ここだけカフェとトレーナーが結婚してから Part3

  • 1二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:56:11
  • 2二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:59:15

    建て乙

  • 3二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:59:26

    保守

  • 4二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:59:40

    姉妹たち可愛い

  • 5二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:59:54

    保守

  • 6二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:00:08

    3スレ目か

  • 7二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:00:19

    ちょっと重いカフェ好き

  • 8二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:00:25

    あげ

  • 9二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:00:36

    おつおつ

  • 10二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:00:52

    保守

  • 11二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:26:55

    サンちゃんが原案カフェ的な勝負服だと最近の気温で地獄を見そう

  • 12二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:00:57

    >>11

    ちょっと露出が多くなったカフェの勝負服ってコト?

  • 13二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:13:22

    >>12

    黒コートなのは共通だけど露出が増えてる分ちょっとはましだろうか

    カフェも自分の苦労を思い出して苦笑いしてそう

  • 14二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 09:59:55

    前スレとこっち、どっちに書けばいいのん?

  • 15二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 10:25:25

    とりあえずこっち側でいいんじゃないかな

  • 16二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 10:42:08

    じゃあこっちに書くか
    夜に最新作を書こう、そうしよう
    その時にまだ前スレが埋まりきってなければ、想定している設定集でも投げよう、そうしよう

  • 17二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:57:51

    保守

  • 18二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 21:23:37

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 21:51:16

    カフェの3サイズは現役時代よりちょっと上がっててほしい

  • 201/322/06/29(水) 23:55:16

    「あ~、本当にかわいい!ねえお姉ちゃん。うちでも猫飼えないかな?」
    「気持ちはわかるけどな。ママがいいと言ってくれるかどうか」

    トレセン学園にはよく猫が遊びに来る。大抵は誰かに飼われている猫なのか人に馴れていておとなしいため、授業やトレーニングで疲れたウマ娘にとって癒しの存在なのだ。
    ダムは昔から猫が好きだった。猫の写真集が誕生日プレゼントの定番だったし、ことあるごとに猫カフェに連れて行って欲しいとねだっていた。
    俺と遊んでいたのに、猫を見たとたんにそっちに走っていったこともあり、ショックを受けたこともある。
    常に猫と遊ぶための玩具を持ち歩いており、猫の前ではデレデレなのは、少しでもダムと親しいやつならだれでも知っていることだった。
    そんな妹にとって、猫を飼うことは長年の夢であった。

    「はあ~。猫が飼えたらなあ。疲れても家に帰ればかわいい子が待っている日々。絶対いいと思うんだけどなあ」
    「お母さんも猫は好き。猫のデザインのあるものたくさん持ってる」
    「パパも猫には懐かれやすい方だし、誰もアレルギーなんてないのに。どうして猫飼うことを許してくれないのかなあ」
    「色々あるんだろ。粘り強く説得するしかねえな」

    今まで何度かペットを飼うことをねだったことがある。
    パパはある程度賛同してくれたが、カフェの方が首を縦に振らないのだ。
    妹二人はカフェがどうして猫を飼うことを認めてくれないのか、それがわからずに途方に暮れているわけだ。

    (俺には何となく察しがついているが、さすがにダムたちには言えないよなあ……)

    実のところ、昔カフェも猫を飼うことを検討していた時期があった。
    だが、とある事情により、カフェ自身の手でその計画は凍結されたのである。

    ~十数年前~
    「ここです、トレーナーさん。私の、もう一つのお気に入り」
    「……猫カフェ?」

    今日もいつものようにカフェたちは一緒にお出かけをしていた。
    今日はカフェの秘密の憩いの場に一緒に行くといって、カフェが計画を立ててきたのだ。

  • 212/322/06/29(水) 23:55:42

    「トレーナーさんは、私が猫が好きだと、知っていますよね……?」
    「まあね。お気に入りのカップも、カフェが持っている小物にも、結構猫のデザインがあるから」
    「はい……。私にとって、猫は大切なお友だちなんです……」

    正直このことはあまり気に入らない。
    みっともない嫉妬だということはわかっている。俺だって猫は好きだ。暇なときは猫と戯れることだってある。
    だが、カフェにとっての大切なお友だちの座を、猫と分け合っているという事実は、少し納得がいかなかった。

    「話はここまでにしましょう……。たくさんの猫が、私達を待っていますから……」
    「ああ、そうだな」

    トレーナーとかわいい猫。カフェにとって、この時間はとても楽しい時間になる―はずだった。

    「カフェ、助けてくれ!身動きが取れない!」
    「…………」

    カフェにとって誤算だったことは、こいつがものすごく猫に懐かれる体質だっということだった。
    入るなりこいつに猫が殺到し、カフェの方にはあまり寄ってこなかったのだ。
    だが、カフェにとって面白くなかったのは、それ以外のことだったんだろう。
    こいつが囲まれたことに観念して座ったとたん、我先にといわんばかりに猫がトレーナーの膝の上に乗り始めた。
    ……その瞬間のカフェの顔は途轍もなかった。普通猫に対して、あんな顔するか?

    「……トレーナーさんが困っています。……どいてください」

    猫を追い払い、トレーナーが動けるようにする―ここまでは俺も予想できた。それ以降が衝撃だった。

  • 223/322/06/29(水) 23:56:20

    「…………」
    「な、なあカフェ?」
    「……なんですか?」
    「そうされると動けないんだけど?」
    「私がどいたら、また猫に殺到されますよ?」

    有無を言わせないようなカフェの威圧感に、さすがのトレーナーも黙ってしまった。
    そんなにこいつの膝の上が好きになったのかよカフェ……。

    楽しい時間になるはずの予定が、思わぬライバル出現によって崩されたことがカフェにとってはよほど腹立たしかったのだろう。そのあと、トレーナーの脚が限界になるまで、カフェはそこから動かずに、猫と戯れていた。

    「トレーナーさんは楽しめましたか?」
    「ある程度はね。足が痺れなければもっと良かったけど」
    「必要な犠牲です」
    「……はい……」

    数時間後、猫カフェから出てきた後もカフェの機嫌は悪そうだった。
    トレーナーもトレーナーで、カフェの雰囲気がいつもと違うことに戸惑っていたんだろう。何とか話をしようとしても、話題が見当たらないような様子だった。

    「今日カフェに誘ってもらえてよかったよ。猫っていいな。俺も飼おうかな?」
    「……絶対にダメです」
    「なんで!?」

    (多分あの時のアレが、カフェがペットを飼いたがらない理由なんだよな。いくら何でもあいつに対する独占欲が強すぎないか?)

  • 23二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 00:34:45

    独占力カフェはいいぞ
    時空が違ったら猫になるサンデーもあったかもしれない

  • 24二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 03:56:35

    トレーナーさんに全力で甘えるニャンハッタンカフェもきっと存在した

  • 25二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 09:29:10

    カフェのこういうところ好き

  • 26二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 10:23:14

    前スレ200で温泉旅行券が当たりましたね
    ところで、ネタ帳の中に春シーズンの慰労を兼ねて旅館に泊まる話があるんですよね
    ……まさか、思考が読まれている……?

  • 27二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 17:56:57

    あげ

  • 28二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 00:51:51

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 03:23:21

    >>26

    楽しみにお待ちしております………

  • 30二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 10:59:34

    カフェの可愛いところがよくわかる

  • 31二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 16:24:34

    カフェ可愛いですね...

  • 32二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 00:57:00

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 05:38:03

    妹達がコーヒーに砂糖とミルクを投入するのを眺めて(まだまだだな)とか思うサンちゃん
    (肉体が幼い頃は自分もそうしてた)

  • 34二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 11:06:14

    あげ

  • 35二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 16:04:09

    このカフェはいってらっしゃいのハグとかして匂いでマーキングしてそう感ある

  • 36二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 18:20:04

    ここのトレーナーさんも好きなんだよな

  • 37二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 00:17:04

    ちょっと忙しいけど、次から少しシリーズ物で書く予定
    仲良し家族in温泉旅館編、続くだけ

  • 38二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 06:29:43

    >>22

    猫耳カバーを着けて迫るカフェが浮かんだ

  • 39二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 11:03:00

    >>37

    温泉旅行だ!

  • 40二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:30:16

    あげ

  • 41二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 01:11:25

    温泉で休んでね...

  • 42二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 09:30:29

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 16:55:47

    保守ですわ!

  • 44二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 18:51:25

    >>38

    ウマ娘世界は動物耳カバーがかなり充実してそう

    犬猫とか兎とか

  • 45二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 00:18:02

    あげ

  • 46二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 01:00:38

    バニースーツマンハッタンカフェとかいう劇物が浮かんでしまった
    サンちゃんに目撃されて慌てふためくカフェ…………

  • 47二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 01:55:27

    え、マンネリ防止に出張に行くと毎日違う衣装の自撮りを送って最終日に「今日はどれがいいですか?」って聞く夫婦の習慣があるカフェだって?

  • 48二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 08:51:29

    あげ

  • 49二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 16:17:54

    カフェとお揃いのコーヒーカップを揃えてるのはある

  • 50二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 23:28:57

    ここのカフェは言葉でも行動でも愛を欲しがりそうで可愛い
    もちろんサンちゃんも可愛い

  • 51二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 00:38:21

    やっと忙しくなくなりましたわ
    お待たせいたしました
    今日の昼から温泉旅行編書いていきますわよ

  • 52二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 02:10:55

    お疲れ様です
    大いに楽しみにしてます……………

  • 53二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 10:56:10

    やったー!

