【SS】微かに吹きて、しかして駆け抜けて

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 23:39:44

    風、あなたにも見えるでしょうか。
    形を持たないものなど見えるはずがない、そうお考えかもしれませんね。

    ――

    さあ今、一陣の風が吹き抜けました。
    芝のあいだを吹き抜けて青い香りを遠くに運び。
    木々の葉がこすれあう音で心地よい眠りへと誘って。
    纏うものを魅力的にする装飾品に変わる。

    風とは不可視なのではなく、それによってもたらされている事象を理解できていないだけなのです。

    レースにも風は吹きます。
    嵐の前の静けさ。荒れ狂う乱気流の前触れ。
    秘めたる闘志を解放するカウントダウン。
    私という風は、吹きすさぶ暴風の前には掻き消えてしまうかもしれません。
    しかしその暴風も、ひとたび味方とすれば一層私の魂を熱く焦がしてくれるでしょう。

    誰よりも疾く、疾く、疾く。
    捉えられない程に。
    穏やかだったそよ風は、あなたに勝利を届ける疾風に変貌を遂げる。

    あらゆるものを揺らす風の如く
    私の走りで皆さんの魂を揺さぶります――

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 23:40:31

    短いですが以上です。
    まだキャラクターが掴み切れていませんが、そこもまた魅力的です。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 23:41:02

    >>穏やかだったそよ風は、あなたに勝利を届ける疾風に変貌を遂げる。


    ここすき

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 00:19:21

    詩的で良い

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています