【外伝】警備「四皇・麦わらの歌姫が港を占拠しています!」ウタルテット外伝

  • 1不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 22:41:41

    ルフィ「どうしたんだ? ウタ。おやつの時間に書類なんか広げて・・・って、おい、それ。ナミの海図じゃねえか」

    ウタ「ねえ。ルフィ。そろそろ奪りに行こうか」(ドン)

    ルフィ「とりあえず机の上を片付けてから話しような。そいつはナミの大事なものだ」

    ウタ「わかった! こぼさないように紅茶はどけとく! それより、まずは傾聴してよ! 私、船長だよ!」

    ルフィ「はいはい。それで、どこへ行くんだ? 海図を出したってことは、どこか行きたい島があるんだろ?」

    ウタ「よくぞ、聞いてくれました。サニー号の次なる目的地はエ_______」

  • 2不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 22:53:44

    とある国。
    まるでコンサート会場のような王宮にて。

    国王「なんだ? 城の中が騒がしいな・・・。はて、何か今日は大きな予定があったか……」

    警備「国王様! 緊急事態です! 四皇・麦わらの歌姫が港を占拠しています!」

    国王「なんだと。ここは別の四皇の縄張りだ。他の四皇であろうと、そうそうに手出しできないだろう。それに港の警備を止めなくては・・・。かなり好戦的な海賊とも聞く。こちらからの手出しは控えさせてくれ」

    警備「いえ・・・それが・・・」

    国王「どうした? まさかすでに交戦中だとでも・・・」

    警備「それが・・・麦わらの歌姫が島中に響くような音量でライブを初めてまして・・・。我が国でも、いえ我が国だからこそ麦わらの歌姫は人気ですから島中の人間が港に押しかけていて・・・その人員整理で手一杯で・・・動けない状況です・・・」

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:54:27
  • 4二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:56:20

    立て乙です!
    楽しみ

  • 5不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 23:05:28

    国王の側近は、その状況を聞いて噴出した。
    そして緊張を解いた。

    四皇という言葉に警戒したが、麦わらの歌姫といえば、その歌声の素晴らしさは世界中に響いている。
    好戦的とはいうが、相手にするのは海兵や海賊だけで、民衆には被害を出さないとは聞く。

    名のある海賊ではあれど、歌手ならばこの国に来る理由はあるし、過度の警戒は不要だろう。
    なにせこの国は、音楽の国。
    相手が歌手であるならば、門戸を開くのが筋ではないか。
    それなのに。

    国王「麦わらの歌姫・・・ウタウタの実の能力者・・・不味い・・・!」

    気を緩ませる側近に対して、国王は顔色を悪くした。
    そのまま取るものと取らず駆け出した。

    側近「どうされましたか、ゴードン陛下!」

    エレジアの王宮の中、側近は駆け出すゴードンを追いかけた。

  • 6不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 23:11:32

    この話は、船長ウタがエレジア観光がてらトット・ムジカ攻略に挑む話です。

    船長ウタが持つ情報
    ・REDでのトット・ムジカの情報
    ・逃亡海兵での、燃やしても捨てても、追いかけてくるという楽譜の特性
    ・ホビウタでの『ムジカくん』というバグ挙動

  • 7不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 23:15:29
    【CP注意】ここだけ10年早く生まれたルフィ part10|あにまん掲示板元海兵のルフィ(16)と、幼い歌姫ウタ(8)がフーシャ村で出会うスレです。最初のスレhttps://bbs.animanch.com/board/1112753/前回のスレhttps://bbs.an…bbs.animanch.com

    船長ウタはこちらのスレ出身のウタ。


    ・ルフィがプラス10歳のイフ。

     このルフィは幼少期にシャンクスと会わなかったためガープの影響で海兵となるも、辞めてフーシャ村へ出戻り。

    ・シャンクス滞在中に、恋するウタ(9歳)は船を降りてルフィ宅(17歳)へ転がり込む。

    ・その後、ウタ(19歳)は船長として出港。ルフィ(27歳)は副船長ポジ。

  • 8不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 23:19:51
    ウタルテット:原作ホビ逃亡船長ウタの四重奏 Part5|あにまん掲示板5スレ目にしてラストの予定。Part1(最初)https://bbs.animanch.com/board/1158010/Part4(前スレ)https://bbs.animanch.com/boa…bbs.animanch.com

    ウタルテット:原作ホビ逃亡船長ウタの四重奏


    原作ウタと、フーシャ村育ちの3人のウタ (ホビウタ、逃亡海兵ウタ、船長ウタ)が、ウタワールド内で出会って女子会するSSでした。完結。


    上記SSを通じて、船長ウタはエレジアとトット・ムジカのことを知ったという設定です。

  • 9不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/02(金) 23:26:00

    スレ立てたところで力尽きたので、今日はこの辺で!

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 23:27:41

    島中に響く音量ってことは、楽譜召喚狙いってことか

  • 11二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 01:00:26

    さてトットムジカはどう動くか?

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 01:01:28

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 01:01:59

    このレスは削除されています

  • 14不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 09:57:30

    >>12 >>13

    傷がないのは仕様です。

    何せフーシャ村で、ルフィがシャンクスにあったのは17歳のとき。

    度胸試しでナイフを刺したりはしません。

  • 15不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 10:15:05

    ゴードンが港に着いたときは、港は人でごった返していた。
    屋台まで立っている。
    占拠されているとしか言いようがない状況だ。

    「挨拶がてらのゲリラライブは一旦終了だよ! みんな聞いてくれてありがとう! まさかこんなに集まってくれるなんて思わなかった。私、音楽好きなエレジアの皆が大好き! そして、港に迷惑をかけてごめんなさい」!」

    ステージに見立てた、麦わらの一味の海賊船から響くウタの声。
    聴衆からの「港のことは良いって気にすんなー!!」「ウタちゃん最高!!」「もっと聞きたーい!」といった、明るい歓声も聞こえる。

    ちょうどライブは一区切りついたようだ。
    港の混乱は、麦わらの一味の船がエレジアに到着と同時に船から歌いだしたら、予想外に人が集まり過ぎてしまったのが原因らしい。

    海賊の頂点の一人にして、見麗しき天上の声を持つ歌姫。
    民間人には手を出さないと有名な個性豊かな海賊団。
    ライブは終わったのに、興味から人ごみが消える気配はない。

    そしてアンコールの声が止まない。
    このまま港が閉鎖されたままだと、国を預かる身としては困る。

    「四皇の一人、麦わらの歌姫とお見受けする。私の名はゴードン、この国の王だ。少し話をさせてもらえないだろうか」

    ゴードンは声を張り上げた。
    音楽の国の王として鍛えられた声は、ウタとゴードンの間の人ごみを割った。

  • 16不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 10:20:07

    「あなたがゴードンさんだね。いいよー! せっかくなら見学がてら場所は王宮がいいな!」

    「城はコンサートホールを兼ねている。演奏会をするなら、港は困るのでそちらでお願いしたい。国を上げて歓迎しよう。・・・代わりにと言ってはなんだか、君にだけは約束して欲しいことがあるのだ」

    「なに? 私は海賊だけど、無駄に暴れることはしないよ?」

    「聞き及んでいるとも。なんのことか分からないかもしれないが、『古ぼけた見覚えのない四枚の楽譜』が現れたら、絶対に歌わないで欲しいのだ。ウタウタの実の能力者の前に現れる呪われた楽譜。エレジアに伝わる伝説なのだ」

    城の地下に封印されているが、記録では何度も抜け出すことがあったらしいので油断は出来ない。
    ゴードンはニュースで、麦わらの歌姫がウタウタの能力者と知ったときから警戒していた。

    「大丈夫だよ! これのことでしょ? わかってるよ!」

    ウタはドレスの胸の谷間から古ぼけた紙片を取り出した。
    海賊らしい扇情的なしぐさに、ゴードンは反射的に目を逸らそうとして、その紙片の正体に気づき目を見開いた。

  • 17二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 11:14:30

    トットムジカRTA・・・

  • 18不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 14:03:03

    トット・ムジカ。

    その名を呼ぼうとして、ゴードンは

    飲みこんだ。ここは人目が多すぎる。

    劇物の名を呼ぶのははばかられた。


    「こら、ウタ。下品な真似は止めろって言ってるだろ」


    「これぐらいは女海賊らしさの範囲でしょ!やっぱりこのくらいはやらないと!」


    何やら副船長と言い争いしているが口を挟む。


    「盛り上がってるところをすまない。それをどこで手に入れたんだ?」


    「さっき歌ったあと、水を飲もうとしたコップのそばに置いてあったよ。さすが噂の呪われた楽譜だね」


    呪われた楽譜が面白いのか、ウタはケラケラと笑った。


  • 19二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 14:33:51

    アレ楽譜って5枚じゃなかったけ?

  • 20二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 14:49:28

    楽譜の枚数は話に影響しないし、まぁいいじゃん

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 14:57:24

    楽譜の枚数はSBS情報だから知らん人もいると思う
    細かいことは気にせずいこう

  • 22不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 15:52:23

    映画では4枚だった気がしてました!
    そうか、5枚か・・・

  • 23不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 16:17:50

    「それは危険な物なんだ。礼はしよう。返してくれないか?」


    「海賊の物を欲しがるなんて、無理筋じゃない? 私の船に現れたものだしね?・・・ってのは半分冗談ってことにして。返してもいいけど、多分意味ないよ」


    「意味がない?」


    「この楽譜にもう私は呪われたからね。例えここでゴードンに返したとしても、仮に燃やしたとしても、私のそばに表れるみたいだよ」


    私すら知らない話なのに、見てきたかのように言い切る。

    最初からトット・ムジカのことを知っていたようだし怪しい。


    「最初から楽譜が目的で来たのか」


    今、聞いた話が本当ならば、もはや取り返すのは不可能。


    仮に悪用されるから取り返そうとしても、彼我の戦力差から不可能だ。

    四皇ともなると、海軍も当てにはできないと聞く。


    ちらりと港に掲げられた、エレジアを縄張りとする海賊の旗を見やる。


    麦わらの歌姫と同格の四皇。

    彼らの力を借りれば、或いは。


    「もう! そんなに警戒しないでよ! 確かにこの楽譜を知って気になったのはその通りだけどさ。音楽の国エレジアの観光がメインだよ! それに・・・」


    ウタは『楽譜』をゴードンの前に突き出した。


    「ゴードンもこの曲の素晴らしさを知ってるんでしょ。どうせなら一緒に、この呪いに挑まない?」

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 16:23:22

    確か映画では四枚だった気がする
    書き忘れとか何かインタビューで答えてた覚えある

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 17:00:31

    >>24

    重なってて、見えなかっただけで5枚あったらしい

  • 26不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 17:13:11

    このSSでは枚数はどうでもいいポイントなんですが、実は重要な情報だったりするのでしょうか。

    映画では第3形態までしかなかったですが、実は第5形態まで設定上あるとか。

    もしくは元ネタのシューベルトの魔王の楽譜が5枚とか??