  • 54二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 17:57:41

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 23:10:15

    温泉といえば有馬とか

  • 56二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 00:35:38

    九州ら辺だね

  • 571/222/07/07(木) 00:47:40

    「ねえパパ?本当にこの旅館に泊まるの?」
    「そうだぞダム。3人とも春シーズン頑張ったからな!その労いも兼ねてるから、気兼ねなく楽しんでくれ」
    「私も慰労も兼ねて旅行に行くことには賛成しましたが……。こんな旅館だと、少ししり込みしてしまいます……」

    普段の家族旅行での宿泊施設は無難なところが多い。さすがに5人家族だと宿泊費も馬鹿にならないのは理解しているため、仕方がないことだとは思っていたが。
    今回パパが俺たちの慰労だといって手配した温泉旅館は、ものすごく高級な雰囲気を醸す場所だった。
    どうやらカフェもこの旅館だということは知らなかったようで、さっきから若干後ずさり気味なのだった。

    「お姉ちゃん、お母さん。いつまでそうしてるの?ちょっと到着が遅れたから、ご飯まで時間がない」
    「いやカプ。遅れたとはいえまだ16時だぞ?さすがに温泉浸かってゆっくりしても、まだ余裕あるだろ」
    「お姉ちゃんはわかってない。お風呂入ってから1時間はあけないと、眠くてご飯の味がぼやける」

    それは家族の中ではお前くらいだと思いながらも、カプの言う通り、いつまでもここで立ち止まっていては、旅館のスタッフにとっても迷惑だろう。
    後退ろうとする脚を無理にでも動かして、前に進まなければ。
    ……宝塚記念に向けても最後の追い込みでももう少し脚は動いたんだがな。これが高級旅館の圧か。
    むしろなんでこいつとカプはケロッとしてやがるんだ?

    「今からチェックインの手続きをしてくるから、カフェたちはここで待っていてくれ」

    ……外観からして高級、選りすぐりの人間しか来れなさそうだと思っていたが、中に入ると余計に緊張するな。
    いつか必要になるだろうから教えようかという、ゴアの提案を断ったあの日の俺を殴ってやりてえ。
    普段は自分は大人だと主張し、大人びた雰囲気を纏うように努めているダムも、がちがちに緊張しているし、カフェもこんな雰囲気は慣れないのかただでさえ色白な顔が、いつにも増して白く見える。
    むしろなんでカプは普段通り余裕をもって振舞えてるんだよ。ズブいのか、大物なのか……
    そんな風に思っていると、担当の仲居と思われる人物が近づいてきた。せめてもの救いは、若い仲居だったことだ。もしこれでベテランの風格を漂わせる仲居が俺たちの担当だと言われた日には、卒倒するところだったぞ。

  • 582/222/07/07(木) 00:48:07

    「お寛ぎのところ失礼いたします。お伝えしなければいけないことがございます」

    ……雲行きが怪しくなってきたな。まだチェックインの作業が終わっていないことを考えると、予約が取れていなかったとかじゃないだろうな?

    「お部屋に皆様がご着用になる浴衣を用意しておりましたが、サイズの問題が生じております」
    「そうなんですか?」
    「はい、大変申し訳ございませんが、お母さまが着用されるサイズで、ご息女と同じものがなく……」

    ……ん?カフェが着るサイズでお揃いのデザインがない?何かおかしいな。カフェの体格は俺やダムとそう変わらない。
    ということは、だ。何か誤解が生じているようだ。

    「うん、別に私はお揃いじゃなくても平気。私は別でもいいよ」
    「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
    「でも、私はお母さんじゃない。お母さんはこっち」

    指摘されてようやく気が付いたのだろう。仲居は慌てて謝罪している。
    まあ仕方のないことだ。俺たち4人がそろった状態で、カフェが母親だと気が付けるのやつはほとんどいない。大体はカプが親で、俺とカフェが双子だと思われるのが常だった。俺は別に気にしないが、こういう時のカフェはしばらく落ち込むので少し面倒なんだよな。

    「ダムちゃん……やっぱり私は、子供に見えるの……?」
    「落ち込まないでママ!若く見えてるってことだよ!」
    「いいんです……私が貧相で子供っぽい体つきなのはわかっています……。まだ成長の余地があるサンちゃんやダムちゃんと違って、私はもう見込みがありませんから……」

    ああ、始まった。卑屈モードに入るとカフェは長いんだ。
    パパ、頼むからはやく手続き終えて戻ってきてくれよ。大切な存在が、楽しい時間を前に暗くなってるぞ。
    幸いにして、この後すぐにパパが戻ってきてカフェを宥めてくれた。
    仕方がないとはいえ、パパとカフェのやり取りを目の前で見せられる身にもなってほしい。
    カプはまったく気にしていないし、ダムはこれが大人の交渉術……!なんて言っているが、ずっとこの2人を見てきた俺にしてみれば、もう過食気味なんだ。
    ……なんだか俺までもやもやしてきた。さっさと温泉に浸かって休まりたいもんだな。

  • 59二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 00:49:11

    やっと書けましたわ!
    高級な宿泊施設に泊まった経験なんてないので、いろいろ変なところがあるかもしれないけどそこは見逃して?

  • 60二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 01:23:21

    高級宿泊施設で謎に緊張しない子っているよね・・・
    あれなんでなんだろ、大人への信頼?

  • 61二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 09:02:21

    良き...

  • 62二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 15:09:21

    このカフェはアホ毛がしなしなになってそう

  • 631/322/07/07(木) 22:49:51

    「おおすげえ!さすがは温泉旅館ランキングで上位を維持し続けるだけのことはあるな!」
    「サンちゃん、はしゃぐのはいいけど、溺れないようにね」
    「なんだよママ。俺がはしゃぎすぎて風呂で溺れるとでも?俺もう17だぞ?」
    「あなたには数えきれないほどの前例があるから……」

    そういわれると反論ができない。昔カフェたちが温泉旅行券で温泉に行ったときはしゃいで溺れたのは事実だし、この体に転生してからも沈んで慌てさせ、こってり絞られたことは苦い思い出だ。
    だが、さすがにもうそんなことをするつもりはないし。カフェの心配性もここまでくると、少しお節介に思えるな。

    「……結構熱い。お姉ちゃん、慣らしてからじゃないと、楽しめないかも」
    「なによカプ、怖気づいたの?多少熱くても、落ち着いて入浴するのが大人の……熱い!無理!アタシもう出る!」

    あれはいつものことだから深くは言わねえ。まあ、ダムたちの言うように、源泉かけ流しなだけあって多少熱いのは確かだ。体を洗っている間に、慣らしておく必要があるだろうな。

    「せっかく4人揃った温泉なんだ。お互いに洗い合いでもするか?」
    「うん、それがいい。私がお母さんと一緒になるから、お姉ちゃんたちが一緒にしてね」
    「え……?私は別にそんな……。待ってカプちゃん、私は1人で大丈夫だから―」

    カフェがカプに連れていかれちまった。まあ、俺が言いだしたことだし、カプはママと一緒に入るの好きだったからな。こうなるのは当然か。
    それ以上に気になるのは、目の前でもじもじする妹なわけだが―

    「あのね、お姉ちゃん……」
    「おう」
    「……優しくしてね?」

    言い方に少し引っかからないわけではないが、ダムの心配していることはよくわかる。
    ダムはものすごくくすぐったがりなんだ。パパやカフェ、カプに対しては全く反応しなかったのに、俺が洗うといつもくすぐったがる。それを嫌がって数年前に一緒に風呂に入るのを抵抗されたこともある。
    まあ、たぶん今は大丈夫だとは思うが。

  • 642/322/07/07(木) 22:50:15

    結局ダムの心配は杞憂に終わった。特段くすぐったがることもなく、お互いの体を洗い、今はゆっくり温泉の中だ。若干ダムの顔が赤い気もするが、単純に湯温の高さで火照ってきているだけだろう。

    「ダム、大丈夫か?のぼせないうちに少し涼んだ方が―」
    「ううん、大丈夫!大丈夫だから!心配しないで!」
    「そうか?」

    若干心配だが、ダムがそういうならあまり気にしすぎるのも良くないだろう。
    そうこうしているうちに、カフェとカプの方も終わったようだ。妙に時間がかかっていた気もするが……。

    「お母さんが抵抗するから、時間かかった」
    「それはあれだろ。カプはパパに似た体格してるからな。パパに洗われてるイメージが頭をよぎったんだろ」
    「サンちゃん、あまり私を揶揄うと、怒りますよ?」

    おお怖い。あまりあまり揶揄って怒られるのも困る。せっかくの楽しい慰安旅行だ。カフェの説教で時間を持っていかれるのは避けたいしな。
    それにしても……。わかっていたが、風呂に入るとすげえな。俺たちでは絶対にありえない、目の前のカプに起こっている現象を見ると、若干姉として嫉妬する気持ちが芽生えちまう。

    「むう……どうしてカプだけ……。アタシだって……」
    「?どうしたのお姉ちゃん?」
    「……なんでもない」

    自分に向けられる姉の視線の意味に気づかずにいるカプを見ると、余計惨めに思えてくる。
    まあ、気付いていて挑発してくる性格じゃないだけよしとするか。

    「……いいお湯ですね」
    「ほんとだな」
    「連れてきてくれたお父さんに感謝しないと」

    じっくり浸かっているうちに、徐々に体が温まり、疲れが抜けていくような感覚が全身に広がる。
    この露天風呂に入れるだけでも、この旅行のありがたさは表現しきれないほどだ。パパが気絶しない程度の礼はしないとな。

  • 653/322/07/07(木) 22:51:53

    温泉に浸かってから数十分。何度か休憩をはさみながら、温かさを堪能してきたが、そろそろ限界も近づいてきたようだ。

    「うう……熱い……。でも、もう少し……」
    「ダムちゃん、無理したら駄目ですよ。今日が最後じゃないから」
    「うん、そうする。アタシはもう出るから、ママたちもあまり長湯しすぎたらだめだからね……」
    「じゃあ私も。そろそろ出ておかないと、ご飯の時間までに落ち着かない」

