フワフワ探訪記

  • 1二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:01:57

    ある昼のカフェテリアにて…

    オグリキャップとツインターボが何やら熱の篭った討論を行なっているではないか。


    「イナリが一緒に寝てくれるとフワフワであったかいもん!」


    「タマも一緒に寝るとフワフワだし…いい匂いがするぞ!!」


    「えーと…イナリは…頭撫でてくれるッ!」


    「!…タマは…背中さすってくれる!」


    元より学園内でも目立つ2人の討論はカフェテリア中の注目を集めており、有名ウマ娘のプライベートな姿が筒抜けになっている次第だ。

    尚、議題となっているその2人は幸か不幸かこの現場にはいない。

    当然、その討論はフワフワシフォンケーキを堪能していたアドマイヤベガの大きな耳にも入っていた。


    基本的に冷静かつ静けさを好む彼女は普段であればこの様な喧騒に対し巻き込まれない様距離を取るタイプなのだが…


    アヤベイヤーは聞き漏らさなかった。


    2人が放った『フワフワ』と言う単語を


    「タマモ先輩とイナリ先輩はフワフワ……これは早急に確認しなければならないわね…!」



    果たして、アドマイヤベガはタマモクロスとイナリワンのフワフワを捕らえる事はできるのだろうか!?



    その運命や如何に!!?

  • 2二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:02:51

    みたいな話は誰かもってませんか?

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:06:56

    命は投げ捨てるものではない…

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:12:10

    当店セルフサービスとなっております

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:21:47

    デジたんはどう思う?

  • 6二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:51:28

    上手いこと交渉すればターボとオグリは部屋に入れてくれるとは思う

    ただ間違っても

  • 7二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:56:28

    こうとか

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:56:50

    こうすると

    シングレると思われる

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:19:59

    ── アドマイヤベガは考えていた

    如何にしてタマモクロスとイナリワンをフワフワするか悩んでいた。
    しかし、通常の彼女であればあまり面識のない…それも錚々たる先輩達相手にどうこうしようなど考えようともしないはずだ。
    何故なら曲者が跋扈するこの学園において基本的にアドマイヤベガは常識人サイドであるからだ。

    そんな彼女が何故こんなにも頭が悪いことを考えているのか…それは…


    ── 最近フワフワが不足気味だった


    クラスメイトであるBNWのBは遠征でいないし
    ルームメイトのカワイイ芦毛のあの娘も企業タイアップの企画でしばらく帰ってこない…
    お馴染みブロンズコレクターは先日不意にフワってしまったためか距離を置かれている始末。

    そして今日まで辛うじて、カフェテリアのフワフワメニューやこだわりの寝具でフワ繋いでいたが、そんなところにフワフワの垂れ込みがあってしまったのだ。

    よもや常識人枠の彼女がまさかこんな状況にあるとは誰も思わないため、今彼女を止めようとするものは皆無である。

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:31:32

    ── カレンチャンは目を疑った。

    タイアップ企画を無事終えて久方ぶりに寮に帰ってきたカレンチャンが部屋に入ってまず見たものとは…


    辛うじて半分程度には留めているものの…残り半分はでちゅられてしまったアドマイヤベガである。


    一体何があったのか、カレンチャンは混乱した。

    とりあえず「でちゅられている」と言う状況からして、1人の人物が浮かび上がる…と言うか明らかに特定の人物の仕業なため、カレンチャンはその人物の元へ話を聞きに行った。

    お仕事帰りにご苦労なことである。

  • 11二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:55:38

    アヤベさん…

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:58:03

    哀れな……

  • 13二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:59:50

    なんか日曜日に小田和正の曲流れてそう

  • 14二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 00:44:34

    飽くなきまでにカワイイを追求し、カワイイへ導き染めてゆく。
    少なくともカレンチャンはカワイイの伝道者として常に研鑽を重ね今のポジションに立っていることに対し誇りを持っているし、それは揺るぎない物だと自負している。
    そんな強者として君臨するカレンチャンであるが…

    ── カレンチャンは戦慄した。

    今、目の前に座す者が恐らく無意識で垂れ流している凄まじいまでの"ママみ"の圧力…即ちママ圧の前にカレンチャンは表には出さないまでも内心動揺せずには居られなかった。

    スーパークリーク。

    何せ今対峙しているのは、かのオグリキャップ、イナリワン、タマモクロスらと肩を並べる程の強者にして
    トレセンヤベー奴ステークスの常連にして564つの海を股に活躍するゴールドシップをしてもそのママみには勝てないと言わしめた…正に魔王と形容すべき様な人物である。

    幸いこの時、彼女の膝にはナリタタイシンが抱えられているため、ある程度の安全は保証されているが一度動揺を見せればでちゅられてしまいかねない…そんな重圧の中で、アドマイヤベガに何があったかを訪ねた。

    例えフワフワジャンキーだとして大事なルームメイトのためには覚悟を決める。
    故にカレンチャンはカワイイのだ。

  • 15二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 00:45:31

    フォトスタジオとSSがどちらも良いスレ。
    上半身、下半身、または右半身、左半身、どこが無事なのかでシュールさが変わるね…

  • 16二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 00:50:19

    イナリワンは大井だからフワフワではない……

  • 17二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 01:37:12

    ── 同時刻:生徒会室

    「できたぜ!!フランツ・ゴルシ先生書き下ろしの大長編S(サンマ)F(フラダンス)物語!とくと拝読しやがれ幸せ者!」

    「ふぅん…こんなものかな?今回の実験ついてのレポートは。これで満足かい?」

    「たわけ!!!私は反省文を書けと言ったんだ!!…もう原稿用紙2枚分でいいから書き直せ!!」

    そこには生徒会副会長に見張られながら反省文を書かされているゴールドシップとアグネスタキオンの姿があった。

    「やはり君の発想は面白いよゴルシ君。君が言う『ウマソウル』なるオカルト的存在に着目した『ウマソウル増幅薬』…今回は校舎の屋上が焦げて我々は懲罰房行きとなってしまったがねぇ。」

    「タキオンもすげーよな、まさか言った5分後に薬できるとは…ま、面白かったけど…マックイーンの作るカルピスくらいだったのが不味かったな。」

    原稿用紙を前にヒソヒソと全く反省する気のない反省会をする2名の問題児。
    その最中、タキオンは懐からおもむろに透明な何か液体の入ったカプセルを取り出し眺める。

    「確かに、今回の結果を見るに……"これ"は10倍以上希釈した方がいいかもしれないねぇ」

    流石にここまで堂々と2人が言う懲罰房に再び世話になる気満々の会話をされて黙って見ている女帝ではない。

    「ええい、貴様らさっさと書かんか!!と言うかタキオンは何を持っている!?没収だ!!」

    そう言っておもむろにタキオンからカプセルを取り上げて自身の懐にしまおうとしたその時、エアグルーヴは手を滑らせカプセルを割ってしまった。

    「あ!?ヤベェぞタキえもん!!!」

    割れたカプセルから漏れた液体はすぐに気化して赤い煙となり、割ってしまった本人の気管に吸われてしまった。

  • 18二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:14:07

    時間はアドマイヤベガがタマモクロスとイナリワンを何とかしてフワフワできないかと思案していた時まで遡る。


    彼女がアホな事を真剣に悩んでる時、ターゲットである2人は学園の多くのウマ娘に揉みくちゃに囲まれ質問責めに遭っていた。
    その原因は勿論、先に繰り広げられていたオグリキャップとツインターボの熱い討論に他ならない。

    そんな現場を見たアドマイヤベガは「これだ!!」「今がチャンスだ!」と言わんばかりにダンゴ状になった集団の中へ飛び込み、どさくさに紛れてフワろうと画策したのであった。そして、見事タマモクロスとイナリワンをフワる事に成功したのだが…

    この時、これをチャンスと飛び込んできたのはアドマイヤベガだけではなかったのだ。


    そう、ゴールドシップだ。
    しかも間違いなくロクでもないことを考えている顔のゴールドシップだ。

    それに気がついた、フワフワに夢中な一名を除いた多くのウマ娘は「げぇっ ゴルシ 」と言わんばかりに距離を取る。
    タマモクロスもイナリワンも突然の乱入者にフワフワされていることに気がついていない。

    「お、おぅゴルシ…なんや、助かったで…」

    「別にアタシは用があって来ただけだし?ほら、お前ら人のプライベートを根掘り葉掘り芋掘り聞くもんじゃねーぞ」

    そう言って集団を散らしたゴルシはおもむろに焼きそばらしき物を取り出した

  • 19二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 07:26:22

    続きを待ちます

  • 20二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 12:53:46

    癒し系のスレかなと思ったらなんか変なのが出て来て困惑してるんだ
    とりあえず完結を見たい

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 13:19:56

    スーパークリークは生まれてはじめて、ほんわかフワフワした気持ちになった

  • 22二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:01:57

    懐から差し出されたものについて、ゴールドシップの原稿用紙3枚半位に収まる程度の話を一言で纏めると、味を見て欲しいとの事だった。
    何でも以前、焼きそば修行の際に成果を見てもらった縁だからと言う事でタマモクロスの前に現れたと言う。
    また江戸っ子視点の粋な感想が欲しいと、隣のイナリにも試食を頼んだ。

    トナリノイナリ…フフッ

    「これは…!食う前からわかるッ!?この香り、ゴルシまた腕を上げおったな!?」

    「本当にゴルシ、お前さん器用だよなぁ…よし、このイナリ様!ご相伴に預かるからには、じっくり味合わせてもらうぜい!!」



    さて、この間お気付きだと思われるがアドマイヤベガは未だにタマモクロスとイナリワンをフワフワしているのだが…何故、ここまで誰もそれについて指摘をしないのか不思議に思うのも無理はない。

    ズバリ説明すると、アドマイヤベガはステルスフワフワを習得していたのだ。

    常日頃より、寮ではルームメイトをフワフワし、教室ではクラスメイトをフワフワし、世代で集まれば同期をフワフワし、廊下でフワフワを察知すればフワフワする。
    そうして、フワフワを積み重ねていった末、始めこそは初回のフワフワ以降警戒されてしまい2回目3回目と回数を重ねる度にフワフワの難易度が上がっていった。
    そしてまずは高速フワフワを習得した。
    そして高速フワフワを対策された頃、一度フワフワ欠乏症に陥ったアドマイヤベガが出した結論は…

    ── 気がつかれなければフワフワし放題

    そして、研鑽を重ね修得したのが、綿のように軽い動きにて水鳥の羽毛のようにさり気なくウールの如くしっかりとフワる…そして対象には気がつかれない

    そんな夢のような技術を身に付けたのだ。

  • 23二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:06:48

    フワフワの続編を待っています

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:27:52

    何なのだこれは…(戦慄)

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:42:29

    アドマ・イヤーは地獄耳···

  • 26二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 20:52:23

    タマモ先輩のフワフワは…

    これはハヤヒデさんやネイチャさんのフワフワとは違って肌で触れて正に!と感じるものではなく…

    そう、ウララさんと同系統のフワフワ…!懐に抱えることにより感じる温もりでメンタル的にフワフワとするタイプね。そしてこの染み付いた浪花を彷彿させるよいたな香り…ソースかしら?例えるならばフワフワのお好み焼き…勿論押し焼き厳禁、ホッとするような…そんなフワフワね。


    対してイナリ先輩は…

    なんと言ってもこのツインテールの暴力…ダート路線もいけるからゴワゴワかと思えば何としっかりフワフワ、いなせな姉御は江戸小町…!そしてこの爽やかなイグサのかほり…やはり日本生まれの性か…強制的にリラックスされてしまう…日本家屋万歳。畳万歳。そして…そんなストレートフワフワに併せて…皆までは言わないけどドトウと同じタイプのフワフワまで持っているとは…正に大いなるフワフワね…大井だけに。



    その瞬間である、フワフワ越しに熱く滾る脈動を感じたのは。

    それはとても、レースで競い合い高め合う!…みたいな爽やか青春的なものではなく、もっと危険な蛮力…獣のそれであった。



    「タキオン見えてるか?何かすげーことになってるぞ」


    「うむ、遠くからバッチリ観察しているとも。ただ…君の言うウマソウルとは何かわからないまま夜更かしテンションで作ったものだから……離れてた方がいいかもしれないねぇ…」

  • 27二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 00:28:56

    なぜだろう、ここのアヤベさんのフワフワ解説はついつい聞き入ってしまうし、なんだか納得してしまう

  • 28二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 10:39:32

    異変は2人が焼きそばを完食した直後に始まった。

    それぞれ闘気と言えば良いのか、只ならぬ凄みが…片や空気中にピリピリと電撃が走っているかように肌を鞭打ち、片やメラメラと空気を焦がし肌を焼き付けるかのように小さな身体から迸っている。
    2人に直に触れたいるアドマイヤベガは勿論、距離が空いているゴールドシップですらその異変を肌で感じ取るほどの物であった。


    て゛や゛ん゛で゛ぃ゛!゛!゛!゛


    う゛ど゛ん゛は゛お゛か゛ず゛や゛ぁ゛ぁ゛!゛!゛


    2人同時の最早衝撃波と言っても差し支えない咆哮が学園に轟く。その衝撃のあまり、フワるのに夢中で退避し損ねたアドマイヤベガは宙に吹っ飛ばされ、あわや壁に激突しそうになるが運良く同時にステルス状態も解除されたため、アドマイヤベガの存在に気がついたゴールドシップが激突は不味いと、ワープしてアドマイヤベガを受け止めた。

    ゴールドシップもフワフワだったと後に彼女は語る。

    まるでその心は虚無の如く…周りは全て敵と言わんばかりの攻撃性を示す、ウマソウルが濃くなったタマモクロスの特殊個体
    【激昂したタマモクロス】

    抱える気性の荒さは最早弾薬庫…四面に貼られた畳を蹴り尽くしそうな勢いで暴れまわる、ウマソウルが濃くなったイナリワンの特殊個体
    【紅蓮滾るイナリワン】

    後にアグネスタキオンとゴールドシップによってそう呼称される2体の縄張り争いが始まった。

  • 29二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 10:57:05

    ゴルシワープだ

  • 30二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 18:35:31
  • 31二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 23:18:07

    なんで古龍級が2体も現れるんだよ
    ゴルシとタキオンはルール無用だろ
    それもそうか

  • 32二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 03:48:51

    「……これは一体…どう言うことなの…!?」


    フワフワをある程度摂取したアドマイヤベガはゴールドシップの胸の中で正気を取り戻した。

    そして目の前で起きている大惨事についてゴールドシップに尋ね、とにかく今はタマモクロスとイナリワンを引き離さなければ学園が物理的に崩壊しかねない事を把握した。


    「その薬がきれるまでの10分間…何とか先輩達を引き離さないと…貴女何か持ってたりしないかしら?」フワフワフワフワ


    「うーん、そうだな………!?そうだ!こんな事もあろうかとコイツを連れてきたんだった!アヤベ、コイツをお前に託すぜ!後、アタシをフワフワするのそろそろやめてくんない?」



    「!?とても凄くフワフワで凄いフワフワね…!」


    「お、おう…気に入ったなら…やるよ…とりあえずそれでタマモの方を引きつけてくれ!アタシはイナリを引きつけるからよ!!」


    そう言ってゴルシは謎の白いフワフワした動物をアドマイヤベガに託し、駆けて行った。



    「大井は江戸じゃあねぇぞぉおおお!!」


  • 33二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 04:13:35

    ゴールドシップがイナリワンの誘導に成功すると同時に、アドマイヤベガは作戦通りタマモクロスの誘導を開始した。

    先程までの縄張り争いで消耗していたのかタマモクロスに追い付かれる事なく、程よい距離で学園構内から屋外へと誘い出す。
    首に巻き付いた白いフワフワを堪能しながら、何故自分がこんな事をしているのかと至極真っ当な疑問を思いながらアドマイヤベガは走っていたのだが、中庭に差し掛かった時、不意に首元から白いフワフワが立ち去ってしまったのだ。

    「あ…!?フワフワが……!!!」

    ハンターを兼業しているトレーナーであればご存知かと思われるが、エンエンクは1、2分くらいでいなくなるものである。しかし、ハンターじゃないアドマイヤベガは急にフワフワが消えたことにより集中力を欠き余所見をしてしまった。
    そして、ハッと気がつくと背後より猛然と迫る激昂したタマモクロス。

    ぽよん ふわっ 

    もうダメだ!!とその時、アドマイヤベガは前方にいたフワフワしたものとぶつかった。
    このフワフワは…そう、例えるなら母なる安らぎ…。


    「あらあら〜」

  • 34二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 07:42:41

    でちゅ・エクス・マキナ

  • 35二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 09:49:02

    あれ?これアヤベさん別にでちゅねされるような悪い事してないんじゃね?むしろ暴れるタマを誘導すらしている。
    あとイナリを引き付けるセリフで笑ってしまった。そりゃ反応するわ

  • 36二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 18:07:19

    一体我々は何を見せられているのだ…
    投稿時間的みるにまた今晩も書くのかな?

  • 37二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 19:31:40

    このレスは削除されています

  • 38二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 06:39:16

    このレスは削除されています

  • 39二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 07:01:47

    続きを期待

  • 40二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 18:34:27

    今晩完結させます

  • 41二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 19:03:00

    待ってるぜ

  • 42二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 05:12:02


    ──
    ───
    ────

    「あの時はアヤベちゃんが急に気を失ったのでビックリしちゃいました。」

    スーパークリークの話によれば、当時彼女はタマモクロスとイナリワンが沢山の生徒に揉みくちゃにされて困っている気がしたので、母の勘を頼りに2人を助けに向かった道中、中庭を抜けようとしたら目的の方向からアドマイヤベガとそれを追いかけてきた激昂したタマモクロスに鉢合わせたそうだ。

    ────
    ───
    ──


    己の胸の中で気を失うアドマイヤベガ。
    普段はしっかり者でちゃんとしている子が無防備をこうも晒している姿を前に母性が噴火しそうになるが、そこは流石の歴戦ママ。
    でちゅる優先順位は違えない。
    一旦アドマイヤベガをベビーベッドに優しく寝かせた後、迫り来る激昂したタマモクロスに対して真っ向からぶつかる。

    「タマちゃん今日はとても元気でちゅね〜。でも…オイタはダメですよ?」

    まるでけん玉の"とめけん"が一発で決まるかの様に…慣れた手つきで激昂したタマモクロスを仰向けに腕の中へ抱え、更に反撃の隙もなくおしゃぶりと涎掛けと言う枷をつけ、あっという間にでちゅねが完了する。

    そしてでちゅね化したタマモクロスをおんぶ紐で背中に封じ終えた上で、先程気を失ったアドマイヤベガを甘やか…看護すべくベビーベッドから彼女を取り出した。

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 05:34:07

    このレスは削除されています

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 05:45:17

    完全にでちゅられる前に意識が戻った事、イナリという優先でちゅり対象がまだ残っていた事、どちらか欠けてたら逃げ切れなかった。運がいい

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 13:11:10

    >>43を訂正したものです


    ─…

    ──…

    ───…


    「で、すぐにアヤベさんは目を覚ましたんですね?」


    「そうなんですよ…残ねn…いえ、すぐに意識が戻って安心しました。」


    なるほど…と、アドマイヤベガが何故中途半端にでちゅられていたのか合点がいったカレンチャン。

    アドマイヤベガは一度スーパークリークの目の前で気を失ってしまった為にでちゅらてしまったが、全身でちゅられる前に意識が戻ったため、最悪の事態を回避したのだ。

    先程から部屋の隅のベビーベッドに横たわるタマモクロスとイナリワンのでちゅられっぷりを見て、もしアドマイヤベガが全身でちゅられてしまったら…と、カレンチャンは戦慄した。