  • 27二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 17:15:12

    いやそんなに枚数はそんな重要ではない。
    映画の形態については尾田先生が明かされなければそこにないですね。

  • 28二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 17:20:21

    五枚とか枚数限定とかなじゃくて、重なってるだけでたくさんあるって言ってたはず。
    どこまでが一楽章か分からないけど、楽譜一枚につき一楽章は、短すぎる。

  • 29不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/03(土) 20:42:28

    歓迎の準備をする言いと、ゴードンは去っていった。

    ライブの片付けをして、方針をきめようと一味でサニー号の甲板に集まる。


    「ゴードンさん、見かけ怖い人だったけど、優しそうな人だったね。うん、聞いてた通り」


    「ウタの話、横から聞いてたけどかなり怪しかったぞ。ゴードンから警戒されてるかもしれないから、信頼されるように誠実にな」


    ルフィの注意に、了解!とウタは元気よく返した。


    「行くメンバーは、ブルックとロビンは少なくとも来てもらっても良い? できたら、そのままトット・ムジカに関する調査するかもしれないから。他に来たい人いる?」


    「お城にお招きでしょ? 面白そうだから行く!」

    「ナミさぁ〜んがいくなら俺を是非エスコート役に! ・・・この島の料理も覚えたいしな」


    「ナミとサンジね! じゃあ私とルフィ合わせて6人で行こう! ・・・ところでルフィ、アレについて何か知ってる?」


    ウタが指さした方を、ルフィも見上げる。

    そこには、二人にとって懐かしいマークがあった。


    「知らねぇな。たまたまじゃないか」


    エレジアの港に海賊旗がひとつ。

    モチーフは左目に三本傷、交差した剣。

  • 30不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 07:05:01

    ゴードンは宴の手配を済ませると、自室にこもった。

    電伝虫と、盗聴防止の白電伝虫を使って『友人』へと通話を試みる。

    『友人』の関係ではあるが、世界政府に加盟する国王としては、公に出来ない相手なのだ。


    数度のコール音。

    相手も忙しい存在だ。本人以外の対応となるかもしれないと覚悟していたが、本人が出た。


    「ゴードン、久しぶりだな。四皇の旗に怯えない海賊でも出たか」



    「創建そうで何よりだ、シャンクス。君の予想通りだ。今のところは平穏だが、トラブルとなったら手に負えない相手が来ている。まずは状況の相談で連絡させてもらった」


    「そいつは剣呑なことだな。相手は誰だ?」


    「君と同じ四皇。麦わらの歌姫だ」


    「・・・同じ四皇、か。くくく」


    何が可笑しいのか、シャンクスは機嫌良く笑いながら答えた。


    「そう呼ばれるようになったとしても、まだ成り立てだ。ちょうど手隙だったところだし、海賊の先達として挨拶がてら向かおうか」


    「来てくれるのは心強いが・・・争いごとは好ましくない。特にこの国が戦場になるようなことは避けたいのだが、頼まれてくれないだろうか」


    「・・・・・」


    シャンクスは沈黙した。


  • 31不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 10:59:47

    「ゴードン。真面目なお前のことだ。縄張りにした際の『貸し』のことを覚えているだろう」


    「もちろん覚えているとも。何せまだ返せていないのだから」


    「義理堅いことだな。だから信じられるし、俺は友人だと思っている」

    「私もだよ。シャンクス」


    エレジアは以前、海賊に襲撃されたことがあった。

    それをシャンクスの加勢により助けられ、同様のことが起きないように海賊旗も預けられた。


    そのときの取り決めのことを、ゴードンはしっかり覚えている。


    対価は『今後、エレジアに人を預けるかもしれない。その際に便宜をはかって欲しい』という内容だった。


    秘密の匂いがしたので、ゴードンは深くは聞かなかった。そして、それらしき人は未だに預けられていない。


    「当時は隠していたんだが、俺には音楽の才に溢れた娘がいる。カタギに育って欲しくて、エレジアに留学させることを考えていた」


    「そうなのか。それは初耳だ」


    「親が海賊なんてやっているんだ。俺の娘として狙われるかもしれないし、風評で音楽活動の邪魔になるかもしれない。どこかで縁を切ることすら考えていた」

    ゴードンはシャンクスのことを海賊らしからぬ海賊だと認識していた。

    そして海賊に対する否定的な姿勢も。

    ゴードンの知るシャンクスが、音楽の才能のある娘と距離を置くというのも自然に思えた。


    シャンクスの娘の技量は知らないが、そのような事情ならば、自分は全力で支援しただろう。


    四皇の海賊旗の恩恵は大きかったし、音楽を志す者をこのエレジアは拒まない。

    結局、預かることがなかったことを残念に感じた。

  • 32不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 11:00:27

    「だから、いざエレジアに留学したいという状況のときに預けられるように『貸し』にしてたんだがな。結局、娘はカタギにならず、海賊になっちまった」

    そもそもなぜこんな話をされているのかと、ゴードンが疑問に感じたところで、その答えを告げられる。

    「ウタは俺の娘だ」

  • 33不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 17:45:40


    シャンクスの気楽な笑い声が響く。


    「そういう関係なんで血を見るようなことはないと思っといてくれ! エレジアに向かうのは、久々に娘の顔を見たいってだけだ!」


    「そうか・・・。正直まだよく飲み込めてないが、承知した。・・・ちなみに、君はトット・ムジカのことは知っているのか? 娘さんはそれでエレジアに来たようなのだが」


    四皇が親子。なかなかインパクトのある情報だ。


    親子ならば、争いごとにはならないだろう。ほっと内心息を吐きつつ、心配事を聞いた。


    「トット・ムジカ? なんだそりゃ?」


    「エレジアに伝わる、呪われた楽譜だ。ウタウタの実の能力者が歌うと魔王が解放されるという」


    「そいつは穏やかな話じゃないな。悪いが関与してない。さっきも言ったが、海賊にさせる気はなかったんだ。ここ数年はろくに連絡をとってもいないぞ」

  • 34不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 17:46:16

    「そうなのか。では四皇と呼ばれるようになったのは君の力添えなしの実力なんだな」


    「そうだな。赤髪海賊団の傘下ではない独立した海賊団だ。・・・複雑な心境だが、よくやったもんだ。元海兵の友人に嫁に出して、てっきりカタギとしてやってくと思っていたら四皇だからな」


    「元海兵というのは、副船長の『英雄堕とし』ルフィだな。聞きおよんでいるよ」


    「俺に言わせれば、ウタこそが英雄落としだがな! よくルフィを海賊に口説き落としたもんだ。そういえばゴードン、アイツらに会ったなら聞きたいことがある・・・!」



    通話越しだと言うのに、凄まじい気迫の声に襟を正す。

    今までで一番の本気を感じた。


    「ウタと一緒に子供いなかったか? ウタが嫁に行って十年を超える。いい加減、子供の一人でもいるかと思うんだが」

  • 35二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 17:59:35

    ルフィがシャンクスに義理立てしてなかったっけ?

  • 36二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:49:15

    ルフィがシャンクスから認められるまではって、断ってた

  • 37不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 22:11:15

    「立ち話くらいしかしてないからなんとも言えないな・・・。そもそも麦わらの歌姫は20を超えたばかりではなかったか?」

    「今年で21だな」

    シャンクスの言い分を信じると、10才のときには結婚していることになる。
    政略結婚ですら、なかなか聞かない話だ。

    「計算合わなくないか?」

    「言いたいことはわかる。ウタがルフィのところに飛び出していったのは9才のときだからな。正直上手く行かないかもと思ったし、だからこそゴードンにああいう形で貸しを作っていたんだが・・・」

    「上手くいっているようであると。そういうわけなのか」

    「ははっ! 俺の娘はすごい奴なんだ。こちらの想像を超えていくぞ」

    自慢の娘なのだろう。
    シャンクスは砕けた口調で、ゴードンに語りかけた。

  • 38不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 22:12:32

    「だからな、貸しの支払いとして、娘によろしくしてくれ。不味い事態になれば俺も手を貸す」

    「麦わらの歌姫の、トット・ムジカの呪いに挑むという提案は、危険を考えなければ魅力的だった。君も、もしもに控えてくれるというならば、貸しの件もあるし総力で支援しよう」


    トット・ムジカの譜面。

    あれは天才が生み出した素晴らしいものだ。

    危険物として扱わなければ行けないことを、音楽の国の王としては不満に感じていた。

    ウタの提案はゴードンにとって魅力的だった。


    それはいいものの。



    「孫に会えるかもしれないのが楽しみだ。驚かせたいから、俺のことは秘密で頼むな!」


    「・・・承知した。進展があれば連絡する」


    ゴードンは、シャンクスの言動に、そこはかとなく不安を感じていた。


    『デリカシーのない発言で娘と揉める父親』なんてイメージが脳裏を過ぎる。


    四皇同士の対峙に、そんなことを感じていることを告げるのは失礼だろうと、通信を終えた。

  • 39不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 22:17:41

    書いててだんだん疑問に思えて来たんだけど・・・この話、需要ある??

    ウタバース前提の外伝って無茶な前提、私一人が突っ走ってるだけな気がしてきたんだけど・・・

  • 40スレ絵描いた人22/12/04(日) 22:18:48

    >>39

    続けていいのよ!


