- 1二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:34:47
- 2二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:35:43
きた
- 3二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:35:50
お久しぶりです
- 4二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:36:14
あなたのSSを待ってたんだ
- 5二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:36:55
ついに来た
- 6二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:37:14【閲覧注意】ハロー、子供達。エリアゼロに入る前に注意点を伝えておく|あにまん掲示板申し訳無いが、エリアゼロ内では帽子や靴下程度のもの以外、衣類を着用せずに突入してもらいたい。テラスタルエネルギーが暴走する危険性がある。下着等もエネルギーの暴走を招く恐れがある為、着用は認められない。…bbs.animanch.com
シリーズ紹介の前に偉大なる元スレの紹介です。
イッチはこのスレを見て全ペを書き始めました。こんなん見たら書いちゃうに決まってますよね。
- 7二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:38:07
もしかしなくてもあのブライア先生が剝かれるんですか
- 8二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:39:33閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/1402299/しょうがないよね、こんな見ちゃったら、書いちゃうよねbbs.animanch.com閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら part 2|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1410158/?res=184スレ絵は絵師さんが描いてくれました。あらすじペパーはサワロ・タイム・クラベルの3人の師の教えとともに…bbs.animanch.com
① エリアゼロが全裸必須地帯だったら
このシリーズの第1作目。話の本筋は完全に原作ストーリーを踏襲しており、基本は日本の伝統的な話構成である「行きて帰りし物語」です。
アオイちゃんの手持ちはマスカーニャの「にゃおちゃん♀」を相棒として、
コサジの小路からの古参であるファイアローの「ヤヤ君♂」、
ハッコウシティで交換したゲンガーの「ちみちゃん♀」、
カラフシティで交換した原種ヌオーの「マサオ♂」(アオイちゃんは「マー君」と呼びます)、
チャンプルタウン近辺で出会ったチルタリスの「ちーちゃん♀」(ネモと一緒に捕まえたので彼女とも信頼関係がある裏設定がありましたが、別に必要ないんでそのエピソードは割愛しました)、
そして我らがアギャスの「コライドン♂」
以上のメンバーです。
バトルは多少増えていますが、死人は出ません。服も着ていません。
この段階ではまだペパーもアオイちゃんもお互いに懸想してはいないので、あくまでもフラットです。実際作者もまったく意識していませんでした。
ペパーとの人間関係を書き出してみると、
ペパー→アオイ:恩人!親友!白い!ちっちゃい!
ペパー→ネモ:生徒会長!強い!明るい!落ち着け!
ペパー→ボタン:ちゃんと話してみるとイイ奴!細い!頭いい!ちゃんと飯食え!
こんな感じでとらえています。
女子たちからのペパーの印象も大変よく、善き友人として絆を深めていける確信があるようですが、この時点ではアオイちゃんも含めて男性としては意識されていません。そのためペパーのペパーがテラスタルしたとしても「なんか生えてる」くらいの感慨でしかありません。
- 9二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:42:44閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら ぺパーヌードモデル編|あにまん掲示板あけおめこの前書いたやつ①https://bbs.animanch.com/board/1410158/②https://bbs.animanch.com/board/1421007/時系列的には続き…bbs.animanch.com
② エリアゼロが全裸必須地帯だったら ペパーヌードモデル編
今思えばシリーズ全体を通して最も平和な回ですね。ここから番外編でのオリジナル展開が始まります。何気に着衣率が最も高い回でもあります。
バトルはなく、どこまでも穏やかにペパーが涼やかな羞恥を感じる回となっております。
当初、番外編はオモダカさん同行編から始めるつもりだったのですが、前スレではペパーヌードモデル編に票が集まっていたため、こちらからお出しすることになりました。つまりスレ主に責任はないと言えます。
結果的にオモダカさん同行編がラストになってよかったと思っています。
- 10二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:44:56
ところでストーリー中に捕獲されたパラドックスポケモンってどうなったんですか?
