お友達とシラオキ様顔見知り概念

  • 1二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 21:15:54

    概形置いときますね

     

     昔から危なっかしい子供だった。抵抗するだけの力もないくせに、一丁前に見えてしまうものだから。付き合いを閉ざすべき相手は、周囲の人間ではなかった。幼子がそんな提案を理解して、殊勝に聞き入れてくれると信じられる程に私が愚かだったなら、或いは彼女を諭していたのだろうか。無事に成長して、しかし未だに切れない『こちら』との繋がりをぼんやりと見ながら、ふと昔の記憶が頭を過ぎる。
     4月1日。残り少ない桜を、冷たい風が急かすようにして吹き落としていく。

  • 2122/04/30(土) 21:17:12

    何のために走るのか。強烈な自己顕示欲に突き動かされて、名家の誇りを保つために、或いはただ走ることが好きだから。皆がそれぞれ異なる目的を持ってレースに臨んでいるのは、言うまでもないことだ。
     いつも前を行く友の顔を見る。そのために走るウマ娘は、しかしこの少女の他にはいないだろう。何せ友人は呼びかけても振り返ってくれず、鏡に映るわけでもない。故にマンハッタンカフェは走るのだ。幼い自分に走ることの楽しさを教えてくれた『お友達』と真の意味で顔を合わせるために。

  • 3122/04/30(土) 21:17:55

    ゴールラインを通過。ゆっくりと減速していき、呼吸を整える。今年から契約を結んだトレーナーが、今のタイムを教えてくれる。まだまだ目的を果たす日は遠そうだ──思わず小さな溜息を吐く。
     とはいえ、デビューして間もないウマ娘としては、破格ともいえるタイムだ。カフェの素質は間違いなく素晴らしいものであり、今後順調に成長すれば複数のG1レースを制することができるだろう。皮算用にならないよう気をつけながらも、トレーナーは目の前の少女に期待を抱かずにはいられない。

  • 4122/04/30(土) 21:18:26

    メイクデビュー。7月に行われるレースで1着を取り、本格的に競走の世界へ飛び込んでいくことを、皆が憧れと熱意をもってそう呼んでいる。何度も挑戦できるものではあるが、やはり早くデビューしたいという思いは皆持っているようで。1回で突破したとなれば箔も付くし、世間からの注目もより強くなる。
     今年デビューしたウマ娘の中で、特に期待値が高い数名がいる。カフェはその中の1人、とりわけ中長距離における活躍を見込まれる新星だ。将来的には菊花賞や天皇賞・春を。そんな声もちらほらと聞こえてくる。

  • 5122/04/30(土) 21:19:43

    (気の早い奴らはほっとけ。沼地にホワイトハウスは建てられないからな)
    「分かってる……基礎は大事」
     カフェの言葉は、仮に誰かが聞いていれば独り言としか思えない。どう見たって話し相手はいないのだから。つまるところ、外から見たカフェは1人で『分かってる』なんて呟いている。そんな彼女を幽霊少女だと揶揄するような声も、期待の声を上回りかねない程に投げかけられてきた。
     雑音に傾ける耳はない。カフェの中で、奇異の視線に対する耐性はできあがっている。……できあがって『しまって』いるとも言えるだろうか。
     なんであれ、カフェは走り続ける。いつか友人が自分を認めて、その顔を見せてくれるときまで。

  • 6122/04/30(土) 21:21:21

    【小さな頃は、後ろをついてくるばかりの子だった。分別のつく年になっても、雛のようについて離れることがなかった。私の影響だろうか、幼い頃からレースにも興味を持って、よく公園で一緒に走ったものだ。……今、あの子が公園へ行くことはない。あまり外にも出ずに、専ら怪しげな儀式に傾倒するばかり。かける声も届かずに、今日もあの子はないものをねだり続ける。
     4月1日。朝から続く曇天は、堪えきれずに幾粒もの涙を零した。】

  • 7122/04/30(土) 22:01:58


    「ふんにゃかはんにゃか〜……ハッ! 出ましたよスズカさん、今日のラッキーアイテムは紅茶。人肌並みの温度にして、コップ5杯分飲み干すべし! です!!」
    「あまり気が進まないのだけれど……」
     級友のサイレンススズカが引き気味に拒否を示す。そのウマ娘は、しかし妙ちくりんなラッキーアイテムを更に押していく。まるで真にスズカのためである、といわんばかりの邪気のなさで。
    「私を信じてください、スズカさん。シラオキ様のお力を借りた占いの的中率は、ずばり50%!」
    「それを『当たるも八卦当たらぬも八卦』って言うんじゃないの?」
     友人の的確な指摘にも怯まないそのウマ娘は、マチカネフクキタル。学園在籍の高等部にして、学園でも指折りの変人と認定されている。それを知ってか知らずか、フクキタルのやたらと自信ありげな笑みは崩れない。

  • 8122/04/30(土) 22:08:56


     占いに傾倒する変なウマ娘。そんな評価の割には、フクキタルには友人が多い。占い要素を抜けば明るく元気なウマ娘だ、少なくとも大多数に友達付き合いを嫌がられるタイプではない。
     彼女の占いは実に多岐にわたるが、その全てにおいて共通して登場する存在がいる。『シラオキ様』──フクキタルはその存在を斯くの如く呼ぶ。それについて問いただした者はいない、実のところ誰も興味はないのだろう。

  • 9122/04/30(土) 22:17:48


     今年はクラシック路線へと挑む。スズカをはじめとした級友達の多くと共に、今年の1月から幾つかのレースに出走してきた。そして奮闘の甲斐あって今月末の皐月賞への出走権を獲得。自身初のG1勝利、そして史上僅かに数名しか為し得なかったクラシック三冠の栄誉を争う舞台に上がることとなった。
     50名近くいるこのクラス内で、皐月賞への出走権を得たのは2名。それだけG1レースとは狭き門であり、多くのウマ娘の憧れる夢舞台なのだ。

  • 10122/04/30(土) 22:21:23

    以上です。ここから皆様には
    ①カフェとフクの出会い
    ②①を通じての、お友達とシラオキ様の出会い
    ③それぞれの成功と苦悩
    ④見守る側の動き

    以上、大まかに分けて4点を書いていただきたいです。概形ではカフェとフクの大雑把な設定を纏めただけなので、付け足したり改変したりしてくださって大丈夫です。よろしくお願いします。

  • 11二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 10:09:11

    素晴らしい保守しておく

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 21:25:58

    ちょっと保守しとくね

  • 13二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 09:19:59

    カフェフク好き

  • 14二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 21:09:08

    フクにカフェが懐いたりするのかな

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