今日は待ちに待った日本ダービーの日!

  • 1ブリッジちゃんにビキニ着て欲し23/04/28(金) 23:36:47

    『うーん、やっぱりダメだな。動かないや。』

    私はゲートを自動で開けるのを諦めて、最初から開いたままにしておくことにした。
    電気も燃料もないのだから当たり前ではあるのだが、もしかして……?と期待してしまったのが浅はかだった。

    とはいえしょうがない。パッと見は綺麗で、なんか動きそうに見えたのだ。
    芝ぼうぼうの超重バ場のレース場、誰もいない観客席に誰も見ていないパドック、黒々とした電光掲示板。

    明らかにザ・廃墟感のあるレース場の中で、ゲートだけはいつも通りに見えたのだ。でも、よくよく見ると雨垢の汚れが目立つ。どうやら私が脳内で美化していただけらしい。

    でもそれもしょうがない。だってここは東京レース場。そして今日は日本ダービーの日。
    私が幼稚園の頃からずっと憧れていた、焦がれていた場所に、私はいま立っているのだから。

    左腕の腕時計をチラリと見る。時刻は午後9時。
    ………いや、この時計は昨日壊れちゃったんだった。じゃあお日様の位置で確認するしかないよね。
    うーん。だいだいまあ、3時くらいかな。じゃあ発走ということで。

    赤旗の代わりにハンカチを振って、スターターっぽさを演出してみる。でもハンカチが小さすぎてなんだが締まらないが気にしない。

    『フーンフフン~フフン、フフフン、フフフン、フフフン、フーフフフフ~フン、フフフフフ~ン、フフフフ~~ン。』

    口笛でファンファーレしてみる。でもなんか違うような……。まあいっか。

    ゆっくりとゲートインして、意識を集中する。目を瞑ると、色んな顔が思い浮かぶ。両親、妹、クラスメイト、ライバル、憧れの先輩………トレーナーさん。

    みんなもういないけど、それでも私は孤独じゃない。だってまだ、走れるから。

  • 2二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:39:09

    スレタイと内容と名前の落差が凄い

  • 3二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:39:36

    その名前はなんだお前

  • 4二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:39:45

    終末ウマ娘

  • 5二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:39:59

    やめてくれ1、荒廃世界でひとりぼっちシチュは心が死ぬそれはそれとしてその名前はなんだ1

  • 6二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:40:22

    うわぁ、終末世界になっとる

  • 7二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:41:35

    これゴールした後とても満足で幸せそうな表情のまま事切れてるやつだ

  • 8二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:42:35

    そういえば前にマルゼンさんの荒廃世界スレあったの思い出した

  • 9二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:44:12

    名前と文の落差よ

  • 10二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:45:40

    栄光のダービーと荒廃したレース場の比較でかなり心がキュッとくる

  • 11二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:49:29
  • 12二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:08:49

    ウララが中山でやっても違和感なさそうだな「やったー!ウララが有馬で1着だよ~」って

  • 13二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:11:34

    このレスは削除されています

  • 14二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:16:51

    フフ……へただなあ、>>1くん。へたっぴさ……!欲望の解放のさせ方がへた…。>>1くんが本当に欲しいのは…マイクロビキニ……それを着たブリッジコンプちゃんが照れて真っ赤になってトレーナーさんに悪態をつきつつ、…同じく真っ赤になったトレーナーさんの反応にまんざらじゃない気持ちがあったりしてさ……そんな二人はうまぴょいうまぴょい……!だろ…?


    さて、うまぴょいと言えばうまぴょい伝説はアニメEDにも使われていましたが、『週末世界の廃墟となったレース場』というのは何か大事件があった世界のED後のようにも感じられます。

    クラスメイトやライバル、トレーナーさんを思い出している。つまり、少し前までは日常が存在したであろうことが感じられ、その寂しさを一層際立たせます。それと同時に、何かしらの『大事件』が起きたのだと思われますが、そこを名言されていないことで様々な状況が想起され、そういった余地があるところもよかったです。

    家族も、学友も、絆を感じた相手を失っていく過程は、とても苦しいものだったはずです。彼女の未来も明るいとは言えないのかもしれない。それでも、今この状況で、憧れの『日本ダービー』を欲した彼女の姿は、ウマ娘の本能によるものでしょう。走ることを望み、走ることで独りではないと感じられる。それはウマソウルの輝きと言わんばかりで、苦くも美しい『ウマ娘としての在り方』を思い起こさせます。