    そう言ってダムとカプは出ていった。カフェと二人残され、しばらくは静かなまま時間が過ぎていった。

    「サンちゃんは、まだ浸かっていますか?」
    「ああ、そうだな。せっかくの機会だ。まだ入れる日はあるが、せっかくだからな」
    「昔の温泉旅行では沈んだもんね」
    「やめてくれ。仕方ないだろ?慣れてなかったんだからよ」
    「ふふ。でも今は大丈夫になった?」
    「まあな。……パパと二人きりの時間は作ってやりにくくなったけどな」
    「そんなに気を使ってもらわなくても……。私達は、サンちゃんたちと一緒にいる時間も、大切だから」

    面と向かって言われるとなんだか恥ずかしさがあるな。こうなったらカフェが気付いていないはずの情報で、なんとか反撃するしか。

    「ところで、カフェ。気付いてないかもしれないが……」
    「……どうしたの?」
    「この旅館の温泉。23時以降は混浴になるらしいぜ?」
    「……えっ?」
    「まあ、湯浴み着は着ないと駄目みたいだがな。せっかくだし、パパと二人きりで入浴でも楽しんだらどうだ?」

    よし、反撃はこのくらいでいいだろ。カフェが固まってしまったので、のぼせないように引き上げるだけは引き上げておいてやろう。
    パパにも混浴の事伝えておいてやらないとな。たぶん俺たちのためにいい温泉旅館を探していただけで、混浴可能だということには気づかずに予約しているはずだからな。
    パパの反応の方も楽しみだな。きっと冗談だと思って聞き流した後、カフェからのお誘いで気が付くだろうが、断わるわけないしな。

  • 66二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 23:55:24

    4人目・・・ってこと!?

  • 67二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 09:44:39

    このサンちゃん...できる!

  • 68二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 16:53:39

    あげ

  • 69二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 01:02:24

    家族が増えちゃうよ

  • 70二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 09:07:29

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 17:45:50

    家族増えますかねこれ!

  • 721/322/07/10(日) 01:07:57

    さすがにクオリティの高い夕食だった。強いて言うならば、旅館ゆえに俺たちにとってはそこまでボリュームがあるわけではなかったのが難点だったが。

    「おいしかったけど、量が少ない。お腹空いた……」
    「あれだけお替りしておいて、それ言うのは旅館の人たちに少し失礼じゃないの?」
    「まあカプには少なかったかもな。ほらカプ、これで何か買って食べたらいい」
    「ん、ありがとう、お父さん」

    こういう旅館の売店で、カプが満足するようなボリュームのあるものが売っているかは怪しいところではあるが、ないよりかはましだろう。
    其れよりも気になるのはこっちの方で……

    「トレーナーさん……」
    「はいはい、おいでカフェ」
    「ん……」

    さっきの仕返しがよほど動揺を誘ったのか、カフェは夕食時にかなり飲んでしまっていた。
    それほど強くないので心配だったが、パパがペースをコントロールしてくれたおかげで酔いつぶれるまではいかなかった。それでも、ぽわぽわした雰囲気を纏うようになるには十分なほどだったようで、さっきからずっとこの調子だ。

    「トレーナーさん。私のこと、好きですか?」
    「当然だろ?俺にとって一番大事なのはカフェだから」
    「じゃあ、もっとギュっとして、撫でてください。トレーナーさんの気持ちを、私に感じさせてください」

    パパとママが仲がいいのはいいことだと思っている。だが、目の前でいちゃつかれると、腹が立つのが子供のサガというやつだろう。

    「なあママ、パパに甘えるのはいいけどよ、もう少し抑えてくれねえか?」
    「なんですかサンちゃん?トレーナーさんに甘えられなくて嫉妬してるんですか?でも残念ですね。今日のトレーナーさんのお膝は、私が独占契約です。いくら言われたって譲りません」

    勝ち誇った顔をしてやがる……。ここ数週間、パパが俺たちの仕上げにつきっきりだったおかげで二人の時間を作れなかった分、独占欲溜め込んでやがったんだな。
    こうなったら思いっきり吐き出してもらった方がいいな。

  • 732/322/07/10(日) 01:08:40

    「おいダム、ママの独占欲を発散させるために協力してくれ」
    「えー……。あの状態のママ、アタシ苦手だから、できれば断わりたいんだけど……」
    「そういうなよ。協力してくれたら、前からダムが欲しがっていたコスメ、俺が買ってやるから」
    「ほんと?嘘だったらお姉ちゃんのことしばらくお姉ちゃんって呼ばないからね?」
    「俺はダムには嘘つかねえよ。協力してくれたら絶対に買ってやるから」

    正直この条件が釣り合っているとは思えない。だが、カフェの今の状態を終わらせることが何よりも大切だ。
    それに、娘に対して張り合っている状態なら、きっとパパが介入してくれるはずだ。

    「ママばっかりパパのお膝独占してずるい!アタシだってパパにギュッとされながら撫でてほしいの!」
    「ダメですよダムちゃん。今日も明日も明後日も、パパのお膝の上はママのものです」
    「ずっとママがパパにくっついていたら、パパが困るだろ?パパが好きなら、パパのことも考えてやれよ」
    「そういって私が離れた瞬間に、トレーナーさんを私から取るつもりなんでしょう?サンちゃんのたくらみなんて、私にはお見通しですから」
    「ママ!わがまま言ったら駄目っていつも言ってたじゃない!今のママは、いつものママに叱られるよ!」
    「問題ありませんよ。私がしたいことをしているんです。いつもの私もわかってくれます。諦めてくださいサンちゃん、ダムちゃん。どんなに策を弄したところで、私に勝つことは―」
    「カフェ」

  • 743/322/07/10(日) 01:09:27

    その声が聞こえた瞬間に、ママの表情は驚愕に染まり、次は一瞬で蕩け切ってしまった。
    パパの介入。これは俺たち家族にとって、カフェの怒りと同等の影響力を持つ。

    今回の介入対象はカフェ、その方法は―耳の付け根のマッサージだった。
    俺たちウマ娘の耳は人間の耳より神経が多く、より鋭敏だ。ただ触れられるだけでも相当の破壊力なのに、完全な意識外から、弱いところまで完全に把握された相手に触られたカフェの感じた刺激は相当なものだろう。

    「カフェ?娘相手にそんなに嫉妬するのはみっともないなあ。そんな子だったなんて、俺はちょっと残念だよ」
    「ひうっ。ごめんなさい、トレーナーさんっ!許して、ください……!」
    「だめ。今まで何回もサンデーたちにこういう意地悪してたでしょ?ちゃんと反省するまでやめてあげない」
    「そん、な……。本当に、壊れて、しまいますからぁ……」
    「大丈夫。もしカフェがおかしくなっちゃっても、俺はずっとカフェの事大切にしてあげるから」

    ……あれを言われたらカフェはもう駄目だな。間違いなく完全に飛んでいるだろう。
    パパも普段は優しいが、怒らせると本当におっかねえ。逆鱗に触れないように気をつけないとならねえ。
    ……ただ、カフェを一発であんな風にしたパパの技術を、自分の身で体験してみたいという欲求が、ふつふつと湧き上がっているのも事実なわけだが……。

  • 75二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 10:55:11

    これはスパダリ

  • 76二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 17:29:42

    この2人ちょっとイチャつきすぎじゃない?もっとやれ

  • 77二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 21:35:29

    このレスは削除されています

  • 78二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 21:37:13

    娘の前でやるいちゃつきか?これが

  • 79二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 21:42:56

    娘さんに見せちゃいけない表情になってそう

  • 80二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 00:13:08

    あげ

  • 81二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 08:44:09

    もっとイチャつけ...

  • 82二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 08:58:10

    うーわ砂糖吐いたわ
    末永く爆発しろぃ

  • 831/322/07/11(月) 16:11:33

    すでに22時を過ぎた。移動が予定よりも長引いたことで疲れもある。すでに部屋に敷かれた布団は非常に質が高く、横になれば間違いなく途端に夢の世界に一直線だろう。
    せっかくの家族5人の旅行の初日を俺一人抜けるのもなんだか気が引ける。
    それにいくら質のいい布団とはいえ、環境の変化にかなり神経質な妹二人がちゃんと眠れるかどうかが少し心配だ。せっかくパパが連れてきてくれた慰安旅行なのに、眠れずに疲れを溜め込んでしまっては元も子もない。

    「うわ、すごい……。軽くてさらさら……。枕も家で使ってるやつより合ってるかも……」
    「……むにゃ……」

    前言撤回。心配する必要ないな。これなら朝までぐっすりだろう。
    それよりも、すでに寝かけているカプを起こしておかないと。誰がどの布団を使うかも、明日の予定もまだ決まっていないんだ。ここで寝られたら、明日カプが起きてから説明する手間ができてしまう。

    「ほらカプ、起きろ。まだ寝るには早いぞ」
    「ん……。寝てない……。ちゃんと起きて……」
    「言動が一致してないわよ?ほら、ちゃんと起きる」

    今にも眠ってしまいそうなカプを起こしたままにしておくのは心苦しいが、パパが戻ってくるまで起きていてもらわないと困る。
    あの手この手でカプの目を覚まさせておくうちに、パパが戻ってきた。

    「ただいま。ごめんなカプ。眠かっただろ?」
    「大丈夫。私はまだ眠くな……」
    「カプ、まだ歯磨きしてないだろ?虫歯になったら、ご飯食べるのも大変だし、パパに歯医者へ連れていかれるぞ?」
    「……!それは困る。うん、起きた」

