- 1二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:22:40
こちらのスレはもし自分がカラミざかりのストーリーを書くことになったらどのようなストーリーにするか妄想するスレです
元スレ↓
※有料版ネタバレ注意 リメイク版カラミざかりを語るスレpart8|あにまん掲示板あげbbs.animanch.com※有料版ネタバレ注意 リメイク版カラミざかりを語るスレpart9|あにまん掲示板あげbbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:22:57
- 3二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:25:17
現在更新中の作品:妄想副題・青の季節
山岸があの時飯田とやれてたらどうなってたかのifストーリーです
他にも作品・今後の展開予想や妄想など募集中です - 4二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:28:54
ほしゅ
- 5二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:33:03
青の季節の前回更新分を振り返りの為に再掲します
智乃はやっと藤野先輩に自身の気持ちを告白した。しかし藤野先輩はその告白をにわかには信じがたいと言った表情を浮かべている。
「なんでおれなんか好きになったの」
「自分で言うのもあれだけど色んな女の子とやりまくってるヤリチンなのに」
「なんで…?」
(藤野先輩…)
(先輩を好きになったのは、勿論)
「あの時、怪我をした私を先輩がつきっきりで手当てしてくれた時…」
「あれで惚れちゃいました。物凄く嬉しかったし、感動しちゃった。」
智乃は笑顔でそういうと藤野先輩の脳裏には今まで忘れていたその時の光景が鮮やかによみがえる。
(そうだ。あの時の声は…)
(智乃ちゃんの声だったんだ。)
「そっか…」
(思いだした。自分が医者を目指し始めたのも…)
「そうだ…すっかり忘れてた。」
「…?」
「ありがとう智乃ちゃん。なんか色々忘れてしまってた事とか思いだせた気がする。」
藤野先輩はそう言っておじやをすべて食べきったのだった。 - 6二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:38:53
こめほしゅ
- 7二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:47:24
age
- 8二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 12:57:53
スレたてお疲れ様です
- 9二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 13:11:03
青の季節はついに最終章へ突入
今後カラミシーンもあるとのことなので展開が楽しみ - 10二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 13:11:25
10こめほしゅ
- 11二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 13:57:16
お疲れ様です!
楽しみにしております! - 12妄想副題・青の季節22/08/10(水) 16:05:08
続き
「ごちそうさま。美味しかった。」
「ありがとうございます。良かったです。」
智乃は嬉しそうな表情を浮かべる。藤野先輩はそんな智乃を見てどうぞ座ってと椅子に座るよう促し智乃もそれに続く。そして智乃にもう一つ聞きたいことがあると言ってこう質問した。
「智乃ちゃんは正直「好き」の感情以外だとおれの事をどのように思ってた?」
「好き、以外ですか…」
(そう言われるとなかなか思いつかない気がする。)
(でも、…こうして見ると好きの感情が私の中では物凄く強かったんだな。)
(好き、以外か…)
そんな智乃の頭の中にはやはり自分以外の女性とも関係を築こうとする藤野先輩の姿がよみがえる。
(ああ、そういやなんであの時4P誘ったり文化祭の時も誘おうとしたんだろうか?)
(確かに考えてるとこ分からないことがあった…)
(里帆みたいに誰とでもやれるとかそういう事なのかな?)
「正直に言いますね…」
「うん。言ってほしい。」
「先輩が何を考えてるのか分からない部分は、確かにあります。」
「…
両者の間には緊張した静寂が流れる。
- 13妄想副題・青の季節22/08/10(水) 16:20:40
(あー…言ってしまった…)
智乃はその静寂に耐え切れずうつむいてしまう。藤野先輩も無言のままだ。
(先輩も私の事何考えてるのかわからないって言ってたな)
(ああ、今更だけど先輩と考えてる事一緒だったんだ。となるとじゃあその後はどうすればいいのか、だよな…)
(考えがうまくまとまんない…)
智乃がそう考え込んでいると藤野先輩がようやく口を開いた。
「智乃ちゃんもおれと同じ事考えてたんだ。」
「はい、…そうなりますね。」
「お互いをもっと知るべきなのかもね。多分、そこにようやく気づけたって事かな。」
「…!たしかに。」
「ごめん。おれこういうの初めてでさ…なんかまだよくわからないとこもあったりするんだけど。」
「でもこんなおれの事好きって言ってくれたのは嬉しい。これは分かる。」
「色々自暴自棄というかそんな状態になってた自分にこうして寄り添ってくれたのは…嬉しいかな。」
「…」
(先輩…)
「ありがとうございます。そして先輩の事もっと知りたいです。」
「智乃ちゃん…おれももっと智乃ちゃんの事知りたいと思う。」
「こんなおれで良かったら…えーと…よろしくお願いします。」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
智乃の頬からはすっと涙がこぼれ落ちる。それは藤野先輩も同じだった。
「ねえ智乃ちゃん早速だけどさ、好きな食べ物って何?」
「好きな食べ物…やっぱスパゲティとかですかね?」
「いいよね、おれも好き。来週一緒にレストラン行かない?美味いお店があるんだ」
「いいんですか?…ありがとうございます!」
たわいない会話でもそれが二人にとっては宝石箱のような、そんなひと時なのであった。
- 14二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 16:57:34
良かったな…新山
- 15二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 17:32:14
新山と藤野おめでとう
- 16二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 21:18:34
ほしゅー
- 17二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:13:08
新山のためにage
- 18妄想副題・青の季節22/08/11(木) 12:18:25
その頃高成は里帆の住まうマンションへと向かっていた。ピンポンを鳴らしても出る気配がない。いつも通りドアのポストに封筒を入れて帰ろうとした矢先、高成のスマホが鳴る。
「えっこんな時に誰…?」
スマホを取り出すと着信音の主は何と里帆だった。
(え??)
おそるおそる電話に出ると里帆は今いい?と聞いたうえで高成の携帯電話番号を教えてほしいと言ってくる。さすがに高成はどういう事だと疑問を抱かずにはいられない。
「もしかして家から出られないの?」
高成がそう言っても里帆はぼかして電話番号を教えてほしいと頼むだけだ。高成は仕方なく自身の携帯電話番号を教えると里帆はありがとう、助かるとだけ言って電話を切ったのだった。
(何がしたいんだ…?)
(やっぱり考えてる事が分からない…)
高成は息を吐くと里帆の住まうマンションを出て家へ向かったのだった。
- 19二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 13:05:38
青の季節の人です
いつも読んでくださりありがとうございます
先ほどハーメルンにて青の季節を大幅に加筆修正し再編集したものを投稿してきました。
(R18なのでご了承ください)
今回投稿したのは山岸が飯田とやるまで+新たに追加した新規ストーリーとなります
今後の投稿予定(変更あるかもです)
Vol1前編→投稿済み。
Vol1後編→貴史の家でやった後~夏祭りまで
Vol2前編→予備校編~ラブホテル事件まで
Vol2後編→茜谷山岸初カラミ~2学期開始まで
Vol3前編→2学期開始~文化祭まで
Vol3後編→最終章青の季節編+後日譚
新規ストーリーの追加や番外編も書く予定にはしています
今後とも青の季節をよろしくお願いします - 20二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 13:50:02
- 21二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 16:14:33
- 22二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 20:52:50
あげ
- 23二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 08:16:48
ほしゅ
- 24二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 08:30:01
ageておきます
- 25二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 12:21:22
- 26妄想副題・青の季節22/08/12(金) 16:18:45
その帰り道。高成が歩いていると道路脇の一軒家から一人の男子高生が出てきた。雄也だ。
「あれ、永瀬さん」
「山岸くんじゃん。おつー」
聞けば彼はどうやら親族の集まりでここへ訪れていたらしい。その中には結婚したばかりの夫婦もいると高成に教えてくれた。それを踏まえて雄也はすごい今更だけど、と前置きしたうえで高成にこう尋ねてくる。
「山岸くんてさ。好きな子とかいたりするの?」
「あー…」
「…茜谷?」
(気づいてたか…でも事の始まり考えたら飯田の事も話した方がいいのかな…)
「合ってる。…ちょっと長くなるけどいい?」
高成は雄也に里帆と優里について話した。
最初は里帆に惚れていた事。しかし里帆とやった事で里帆に抱いていた幻想や罪悪感等色んなものが絡み、更には里帆の考えてる事が分からないという事、そんな中優里と出会い元彼との経験や彼女との絡みや想いを雄也に打ち明けたのだった。それを受け止めた雄也は言葉を詰まらせながらそういう事があったんだと呟く。
「あれから茜谷とは何度かしてたんだ。」
「まあ…最初は塚原さんのアシスト?もあったけど」
「そっか。…あいつ確かにヤリ マンだけどなんだかんだで良い奴だと思う。おれもあいつとしたけどテクやべーって思った。」
「あーたしかに。やばかった…」
「で、今の山岸くんは茜谷と里帆ちゃんが気になってるんだ。」
「うん。」
「里帆って子さ、文化祭で母親からしばかれたって聞いたけど…」
「…うん。」
「誕生日会には来んの?」
「わからない…あれからずっと学校来てないし正直来ないと思う」
- 27妄想副題・青の季節22/08/12(金) 20:42:09
「そっか…連絡は取れてるの?」
「さっき電話しただけかな」
「…色々難しいって感じか。」
「逆にさ、永瀬さんは恋愛とかした事あるの?」
高成からの質問に雄也は一瞬だけ驚きの表情を見せるもいつも通り飄々とした様子で答える。
「あー…まだないかも」
「マジで?」
「茜谷塚原とは気の合う友人て感じだとは思ってる。」
「でもその流れで塚原とやるとは今考えると思わなかったかなー」
「成程…」
「勢いでやるって事はああいう事なんだろーな、多分だけどw」
「…」
雄也はふうと息を吐いて高成に語る。
「ま、お互い後悔はしないようにしていきたい所…かな」
「おれが言うのもなんだけど」
「永瀬さん…」
「ま、がんばって。おれで良かったらいつでも相談乗るからさ。茜谷塚原も頼りになるし」
「…ありがとう。」
「じゃ、また明日の誕生日会で。」
そう言って雄也はそばで親戚と会話しながら待っていた両親と合流し、車に乗り込んで去っていった。
(…)
(茜谷さんと飯田…)
(後悔しないように、か…)
- 28二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 21:46:11
あげ
- 29二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 08:05:18
人減ったか…?
- 30二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 09:00:28
- 31二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 09:07:43
- 32妄想副題・青の季節22/08/13(土) 12:13:50
その夜。
「優里、明日あさっては二人ともいないけどよろしくね。」
「怖かったらおばあちゃん家行っても良いから。」
「はいはい。大丈夫。」
夕食を食べながら優里の両親は優里に話しかける。
明日から優里の両親は結婚記念日のお祝いの為に2泊3日の旅行へと旅立つ。優里の姉は9月から自身が働く会社と同じ系列である四国地方にあるの会社へ異動しているので数日間は優里一人で暮らす事となる。同じマンションには優里の祖父母も暮らしており、両親は何かあればそちらへ行くか連絡するようにと念には念を入れるように優里に説明していた。
(まあ料理は少しはできるし、最悪出前頼めばいいか。戸締りとか火の用心とか色々きをつけなきゃねー)
(大学へ進学したら一人暮らしするかもしんないし、これくらい多少は慣れとかないと)
(それに明日は山岸くん達来るし…ドキドキしてきた。)
優里は夕食を食べ終わるとリビングのソファに腰かけ、少しぼーっとすると着替えを持ってお風呂へと向かう。
シャワーを浴びながらふと自分の身体が鏡に映っている姿を見ると高成と致した記憶がふんわりとよみがえってきた。
(あー…)
(山岸くんとしたい…ってばか!私変態じゃん!!)
鏡から目をそらすとシャワーを蛇口をひねり置くと、浴槽へ頭ごとどぼんとつかる。
(私下ネタ苦手なんだけどなあ…)
(なんで山岸くん相手だけは…エロくなれるんだろ。)
(山岸くんの事が好きだからかな?)