    既に今わの際の状況なのか、それとも別の場所に生存者がいるのかはわかりませんが、彼女の未来に希望があることを願わずにはいられないような、寂寥感を感じられる素晴らしい作品だと思いました。

  • 15二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:26:14

    その上、育成とかで遭遇するブリコンって短距離適正だから本来ダービーに出てこないんだよな。唯一の例外がメインストーリーダービーのライブなだけで

  • 16二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:33:05

    1とは違う形になるけど、皐月賞とダービーを取った娘がクラシック最後の菊花賞を取って三冠馬になるために、崩壊世界の東海道を走って京都競馬場に向かう話を思いついた

  • 17ブリッジちゃんと海軍カレー食べ23/04/29(土) 00:35:46

    走る。

    走る。

    ペース配分も考えず、ただただ一心不乱に走り続ける。長いバックストレッチを走り抜け、登り坂を駆け上がる辺りで、既にバテバテになってきた。
    元々私の適性はステイヤー、そして逃げウマ娘だ。

    長距離を全力疾走するのは得意な方なのに、なんでこんなにバテてるかと言えば、最近まともにトレーニング出来てなかったからだ。お腹も空いたし。

    ……いや、それは言い訳かな。
    そもそも青葉賞も7着でボロボロだった私は、本来ダービーに出ていいウマ娘じゃない。データの上ではステイヤーが適性と言っても、本番ではぜんぜん活かせなかった。

    ボロボロ泣いて、切り株の中にひとしきりぶちまけても悔しさは収まらなくて、ついトレーナーさんに当たり散らしたゃった。

    そのまま学園を飛び出して、行く当てもなくメトロに乗って、そしたら突然電車が止まって……。やっとこさ地下から出たらこの様だった。

    みんなはもういない。私ももうすぐ果てると思う。それでも走る。
    下り坂を走り抜け、最後の直線。
    もう足が棒のようになってるし、頭も回らない。でも、私はまだ生きてる。

    ……ゴールが見えてきた。

  • 18ブリッジちゃんとうまぴょいした23/04/29(土) 00:39:52

    といった感じで、本来ダービーに出られないようなモブウマ娘が、世界の終わり(例えば核戦争により東京に核ミサイルが降ったものの、中性子爆弾だったゆえにレース場が丸々残った)によって一人でダービーに出ることになったSSを誰か書いて❤️

  • 19二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:41:17

    >>18

    当セな


    そしてその名前だとまるで過去形……

  • 20ブリッジちゃんには笑顔が似合う23/04/29(土) 00:47:02

    >>19

    もうネタ切れです……。

    というか>>1で終わらせれば良かったと後悔している


    >>14

    お褒めに預かり光栄です。大事件についてはビキニで匂わせてはいますが、ご想像にお任せします。

  • 21二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:16:11

    名前関係あったのか・・・。

  • 22モブウマ娘とずぶずぶしたい23/04/29(土) 01:32:29

    ぶち、ぶち、ぶちと草を抜くたびに、ぱた、ぱた、ぱたと汗が足元にシミを作る。
    ぼうぼうに茂った草は視界一面に広がる緑色の絨毯のようでいて、しかし実際のところ砂に根を下ろすそれはずいぶんとあっさり引き抜くことができるのであった。

    「あっついなぁもぅ」

    よほど私の感覚が狂っていない限り多分今は5月で、日差しは嫌になるほど照り付けていて、口から洩れた不満にこたえるのはジャカジャカ喚くクマゼミくらいしかいない。
    何もかも狂っている。
    ──私だってそう。振り返れば伸びている砂色の道が、無駄にした時間の長さを示していた。

    「ダービー、ダービーかぁ……やっぱ憧れちゃうよね」

    貴重な水を一口飲んで、またぶちぶちと青草を引き抜いていく作業に戻る。本当ならこんな作業をしていられるほど悠長なはずもないのに、それでもこうしたいのはきっと私がウマ娘だから。
    ダービーの文字を無視できるウマ娘なんてこの世にいない。いや、居なかったんだろう。今となっては誰も知らないけれど。

    【東京ダービー】

    真ん中で二つに折れて転がって、すっかり錆に曝された看板を見やった。

  • 23モブウマ娘とずぶずぶしたい23/04/29(土) 01:32:50

    >>22

    *****


    「────ぁ」


    私のミミが、どこかで何かの爆ぜる音を拾う。

    太陽が真南から少し西に傾き始めた頃合い、穴だらけになったビルが遠く向こうで瓦礫と砂塵を巻き上げながらゆっくりと前のめりに倒れていく。

    昼過ぎの空を無数の流星が飛び交っている。


    「そろそろ出走しないとさすがに……まずいか」


    スタート位置、どこだっけ?

