俺は商工会長の息子｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:41:07

「おいっすー、伊織ー？いるー？」
チャイム越しに聞こえてきたのは割と聞き慣れた声だったので、誰が訪ねてきたかは一発でわかった。
そんでなくともここらへんは子供が少ないので、両親が家を空けてる今、この家に来るのは俺に用がある奴くらいだ。
というかばっちり俺の名前呼んでるしな。
「はいはい今開けますよ」
扉越しに見えるシルエットの背丈は俺と同じくらいだった。
さっきも言った俺に用がある奴なんてここらへんじゃ一人しかいない。
ガタガタと音を立てながら扉を開くと、そこには一人の少女が…

あれ？一人じゃないな

「子連れ？」
「弟だよ。この年で親はヤバいでしょ」

2二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:41:38

玄関先に立っていたナイスネイチャは、右手に赤ん坊左手に大量の荷物とパーフェクトアーマーだった。
いつコケてフルバーストするかわかったものじゃない。
「とりあえず、その荷物持つよ」
「ありがとう。正直助かる」
俺はネイチャの左手から大量のビニール袋を受け取って何だこれ重っ！！
何入ってんだこんなに！
「一体何しに来たんだ？」
「商店街の大人の人達が、今日はみんな家空けること知ってる？」
「あぁ、みんなで裁判だかデモだか抗議運動だかしにいくんだっけ？ようやるよ全く」
「で、子供が家に一人とかだと危ないから、今日は子供はみんな商工会長の家に集まってなさいって」

3二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:42:10

「んなこと言ったってこの商店街の子供、俺等しかいないじゃん」
「そう。だから今日はここで3人暮らし」
「なるほど、この荷物は今日とか明日の食材か」
「アタシの私物とかも入ってるからそんな量になっちゃったんだけどね」
なるほど。
まあ女子の私物事情に首突っ込むのは野暮なのでやめとくか。
「とはいえうちにベビーベッドはないぞ。俺の布団で我慢してくれ」
「いやーそれだけでありがたいよ。伊織はどこで寝るの？」
「父さんの布団借りるよ。お前は母さんのでいいだろ」
「あは、アタシの分もあるとは太っ腹だね。ご飯もう食べた？」

4二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:42:26

BSSの香りがする

5二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:42:54

「まだだ」
「んじゃ台所貸して。夕飯作るから」

「ほーれ新しいおむつだぞチビ助ー」
「『チビ助』って言葉、もうちょい成長した子供に使うイメージない？」
「ただ赤ん坊って言うのも味気ないしさ。こういう時なんて言えばいいんだろ？」
「…バブちゃんとか？」
「へいバブ！」
「トイ・ストーリーみたい」
「バブ・ライトイヤー」
「ちょっと！料理中に笑わせないで！」
ネイチャが料理してる間、俺はこれ何やってるんだ？育児？
いや、ただおしめ取り替えただけだしな。
この赤子も自身の不快感覚の撤去が終わったら早々に寝ちまったし。

6二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:43:51

どうしよう、手持ち無沙汰だ。
皿でも用意しとくか。
「長方形の皿使うか？」
「今日は野菜炒めだから使わないよ」
「そうか…これ割と使う機会少ないな」
「そう？うち秋刀魚と鯖の塩焼きとホッケの開きはそれだよ？」
「ホッケは丸皿だろ」
「そう？」
同じ商店街に住んでてもカルチャーギャップというものは発生するんだな。
「なんかさ」
「ん？」
「こうしてると、夫婦みたいだね。アタシ達」
顔色一つ変えず、しれっと言った感を出しているが、俺にはわかる。ちょっと『言ってやったり』みたいなこと思っただろ。

7二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:43:57

いや、これはBSSに見せかけたモブ×ウマの匂いがするぞ
名前が出てる辺りとかそんな感じがするわ

8二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:44:39

「小学校行く前は、他に同年代もいない環境で二人で育ってるんだぜ？もうそこいらの夫婦より夫婦だよ」
「にゃあ！？」　　
尻尾踏まれた時の猫かお前は。
まあとはいっても、この熟年夫婦感はもうすぐ終わるんだろうけどな。
「お前、中学から東京行くんだろ？」
「え？あ、うん、中央トレセン」
「地方トレセンなら歩いて通えただろうに」
「あはは。何の間違いか中央まで行っちゃったの」
「トップエリートじゃんか」
「そ、そんなんじゃないし。それに、伊織も中学は東京の私立なんでしょ？」
「あぁ、あれナシなった。さすがにそこまでの金は出せんとさ。授業料タダになる特待入試だけは受けるけど、それ落ちたら公立だわな」

9二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:45:22

「受かるよ」
「そうかね？」
「だって、伊織は何ていうか、一生懸命勉強して、ここの商店街助けるって考えてて、そんなキラキラした主人公みたいな人だからさ。アタシとは違って。だから、絶対成功するよ」
「そんなんじゃないよ」
そう、そんなんじゃない。
第一に、俺の目的はこの商店街の救済じゃない。申し訳ないが時代のニーズに合わせるとなると原型がほとんど残らない形にしないといけない。それは救済とは言わない。
第二に、俺はネイチャの言うような主人公じゃない。
そして第三に、ネイチャは主人公になれない人間じゃない。東京に、中央に行くって選択は多分正解だ。お前は多分、ここに収まる器じゃない。

10二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:45:53

「どうしたの？そんなに真剣にアタシの顔見て」
「あぁいや、何でもない」
「そう？あ、ご飯できたよ」
「あ、サンキュー。おー美味そ」
「そう言ってくれるとうれしいねぇ」
「じゃあ一旦バブ・ライトイヤー氏も連れてきますか」
「ぶふっ！」
ネイチャは、こんな小さいところで一生を終わらしていい人間じゃない。
だから多分、俺もそのうちこいつから離れないといけない。
けど神様。今は、今だけは、まだ、こいつと一緒にいさせてください。

11スレ主22/08/13(土) 14:46:43

以上です
テーマとかメッセージとかは特になく、単なる思いつきです

12二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:46:59

俺は伊織くんとネイチャがくっついて幸せになるエンドしか認めないからな（血涙）

>>15

13二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 14:47:25

ハーメルンあたりのほうがいい反応もらえると思う
オリ主に名前ついてる時点で結構きつい

>>21

14スレ主22/08/13(土) 14:49:10

最初は名前無しで行けないかと思ったけど、ここまで長いもの書くとなると、個体名ないと不便だし、だからといって『幼馴染み君』みたいなのは味気ないと思って

>>17

15スレ主22/08/13(土) 14:53:05