーナーにあげる。買い物に付き合ってくれたお礼」
    「え、いや、悪いよ」
    「だってトレーナー、普段茶葉を買いに行ったりしないでしょ?折角の道具が埃被っちゃうじゃない」
    「まあ……確かに」
    「そういう事だから。気に入ってくれたみたいだし紅茶を淹れる練習がてら飲んでよ」
    「ん、じゃあありがたく貰っておくよ。ありがとう」

    アタシは寮に、トレーナーはトレーナー室に戻る為、共に宿舎を後にする。
    はじめは紅茶を淹れてあげるというだけの話だったのに、思いもよらない充実した一日になった。

  • 13◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:27:26

    後日。

    「ねぇ、トレーナー。あれから紅茶って自分で淹れてみたりしてる?」

    トレーナーに尋ねてみるも、ばつが悪そうに頭を搔きながら答える。

    「あ~……それが何度か淹れてみてるんだけどドーベルほど上手く淹れられないんだよな……」

    バレンタインにはちょっと不格好なチョコレートだったり、お見舞いに来てくれた時にはリンゴを剥くのが下手だったり。
    確かにトレーナーは何かと不器用な印象が強い。
    紅茶を淹れるのに失敗する姿は容易に想像が付いた。
    その様子がなんだかおかしくて。くすりと笑いながら返す。

    「トレーナー、不器用だもんね」
    「うっ、言わないでおくれ……」

    本人も気にしてるのか珍しく恥ずかしそうだ。

  • 14◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:27:36

    「だからさ、また今度紅茶の淹れ方を教えてくれないか?」
    「仕方ないなぁ……」

    (という事はまたトレーナーの部屋にお邪魔してもいい、って事かな……?)

    平静を保ちつつも内心では気分の高揚を抑えきれない。

    「助かるよ。そうだな……じゃあ次の日曜日とかどうだ?」
    「……うん、アタシもその日は予定はないから大丈夫」
    「よし、決まりだな!よろしく頼むよ、ドーベル先生!」
    「も、もう!先生はやめて!」
    「あはははは!」

    次お邪魔する時はどんな茶葉を持っていこうか。
    いつの間にか芽を出していた感情を一芯二葉の如く丁寧に紡いでいく少女の日常は、まだ始まったばかり。

  • 15◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:27:55

    みたいな話が読みたいので誰か書いてください。
    書きました。

  • 16二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:30:30

    素晴らしい……
    ちょくちょく育成ストーリー内でのイベントも拾われてて解像度の高さにビックリなんだよね

  • 17◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 22:32:53

    ベルトレ不器用だから絶対紅茶とか淹れるの下手だろうしドーベルに教わってて欲しい!という事を書きたかっただけなんです……
    なのにとんでもないムーブさせちゃってごめんねベルちゃん!
    後、私自身は紅茶が好きなキャラクターは好きになりやすいのに紅茶は苦手で完全にエアプなのでガバがあったらすみません!

  • 18二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:41:16

    これデートですよね?

  • 19二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:45:35

    非常によき……
    ベルトレは気が利く奴なんだけど手先は器用じゃなさげだよね

  • 20二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 23:13:13

    >>17

    ファーストフラッシュは茶葉が大きくてまとまらないからスプーンで量るのは難しい

    中国・台湾茶(紅茶含む)も難しい

    ダージリンセカンド、オータムナル、あとアッサム、ネパールは大体簡単

    ものにもよるけどダージリンファーストはポット温めておいて他の器で湯温下げた方がいいかなあ

    ダージリンは収斂味強いから熱湯ぶっかけは怖い

    ドーベルがやった淹れ方は中国紅茶ならありだと思う

    あと、中国茶で発酵度が低い方のお茶だと上投法とか中投方とかあってー

  • 21二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 23:39:30

    ドーベルもトレーナーもかわいいし異様に解像度が高い

  • 22二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 23:43:17

    ナイスなトレベル最高です。ご馳走様でした。
    これで今日も心穏やかに寝られます。

  • 23◆y6O8WzjYAE22/04/29(金) 23:46:04

    >>20

    ありがとう紅茶に自信ニキ……

  • 24二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 00:20:42

    ボリュームたっぷりなのに読みやすい
    良いトレベルをありがとう…

  • 25二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 11:57:33

    もしかしてアルダンとかの人?

  • 26二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 11:57:55
  • 27◆y6O8WzjYAE22/04/30(土) 16:14:55

    >>25

    >>26

    なんで分かったんですか……?

  • 28二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 16:21:00

    >>27

    貴方でしたか……今回も素晴らしいSSでした。これからも書いてもらえると自分が喜びます

    ……ベルトレ物もっと書いてくれたら嬉しいです(小声)

オススメ

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