    この最終手段本当によく効くな。とりあえずこれで明日の予定を話し合う時間くらいは持つだろう。

    「なあパパ、明日は予定あるのか?」
    「今のところ特にはないかな。行きたいところがあるなら連れていくし、部屋でのんびりしたいならそれも構わないぞ」
    「そう?じゃあ明日の朝はゆっくりしていいの?」
    「ああいいぞ。トレーニングも休みにしてるから、いつもよりゆっくり寝ててもいいんだぞ」

  • 842/322/07/11(月) 16:12:04

    こんなことをいうあたり、パパは朝ゆっくり寝ているつもりなんだろう。まあその方が好都合だ。パパたちが早く起きると、俺の予定は止められるかもしれないからな。

    「今話さないといけないことはもうない?」
    「ああ、大丈夫だ」
    「じゃあダム、ちゃんと歯磨きしてから寝るわよ」
    「うん、お姉ちゃん」

    カプたちが歯磨きに行って、部屋の中には俺とパパ、それとまだお仕置きの影響でぼーっとしているカフェだけになった。パパにあの話をするならこのタイミングしかない。

    「……俺たち3人がこっちの部屋でいいだろ?」
    「別に構わないけど……なんでだ?こっちの部屋の方が出入りはしやすいぞ?」
    「ママはお風呂もう一回入るつもりだから、そっちの方がいいでしょ」
    「そうなのか。それでもカフェが入りに行くだけなら俺1人奥の部屋でも……」
    「それはダメだぜ。だってカフェはパパと一緒にお風呂入りに行くつもりなんだからよ。帰ってきてから俺たちを踏まないように移動するのは大変だろ?」

    言っていることが理解できないみたいな顔するんじゃねえよ。揶揄ってるわけじゃなくて本気で言ってるんだよ。
    俺は面倒だからこれ以上は言わねえぞ。カフェから話を聞いて判断しろ。

    「お姉ちゃん、パパと何の話してたの?」
    「たいそうな話じゃねえよ。俺たちが奥の部屋で寝るけどいいだろってだけだ」
    「私このお布団で寝る。もう決まってるから」
    「さっきからその布団で寝かけてたんだし、まあいいわ。じゃあお姉ちゃん、私こっちの布団でいい?真ん中で寝たら、お姉ちゃんとカプのこと蹴るかもしれないし」
    「俺が真ん中か。別にこだわりがあるわけでもないからいいぜ。明日の朝の予定、忘れてないよな?」
    「大丈夫。パパに気づかれないようにしないとね」
    「心配ない。パパを起こさないように行動すればいいから。じゃあお姉ちゃん、おやすみ」
    「おうおやすみ。ダムも早めに寝るんだぞ」
    「心配しなくても今から寝るわ。おやすみ、お姉ちゃん」

  • 853/322/07/11(月) 16:12:49

    「やっぱり、いい温泉でしたね」
    「……そうだな」

    サンデーに言われたときは冗談だと思っていたが、まさか本当に混浴可能だったなんて……。
    娘たちにカフェと一緒に入りたいがためにこの旅館選んだなんて思われていないだろうか?本当に気が付いてなかったといって、信じてくれるか?

    「どうかしましたか?私と一緒に入るのは、嫌でしたか?」
    「いや全く」

    他に誰もいなくてよかった。誰かいたらカフェと一緒に入りづらかったからな。
    広い温泉を2人きりで楽しむというのも、なかなか悪くない経験だった。機会があったら、今度はこれを目的にカフェと2人で旅行するのもありか……?

    こんなやり取りをしているうちに、部屋まで戻ってきた。サンデーたちが起きてないといいけど。

    「ふふっ」
    「どうかした?」
    「いえ、サンちゃんたちぐっすりです。それに、ぴったりくっついて、かわいいですね」

    布団は3床用意してあるが、今使われているのはほとんど1床だけだった。
    誰も使っていない布団も、使用した形跡があるので、おそらく転がってカプの布団に集まったんだろう。

    「……なんだかサンデーが少し寝苦しそうじゃないか?」
    「そうですか?いつもあんな感じですよ?」

    もし寝苦しかったら、サンデーなら起きて移動しているだろう。そうしていないということは、カフェの言う通りなのだろう。

    「俺たちも寝ようか?」
    「はい。……私もダムちゃんがサンちゃんにしているみたいにした方がいいですか?」
    「カフェの好きなようにしていいよ」
    「……ありがとう、ございます」

  • 86二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:36:31

    ダ  サ  カ
       ↓
      ダサ  カ
       ↓
      ダ サ カ
       ↓
       ダサカ

  • 87二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:34:31

    ダムちゃん暴れるねえ・・・

  • 88二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 16:56:11

    サンデーが起きる時ぶっ飛ばしそうだな...

  • 89二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 21:19:08

    パパやあなた、トレーナーさんとしか呼ばれてないけど、一応パパの名前の設定は考えてるんだよね
    試しに姓名診断に入れたら見えないなにかに邪魔をされて、計画通りにいかないことが多いでしょうと出てきて笑っちゃった

  • 90二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:33:04

    あげ

  • 91二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 09:11:15

    ペシペシやられてそうなサンデー...

  • 921/322/07/13(水) 15:35:41

    俺は妹のことが嫌いではない。いろいろと気性にも変化が表れ、家族関係に深刻な影響を及ぼす事態が発生してもおかしくない年齢になっても、昔と変わらない関係を維持してくれる二人のことは大切に思っている。
    だからといって、この暑い夜が続く季節に、ぴったりくっつかれて機嫌が悪くならないということはない。
    今日は絶対に真ん中で寝ない。カプと位置を入れ替わってやる。カプがくっついてきたとしても、両面からくっつかれるよりはマシだ。

    「おら起きろダム!カプ!暑いんだよ!とっとと離れろ!」
    「ん~もう少しだけ……」
    「新しい抱き枕をの抱き心地がいいから……」
    「姉を抱き枕扱いとはいいご身分だな。パパが起きる前に動かねえと止められるんだぞ?」

    パパが起きる前に準備をして、少しでもトレーニングをする。それが昨日3人で決めた朝の予定だった。
    この3日間、パパは俺たちに一切のトレーニングをさせるつもりはないらしい。昨日探りを入れたら、夏合宿前の休養期間だから絶対に認めないとまで言われてしまった。
    しかし、トレーニングはもはや日課なのだ。動かないと体の感覚が鈍る。
    パパには悪いが、夏合宿でしっかり動けるようにするためにも、こっそりトレーニングする必要があると考えている。

    「お姉ちゃん、パパたちはまだ寝てる?」
    「パパはまだ寝てるが、ママがいないな。たぶん温泉に入りに行ってるんだろう」
    「じゃあ、お父さんを起こさないようにそーっと行こう。外に出るまでは、静かにしないと」

    抜け出すのは容易だった。まだ早い時間帯ということもあり、誰も起きていなかったし、従業員とは何度かすれ違ったが、早く起きた散歩に行く程度にしか思われていないだろう。
    普段ならじっくりと準備をするところだが、それほど強く負荷をかけるわけでもないし、軽くストレッチをすれば十分だろう。
    パパが起きる前にトレーニングを終わらせて、汗を流して部屋に戻る。完遂するのは容易なはずだ。

    「お姉ちゃん、アタシは準備できたわ」
    「いつでもいける」
    「よし、じゃあ軽く走ってさっさと戻って―」
    「サンちゃん?どうしたんですか?」

    動き出しに備えて落ち着いていた鼓動が一気に早く大きくなる。信じられないことだが、あの声を聞き間違えるはずはないし、俺のことを'サンちゃん'と呼べるのは1人しかいなかった。

  • 932/322/07/13(水) 15:35:58

    「3人揃ってどうしてジャージなんて。トレーニングはお休みのはずですよね」
    「そ、それは……」
    「ごめんなさい、お母さん。お父さんはダメだって言ったけど、やっぱり完全にお休みが3日もあるのは落ち着かなくて……」

    ダムもカプも動揺しているようだし、隠し事が不可能なことはわかっている。
    カフェからパパに情報が行けば、怒られるかもしれない。そうなったら2人とも落ち込むだろう。
    だから、ここは俺が姉として、全責任を負うのが一番だ。幸い、まだ走り出してはいないから言い訳はつく。

    「俺が連れだしたんだ。俺が悪いから、ダムとカプのことはパパには内緒にしてくれ!」
    「わかりました。パパには黙っておいてあげます。その代わり……」
    「その代わり……?」
    「私も一緒に行きます。それでいい?」

    カフェが一緒に来る程度で内緒にしてくれるなら、安いものだった。それに、ダムやカプにとって、カフェと一緒に走る機会は貴重なものだ。いい刺激になるだろう。

    「お母さんと一緒にできるの?」
    「そうですよ。カプちゃんが入学してからは初めてだね」
    「でもママいいの?もしパパに知られたら、ママも叱られるんじゃ……」
    「大丈夫ですよ。パパは心配性なんです。私の時も、お休みの日にトレーニングしないように言っていましたけど、こっそり走ってたから。バレないようにするコツも一緒に教えで上げます」
    「そろそろ行こうぜ。早めに戻ってこないと、汗を流す暇もなくなっちまう」

  • 943/322/07/13(水) 15:36:22

    トレーニングは予定よりもしっかりしたものになった。カフェも俺たちと走ったことでスイッチが入ったんだろう。しばらくはジョギング程度しかしていなかったとは思えないほどがっつり走っていた。
    それに、カフェが見てくれるおかげで、ダムたちはフォームの癖なんかに気づくこともできたみたいだ。
    ……カフェが普段から見てくれたら、パパの負担も減るから嬉しいんだけどな。そうしたら帰ってすぐに風呂や食事ができないから、一長一短か。

    「ねえママ。パパもう起きてたりしないかな?さすがに4人同時に戻ったら怪しまれない?」
    「大丈夫。お休みの日のパパは、起こしてあげないと基本的に起きてきませんから」
    「ママの入れたコーヒーの香りで起きてくるんだろ?」
    「お母さんがいないと、お休みの日のお父さんはのんびりさん」
    「サンちゃんたちも飲む?5人分入れるには十分な量持ってきているから」
    「……牛乳入れていい?」
    「私はお砂糖もほしい」
    「いいですよ。おいしく飲めるのが一番ですから。サンちゃんはどうする?」
    「俺は何も入れなくていい」

    ……ダム、そんな目で見るな。ほんの2週前に背伸びして俺の飲んでたコーヒーを味見してすごい顔してただろ?
    ダムだってあと少ししたらカフェオレじゃなくても飲めるから。
    ……やっぱりダムは無理かもしれねえ。いまだに少しでも苦かったり酸っぱいと食べにくそうにしてるからな。まあ、そんなところがいつまでも抜けない方が、愛嬌があった可愛いと思うけど。

    「サンちゃん、もうそろそろ淹れ終わるから、パパを起こしてあげて」

    はいはい、了解。おらパパ、起きろ。かわいい娘が起こしに来てやったぞ。カフェのコーヒーも準備してあるから、寝ぼけてると飲み損ねるぞ。

  • 95二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 16:45:33

    ねぼすけカフェトレ...