(今答えが出ないという事はもっと自分が山岸くんの事どう考えてるか、考えるべきなのだろうか。)
- 33二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 13:57:16
- 34二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:20:52
- 35二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:27:11
- 36二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 16:00:15
- 37妄想副題・青の季節22/08/13(土) 16:19:15
「ぷはーっ!!…はあ…はあ…」
優里は潜っていた浴槽の中から顔を出し、息を整える。
(水の中は苦しいけどほんのちょっとだけ考えがまとまった気がする)
(山岸くんの事どう思ってるか、あとで整理してみよう)
優里は浴槽から出て髪と身体を洗い、体を拭いて髪を乾かして部屋着に着替えると自室へと引き上げる。その道中自身の両親がソファでキスをしながら仲良くテレビを見ている様子が目に入るがそれらには構わず自室のドアを開いて中に入る。
優里の部屋には折り紙を切ってわっかにした飾りや折り紙が複数置かれていた。全て明日の誕生日会で使う飾りだ。
「ん。部屋を飾るのは明日にしよう。こんだけあればいっか。」
優里はそう言ってベッドに座ると自身が抱く高成への想いについて脳内で整理し始める。
「私は山岸くんの事が好き…」
(なんで好きか。それは…えーと…)
(今思えば一目惚れだった…んだろう。塚ちゃんの言う通りたとえ無意識でも相手を好きじゃなきゃラブホテルになんか誘ったりしないし。)
(その後色々あったけど山岸くんとエッチした事で改めて彼の事を無意識からちゃんと「好き」になった。)
(この「好き」という感情を考えると…山岸くん。これが私の本当の「初恋」だったのかもしれない。あの元彼や早乙女君には山岸くんへ対する感情は無かったから。)
(じゃあ私は山岸くんと出会った事で本当の恋を知れたのか…じゃあ山岸くんとだけエッチ出来るのも…恋してるからって事になるのだろうか。)
(次に「好き」以外は…山岸くんの事…何か思い当たる事は)
(エッチしてる時山岸くんは何考えてるんだろう。)
「山岸くんは普段どんな感じですか?」
「ああ、いつも通りだよ。変わんないと思う。あとタメでいいよ。」
(山岸くんがどんな人物なのか、何考えてるのか、もっと知りたい…かも…)
- 38二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 17:17:04
- 39二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 17:22:32
自分の気持ちに向き合いきちんと考えようとする姿勢は真面目な茜谷らしくていいですね
青の季節の人様のキャラは生き生きとしているので飯田の今後の行動や独自の解釈にも注目しております - 40二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 17:34:21
ありがとうございます!
生き生きとしいてると聞いてとても嬉しい限りです。その辺の描写はちゃんと伝わるように描けてるか自分の中で不安があったので…
茜谷らしさも伝わっているようでうれしいです
今後も飯田含め青の季節独自の解釈による話が出てきます。恋愛や性もさることながら友情や青春らしいシチュエーションについても深堀していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
- 41妄想副題・青の季節22/08/13(土) 20:44:10
(それだ。私は山岸くんの事もっと知りたい。)
(付き合うとか恋人同士になりたいって事よりも、山岸くんの事が知りたい。もっと知りたい。そっちの方が強く感じてるかも。)
今まで漠然としていたものがはっきりとしてきたような、そんな手ごたえを優里は感じた。そんな中脳裏には忘れた筈の記憶がちくりと優里を刺すように思い起こされ、優里は目を閉じる。
「お前のせいだー…」
(ああ、忘れたと思ってたのに…くそ)
(もうあのような事にはなりたくない。だからこそー…)
(私は山岸くんの事もっと知りたいし、知っておく必要がある。)
(それと山岸くんだけでなく、里帆ちゃんの事も…)
優里はふうっと息を吐くと部屋の窓へと向かう。すると満月がひっそりと輝いている様子が見えた。
「月が綺麗ですね、死んでもいいわ。か…」
その瞳は優しくもあり決意にも溢れた、そんな瞳だった。
ーーーーー
ガタンガタン…
高成は電車に揺られながらふと優里の事を考えていた。
(茜谷さん…)
(おれは茜谷さんの事が好きだ。あの時きみしかいないと言ってくれた事がすごく嬉しかった。)
(まさか、ヤる事で相手を好きになるなんて思ってなかった。)
(今言葉にして表すと初めてあの時相手と繋がれたような、そんな気がしたような…)
アナウンスが鳴り駅に到着すると電車を降り改札口を通る。駅を出た近くに優里の住む巨大なマンションがあった。
(デカいなあ。飯田の家よりデカい気が)
「こんにちはー。山岸です。」
「はーい。いらっしゃーい」
黒いニットと白いスカートを着た優里が高成を出迎える。
- 42妄想副題・青の季節22/08/13(土) 21:13:44
「茜谷さん…!おじゃましまーす」
「まあどうぞ入って。あと誕生日おめでと。」
「ありがと…」
高成は優里に案内され、彼女の自室へと向かう。優里の履いているスリッパの音がするすると聞こえてくる。
「じゃ、開けるよ…」
「…!すごい…!これ全部茜谷さんが?」
部屋には高成の誕生日を祝う飾り付けがなされていた。折り紙を使った色とりどりの飾りに高成は目を丸くする。
「ふふん。どうよ?」
「すごい…!!色もカラフルでおしゃれ…ありがとう。」
「ふふっ。どういたしまして。」
優里は笑うと高成に飲み物用意するけど何が良い?と聞き、高成はリンゴジュースと答える。
「用意してくるから待ってて。ベッド座っててもいいよ。」
「うん…」
優里はキッチンへと向かう。高成はベッドに座って待つ事にしたものの、やはり何か手伝えることは無いだろうかと考え、彼女の元へと向かった。キッチンが見えてくると優里がジュースを注ぎ終わってトレイにコップをのせて運ぼうとしている所だった。
「茜谷さん、おれが持っていこうか?」
「いいよいいよ、ここは私が…」
優里が高成を制し、両手でトレイを持って数歩ほど歩いた、その瞬間だった。
「ちょっうわあああああああっっっ!!!!!」
優里のスリッパのつま先がが運悪くキッチンの入り口にある引き戸のレールに引っかかり躓いた事で、優里は大きく転倒してしまい、たくさん注いだリンゴジュースを思いっきり頭からかぶる羽目になってしまった。幸いにもコップはプラスチック制だったので割れたりはしなかったが、リンゴジュースは近くにいた高成の服にも飛び散る事となったのである。
「茜谷さん大丈夫?!!」
高成が駆け寄り優里を起こす。
「大丈夫?けがはない?」
「大丈夫…けどめっちゃ濡れた…山岸くんも濡れてるじゃん…ごめん…」
- 43妄想副題・青の季節22/08/13(土) 21:36:30
「あ~あ…せっかくの誕生日会だったのに…」
「おれは大丈夫だよ。これくらいすぐに乾くし。それよりも茜谷さんの方が…」
「山岸くん…優しいね。…ごたごた言っても仕方ない!雑巾持ってくる!」
優里と高成は濡れた床を拭いて掃除と片付けをする。そうこうしていると喉が渇いてきたのでそして別のコップにリンゴジュースを入れてその場で飲んだのであった。
「うん、美味しい!」
「ね、これうちの文化祭で出してたやつ!」
「マジで?あ、確かに味がそうだ…」
二人がリンゴジュースを飲んでいると優里はくしゅん!とくしゃみをする。高成は大丈夫?さっきの件で冷えてるんじゃ…と問うと優里はそうかも…と返す。事実高成のTシャツはべっしょりとシミが広がり、優里の髪と服からは未だにリンゴジュースの水滴がぽたぽたと滴り落ちていた。
(山岸くん…優しい子だ。ちょっと…勝負に出てみようか)
優里はあのさ、ちょっといい?と高成に聞く。
「一緒にさ、お風呂入らない…?」
ーーーーー
その頃。Yシャツ姿の里帆は高成とのライン画面を見返していた。母親は仕事に出かけており夕方まで戻らない。
「山岸くん…」
「今見返したらこんなにメッセ送ってくれてたんだ…ありがとう。」
里帆は頷くとドレッサーに自身のスマホを置く。そして母親のクローゼットから黒いパンツスタイルのレディース用スーツを取り出すとそれに手早く着替え、自室のクローゼットの奥にしまいこんだ大きなボストンバッグを持って洗面台へと向かう。鏡を見ると一瞬幼い頃の記憶が里帆の脳内に流れ込む。
「里帆の黒い髪、あのお馬さんのたてがみみたいで綺麗ね。」
「…っ!」
里帆はその記憶を振り払うように自身の長い髪をはさみでざくざくと迷いを断ち切るかの如く切っていった。切った髪をゴミ箱に入れるとマスクをつけて大きなボストンバッグを持ち、初めてのパンプスを履いて家を出ていく。
その歩く背中はどこか寂寥感と孤独感をにじませていた…
- 44二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 07:52:14
あげ
- 45二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 08:11:40
山岸が何か飯田に聞くか提案するかして頷いてるとか?
- 46二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 08:48:44
茜谷と飯田が勝負に出たか
茜谷山岸の混浴という事は…? - 47二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 12:05:42
人もっと戻って来たらいいんだが…
激推しさんはもう完全にどっか移住しちゃったぽいか? - 48二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 16:18:02
ほしゅ
- 49二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 20:24:16
青の季節の人です
今日の更新はお休みさせていただきます
すみませんがご了承ください - 50二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 20:36:44
- 51二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 00:41:18
age
- 52二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 08:31:33
ほしゅ
- 53妄想副題・青の季節22/08/15(月) 13:00:47
優里の住まうマンション。
リンゴジュースを頭から被ってずぶぬれ状態の優里は同じくずぶぬれ状態の高成に一緒にお風呂に入らないかと尋ねてきた。
「えっ?」
「あっいやその…嫌?」
「あ、嫌じゃないよ。勿論。」
両者とも顔を赤くさせながらやり取りする。じゃ、先にお風呂にお湯入れてくると優里は言ってお風呂場へと消えていった。
(茜谷さんと一緒に…お風呂…)
(いいのか?!…いいのか…?)