    少なくとも私は見てます

  • 41二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:23:22

    >>39

    続きを楽しみにしていますわ

  • 42不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/04(日) 23:27:26

    >>40

    >>41

    ありがとう! がんばって続き書く!

    月曜という強敵を前に正気になりかけてたわ・・・

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:38:37

    SSは需要しかないからね
    作者さんには健康で頑張ってもらってね

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:49:11

    昨日映画見て泣いてきた身としてはここのウタちゃんには非常に癒されてるので
    ぜひ続きを書いてくだせぇ

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 01:11:01

    めちゃくちゃ需要あるから是非書いてくれ

  • 46二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 01:24:15

    あるから安心して欲しい

  • 47不当な読者 gateway22/12/05(月) 06:05:13

    >>43 >>44 >>45 >>46

    ありがとう!

    反応があって安心した。

    ぼちぼち続き書いて行きます!

  • 48二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 14:02:17

    保守

  • 49不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/05(月) 21:31:29

    ウタ、ロビン、ブルックによるトット・ムジカ調査は暗礁に乗り上げていた。


    ゴードンからは充実した支援を受けられた。

    城の地下の書庫すら開放されて、人も使わせてもらって、調査は3日目となる。



    「トット・ムジカ誕生に関する情報は『ない』ってことしか分からなかったね。当てが外れたなー」



    「あら。エレジアの書庫には残っていないってわかったのも大きな一歩よ」


    ロビンがウタを励ました。

    トット・ムジカは廃墟の中から現れたらしいという記述くらいしかなかったのだ。


    おそらく真相はトット・ムジカが焼き尽くした闇の中にあるのだろう。もう何も残ってはいない。

  • 50不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/05(月) 22:13:39

    「ヨホホホホ! まあ、そういうこともありますよ!気楽にやりましょう♪ この国は紅茶が美味しくていいですねェ」



    調査組の3人で気晴らしに街を散歩し、テラス席にてお茶を楽しんでいた。


    「わかったことと言えば、この楽譜は私自身が生み出してるってことか」


    燃やしても、封じても、ウタウタの実の能力者の近くに近くに現れる楽譜の謎。


    過去の記録や実験もしてみて、この理屈だけは判明していた。


    覚醒したウタウタの実の能力は、ウタワールドの物を現実でも創造する。


    その要領で、能力者自身が無意識のうちに、生み出していた。


    だから燃やそうが封じようが棄てようが、ふと気を抜いた瞬間に、能力者の付近に現れるのだ。


    「完全に呪われているわね。むしろ寄生されているって感じだわ」


    「ちょっと〜止めてよ、ロビン」


  • 51二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 23:01:25

    ブルック両手に花だ

  • 52二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 06:55:47

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 07:07:13

    おもしろいわ
    シャンクスがデリカシー無い父親なのわかる

  • 54不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 15:36:25

    街角のカフェのテラス席。

    道行く人の視線が、ちらちらと有名な海賊・・・ミュージシャンへと向けられている。

    カフェもウタたちが入る前は空席だらけだったのが、いつの間にか満席となっていた。


    そして機を見ていた若い女性の二人組が、ウタたちのテーブルを訪れた。


    「すいません、麦わらの歌姫さんとソウルキングさんですよね? お休みのところ、サインいただけないでしょうか」


    「いいよー。はい、UTAっと。私も有名になったな~」



    「では、私も。素敵なお嬢さん方。お代としてはなんですが・・・」


    「ストップよ、ブルック。一味の品位が疑われるわ」


    「・・・今、止めたのって『パンツ大好き』ブルックの生ですか?! ぜひお願いします!」


    「・・・素敵なお嬢さん方。パンツ見せてもらってもよろしいでしょうか」


    「きゃー! 本当に言われちゃった!!


    黄色歓声を上げながら、女性たちは去っていった。あとには困惑気味のブルックが残される。


  • 55二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 15:37:22

    このレスは削除されています

  • 56二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 15:37:31

    >>54

    そりゃブルックも困惑する…w

  • 57不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 15:38:41

    「『パンツ大好き』・・・」


    「『わたあめ大好き』チョッパーと重ねてるのが腹が立つわね。こっちが恥ずかしいわ」


    「これは面目ありません・・・。ま、私、目も顔もないんですけど!」


    「あはは、何それ?! おもしろーい!」



    ご機嫌な調子で、ウタは手を叩いて笑った。

  • 58不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 17:10:13

    「ブルック。あなた二つ名が『パンツ大好き』でいいの? 『鼻唄』に未練があるならば、パンツパンツ言わないことをお勧めするわ」

    「はい・・・こう、決めるときしか言わないようにします・・・」

    「決め台詞が『パンツ』なのも、どうかと思うの」

    「二人とも、パンツパンツ言い過ぎだよぉ! あはは!」

     笑いのツボに入ったウタが背を丸める。
     落ち着いてから、トット・ムジカの話に戻る。

    「ひー、ひー。面白かった。えーと、どこまで話したんだっけ?」

    「要するに、この呪いの楽譜は、トット・ムジカがウタウタの実の能力者を操って、出力させていたってこと。能力者自身が気づかない、いつの間にかっていうくらいだから、おそらくコストはトット・ムジカ持ちね」

    「トット・ムジカに憑りつかれたタイミングは、ライブで島中に声を響かせたときですか。ウタさんがお友達から聞いてきた『エレジア中に歌声を響かせると、トット・ムジカの楽譜がどこからともなくやってくる』という再現実験のつもりでしたが、えらいことになりましたねェ」

  • 59不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 17:19:21

    「歌わなければ、それ以外は何もできないみたいだから大丈夫だよ! それにしても、何が何でも歌わせようっていう意思を感じるね」

    「トット・ムジカは、ウタウタの実の能力者が歌わないと顕現しない。・・・素直に考えるなら、過去のウタウタの実の能力者が作り上げたとするのがしっくりくるわね」

    「えー? それはないんじゃない? 覚醒したウタウタの実の能力者として言わせてもらうけどさ、そんなことができるほどウタウタの実の能力は燃費がいい能力じゃないよ?」

    「私も音楽家として、ウタさんの能力開発には協力しておりますが、トット・ムジカがやったということは、エネルギーが足りないと思いますよ。記録でも、ウタさんのお友達の話でも、すごい暴れっぷりだったんでしょう?」

    ウタはテラス席から、エレジアの街並みを見渡す。
    どこからでも楽器の演奏が聞こえてくる、栄えた音楽の都だ。
    トット・ムジカを歌ったが最後、赤髪海賊団の奮闘及ばず灰塵になったと聞いた。

    「うん、国一つを滅ぼす火力だってね。そんな火力を出そうとしても、すぐに力尽きちゃうよ」

    「トット・ムジカの方も、無尽蔵というわけではないんでしょうね。トット・ムジカの撃退法である、ウタワールドと現実世界からの同時攻撃。条件が厳しいし、歴史的に見れば、まれにしか成功していなくて・・・トット・ムジカが解放されて、いくつかの国を滅ぼして体力がなくなって消えていくってパターンが多いわ」

    「規模感が、ウタウタの能力と合わないんだよね~」

  • 60不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 17:24:22

    「そこで詰まっちゃったのよね。トット・ムジカの誕生付近の記録もないから、これ以上は何とも言えないわ。ただ、トット・ムジカとウタウタの能力者には強い関係があるみたいだし、アプローチを変えてみてね・・・過去のウタウタの能力者の記録をまとめてみたの。そうしたら、個人的に面白いことがわかったわ」


    「面白いこと? なになにー?」


    「ウタウタの実の能力者は、意識をウタワールドに連れていっての大規模心中事件を起こす確率が高いわ。あと、卓越した歌唱力ね」



    「・・・」

  • 61不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 22:41:11

    なんとも言い難い顔で、ウタはロビンを見返した。

    ロビンは頷く。


    「ウタウタの能力は歌唱力に作用する力ではないのに、凡庸な歌声のウタウタの実の能力者は記録上いない・・・。ウタウタの実が、非凡な音楽の才能を持つ人間を主に選んでいると考えると自然だわ」


    「あのーロビンさん? 歌唱力はいいので、心中のことを詳しく教えてもらってもいいですか?」


    「心中事件の方は、事件後の推測となることが多いのだけど、心中に至る経緯は様々ね。ウタワールド展開中に、現実の体が死ぬと、『永遠のウタワールド』になるらしいわ。ウタワールドに呼ばれていた人は目覚めることなく、そのまま餓死する事件が何件も起きているわ」


    「ロビンって、そういうちょっと怖い話好きだよね・・・。私もウタウタの実の能力者なんで全然他人事じゃないんだよ! 『永遠のウタワールド』のことは友達も知ってたなあ。エレジアの書庫で、記録を見たって言ってたっけ。1件じゃなかったんだ?」


    「ええ。何件か、年代も違って、同様の事件が起きているわ。ウタウタの実がそういう運命を持つ人間を選んでいるのか、芸術肌の人間がウタワールドの魅力に落ちると心中という結論に陥りやすいのか、はたまたトット・ムジカが良からぬことをしているかはわからないけどね」



    「ちょっと・・・ちょっと待ってよ、最後の!」


    「あら。一部の寄生虫は宿主を操って、破滅的な行動を取らせると聞くわ。全くない可能性じゃないと思うの」

  • 62不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 22:42:47

    「ウタさん・・・心中なんて絶対にやらないでくださいね。悩みがあったら相談してください。悪い出来事も・・・きっといつかはいい目に転がる日が来ますから。絶望はいつか晴れます!」


    「私は心中なんて欠片も考えたことはないよ! 私はルフィと結婚して、甘い日々を過ごしつつ、海賊王になって、新時代を作るの! 私はすべてを手に入れる女よ!」


    それに、とウタは続ける。


    「私には止めてくれる仲間もいるしね! どうにもならないときは頼んだよ、ブルック、ロビン! まずはこの、少し怖くなってきたトット・ムジカをどうにかしよう!」


    「そうは言っても、現状、取っ掛かりがないのよね・・・」


    「手はあるはずなんだよ。私は、トット・ムジカをどうにかできる可能性を知っているんだ」



    ウタが言うのは、別の世界のウタの話だ。

    ホビホビの実の能力を受けた際に、どうもトット・ムジカの楽譜をオモチャ化に巻きこんでしまったらしい。

    そのまま10年ぐらい過ごしていたら、小さいトット・ムジカが発生したという。



    もちろん、ウタは再現するつもりはない。

    言いたいのは、トット・ムジカに干渉する手は存在するということだ。

  • 63不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 22:45:48

    「そう言われましても・・・ふーむ。次はどうしましょうか・・・」


    「あ・・・」


    「どうしたの?」


    「ゾロがいる」


    ゾロは朝、散歩に行ったきり、昼には帰ってこなかった。

    急ぎの用事もないし、そのうち帰ってくるだろうと、一味はあきれつつ放置していた。


    「おーい、ゾロー! どこ行ってるの?」

    テラス席から呼びかけると、気づいたゾロが近寄ってきた。



    「おう。おまえら、こんなところにいたのか。散歩だ、散歩」


    「それはこっちの言葉だよ。一体、いつまで散歩してるのさ。あ、背中にレンズのある電伝虫は見かけた?」

    ウタがエレジアにやってきた、もう一つの理由。

    手が空いているメンバーには、そちらの探索を依頼していた。

  • 64不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 23:17:44

    ゾロは方向音痴である。
    気を抜くと、すぐに明後日の方に向かってしまう。
    だからこそ、特殊な電伝虫を意外と見つけてくれるのではないかとウタは期待していたが、
    「見かけてねえな」
    あっさりと否定された。

    「なーんだ。残念」

    「そっちこそ、トット・ムジカは見つかったのかよ?」

    あからさまに残念がるウタに、ゾロはむっとした表情を浮かべる。

    「見つかった?」

    「あぁん? お前らはトット・ムジカがいる場所を探しているんじゃないのか?」

    ウタたちは、トット・ムジカが何かという観点で調べていた。
    ゾロの発言は少し意味が違う。

    「朝に聞いた話だと、その楽譜は紙切れで、トット・ムジカが化けていたり、封印されているわけではないんだろ? どこにいるかわからないから、探していたんじゃないのか?」

    「そうといえば、そうなるかな・・・?」

    楽譜を歌えば、トット・ムジカを召喚することはできる。
    ウタワールドと現実世界の両側から攻めれば、撃退することはできる。

    ・・・そしていつか、またトット・ムジカはどこかに現れる。

    トット・ムジカの撃退方法が壁画が残っているのに、トット・ムジカは今も健在なのだ。
    だからこそ、ウタやゴードンはどうにかする方法を探していた。

  • 65不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/06(火) 23:27:01

    「場所かあ。それは確かに盲点だったかも・・・。色々な人の意見を聞くのは参考になるなあ。この際だから、ゾロも会議に加わってよ!」


    「別にいいけどよ。あまり力になれるとは思えないぞ」


    「こっちも話していたら、新しい観点が見えてきたりするからさ。店員さーん、お茶と席、追加で!」


    店員にゾロの席とお茶を追加してもらい再開する。



    「じゃあ、まず、ゾロが気になったことを指摘してよ」


    「いきなり言われても困るんだが・・・。そもそも、まず、トット・ムジカってのはどんな曲なんだ? 俺は楽譜が読めねえから、その楽譜がどんな内容かすら知らねぇぞ」


    「トット・ムジカがどんな曲、か」

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:28:40

    >>65

    あ、そういう切り口でゾロが役に立つのはなんか意外!

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 02:42:22

    お前は語り継がれるだろう(画像略

    笑えた点:ブルックの持ちネタのせいで「パンツ大好きブルック」になりそうな話
        :過去に心中事件やらかしたのがいて涙目なウタちゃん

    面白い点:トットムジカの攻略、制御を試みるという話の展開。

    次回も期待しています

  • 68不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 08:13:18

    感想ありがとうございます! 嬉しい。


    >>66

    ゾロが故なのは・・・実はここから!


    >>67

    ブルックがこうなってしまったのは、船長ウタの場合、ミュージシャン止めてないからです。

    ソウルキングとして引退せず、一味復帰。

    そのままファンとの交流が続いたせいで、言動が広まってしまったイメージを持ってます。


    ウタウタの心中事件の記録、REDウタの発言を見るに、エレジアの書庫に残ってると思うんですよねー。じゃないと『死後に招かれた人はウタワールドにそのまま』ってのは確信もてないんじゃないかと。

  • 69不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 09:41:34

    『シャンクスの登場シーン』で悩んでます。

    そもそもシャンクスの件、ふと思いついて継ぎ足したんで、色々ノープランなんですよね・・・
    ちょっとしたエピローグのつもりだったころは未登場でした。


    ①港に船でやってきたところを、ウタたちが偶然遭遇する
    ②街角でばばんと登場
    ③シャンクスがこっそりウタをストーキングしてバレる
    ④普通にゴードンの紹介で登場
    ⑤他!

  • 70二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 09:50:05

    >>69

    このシャンクスだと、偶然っていうより出会いは必然のほうが良い気がしますね。

    ②や④でいい気もしますが、現状「トットムジカ調査」で来てるから、シャンクスがそれのヒントを持っていても面白いかもしれないですね(RED本編より絡ませてあげたいという気持ちもある


    最終的にはどの選択肢でもいいと思います!

  • 71二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 10:00:39

    >>69

    >>38で「おれのことは秘密で頼むな」ってゴードンに言ってるし①か②?

    もしくは⑤で何かしらピンチのときに現れたらかっこいいけど


    シャンクスに会ったら帽子返すのかな?

  • 72不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 12:11:21

    >>70

    >>71

    ご意見ありがとうございます!

    ダブった②で行こうと思います!


    シャンクスがヒント持ってたらスムーズとは私も思いますが、シャンクスは本当に後付けなんですよね・・・

    流れに身を任せつつ、できるだけストーリーに絡ませて行きます!


    帽子については作中で触れます!

  • 73不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 12:20:58

    参考情報


    麦わら帽子について、SS内では言及しない予定ですが、以下のスレの考察が正しいとしてこのSS内では進める予定です。

    興味があれば!


    最新話読んでサニーくんの正体を考察したから聞いてほしい|あにまん掲示板bbs.animanch.com
  • 74不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 12:26:47

    ただの帽子であって欲しいとは思うんですが、この説、しっくりくるんですよね。

    ニクニク(受肉)の実かなと思います。
    つまりニキュニキュはミスリード・・・

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:47:05

    >>74

    ↑の考察、面白いですよね。イム様のところでも壁画でもクローズアップされてるから、麦わら帽に何かありそう……

    心のままに書いて下さいな

  • 76不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 15:19:29

    >>75

    楽しく書いていきます!


    麦わらはキーアイテムであって欲しい気持ちと、ただの帽子であって欲しい気持ちが同時にありますね〜


    このSS内では、作中人物は気づかずとも、麦わらは効果を発揮してる感じ。

    例えば、ホビウタの『ムジカくん』は諸々の要素に加えてニクニク(仮)の実の力で受肉してるイメージ。

  • 77不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 17:33:38

    ゾロの質問に、ウタは思案する表情を浮かべた。



    「トット・ムジカはどんな曲か。うーん、破滅的、暴力的、衝動的な歌かなぁ・・・。それでいてすごく上手。少なくとも私はこんな技巧曲は作れないかな。独学の限界を感じるよ」


    「私もその感想には同意ですが、何やらウタさん、浮かない顔ですね。何か他にあるんですか?」


    「これを真の意味で歌った『ともだち』が、トット・ムジカは寂しいとか、認められたいとか、歌を愛する人々の負の感情の集まりだって言ってたんだよね・・・。だから、この曲を作った人も、そうだったのかなって、今まで思ってたんだけどさ」


    「そうじゃないのか?」


    「こんなすごい曲を作れるとしたら、きちんと勉強した上での、才能ある人だよ? 普通に考えて、有名だったんじゃない? 寂しくもないし、認められてたんじゃない?」

  • 78不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 21:47:57

    トット・ムジカのちぐはぐさ。


    音楽の国の王ゴードンが目を見張る完成度。

    感じられる、作曲者の確かな才能。


    それなのに、「認められたい」「寂しい」といったような音楽への絶望、負の感情に満ちた、破滅を願う終焉の唄。



    「ここまで上手いのに、音楽への絶望ってどういうこと? 嫌味?」


    「むしろウタウタの実にも選ばれたであろう作曲者こそが、妬みや憧れの念を向けられそうなのにね。ほら、音楽界ってそういう面もあるでしょう。 有名になるのはほんのひと握り。頂点だけが脚光を浴びる・・・」


    「ロビンさんが言う面も分かりますけどネ。音楽は音を楽しむ物。音楽家はそれぞれの音楽を探して、楽しめばいいと私は思いますが・・・」

  • 79不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 22:00:58

    「そんなに難しい話か? そいつより歌が上手いやつがいて、勝てなくて燻ってるってだけの話じゃないのか?」

    ゾロが静かに、つぶやくように問いかけた。

    「音楽の世界はそんなに単純じゃないからね。勝敗がハッキリつくものでもないし。トット・ムジカを書いた人を完全に上回るってくらいだったら、名前だって残ってそうだけどな」

    「・・・名が残らないことだってあるだろうがよ」

    「ゾロ・・・?」

    傍目には、さきほどまでの適当に受け応えしてたころと変わらない。

    けれど焦げ付くような覇気が盛れ出していた。

    「今は勝てない、いつかは勝ってやると思ったライバルが、事故や病気で勝ち逃げされてしまえば・・・どうだ?」

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:02:24

    >>79

    くいな…

  • 81不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/07(水) 22:03:07

    この話が、なぜゾロの琴線に引っかかったのか。

    ゾロの夢の原点を三人は知らない。そもそもゾロは語らない。

    「そうなったら、永遠に勝てなくなっちまう。『音楽はそう簡単に白黒つかない』もんなんだろ?」

    ゾロは、一言で言えば、やる気になっていた。

    「そのトットムジカはどこにいるんだよ。そろそろ斬りに行こうぜ」

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 06:40:24

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 15:00:28

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 15:03:12

    このレスは削除されています

  • 85不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/08(木) 21:17:15

    「それがわかったら苦労はしないでしょ。目下、調査中だよ!」



    「さっきその話題が出てから、考えていたのだけれど。トットムジカの本体がある場所の候補は出現例が多いエレジアか、ウタワールドの可能性が高いんじゃないかしら。そして、ここまでウタウタの能力と密接に関わっているなら、ウタワールドじゃないかと思うわ」



