- 1二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:16:40
休日、B級グルメガイドに付箋を貼ったラーメン屋をハシゴしながら食べ歩くシャカールとファイン。そろそろ腹もいい感じに膨れてきて学園に帰ろうとしたとき「ねえシャカール!あれはなに?」とファインがある建物に向かって指をさした
ファインの向けた指の先を見るとシャカールはぎょっとした。なぜならファインが指さした建築物は繁華街には不釣り合いにしか思えない城の形をした施設で、まだ学生の身であるシャカールでもそれはラブホテルだってすぐに判った
しかし温室育ちで世間知らずなファインがそんなこと知っているはずもなく「ねえねえ、行ってみましょうよシャカール」と淀みない純粋な目をこちらに向けながらいってくるのをみて、抵抗すればするほど好奇心を逆撫で流させるだけで、時間と体力のムダだと悟ったシャカールは大人しく腕に手を絡ませて引っ張るファインと一緒にホテルに足を向けた
それにシャカールにはある算段があった。どこからどう見ても高校生とかその辺りの年頃にしか見えない自分たちの風貌を見られたらホテルのフロントで門前払いにされるだろうし、そうすれば流石のファインも大人しく引き下がるだろうと思ったからだ
だけどそんなシャカールの目論見はあっさりと崩れてしまった
シャカールは知らなかった。ラブホテルにはフロントが無人になっていてそのまますんなりと部屋を選んで入ってしまえる場所があり、そして今自分たちが入ったホテルはまさしくそれに分類されるところだったのだ - 2二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:16:58
そのままとんとん拍子で部屋まで来てしまったシャカール。透明なガラス張りになっているシャワールームをファインが不思議そうに眺めているのを横目に見ながら「まァいい。お互いその気にならなきゃおかしなことなんて起こらねェだろ」とシャカールはベッドの上に座りながら冷静に頭を働かせた
だが何の気も無しにシャカールが部屋にあってテレビを点けたときだった。テレビモニターには裸体の男女がくんずほぐれつになって絡み合っている映像が映し出されたのだ
「ア”……? ア”ア”ーッ!?」
それが巷でいうところのアダルトビデオだとすぐに察知したシャカール。その映像を見て「まあ」と口に手を当てるファインの姿が目に入るとシャカールは顔を真っ赤にしながら大慌てでテレビのチャンネルを変えた。すると次に映し出されたのは生まれたままの姿で抱き合い、熱い口付けをする女性二人の映像だった
それを見てまたもや「まあ!」と声をあげたファイン。シャカールは「チッ!」と舌打ちするとテレビの電源を落とした
「おい! もう帰るぞ!」と足早に部屋から出ようとするシャカール。しかしそんな彼女の手首をファインが掴んで「……いまの、もう少し一緒に見ましょう?」と仄かに顔を赤くしながら引き留めた
「何考えてンだよっ」と反対しようとするシャカールだけれど「子どもが見るもんじゃねェっ」というのは彼女の気性に合わなかったし、かといって理路整然とロジカルに反論する方法が思いつかず、それに自分自身興味がないわけでもなかったので流されるような形でベッドに座るファインの隣に腰を落として胡座をかいた
再びテレビの画面を点けると先程の女性同士の絡み合いの続きが映し出された。それを見ながらふたりとも何も言わず心臓の鼓動する音だけがますます大きくなっていった
なんだか気分がおかしな方向に昂って気まずくなったシャカールはふとファインの横顔を見た。北欧出身のシルクのように白い頬がさっきに増して硬直していき、心なしか呼吸が荒くなっているようだった
すると静寂を破るようにファインが言った
「シャカール……わたしたちもこれを同じことがしたいの」 - 3二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:18:00
「冗談じゃねェ。気の迷いでロジカルじゃねェこと言うンじゃねえ!」
「冗談でもないし、気の迷いなんかでもないの」
ファインの誘いにシャカールは怒鳴って拒絶したが、ファインは頬を紅潮させながらも毅然とした口調でシャカールにそう返した
「世間知らずな私でも判ってるの。恋人たちがお互いを愛するためにベッドの中でやることなんて」
「オレとお前は恋人じゃねェ」
「……私、シャカールとなら恋人になってもいいって思ってる」 - 4二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:18:12
「ハァ!?」
「ちがう……もし私、ずっと前から恋人ができるなら、シャカールに恋人になってほしいって思ってた」
激しく動揺するシャカールを前に、ファインは滔々と言葉を続ける