高成は動揺を隠しきれずぐるぐるとその場を回る。その姿をお風呂場から戻ってきた優里はどしたの?!と驚いた様子で聞くと高成は自分に言い聞かせるように大丈夫大丈夫…とつぶやく。
「顔赤くなってるよ?」
「…!茜谷さんも。」
「なっ…!!」
優里は自身の頬を両手で押さえる。
「…私変かな?」
「えっ?!」
「だって下ネタ苦手なやつが男と一緒にお風呂入ろうとか…もしかして引いた?」
「いやいや全然!!そんなこと無い!!」
- 54妄想副題・青の季節22/08/15(月) 16:26:13
「ほんと~う?」
優里はそう言って眉間に皺をよせながら高成を疑う。
「ほんとだって!引かない引かない!」
「…うん。分かった。…ごめん言い過ぎた」
「いやいや茜谷さんは悪くないよ。」
「…ありがと。じゃ、行く?あ、服は後でお父さんので良かったら貸すよ。それクリーニングに出して後日返すから」
「えっ…いいの?」
「むしろそれくらいさせてよ。せっかくの誕生日会台無しにしちゃったんだし。」
「ありがとう…」
二人は浴室へと向かって服を脱ぐ。服を脱ぎつつ互いに体を見つめ合う姿はどこか初々しい。
「へ、へえ…こんなとこ黒子あったんだ。」
「うん…」
「ね…ブラのホック外してもらっていい…?」
「うん。…茜谷さんはつけててかゆくなったりしないの?」
「たまにかな…なんでそう思ったの?」
「たまーに、親から背中に手が届かないからムヒ塗ってくれって頼まれる時があってそれで」
「成程ねー。あるあるだわ。」
「こうして見ると、その、良い身体してんじゃん」
「そう?…そうかな?」
高成の体を褒める優里は笑顔を浮かべてこう言った。
「もっと自信持ちなよ。」
- 55二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 00:56:57
山岸裏山
- 56二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 07:45:38
ほしゅ
昨日鯖落ちてたからどうなるかと… - 57二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 10:23:45
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- 58妄想副題・青の季節22/08/16(火) 12:29:26
- 59妄想副題・青の季節22/08/16(火) 16:34:48
「んっ…」
「ふっ…」
二人は顔を赤らめながらキスを交わす。優里はそっと両手で高成の頬に触れると彼の体温の熱さが自身に伝わってくる感覚を覚える。それと同時に高成も優里の胸部に手を当てると彼女の心臓の鼓動がダイレクトに伝わり、自身の鼓動も早くさせる。
「んっ…はあっ…」
唾液が互いの舌を伝う。それは熱くとろけるよう。
ー高成のそこも優里のそこもしっかり反応している。優里は高成のそこに右手を伸ばすとゆっくりと上下に動かし始めた。
「…あ、痛かったら、言ってね…」
「うん…」
優里は上目遣いで高成に自身の行為について聞いてきた。
「…どう?」
「気持ちいい…よ…」
「…良かったあ…ね、立ち上がってもらっても、いい?」
「分かった」
高成は優里に言われたように浴槽から立ち上がる。すると優里は右手の動きはそのままにそれを口に咥えて吸ったり舐めたりを繰り返す。
「っん…いい…」
「はあっ…塚ちゃんみたいには、まだ出来ないけど…」
「茜谷さんのペースで大丈夫だよ…」
「!…ありがと。」
- 60二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 21:38:24
あげ
- 61二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 08:12:47
age
- 62妄想副題・青の季節22/08/17(水) 16:12:29
「んっ…はあっ」
優里がそれから口を離すと高成に座るよう指示をする。そしてそれを自身の中に入れようとした。
「あ…」
「外に、出して…」
優里の体はうっすら震えている。それを見た高成が焦らなくていいから、無理はしないでと優里に話しかけると優里はうん。と返し大きく深呼吸をして自身を落ち着かせる。
(なんでこんな時に…)
(大丈夫…大丈夫…これは相手が山岸くんだから出来る事。)
そしてずぷっとそれを中に入れた。
「んんっ…」
「はあっ…」
二人はぎゅっと抱き合い腰を動かしていく。
「だいじょうぶ…?」
「だい、じょぶ…」
互いの熱と吐息と湯船からの湯気が混ざり合い二人の身体は更に熱を帯びてゆく。
ふと優里が何かを思いだしたかのように高成に語り掛けた。
「そういえば、さ…二人っきりでやるの、初めて…じゃない?」
「たしかに…そうかも」
「いつもは…塚ちゃんとかが、いたからさ…」
「なんだか、今までのより雰囲気、違うね…」
- 63妄想副題・青の季節22/08/17(水) 16:26:22
「はあっ…んんっ…」
「きもちいい…」
ぱちゅぱちゅと跳ねるような水音が聞えてくる。
「なんだか、あつい…かも…」
「私も…」
二人は一度立ち上がると、バックの体制で再びカラミ始める。
「奥まで…届いてるっ…」
「んんっ…」
ぱんぱんと乾いた音が浴室内に響き渡る。高成は優里の尻をゆっくり上から下へと撫でると彼女の身体がびくっと反応を見せる。
「んんっ!…」
「何この、感覚…」
試しに高成はもう一度優里に対して同じことをすると同じ反応が返ってくる。
(流石にやりすぎたらまずいか…)
(茜谷さんに怒られたら…)
「やまぎし、くん…」
互いに快楽に溺れている時。浴室の外から着信音が聞えてきた。それを察知した高成の動きも優里の喘ぎ声もぴたっと止まる。高成はそれを優里から抜いて、二人はおそるおそる浴室から出て脱衣所へ向かい高成のスマホを見ると画面には非通知と表示されていた。
「…非通知。間違い電話かな?」
しかししゃがみこんで画面を怪しむように見続ける二人をよそに着信は鳴り続ける。
「…出てみる?」
「みよっか。」
意を決して高成が電話に出ると聞き覚えのある声が聞えてきた。
「山岸くん…?飯田です。飯田里帆です。」
「飯田…?」
- 64二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 17:18:30
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- 65妄想副題・青の季節22/08/17(水) 17:22:27
その声は明らかに里帆のものだった。里帆の声は高成の隣にいる優里にも聞こえている。
「今公衆電話からかけてるから…驚かせてごめん」
「いいけど…どこにいるんだ?公衆電話という事は外?」
高成がそう答えると里帆はうんと答える。
(もしかしてあの時電話番号教えてって言ってたのは…)
「ごめんあんまり長いこと話せないから手短に言うね」
「山岸くん、駅まで来れる?誕生日会行ってたらごめん」
「えっ駅…?!!」
「…さよならを言いたくて。じゃ、待ってる。」
里帆はそう言って電話をがちゃんと切った。つーつーという音がスマホから流れ、高成と優里は互いに顔を見合わせる。
「今さよならを言いたいって…」
「…まさか、どっかへ行くんじゃ…」
緊張の間が流れ、先ほどまで快楽に歪んでいた互いの顔がひきつっていく。
「…行こう。なんかこのままだと一生里帆ちゃんに会えない気がしてきた…!!」
「茜谷さん…!!」
「シャツ持ってくるから着替えてて!!」
高成と優里は急いで服へと着替える、優里は父親の服が置かれてあるクローゼットへと向かおうとしていた矢先今度はピンポーンと音がした。
「あ…ごめん山岸くん出てもらっていい?!!皆来たかも!」
「分かった!!」
高成は上半身は裸のまま走って玄関へ向かうとそこには智乃、貴史、日向、雄也の四人が集まっていた。高成の姿を見て一同目を丸くさせる。
「おうこーせー先に来て…なんで上半身裸なんだ?」
「…まさか山岸茜谷さんとやってた?」
「ごめん!ちょっと色々あって!!茜谷さーん!!皆来たよー!!」
- 66妄想副題・青の季節22/08/17(水) 17:32:03
「りょーかい!!ちょっと玄関で待ってもらってて!気がえる!」
「分かった…!」
「山岸どうしたの?何かトラブルでもあった?」
智乃の問いに高成は先ほどの里帆からの電話について話す。
「…という事があって。で、今から行こうと」
「まじ?それって家出?それとも夜逃げ的な?」
「今はわかんない…」
「山岸くんお待たせー!!あ、みんなとりあえずわが家へようこそ!」
優里が父親のTシャツを持って走ってやってきた。制服を着ているが急いで着たためにリボンは結びきれてない。
「茜谷さんありがとう!」
高成はさっとTシャツを着ると優里と共に4人にお願いする。
「ごめん皆…一緒についてきてもらってもいいかな。お願い。」
「私からも…お願い」
二人からのお願いに対し4人は当然というように返した。
「…勿論!」
「よし、行くか!」
6人は玄関から出て優里が鍵をかけると飛び出すようにかけていった。しかし道中優里は申し訳ないがあんま飛ばして走れないと呟き、日向はどうしたのと声をかける
「恥ずかしいんだけど…ノーブラノーパンだから今。あと素足にローファーは思ったより痛い」
「大丈夫?」
見かねて高成と貴史が背負おうか?と問うと優里はお尻が見えるからと言って却下した。そうこう言っている間に一行は目的地へとたどり着く
- 67妄想副題・青の季節22/08/17(水) 20:52:25
「とりま手分けして里帆を探そう!茜谷さん里帆の顔とかわかる?!」
「だいじょぶ!覚えてる!!」
一行は駅前の広場に到着し里帆を探し始める。
「公衆電話の近くにいるとか…?」
「飯田って公衆電話から電話してきたのか?ならそれはあるな…」
貴史と高成は公衆電話ボックスの近くに里帆がいると踏んだうえでまず先に公衆電話を探すことにした。建物の中へ入ると券売機の近くに公衆電話ボックスが見えてきた。
そして彼女の姿もそこにはあった。しかしその姿は高成らが知るいつもの飯田里帆とはあまりにもかけ離れた姿であった。
「山岸くん…!吉野くん…!」
「飯田…!飯田なのか?!」
短い黒髪に黒いパンツスタイルのスーツに白い不織布のマスク。黒いパンプスに大きな紺色のボストンバッグ…どこからどう見ても高成らの知っている飯田里帆の姿では無い。
高成は里帆に一旦座るよう促し、貴史は優里たちを呼びに走る。
「ほんとに飯田なの…?」
「びっくりさせちゃってごめんね。髪切っちゃった。」
にこにこと微笑む姿はいつも通りの里帆の姿だ。貴史の案内によって優里たちがその場へ小走りで走ってくると里帆は一瞬身構えるようなそんな動きを見せる。
「里帆っ…!」
「里帆ちゃん!」
「…」
- 68二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 21:28:03
次回予告
ついに里帆を見つけた高成たち
里帆へ向けて優里と日向はある提案をするが…?そんな中智乃に一本の電話が…
お楽しみに! - 69二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 23:21:55
お疲れ様です!
飯田の断髪は決意の表れか
姿の変化に山岸は何を思う
続きが楽しみですね - 70二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 08:27:06
茜谷ではなく飯田が髪を切った…
どんな展開になるのか - 71二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 12:31:15
あげ
- 72妄想副題・青の季節22/08/18(木) 16:26:31
「…智乃ちゃんと優里ちゃん…と、友達の方?」
里帆が智乃、優里、日向、雄也を指さすようにつぶやくと日向と雄也はどこか遠慮がちに自己紹介をした。
「あー…塚原日向です。あかねち…茜谷さんの友人でーす…よろしくー」
「永瀬雄也って言います…茜谷塚原と同じ高校で山岸くんとは予備校からの仲でーす…はは…」
里帆はまだ警戒心を解いてはいないようだ。すると里帆の隣へ智乃が座り、どこへ行こうとしていたのかと聞くと里帆はしばらく沈黙した後富山の方と答えた。
「富山…?なんで?」
疑問に思う智乃だがそこへ優里がスカートのポケットからミニリーフレットを出し、里帆へ渡す。
「多分…ここへ行きたいんだよね?外れてたらごめん。」
「え…探してたけど見つからなかったのに…優里ちゃんなんで?」
「文化祭の時に拾ったんだけど返せなくて…ごめん。」
優里がミニリーフレットを返せなかったことを里帆へ謝罪すると、差しだされたミニリーフレットをそっと受け取り、拾ってくれてありがとうと小さく返した。そのタイミングで駅内には発車時刻のアナウンスが流れた。
「里帆、もしかしてさ、その飯田牧場ってとこ…」
「うん…私のおじいちゃんとおばあちゃんがいる所。」
その答えに優里と日向はやっぱりか。とつぶやいた。
「そういえばもうチケットは買ったの?予約してたりするの?」
しかしその智乃の問いに里帆は首を振って否定する。
「じゃあ…そのおじいちゃんおばあちゃんとこへは連絡してたりする?」
その問いにも里帆は首を振って否定した。
- 73妄想副題・青の季節22/08/18(木) 20:42:33
「…そっか。」
智乃に続いて高成も口を開く。
「飯田…おれからも聞いていい?」
「さよならって言ってたけど、という事は…もう会えないって事?」
高成は里帆が電話口で言っていた言葉について里帆に聞いた。
「うん…まだ分からないけど…」
里帆のその言葉に周囲は沈黙が流れる。
ーもう里帆には会えなくなるかもしれない。という事実が沈黙と共に流れてゆく。
(いいのか…?)
(まだ何もわからない事だらけなのに、いいのか…?)
(私も里帆ちゃんに色々聞きたいことがあるのに…)
(このまま唐突なお別れは…駄目な気がする!)
「…ねえ!ちょっといい?」
重苦しい雰囲気を破ったのは優里だった。
「とりあえず…うちに来ない?」
「え…優里ちゃんの家に?」
里帆が驚きの声を持ってそう答えると日向がそれがいいと思うと前置きしたうえでこう語った。
「その…まずはおじいちゃんおばあちゃんとこに連絡してからの方がいいかな、とは思う…それに今丁度山岸くんの誕生日会もやろうとしてたからさ、里帆ちゃんも参加しなよ。」
「…!」
- 74二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 21:37:36
あげ
- 75二次元好きの匿名さん22/08/19(金) 08:02:50
age
- 76二次元好きの匿名さん22/08/19(金) 12:47:47
ほしゅ
- 77妄想副題・青の季節22/08/19(金) 16:30:59
「そのさ…飯田」
「山岸くん…?」
「茜谷さんや塚原さんの言う通り、良かったら参加してほしい。このまま飯田とお別れしたら多分…後悔するかもしれないし。」
高成の言葉に里帆は真剣な表情を浮かべていた。そして…
「…良かったら私も参加していい、かな?」
里帆は自ら参加したいと小さいながらもどこか決意のこもった意思表明をした。その言葉に優里は喜んで彼女を迎え入れる。
「…どうぞどうぞ!ぜひぜひ!!」
その場には先ほどとは打って変わってまるで花が咲いたような明るい雰囲気にあふれかえる。優里は里帆の手を取り自身の家まで一緒に行こうと誘った。
「優里ちゃんの家ってどんなとこ?」
「マンションだよ。こっからちょっと歩いてたらすぐ着くから。」
「そっか。…私もマンションなんだ。」
「へえ~‼一緒!」
「意外とマンション住まい多いもんだなあ」
「貴史んとこは一軒家だもんな」
「吉野君一軒家なんだ。知らなかった。」
そんな中優里のお腹が鳴る音がかなりの音量で鳴る。優里は気まずそうな顔でごめんと謝ると日向はそろそろお昼かとつぶやいた。
「お昼どうする?」
「う~ん…誕生日会だしせっかくだからピザでも頼む?」
- 78妄想副題・青の季節22/08/19(金) 20:40:40
優里のその言葉に里帆は目を輝かせる。
「ピザ…!?」
「そういや宅配ピザの広告家に届いてたなあ…帰ってから何頼むか見てみる?」
「うん…!」
やはり食べ物の話題は盛り上がりやすい。こんなピザが好きとか、ここのピザは色々メニューが豊富だとかそんな意見や感想等で一同はわいわいと語り合う。
「あのピザ屋さんはフライドチキンとかパスタとかも売ってた気がする」
「マジで?」
「ああマジで。前に頼んでみたけどうまかったぜ。照り焼きチキンおすすめ」
「へ~」
「パスタならペスカトーレとかたらこもいいよね。」
「あ~分かる。」
「あとイカリングとかナゲットは止まらなくなっちゃう」
「分かる分かる!…着いたよ~」
一同は優里のマンションへと到着した。リビングへと向かうと優里は広告を取り出して皆に見せる。
(結構盛り上がってるな)
(これだけの大人数でわいわいやるの初めてかも)
- 79二次元好きの匿名さん22/08/19(金) 21:22:12
あげ
- 80二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 07:41:36
更新日だけど本スレどうする?
