- 1二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:38:52
騒がしい方はもちろん、常に後ろにいる気弱な方は予想外のトラブルを呼び込むし、流石に関わりを減らしたい……
そうだ、私も普段あいつの周りにいるウマ娘みたいに黄色い声を出せば、もしかしたら興味を失ってくれるかもしれない
「やあアヤベさん! ここで会ったが世紀末、さぁ主演ボク脚本ボク演出ボクのオペラに出演しないか?」
なにその自己満足の極みみたいなオペラ。オペラの王のつもり? あ、名前はオペラの王か
いや、丁度いい。ここは下手に出て、さっき考えてた事を実践してみよう
「あぁ麗しきオペラオー様。貴女様が手掛けるオペラに出演できるなんて、感謝の極み。嗚呼、何も出せぬ私には、オペラオー様の御手に忠誠の証を捧げる事しかできない」
周りに人が居ないからこそ出来るが、恥ずかし過ぎる。よくこんなことできるな、こいつは
「おお……おお、アヤベさん……! ボクのオペラの素晴らしさに気付いてくれたんだね!」
まぁ、こういう反応は予想の範疇だ。だからこそ、次で確実に興味を失わせてみせる
「ああ麗しきオペラオー様。しかし私にオペラオー様の手掛けるオペラなど、あまりにも烏滸がましい。ならばせめて、オペラオー様を讃える言葉だけでも捧げましょう」
小っ恥ずかしいのを我慢してひたすら褒め称える言葉を投げ掛ける。美しいだの可愛いだの、上面の容姿のみを褒めて、何も見てない親衛隊らしく振る舞う
私だったら、見た目だけで褒められても嬉しくないし、こいつはそれに慣れてるだろうから、そんな連中と同じになった私への興味など無くなるだろう
だけど、眼の前に居るオペラオーの反応は、私の想像とは掛け離れたものだった
「」 - 2二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:42:22
つ、続きは...
- 3二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:47:06
つづき…
- 4アヤオペ21/09/21(火) 22:50:01
何を黙ってるんだこいつは。それとも、あまりにも軽薄な言葉でショックでも受けたのか?
まぁ、いいや。元々私は他人に絡むのも得意じゃないし、遅かれ早かれこういう反応をさせてただろう
「え、えーっと、その、あの」
だが、目の前のオペラオーは、オペラオーではなくなっていた。え、なにその反応
「フ、フフフ……ハーッハッハッハッハ! まさかアヤベさんがそこまでボクの事を見ていたとは思わなかったよ。少々照れくさいが、事実ボクの美貌は三千世界にも轟く、覇王たる麗しさだからね」
いつもの調子に戻った……ように見えて、若干顔が赤いし、言葉も震えている。もしかしてこいつ……直球に容姿を褒められるのに弱い? いや、まさか。自画自賛の権化がそんなわけ、いや、うーん
そんな私の好奇心が理性に逆らったのか、再び褒め称える言葉が溢れ出す
「あぁ、小動物のように愛らしい姿と御顔でありながらも、ターフを走る姿は孤高の獅子のように気高い」
ライオンは群れる生き物だけど、まぁこいつはそんなの気にしてないでしょ
そうした言葉を出してるうちに、とうとう目の前のウマ娘は地面にうずくまった
「おおオペラオー様、どうなされたのですか。しかし地に伏すオペラオー様もまた美しい。泥さえも装飾具と化す貴女様には、彩れない物など無いのだろうか」
「あ、アヤベさん! き、キミ、その、ストップ! ストップだ!」
あ、これ弱いのか。ヤバい、なんか変な気持ちになってきたかもしれない - 5二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:50:06
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- 6二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:51:01
押しに弱いオペラオーは良い
- 7アヤオペ21/09/21(火) 22:58:55
「許されないと分かっていても、その唇を奪いたくなる。ああ、神が居るのなら赦しておくれ。神の為のオペラオー様は、私のモノになるのですから」
真っ赤な顔でこちらを見つめるオペラオーに、私はとんでもない事を口走ってる。これ以上はやばい、踏み越えてはいけない。そう分かってるのに止められない
「オペラを演じるのなら、誓いのキスくらいはしたことあるんでしょ」
オペラオーの小さな顔が近付いてくる。否、私が近付いているのだ。もはやハナの差があるかさえも怪しい
唇と唇が触れ合いそうになる、その瞬間。ドサッと何かが落ちる音が耳元で響く
「ひ、ひぃえ、ひょえええ……!?」
あー、誰だっけ、このウマ娘。えーっと、確か、ちょっと怖い笑い方をするちっちゃいウマ娘で有名な……そう、アグネスデジタルだ。いや、誰かはどうでもいい。この場面を見られたのがヤバい
「ご、ご、ごゆっくりいいいい!!」
マイラーとしての鋭い末脚を発揮して逃げ出すアグネスデジタル。ヤバい、出遅れた私じゃ追い付けない。これは……私の学園生活終わったかもしれない
いや、でも元々孤立してるから……いや、そうじゃない。不審者を見る目で見られたら私だって死にたくなる
そう思ってると、目の前のオペラオーは少し落ち着いたのか、コホンと咳払いをした
「アヤベさん、君の気持ちはすごく嬉しい。だけど、その、ボクはまだそういうのに対しての理解が浅いんだ。だから、少しだけ時間をくれないか」
訂正。落ち着いてなかった。冷静なフリしてトンチンカンな事を言ってる。私のせいなんだけど
と、思ってるうちにオペラオーも凄まじい速度でどこかへ駆け出した。あー……もう、どうにでもなればいいや - 8アヤオペ21/09/21(火) 22:59:56
おしまい(色んな意味で)
- 9二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:00:44
好きです………………………………
- 10二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:02:24
アヤベさんはロマンチストだよね……本人は否定するだろうけど……
- 11アヤオペ21/09/21(火) 23:05:30
- 12二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:09:53
素晴らしい解釈です
私の性癖に合っていますね - 13二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:15:26
良い……
- 14二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:19:55
紙装甲オペラオー良い……言いくるめて悪い事したい……
- 15二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:20:17
好き(挨拶)
- 16二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:48:59
オペラオーヘタレ受け概念好き