    草を抜いた道を踏まないように、少々大味なターフをジョギングくらいのペースで駆けていく──適当にスタートっぽいところまで。

    暫くまともに脚を使って走っていなかったからか(そもそもコースを走る事自体随分と久しぶりだし)、それだけでも気分は一歩ごとにゆっくりと昂っていくのがわかる。ウマ娘はやっぱりコースを走ってナンボなのだ。


    「あ~、そういえば大井のファンファーレ知らないわそもそも!」


    府中のファンファーレっぽい曲をボロボロのハーモニカで吹いた。

    関東だし、ダービーだし、何なら今はちょっと芝っぽいし……。


    スタンドに突き刺さっているゲートの代わりに、その辺に落ちてた倉庫のドアっぽい木の板。緑を割って伸びる砂のコースは幅一人分。私だけのダービーコース。

    誰もいないスタンドの遠く向こうから、何かの崩れる音だけが低く唸っている。


    「位置について……用意────」


    バ場はちょっと草が多いけど極めて良好さらっさら、天気は晴れ時々流れ星!


    「────ドン!」

  • 24二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:38:02

    と言う感じにポストアポカリプス世界で必死に生きながらも走りたい本能にあらがえないウマ娘がいてもいいと思うんですよね

  • 25二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:52:21

    史上初の三冠レース同日開催(各地で生き延びたウマ娘たちがそれぞれ各レース場に)みたいな

  • 26二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 02:46:49

    生存のためのリソースを削ってまで走ってしまうウマ娘
    速く走ることのみに血脈を注ぎ込んだサラブレッドと通ずるものを感じ趣深い

  • 27二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 09:28:54

    >>11

    ウマカテ民核好きすぎ問題

  • 28二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 12:22:27

    このまま流れでレースコースと心中もよし、また気持ちを切り替えて旅を続けるのもよし

  • 29二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 12:35:16

    モブウマ娘達のほうがポストアポカリプス世界に順応しそうな気がするのはなんでだろ?
    まあオグリ、スペちゃんは速攻脱落しそうだけど

  • 30二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 12:56:48

    ポストアポカリプスなのか終末世界なのかで展開が分かれそう

  • 31キャラバンちゃんと海水浴したい23/04/29(土) 14:10:37

    『あー。暑っついなぁ~。もーむりぃー。あるけなぃー。』

    なんて言いながらも、止まると言う選択肢はない。
    草と石ばかりの荒野を歩き続ける。

    独りではない。前にも後ろにも人の塊が出来ている。
    どこの誰とも知らない人の群れ。延々続くその流れの中で、ウマ娘は私だけ。
    まあでも、本当は他にもいるのかもしれない。目立たないように耳と尻尾を隠しているんだろう。

    ブウウウウウウン

    低い音を響かせながら、黒光りした物体が飛んでくる。UFO?いや、ドローンだ。

    自ずとみんなの足が早くなる。私もそれに合わせて早歩きで進む。
    あれはきっと国境警備隊だろう。このままだと本隊が来て捕まってしまう。そうは行くもんか。

    アタシの故郷は既に滅んだ。いや、消えてなくなった訳じゃないけど、ギャングすらパンがなくて逃げ出す国は存在しないのと同じだ。
    本当はトレセンに入って三冠ウマ娘になりたかったけど……。そうも言っていられない。

    サイレンが鳴り響く。本隊が来たらしい。
    みんなが走り出す。このままだと人波に捕まってしまうから、やむなく私は全力で走る。
    人波を無理やり掻き分け、突き飛ばしながら走る。走る。走る……。

    ここが私のレース場だ。ダート10万メートル。

  • 32二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 20:09:43

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 00:40:13

    廃墟を散策したり、寂れたレース場で一人走るウマ娘って絵になるな

  • 34二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 11:50:22

    もうちっと保て

  • 35二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:37:44

    すごい乙女「車がいない首都高を走るのはつまんないよ…」

  • 36二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:53:19

    廃墟となってボロボロになった中山を見て涙を流す会長、すごくすごくきれいです

  • 37二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:03:46

    崩壊した日本各地からトゥインクルシリーズで走ってたウマ娘集めて一度きりの日本ダービーしてほしいな
    全員今日の寝床も明日の食料も定かではないから、二度は集められない
    でも死が目前にある世界でも一度はダービーを走りに来てしまうんだよね……

  • 38二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 01:34:32

    最後に生き残ったウマ娘が集まり、それをききつけた観客も集まり、最後の有馬が始まる…
    そして在りし日のように

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