    ───…

    ──…

    ─…


    激昂したタマモクロスに追われる事…それは殺気にも等しい激しき激しい感情を常に背中へと浴びせられるため、肉体的には勿論、精神的にも大きなプレッシャーがかかる行為である。

    そんな極限状態に置かれた中で母なるフワフワを持つスーパークリークに触れてしまえば、それはもう一瞬にして心身共に安心感を覚え、緊張の糸も切れるものだ。

    恐らくアドマイヤベガの本能は絶対的なママみに安心感を覚えたと同時に心身を癒すべく気絶と言う選択肢を取ったのだろう。

    しかし、でちゅられる事に対し無意識に防衛本能が働いたのか、アドマイヤベガはスーパークリークの胸の中ででちゅね完了の証とも言えるおしゃぶりをつけられてしまう直前のタイミングで目を覚まし、僅かに回復した気力で立ち上がり、


    「く、クリーク先輩…!後は…イナリ先輩がまだ向こうで…えっと……迷子になっています!!」


    「まぁそれは大変!早く行かないといけませんね!!」


    そう言って自分が逃げてきた方へスーパークリークを誘導し、命からがら何とか全身にでちゅねが回る前に部屋に戻ることができたのだ。

  • 46二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 01:03:26

    このレスは削除されています

  • 47二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 01:46:29

    ── call

    『やぁゴルシ君、上手く誘導しているようだねぇ』

    『薬の効果は…ふむ…後5分ってところかな?』

    『アヤベ君はどうしたかって?安心したまえ。一度は追いつかれそうになったがそこにスーパークリークが鉢合わせてねぇ……後は君の想像通りさ。』

    『……一旦通信を切らせてもらうよ。まぁ何とか無事でいてくれたまえよゴルシ君。』

    ──

    屋上から今回の出来事を観察していたアグネスタキオンは視線を地上から自分の背後へと移す。

    「…私は実験で忙しいのだがねぇ……要件があるなら手短にお願いするよ。」



    「副会長殿。」

  • 48二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 02:33:59

    「ゴルシちゃん、逃げは苦手なんだよな〜」

    タマモクロスが制圧された頃、紅蓮滾るイナリワンを引き連れて学園内を走り回るゴールドシップは考える。
    時にはゴルシちゃん号を駆り…時には強敵(とも)である大王イカのイカ墨で姿を眩まし…これまでのイタズラで培った手練手管を駆使して逃げ回っていたが、そろそろ逃げるにゴールドシップは飽きていた。

    「さっき無線でクリークが出現したってタキオンが言ってたよなぁ……よし!」

    何かを思いついたゴールドシップは帽子の中からニ枚の写真を取り出し、それを近くの壁と同化していたアグネスデジタルに向かって投げ渡した。

    「こ、ここここここ…この写真ははわわわほわぁぁああああああああ!!!?!?」

    その瞬間、アグネスデジタルは周囲に強烈な閃光を撒き散らしながら爆ぜた。それを利用しゴールドシップは紅蓮滾るイナリワンから身を隠す事に成功した。

    「いやー持ってて良かった。ウオッカの奴が自分では使わなさそうない可愛い小物を選んでる時の写真とスカーレットが本屋でバイク誌を立ち読みしてる写真。…さてと……」

    「おい…何が『さて』だ。」

    【ナリタブライアン   が】
    【クエストに参加しました。】

    隠れているゴールドシップの後ろからやってきたのは、一連の騒ぎを聞きつけてやってきた生徒会副会長のナリタブライアンである。

    「イナリワンのあの様子……お前だけの仕業ではないな?」

    「おいおい、"仕業"って何だよ!?まーるでゴルシちゃんがトラブルメーカーとでも言いたげじゃねぇか?メーカーって何か工場長みたいな感じで味気ねーんだよ!マイスターにしておくれよ!職人!!」

    「とりあえず生徒会にまで来い。」

  • 49二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 02:42:24

    「待てよぶーちん。アタシを生徒会へ招待してくれるのは良いけどさ、あの激辛稲荷寿司を放っておくわけにはいかねぇだろ?」

    己を捕まえにきたナリタブライアンに対し、ゴールドシップはまず紅蓮滾るイナリワンを諌める事が先だと説き、更にそのための策を伝えてきた。
    それに対しナリタブライアンは生徒会の一人として事態の収集及びその策自体に興味を持った為、ゴールドシップの策に乗ることにした。

    「一つだけ言わせろゴールドシップ。」

    「なんだよぶーちん、ゴルシちゃんのプランに文句は言わせねーぞ!!」


    「その"ぶーちん"ってのはやめろ。」

  • 50二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 10:41:39

    タマが大人しくなったし、後はクリークが紅蓮イナリをでちゅねして一件落着……になると思ったら、なんだか話が大きくなって来たな。

  • 51二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:01:13

    「だがあの様子で上手くいくのか?」

    「ああ、あれはただ凶暴になったわけじゃねぇ…ウマ娘の魂の底に眠る…ウマソウルを解放しただけだ。だからウマ娘としての本質…本能はそのままだ。じゃあグラウンドに行こうぜ!!」

    そう言って、ゴールドシップは身を隠すのをやめて再び紅蓮滾るイナリワンの前に躍り出て、ナリタブライアンもそれに続く。

    グルルルル…

    紅蓮滾るイナリワンが牙を向く。およそ身長ハルウララ以下の小さな身体のウマ娘が出していい殺気ではない。
    しかしそれに怯む破天荒と怪物ではない。

    「イナリ!!レースしようぜ!!!」

    「!?」

    暴走しているにも関わらず"レース"と言う単語に反応した事に手応えを感じたゴールドシップは着いてこいと身振りで伝え、紅蓮滾るイナリワンもそれに応えるようにグラウンドへ駆けて行った。

  • 52二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:31:50

    つい数分前、学園を揺るがし響き渡る謎の衝撃(原因はタマモクロスとイナリワンの縄張り争いの余波)があったため、全生徒に対し一時教室に待機と生徒会からの指示があり、本来ならグラウンドにはゴールドシップ、ナリタブライアン、紅蓮滾るイナリワンの3人しかグラウンドに居ないはずなのだが、観覧スペースやターフの周りにはウマ娘達がいくらか集まっていた。

    どこで誰が見て話したのかわからないが、ビッグネーム3人が突如グラウンドでレースをすると話題を呼び人を集めてしまったようだ。
    流石に僅か数分でここまで人が集まるのはおかしいとナリタブライアンが訝しむも、

    「チャージ3回!"フリー"エントリー!ノンオプションレース!!」

    「3…2…1…Go、Shoot!!」

    観衆を一瞥したゴールドシップが大きな声でカウントを切りレースは始まった。

  • 53二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:36:53

    カブトボーグなのかベイブレードなのか…

  • 54二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 20:02:55

    レースはゴールドシップ、イナリワンが共にまさかの先行策を取るというイレギュラーかつ、ナリタブライアンも今回は先行策を取っていたので、先行3人による正に互いにぶつかるかの如く鬩ぎ合う横並びの展開となっていた。

    レース開始直後、ナリタブライアンはゴールドシップが示した謎ルールや不自然にグラウンドへ集まった生徒達に対し不信感や疑念を抱いていてが、そんなものはすぐに投げ払った。
    永世三強に名を連ねるイナリワンについては言うまでもなく、あんなんでも凱旋門挑戦クラスのゴールドシップ。
    この強敵達を前に勝負以外の事を考えるのは無粋だと。
    ナリタブライアンは生徒会副会長である前に一人のウマ娘なのだ。

    そしてレース後半、この強敵達を喰らうべくナリタブライアンが脚に力を込めた瞬間、

    「……きたぜ…」

    ゴールドシップが呟くのが聞こえた。
    その瞬間、このレースはあくまでも紅蓮滾るイナリワンを抑えるための作戦であって、勝負ではない事を思い出した生徒会副会長はスパートをかける事なく、そのままスパートを切った紅蓮滾るイナリワンの背中をゴールドシップと共に見送った。

  • 55二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 07:03:25

    じっくりでも頑張ってくれ

  • 56二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 17:59:15

    その時である

    「迷子のイナリちゃんはここですか〜 ?」

    「グワーッ!」

    突然のアンブッシュ、甘やかし魔のエントリーだ。

    170近い巨体に腰まである栗毛の三つ編みを靡かせ、駆けるイナリワンを襲撃してきたのはスーパークリーク。
    そのバストは豊満であった。

    観衆を割り、横から飛んで来たスーパークリークの一撃は正に不倶戴天。容赦なき一撃で勢いのままにイナリワンを捕らえ、そのままグラウンドを去って行く。

    スーパークリークの背中にはタマモクロスがおんぶ紐で括り付けられており、その無惨にもでちゅられた姿が捕らえられた者の運命を寡黙なれど雄弁に語っていた。

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 17:59:55

    このレスは削除されています

  • 58二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:50:29

    ──
    曰く…無差別甘やかし罪を犯す者風紀委員会及び生徒会総出による大捕物の末に捕らえられるも、数日間のでちゅね禁止令を受け入れる事を条件に釈放されたと云う。
    ──

    「あの状態のイナリワンをいとも容易く制圧するとは…だがそれを利用しようとするお前もイカれてる。」

    「いやー、ブライアンが来てくれて助かったぜ!多分アタシだけだと時間稼ぎのレースに乗ってくれるかイマイチ微妙だったからな。三冠ウマ娘様々ってとこでぃ!」

    ゴールドシップの策とは、紅蓮滾るイナリワンをその場に留める事によりスーパークリークを誘き寄せ、そのままイナリワンを制圧してもらおうと言うシンプルなものだった。
    この策はタキオンの無線からクリークの存在を確認した時より既に練られていたとは本人談。
    更に、最近のスーパークリークはある出来事により、でちゅね不足となり暴走状態寸前になっていた事も勘定に入れての策だったと言うのも本人談。

    「これにてゴルっと一件落着!!いやーおつかれ!おつかれ!んじゃ、アタシはこれから世界海藻食普及サミットに出るからまたなー」

    「はいそうですか、と逃すわけないだろ。さっさと生徒会に来い。」

    スーパークリークに攫われるイナリワンを見送りながら、どさくさに紛れてフェードアウトするつもりのゴールドシップだったが、そこは流石のナリタブライアン。しっかりと下手人を捕捉している。

  • 59二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 01:34:16

    母は偉大だなぁ(棒

  • 60二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 01:51:37

    ナリタブライアンが生徒会の仕事をこなしている…!
    けどこれ生徒会の仕事かな? 
    いや治安維持みたいなもんだし生徒会の仕事っぽい気もするけど…
    いや、生徒会の仕事なのか?