- 81二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 07:59:45
- 82二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 09:08:20
- 83妄想副題・青の季節22/08/20(土) 12:28:08
「これこれ、どうぞ~」
「おっサンキュー。どれどれ…」
一同がピザの広告を見ている間に優里は紙コップにリンゴジュースを入れていた。それを見た高成は手伝おうか?と聞くとだいじょぶと優里は答える。
「さっきみたいなヘマはもうしないから安心して。」
「うん…気をつけて、量多いし持ってくのは手伝うから」
リンゴジュースの入った紙コップを高成と優里は5人へ配り終えると優里は何か思いだしたのか冷蔵庫の冷凍室の扉を開ける。するとそこにはフライドポテトとパスタの冷凍食品が入っていた。
「みんなー!これ合ったけど食べる?」
「食べる!」
ちょっと間が空いて里帆も食べる!と言うと優里は笑顔でじゃ、これも開けようかねとつぶやいた。
「みんな決まった?」
「うん!全員決まった…ね!」
お店へ電話して注文を伝えると日向はデリバリーが来るまでちょっと時間あるから…と前置きしたうえで里帆に向かって話しかけた。
「里帆ちゃんて呼んでも良い?私は塚ちゃんでも日向ちゃんでもなんでもいいよ。」
「うん…じゃ日向ちゃんで」
「よろしく~。とまあ自己紹介はさておき、本題に入ろうと思うんだけど。」
里帆は日向の言葉を受けまた警戒心を強める。日向はだいじょうぶ!取って食おうとしてる訳じゃないから!となだめながら彼女へ問いかけた。
「なんで家出?しようと思ったわけか聞いても良い…?」
- 84妄想副題・青の季節22/08/20(土) 12:40:40
「それは…」
里帆は口を閉ざしかけた時。高成がそこへ割って入るように里帆へ懇願した。
「言いにくいかもしれないけど…おれも知りたい。やっぱ…おれ含めて皆心配してると思うし」
「山岸くん…」
「ま、こーせーの言う通りだな。同じクラスのよしみだし?」
「おれは他校出身だけど、何か抱えてる事あるなら言ってみるのも手なんじゃないかな?」
「…私が言うのもなんだけどさ、里帆がその…何か悩んでる事とかあるなら、私も話聞きたい。」
「智乃ちゃん…」
「うちら…友人じゃん?」
「…!」
智乃たちの言葉を受けた里帆は一度その場から立ち上がり座り直す。そして大きく息を吸って吐くと決意を込めた眼差しでゆっくりとだけれども芯の通った声で話し始めた。
「長くなるけど、いい?」
「うん…大丈夫。」
「飯田のペースで良いよ。長くなっても良いから。」
- 85妄想副題・青の季節22/08/20(土) 16:40:46
「分かった…」
里帆のその言葉を合図に「飯田里帆」という人間がついにベールを脱いでいく。
高成らは黙って彼女を見守るのだった。
ーーーーー
飯田里帆の父親は建築会社の社長兼馬主、母親は元競争馬や元乗馬などが暮らす飯田牧場の出身である。
この二人は互いに競馬及び牧場を通して出会い、牧場長で里帆の母方の祖父母にあたる人物からの紹介もあって結婚したのだった。実際牧場には父親が所有している馬も何頭か余生を送っている。
ただ、なぜか当初母親はこの結婚には反対していたという。理由は里帆は知らなかったようだ。
里帆は幼い頃から競馬場に足しげく通っていた。G1競走で父親の所有する馬が勝った時には口取り式にも参加した。その時の真っ黒い牝馬に母親は見とれたのかよく里帆の黒髪をその牝馬に例えて綺麗と言っていたという。
その他習い事もしたり、旅行にも行ったり、父親が主催する「パーティー」にも出席したりと幼少期の里帆は恵まれた・幸せな家庭環境の中で育ってきた。
しかしそんな幸せな生活は里帆が小学校高学年の頃、突如終わりを告げる。
両親が離婚したのだ。
- 86妄想副題・青の季節22/08/20(土) 17:03:26
理由は父親の浮気。愛人が数名おり、中には子供もいたようだった。それに激怒した母親は離婚しさらには慰謝料・教育費等を父親に要求した。
無論それだけでは収まらず、父親の不貞について雑誌に売りつけた。しかしこれはのちに圧力か何かでもみ消される事となる。
いずれにせよ里帆が多感な時期に家庭環境が大きく変化したのは事実である。里帆はそれまで続けていた習い事や塾を全てやめ、母親は高齢者施設の介護スタッフとして働き始めた。父親は今でも教育費を毎月支払っているようだ。
そしてもう一つ変化した事があった。それは母親だった。
里帆に対して異常なほど過保護になり、男性不信を増大させていった。里帆へは常日頃「男はろくでもない生き物」と教え、近づかないよう警告していたという。高校は母親は女子校に行くよう進めていたが、里帆が受験に落ちた事で共学の学校、すなわち現在通っている高校へ通う事となったのであった。
…実際里帆が高校受験に失敗した時、母親は里帆を勇気づける事も慰める事もせずただただ嘆く日々を暫くの間送っていたようである。
良い子でいる事。男を信じない事。それが里帆を縛る足かせとなっていった。
そんな日々を送ってきた里帆には母親への鬱憤としがらみから逃れたいという欲求がいつしか生まれた。
(その欲求が意味するものが自由になりたいというものなのか、それとも別の何かなのかは里帆にはまだ分かっていない。)
そして高成らと出会い、文化祭を経てついに家出計画を実行したのだった。かつて自身に優しくしてくれた祖父母なら…という淡い期待をのせつつ家を出ていったのだった。
- 87妄想副題・青の季節22/08/20(土) 17:19:12
「…これで、終わり。」
「…」
一同はあまりの情報量の多さと内容に絶句する。里帆がジュースを一気に飲み終えると優里におかわりが欲しいと呟くと優里はうんと言って紙コップを受け取る。
(すごい情報量だった…)
(いや?でも、待てよ…)
(さっきパーティーって言ってたけど、パーティーって何だ?金持ちのあれ的な?)
「里帆ちゃん、質問良いかな?」
「うん。」
「パーティーって…どういうパーティーなの?」
「あー…それはね…」
「皆で…するの。色んな人と。」
「え…?」
その言葉を受けて優里は紙コップを落としてしまう。高成らは互いに顔を見合わせるもその表情はどんどん血の気が引いていくのがはた目にも分かるほどだ。
(みんなでって…それ乱パ…?)
(しかもそれ…なんかもう色々やばいだろ!警察沙汰のような…!)
「わっ…ごめん、新しいの出してくる…」
優里が代えの紙コップを用意しにキッチンへと向かったところで玄関のチャイムが鳴り、ピザ屋の店員がこんにちはーと声を上げた。
- 88二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:27:43
飯田の過去がついに明らかに…
- 89二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 21:04:38
なるほど…説得力ありますね…
- 90二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 21:07:37
このレスは削除されています
- 91二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 21:08:40
今思うと文化祭で飯田が落としたミニリーフレットが決め手というかキーアイテムになったのかも?
茜谷が冷静さを失っていないというか逆にいつもよりもっと冷静かつ慎重になってるというか - 92妄想副題・青の季節22/08/20(土) 21:31:58
「は、は~い…!」
玄関へ向かってそう答える優里の声は震えていた。彼女は高成らにピザを受け取るようお願いすると、がたがたと硬直する指先で里帆用の新たな紙コップを取り出しジュースを注ぎ、冷蔵庫からフライドポテトとパスタを取り出して電子レンジにかける。
(色々と衝撃的過ぎる…)
(多分あれだよね、ビッチになったきっかけは…例の…パーティー…)
一同が品を持って戻ってくると机に置くよう優里は指示する。
どこかぎこちないのは勿論優里だけではない。高成や日向、智乃、雄也、貴史もそうだ。唯一里帆だけがいつも通りといった表情を浮かべている。
「じゃあ、お昼にしよっか…」
「だね…」
(こんな事言うのはよくないけど今の話がすごすぎて全く食べる気にならない…)
(やっぱり例のパーティーで飯田は…)
(新山の言う通り、あの時点でもう処女じゃなかった。って事か…)
(なんだかよくわからない感情が薄らいだけど、重い事実を突きつけられたような…)
「いただきまーす…」
やはり口数は少ない。そんな雰囲気を受けて高成はどこかもやもやしていた。
(喋らないよな…だよな…)
(でも…飯田にも、茜谷さんにも、みんなにも、なんか申し訳無いような…)
(このままでいいのか?…よくない気がする)
(もうこうなったらとりあえずなんか言え自分!)
高成はいてもたってもいられず、口を開ける。
「ピザうみゃああああいいい!!!!ポテトさいこおおおおおおおおお!!!!!」
- 93妄想副題・青の季節22/08/20(土) 21:39:40
「めっちゃうまい!!すごくうまい!!さいこう!!!」
(もうやけだ!てかピザとポテト美味しいのはほんとだし…!)