「知ってるでしょ? トレセン学園を卒業したら、私、祖国に帰らなきゃいけないの。帰ったらたぶん、パパとママが望む人と結婚して、その人と子どもを作って、一生夫婦として過ごさなきゃいけない……だから今のうちに大好きな人と、一生残る思い出を作らなきゃいけないの」
そこまで言うと、ファインは隣に座るシャカールを見ると、彼女を抱きしめた
「なッ、お前……」
「お願いシャカール……私を抱いて」
ファインはシャカールの耳元でそう囁いた
いつか離れ離れになってしまう人。シャカールにはそんな彼女を冷たく突き放すことはできなかった
「……後悔すンなよ」
「……判ってる」
そういってふたりはしばらくお互いを見つめ合うと、初めての口付けを交わした。最初は軽く唇同士を当てるだけだったそれは、段々と舌を絡ませ合うような濃密なものとなり、口を離した二人の間には混ざり合った唾液の橋ができていた
「……ニンニク臭せェな。ラーメン食いまくったせいじゃねェか?」
「お互い様でしょう?」
そう言ってクスッと笑いながら、ふたりはその後も情熱的な口づけを交わした - 5二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:18:26
ガラス張りの小さなシャワールームの中では、シャカールより先にファインが熱湯を浴びていた。ガラス越しに見えるファインの裸体のシルエットを見ると、一緒に合宿所の大浴場に入った時には全く芽生えなかった感情がシャカールの中で渦巻くと、シャワーが止まってバズローブに身を包んだファインがガラス張りの個室から出てきた
「……待ってるから」
「……おう」
着ていたものを脱ぐと、シャカールはシャワーの熱湯を浴びた。熱湯をあい美ている間ガラスの外から刺さるような目線が自分に向けられている気がした
シャワーを終え、ベッドの上で膝をついて座り向かい合ったふたりは再び口づけをした。洗面所にあった歯ブラシで歯を磨きなおしたからか、口の中にはミントの味が広がる
熱いキスを交わし合いながらお互いのバズローブを脱ぎあうと、露わになった肌を触り合いながらキスを続けた。ファインは無遠慮にまさぐるように、シャカールは鋭く伸びた爪でファインを傷つけないように優しいタッチで相手の肌の滑らかさを感じながら「んっ……」と声を漏らした
長いキスを終えたファインが膝を曲げたまま仰向けになると、シャカールに向かって「……来て」と小さく言った
ファインのデリケートな部分を自分の爪で傷つけるわけにはいかない。シャカールはファインの股の間に顔を埋めると蜜の溢れる蕾を舐めとった
秘部を舐めている間、ファインは「んっ、んっ……」と声を漏らしながらシャカールの頭を撫でた - 6二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:18:45
オレは犬か? そう思いながらもどうすればファインが気持ちよくなれるか探っていると、ファインが「ねえ」とシャカールに声をかけた
「……今度は私にやらせて」
シャカールが起き上がって顔を上げたとき、ファインは突然シャカールの体を押し倒してきた
「なッ、お前」
「じっとしてて」
ほんの少しの間に立場が入れ替わってしまうと、ファインは先程シャカールに責められた部分と同じ箇所を指で攻め始めた
「ひっ、ひゃうんっ///」
思わず甲高い嬌声をあげてしまったことにシャカールは気づくと、「見っ、見るなッ」と両腕で自分の情けない顔を隠そうとした
くそう、こいつだけにはこんな姿、見られたくなかったのに。シャカールは涙目になりながら頭の中で自己嫌悪の言葉を埋め尽くした
しかしファインはそんなシャカールの両腕を引き離すと、彼女の顔をじっと見つめた
「なっ、何だよお……」
「シャカール……かわいい♡」
そういってファインはシャカールに覆い被さるように熱いキスをすると、シャカールの下腹部に手を伸ばした指を動かし始めた
「やっ、やめ……アアっ///」
そこから十数分の間、シャカールの記憶は綺麗に抜け落ちてしまった - 7二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:19:00
「もう、イジワルし過ぎたのは謝るって〜」
精算機に宿泊代を突っ込んでホテルから出ると、何も言わずにぶっきらぼうな顔をするシャカールの腕にファインが手を絡ませていった
「今度はもっと優しくするから……ね?」
「何がね、だ。バァカ!」
そう大声で言うシャカールだったが、内心は満更でもない気持ちだった。自分の知らない一面をファインに知られたときの背徳感の混じった快楽は、そうそう忘れられるものではなかった
……って、変態か、オレは! そんなシャカールの気持ちを見透かすように、ファインはどこか意地悪そうな笑みを浮かべて鼻歌を歌った
そのとき、急に彼女たちの目の前に金髪と茶髪のいけすかなさそうな男二人組が現れた。すると茶髪の男がニタニタした顔つきでファインに向かって口を開いた