  • 61二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 07:31:49

    作戦のためとは言え少々…いや、だいぶ燃焼不足な走りをした事に不満を持ちつつも、ナリタブライアンは生徒会の仕事を全うすべくゴールドシップの腕を掴み生徒会室へ引き上げようとした

    その瞬間。

    🌸🌸🌸

    殺気とも情愛とも形容し難き、溶けた鉛の如き熱く重くドロっとした何かを背後から感じた。

    「ブライアンちゃん♡」

    「ローレルか……見て通り私は仕事中だ。」

    「でもブライアンちゃんの顔、走りたがってる顔だよ?」

    「お前に構ってる場合じゃない。」

    「走ろうよブライアンちゃん♡」

    「…チッ…!」

    これ以上問答を繰り返しても埒が開かない。そう思ったナリタブライアンは踵を返しサクラローレルを振り切ろうとしたが…

    「私も走りたい…」
    「三冠ウマ娘と戦いたい!」
    「野良レースでもかまわない!」
    「挑みたいッ!!」
    「これは僥倖。」

    気がつけばさっきまで観衆としていたウマ娘達がブライアンを囲むようにグラウンドへ降りてきていた。

  • 62二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 07:59:48

    サクラローレルが
    しょうぶを しかけてきた!  ▼


    「何のつもりだお前ら…!?」

    「だって…」


    「「「フリーエントリーでしょ」」」


    「ゴルシめ…謀ったな…。」

    そもそも突発的なレースに対し何故か集まってきた観衆、レース前にゴールドシップがわざわざ大声で謎ルールを示したのは何故か…そう、それらもゴールドシップの策であった。

    全生徒に教室待機の指示が出ている中、おそらく多くのウマ娘達は時間を潰すためにスマホを弄っているだろうと言う推測の元、LANEやウマッターなどSNSで一言「三冠ウマ娘vs永世三強が見られるぞ」と呟けば、生徒の中でも血気盛んなタイプのウマ娘達やナリタブライアンに対してただならぬ想いを抱えているウマ娘が教室を抜けてまでやってくるだろうと見越し、更に「フリーエントリー」と言うワードを示す事によりナリタブライアンに挑みたがる層を煽り、ナリタブライアンにぶつける。

    そんなゴールドシップの策は上手くハマり、そのままゴールドシップはグラウンドから逃げ果せる事に成功した。

  • 63二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 18:32:22

    応援保守

  • 64二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 00:59:05

    ゴルシめフルアニ民かボーグバトラーなんだと思ってたら、とんでもない策を仕込んでいやがるぜ


    読み返したら>>52のフリーエントリーのとこ「"」で強調して伏線張ってたのか

  • 65二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:26:11

    ── call

    『タキオーン?おーいタキオン?』

    『………』

    ──

    生徒会からの刺客を撒いたゴールドシップはその後、共謀者であるアグネスタキオンへ何度か無線での連絡を試みるも反応がないので、自分に追手がいないことを再度確認した上で彼女の研究室へ向かうことにした。
    航路も決定し、それじゃあ行くか!と廊下の曲がり角に差し掛かろうとしたその時である。

    「やぁやぁゴルシ君。無線にでれなくて申し訳なかったねぇ…。」

    「た、タキえもん!?生きていたのか…」

    「勝手に殺さないでくれたまえよ。まぁこの通り私は無時……」




    「…ではないんだ。残念なことに。すまないと思ってるよ。」

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:32:02

    ジャーン
      ジャーン
        ジャーン

    「このたわけ共め、詳しい事情は生徒会室で聞かせてもらうぞ。」


    「 げぇっ エアグルーヴ 」


    アグネスタキオンの背後より現れたのはもう一人の生徒会副会長エアグルーヴ。
    その貼り付けたかのような笑顔には、わかりやすいくらいまでに青筋が浮かんでいる。

    ─ ダメだこりゃ

    ここらが年貢の納め時と観念したゴールドシップは思いのほか素直に連行されていった。


    「ギャルは許してくれるかな…?」ヒソヒソ
    「無理だろうねぇ」ヒソヒソ

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:23:22

    信じてやってください

  • 68二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:35:34

    恐らく誤変換と思われる誤字が多いけどネタの詰め込み具合は好きよ

  • 69二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 02:47:20

    待て慌てるな、これはタキオンの罠だ

  • 70二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:34:48

    ここまで回想アンド過去編

    アヤベさんはいつフワフワできるんだ…

  • 71二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:40:39

    いっそ学園全員をフワフワしてしまえ

  • 72二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:55:24


    ──
    ───
    ────

    この度の出来事について、カレンチャンはあくまでスーパークリークのみからの視点のみでしか聞くことができないため、何故タマモクロスが暴走していたのかなど謎は残るが、取り敢えずアドマイヤベガの症状は目の前の魔王によって齎された事は確認できた。
    そして、部屋の片隅で完全にでちゅられたタマモクロスとイナリワンの姿を見て、自分のルームメイトは半分でちゅられる程度で良かったと心底思うカレンチャンであった。

    それじゃあこれで、と踵を返し立ち去ろうとしたその瞬間である。

    まるで、膝下の水位の川でも流れが速いと水圧により足が重くなり動かせなくなるように、部屋を去ろうとしたカレンチャンはまるで全身を水圧で押さえつけられたかのように動けず立ち止まってしまった。


    「それにしてもカレンちゃんはえらいですね〜アヤベちゃんのためにここまでくるんですから」




    「いい子いい子してあげますね。」



    「さぁ、ママの元へ…」



    ─ カワイイは抗えるのだろうか

  • 73二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 07:16:40

    あ…悪魔(ママ)たん…

  • 74二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 19:18:34

    まるで重量が増したかのように足は前に進まず、それどころか平坦であるはずの床が背後に佇むスーパークリークに向かってゆっくりと傾いているたかのように、どんどん背後へと引き摺り込まれるような錯覚に陥るカレンチャン。

    そんな重圧と恐怖を感じさせる一方で、仮にこの激流に身を委ねて後ろへ落ちたとしても、きっと優しい温もりが我が身を受け止め、余す事なく甘やかしてくれるし…と、まるで抗う事を諦めさせるようなママみを放つスーパークリーク。

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 19:44:12

    「貴女は可愛い赤ちゃんじゃない。」

    「カワイイカレンチャンなんでしょ?」


    もうダメだと諦めかけたその時、誰かの声が聞こえると同時に、その誰かに手を引かれてカレンチャンはスーパークリークのプレッシャー圏外へと脱することができた。

    「全く、こんな無茶するなんて…らしくないわね」

    「一体誰のせいだと思ってるんですか?……ありがとう、アヤベさん…。」

     

    ─ アドマイヤベガッ 復活ッッ

  • 76二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 20:14:35

    可愛海王…

  • 77二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 08:11:39

    保守応援

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 17:38:29

    この引き伸ばし感…まるでアニメ版ドラゴンボールみたいだな…

  • 79二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 00:00:19

    >>78

    だったら前回あらすじとナレーションとBGMも入れたらいいだろ!