  • 96二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 22:32:20

    サンデーは6歳くらいでもブラック飲んでそう

  • 97二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:03:03

    あげ

  • 98二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 08:53:51

    保守

  • 99二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 17:16:42

    カフェトレいたずら受けてしまう

  • 1001/222/07/15(金) 00:01:12

    面倒な話ではあるが、トゥインクル・シリーズやドリームトロフィーリーグで好成績を残したからといって、学業面の優遇があるわけではない。まあ、レースで走ると言ことを除けば、トレセン学園の生徒も一般的な中高生と変わらないので当然ではあるが。
    だが、課題が山ほど出るのは勘弁してほしいものである。合宿が始まれば、基本的にトレーニングを朝から晩まで行い、トレーニング後はぐったりして勉強なんてする気力は基本的には残らない。
    幸いなことに、一般的な学校よりも夏休みが長いため、課題が早く提示されるので、合宿前にある程度片付けることができるので、俺は困ったことはないが……。

    「お姉ちゃ~ん、手伝ってよ~」
    「ダム、こういうのは自分でやらないと意味ないんだぞ?」
    「そんなこと言わないでよ~。せっかくの旅行の自由時間が、課題の消化でなくなっちゃうよ~」
    「お姉ちゃん、なんで先に進めておかなかったの?」
    「だって、宝塚記念に向けてのトレーニングあったし……」
    「……でも、サンちゃんはちゃんと進めていましたよ?」

    課題を前に泣き言をいうダムを眺めながら、各々思い思いの時間を過ごしていた。
    パパはこの後の予定をどうするか考えているし、カフェはさっきまで散歩に行っていて、今はアイスコーヒーを片手に涼んでいる。カプはアイスを食べながら飲食店の紹介チラシを見て、お昼に何を食べるか思案中だ。
    俺は少し館内をぶらぶらして、戻ってきた瞬間に泣きつかれたわけである。

    「アタシだって頑張ってるのに。どうして課題は減らないの……?」
    「お姉ちゃんが問題を解けずにもう30分固まってるから」
    「うるさい!言われなくてもそのくらいわかってるもん!解けないから困ってるの!」

    ダムは授業には真面目に臨んでいるし、日々の勉強も最低限はこなしている。
    だが、応用になると全く頭が動かないようで、周りからはどうしてこの成績なのかと首を傾げられているやつだった。
    赤点を取らないだけまだいいんだけどな。カプがかなり優秀な成績な分、姉としてプレッシャーがかかっているらしい。

  • 1012/222/07/15(金) 00:01:31

    「大体、こんなに課題だしてくるのがおかしいの!ほかのスポーツやってる子は、アタシより勉強できなくてもそんなに困ってないのに!」

    ダムの言うことももっともではある。赤点とれば補習行き。トレーニングの時間を削られると考えると、なかなか厳しい制度ではある。
    やらずに怒られるのが俺たちだけなら、わざとやらずに怒られるのを我慢するという方法も使えた。
    しかし、やらないとトレーナーであるパパに勧告が行く可能性もあるし、何よりカフェがものすごく心配するのでやらざるを得ない。

    「も、もう無理……。頭痛くなってきた……」
    「……まったくしょうがねえな。俺が教えてやるから、とりあえず、今日の分は頑張ろうな?」
    「やだ~……。もう今日は見たくない~」
    「わがまま言うな。そう言って明日、出発前に慌ててやるのは嫌だろ?」
    「そうだけど……」

    何とかやる気を出させないといけねえな。さてどうしたものか……。

    「ダムちゃん。頑張ったら、私からご褒美上げますから。ダムちゃんが欲しがっていたカバン、買ってあげます」
    「……!ほんと!?」
    「ええ。ダムちゃんがちゃんと頑張ったら、ですけど」
    「わかった、アタシやる!お姉ちゃん、お願い」

    やる気が出たダムは行動が早かった。基礎はちゃんと理解しているので、それほど教えるのは苦労しない。
    ……レース中の展開読みと直感が、勉強の方でも使えたらもっといい成績になるはずなんだけどな。
    次のテストで良い点とれたら俺と遊びに行く条件でも付けたら、成績上がらねえかな。

  • 102二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 09:12:51

    サンデーはなんだかんだ賢いな...

  • 103二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 16:55:29

    あげ

  • 104二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 00:07:41

    おともだち時代含めればサンちゃん
    学生生活かなり長いから勉強は大丈夫そうだな

  • 105二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 01:41:06

    サンデーは宿題の内容聞かれてそう

  • 106二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 10:03:20

    あげ

  • 107二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:20:27

    サンデーがちゃんと宿題やってるのはわかる

  • 108二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:22:32

    なんだいこれは良いスレだな…たまーに提唱されるインモラル概念も良いですね

  • 109二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 01:54:17

    あと4本くらいで温泉旅館編は切り上げようかな
    旅館にいるとさ、視点が制限される分ネタの幅がね
    クラスメイト視点から見たサンデーとかも面白そうだし書きたいしね

  • 110二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 05:36:55

    温泉で上気した肌のカフェは絶対色気凄いと思うんですよね

  • 111二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 11:16:25

    あげ

  • 112二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 19:36:07

    温泉旅行でまたいちゃついてますねトレーナー

  • 1131/422/07/17(日) 22:49:52

    「んん……。あれ?アタシなんで……?」
    「おはようダム。よっぽど疲れてたみたいだな」

    起きたアタシにパパが飲み物を持ってきてくれた。水分が体に入ったことで、思考がだんだんとはっきりしてくる。
    お姉ちゃんに手伝ってもらって課題を頑張ったけど、たくさん頭を使った分疲れて、横になったらそのまま寝ちゃったんだ。

    「パパ?お姉ちゃんたちは?」
    「ママたちは旅館周りの散策だ。ダムを一人残すわけにもいかなかったから、俺は留守番だ」
    「そうなんだ。……ごめんねパパ。ママと一緒に行きたかったでしょ?アタシが寝てなかったら……」
    「いいんだよ。カフェとの時間は大事だけど、娘との時間も大事だからな」

    ……やっぱりパパは優しい。アタシたちのことを大事に考えてくれて。
    パパはトレーニングの教官としてお仕事して家に帰ってくることが週末以外少なかったし、たまのお休みでもお姉ちゃんやママがパパと一緒にいたから、パパに甘えることもあまりなかった。
    ……お姉ちゃんもママもいない今なら、アタシがパパにたくさん甘えられる……?

    「ねえパパ、お願いがあるんだけど」
    「なんだ?俺ができることにしてくれよ?」
    「アタシちょっと体が疲れてるから、パパにマッサージしてほしいな~」

    疲れているのは事実だけど、マッサージを口実にパパと沢山触れ合いたかった。
    それにママがよくパパとマッサージ中にいろんな話をしてるから、パパのマッサージを受ければきっとパパともっと仲良くなれるはずだもんね。

    「わかった、マッサージだな?脚・腕・頭・ボディ・足つぼ。基本的なマッサージは全部できるけど、どれがいい?」
    「全部がいい!あ、でも、オイルがないなら足つぼはなしがいいかな。パパのオイルなし足つぼ押しかなり痛いから」
    「なら足つぼ以外でいいか。じゃあダム、マッサージするための台を借りてくるから、ちょっと待っていてくれ」

    5分くらい待っていたら、パパが大きめの台を借りて戻ってきた。お布団やソファーでやらないあたり、パパのマッサージへのプロ意識が見える。確か脚に細心の注意を払わないといけないママのために、資格取ろうとしたんだっけ?
    そのおかげでアタシたちのケアはほかの子たちより手厚いけど、ママへの感情が重くてちょっと怖いかも……。

  • 1142/422/07/17(日) 22:50:15

    「ダム、準備できたぞ」
    「うん、わかった。パパ、よろしく。……あまり痛くしないでね?」
    「努力するよ。痛かったら遠慮せずに言うんだぞ」

    パパのマッサージはものすごく気持ちよかった。少し圧が強いけど、丁寧で。お尻や脚の付け根、肩回りの時はちょっとくすぐったかったけど、アタシのことを大事にしてくれてるパパの気持ちが伝わってくるから、何も心配いらないの。
    これを独り占めできていた現役時代のママが羨ましい。これを受けていたら疲れが残ることはないに決まってる。
    今は頭のマッサージをしてもらっている。てっぺんをぐっとされると痛いけど、その分思考がすっきりしてすごく心地いい。
    ……あとは、ママがトロトロになっちゃったお耳の……。

    「よし、これで十分かな。ダム、お疲れ」
    「はえ?」

    パパの言葉が理解できなくて、気の抜けた声が出てしまった。
    これで終わり……?お耳のマッサージは……?