    「ウタワールド? トットムジカなんて見たことないよ?」


    「可能性として考えてみて。例えば、ウタワールドのエレジアにいるってことはない?」


    「うーん、地面の下とかじゃないと考え難いなぁ。私の『ともだち』、エレジアで長いこと過ごしてたけど、楽譜ぐらいしか見つけてないし」


    「ウタさん。ウタワールドに黄泉って概念はありませんか」


  • 86不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/08(木) 21:59:39

    「ウタワールドのあの世ってこと?」


    「呼び名は何だっていいんですヨ。さきほどウタウタの能力者は亡くなっても、ウタワールドが残されるそうじゃないですか? トットムジカはそこにいて、当代のウタワールドと現世にやってくるんじゃないでしょうか」


    「考えたこともなかったな・・・。ウタワールドの黄泉かぁ。イメージ的には裏側っていう方がしっくりくるかな。でもそんなの意識したこともなかったから探してみるけど、・・・なんかヒントないの?」


    「ヒント・・・ですか?」


    「ウタワールドのあの世とか、裏側とか言われてもピンとこないよ」



    ゾロが、机に出していたトット・ムジカの楽譜を無造作に掴む。


    「その楽譜で呼び出せるなら、こっちからもこれで行けるんじゃないのか?」

  • 87不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/09(金) 06:29:50

    曲『トット・ムジカ』を歌うと、魔王『トット・ムジカ』が現れる。


    つまり。


    「その楽譜を歌ったら、トット・ムジカがいるところに繋がるってことだもんね。なるほど! ゾロ、すごいじゃん!」


    「筋は通っている気がするけれど、そんなに上手くいくのかしら」


    「行けるとしても、そんな謎の世界に無策で乗り込むのは怖いですね。トット・ムジカを最終的にどうするのかってところも詰めませんと・・・」



    「だいぶ進んだけれど、実際に試すにしては、あと一歩が必要かしらね 」


    「実はそこについてはアイディアがあるんだ! 少し時間がかかりそうなんだけど・・・もうちょっと進んだら、ブルックに相談するよ」



    「音楽関係ってことですね。ヨホホ、分かりました」

  • 88不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/09(金) 06:33:45

    「話はもう終わりだな? 俺はもう行くぞ」


    話が一段落したのを見届けると、ゾロはさっさと席を立ち、行ってしまった。


    「ゾロ、ちゃんと船に帰れるかな・・・」


    「正直、怪しいわね・・・。まあ、いつかは帰って来るでしょう」


    これからどうしようか。

    三人の意識が思考に逸れた。


    その、わずかな間。


    「失礼。相席させてもらっていいか?」


    その間を突くように、人影がゾロの座っていた椅子の背に手をかけた。


    ブルックとロビンは反射的に椅子を倒しながら、飛び退いた。


    それなりにデリケートな話題をしていたので、周囲には気を配っていた。

    それなのに声をかけられるまで接近に気づかなかった異常。


    一方、ウタはぽかんと見上げていた。


    「シャンクス?!」



    「よぅ。久しぶりだな、ウタ」

  • 89不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/09(金) 06:46:05

    はい、②街角でばばんと登場、シャンクスでーす。
    なお、トット・ムジカはしばらく放置になります。

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 08:12:12

    張り切って楽譜で出てきたのに放置されるトットムジカかわいそう…ではないな

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:46:18

    >>90

    前科が前科だから仕方ないね

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:33:06

    このレスは削除されています

  • 93不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/09(金) 21:34:11

    シャンクスとウタ。

    どこにでもあるような喫茶店のテラス席で、四皇が対峙する。

    ブルックとロビンが立てた物音もあって、周囲の視線を集めつつあった。


    「本当に久しぶりだね。なんでシャンクスがエレジアに?」



    「おいおい、ここはうちの縄張りだぞ。大物海賊が滞在していたら、顔くらい見せに来るさ。・・・しっかし有名になったもんだなぁ。2年で四皇と呼ばれるまでくるか」



    「へっへーん、すごいでしょ!」



    「あぁ、すごいな! 随分と無茶をしたようで心配したぞ」

  • 94不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/09(金) 21:34:58

    視線が集まり始める中で、大物海賊二人は堂々と会話を交わしていたが、ここにきてシャンクスは周りに聞こえないように声を潜めた。



    「時に、ひとつ聞きたいことがあるんだが」



    「なになに? 改まっちゃって」


    「子供はいないのか? そろそろ一人ぐらい育ってるんじゃないかと思ったんだか・・・。腹にいるわけでもなさそうだな」



    「あ”?」


    ウタの瞳から熱が消えた。

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:57:26

    >>94

    地雷だー!

  • 96二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 22:03:44

    シャンクス〜タイキック!

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 02:34:02

    hs

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 05:43:44

    これブルックもロビンも、「あかん」ってなってるやつだな

  • 99不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 07:06:28

    シャンクスはのんきに続ける。



    「なんだ、夜の生活上手く行ってないのか? 駄目だぞ。俺は結婚していないが、話によると夫婦において性生活はだな・・・」




    「・・・・」


    「あの、ちょっとシャンクスさん、もうそのあた・・・」


    シャンクスの地雷原の疾走に、見かねたブルックが止めにはいろうとしたものの。


    「シャンクスのせいで、まだ生娘じゃい!」




    ウタの怒りの拳がシャンクスに炸裂した。


    快音。


    ブルックすらも巻き込んで、シャンクスは吹き飛ぶ。

    カフェのテーブル、椅子はなぎ倒された。

    遠巻きに見ていたギャラリーからは悲鳴が漏れた。

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 08:45:28

    デリカシーが皆無!!

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 09:02:51

    >>99

    そりゃ殴られる…

  • 102不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 15:14:40

    カフェのテーブルに乗っていたカップは、そのまま地面に落ち、割れ・・・・なかった。

    ロビンが生やした腕によって、食器はキャッチされていた。



    「ウタ、とりあえず矛先を納めて。カフェで乱闘沙汰は駄目よ! 私は迷惑料含めて代金払ってくるから、とりあえず店先に出てて!」




    「はっ! 私ったらつい! シャンクス、大丈夫?」


    シャンクスは、ウタの鉄拳をうけたものの、怪我らしいものはなかった。



    「まだまだお前の拳では傷かないな! ちょっと鍛え方が足りないんじゃないか?」




    「なにおーう?! そっちがあんなこと言い出すからでしょ。次は本気でいく!」


    「ちょっとおふたりとも! とりあえずお店を出ましょう!」



    なおもヒートアップしようとするウタとシャンクスを抑えて、ブルックは二人をテラス席から路地へ連れ出した。

  • 103不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 15:34:14

    路地に場所を移した一行。

    シャンクスは実態を知り驚いていた。



    「まだ『そういうこと』やってなかったのか。てっきり・・・いや、そもそも俺のせいってどういうことなんだよ?」




    「ルフィが、そういうのはシャンクスに報告してからって・・・」


    「はぁ?ウタがルフィのところに転がり込んで、10年以上経つだろ。こっちはとっくに嫁に出したつもりだったんだが・・・ 」




    「だよね! シャンクスはそういう認識だよね?! 私もそうルフィを説得したんだけど、ルフィは聞く耳もたなくて・・・。誘惑しても流されるし!」

  • 104二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:40:46

    >>103

    シャンクスが悪いのかと思ったら、ルフィの自制心が強いだけだった…!

  • 105不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 15:50:10

    「あー、そういうことなら、ルフィと話してみるぞ。ウタが不憫だしな・・・」




    「さすが! シャンクス、話がわかるぅ! よっ! 赤髪海賊団 大頭~!」


    「はっはっはっ! 気にするな! 久しぶりにルフィと話はしたいと思ってたし、俺も孫に会いたいしな!」




    「最短で来年だね! 解禁されたらルフィと愛欲の日々を送る予定だから期待してて!」


    「・・・俺から言い出しといてなんだが、娘のそういう話は結構キツいものがあるな。・・・やっぱり、あんまり言わないでくれるか?」


    「そう? わかった! そもそもシャンクス、これまで孫の話とかしてなかったじゃん。突然どうしたの?」




    「フーシャ村で最後に会ったとき、ルフィとの仲が進展してたように見えたんだよな。てっきり、そのころにはそういう仲になったものかと思っていた。もう20歳も超えたし、そろそろそんな話をしてもいいかと思ったんだ・・・今日は浮かれていて加減を間違えたな。すまない」




    「いいよ!最後にフーシャ村っていうと、4年前だっけ。ルフィと海賊になる、ならないで揉めてたころかなぁ。そんな色っぽい話に心辺りがないんだけど・・・」

  • 106不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 15:57:38

    >>104

    ルフィの自制心に限界なんてない!って信じてます。

  • 107不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 15:59:32

    ふと正気に戻ったんですけど、原作じゃこの二人のうだうだしたトーク、見れないんですよね。
    悲しい・・・

  • 108二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 17:14:08

    >>107

    悲しいってレベルじゃないよ

    おのれオダ聖

  • 109二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 17:14:56

    >>107

    急に正気になるなあ!