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 11:12:49

    かなりスローペースな中見てくれてありがたいです
    また今晩書きますね。

  • 81二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 14:08:57

    面白いから無理ない程度に続けてほしいし…

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 22:55:24

    Dragon Ball Z Prologue 1

    半分赤ちゃんと化したアドマイヤベガを救うべく単身スーパークリークの元へ向かったカレンチャン。


    そこでカレンチャンは恐るべき真実を知ると共に、スーパークリークの魔魔の手にかかろうとしていた…。


    もはやカワイイも通用せずもうダメだと諦めかけたその時、カレンチャンの手を引きピンチを救ったのは…


    なんと復活したアドマイヤベガだった。

    果たしてこの戦いの行方は……



    『戻った平和!?フワフワは終わらない!』

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 23:34:42

    深淵へ沈みかけたカレンチャンを抱き寄せコンマ数秒フワフワすると同時にスーパークリークと距離を取り、アドマイヤベガはスーパークリークと対峙した。

    「クリークさん…あの時以来ですね……」

    「あらあらアヤベちゃん…あれから姿が見えなくて心配してたんですよ〜。」

    距離を取ったとしても、気を抜けばあのフワフワな母性に引き込まれてしまう…。
    そんな緊張感が張り詰める中、スーパークリークは懐から一つのおしゃぶりを取り出した。

    「このおしゃぶり…覚えていますか?あの時アヤベちゃんが忘れていっちゃったものです。」

    そう…スーパークリークが取り出したのは、タマモクロスを捕らえた時、アドマイヤベガにもつけようとしていたおしゃぶりだ。その時はつけられる直前に目を覚まし、イナリワンへ標的をズラすことで何とか逃れられたが…。
    ここに来てそれを取り出すと言う事は、改めてアドマイヤベガに対してスーパークリークがでちゅねると宣言したも同義である。

    正直言って、カレンチャンと二人協力して対抗したとしても彼我の戦力差は絶望的…とまでは言わずとも逃げ切る事は難しい。

    せめてアドマイヤベガ/カレンチャンが受けるであろう、でちゅねの半分でも自分が庇えれば…とお互いが考えていたその時であった。

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 10:20:24

    「ボーッとしとる場合ちゃうで!」

    二人が覚悟を決めた矢先、スーパークリークの気に乱れが生じ隙が生まれた。
    そう、蘇ったタマモクロスがスーパークリークを羽交締めにして抑えたのだ。
    更に同じく蘇ったイナリワンが自慢の末脚を爆発させて、スーパークリークの手中にあったナリタタイシンを奪い、アドマイヤベガに託してきた。

    「お二人さんよ、この場はあたしらに任せてタイシンを連れて逃げてくれ!」

    そう言ってイナリワンは踵を返し、スーパークリークを正面から抑えた。

    強大な魔王─ママ─をたった二人で抑え込むその凄まじい光景にアドマイヤベガとカレンチャンの足は竦む…。
    そして腕に抱えたナリタタイシンはとても軽く、まるで短毛の猫の如きフワフワ感があった。

    「初めてですよ…ここまでママをてこずらせた困ったちゃん達は……。」

    押さえつけられてから初めてスーパークリークが口を開いた。

    「まさかこんなにも早く反抗期がくるとは思いませんでした…。」

    口調は穏やかながらも激情が込められ、その一言一言がその場の重力を増すかのようにプレッシャーを放つ。
    そしてプレッシャーが最高潮に達した一瞬の静かさの後に激情は爆発する。

    「ぜったいににがしませんよ私の赤ちゃん達!!!!!」

    「じわじわとなぶり甘やかしてあげます!!!!!」

  • 85二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 11:58:15

    ここにきて、更に力を増すスーパークリーク。

    せっかく蘇ったタマモクロスとイナリワンが再びでちゅられる…それどころかこの場にいる全員がでちゅられるのも時間の問題だろうと、誰もがそう思わざるを得ない中でタマモクロスとイナリワンだけは何か勝機を見出してるかのような目をしていた。

    そしてその時は近づいてきた。


    グルルルルrrr゛rゥ・・・…

              Gaルゥルルルルル・・・

      Gu゛ギュルルルルルルLurrrrr・・・


    まるで地の底から響き、大気を震え上がらせるような…聞くも悍ましき地獄の悪魔の唸りか、飢えた怪物の咆哮か、とにかく地鳴りのような得体の知れない振動音がビリビリと寮全体に轟いた。

    「アヤベ!カレン!はよ逃げんと巻き込まれるで!!」

    タマモクロスに発破をかけられたアドマイヤベガとカレンチャンはハッと気を取り直し、脱出を開始した。

    「お二人さん!悪いがターボの事をよろしく頼む!!きっと寂しがってるからよ!!!」

    後ろから聞こえるイナリワンの頼みにアドマイヤベガは振り向かずにサムズアップで応えた。
    そしてアドマイヤベガ、カレンチャン、ナリタタイシンはこの場から逃げ果せたのであった。

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 19:25:47

    >>78

    >>79

    本当にドラゴンボールに寄せてきて草

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:03:23

    保守させていただきますわ〜

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 12:19:07

    続き楽しみにしてる

  • 89二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 12:26:55

    ここまでデジタルが爆発四散したことへのツッコミ無し

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 20:08:36

    デジタルなら半日もあれば復活するし

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 06:29:22

    保守agd
    また晩に書きます

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 07:16:15

    楽しみに待ってますぜ

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 12:40:23

    魔の手ならぬ魔魔の手は笑ってしまった

  • 94二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 22:56:16

    「あぁ…!?タイシンちゃん…アヤベちゃん…カレンちゃん…私の赤ちゃん達……!!」

    この場から去りゆく獲物達の名前を惜しげに呼びながら追走しようとするクリークを何とか食い止め、時間を稼ぐイナリワンとタマモクロス。

    「クリーク…お前さんにとって、でちゅねや甘やかす事は最早生活の一部と言っても過言じゃねぇ…そいつを期限付きとは言え禁止されたことにゃあ同情するぜ…」

    「せやけどなぁ…ここでアンタを野放しにしとったら、トレセン学園の悉くを(甘やかし)滅しかねん……親友としてウチらはアンタの暴走を止めなアカンのや!!」

    しかし…その抵抗も長くは持たず、まずはタマモクロスによる羽交締めが振り解かれ、その勢いのままイナリワンも弾かれた。


    「…そうですか、そうですか。……そんなに二人とも赤ちゃんに…いいでしょう。お望み通り、これまで以上に!全力で!完膚無きまでに!甘えさせてあげますね♡」


    「けっ!じゃあ何かい、今までは本気じゃあ無かったと?…てやんでい、このイナリ様も甘く見られたもんだねぇ。」

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:55:11

    スーパークリーク改め、

    ── 無差別甘やかし罪を犯した罰として、おおよそ2週間程のでちゅね禁止令を課せられた事で著しい甘やかし不足に陥り、その反動で極めて強大なでちゅね欲や母性を内包するに至り…対峙した凡ゆる存在(の尊厳)を悉く(甘やかしたり、でちゅねで)殲滅するスーパークリークの特殊個体 ──

    【悉くを殲ぼすスーパークリーク】

    と、後にトレセン学園の有識者によって呼称される存在の前では、如何に実力者だとしても二人では敵わないのは明らかである。そして、スーパークリークが再び二人を赤ちゃんにせんとかかろうとしたその時、タマモクロスが待ったをかけた。


    「クリーク…今回ウチはどのくらい長い時間、赤ちゃんにされとったんやろなぁ…?」

    g゛urr゛rrrrrrrrr゛……

    「1日か?2日か?…そんなところか?」

    gyu゛rrrrlu゛rRRRRR゛……

    「なぁクリーク、今回はでちゅねに夢中になりすぎて…」

    GU゛LuRRRRRRRRRR゛゛rr・・・

    「ウチを赤ちゃんにする時に絶対に守らなアカン約束がある事を忘れてたやろ?」

    「!?」

    スーパークリークのガラガラを持った手が止まる。
    そしてタマモクロスはわざとらしくも話を続ける。

    「いやー、ウチが居らんと誰が"怪物"の面倒を見てくれるんやろなぁ〜。」

  • 96二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:58:45

    気がつけば…


    学園を揺るがす地鳴りの如き怪物の唸りが部屋の扉のすぐ向こう側に来ていた。



    GU゛RRR゛RRRRRR゛RRR・・・






    「しかし、なんちゅう腹の音や……ホンマごめんなぁ…」

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 00:10:17

    プリティの姿か?これが…

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 01:12:54

    場所は変わり栗東寮談話室の一角。

    そこではチームカノープスことツインターボ、ナイスネイチャ、イクノディクタス、マチカネタンホイザの四人で談笑をしていたが、一人だけ美浦寮生のツインターボはそろそろ門限だから…と、寮に帰るべく立ち上がるが、それを他の3人が呼び止める。

    「ねぇターボ、その…イナリさんがいつ戻ってくるか分からないんだよね…?なら、今日はアタシの部屋に泊まっていかない?」

    加えて、朝には絶対起きれる目覚ましもあるよ。と言うのはナイスネイチャ。
    続けてイクノディクタスとマチカネタンホイザも

    「各寮長さんには話を通していますので心配はありませんよ。何なら私の部屋でもいいですよ。勿論、マックイーンさんの許可は頂いていますから。」

    「そうだ!いっそ日替わりでみんなのお部屋に一泊ずつしっていくのはどうかな?それに今ならフクちゃん先輩の占いもついてお得だよ!!」

    イナリワンの行方が知れず(赤ちゃんにされていた)美浦寮の部屋で一人となっていたツインターボを心配するチームメイトからの暖かい言葉だったが、

    「みんなありがとう!…でも、イナリが帰ってきた時にターボがいないとイナリに心配かけちゃうし…それにターボは一人でも大丈夫だって所イナリに見せたいもん!!」

    「そっか…でも頼るべき時は頼ってよね。」

    「そうですターボさん、人に頼る事ができるのも一人前の証ですよ。」

    「なんなら私達を美浦寮に呼んでもいいからね!!」

    「本当にみんな…ありがとう!何かあったら絶対に言うから安心して!じゃあまた明日ね!!」

    素直に感謝を伝えた上で、それでも大丈夫だと…仲間が気にかけてくれている事を理解しているからこそツインターボは気丈な返事をして栗東寮の談話室を抜けてゆく。

    「……イナリ…今日は帰ってくるかなぁ…。」

    小さな呟きが冷たい廊下の空気に溶けて消えた。

  • 99二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 06:39:00

    ─ フワフワをフワる時、
      フワフワもまたこちらをフワるのだ ─
    (どこかの哲学者:ふわーふわふ・ふーわぁ)

    栗東寮の出口へ向かうべく廊下を進んでいく途中、ツインターボは僅かにだが謎のフワフワ感…と言うよりはフワフワされているような感覚に見舞われた。
    具体的にはゆるーくウェーブのかかったツインテールを持ち上げるように掬ったり、小柄な自身の身体を後ろから誰かが抱え込んでくるような、得体のしれない感覚だ。