高成以外の6人はいきなりの高成の行動に何言ってんだ?とばかりに目を丸くする。その後少し沈黙が流れた後最初に口を開いたのは優里だった。
「山岸くんの言う通りめっちゃうまい!!」
「確かに!うまい!!」
高成と優里の息の合ったトーク?に日向も美味いよねとつぶやきつつ高成にこう話しかけると優里も掛け合いを披露する
「今日は山岸くんの誕生日。…という事は?」
「はっぴーばーすでー!!…という事ではいっ、歌おう!みんな!!」
半ば強引な流れではあるが、高成と優里と日向のファインプレー?により徐々に雰囲気も明るくなってきた。高成以外の6人は立ち上がり、ハッピーバースデーを歌う。そこには多少戸惑いながらも興味津々に参加する里帆の姿もある。
「おめでとう~!!!」
「みんなありがとう!」
(めっちゃ強引な流れになっちゃったけど茜谷さんと塚原さん流石だ…)
(飯田も喜んでくれてる…)
- 94二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 00:16:36
今回は結構進みましたね
飯田の核心にいよいよメスが入った様相 - 95二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 08:26:10
- 96二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 09:19:15
このレスは削除されています
- 97二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 09:19:51
飯田はやはりハゲの家に行った時点で非処女で開発済みだったという事か
飯田父… - 98二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 12:19:39
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- 99妄想副題・青の季節22/08/21(日) 12:23:11
(重苦しい雰囲気だったから盛り上がれて良かった…)
(でも飯田の話がそれだけやばすぎたのも事実…)
(今だけは楽しもう…)
高成らはピザやフライドポテト、パスタを食べ進める。すると里帆が高成の腕をつんつんとつついてきた。どうやら何かに気づいたようだ。
「山岸くんこれ美味しいよ。食べてみて。」
「これ…マルゲリータピザ?」
「うん。小さいときにホテルのレストランで食べたピザと似てる。」
「マジで?」
高成がそう里帆に聞き返すと、間から優里がさっき食べたけどすごく美味しかったと紹介したうえで唐突にマルゲリータピザについて語り始めた。
「マルゲリータピザ…私の中ではやっぱり王道オブ王道のピザというとマルゲリータかな。トマトソースとバジルとモッツアレラチーズの組み合わせが絶妙で何枚でも行けちゃうしその赤白緑のカラーリングも食欲をそそる…そしてマルゲリータという名前はイタリアのお妃さまの名前から取られてるんだって。」
その饒舌な語り口は以前予備校で焼きそばパンについて語った時をほうふつとさせた。優里のあまりの饒舌っぷりに里帆が反応できず口を開けてぽかんとしていると、雄也はこいつ食いもんに目が無いからと言った。それを受けて優里はむっとした表情で雄也をにらみつける。
「すまん…でもうまいよねこれ。ここレストランもやってるし今度の休日食べに行こうかな。」
「確かに…おれも行ってみようかな」
「おーい。山岸これも食べた?美味いよ。」
智乃がこれも美味いよと照り焼きチキンピザを指さす。先ほど高成が食べたピザがこの照り焼きチキンピザであるがどうやら貴史と日向はこれが気に入ったようだ。
「お肉おいしい」
「いくらでもいけるわこれ」
- 100妄想副題・青の季節22/08/21(日) 12:40:15
(あ、これさっきうみゃああいいって叫んだ時に食べたやつか)
(確かに改めて食べてみるとお肉が柔らかくて美味しいな)
その後も7人はもりもり食べ進めていく。
全て食べ終わった段階で優里は冷蔵庫を開けてバースデーケーキを取り出してきた。ネームプレートには「こうせいくんおたんじょうびおめでとう」とひらがなで書かれていた。それを見て智乃はくすっと笑う。
「なんか幼稚園の誕生日会みたい…w」
智乃の反応を見た優里はえっ?!!と意外そうな声を上げると智乃は焦りながら謝罪する。
「ケーキ屋さんに頼んで書いてもらったんだけど…変?!」
「いや!ごめん!!なんか…うん、色々懐かしいなって」
「確かにバースデーケーキ自体なんか久しぶりに見るわ。おれ野球部だから忙しいし」
「はえ~そうなんだ。野球部って食事制限とかあるの?」
「そこまでではないけど逆に丼何杯とか結構体づくりの為に食べないとってのはあるかなー」
「野球部も大変だねえ…」
優里はろうそくをケーキに刺していく。
「どうする?17本全部いく?」
「いける…?」
「いける…よね?多分。」
「…多分?!」
- 101二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 14:42:18
わちゃわちゃしてて楽しそう
- 102妄想副題・青の季節22/08/21(日) 16:42:58
「とりあえず刺してみる…」
結果、なんとかろうそくは17本すべて刺しきる事が出来た。あとはろうそくに火をつけるだけだ。
「あかねちん慎重にね…」
「うん…」
時間は多少かかったが火をつけ終える事が出来た。それを見た高成や智乃らは火を消す前に写真撮りたいと一斉にスマホを向ける。そんな彼等と違って里帆は座ったままだ。里帆の様子を見て智乃は彼女に声をかける。
「里帆、撮らなくていいの?」
「スマホは家に置いてきたから…」
「そうなんだ…ごめん。いつか後で写真送るよ」
「ありがとう…」
写真を撮り終えたのち、優里は部屋の電気を消して高成にろうそくの火を消すよう指示した。
「では…山岸くんお誕生日おめでとうー!!」
「ふーっ!!ふーっ!!ふーーーーーーっっっ!!!!」
何度か息を吹きかけてようやくろうそくの火が消えた所で部屋の電気をつけてケーキを食べ始める事になった。7頭分するのに少し手こずったものの雄也のアドバイスも得て何とか全員にケーキが配られた。
「頂きます…おいしい!」
「甘すぎずって感じで食べやすい…これ茜谷さんが買ってきたの?」
「うん。昨日夕方に買ってきた。」
「そうなんだ…ありがとう。」
「いえいえ!どういたしましてー」
- 103妄想副題・青の季節22/08/21(日) 17:21:35
ケーキを食べ終えると7人は後片付けを手分けして始めた。お皿を洗ったり、テーブルを拭いたり…和気あいあいとした雰囲気は年頃の少年少女らしさを感じさせる。そのさなか高成がふと里帆の顔を見ると汗をかいている様子が目に入る。
「熱くない?ジャケット脱いだら?」
「うん…」
腕の部分をよく見るとサイズはぶかぶかだった。高成はそのスーツは誰のもの?と聞くと里帆は母親のものでクローゼットから拝借してきたと説明する。理由を尋ねると変装の為と里帆は言った。
「もしかして、髪を切ったのも?」
「うん…それもあるし、お母さんの事思いだしちゃうのが辛かったからかな…」
「そっか…」
(あれ、飯田から辛いとかそういうの聞くの初めてな気がする…)
その里帆の「辛かった」という言葉を受けた高成は頭の中で里帆への思いを巡らせる。そこでようやくある一つの事実にたどり着く事となる。
(さっきの飯田の話を聞いて今思うと、おれは飯田へ勝手にイメージを押し付けてたのかもしれない…)
(そして勝手に絶望して、遠ざけてた…だから飯田に対して名状しがたい何かが渦巻いていた。)
(飯田はビッチになりたくてなったんじゃないし天使になりたいわけでも無い)
(ああ、そうだ。ようやく気づいた。ちゃんと向き合うべきだったんだ。茜谷さんにも飯田にも。)
「あのさ、飯田…」
「なに?」
「今まで辛かった…?それとおれの話なんだけど、今まで勝手にイメージ押し付けたりしててごめん」
「…!山岸くん…!」
高成からの告白を受け二人の近くに現れたのは智乃と優里だった。
「優里ちゃん、智乃ちゃん…?」
「山岸のさっきの言葉を受けて私からも…色々とごめん。もっと里帆の意見や話を聞くべきだった。今更だけど」
「私も…里帆ちゃんの話もっと聞いた方が良かったのかもしれない…」
「茜谷さん…新山…」
里帆と高成が二人を見上げると、何かを思いついたように智乃は6人に対して声を上げた。
「みんな集まって!…突然だけどさ、今からみんなが何考えてるか、何思ってるか、辛い事とか打ち明けたい事…告白してかない?」
- 104二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 20:38:16
あげ
- 105二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 21:26:26
青の季節の人です
明日から青の季節の再編集作業に入るのでちょっと更新途絶えるかもです、すみません。
また作業と共にこちらで番外編も更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします
※番外編は再編集時に収録するものを先行公開する形となります - 106二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 08:19:22
あげ
- 107二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 12:46:48
青の季節・番外編ストーリー①
時系列は2学期開始して少し立ったくらいになります。
「じゃあ、帰るね。また明日。」
「おう、気をつけてな」
里帆はそのまま教室を出て一人静かに去っていった。高成も荷物を片付けてリュックを背負うと教室を出ていく。正門には既に里帆の姿は無くたくさんの生徒たちでひしめき合っていた。
9月になったとはいえまだまだ夏の日差しがぎらぎらと高成たちを照らし続けている。
「あっついなあ…早く帰ろ。」
手で顔を仰ぎながらとぼとぼと自宅目指して帰っていく。途中で喉が渇いたので駅にある自販機でジュースを買っていると近くから山岸くん!と呼ぶ声がした。高成が振り返ると日向の姿が映る。いつもと違って髪を降ろし、丸いレンズの眼鏡を着用している
「誰…?って塚原さんか、おつかれー…髪型変えた?」
「おつかれー…そそ。それにしてもあっついねえ…ここんとこ毎日暑くて授業やテストがきっちい…」
「わかるー…あれ、塚原さんて視力悪かったっけ」
「や、いつもはコンタクトなんだけどー、3日くらい前から結膜炎になってちゃって…」
「まじか…あんま無理しない方が良いと思う。」
「!ありがと…へへっ」
自販機の近くで話していると日向は今暇?と高成に問いかける。高成は特に予定も無いから暇というと日向はちょっと付き合ってほしいと高成を誘う。
「?どしたの?」
「へへー…ちょっと、ね?」 - 108二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 13:11:51
お疲れ様です!
塚原のボーナストラックかな
サービス投下ありがとうございます! - 109二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 17:06:49
そうです!塚原と山岸のボーナストラックとなります!
今ハーメルン投稿分の再編集で忙しいので更新は途絶えがちにはなってしまいますが、その間に元々準備していたボーナストラックを順次公開していきますのでよろしくお願いします
- 110二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 20:58:11
あげ
- 111二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 00:13:21
age
- 112二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 07:34:31
- 113二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 08:05:47
- 114二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 08:44:09
- 115二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 11:48:20
- 116二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 12:27:58
- 117二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 12:40:10
高成ははにかみながらどこか何かを隠しているような日向の様子を見てどうかしたの?と聞くと彼女ははぐらかすばかりだった。
「もしかして…茜谷さんと喧嘩でもしたの?」
「ううん。あかねちんとは喧嘩してないからだいじょぶ。」
「そっか…聞いてごめん」
「いいよいいよ…」
(あまり深堀しない方がいいのかな…)
日向に言われるままに高成は電車に乗りこむ。どうやら日向は市街地へと行きたがっているようだ。電車内は客がほとんど乗っておらず、静寂が流れる。
(なんて話しかけたらいいのか…)
高成が迷っていると日向が高成の肘をつっついて声をかける。
「あ、そろそろつくよ」
「マジ?」
目的地へとたどり着くと二人は電車を降りた。そこは予備校より更に市街地へ進んだ場所で多くの人でごった返している。
「じゃ、はぐれないようついてきてね」
「お、おう…」
(どこへ行きたいんだろう…)
- 118二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 16:49:20
- 119二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 17:06:11
「こっちこっち」
日向は路地裏へと進んでいくとそこにはネカフェの入っているビルがひっそりとあった。
「着いたよ。ここ来た事ある?」
「ううん、初めて来た…」
「そっか、じゃあわかんない事あったら言って。教えたげる。」
「ありがとう…」
高成はおそるおそる日向の後ろを歩いていく。エレベーターに乗ってネカフェへ着くと受付を済ませる。
「じゃあ、来て…」
(…個室。もしかして…)
日向の誘いに乗って高成は個室へと入る。すると日向は個室のカギをがちゃっと締める音が響いた。
「…山岸くんと「二人っきり」。だ…」
「え…?」
「山岸くん小指出して。」
日向はそう言って高成に小指を出すよう指示した。高成は日向の言われた通りにすると日向は自身の小指を高成の小指に絡ませて「指切りげんまん」の体制を作る・
「今からする事は、絶対に誰にも言っちゃあだめだからね。あかねちんは勿論山岸くんの友達にも…」
「…!」
「約束、守れるね…?」
いつもと違う真剣なまなざしで高成を見つめる日向。それに高成は圧倒されかけながらもつばを飲み込み、守ると言った。
「じゃあゆーびきーりげーんまんうそついーたーらはりせんぼんのーます。ゆびきった。…これでよし。」
「…何するの?」
高成が日向に問いかけると日向は座って、と高成に言った。
「こう?」
「うん。ぐっじょぶ。」
日向は高成の肩に手をやり、キスをした。
- 120二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 20:51:22
塚原は何を考えている…?
- 121二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21:25:09
トリックスターに迫る…!