  • 110不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/10(土) 21:25:39

    悲しさをバネに、ウタとシャンクスの絡みを増やそうと思います!
    船長ウタという優しい幻覚にただいま。

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 07:50:08

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 07:50:29

    保守

  • 113不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 08:31:32

    大物海賊だけあってシャンクスのことを警戒していたが、ロビンとブルックはアイコンタクトを交わした。




    「ウタさん。我々は資料をまとめに船に戻りますよ」




    「だったら私も行かないと・・・」


    「それは私とロビンさんで十分ですよ」




    「せっかく会えたんだし、お父さんと散策してきたらどう?」

  • 114不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 08:33:45


    「ニコ・ロビンとブルックだったな。気を使ってくれてありがとう」


    「あら。四皇に名前を覚えてもらって光栄ね」


    「そりゃウタの仲間だからな。手配書やニュースには目を通しているさ」


    「ふふーん、それだけじゃ知れない私の仲間と冒険を教えてあげる!」




    「おう、そいつは楽しみだ。せっかくだから、街で気に入ったものがあったら言えよ。プレゼントしよう」




    「わーい、シャンクス、大好き! いやー、エレジア、楽譜がいっぱいあってさー、散財しちゃってお小遣いピンチなんだよね!」




    「ウタは船長なんだよな・・・?」

  • 115不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 08:35:10

    ブルックとロビンは、街の中心に別れて船へと向かう。

    ふと、ロビンは振り返って、ウタとシャンクスを見送った。




    「どうしたんですか? ロビンさん」


    「・・・ブルック、あなたには二人がどう見える?」


    「ヨホホ。四皇が並んでお買い物って、目立つ光景だなと思いますよ。海軍あたりが緊張感をもちそうですが、別にいいじゃないですか。親子仲が良くて大変結構」


    「そこは私もそう思うし、二人の認識もその通りでしょうね。けど第三者が見たらどうかしら」


    シャンクスとウタ。


    年の差のあれど、同じく四皇であり、同格と世間では扱われている。


    まさか親子とは思われないだろう。


    では、あの二人組はどう扱われるのだろうか。


    年の差カップルに見えないこともないな、とロビンは思った。

  • 116不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 08:42:17

    シャンクスとウタの親子情報は、情報通は真偽は未確認ながらも、耳にしたことはある段階。

    四皇まで上り詰めた時系列だと、二人は本気で隠してないので、そんなもんかなと。

    それはそれとして、某 活字のDJさんは、面白そうな『タレコミ』があれば、例え事前情報と食い違っていても、保身しつつ、平気で面白おかしく掲載するイメージがあります。

  • 117不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 11:34:32

    【エレジアの国民①】

    休日。
    落ち着かない気持ちで街を歩く。

    数日前に、四皇・麦わらの歌姫がこの国にやってきた。

    歌姫のトーンダイアルは耳にしており、たちまちファンになってしまっていた。

    エレジア来訪は嬉しく、『挨拶ライブ』では仕事を放り投げて港に向かってしまったが・・・

    冷静になると、今の状況の危うさに気がついた。

    エレジアは大海賊時代にも関わらず・・・いや大海賊時代だからこそというべきか、四皇・赤髪のシャンクスの庇護下にあり、これまで平穏を保ってきた。

    麦わらの歌姫は、海軍基地にも他の海賊に積極的に襲いかかる血の気の多い海賊として知られている。

    このエレジアで、麦わらの一味と赤髪海賊団が激突するのではないか。

    四皇同士の激突となれば、それは戦争だ。
    甚大な被害が発生するのではないか。

    そんな不安が街のいたるところで囁かれ、不穏な気配が漂っていた。

    赤髪が来る前に、麦わらの歌姫が出航してくれたら、取り越し苦労なんだろうが・・・。

    街角を曲がる。

    腕を組んだ、少し年の差のある男女が進行方向にいた。

  • 118不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 11:37:46

    『誰か』と思考するよりも前に、足が止まった。

    命の危機を感じた。



    「楽譜はもう十分見たんだ! エレジアには楽器モチーフのアクセサリーが売られてるみたいなんだよ。それ見たいなー!」



    麦わら帽子に、特徴的な紅白の髪。



    「あぁ、知ってるぞ。国外向けのお土産としても人気があるし、演奏家が自分の演奏する楽器を身につけるのも流行ってると聞くな」



    「さすが縄張りだけあって詳しいね~。赤髪海賊団ではベックがすごく詳しそう」


    「そうだな。予想通り、ベックが詳しいぞ。あいつがオススメしていた店を案内しよう」




    「わーい、楽しみだなー! 音符とか、五線譜とか、ピアノとか、バイオリンとか・・・とりあえずその辺のモチーフのを見たいな!」




    「ははは、財布は無尽蔵じゃないからな。お手柔らかに頼むぞ?」

  • 119不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 11:38:22

    『彼ら』は立ち止まっていた自分を気にせず、すれ違い、通り過ぎていく。

    命の危機すら感じていた心臓が、バクバクと早鐘を打っていた。

    振り返れば二人の後ろ姿が見え、信じられない光景は現実であることを示していた。

  • 120二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 12:11:58

    >>118

    一般市民から見たらやばいのは判るけど、振動し始めるハイテンションウタちゃんを見ると笑いがこみ上げてくると聞く…

  • 121二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 18:27:34

    もしタレコミされてモルガンズに熱愛報道されたら赤髪海賊団どういう反応するんだろ
    ブチギレ?爆笑?

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 18:33:55

    原作ではありえない親子の会話にホロリ(涙)

    というかこのシャンクス、僅か数年で四皇になった娘の活躍に脳を焼かれたに違いない。


    >>年の差カップルに見えないこともないな、とロビンは思った。


    変なフラグやめーや(震え)

  • 123二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 19:00:22

    >>121

    赤髪海賊団の方は爆笑で、

    シャンクス「えー、俺、そんなに若く見えるかー?(ニヤニヤ)」な感じがする。


    ウタがヤバそうじゃない?


    >>122

    シャンクス、娘の記事集めてそう

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:12:34

    熱愛報道なんてされた日には、ウタがブチギレてクソバードの首獲りにいきそうだなw

  • 125不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 21:14:39

    【エレジアの宝飾店】


    湧き上がる好奇心を抑え込むため、努めて心を無にする。

    そして、商人の基本として営業用のスマイルを浮かべる。


    この店に海賊が来店することは稀にある。

    例えば、赤髪海賊団 副船長のベックマン様が妙齢の女性と共にとか―――だが、本日来店のお客様は毛色が違った。




    「シャンクス、これはどう? 似合う?」




    「似合うぞ。ウタにはやっぱり黄色系の金が似合うな」


    ウタ様が手にしているのは、イエローゴールドのブローチ。

    確かに、シャンクス様が言うように髪色に似合っている。

  • 126不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 21:20:26


    「そうなんだよねー。そういえば、ちっちゃいころはピンクが似合わなくて気にしてたな」


    「俺もそうだから分かるな。髪の赤に負けて、ぼんやりするんだよな!」




    「じゃあ、さっきのピアノのやつと、これにする!」


    「ウタ様。そちらについてお代は結構ですので、ご相談したいことがございます」




    「んー、もしかして、ライブ衣装でこの店のアクセを使って欲しいって話?」


    「お話が早くて助かります。その通りでございます」

  • 127不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 21:32:52

    シャンクス様とウタ様の関係性は気になるが、商人として客のプライバシーには踏み込むべきではない。


    重要なのは、おふたりの仲が良さそうということだ。もしもウタ様だけでご来店ならば、お声かけしなかっただろう。


    もしも海賊同士で仲が悪かったりなどしてら、四皇の怒りを買う可能性がある。


    「それなりにね! ・・・サインとかもしたがいい?」


    「はい、よろしくお願いします。こちらの色紙によろしいでしょうか?」


    「UTAっと。はい、シャンクス」


    色紙とペンを差し出すと、ウタ様は手馴れた様子でサインをすると、それを横のシャンクス様にお渡しした。




    「え、俺もするのか? せっかくのウタのサインだぞ? 俺がサインしたら、価値が下がらないか?」


    「縄張なんでしょ。サービスしときなよ。・・・あった方がいいよね?」


    ウタ様のサインは世に複数あれど、四皇・麦わらの歌姫と四皇・赤髪のサイン色紙。


    間違いなく世界で唯一だろう。


    インパクトは凄まじいものがある。


    「店に箔がつきますので、もしご迷惑でなければ、サインいただけると有難いです」

  • 128不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/11(日) 21:42:34

    「そうか。わかった」

    ま、いっか、とそんな顔をしてシャンクス様にサインをいただけた。

    商品をお包みして渡すと、おふたりは退店なされた。



    いただいたサインを早速店頭に飾る。

    四皇の名前が並ぶ色紙は、やはりインパクトがある。

    お渡しした商品の元はすぐ取れるだろう予感がした。






    後日、この色紙が、世界経済新聞に掲載された『ビックニュース』における『証拠』のひとつとなってしまい、予想以上に宣伝効果があったのは別の話。

  • 129二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 06:56:14

    保守

  • 130不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/12(月) 09:48:46

    あ! コピペミスしてるや!

    正しくは以下の流れ。


    「んー、もしかして、ライブ衣装でこの店のアクセを使って欲しいって話?」


    「お話が早くて助かります。その通りでございます」




    「なんだ、馴れてるな。こういう話、よく有るのか?」


    「それなりにね! ・・・サインとかもしたがいい?」


    「はい、よろしくお願いします。こちらの色紙によろしいでしょうか?」



    シャンクス様とウタ様の関係性は気になるが、商人として客のプライバシーには踏み込むべきではない。


    重要なのは、おふたりの仲が良さそうということだ。もしもウタ様だけでご来店ならば、お声かけしなかっただろう。


    もしも海賊同士で仲が悪かったりなどしてら、四皇の怒りを買ってはたまらない。

  • 131不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/12(月) 15:01:08

    【エレジアの国民②】


    クレープの屋台の匂いが漂う公園。


    飼い犬の散歩をしていると、ベンチに手配書で見た顔が並んでおり、ギョッとした。


    よりによって犬はそちらに向かっていく。




    「自分の分で2個もクレープ頼むなんて、シャンクスお腹空いてたの?」




    「実は昼飯を食べてなくてな。船が到着次第、ウタを探しに飛び出してた」

  • 132不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/12(月) 15:01:52


    「えー、なにやってんのさ。私のこと、好きすぎじゃん」




    「はっはっはっ、久しぶりに会うし、驚かせたくてな!」




    「それでごはん系のクレープなんだね。ね、一口ちょうだい!」




    「俺の飯なんだが。お前のホイップ増し増しクレープまだあるだろ」

  • 133不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/12(月) 15:03:25

    「甘いものを食べてると、しょっぱいものが食べたくなることあるじゃん。ねっ、ダメ?」


    「そこまで言うなら、食っていいぞ」




    「やった。・・・かっら。え、なにこれ。シャンクス、なに頼んでたっけ」




    「知らないで食べたがってたのか。ロブスターサラダのチリソースかけクレープだ」


    耳に入る会話が非常に気になるが、犬は満足して公園の外へと向かう。


    世界経済新聞社の社章にカメラ、記者らしき男とすれ違った。

  • 134二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 15:43:41

    なんか来たな

  • 135二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:29:57

    何もなければ、こんなユルい会話の関係が続いていたんだろうな・・・

  • 136二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 21:42:36

    不穏な気配・・・(汗)

  • 137二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 05:47:11

    相手が相手だから、記者も慎重にいくよな?