    「?」

    しかし人影が見えないどころか気配すら感じないこの状況、それでも確かに他人の手によりフワフワされている感触…。
    昔から学園には怪談話というのはつきものではあるが、だからと言ってそれが得意かどうかは別だし、それの当事者になれば尚のこと。
    ツインターボの顔が青ざめていく…。

    「いや、流石に空気読もうよ。」

    その声が聞こえた瞬間、不気味な感触が消える。
    ツインターボを救った声の主の方を向くと…そこにいたのはでちゅね状態から回復したナリタタイシンだった。

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 15:40:53

    続いて姿を現したのはカレンチャン。
    そして…

    ── ステルス解除。

    「いいフワフワね、ターボさん。でも…私の所にくればもっとフワフワになれるわ」

    アドマイヤベガが姿を現した。

    謎の組み合わせにツインターボは困惑するも、カレンチャンからの的確でカワイイ説明により、イナリワンは無事であることを知った事で、少しだけいつものツインターボらしい元気の良さが戻ってきた。
    尚、カレンチャンによる説明についてだが、イナリワンの尊厳などに配慮して、でちゅられた事などは伏せて、今は何やら修行的なことをしてるで誤魔化した模様。

    「そうだ♪ タイシンさん、しばらくターボちゃんの部屋に泊めてもらったらいいんじゃないかなって…カレンは思うんですけど、どうですか?」

    「!?それターボも賛成!!そうだタイシンゲーム得意だよね!一緒に遊ぼう!!」

    「…なるほど、確かにそれがいいかもね。ゲームは、まぁいいけど……とにかくよろしくね。」

    「待ってカレンさん…それじゃあフワフワはどうなるの…?小さいフワフワ二つ挟まれて寝る楽園が…」

    「アヤベさん。」

    賛成:3
    反対:1

    よってしばらくの間、ツインターボの部屋にナリタタイシンが泊まることになった。
    これが後に、ウマチューブにて電撃デビューからの大バズりで様々な界隈から注目されるゲーム実況ウマVチューバー誕生のキッカケとなるわけなのだが…
    それまた別のお話。

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 16:17:59

    ── おだやかな心を持ちながら、激しい食欲と深刻なタマモニウム不足により内なる闘争心がまるで怒り狂うかのように表へ噴き出した地方からきた怪物の特殊個体 ──

    【怒り喰らうオグリキャップ】

    実は
    "激昂したタマモクロス"
    "紅蓮滾るイナリワン"
    "悉くを殲ぼすスーパークリーク"
    これらの存在に先んじて、過去に数度確認された事がある存在であり、その度に栗東寮は勿論、美浦寮や学園カフェテリアに貯蔵されたありとあらゆる食材が消えるという…。
    そしてその力及び脅威は周知のものであり、更には有識者による解析で出現条件は突き止められていたのでここ最近までは出現を未然に防いでいたが、今回は度重なる偶然の積み重ねにより発生してしまった。


    だが、そんな怒り喰らうオグリキャップをしても…

    何と一対一では悉くを殲ぼすスーパークリークの方が僅かに押していた。

  • 102二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 17:28:16

    ── 同時刻:生徒会室前廊下

    そこに一人のウマ娘が立っていた。

    「短期間の出張だったが…まるでここに来るのが随分と久しく感じるな。」

    そこに居るだけで並々ならぬ威風を感じさせるそのウマ娘の名は…"シンボリルドルフ"
    皇帝の異名を持ち、トレセン学園生徒会の会長を務める彼女は、つい先ほど地方への出張から帰ってきたばかりであった。

    「さて、私がいない間にできた仕事でも……と言うとエアグルーヴが怒ってしまうな…フフッ、それに彼女達に現場を私が任せたんだ。ここは帰家隠座、今日は少し荷物整理する位にして明日、ゆっくり報告を聞こうかな。」

    ん、待てよ?もしかしたら…いい洒落が…と生徒会室の前でシンボリルドルフが考え込み始めた。しかしそれも束の間、もう一人ウマ娘がやってきた。

    「…帰ってきてたのか?」

    「ああ、今さっき戻ったところさ。今日は少し荷物整理しようと思ってね…君たちのお陰で出張も無事終わったよ。」

    「そうか。」

    「……ブライアン…ずいぶんらしくない疲れ方をしているな。…何があった?」

    やってきたのはナリタブライアンだった。
    ゴールドシップの策によりあらゆるウマ娘に挑戦された後、ナリタブライアンはその全ての挑戦を受けて今の今まで戦い続けていたのだ。
    尚、割愛するが決闘を申し込む者があまりに多かったため、その決闘方法は模擬レースだけではなく、トレーニングメニューを応用した力比べや大食い勝負など多岐に渡り、それらは全てトレーナー達監修の元行われたので怪我などは一切ない。しかし、ほぼ休みなく戦い続けたために精神的には疲れている。

    しかし、疲れても疲れたと弱みを言わないのがナリタブライアンだ。ただ一言、

    「まぁいろいろだ…。だが問題ない。」

    と答えるのみ。

  • 103二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 17:36:39

    クリーク強すぎやろ…これでオグリ負けたらもう止められんぞ

  • 104二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 19:20:56

    タマモニウムって、なんだ……?

  • 105二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 21:00:28

    「…君がそう言うのであれば、そうなんだろうな。」

    普段は何だかんだとサボろうとするもいざという時には生徒会副会長としての責務を果たす、そんなナリタブライアンの姿を見て思わず笑みが溢れる。
    何をニヤついてるんだと表情と目線で返事する様子は尚のこと頼もしいなと思いながらも

    「按甲休兵、お互い忙しかった身だ。どうだブライアン、お茶でも飲んで少しゆっくりしないか?お土産もあるんだ。」

    そう休みに誘う会長は珍しいなと思いつつも、いいだろう。とナリタブライアンも気持ちを切り替えた。

    そしていざまったりせん、と扉を開けようとしたその時、扉の方から勝手に開き、そして中から……

    「うぅ……中々…テクニシャンだったねぇ……」

    そう呻きながら、反省文を書くために生徒会室に来ていたアグネスタキオンが部屋の中から廊下に向かって逃げるように倒れ込んできた。

    一体何があったのか…一気に気持ちを休憩モードから仕事モードに切り替えたシンボリルドルフとナリタブライアンはアグネスタキオンが倒れた向こう側、部屋の奥に視線を向けた。するとそこには…

    逆光に照らされて影となって分かり難いが、部屋の中央でエアグルーヴがこちらに背を見せていた。
    暫くの静寂の後、エアグルーヴが気配を察したのか扉の方にいるシンボリルドルフ達の方に向く…それと同時に

    「もう…ゴルシちゃん…オヨメニイケナイ…」

    エアグルーヴの影に重なっていたまるで時計の針の様にゴールドシップが虚な感じで横に倒れていった。

  • 106二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 21:16:44

    「か、会長……それにブライアンも……」

    振り向いたエアグルーヴはシンボリルドルフ達を確認すると…違う、違うんです!と強く何かを否定する様に訴えかけてきたので、先ずは落ち着けとエアグルーヴを宥め座らせた後、間違いなく犯人と思われる二人を叩き起こし、事情を聞いた。
    アグネスタキオンの話によるとエアグルーヴは『ウマソウル増幅薬』をうっかり吸ってしてしまった結果…

    とにかく、アグネスタキオンとゴールドシップをベロベロペロペロしたのだと言う。

    ベロベロペロペロとは?具体的にはどう言う事だ?とシンボリルドルフが追求するとゴールドシップ曰く

    ─ まずはフレンチキスに始まり〜…

    と言った所で赤面したエアグルーヴが必死にゴールドシップの口を手で塞ぐので、事情聴取は終わりとなった。

    「まぁ、これ以上追求されてもそれは事情聴取じゃなくて…」

    「情事聴取になってしまうねぇ…」

    「「はっはっはっは!!」」

    「このたわけ共が!この事は絶対に許さんからな!!」

    「まぁまぁ…」

    それはそれとして、お互い怪我が無くて良かったとシンボリルドルフがこの場を収め、じゃあ改めてお茶にしようと再び休憩モードに切り替えた。


    またまたまた、その時である。


    生徒会室に据え置いてある電話のベルが鳴り響く。

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 22:32:19

    取り次いだシンボリルドルフが相手からの用件を聞き、電話を置いて開口一番。

    「フジキセキからの入電だ。栗東寮に…

     【怒り喰らうオグリキャップ】が現れた

     やれやれ…忙中有閑とはいかないようだ…。」

    生徒会室に緊張が走る。

    「加えて"スーパークリークも"暴走している。……違うかな?会長。」

    情報共有として詳しい電話の内容をシンボリルドルフが伝えようとする前にアグネスタキオンが発言した。
    会長の言葉を遮るなとエアグルーヴが怒ろうとしたがシンボリルドルフはそれを諌め、アグネスタキオンに問いかけた。

    「アグネスタキオン…君の言葉はまさに今、私が皆に伝えようとした事だ…。君は一体…何を知っているんだ?隠している事があれば全て話してくれないか?」

    ふむ、と一息置いてアグネスタキオンは答える。

    「まず初めに言っておくがスーパークリーク…彼女の暴走について私は勿論ゴルシ君は関係ない、無罪さ。」

    更に続けて、スーパークリークの暴走は生徒会及び風紀委員会が原因だと話す。

    「今からおおよそ2週間前、君達は無差別甘やかし罪を犯した彼女に罰として2週間程の甘やかし禁止令を言い渡したと思うが…それが良くなかったのさ。彼女にとって甘やかしと言うのは食事や睡眠と同等…それを奪われたらこうなるのは目に見えているというものだよ。寧ろこのタイミングでオグリキャップも暴走したのは僥倖かもしれないねぇ…。」