「キミ、可愛いじゃん。あのさ、これから用事ある? 良かったら俺たちと遊びに……」 - 8二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:19:53
茶髪の男がそこまで言ったとき、シャカールは「ア”ア”!?」とその男の胸ぐらを掴んだ
「失せろ、コイツはオレの女だ!」
男二人に向かってそう怒鳴ると、シャカールは胸ぐらを掴んだ男の体をもうひとりの男に向かって突き放すと、彼らはアスファルトの地面の上に倒れた
「チッ、野次馬が集まってきたな……ズラかるぞ!」
そういってシャカールはファインの腕を掴むと、その場から駆け出してファインを引っ張った
走りながら頭の中で寮までの最短ルートを組み立てていると、後ろからファインが「ねえ」と言ってきた
「何だよ」
「私……シャカールのかわいいところも、かっこいいところも、両方好きよ」
「うるせェ、無駄口叩いてんじゃねェよ」
そう口では言うけれど、シャカールは背中に温かい目線が向けられるのを感じながら少し嬉しくなった - 9二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:20:21
「お前、学園を出たら国へ帰らなきゃいけないんだってな。そんでもって親の決めた相手と結婚しなきゃいけないんだってな」
「……うん」
ファインは暗い面持ちで、呟くように返した。しかしシャカールが「ハン!」と吹き飛ばすようにいった。
「そんなのクソ喰らえだ! いいか。いつかその時が来たら、お前はオレと一緒に逃げるんだ。それで二人でどこかで長生きして幸せに暮らすんだよ。判ったな?」
シャカールが力強い口調でそう言う。するとファインの顔に明るい光が宿った
「うん……頼りにしてるからね!」
そして二人は門限の迫る寮に向かって駆けていったとさ☆ - 10二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:21:20
スレ主です。タイトルがエヴァなのには特に理由はありません。CPものシリーズを書いたのが4本目で、今回で総決算みたいなものを書こうと思ったので
クイーン聴きながらワクチン(二度目)の副作用で熱が出てる状態で「怪文書ではなく快文書を!」というテンションで書きました
へにょへにょなところがあったら許してね
これまでに書いたやつです。こちらも読んでね☆
エアシャカールとファインモーションってさ昼は街でひとりでいたファインに絡んでくるチャラ男を蹴飛ばして中指を突き立てるシャカールだけど、夜はファインの指でタジタジにされちゃうんだよねbbs.animanch.comウオッカとダイワスカーレットってさ夜の変なテンションでキスをしちゃって、そのままなんだかムラムラしてお互い裸になってしまって「コイツの身体、キレイ……」と肌を触り合いながら何度も軽く口づけしそうそれでウオッカが攻めに回るんだけど秘部を…bbs.animanch.comトーセンジョーダンとゴールドシップってさいつものようにゴルシに後ろから蹴飛ばされるジョーダンだけど、たまには仕返しをしてやろうとパッと目についた逃げようとするゴルシの乳房を背後から鷲掴みにして揉んでやろうと掴んだ瞬間「あっ……///」といつ…bbs.animanch.com「ちょっとちょっと、どういう事なんだよ〜」あのねえ君、私が食べたいから買ってきて欲しいと頼んだのはマロングラッセであって、栗きんとんじゃないんだよマロングラッセも栗きんとんもどっちも一緒だって? まったく、判ってないなあ君は栗きんとんは栗とさ…bbs.animanch.com - 11二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:21:27
これは力作
- 12二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:22:29
最高
もう何も言えん - 13二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:23:36
大泉タキオンだけめっちゃ浮いてて草
- 14二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:23:48
シャカファイもっと増えろ
- 15二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:25:32
あンたのせいで俺ぁシャカ受けに目覚めちまったぜ
- 16二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 20:34:41
情事だと受けにまわるシャカがイケメン力を発揮してファインの王子様になってるのが尊みが深い‥‥
- 17二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 21:10:35
(賞賛)