  • 138不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/13(火) 08:15:10

    少し更新止まるかもです。
    悪魔の実は人の願い、可能性って情報がインパクト大きかったので・・・
    トット・ムジカの存在、攻略について改めて考えたいところ。

  • 139不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/13(火) 08:23:43

    ぶっちゃけると『記事』の件は、徹頭徹尾、笑い話にするつもりでしたが、見直し入ります!

    なのでここでストップ、ご容赦を・・・


    >>136

    不穏にはなりませんよ!って内心思ってましたが、若干・・・

  • 140二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:37:03

    乙です

    あれ?
    これ、記事にはシャンクスの愛人説が書かれてるパターンか?

  • 141二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 10:01:01

    >>140

    本妻もいないのに愛人とは・・・?


    オッサンが若い子にちょっかいかけてるイメージ。


    船長ウタはルフィとのことは公言してそうだから、浮気扱いになってしまうのでは???

  • 142二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 10:08:20

    愛人騒動になるとしたら、ルフィがシャンクスに文句言うかもしれん…

  • 143二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 19:30:18

    この記事がどう不穏になるんだろう…

  • 144不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/13(火) 21:50:03

    なんとなーく、方向性が定まってきたので、ゆっくり続きを載せていこうと思う

  • 145不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/13(火) 21:55:00

    【世界経済新聞社 エレジア支店 記者】

    赤髪のシャンクス。
    麦わらのウタ姫。

    少し離れた場所から、二人がクレープを食べ終わるのを待ってから、声をかけた。

    「ご歓談のところ、失礼します。赤髪海賊団 シャンクス様と、麦わらの一味のウタ様ですよね。恐れ入りますが、お話をうかがってもいいですか?」

  • 146不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/14(水) 06:28:20


    「私はいいよー、写真撮るなら可愛く撮ってね!」




    「俺たちに声をかけるとか勇気あるな・・・。ウタがいいなら俺は構わない。インタビューしたからには命をかけろよ? 下手なこと書いたら、この島にいられないと思え」



    「はい、承知いたします。ずいぶん仲がよろしいんですね?」


    確かに高額懸賞首のおふたりへのインタビューは怖い。


    麦わらのウタ姫は慣れているのか気安い調子だが、赤髪のシャンクスは警戒しており眼光が鋭い。


    海軍をものともしない暴力は、容易く自分の命を消し飛ばすだろう。もしかしたらこの国の支店ごとかもしれない。


    けどこれは必要なのだ。


    街では元々、出会ってしまえば四皇同士の大規模な激突が、この島で起こるのではないか?という不安、緊張感があった。


    そこにきて、すでにふたりは接触し、堂々と街を練り歩いているのだ。


    街ではパニックになったかのようになり、新聞社にもタレコミがあった。すでに様々な噂が飛び交っている。

  • 147二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 15:06:32

    記者マジで勇気あるな

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 15:56:49

    カイドウとビッグマム並んでるみたいなもんだしな・・・

  • 149二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 16:19:25

    カイドウとマムがこんな感じにイチャイチャ・・・

  • 150不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/14(水) 19:35:51

    二人がクレープを食べ終わるまで、眺めていたのだ。


    赤髪のシャンクスとウタ姫の仲、控えめに言って、極めて仲が良く見える。




    「シャンクスとの仲? そりゃいいよ!」


    シャンクスの腕を掴んで、ウタ姫は強引に腕を組んだ。


    それをされたシャンクスは・・・無反応。そもそも違和感を感じていないようだ。


    「おふたりでのお写真いただいてもよろしいですか? おふたりがこの島で争いを始めるのではないかと、新聞社にまで問い合わせがあるくらいでして。・・・失礼ですが、島民のためにも記事にしたいのです」

  • 151二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 19:41:25

    変な誤解が広まりそうな…


    >>149

    変な呪いを振りまくなぁ!

  • 152不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/14(水) 19:48:04


    「シャンクスと争う? あはは、ないない!そういうことならどうぞ!」




    「そうか。守ってるはずの縄張りで迷惑かけたようだな。そういうことなら俺も構わない」




    「ほらほら、シャンクス、表情が堅いよ! もっと友好アピール!」


    ぼすぼす。

    まったく遠慮なく、シャンクスの脇腹を小突く。

    見ているこちらの冷や汗が流れる。




    「こうか?」




    「うんうん、いい感じ!」


    「じゃあ撮りますね!」

    今この場で激突したらどうしよう。命の危険を感じた。

  • 153不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/14(水) 20:39:25

    写真を撮って、ほっと一息。


    赤髪のシャンクスと麦わらのウタ姫が、仲良く笑顔で腕を組んだ構図だった。


    少し年は離れているものの、恋人同士にしか見えない。


    そして、それを隠す気がないように見える。


    「時に・・・おふたりの関係はどういったものでしょうか」


    毒を食らわば皿まで。

    勇気を出して尋ねた。




    「それはーーー」

  • 154不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/14(水) 21:25:35


    「ひ み つ ♪」

  • 155二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:32:36

    なぜそこでごまかした…

  • 156不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 06:16:53

    緊張して答えを待っていたので、コケそうになった。



    「なんだそれ? お前も十分自分の身は自分で守れるようになったから、もう隠してる意味ないと思ってるんだが・・・。そもそも結構知られているみたいだしな」




    「エンターテイナーは少し秘密があった方が興味を引くんだよ! 貴方だって知りたいって思ったでしょ。そういうことだよ」



    「まぁ・・・はい」


    正直に言えば全くよろしくない。

    教えて欲しい。




    「それに公言するなら、もっと大きな場で公開したいな! 場が盛り上がりそうじゃん」

  • 157不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 06:21:43

    「ふーん、そういうもんか」

    シャンクス氏が納得したような返事を返す。

    もっと粘って欲しい。




    「港で挨拶ライブしたとき、ゴードンがライブする場所、使わしてくれるって言ってたなぁ。せっかくだから、ライブでシャンクスもゲスト出演しない? そこで公開しちゃおう!」




    「はぁ? ステージで俺は何すりゃいいんだよ。 さすがに嫌だぞ!」

  • 158不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 06:26:19


    「バリバリッとか、メラメラっとか見栄えのいい大技見せてよ!」




    「一発芸かよ」

  • 159不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 08:19:19

    シャンクス氏とウタ姫が、二人の秘密の関係を公開する方法で揉めている。


    もっとも、シャンクス氏は公開すること自体には反対ではないようだ。


    すでに知っている人も多いらしい。


    知っているつもりだった『麦わらの歌姫』の情報との食い違いに困惑する。



    麦わらのウタ姫は、恋する少女というイメージが通っている。


    恋愛に関する曲が多い。


    そして、一般的には副船長に向けられている・・・とされている。


    「あの・・・英雄堕としのルフィさまはどうおっしゃってるのでしょうか?」




    「ルフィ? なんでルフィが出てくるの?」

  • 160不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 17:58:24

    質問の意味が分からないという表情。

    こちらとしても言葉に詰まる。




    「副船長なんだから、公開するなら事前に伝えてからだろ。アイツにはウタを守ってもらってきたんだから、世話になったもんだな・・・。俺からもルフィには話しておくよ」


    ごくりと唾を飲んだ。


    もしかして、ウタ姫を挟んだ三角関係なんだろうか。


    その上で、シャンクス氏と英雄堕としのルフィが対峙するのか。

  • 161不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 17:59:13


    「『あの話』も忘れないでね! 絶対にね!」




    「そいつは軽々しく話をするな!」

  • 162二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:26:56

    勘違いが加速していく…!

  • 163二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:28:22

    誤解が誤解を生んでいく・・・!

  • 164二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:39:18

    「あの話」ってルフィが中々手を出してくれないって件で、それを父から説得してくれって話だよね?

    マジで軽々しく話していいことじゃねえ

  • 165二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:40:06

    勘違いに気づいてないから仕方ないんだけど、
    唐突に振動するのはやめるんだウタちゃん

  • 166二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:45:12

    勘違いが加速して
    ベックマンが「今日から赤髪海賊団は
    ベックマン海賊団だ!」
    と言いかねんw

  • 167不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/15(木) 22:02:46

    『あの話』ってなんだ?


    でも知ったら、消されてしまうような気迫を感じた。




    「はーい、もう話しません。でも忘れないでね」



    「やれやれ。ルフィとは長い話になりそうだな」



    これ以上、尋ねることは命に関わりそうだ。


    しかし、二人のやり取りから確信した。



    これは・・・ビックニュース!