    更に話を深掘ると、どうやらアグネスタキオンはスーパークリークが甘やかし禁止となってから彼女の挙動が僅かにおかしくなっている事に気が付き、研究がてら監視をつけていたらしい。
    加えてタマモクロスとイナリワンの暴走について…特にこれはスーパークリークの件とは全く別件で関係なく、偶々ゴールドシップとの共同実験の末に起こしてしまったが、結果的に強い存在感を放ったタマモクロス達が偶然にも暴走を始めたスーパークリークを引きつけた為、被害は最小限に抑えられたのではないかと語る。

    「そう言う訳で私とゴルシ君には寧ろ感謝してほしいくらいだねぇ…」

  • 108二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 22:51:32

    「いけしゃあしゃあと戯言を…」

    「しかし有識者がいるなら話が早い。」

    ドヤるアグネスタキオンとゴールドシップに青筋を立てるエアグルーヴ。
    それを尻目にそろそろ行動するかと立ち上がるナリタブライアン。

    「おい。」

    「あぁ、皆まで言うな!分かってるって!!それに『後片付けまでがサプライズ』それがゴルシちゃん流よ!!」

    「やはり現場に出るか…いつ出発する?私も同行させてもらうよ。」

    「タキオン」

    とりあえず現場に出るべくナリタブライアンがアグネスタキオンとゴールドシップを引き連れて行こうとする。
    しかし…何か策はあるのか?とシンボリルドルフとエアグルーヴに問われ、足が止まる。…がその直後に

    「アタシにいい考えがある。」

    とゴールドシップが自慢げに答え、不安を覚えたエアグルーヴがそのいい考えについて内容を問おうとしたが、

    「とりあえず、学園中の食材を栗東寮に集めてくれ!あと調理器具も揃えてな!」

    それだけ言ってゴールドシップはナリタブライアンとアグネスタキオンを引き連れて現場に向かってしまった。

  • 109二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 23:08:26

    一方その現場では…
    タマモクロスとイナリワンが見守る中、オグリキャップとスーパークリークの激闘が続いていた…。

    「アカン…このままじゃあオグリ諸共ウチらでちゅられるかもしれん…」

    「何とかオグリに加勢してやりてぇが…今のあたしらじゃあ足手まといにしかならねぇ…ちくしょう!」

    徐々に劣勢へと追いやられるオグリキャップを見てタマモクロスが呟き、イナリワンもこの状況に対する歯痒い想いを口にする。

    「ん?そういや記憶は朧げだけどよぉ…タマ公や、あたし達もあんな感じで暴走してたんだよなぁ?」

    何とかできないかと考えてたその時、イナリワンが何かを閃いたようだ。

    「確かに暴走してたけど、どないするん?」

    「いや、ほら…あれでぃ、あれ!レースの時に領域を一度掴んだら次もできるようになるだろ?そんな感じで、力んだりしたらまた暴走できねぇかなって…」

    「せやかてイナリ…そんな美味い話が…」

    「うぉぉおおおお!!……!?できたぜタマ公!!」

    【紅蓮滾るイナリワン】

    「うそやろイナリぃ!!?」

    「まぁごたごた言わずにやってみろって!!」

    「え、ぬぉおおおおお!……!?…ホンマや。」

    【激昂したタマモクロス】

  • 110二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 23:30:35


    こうしてオグリキャップにタマモクロスとイナリワンが加勢する事により、一先ずスーパークリークが部屋から出て被害が広がる心配はなくなった。

    しかし問題はここからである。

    タマモクロスとイナリワンは今や自発的に暴走をコントロールできるがオグリキャップとスーパークリークに関しては誰かが止めなければ暴走したままだ。

    親友をどう救えばいいか、正気の二人が再び頭を悩ませてると…


    「火力(食材)を栗東寮に集中!タマモクロスとイナリワンを援護せよ!!」


    外から聞こえてくるこの号令はゴールドシップのものだ。

    どうやら大量の食材をこの栗東寮の共同キッチンに運んでいるようだ。

    一体何をしているのか…と思うも束の間、激闘が繰り広げられているこの部屋にナリタブライアンが入ってきた。


    「おぉ!?ブライアンか?悪いけど今取り込み中や!!」


    「…!…正気はあるのか?」


    「あたぼうよ!」


    「なるほど…これは運がいい。」


    タマモクロスとイナリワンの正気を確認したナリタブライアンは二人に作戦があると伝え、まずはスーパークリークとオグリキャップを寮の共用キッチンに誘導するように指示を出し…それに対して、このまま抑えるだけでは埒があかないと悩んでた二人は、待ってました!と言わんばかりの勢いで指示通り暴走したオグリキャップらを抑えながらキッチンまで移動を果たした。

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 23:53:02

    「……ごはん…?…ごはん!!」

    キッチンに移動してから真っ先に行動が変わったのはオグリキャップだ。
    すぐさまキッチンに集められた食材に飛びつき、まずはフルーツ類など生で食べられるものから味わい始める。

    「この反応はもはや予定調和だねぇ……」

    ここでアグネスタキオンがタマモクロスとイナリワンにスーパークリークはもう放して大丈夫だと伝え、二人は恐る恐る、スーパークリークから距離を取る。
    するとスーパークリークはずーっと食べ続けているオグリキャップを眺めていたかと思えば…

    「あらあらあら!まぁまぁまぁ!!オグリちゃんってばお腹が空いちゃったんですね!!?待ってて下さい、今からたくさんお料理作ってあげますから!!!!!」

    と、もの凄い勢いで料理し始めた。
    そもそもスーパークリークは甘やかしたくて暴走しただけで暴れるつもりはなかったから…、とはゴルシ談。

    「クリークが
     料理を作り続けて
     甘やかし欲を満たし!
     オグリが
     クリークの
     料理を食って
     食欲を満たす…!」


    「永久機関が完成したねぇ!!
     ノーベル賞物だねぇ!!

     …ま、食材が無限にあればの話だが。」

  • 112二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 00:13:54

    「まぁ、これだけあればオグリも満たされるやろ。」

    「タマ公がそう言うなら大丈夫だな。そういやブライアンは"生徒会の仕事"で来てくれたんかい?そしたら、本当にすまねぇな…今回はだいぶ迷惑をかけちまった…。」

    「気にするな。…だが事情聴取で生徒会からの呼び出しが後々あるはずだ。その時は頼む。」

    こうして一連の騒ぎは収束し、再び学園の生徒達に平穏が訪れる。…二名を除いて…。

    「いやぁ、無事に解決して何よりさ。それに貴重なデータも取れたしねぇ!特にこの暴走状態を自発的に起こせるのは興味深い現象だよ!!!」

    「めでたし、めでたし!!じゃあ、アタシはこれにて御免でゴルシ!」

    と、問題児二人がどさくさ紛れに退散しようとするも…

    「貴様らの共同実験についての話はまだ終わってないぞ。覚悟しておけ、たわけ共。」

    「信賞必罰…アグネスタキオンにゴールドシップ…私も君達のその共同実験について詳しい話を聞きたいんだ。」

    「……まぁ自業自得だな。」

    仮に反省しても後悔はしない、むしろその反省は次のイタズラや実験に活かす…そんなゴールドシップとアグネスタキオンは再び生徒会にしょっ引かれたのであった。

  • 113二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 00:25:01

    フワフワフワフワ

    「あ、静かになった……。」

    フワフワフワフワ

    「タマモさんとイナリさん…無事ならいいけど…。」

    フワフワフワフワ

    「……………」

    フワフワフワフワ

    「そろそろいいんじゃないですか〜?…」

    フワフワフワフワ

    「アヤベさん!!」

  • 114二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 07:37:53

    何とか2022年内に収めようとしたけど年を越しちゃった…

    でも間違いなく今晩書いてこのお話は〆ます
    ので保守させて下さい

  • 115二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 09:43:15

    >>114

    お疲れ様です&明けましておめでとう

    楽しませてもらってます

  • 116二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 18:43:20

    今追いついたけど…所々パロ的なネタが散らかっているな
    それが好きなんだけどね

  • 117二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 22:19:42

      フ  あ  フ
      ワ  ゝ  ワ
      フ  フ  フ
      ワ  ワ  ワ
      や  フ  や
         ワ
         や


    ─ アドマイヤベガ、心の俳句。 ─

  • 118二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 23:13:05

    それでも執拗にフワフワを続けるアドマイヤベガ。
    何故カレンチャンはされるがままにフワられているのだろうか。

    ─ 数時間前

    ナリタタイシン達と別れた後、アドマイヤベガとカレンチャンは無事に自分達の部屋へ戻る事ができたのだが…

    「…っ!少し、無茶だったかしら……。」

    「アヤベさん!?」

    カレンチャンが面食らったのも無理はない。
    それまで平然としていたはずのアドマイヤベガがフラフラと自分のベッドに身を投を投げたのだから。
    思い返せば…未完全とは言え、あのスーパークリークの恐るべき母性をアドマイヤベガは食らっていた…
    タマモクロス・イナリワン・ナリタタイシンに関しては普段からでちゅられ慣れているため、でちゅね耐性を獲得しており故に早期復活を成したのだが、でちゅねに耐性のないアドマイヤベガにとっては例え半分でも先述の三人に比べ回復は遅くなるはずである。
    それでもカレンチャンの危機を察し、その窮地を救うべくでちゅねに侵されてない半身と精神力で無理矢理にかけつけたのだ。

  • 119二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 23:35:19

    しかし、その無理矢理は長くは持たず…
    無事だった半身と精神力が疲弊し抵抗力を失ったことで、でちゅねの侵食が進みアドマイヤベガが完全に赤ちゃんになるのも時間の問題であった。