    「ほらダム、最後に確認するから、起きて縁に腰かけてくれ」
    「う、うん……」

    パパが腰かけたアタシの肩を揉んで、全身を軽く伸ばしていく。気持ちいいけど、物足りなさを感じてしまう。

    「よし、これで完璧だ。どうだダム、マッサージ前より身体は楽になったか?」
    「うん……軽くはなったけど……」
    「なら良かった。もしかしたら夜か明日の朝に好転反応が出るかもしれないから、もし出たら無理せずゆっくりするんだぞ」
    「うん。……ねえパパ、本当にこれでマッサージはおしまい?」
    「?まだどこか重いところあるか?」
    「そうじゃないけど……。お耳のマッサージはしてくれないの?昨日の夜、ママにしてたみたいに」

  • 1153/422/07/17(日) 22:50:47

    その瞬間、パパの顔が一瞬強張った。

    「アタシもパパのお耳マッサージを受けたいの」
    「いやなダム。ママの顔見ただろ?あれはマッサージというよりお仕置きだから、悪いことしてないダムにやるのは……」
    「やだ。パパにお耳のマッサージしてほしいの。お願いパパ。してくれたら合宿でも頑張るし、お勉強も今まで以上に頑張るから」

    パパにお願いを聞いてもらうために必死になって頼み込む。普段のパパなら少しお願いしたら簡単に受け入れてくれるのに、今日はなかなか首を縦に振ってくれなかった。それほどお耳のマッサージはパパにとってもあまり良くないことらしい。

    「…………」
    「…………」
    「……はあ、わかった。そこまでダムの意志が固いならやってあげる」
    「やった!ありがとうパパ!」
    「でも、途中でやめてほしくなったらすぐいうんだぞ」

    そう言ってパパがアタシの耳の付け根に手を当てる。そしてパパの指が耳を挟んだ瞬間、アタシの頭は真っ白になった。

    (なに……これぇ……!何もわからない……!ひうっ!パパの指が、耳の付け根……こりこりしてぇ……わかんないわかんないわかんない!こんなの、耐えられない……!)

    わずかに残った理性でなんとかして言葉を紡ぎだそうとするが、口から洩れるのは艶やかな呼吸音だけだった。

    (無理。むりむりむりむり!なにもはなせない!パパ、おねがい。もうとんとんしないで!もうやだぁ。ママ、おねえちゃん、カプ、たすけて。このままだと、おかしくなっちゃうから……)

  • 1164/422/07/17(日) 22:51:57

    「ダム、大丈夫か?」
    「あう……。ん……ここは……?お姉ちゃん……?アタシ、なんで……」
    「パパのマッサージで気絶してたんだよ。全く、ママがあんなことになるパパのマッサージ、ダムが耐えられるわけないだろ?」
    「そ、そうだ!パパは!?」
    「お姉ちゃんに耳のマッサージしたことで、お母さんに怒られてる」
    「アタシのせいだ。アタシがパパにお願いしなかったら、パパはママに……」
    「気にするなよ。パパはダムのことを恨んだりしないさ」
    「でも……」
    「お父さんは全部自分がやったことだってお母さんに主張してる。お母さんもお父さんにそういわれて、おねえちゃんのお説教はあきらめたみたい」
    「まあ、かなり怒ってたから、パパとダムの来月のお小遣い減額は避けられないだろうけどな」

    その程度で済むなら、喜んで受け入れる。アタシのせいでこんなことになったんだから、おねえちゃんとママとの約束もアタシの方から取り下げておかないと。

    「ところでダム」
    「なに?」
    「パパの耳マッサージ、どんな感じだったんだ?」
    「うん、私も気になる」

    お姉ちゃんもカプも興味津々といった感じで、きっとあと2回はパパはママに怒られることになるだろうな。
    ごめんねパパ。この埋め合わせは、次のお休みの時にアタシがいろいろお手伝いしてあげることでするから。

  • 117二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 01:32:23

    パパのマッサージしゅごい...

  • 118二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:29:52

    あげ

  • 119二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 17:33:26

    保守

  • 120二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 22:39:46

    このスレPart化してたんか
    ありがたや…

  • 121二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 00:22:04

    パパ上手すぎない?

  • 122二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 09:02:22

    あげ

  • 123二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 09:06:22

    パパが強すぎる

  • 124二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 18:02:14

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 01:04:32

    続き楽しみ♪

  • 126二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 04:31:12

    あげ

  • 127二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 11:52:23

    次はもう少し待ってほしいの。くっそ忙しいの
    あとできればまた他の人が書いてくれた概念を読みたいの
    期待してるの

  • 128二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 12:45:55

    全然待ちます!

  • 129二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 20:03:44

    あげ

  • 130二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 02:00:40

    カフェが温泉でものびのびしてんな

  • 131二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 05:15:25

    旅館沿いの夜道を散歩する浴衣姿の夫妻とかものすごく似合いそう
    推せる~!

  • 132二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 09:39:47

    あげ

  • 133二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 17:18:32

    あげ

  • 134二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 01:00:45

    ちょっと余裕出てきたので次を書こうかと思う
    予告だけしておくと花火大会、パパママいちゃいちゃ回

    今まで黙っていましたが、私はカフェが好きでね

  • 135二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 01:14:20

    知 っ て た
    楽しみにしてます!!!!!

  • 136二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 09:18:24

    知ってた
    学園でのトレーニングとか見てみたい

  • 137二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 10:12:22

    カフェトレがパパしてますね...

  • 138二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 15:21:48

    あげ

  • 139二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 00:25:17

    かき氷をかっ食らって頭痛に苛まれるサンちゃんを幻視した

  • 140二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 01:35:38

    夏場で海に飛び込むダムとカプ?

  • 141二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 12:00:52

    あげ

  • 142二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 20:19:00

    この家族楽しそうだな

  • 143二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 01:47:07

    保守

  • 144二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 11:03:14

    知ってた

  • 145二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 11:37:26

    夏祭り楽しむんやで...

  • 146二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 18:00:56

    あげ

  • 147二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 00:09:48

    パパとカフェの霊媒体質って子ども達に継承されてた?ノータッチだっけ

  • 148二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 00:19:51

    >>147

    それはね2話後にやる予定なの

    待っていてほしいの

  • 149二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 01:24:21

    このレスは削除されています

  • 150二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 01:58:57

    そういやこの世界のイージーゴアは何故日本で警官やってるんだろうか。サンデーいないクラシックなら三冠とっただろうからビッグレッドの称号継承してアメリカなら英雄扱いだろうに
    サンデーの事知ってたみたいだし、この世界のゴアもウマ娘生二度目でウマソウルが引かれるのに導かれて来日したのかな。

  • 151二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 07:51:47

    >>148

    ネタ被り回避ヨシ!

  • 152二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 10:09:40

    あげ

  • 153二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 18:12:23

    保守

  • 1541/522/07/25(月) 23:34:06

    娘3人のための旅行も2日目の夕方。彼女たちの休息が目的であるため、予定は何もなかった。
    ないならないで部屋でゆっくりできるので問題なかったのだが、年頃の娘たちにとって部屋で何もすることなく過ごすのはかなり苦痛だったようで……。

    「花火大会?」
    「今日の夏祭りに合わせて開催らしい。やることもないし、みんなでいかねえか?」

    人が多いところに出ていくことで疲れはしないかという心配もあるが、サンデーがこういう時点でほか2人も関心を持っているのは予想できる。予定はないのは確かであるため、断る理由も特に思いつかなかった。

    「わかった。5人揃っていこうか。ただし、ちゃんと準備はするんだぞ」
    「分かってるってパパ!虫よけも、飲み物も準備してるから!」
    「お祭りに行くのはいいですけど、その前にお風呂に入りますよ」
    「ん、わかってる。それじゃあお父さん、また後で」

    一時間後、俺は待ち合わせ場所に指定された受付前に向かっていた。家族なのにどうして部屋で集まってから向かわないのか疑問に思ったが、サンデーの勢いに押し切られてしまった。話を聞いている限りだと、どうも旅館側に何らかのお願いをしているようだったが……。

    「やっと来たかパパ。まあ、俺たちも準備は今終わったところだから、別にいいけどよ」

    背後から声が聞こえた。振り返ったときに目に飛び込んできたのは、浴衣に身を包んだ娘たちだった。

    「その恰好は?」
    「旅館の貸し出しだ。海外観光客向けのサービスで始めたらしいぜ」
    「どうパパ?アタシに似合ってる?」

    答えるまでもなく完璧だった。個人的には、浴衣姿の娘3人をみられただけで、この提案に乗ってよかったと思っている。
    ただ、カフェの姿が見えないのは気になった。いったいどこに行ったのか……。

    「カプ、ママがどこに行ったのか知らないか?」
    「お母さんはまだ出てきてない。着替えは終わってるはず」
    「パパに見られるのが恥ずかしくて出てきてないんじゃないの?最初ママは着るつもりなかったみたいだし」
    「いつまでもパパを待たせるのはよくないよな。ちょっと待ってろ。今呼んでくるからよ」

  • 1552/522/07/25(月) 23:34:31

    カフェを呼ぶためにサンデーが移動してから数十秒後、抵抗するようなカフェの声が聞こえてきた。

    「だめですサンちゃん!こんな格好、トレーナーさんには見せられません……!」
    「大丈夫だよ。パパは絶対に気に入ってくれるさ」
    「わかりました、わかりましたから!だから押さないでください……!心の準備が……!」