- 122二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 07:39:09
続き楽しみでage
- 123二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 08:23:24
- 124二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 09:33:17
- 125二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 09:50:08
- 126二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 16:02:24
- 127二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 21:10:18
ほしゅ
- 128二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 07:44:16
茜谷は潔癖気味なところがあるから虫は苦手そうだよね
- 129二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 08:19:06
- 130二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 12:14:09
「んんっ…」
舌を絡ませ合う熱いキスは濃厚でとろけるほど。そこに里帆らとはまた違う感触とアプローチを高成は感じていた。
(なんか…緩急を合わせてるというか、ただ快楽任せにやってるって感じじゃない気がする…)
「はあっ…はあっ…」
「んっ…むっ…」
日向はキスをしながら高成の股間をまさぐりそこへ揉むように刺激を与えていく。
「気持ちいい…?」
「うん…」
日向は高成のズボンのファスナーを外してそれを取り出すと口の中へと咥え吸いながら頭を上下に動かす。日向が頭を動かすたびにじゅぽじゅぽっという淫らな音が部屋の中に響く。その様子はやはり高生から見ても何度もやり慣れた手つきである。
(…っ!やばっ…)
「…もうっ…でそっ…」
「いひよ、ふぁして…」
高成は耐え切れずに日向の口の中に吐き出してしまった。日向はそれをごくんと飲み込む。
「へへっ…思ったより濃いねえ…」
高成に対して笑顔でそういうと自身のパンツを脱いでその上へとまたがる。にゅるっとした感覚とぎゅっと締め付ける圧が高成のそこに同時に押しかかってきた。
「はあ、やっとやれたあ…」
日向は待ってましたといわんばかりに激しく腰を振り始める。
- 131二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 15:59:24
塚原やはり…
- 132二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 16:47:37
ある意味期待を裏切らない塚原
- 133二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 20:41:42
あげ
- 134二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 07:43:59
塚原にage
- 135二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 12:09:58
hosyu
- 136二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 17:30:51
- 137二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 00:16:03
age
- 138二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 08:06:24
青の季節の人です
現在再編集作業を進めている所です。途中うっかり保存を忘れた事でデータが消えたりと色々ありましたがなんとか頑張ってます
今後も近日中に本編再更新とボーナストラックや秘密裏設定妄想上げたら上げていきますのでよろしくお願いします - 139二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 08:47:28
- 140二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 12:18:58
日向が腰を動かすたびにぱちゅっぷちゅっと水面に手をたたきつけるような音がこだまする。両者の吐息が湿度を伴いながら熱く顔や体を赤く染め上げてゆく。ゆっくり動いたり激しく動いたりと緩急をつけながら高成のそれを奥でぎゅっと締め付けると高成は快楽に染まった声を漏らす。やはりその様子は里帆や、優里、智乃と行為をした時とはまた違った感覚のようだ。
「あはっ…ああっ…」
「んっ…どうっ…?」
「きもちいい…」
(まさか、塚原さんと二人っきりでやるとか…)
(飯田もあれだけどこっちはこっちで何考えてんだ…?)
高成は声を漏らしながらも日向の腰に手を添えると起き上がって対面座位の体勢へ持っていく。そして彼女へ疑問を問う事にした。
「なんでおれと…」
「ああ、やっぱ、思うよね…」
快楽に歪みつつやっぱり聞かれて当然かとどこか観念した様子で日向は呟いた。
「ああん!あっ…まあ、その先に結論から言うと…山岸くんと、したかったから、かな…」
「おれと、したかった、から…?」
山岸が日向の言葉をオウム返しすると、まじで誰にも言わないでと前置きしたうえで日向は心の内を喘ぎながらも告白していく。
「実はさ、最初、山岸くんの事、気になっててさ…」
「でも、その時は、永瀬ともしてみたくて…でその日の事があの永瀬の家で、集まっ、た日の事…」
「その後、あかねちんが、山岸くんと…んっ…ラブホテルで、色々あったって聞いて…あかね、ちんは…まあ、そういう事なんだって、気づいた…」
- 141二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 12:42:25
「あかねちんは、大事な大事な親友だから…応援してあげたい、支えたい、という気持ちは、勿論ある。けど、やっぱ山岸くんの、事、気になって…その後、吉野くんも…気になったというか。」
「そこで、思ったの…私、は、っ…男子が、好きになってるん、じゃなくて、男子の、ちん ぽが好きなんだって…気づいた。…要は、私はマジもんのビッチだって、事…」
「塚原、さん…」
「バカだねえ、私…やっぱ、我慢、出来なかったよ…」
投げやりな笑顔を浮かべながらそう言った日向の声はどこか寂しい。高成は何か声をかけようとするも声は出ない。そこに日向が掌でそっと高成の唇に蓋をする。今はただ私が満足するまで犯してくれと懇願しているようだ。高成は日向の望むままに最奥めがけて何度も突き上げると彼女も快楽に身を任せて喘ぎ続ける。
「ああっ!あっ!…もっと、ついてえっ…!」
「はあっ…んっ…」
高成はそのまま日向を押し倒すとセーラー服をたくし上げて胸を揉みながら先ほどよりギアを上げて激しく突きまくる。里帆や優里、智乃よりも華奢な体は例えるならば支えがないと折れてしまいそうだ。
「ああっ~っっ!も、イ“クっ…!!」
「も、おれも、やばいっ…」
日向はびくびくと痙攣しながら潮を吹いて絶頂を迎える。高成は彼女の口元に精を吐き出すと舌で綺麗に舐め取って飲み込んだ。
ーーーーー
「という事で、今日あった事秘密だから。無かった事にしておくか、忘却の彼方にほおり込んどいて。」
「うん。分かった。約束する。」
二人はネカフェから出て駅へと向かう。日向の表情は少し晴れ晴れとしていた。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。ちょっとすっきりしただけ。」
塚原山岸のボーナストラックは以上となります。
- 142二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 16:04:33
山岸裏山
- 143二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 16:30:36
塚原の本性…
- 144二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 20:17:53
あげ
- 145二次元好きの匿名さん22/08/27(土) 21:14:48
説明
塚原と言えばトリックスターというかそんなキャラクターですが、彼女なりに色々自分と向き合った結果だったり悩んだ姿をもうちょい描写したかったのでこのような内容になりました。
この塚原山岸のボーナストラックは今後ハーメルンでの再編集版にも入れるのでぜひ読んでくださると嬉しいです
- 146二次元好きの匿名さん22/08/28(日) 08:00:36
あげ
- 147二次元好きの匿名さん22/08/28(日) 13:08:15
青の季節の人です
お待たせしました。先ほどハーメルンにて青の季節再編集版を上げてきました。
今回更新した話は山岸が飯田とやった翌日~予備校編開始までのストーリーとなります
※めちゃくちゃ長い(1万字超え)ので一気読み推奨です。
また今回更新分は新規ストーリーが複数追加してますので読んでいただけると嬉しいです - 148二次元好きの匿名さん22/08/28(日) 19:04:31
あげ
- 149二次元好きの匿名さん22/08/28(日) 21:05:56
ほしゅ
- 150二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 07:48:27
age
- 151二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 12:05:04
青の季節 ボーナストラック その2
クラスマッチの日編
※こちらはハーメルンにて新規追加したストーリーとなります
また次の日。朝から水泳のクラスマッチが始まり高成と里帆は各々水着に着替えて集合場所へと集まっていた。熱さ漂う夏空は雲がほとんどない快晴でセミの声が聞こえてくる。しかし集合場所には智乃と貴史の姿が見当たらない。体育教師も生徒に向かって新山と吉野は?と聞くと生徒は知らないとか、多分保健室じゃね?といったかなりあいまいな返事が返ってくる。
「なあ飯田、2人どこにいるか分かる?」
「ごめん私も聞いてないから分からない…保健室かなあ?」
「そっか、ありがとう。」
2人の行方は里帆も知らないようだ。
(あいつらもしかして…?)
高成はまさかあの2人やってるんじゃ?と心の中で考えていたちょうどその時。人気の少ない校舎内のトイレの個室ではやはり貴史と智乃はカラミあっていた。 - 152二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 20:58:56
あげ
- 153二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 06:55:13
ボーナストラック!
- 154二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 16:05:34
キスをしながら智乃のスカートを脱がすと下からはスク水が現れる。シャツのボタンを外してスク水越しに胸を触ると智乃の吐息が貴史の手の甲に触れる。
「やっぱエロいじゃん…着てきてもらって正解だわ…」
「んんっ…ああっ…はあっ…」
後ろから挿入して智乃の膣奥を突きあげつつ、スク水の中に両手を入れて胸を揉んでいく。ぱんぱんと互いの皮膚がぶつかる音とじゅぷじゅぷと接合部から漏れ出る卑猥な音と智乃の喘ぎ声が個室内に広がる。
「新山、結構胸デカいよな…何食ったら大きくなるんだ…?」
「さあ、んっ…知らない…肉とか?…んっ」
「こーせーと、飯田…今頃クラスマッチ行ってる、かなあ…」
「そりゃあ、そうでしょ…んんっ…こんな事してんの、うちら、だけだって…はあん!…」
「やばっ…はあっ!…あっ…きもちいい…。」
膣内の締め付けに耐え切れず貴史はゴム越しに達したようだ。その後も2人は個室内で絡み続けたのであった。
- 155二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 20:46:29
その頃1種目目の男子リレーが終わり、男子女子それぞれチームに分かれて2種目目となる水球が始まる。1種目目に出場した高成は水球には出ず、次かその次に備えて休憩する事にした。
ちなみに高成は幼い頃からスイミングスクールに通っており、中学時代にはかなりの実績を上げていた。しかし高校入学時に怪我をした事がきっかけで今は競技からは距離を置いている状態である。
(今のうちにトイレ行こうかな)
水球で盛り上がっているプールをよそに高成はプールから出てトイレへと向かう。用を足してトイレから出ていこうと振り返ると出入り口になにやらうっすらと黒い人影が見える。
「あれ、誰かいる…?」
その人影の主はなんと里帆だった。ぼんやりと立っている里帆に対し高成はここは女子トイレではなく男子トイレだと注意する。
「飯田…?ここ男子トイレだけど…」
「山岸くん…ね、ちょっといい…?」
里帆はそう言って高成を個室の中へと誘導し鍵を閉めるとキスをした。
(はあ!?ここでやんのか…?!)
- 156二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:44:45
age
- 157二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 05:58:25
age
- 158二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 12:08:00
キスをしながら高成のそれを水着越しから上下に撫でていくとあっという間に硬直していった。里帆はその様子を見て硬くなった高成のそれを水着から出して片手でしごきながらじゅぽじゅぽと咥え始める。
「んむっ…」
(トイレの個室で、飯田にフェラされてる…)
「むぐっ…山岸くんと、二人っきりでこういうのするの初めて…」
(た、確かにそうだけどっ…)
更に里帆は顔を動かす速度を上げていくと彼女の喉奥が高成のそれにぎゅっと圧を掛けるようなそんな感覚が伝わってくる。
(やばいっ…もう出そう…)
高成は我慢できずそのまま里帆の口内に我慢できず精を吐き出してしまった。里帆はごくりとそれを飲み込む。その普段の清楚な雰囲気とは違う蠱惑的な姿に高成はまた自身の股間を膨らませていった。
「んっ…」
高成の股間が収まるどころか再度膨らんでいる事を里帆は確認すると、高成の手を引いてトイレの個室から出てトイレ横にある個室のあるシャワールームへ移動する。
誰かが閉め忘れたのかシャワーの水が少し出ている個室へと向かうと、そこで里帆は高成の着ていた水着を脱がし、自身もまた水着を脱いで一糸まとわぬ姿となった。彼女の薄いピンク色をした乳首と水に濡れた滑らかな肌を見ると思わず心臓が跳ね上がる感覚に到るも冷静さを失わないように脳内でもがく。
- 159二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 12:08:47
(うわっ…飯田の裸…めっちゃエロい…)
(って何考えてんだよおれ…クラスマッチサボってこんな事していいのかよ…)
高成の迷いにも里帆はお構いなしと言った具合で自身の濡れた赤いそこを両手で広げながら高成に見せつけ、早く入れるよう懇願してくる。高成は一瞬躊躇するも里帆の己に期待しているような顔と目つきを見てついに腹を括る。
(生だけど…もう、やるしかねえよな…)
焼けて赤くなった鉄のように熱を帯びるそれを里帆の中に挿入すると彼女の喘ぎ声が響く。
「ああっ…!」
2人はそのまま抱き合うように熱く絡み合う。高成は何度か里帆に言われるままに体位を変えて彼女を攻めていった。外ではわいわいと生徒たちが盛り上がったり自チームを応援する声が響いてくるが里帆には聞えていないのかはたまた蓋をしているのか、ただただ高成の身体を求めるだけだった。
午後。クラスマッチが終わりいつも通り授業が始まる。教室で貴史と智乃を見つけた高成は貴史にどこへ行っていたのかと聞くと、やはりトイレでやっていたという答えが返ってきた。
(やっぱりな…)
- 160二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 12:09:44
授業が始まると高成ら生徒はくたくたになりながらも授業を受ける。授業中高成がトイレへと向かうとまた彼を後ろからつけてくる黒い人影が映る。
「い、飯田…」
「ごめん、あれだけじゃ足りなかったから…」
またしても里帆は高成のあとをつけて男子トイレの中へとやってきた。先ほどと同じように高成のそれを手でしごきながら咥えて顔を動かす。行為の最中も里帆は絶えずその大きな目でじっと高成の顔を見つめていた。
(足りないってなんだよ…)
(ああっ、搾り取られるっ…)
またもや里帆の口内に射精してしまった高成は身体をふらつかせながら便座に座る。するとその上から里帆は自身の中に高成のそれを半ば強引にねじ込み腰を動かしていく。
「あっ…はあん…んんっ…」
里帆によって先ほど精を吐き出したばかりの高成の肉棒はまたも熱さを伴いながらみるみるうちに硬直していく。里帆は自ら動きながら高成にキスをしてきた。互いの舌は瞬く間に熱を纏う。
「おく、あたってる…!」
「はあっ…っ…」
(飯田…)
高成はうつろな目でトイレの天井を見上げながら彼女を抱くのであった。
- 161二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 16:00:51
「うう…はあ…はあ…」
「おい、こーせー大丈夫か?なんか顔色よくねえぞ?」
教室へと戻るとくたくたの状態で高成は椅子にもたれかかるようにして座る。息切れしている様子を見た貴史は高成に声をかけるが高成は大丈夫と答える。
高成はクラスマッチの疲れと何度も里帆と絡み合ったからかもう体力は限界に来ていた。授業が始まってもしんどさと顔色の悪さは変わらずだ。そんな高成に見かねた教師は高成へ保健室へ行くよう指示をして同時に保健委員は誰かな?と生徒たちに呼び掛ける。
「あ、私です…」
(げっ!そういや飯田保健委員だったの忘れてた…)
「飯田さん、山岸くんを保健室まで連れて行って」
「分かりました。」
里帆は山岸くん大丈夫?立てる?と心配そうに問いかけるが、高成はふらつきながらも何とか立ち上がると里帆と共に保健室へと向かった。
「すみませーん…体調悪くて…」
「あら、どうぞ。とりあえずこれ書くのと熱計ってもらおうかな」
近くのデスクに座っていた若い女性の養護教諭はそう言って保健委員である里帆にバインダーに挟んだ問診シートと体温計を渡す。
「書こうか…?」
「いや、大丈夫。…はっくしょん!」
高成は熱を測りながら問診シートを記入していくと1分ほどでぴぴっと体温計の音がした。
- 162二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 16:03:08
「うわ、37.8℃…やば、風邪引いたか?」
「大丈夫?なんだか顔色悪いような…」
「あら…一応ここで休んでそれでもしんどかったらおうちに帰った方がいいんじゃない?」
養護教諭が心配そうに高成を見つめながらベッドに誘導したその時、教師の持っていたスマホが鳴る。慌てて出ると次第にかなり焦りを浮かべた様子で受け答えをしはじめると素早くスマホを切った。
「ごめん先生今から教室出ていかなきゃだから…!飯田さんあとは頼める?」
「あっ、はい…!」
「ごめんね…また戻るから!氷枕が冷蔵庫にあるから良かったらそれ使って!何かあったら担任の先生に言ってね!」「分かりました…!」
養護教諭は荷物を持って急いで教室を出ていった。保健室には高成と里帆だけが取り残されている状態となった。
「…」
2人っきりの部屋に沈黙が流れる。高成はベッドの上でぼーっと座っていると里帆が高成の近くに寄って来る。
「山岸くん…身体温めないと。」
里帆は高成をベッドの上で押し倒した。高成が驚くも体が思うように動かない。そんな高成をよそに里帆は高成の股間を指ですっとなぞる。すると高成のそれはまた徐々に反応してゆく。
(もっ…きついって…え、まだ出んの…?)