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 05:33:46

    ほっしゅ

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 07:38:20

    うーん、この自業自得感…報連相が

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 17:27:02

    保守

  • 171不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/16(金) 20:54:56

    【世界経済新聞社 本社勤務 社員】



    「社長! エレジアから、赤髪とウタ姫の写真と記事が送られてきましたが・・・その・・・」


    写真は赤髪のシャンクスとウタのツーショット。

    笑顔で腕まで組んでいる。

    事前知識すれば、驚くようなものではない。


    問題は記事だ。

    シャンクスとウタが熱愛関係にあると匂わせている。




    「見せてみろ」

  • 172不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/16(金) 20:56:04

    モルガンズ社長に、一緒に付いてきたメモも渡す。

    メモには二人の様子、インタビューの覚書、目撃者の聞きこみ内容と推測されるデートコース、多岐に渡っていた。記者の熱意がうかがえる。

    が、しかし。

    「裏は取れてないですが、赤髪のシャンクスと麦わらの歌姫は親子という話ではなかったでしょうか」

  • 173二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 21:38:54

    このレスは削除されています

  • 174不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/16(金) 21:41:08


    「クワハハハハハ! こいつはおもしれぇな!」


    モルガンズ社長はメモを読んで笑いだした。

    嫌な予感がした。




    「誤報、結構! こいつでいくぜ!」



    「えぇぇ・・・。下手したら今度は四皇に追いかけられますよ?」


    少し前に政府の役人が紛れ込んでいて、豹変し襲いかかってきたのを思いだす。

  • 175不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/16(金) 21:41:22



    「そんなもん今更だろ。それに書き方次第だ。エレジアのやつには俺が書き直すと伝えとけ! ボーナスは期待しろともな! クワハハハハ、活字のDJの腕がなるぜー!」

  • 176不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/16(金) 22:17:34

    モルガンズ社長はボードに関連資料を貼り付けた。
    内容を並び替えて、整えていく。


    受け取った記事のメインだった熱愛うんたらは、あくまで『街のウワサ』へ。

    代わりのメインに、『四皇同士の対決ならず!』と、あえて無難な内容をチョイス。

    目撃者の証言やふたりのインタビューは、記者の推測を除いて素材そのまま。『街のウワサ』という色眼鏡で見れば、たちまち年齢差のある話題のカップルの内容に見える並びへ。

    そして、さらりと『親子』というウワサがあるという真実を隠し味に一摘み。

    最後に、近日中に開かれる麦わらの歌姫のライブで重大発表があるという広告でアシスト。

    締めに『本件で問い合わせの場合はこちらまで』と、いきなり暴力沙汰にならないように連絡先を掲載。

    「確かに、これなら、四皇がカチコミにくることはないか・・・?」

    少なくとも、最初の原案よりはマシだろう。
    あとはエレジア支店の無事を願うしかない私を許して欲しい。

  • 177二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 06:57:12

    連絡先がパンクして結局エレジア支店がえらいことになりそう…

  • 178不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 10:25:28

    シャンクスは酒場へとのんびり歩く。


    ウタと一日中街を散策し、船まで送り届けた。


    街歩きの気疲れの中で、久しぶりにあった愛娘の様子を思い出し幸福感に包まれる。


    夜の帳が落ちた中、赤髪海賊団が贔屓にしている酒場の灯りが煌々と零れていた。


    扉には本日貸切の札。


    扉を開ける前から、騒々しい店内の声が漏れ聞こえた。




    「よー、おまえら。盛り上がってるか?」


    「もう始めちまってるぜ。遅かったなー、お頭」

    船員から陽気な言葉が返ってくる。



    「お頭に客が来てるぜ。懐かしい顔だ」

  • 179不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 10:25:55

    「客?」


    酒場には、見慣れない『海賊』がいた。


    三角帽子に船上刀といった絵に書いたような海賊スタイル。


    手配書で見た姿の通りだ。




    「ルフィか! 久しぶりだな」

  • 180不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 10:26:57

    夜は更けていく。




    そして。

  • 181不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 10:34:53

    『新聞』は発行された。


  • 182二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 10:55:19

    >>181

    これ絶対ルフィが誤解するやつだ…

  • 183不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 11:22:13

    あれ? 気がつけばもう180超えてる!

    切りがいいな。
    そろそろ次スレ考えないと。

  • 184不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 11:31:41

    幕間で、本筋に関係ない話を入れて、次スレに行こうと思います。
    ルフィか、エースか、ゴードンか、ブルックあたりの話にしようかな?

    あと次スレで完結まで持っていく予定。

  • 185不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 15:51:58

    【エレジア とある楽器店 店長】 ※ルフィ

    見慣れない顔の客がドラムスティックを見ている。

    「店長さん。この店、スティックの種類多いな!」

    黒髪の青年の指摘に思わず嬉しくなった。

    「ああ! この島の楽器店の中でも、そいつに関しちゃトップクラスと自負してるとも。味見用のドラムもあるから試してみてくれ」

    「おう、是非試させてくれ! 普段オーク材のを使ってるんだが、メイプル材のもには挑戦したくてな」

    青年はがっしりとした筋肉質な体付きをしていた。
    硬さと重さのあるオーク材のスティックが使いやすいだろう。

    やわらかいメイプル材は女性的な優しい音色を奏でられる利点はあるが、反面折れやすい。

    「おいおい、へし折ったら弁償してくれよ?」

    「ははは、もちろんだ。前に試したら折っちゃってな、克服したいんだ」

    「それならいいけどよ・・・」

    下手に扱われて折られるのは気分が良くないので、青年の手つきを追いかける。

    へし折ってトラウマというのは嘘ではないらしく、丁寧に扱っているようで、今のところは安心だ。

    「あぁ、そういえば噂で、聞いたんだが、この島には特別な電伝虫がいるらしいな」

  • 186不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 17:29:06

    少し前の事件だが、未だに話題に上がる話だ。

    「噂では聞いたことあるぞ。2年ぐらい前にこの島で、多くの電伝虫が同じ映像を流すって事件があってなあ。それを起こした電伝虫があるって話だろ」

    「そう、その話! 興味あってな。そんな電伝虫があったら欲しいじゃねぇか」

    「そりゃ俺だって欲しいよ。この島の人間で欲しいやつ多いんじゃないか?」

    映像と音声を手軽に送れる電伝虫。
    そういうものがあるならば、音楽やっているやつは誰でも欲しがる代物だ。

    いまだに話題に登るのは、それゆえだろう。

    もしも存在していたら、使われることで、もっと存在が世に広まっているはずだ。

    「結局それ以来、音沙汰ないからなぁ。何らかの自然現象だったとか、国がこっそり回収したとか、そんな与太話しか残っていない終わった話だぞ」

    「そうか、残念だな。教えてくれてありがとよ」

    青年はメイプル材のスティックを試して、好みだというチップ(先端)がボール型のスティックを買っていった。

    青年の顔を、どこかで見たようなことがある気がするのが印象的だった。

  • 187不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 18:14:33

    【エレジア国王 ゴードン】

    「麦わらの一味は『殻にレンズのある電伝虫』を探しているようです。また映像を配信という単語も出しているようです」

    「そうか、報告ご苦労」

    麦わらのウタ姫の動向を調べさせていた部下を退出させ、一人で鍵のかかった棚を開く。

    記憶の通り、殻にレンズのある電伝虫がそこにあった。

    能力は話にあった映像配信である。

  • 188不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 19:24:26

    映像配信 電伝虫。
    音楽を愛する者にとって無限の可能性をもつアイテムだ。

    音楽の国エレジアで、ぜひとも普及させたい代物である。
    世界中で広めることが出来れば、表現者の活躍をさぞ広めることができるだろう。

    機能を知ったとき、その可能性に胸が踊ったものだった。

    それがなぜ秘匿せざるを得ないのか。

    恨めしい気持ちで、殻についたSSGのロゴを見る。

    『SSG』 世界政府 直轄 特殊科学班の略称。

    つまるところ、これは世界政府によって生み出され、秘匿された技術なのだ。

    なぜ秘匿されたかは、何かときな臭い話が絶えない世界政府のことを考えれば想像がつく。
    大方、情報隠蔽がやりにくくなるからだろう。

    そんな背景のために、表現のためのツールが秘されていることがもどかしい。

    もし堂々と普及させようとすれば、エレジアは世界政府加盟国とはいえ、何かと理由をつけて乗りこまれ、ろくな事にはならない未来が見える。

    我が国では、映像配信電伝虫は使えない。

    映像配信 電伝虫を使う資格を持つのは、『世界政府の海軍を跳ね除けるだけの武力を有する音楽家』という冗談のような存在でなければいけないのだ。

  • 189不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 21:39:13

    そして、その『冗談のような存在』が映像配信 電伝虫を探しているという。

    麦わらの歌姫は、情報の経路は不明だが、映像配信 電伝虫の存在と外観を知っており、さらにエレジアに存在する可能性が高いことを知っていたようだ。

    世界政府も、同じように知っており、探している可能性が高い。

    世界政府に痛くもない腹を探られたり、映像配信電伝虫が改めて秘匿されるよりは、何かしら理由をつけて、いっその事・・・

    そんなことを考えながら、電伝虫を元の場所に戻した。

  • 190不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 21:55:43

    【四皇 炎帝のエース】

    「おーい、エース、今日の世経、見たか? とびきり笑えるよい!」

    ゲラゲラと笑うマルコから新聞を受け取ると、知った顔が二人、大きく載っていた。

    「あん? シャンクスとウタが載ってるじゃねぇか。は? 熱愛?!」

    『自称・自分の兄』シャンクスと妹分ウタの親子が熱愛報道されていた。

    「何やってんだ、コイツら・・・」

    白ひげ海賊団をオヤジから継いで、必死にやってる自分がバカみたいじゃないか。

    マルコのバカ笑いに釣られて、笑ってしまった。
    肩の力が抜けた気がする。

  • 191不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:01:07

    読み進めると、何ともまあ、あの新聞社らしいゴシップ記事だ。

    「おーおー、こいつはウタが激怒しそうだな。穏便に済めばいいが・・・」

    無理だろうな。

    あいつ手が出るの早いし。

    「何にせよ、元気にしてるみたいで良かった」

    この記事の訂正版が今から楽しみだった。

  • 192不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:16:19
  • 193不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:16:58

    ブルックは特にネタが思いつかなかったので、なしで・・・

  • 194二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 22:17:12

    立て乙です

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 22:19:07

    立て乙!
    やっぱりエースは生きてるのね

  • 196不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:20:31

    『自称・自分の兄』シャンクスと妹分ウタの親子って、わけわからん関係ですね

    さらにここに兄貴分ルフィきますし。
    兄貴分と妹分のカップルまで・・・

  • 197不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:22:41

    >>195

    エース生存はウタルテット同様に、シャンクスがエース救命にやる気だったから、です

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 22:28:26

    乙ドラマーなルフィ!
    例の心臓の音の影響かな?
    あと歌も上手いのか気になる

  • 199不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:33:04

    >>198

    歌は・・・どうなんでしょうね??

    ウタとずっと一緒にいて、ドラムやってる以上、音痴は改善してるのではないかと思います。

  • 200不当な読者 ◆AJ5OonnGmw22/12/17(土) 22:33:42

    次スレでもよろしくです!

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