    サンデーに押され、姿を現したカフェは黒を基調とした浴衣を身にまとい、髪を結いあげていた。

    「お父さん、何か言ってあげて。お母さんが不安そうにしてる」
    「ああ……。似合ってるよカフェ。……本当はもっと気の利いたことが言えたらいいんだけど、今はそれくらいしか」
    「な?言っただろ?パパは絶対気に入ってくれるって」

    まだ恥ずかしいのか顔を紅潮させ、少し震えるカフェを落ち着かせる。
    普段と違って髪が結い上げられているため、髪を梳くことはできないが、その分頭を撫でてあげることはできる。

    「ねえパパ。せっかくみんな浴衣着てるんだし、パパも浴衣着ようよ」
    「俺もか?でも、男用の貸し出しがあるとは限らないだろ?」
    「それは大丈夫。ちゃんと男性用があることは確認済み」
    「パパに似合いそうで、ママの浴衣とも組み合わせばっちりなやつ、アタシが見繕っておいたから!」

    ここまで用意周到だと頼もしくはあるけど、若干怖さを感じるな……。

  • 1563/522/07/25(月) 23:35:13

    夏祭りは盛況だった。数多くの屋台が並んでおり人も多い。はぐれないように注意しながら歩いていく。

    「花火大会開始までまだ時間があるみたいだな。ダム、カプ。せっかくだし、出店巡りでもするか?」
    「いいわね。アタシはお姉ちゃんと一緒に行く!」
    「焼きそばにイカ焼き、串焼きとりんご飴……。食べたいものはたくさん」
    「なら予算は渡してあげないとな。ほら、臨時のお小遣いだ」
    「ありがとよパパ。よしじゃあ行くぞ2人とも!」
    「うん!じゃあまた後でねパパ、ママ!」

    娘三人は人だかりの中に駆けて行き、すぐに姿が見えなくなってしまった。
    ……合流地点を決めてないよな?はあ、探しに行かないといけないな。

    「……これからどうしますか、トレーナーさん?」
    「花火大会までは30分くらいはあるな。あの子たちみたいに、俺たちも屋台巡りでもする?」
    「それもいいですが、少しお話しませんか?せっかくの二人きり、ですから」

    カフェに連れられて、道を行く。お祭りの喧騒はすでに遠くなり、背後からかすかに聞こえる程度になっていた。
    かなり歩いたが、まだカフェの歩みが止まる気配はない。どこまで行くつもりだろうか。
    始めてきた場所にも関わらず、カフェの足取りはどこへ向かえばよいかわかっているかのようだった。

    「ねえカフェ?いったいどこまで行くの?」
    「もう少しです。あと少し、頑張ってください」

    慣れない浴衣姿で歩きにくいのもあり、かなり疲れていたので一度休みたかったが、そう言われては頑張るほかなかった。
    普段と違う格好をするだけで歩くのにも苦労するのに、一見走るのに適さないデザインの勝負服で普段より力強く走るウマ娘は、実に不思議な存在だななどと思いながら歩くこと数分。ついにカフェの足が止まった。

    「ここです。ここが、私達の目的地です」

    連れてこられたのは、高台の開けた場所にある神社だった。

  • 1574/522/07/25(月) 23:35:37

    「どうしてこんなところに?」
    「……みんなが、ここなら静かに花火を楽しめると、教えてくれましたから……」
    「ここで花火を見る?」
    「はい……。トレーナーさんが、別のところがいいとおっしゃるなら、戻りますが……」

    時計を見ると、開始時間がかなり近づいていた。今から別の場所を探したとしても、打ち上げが始まるまでにほかの場所を見付けるのは困難だろう。
    それに、カフェがここがいいと言っているなら、間違いはないはずだ。

    「俺はここでいいよ。カフェもここでいいんだろ?」
    「……はい。サンちゃんたちには、連絡してありますから。きっとしばらくしたら来るはずです」

    サンデーたちがくることと、花火の打ち上げが始まることの両方を待ちながら、二人きりの時間は静かに流れていった。
    お互い言葉は最低限にしか発しなかったが、それでも間に流れる空気がよいものであったことは間違いない。

    「……始まりましたね。大きくて、きれいな花火……」
    「本当に。色もデザインも計算されて、きれいだ」
    「……昔のトレーナーさんなら、君の方がきれいだ、くらいは言ってくれましたよ」
    「今まで何回も言ってきたでしょ?あまり繰り返すのもカフェに悪いかなと思うんだけど」
    「……私は、アナタに褒められたら、どんな時でも嬉しいんです」
    「そっか。じゃあ、もう遅いかもしれないけど。カフェ、君は俺にとって、いつまでもきれいで大切な存在だ」
    「……はい。トレーナーさんも、私にとって、宝物です」

    カフェが肩を寄せてくる。彼女を抱き寄せ、温かさを感じる。
    娘たちがくるまでの間、この幸せを味わうことにしよう。

  • 1585/522/07/25(月) 23:36:02

    「よし、いい雰囲気だ。そのままママとキスしろ!」
    「お姉ちゃん、言ってることがおじさんみたい」
    「不審者……」

    妹からの罵倒がひどい。そこまで言われる筋合いはないと思うんだがな。
    カフェからのメッセージを見て、ここまでやってきた。カプが途中別の屋台に気を取られたり、ダムが風鈴を欲しがったりして予定よりも時間がかかってしまったが、なんとか花火の打ち上げには間に合わせた。
    だが、パパとママが二人きりなので、もしかしてと思い様子をうかがっていると、案の定パパとママがいい雰囲気になってきたので、気付かれないように隠れて見ている。

    「早くお母さんたちのところに行こう。いつまでもいかないと、心配される」
    「カプ、あの雰囲気に割り込むのか?後でママににらまれるぞ?」
    「そんなこと言っても、もう気づかれてると思うけど」
    「そんなことは冗談でも言うことじゃないぞダム。大体どうやってパパたちが気付く―」

    そう言いかけてふと思う。どうしてカフェはこの場所のことを知ったのか?地図アプリにすら載っていない神社だ。始めてくる俺たちが知っているわけがない。となると、誰かが教えたということで……。

    「そういうことかよ……」

    頭を撫でられているカフェの顔は幸せそうだが、目を開けた瞬間にはこちらを見据えて、勝ち誇ったように見える。
    このあたりに定着する霊がカフェにこの場所を教え、ついでに俺たちがすでにきていることを伝えている。そう考えるのが妥当だった。

    「後で覚えてろよアイツら……」

    八つ当たりに近い感情をこのあたりの霊共に抱きながら、パパたちのところに向かった。

  • 159二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 00:36:59

    相変わらずラブラブだな

  • 160二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 10:51:13

    あげ

  • 161二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 18:08:10

    ロマンチックな2人だァ...

  • 162二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 21:17:24

    サンデーの言動がおっさん臭いことに何の違和感もないのはなんでだろうね
    育成時の時点できぶり爺みたいな挙動してたからでしかないんだけど

  • 163二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 01:20:35

    あげ

  • 164二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 11:23:40

    カフェと一生イチャついてんな

  • 165二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 17:49:47

    2人きりをちゃんと守る娘たち偉い

  • 166二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 23:32:54

    あげ

  • 167二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 05:53:42

    サービスのいい心霊スポット………

  • 168二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 08:37:19

    やれやれ勢かな?

  • 169二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 17:22:52

    カフェトレの家族に会う話を考えてるんだけど、カフェトレの名前とか家族の設定を出しいいものか……
    あまり細かく設定してしまうと、他の人に書いてもらいにくくなるのではと心配なんだ

  • 170親の名前は別に気にしない派22/07/29(金) 00:18:49

    >>169

    トレ本人の名前はできれば出したくないよね

    エピソード的なあだ名で誤魔化すか代名詞で乗り切るか・・・

    難しい

  • 171二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 02:10:19

    あげ

  • 172二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 11:44:03

    保守

  • 173二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 18:12:38

    あげ

  • 1741/322/07/30(土) 01:20:02

    花火の打ち上げは終わり、祭りもすでに佳境を過ぎ人出もまばらになってきていた。
    風や虫の音が響く中、俺たちは旅館に向かって歩いていた。

    「楽しめましたか?」
    「うん。お祭りも花火も、満足した」
    「明日の朝には出発だから、今のうちにやりたいことはちゃんとやっておくんだぞ」

    そう言われても、大体やりたいことはやりつくした。泳ぐのは合宿で嫌というほどやることになるので、今わざわざやりたいとは思わない。
    夏らしい遊びで今まで一度もやったことのないものは肝試しだが、あまり気乗りしない。パパの体質のことを考えると、何が起きるかわかったのもではないし、そもそも「見える」俺たちにとって、あまり楽しいものでもなかった。

    「特にやりたいこともないし……今はみんなでゆっくり帰ろうよ!お話ししてるだけでも楽しいから」
    「そうか?ならそうしようか。明かりがあるところまでは降りてきているから、怪我の心配も少ないしな」

    特に何かをするわけではないが、5人固まって移動することが決まったことはいいことに思えた。万が一はぐれたら大変だからな。
    それはそうと、ただ歩くでは面白くない。旅館まではかなりの距離がある。ならば疲れることのないよう、また疲れた時に置いていかれることのないように手を打っておくべきだ。

    「こけたくないから、支えがほしいな~。だからパパ、俺のことしっかりつかんでおいてくれよ?」
    「はいはい、わかったよ。……こっちはカフェのためにあけておくから」
    「……なんですか?手を握ってほしそうに見えましたか?」
    「ママがパパの手を取らないなら、アタシが―」
    「つなぎます」