(飯田はどんだけやりたいんだよ…意味が分かんねえ…)
そしてそれをズボンの中から取り出すと里帆は慣らすまでも無いと言った感じで自身の中へと挿入した。そこから里帆は結合部を高成に見せつけるように腰を振っていく。
「んっ…きもち、いい…?」
「んっ…や、やばいっ…」
(精根尽き果てるまでやらされるんじゃ…)
腰を振りながら吸い付くようなキスをしてきたり、胸を揉むように触ったり上半身へのアプローチも忘れない。里帆から与えられる快楽に次第に高成は熱が上がってきたからか頭の中が真っ白になっていく。
「はあっ…はっ…」
「…山岸くん、顔、赤いね…」
(なんか…朦朧としてきた…)
里帆の腰を動かすスピードが増していく。彼女がギアを上げ切った瞬間高成は里帆の中に射精してしまうのと同時に高成の意識は陽炎のように遠のいていく。
(…ああ…)
少し間を置いて里帆はぐったりとした様子の高成に気づくと山岸くん?と肩をゆすりながら呼びかける。
「…山岸くん?もしもーし?」
しかし高成はぐったりとしたままだ。
- 163二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 16:05:15
その後里帆が担任教師を呼びに行き、高成は早退する事となった。母親が学校まで迎えに来てその足で病院へ向かい点滴を打って薬を処方してもらった。帰り際タクシーの中で高成の母親はこうつぶやく。
「高成が風邪なんて珍しいわね。クラスマッチで身体冷えた?」
「う~ん…わからん。」
「とりあえずゆっくり休みなさい。晩御飯は何がいい?」
「じゃあ、とりまおじやで…」
自宅へと戻ると高成は倒れ込むようにしてベッドで寝始める。その脳裏には里帆の姿がひらひらと飛ぶ蝶のようにちらついて離れないのであった。
(飯田とやりまくってたとか親に言える訳ねえよ…)
(あんなにやりまくっていいんだろうか。それに飯田がなんかよくわかんねえ…)
その後母親に起こされなんとかおじやを食べ終わるとまた自室のベッドで眠り始める。深夜、ふと目が覚めると貴史からラインが来ていた。そこにはシャツをめくり上げ胸を露出させた状態の里帆が貴史とやっている写真が複数送られていると共に以下のような会話も記されている。
『放課後飯田と体育館倉庫でやってきた。ちょー気持ち良かったわ~』
『こーせーも今日飯田とめっちゃやりまくってたんだろ?飯田から聞いたよ。体調悪いならさっさと寝ろよ。』
「…」
(やっぱ誰とでもやれるのか…)
悩んだ末にスタンプを送るとしばらくして貴史から熱は下がったか?と問われまだ分からないと返すとお大事にという意味のスタンプが送られてきた。それを見て高成はスマホをオフにして勉強机に置いてベッドへと戻る。
(誰とでもやれんのか…)
ボーナストラック・クラスマッチの日は以上となります
このストーリー以外にも新規追加ストーリーを収録させて頂きましたのでぜひ再編集版も読んでくださると嬉しいです
- 164二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 17:09:04
お疲れ様です!
一周回って飯田凄いな…
山岸お気の毒 - 165二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 17:18:17
ありがとうございます!
飯田の「やばさ」が伝わってたら嬉しいです!
お知らせです
早ければ今日の夜以降、青の季節の本編更新を再開させていただきます。
こちらもハーメルンでの再編集版とも合わせてよろしくお願い致します。
- 166二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 19:42:57
山岸はカラミざかりな人じゃなく『カラマレ』ざかりな人だな(汗
- 167二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:37:13
- 168妄想副題・青の季節22/08/31(水) 20:48:00
智乃の提案。それはここにいるみんなが今何を考えてるか、何を思ってるか、辛い事や打ち明けたい事を告白するという事である。
「さっきの里帆の話…皆聞いてたよね?」
「それでさ、私達も…何か辛い事とか言えない事とか色々抱えてる事があれば…吐き出してすっきりした方がいいんじゃないかなって。」
「新山…」
高成はそう言った智乃の顔を見上げる。彼女の顔はいつもより引き締まった顔つきだ。
「良かったら…言っていかない?勿論この場で話した事は全て他言無用・秘密厳守で。」
「あかねちん…」
「じゃあ、そうしようか。」
片付けも終わリビングに7人全員が集合し、各々ソファやカーペットの上に座った。
「…話していこうか」
「うん…」
「とりま、言い出しっぺの私からでいい?」
6人は智乃に了承し、頷く。
「ありがと。じゃあ…」
- 169妄想副題・青の季節22/08/31(水) 21:09:24
- 170二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 07:56:00
本編の続き入りましたね
各自カミングアウト楽しみ - 171二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 08:16:46
- 172妄想副題・青の季節22/09/01(木) 12:23:43
「あの人だよね、文化祭の時の…」
日向が智乃にそう聞くと智乃は頷く。
「そう。あの人。…でも告白する前に所謂セフレの関係になった。」
「で、先輩は私以外の人ともしてた…4P誘われたりとか、里帆ともしたり、文化祭の時も…」
「正直私には嫉妬の感情もあったかな。…里帆と塚ちゃんには申し訳なく思う。」
智乃が日向と里帆に謝罪の意思を示すと日向は大丈夫だと声をかけたが里帆はよくわかっていないのか黙ったままだった。
「それで塚ちゃんのアドバイスを受けて私は先輩に告白した。」
「…どうなったの?」
「先に結論から言うと…私は先輩と付き合う事になりました。」
智乃のその報告を受けて周りからはおめでとうと拍手が起こる。
「いやいや、それほどの事じゃあ…でも、ありがと…」
「で、大事なのがここから。」
智乃が盛り上がる皆を制するように語りかける。
「この体験を通して私は、そのー…自分の気持ちを伝える事の大事さを知った訳よ。」
「…」
盛り上がっていた雰囲気が一瞬にして沈黙する。
- 173妄想副題・青の季節22/09/01(木) 12:40:38
「告白した時に私は…先輩から「考えてる事がいまいちよく分からない」って言われたんだよね。」
「自分はそんな事1ミリも思ってない訳で…でもその後私も先輩への気持ちをよくよく考えてみたら、先輩が何を考えてるのか分からない部分は、確かにあった。」
「だからさ、気持ちを伝えるって事はすごく大事なんだよ。私はこれが一番言いたかった。」
「それと今後は先輩の事もっと知りたいな、とは思う。その為には先輩と色々話していきたいな…とは考えてる。」
「あとまあ…塚ちゃんのアドバイスが無ければこの事には気づいてなかったかもしれないのと、山岸も話聞いてくれてありがとね。という訳で私からは以上。聞いてくれてありがとう。」
智乃の告白はこうして終わりを迎えた。
彼女の顔はどこか清々しく見えたのだった。
「次は…誰にお願いしようか。」
「あっじゃあ永瀬は?」
「へっおれ?」
優里からの提案を受けた智乃はじゃあ永瀬くんよろしく。と雄也を指名した。
「じゃあ、おれいきまーす…と言っても特には無いんだけど。」
「無いんかい!!」
優里の切れ味鋭い?ツッコミがさえわたる。そんな優里の反応を受けて雄也は全くないという訳では無いから…と補足説明をしたうえで自身の心境について語り始めた。
「おれは…今特に好きな人はいないというか、恋愛自体まだ経験無いというか」
- 174妄想副題・青の季節22/09/01(木) 12:55:26
「へー…永瀬彼女とかいた事あるもんだと思った」
「それが無いんだよなあ…で、あの時塚原としたのが童貞卒業の瞬間だった訳。」
「なんかねー…これまでやる=恋人同士のものってイメージはなんとなくだけどあったからさ、色々衝撃だったよね。」
「あの流れでやれるもんなのかというか、やるとは思わなんだ…勢い的なやつ?」
雄也の言葉を受けて高成は当時の様子や、初めて4人で貴史の家へ行った時を思いだす。
(まあ…永瀬さんの気持ちは分かる。)
「なんか…おれも永瀬さんの気持ちは分かる。最初は自分もやる事=恋人同士のもの的なイメージはあったし。」
「山岸くんマジか。…ちょっと楽になれたかも。」
「え、そういうの関係なくやりたいと思ってたのもしかしておれだけ?」
そう言った貴史が高成と雄也を見つめるとまた沈黙が流れ始める。日向と優里がまあその辺は人によって色々だし…と貴史をかばうと貴史は2人に握手を求めたが日向は返したのに対して優里は拒否する。
「あっごめん。続きどうぞ…」
「お、おう…おれは茜谷と塚原は気の合う友人だと思ってる。だけど実際塚原とやれるとは思わなかったかなーっという話でした。今後様々な人の意見を聞いて色々考えてみたいと思う。また好きな人出来たら変わるかもしれんし。」
雄也が話を終えると拍手が起こる。
「次は…吉野くん。どう?」
「おれ?!…分かった。こーせー、せっかくだしよあの事も話していい?」
あの事とは例の公衆トイレで貴史と致したあの件についてだ。察した高成はゆっくりと頷く。
「…分かった」
「じゃあ、長くなるけど話していくわ。」
- 175二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 13:00:05
これはツラいカミングアウトになるな…
- 176二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 13:04:31
現時点で新山と永瀬のカミングアウトが終わり次はハゲ…
竹内先輩の事も言うならおつらい事になりそうだがはたして - 177二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:41:28
ほしゅ
- 178二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 06:57:31
保守
- 179妄想副題・青の季節22/09/02(金) 12:37:14
「こんなおれにも一応憧れの人というか、好きな人はいた。」
「竹内先輩?」
智乃の問いかけに対して貴史はうん。と答える。
「夏休みに告白したら付き合う事になってさ。嬉しかったし、カフェとかデート行ったりして…楽しかった。」
「あのさ、竹内先輩のどこに惚れてたのか聞いて良い?」
「いつも優しくて、なんでも話聞いてくれて、スタイルも良くて、いつも良い雰囲気してるってとこかな。」
「へえ~…」
「だけど、みんなで夏休みにキャッチボールいったじゃん?それでラブホ行った時にそれが野球部の先輩に撮られてて…」
貴史の告白に優里たちはえ…?と顔を見合わせる。
「撮られたのはおれと竹内先輩だけだった。…茜谷さんとかは多分大丈夫だと思う。」
「そ、そっか…」
「で、それが監督たちにばれた。しかもばれたのは竹内先輩だけでおれの事はばれてなかった。」
「しかもそれだけじゃあ、終わらなかったんだ…」
貴史の顔が徐々に暗くなっていく。高成は辛かったら無理して言わなくてもいいと声をかけるが貴史は大丈夫。全部話すと答えた。智乃はいつもらしからぬ貴史の表情に何が起こったんだ…?と顔をしかめる。
「おれ、竹内先輩が野球部の先輩達に回されてたの見てしまったんだよ…」
- 180妄想副題・青の季節22/09/02(金) 13:07:10
その言葉を受けて一瞬にして雰囲気が凍り付いた。
「それって…輪 姦?って事?」
「うん、そう。」
「えっ嘘でしょ…そのさ、吉野くんはどうしたの?」
