トレーナー君、アンストッパブルだよ

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 03:11:45

    トレーナー君いるかい?これを見たまえ!何って以前の装置の改良品だよ、一度走り出したら止まらないうえ行き先も決められない、あの。先に赤外線センサーが追いかけてくるウマ娘たちを検知して脚部を活性化、粘り強さを高める装置なんかを作りたかったんだが断られてしまったからね。そちらの方は後で何度も交渉するとして…よし今度は大丈夫だと思うがもしダメだった時の止める係は任せたよ!では実験といこう!

    やあ、遅すぎるよ!レースではあり得ない距離を休みなしで走り続けられたが相変わらず脚部への負荷は少なく走り心地が良い。私の灰色の脳みそも大きな刺激を受けたのかさっきからアイディアがとめどなく浮かんでくる!
    しかし…夢を擬似的に再現するとは豪語したものだが、やはり以前の深層心理に潜む夢を見る薬が本当に正しかったのか自信が持てないな。ン?私の場合はただ走るだけでまったく面白味がなかったんだよ、ウマ娘の夢といえば何者かへの変身願望や常に一番を目指したいというエゴなど狂気的なものばかりだろう?私の場合、幼少期からの野望が脆い脚という強大な障壁のせいで深層心理にまで色濃く染み付きすぎて、あの結果になったのではないか。

    ふぅン…?そもそも私の夢が走り続けたいというものなのではないのか、ねぇ。そういえばそんなウマ娘を一人知っているが…。いや、彼女ほど私は走るという行為そのものに執着はないはずだ、私はあくまでウマ娘の限界の先、その果てに到達した姿が見たいのであって…。到達するのは私だけ?当然だとも!何のために君の狂った方針に賛同したと思っているんだい!?今までずっと!ずっとだ!!自身の体質を頭脳で補ってきた!不釣り合いなエンジンを抑えるためにあらゆる手を尽くしてきた。マグロが泳ぎ続けなければ死に至るように私は常にアンストッパブルでいなくてはならなかった!二度と走れなくなる、そんな結末はごめんだとね!!

    …はぁ。今の激情のおかげで逆に頭が冴えてきた。思えば私は私自身のことを何も知らないような気がしてきたよ。実験だって他者を実験台とした場合だとまずデータを測定しそれらから仮説を立てて検証するが…そこに私というファクターはない。私自身にも目を向ける…ふふふ…!そうか、やはり『君』なんだ。私にとって必要な、最後のピースそのもの…。よし、今からまた走って帰るから可能な限り早くトレーナー室に戻ってきたまえよ!

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 03:14:31

    タキオンSSRのストーリー最高でしたね…
    本更新で当毎日タキオンシリーズが300回を達成しました。いつもありがとうございます
    ところでタキオンのSS、もっと増えていいと思うんですよ…誰か他に書いてくれませんかね…?待ってます

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 03:23:54

    300!?
    あと2ヶ月もやれば一年…ってコト!?

オススメ

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