    カフェの声には有無を言わせない迫力があった。結局つなぐんだから、最初から繋いどけばいいのに……。

    「いいもーん。ママが譲ってくれないのはわかってたし!お姉ちゃんとつなぐから」
    「私はママと手をつなぐ」

    パパを中心に5人横並びで、手をつないで歩く状態が完成した。この状態、傍から見たら誰が母親か間違われるだろうな。言ったらカフェの機嫌が悪くなるだろうから、心の中にとどめておくが。

  • 1752/322/07/30(土) 01:22:34

    「パパ、さっきから遅れがちじゃない?大丈夫?」
    「疲れた?すこし休む?」
    「心配してくれてありがとうな、ダム、カプ。大丈夫だ」

    パパはこういうが、何か嫌な予感がする。少し前から足元を気にするようなしぐさを見せていること、俺は気付いているからな。
    ろくでもないことをするやつはどこにでもいる。俺はさっきのことで若干イライラしているんだ。せっかくの家族水入らずの時間を邪魔するなら、容赦しねえ。
    そんな俺の心配をよそに、それからしばらくは何も起きなかった。このまま諦めてくれるといいんだが……。

    「なあサンデー」
    「なんだよパパ」
    「俺の後ろに誰かいる?」
    「今のところ誰もいねえけど」
    「そうか。さっきまで視線を感じて、それが無くなったと思ったら急に足が重く―」

    言葉は最後まで紡がれなかった。パパが何かに足をかけられたかのようにバランスを崩し、手を繋いでいるせいで全員引っ張られてしまう。パパと直接手を繋ぎ、両手がふさがっている俺とカフェは全く対応できずに地面に倒れ込んだ。
    ダムも引っ張られた勢いでバランスを崩してしまった。体幹が特に強いカプがいなければ、最悪全員パパごと持っていかれていたかもしれない。

    「みんな、大丈夫?」
    「カプちゃん、ありがとう。私は平気です。……あなた、大丈夫ですか?」
    「なんとか……。うわ、足首が鬱血してる」
    「いったーい!思いっきり地面に叩きつけられたんだけど!」

    とりあえず全員無事だった。カプが抵抗したことで、パパを持っていくことは難しいと判断したらしく、一旦は離れたらしい。だが、ここまでやってきたからには、このまま大人しく引き下がるということはないだろう。

    「お姉ちゃん、パパの足をつかんでたあれ何?」
    「不気味。さっきお母さんたちの近くにいた人たちとは違う」
    「パパは昔からああいう厄介なのをよく引き寄せてたんだ。最近はなかったから、大丈夫だと思ってたんだけどな」

    カフェがいる限り、最悪の事態は避けられるだろう。ただ、今はパパ以外にもダムとカプもいる。
    2人は見えるが俺やカフェと違いあいつらとの対話はできない。優しい性格ゆえにあいつらを引き寄せやすいのはパパ譲りであり、見える分パパよりも危うい存在だ。

  • 1763/322/07/30(土) 01:23:28

    パパと妹2人。ちゃんと守るためには受け身では無理だ。俺がやるしかない。

    「カフェ、俺がなんとかする。だから、ここでパパたちを守ってやってくれ」
    「危険すぎます。もしサンちゃんに何かあったら……」
    「今回のやつはカフェが今まで対応してきたやつらなんか非じゃねえ。俺が干渉して排除したほうがいい」
    「……わかりました。ですが、無事に戻ってきて。何かあったら、みんな悲しむから」
    「わかってるよ」

    正直俺だって怖い。昔の肉体がなかったと気ならともかく、今の状態で本当にあんな奴を何とかできるのか不安はある。だが、俺が何とかしないと、パパも妹2人が危険な目にあう可能性が高い。せっかく手に入れた大切な存在だ。できることをしないで後悔はしたくない。

    「お姉ちゃん……」
    「なんだ、ダム?」
    「ちゃんと帰ってきてね……?アタシ、待ってるから」

    妹にここまで言われたら、姉として約束を破るわけにはいかない。きっちりやることをやってやろう。


    ……今思い返せば、とんだ無茶をしたものだと思っている。相手がどういう存在か、明確に定義できていない状態で向こうのテリトリーに乗り込み、始末しようとするなんて、創作物なら返り討ちでひどい目に合うのがお決まりだろう。
    実際、かなり危なかった。もう少しでまた霊体生活に逆戻りする羽目になるところだったが、なんとか黙らせることには成功した。
    話を聞く限り、どうも寂しかったらしい。誰ともかかわることができず孤独だったところに、自分を肯定してくれそうな存在が表れた。それが今回俺たちを襲った理由らしい。
    分からなくはないが、人が大切に思っているものを奪おうとするのはいただけない。
    ともかく、今回の騒動は無事に解決を見たわけである。

  • 177二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 02:07:51

    危ないところだった...

  • 178二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 12:29:40

    あげ

  • 179二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 19:42:39

    保守

  • 180二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 19:46:17

    神社なのに霊的に治安がよろしくない!

  • 1811/222/07/30(土) 21:45:12

    今日は大変な目にあった。この数年間、このようなことはなかったから、本当に肝が冷えた。
    せっかくの楽しい休暇だったのに、俺のせいでカフェやサンデーには苦労させて、ダムとカプには怖い思いをさせてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
    旅館に帰ってから、ほとんど会話はなかった。当然だろう。俺のせいであんな目にあったんだから。今日は1人で寝ることになるかな。
    そう思っていたのだが……。

    「なあみんな?どうして布団をこっちに集めるんだ?」
    「一応あいつとは話が付いたが、ほかのやつが来ないとは言い切れないだろ?」
    「アナタを守るためにも、固まって寝た方が安全です」
    「なら、カフェかサンデーだけでいいでしょ?どうしてダムとカプまで……」
    「パパがダメだったから、今度はアタシたちを狙うかもしれないって」
    「私たちは見えるだけだから、別れたら危ない」

    理屈は理解できた。カフェとサンデーにとっても、守る対象が固まっていた方が対応しやすいのだろう。
    そういう理由ならば、一部屋に集まることを断る理由はない。だが、布団の配置が問題だった。
    昨日は2部屋に2,3で敷かれていた布団が、なぜか今日は3床しか用意されていなかった。

    「パパが真ん中な。俺とダム、ママとカプで一組ずつ使うから」
    「なにも二人で1床である必要はないんじゃないか?もう二組敷いてもらえば―」
    「この部屋の間取りだと、横に五床並べるのは、無理がありますね……」
    「お姉ちゃんは寝相悪い。五床用意したら、誰かがお姉ちゃんに頭を蹴られる」

    ダムの寝相の悪さ、より正確には、サンデーの方に転がっていく癖を知っているために反論がしにくい。

    「四床なら横に並べられるだろ?それで俺とカフェが一床で寝れば……」
    「……サンちゃんたちの前で、同衾するのは、恥ずかしいです……」

    今までさんざんサンデーたちの前で甘えてきて、普段は同衾してることは知れ渡っているのに、なんで今日に限って!

  • 1822/222/07/30(土) 21:46:30

    「諦めてお父さん」
    「いまから仲居さんに来てもらうのも悪いしね!」

    1vs4では勝ち目がない。諦めて受け入れるとしよう。正直嫌な予感しかしないが。


    ……嫌な予感というものはどうして当たるのだろう?
    今は3時。この時間だと、霊たちの動きも落ち着くらしく、3時になればその夜は安心していい、というのがカフェがよく言っていたことだ。
    なら何が問題か?言うまでもなく、俺の周りにいる子たちだ。

    「寝にくい……」

    普段からカフェとくっついて寝ている分、多少密着される程度では問題は起きない。だが、サンデーにくっついたまま転がるダムに体当たりされるのには慣れていないし、もっと問題なのは、寝返りの勢いで上にのしかかってきたカプだった。
    カフェや姉2人と異なり、いろいろと大きいカプがのしかかってくるとなかなか息苦しく、なにより肉付きの良い身体が密着してくると、どうしても意識してしまう……。

    (相手は娘だ、気を強く持て俺!煩悩を抱くのは最低だぞ!)

    必死に言い聞かせるが、バランスを取ろうとカプがもぞもぞ動くため、全く意識しないでいるのは難しかった。
    こうなると定期的に体当たりや蹴りを入れてくる、寝相の悪い次女の存在がありがたい。
    あと数時間、何とか耐えなければ……。この状態で、昼前には俺が運転して帰るの?大丈夫かな……。

  • 183二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 00:02:50

    ウワーッちょっとインモラル風味!

  • 184二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 00:39:43

    大丈夫?カフェが気づいて自分に興奮させようとしてこない?

  • 185二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 00:42:32

    寝相兵器と化したダムちゃん・・・

  • 186二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 02:10:28

    トレーナーが寝れなくなってる...

  • 187二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 11:58:48

    背は自分より少し低い程度、温泉で浮くくらいの胸、スプリント~マイルを走るため引き締まった脚、溺愛する娘
    こんなのが無防備にのしかかってきて、落ちないようにもぞもぞ動いてバランスをとる
    定期的にママとイチャついてるので、男としてバリバリ現役のパパに反応するなというのは無理があるんだ

  • 188二次元好きの匿名さん22/07/31(日) 20:01:59

    あげ

  • 189二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 00:35:00

    しかもよく考えたらこれ浴衣だから動いてたら肌蹴て下着とか肌見え出す奴よね

  • 190二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 01:43:22

    トレーナーが意識しちゃうな、耐えろよ?

  • 191二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 03:24:54

    今夜に次スレ建てますね
    しばらくお待ちください………

  • 192二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 12:23:16

    保守

  • 193二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 19:55:41

    温泉旅館編の最後を書いたけど、次スレが建ってから投下するね
    次スレ建てへの誘導も合わせると、ぎりぎりになっちゃうから

  • 194二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 20:08:10
  • 195二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 20:39:35

    建て乙です!

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