動揺しながら優里が貴史に質問する。やはり答えにくいのだろう、少し間を置いて貴史は話す。
「おれも参加した。」
「…!」
「その時はおれはあんな事されてる先輩に憧れたんじゃないのになんで?って思った…でもほんとは」
「おれはエ ロかったんだよ。エ ロいから最初からこうやって女子と付き合ったりするのは向いてないって分かってしまった訳。」
貴史の告白は高成以外の皆が想像していたものよりも数百倍数千倍辛いものだった。優里も日向も顔をうつ向かせてどう反応すればよいのか分からないという表情を浮かべている。そこに雄也が貴史にこう問いかける。
「吉野くんはさ、これからもう誰とも付き合わないって決めたの?」
「ああ、決めた。セフレでいいやって。それにさ、おれは竹内先輩だけじゃなくて…こーせーともした。」
「えっ?!!」
一同は高成の方へ勢いをつけて視線を送る。しばらくの沈黙が流れ、おそるおそる日向は高成に問いかけた。
「…山岸くんほんと?吉野くんとしたの?」
「うん。…本番はしてないけどそれっぽい事は…」
「そうなんだ…」
日向と違って優里はどうリアクションしていいのか分からずに口を開けたままだ。
「こーせーともして…だからおれはエ ロいんだって気づいた。」
- 181二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:25:07
貴史…
- 182妄想副題・青の季節22/09/02(金) 20:35:41
「だからおれはもう誰とも付き合わない事に決めた。ヤレるなら最初からセフレでいいや。」
「…そっか。吉野がそう決めたならそれでもいいと思う。」
「新山…」
「幸せの形は1つだけじゃないと思うし。私が言うのもなんだと思うけど。」
智乃の発言に全員確かにそうかもと反応し出す。
「幸せの形は色々あるもの…なのかもね。もしかしたらヒトの数と同じだけあったりして。」
「…そうかもな。じゃ、おれの話はこれで終わり。ちょっと話せて楽になった。聞いてくれてあんがと。」
こうして貴史の告白は終わった。彼に対して打ち明けてくれてありがとうと言うような拍手が流れる。
「じゃあ次は…茜谷さん」
「えっ私?!!」
「吉野くん、あかねちんはもうちょいためといた方がいいかもよ?」
「マジ?じゃあ塚原さんで。」
「分かった。…じゃあ話しちゃおうかねえ。」
日向はそう言って高成の顔を見つめる。
「大丈夫。せっかくだし私全部話すことに決めたから。まあ、墓場まで持ってくのもありかもだけど」
「塚原さん…」
「じゃあ…私の話、聞いてくれる?」
- 183妄想副題・青の季節22/09/02(金) 21:08:10
- 184二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 21:26:19
青の季節のお知らせです
先ほどハーメルンにて再編集版投稿してきました。
今回投稿させて頂いたのは予備校開始~ラブホお泊まりまでとなります。
新規ストーリーも追加させて頂いたのでこちらも合わせてよろしくお願いします。
※長いので一気読み推奨です
※塚原の髪型ですが色々考えた結果分かりやすくするためにおさげで統一する事にしました。 - 185二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 07:32:52
お疲れ様です!
ハーメルン版も確認したいと思います!
塚原やってくれますね…さすがトリックスターの名に恥じぬ(?)行動力 - 186二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 07:59:09
ぜひぜひ!
- 187妄想副題・青の季節22/09/03(土) 12:15:50
「正確に言うと…私は山岸くんとエッチしたかった。」
日向の呟きに優里はややうつむきながら質問をする。
「じゃあ、なんで永瀬としたの?」
「その時は…山岸くんだけじゃなくて永瀬ともしたかった。」
「え…」
「まさか…」
雄也が視線をあちこちへ移しながらそう答える。
「うん。永瀬として、山岸くんともしたいって思ってた。…その後は吉野くんともしたいなあって。」
「ええ…嘘でしょ…」
日向はその場の全員に視線を注ぐ。
「これでお分かりかもしんないけど、私はビッチだったって訳。男子を好きになってるんじゃなくて、エッチしたいんだって思ってたのに気づいた。」
「そしてあかねちんの事は大事な友人だと思ってる。勿論。」
「塚ちゃん…」
「でも…我慢できなかった…」
「…」
ははっと乾いた笑いのような何かが日向の口から聞えてくる。
- 188妄想副題・青の季節22/09/03(土) 12:52:07
「山岸くんとは…したの?」
「うん。あかねちんには内緒で…」
優里の表情は複雑なものだ。
「はあ~…バカだなあ私…」
「あかねちんごめんね…」
「…うん…もしかして、山岸くんと最初にした時…」
「勿論その時にあかねちんが山岸くんの事気になってるんだろうな、とは気づいた。でもって私なりに色々考えた結果がそう。」
「…」
優里は考えがまとまらないのか或いは日向の告白が衝撃的過ぎたのかしばらく黙ったまま何も話せない。見かねた智乃は優里と日向にこう進言する。
「…あのさ、また時間がある時にでもゆっくり話していけばいいんじゃないかな?この後でもいいし。」
「新山さん…」
「2人の気持ちは分かるよ。なんとなくだけど…」
「おれも新山さんの意見に賛成だな。ゆっくり話していけばいいと思うよ。」
「「永瀬…良いこと言うじゃん」」
優里と日向は揃ってこういうと、一瞬間が流れたのちこれまでの重い雰囲気からは一転して2人はくすっと笑う。
「塚ちゃん…今は考えが上手くまとまらないけど…また色々話そうか。」
「うん…」
こうして日向の話は終わり、拍手が起こる。日向が指名しようとすると優里が私が行くと自ら立候補した。
「私から話したい事は…」
- 189二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 15:55:04
あげ
- 190妄想副題・青の季節22/09/03(土) 20:22:23
「私は色々考えてた事があった。里帆ちゃんの事と山岸くんの事。」
「まず里帆ちゃんの事は…文化祭の後、3つ考えてた事があった。」
「1つは里帆ちゃんに対して嫉妬してる事」
「2つ目は里帆ちゃんの考えてる事が分からない事」
「3つめは里帆ちゃんが可哀想だとも思ってる事」
指折り数えながら里帆への感情を話す優里の顔を、里帆は見ながらじっと話を聞いている。
「でもそれらはさっきの里帆ちゃんの話を聞いて大方謎は解けたと…思う。それを踏まえて里帆ちゃんにもう一度聞きたい事がある。」
里帆ははっきりと頷いた。
「山岸くんの事、好き?…恋してる?」
「…」
優里の想像通りやはり里帆は黙る。そしてぼそっとまるで墨汁か何かをこぼすように言った。
「勿論嫌いでは無いけど…恋してる…ってなに?」
「…!!」
(飯田…!)
里帆の言葉が意味するもの、それは彼女が「恋」というものを知らない。という事を意味する。
優里と高成はその言葉を受けてぎゅっと拳を握りしめた。
- 191妄想副題・青の季節22/09/03(土) 20:49:46
(そうか…そういう事か…)
(…里帆ちゃんは恋がどんなものか知らない。分からない。…だから…)
(飯田は恋を知らない…)
(おれはそんな飯田に自分の気持ちを押し付けてた…)
(あれだけビッチなのも、そう…)
((謎が、解けた…))
(となると、どうすべきか…)
(どうするべきか…おれは飯田の事…)
((もっと飯田/里帆ちゃんの事を、知る必要がある…))
偶然にもこの時、優里と高成の思考回路は一致していた。里帆の事をもっと知る必要がある、と…
そして優里はその事を皆に伝える。
「…分かった。私は里帆ちゃんの事、もっと知りたい。」
「優里ちゃん…」
「今後も色々話したい。これでさよならなんて…勿体無いよ。」
「…そうだよね…」
「あっ別に行くの引き留めるとかそういうのじゃないから!大丈夫!安心して!」
若干慌てて里帆へそう伝えると優里は居住まいを正して語りを再び始める。
「そして山岸くんの事も…もっと知りたい。」
- 192妄想副題・青の季節22/09/03(土) 20:57:01
- 193二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:44:46
山岸!
- 194二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:14:52
あげ
- 195二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:42:32
こちらもそろそろクライマックスかな?
- 196妄想副題・青の季節22/09/04(日) 12:32:29
(そして飯田の事…好きか嫌いかで言えば…やっぱり「好き」なんだと思う)
(けどおれは飯田に対して自分の気持ちを押し付けてた。)
(…なら…)
脳内で気持ちをなんとか整理させた高成は、優里と里帆への自身が抱える気持ちについて語り始める。
「おれも…結論から言えば茜谷さんと同じで、もっと茜谷さんの事も飯田の事も知りたい。」
「最初は飯田の事が好きだった。だけど同時に飯田に自分の気持ちを押し付けてた。…飯田ごめん。」
「ううん。大丈夫。」
「そして茜谷さんと出会って…あの時初めて茜谷さんとした時、茜谷さんを好きになった。やった時相手と繋がれたようなそんな気がしたんだ。」
「…」
「飯田の事も茜谷さんの事も好きだ。だけどいつかはどちらかを選ばなきゃなんない…」
「だからこそ、もっと2人の事を知りたいしもっと話をしたい。」
「…確かに優柔不断かもしれない。だけど飯田にやってしまった自分の気持ちを押し付ける事の方がやっぱ失礼なんじゃないかって思うし、付き合うならちゃんとお互いの事を知っておかないといけないんじゃないかって…思う。」
「あと茜谷さんと出会って、塚原さんや永瀬さんとも出会わなければ飯田にしてしまった事に対して気づけなかったかもしれないし、こういう話をしたり聞いたりする機会は無かったんじゃないかな…その点で言えば皆には感謝してる。」
「長くなって、ごめん。これがおれの今の気持ち…」
「わけわかんないかもしれないけど…」
- 197妄想副題・青の季節22/09/04(日) 13:05:16
「以前から抱えていた飯田に対する名状しがたい感情も…あれは飯田の事をまだちゃんと知らないから、どこかで知ろうとする事が怖くて逃げていたから…なのかもしれない。」
「だから…飯田の影がちらついたりしてた。ちゃんと相手の事を知らなければならないというメッセージだったのかも。そしてその後飯田の事を知って、自分の気持ちを勝手に押し付けてた事を知った…」
「そして勿論茜谷さんの事も…知りたい。」
「こんな感じかな…以上で。」
高成は話を終えた。しばらく間を置いて6人からの拍手が響き渡る。
「…山岸くん。」
「茜谷さん…」
「気持ち伝わってきたよ。…私と同じだったんだね。なんだかちょっとほっとした。」
「…そっか。」
「あと飯田…聞きたい事がある。」
「何?」
「さよならを言いたいって言ってたけど…電話する相手におれを選んだ理由…今すぐには分からないかもしれない。もしよかったら聞かせてほしい」
「…」
- 198二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 21:05:29
山岸…
- 199二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 06:56:52
保守
- 200二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 12:58:48
新スレ立てますね