    『フワフワは何物にも勝るのよ』

    そんな、いつも呆れて聞いていた言葉を思い出したカレンチャンはベッドに倒れ込んだアドマイヤベガの懐に潜り込む。

    「ばぶ…ばb…!?…ふわ……ふわ?…!ふわフワ!」


    ─ フワフワはでちゅねにも勝る。


    無意識にアドマイヤベガは、まるで渇ききってヒビ割れた大地に水を注いだかの様に不足していたフワフワを摂取する。そしてカレンチャンをフワフワするうちに徐々にでちゅねが抜けていき…


    ─ アドマイヤベガは正気を取り戻した。

  • 120二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 23:54:26

    正気は取り戻したが依然としてフワフワ不足であったため、アドマイヤベガはカレンチャンをフワフワし続けているし、カレンチャンも大事なルームメイトかつ今回自分を守ろうとしてくれたアドマイヤベガにお礼と慰安の意でフワフワされ続けるのであった。



    後にアドマイヤベガは語る。

    フワフワを求め…求め続ける旅の果て、最後に気がつけばフワフワは手の内に現れた。
    かつて人々がまるで無造作に散りばめられた星々に神話を見出し語り継いできた様に、フワフワとは日常に見出すもの。
    そう、そもそもフワフワはすでに手の内にあったのだ。

  • 121二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 00:20:05

    ────
    ───
    ──



    ガチャっと扉が開く音にツインターボが音の方を見ると、

    「ただいま、少し心配かけちまったな。」

    「!? おかえり、イナリ!!」

    ツインターボにとって、唯のルームメイトではなく、時には誉めて時には叱ってくれる、そんな姉や母のように慕っているイナリワンが帰ってきたのだ。

    「ねぇねぇイナリ、今日は一緒にねよう!ターボね、イナリに色々お話ししたい事があるんだ!!例えば…今タイシンと一緒に動画作ったりしてる事とか!」

    「ほう、タイシンと?そいつは楽しみだねぇ…!じゃあ早く寝るために宿題とかは早くやらねぇとな。」

    「うん!!」

  • 122二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 00:27:48

    ────
    ───
    ──


    「なぁ、オグリ…ちょっと引っ付きすぎやない?」

    「…うん。」

    「ちょっと腕緩めてくれへんと寝苦しいわ」

    「……うん。」

    「じゃあ、電気消すで?」

    「………」

    「寝付き良過ぎやろ……お休み…。」

    「………」

    「……」

    「おかえり、タマ。」

    「ただいま、オグリ。」

  • 123二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 00:40:04

    ────
    ───
    ──

    恐る恐る、ゆっくりと開く扉。

    「…おかえり、クリークさん。」

    「た、ただいま〜………」

    「「………」」

    暫くの沈黙の後、スーパークリークは謝り始めた。

    「タイシンちゃん、本当に今回はご迷惑をおかけしまs」
    「別にクリークさんがあやまる事ないよ。」

    しかしそれを遮るナリタタイシン。

    「今回はたまたま不幸が重なっただけ。…それにクリークさんが優しいのは皆知ってるし……少し疲れていただけ…だと思う…。」

    「…タイシンちゃん……。」

    「ほ、ほら!疲れてるんだからアタシの事より自分の事!クリークさんのベッドはもうメイキングしてあるから!!」

    そう言ってナリタタイシンはスーパークリークに早く休むように促した。

    「あら、タイシンちゃんももう寝るんですか?いつもならゲームするのに…」

    「ゲームは…ちょっと約束があるから……おやすみ。」

  • 124二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 00:56:05

    ─ こうして再びトレセン学園に平和が訪れた。


    ───

    ──


    「うおっ、何?何?この…小動物は?」



    「大丈夫ですよネイチャさん、その動物はエンエンク。我々には無害ですよ。」


    「へぇーイクノは物知りだなぁ…ターボ初めて見た!」


    「それにしても中々フワフワで可愛いですなぁ〜チームのマスコットにしたりとかいいんじゃないかなぁ〜?」




    「ってあれ?ネイチャ、イクノ、ターボ…そんなに見つめらると照れちゃうなぁ〜ははは……」



    「ねぇねぇマチタン!エンエンクだよ!?エンエンク!!」


    「そうそう、エンエンクだねぇ〜…ちらっ」


    「ええ、エンエンクですね。」

  • 125二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:00:20

    フワフワジャンキーアヤベさんのネタスレかと思ったらカオスだった

  • 126二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:01:16

    「なるほどっ!!みんなの気持ちしっかり伝わったよ!!」

    そしてマチカネタンホイザは気合を入れた。

    「それじゃあ、いくよ〜〜!!」


    エン、

    エン、

    k


    ── 同時刻:とある絶海の孤島


    「言わせないねぇ!!!!!!」

  • 127二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:09:22

    急に空へ向かって叫ぶアグネスタキオン。

    「なんだよタキオン、急に叫んだりして?もしかしてあれか、スカイフィッシュでも見つけたのか?」

    「いや何となく言わないといけない気がしてねぇ…。おやおや、流石ゴルシ君!捕獲レベル100を超えるヤサイキライニャンの鼻バンドを取ってくるとは素晴らしいよ!!」


    この度、アグネスタキオンとゴールドシップは危険な実験を行った罰として、底を尽きた学園の食料補充のための買い出しに行かされていた。

    買い出しのはずである。

  • 128二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:36:08

    「いや、これもタキオンが作った捕獲レベル測定器とかその他諸々の秘密道具あっての活躍だぜ?しかし…悪りぃな……アタシの旅に付き合わせちまって…。」

    買い出しだったはずである。

    「何、水臭い事を言ってるのさ?見たまえ、この未知なる大自然を!!ここは可能性の塊さ!お陰で興味深いサンプルやデータがたっぷり取れて…むしろお礼を言いたいよ。」

    買い出しだったかもしれない。

    「それならいいけどさ…なぁ後どれくらいの食材を捕獲すれば足りるんだ?」

    買い出しではないが、目的は忘れてなかったようだ。

    「ふむ……パクパクサウルスやタンポポーク、キューカンバー、オニコングやメジメロンなどなどなど…まぁ学園に貯蔵する以上の量はあるから帰っても問題はないと思うが………君はそんなタマじゃあないだろ?」

    現地キャンプの横に大量に積み上げられた食材は既にタキオンの手により下処理と防腐対策をされている。
    そしてそれを眺めながら、アグネスタキオンはまるでゴールドシップを試すかの様に語りかける。

  • 129二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:47:03

    「おいおい今此処に、こんなワクワクを前に日和ってる奴いる?」

    ゴールドシップが一息貯める。

    「いねぇよなぁ!!?」


    勿論だと同調するアグネスタキオン。
    まるで某爆逃げコンビのようにうぇーい⭐︎と二人ははしゃぐ。

    「そう言えば…さっき見たことない生き物を見たんだけどよ…これ写真。」

    そう言って、ゴールドシップは自分のスマホの画面をアグネスタキオンに見せてみた。

    「どれどれ………な、何だいこれは…見た事も無い生物だ…こんな生物、他にはいないよ!…他の写真は……ふむ、四足歩行かと思えば二足歩行もするみたいだねぇ………してゴルシ君、この生物は何で呼べばいいと思う?」

  • 130二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 02:00:17

    「そうだな…とりあえず"120億の淵源"とでも呼ぶか。」


    「ほう…まるで二つ名みたいな呼び方だけど由来はあるのかい?」


    「んー…なんかこう、レーダー受信したっつーかインスピレーションだな!でもまぁ…捕まえて新種だってわかったなら改めて、このゴールドシップ様の名前でも授けてやろうかな?」


    そして二人はその謎の生物を捕らえに孤島の中心へと向かっていった。



    「!?…ゴルシ君、もしかしてあれかい?君が見つけたのは。……捕獲レベル564!?これは強敵だねぇ…」


    「あぁ間違いねぇ!…舌をベロベロして余裕こきやがって」


    「いや、むしろ油断している今チャンスではないかな?バックアップは任せてくれよ。」


    「よし、任せた!うおぉぉぉぉお!!面白くなってきたぜぇえ!!」



    ── 564連ドロップキック!!



    ── ぶもぉおおおおおお!!!



    果たして、ゴールドシップとアグネスタキオンは未知の生物を捕らえる事ができるのだろうか!!?

  • 131二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 02:01:48

    以上です。



    随分と長くなりましたが
    読んでくれた皆様、本当にありがとうございました。

  • 132二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 02:11:24

    >>4でセルフって言われたから書いてみましたが…


    書き始めた時から最後の展開だけはいくつか考えて書きましたが、そこに至るまでの文に関しては…


    …その時の思いつきで、書き殴りました。

    主に深夜、眠気の余り虚な状況で書いていたので、やはり読み返すと誤字脱字は勿論、分節が単調だったりおかしかったり、句読点を忘れて読み辛い所などありますね…。


    それでも、見てくれる人がいるってだけでがんばれました。

    本当にありがとうございました。

  • 133二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 12:33:18



    久々に頭のおかしいものを見せてもらった(褒め言葉)

  • 134二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 13:09:38

    完結まで2週間以上か…大したもんだ

  • 135二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 21:13:46

    未知の生物…一体、何ールドシップなんだ…?

  • 136二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 23:42:48

    随分なトンチンカン展開の中に挟まれたタボイナリの破壊力はいいと思いました。

  • 137二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 09:33:14

    この掲示板だと珍しいコメディ作
    誤字脱字誤変換かな?って所は多々あるけどそこは脳内補完で補いました
    展開的にはちゃんと話の軸があっていいし面白かったです
    後は隔日で継ぎ足しで書いていたからか罫線の使い方とかが途中で変わったりするのが少し気になったかも

    でも面白いのは確かだから改めてpixivとかで校正して纏めたやつとか投稿して欲しいなと思いました
    今後も色々と書いて欲しいです

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