- 11二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:47:17
待ってました
流石にブルベリ学園編はスキップされたか - 12二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:48:20
前編
https://bbs.animanch.com/board/1467190/?res=195
後編
閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら チリちゃん引率編|あにまん掲示板いたって真面目な冒険ssです。誓って真面目です。あらすじパルデアの生物調査機関からのパラドックスポケモンの調査依頼を受けたオモダカ。アオイとネモはオモダカからの話を快諾する。が、チリは子どもだけで危険…bbs.animanch.com③ エリアゼロが全裸必須地帯だったら パラドックス捕獲作戦チリちゃん引率編
個人的には冒険活劇としては一番完成度が高いんじゃないかと思っています。
初めてペパー以外の羞恥枠としてチリちゃんが登場します。ちなみに羞恥心についてですが、アオイちゃんたちも別に羞恥心がないわけではないのです。ただ「必要なの?じゃあ脱ぐね」であったり、「脱いだ方が効果的?じゃあ脱ぐね」といった具合に思い切りがいいだけなのです。もしペパーがにやつきながらジロジロ見てくるような男ならこのシリーズは成立しなかったでしょう。
バトルにおいても、相手側の殺意がトップクラスに強い回です。エリアゼロの大地を踏む前に上空の時点で野生のポケモンたちが全力で殺しに来ます。わずかなミスで全滅しかねない状況です。
また、ペパアオ風味が大きく進展するきっかけの回でもあります。アオイちゃんが完全にペパーに落ちますが、ペパーはまだ自分の好意を自覚できないでいる片思い状態です。この辺からペパアオっぽくなっていきます。
作者としてはネモぺパもいいし、ボタぺパも美味しく食べれるんですが、いつの間にかペパアオになっていました。不思議ですね。
あと、オモダカさんに同行して来たチリちゃんがブルーベリー学園で叱ってくれたシーンはこのスレの冒頭と完全に解釈一致でテンション上がりました。服着てることに違和感を覚えましたが。
- 13二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:50:47
- 14二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:54:37閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら ナンジャモ不審者遭遇編|あにまん掲示板ハロー、あにまん民前回書いたssが少々物騒な話だったから今回は平和にいきたいスレ絵は前スレで絵師さんが描いてくれたヤツbbs.animanch.com
④ エリアゼロが全裸必須地帯だったら ナンジャモ不審者遭遇編
不審者遭遇編とは銘打っていますが、実際にはナンジャモ自身が不審者といっても過言ではないでしょう。というか登場人物全員不審者です。作者としては「全裸」という概念を最も深く掘り下げた重要な回でもあります。しかし、殺伐とした全裸ではなく、どちらかといえば、長閑やかな全裸といえるかと思います。全体的な殺意は全くありません。前提として、屋外を全裸でうろつくのは変態であるということを忘れてはなりません。
結果的に心情描写に力を入れた回となりました。小学5年生あたりの教材としても有用だろうと思っています。この後、ナンジャモのインナーのディティールを知り、オモダカさんのインナーのディティールを知り・・・と少々時期尚早すぎたかとも感じています。
- 15二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:56:42閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら完結編 オモダカさん同行編|あにまん掲示板いよいよここまで来れました。完結編です。スレ絵は絵師さんが描いてくれました。 ①本編1https://bbs.animanch.com/board/1410158/②本編2https://bbs.an…bbs.animanch.com閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら完結編 オモダカさん同行編 part2|あにまん掲示板エリアゼロを冒険していくお話です。前の話はコレhttps://bbs.animanch.com/board/1522188/スレ絵は絵師さんの作品です。bbs.animanch.com
⑤ エリアゼロが全裸必須地帯だったら ツバサノオウ討伐作戦オモダカ同行編
DLC前では一応の完結編でしょうか。この後に四災シリーズも出るのですが、同一世界観です。お尻がかわいい四災たちは基本的に着衣です。
全体からいえば、エリアゼロを下るだけの物語であるためマンネリも感じるかもしれません。とはいえ、はじめてメインメンバー以外のバトルと葛藤、そして全裸が飛び交う激戦場となります。
トレーナー戦においてはネモとアオイは確かにチャンピオンとして最高戦力となっていますが、殺意剥き出しのエンカウント戦ではやはり四天王やオモダカさんの方が一枚も二枚も上手であると解釈して描写しています。途中、いくらかレスが消されてしまっているのでシーンが飛んでいる場面(オモダカさんとドドゲザンの全裸土下座シーンと全裸アオキさん登場シーン)がありますが、大筋の進行は変わりありません。
また、このシリーズ全体で共通のことですが、野生の子たちは全力で命狙ってきます。トレーナー戦では向こうもスポーツマンシップに則って行動してくれますが、エンカウント戦とくにパラドックスポケモンはトレーナーへのダイレクトアタックもためらいなくぶち込んできます。
そのため、アオイちゃんらトレーナーたちは対野生戦では細かく動き回りながら地形を把握しつつ戦況を見極め指示を出すことが求められます。とはいえ、全力で殺しに来るのはエリアゼロのパラドックスポケモンたちくらいで、それ以外の場所ではよほどのことが無い限り生命の危険まではないと思っています。
原作では主人公は圧倒的な強さになりがちですが、このシリーズでは一貫してネモとアオイちゃんは僅差でネモが上と解釈してます。また、「全ペ ナンジャモ不審者遭遇編」でネモは新たな特殊技能を習得するので、その強さは揺るぎないものとなっています。そして、そんなネモに挑戦を続けるアオイちゃんをネモはとても愛しく思っているようです。
アオネモに限らず、ペパーもボタンも冒険家としては玄人であり、大自然の中で自分を守れるのは自分だけという常識を身に着けています。よって、服が濡れたりしたら即脱ぎます。そこにためらいなどありません。
- 16二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 11:58:03
オモダカさんの全裸土下座!!???
- 17二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:00:06閲覧注意SS ナッペ山が全裸必須地帯だったら|あにまん掲示板bbs.animanch.com
⑥ ナッペ山が全裸必須地帯だったら
番外編のさらに番外編です。打って変わってここではペパーたちは冒険しません。彼は学校で服を着て平和に過ごしています。
一方で、グルーシャ君は全裸の美女たちを侍らせながら裸で雪山を登る異常事態に苛まれます。彼は大人ですから慈悲などありません。誰かとなにかあってもしっかりと責任とってくれるでしょう。
バトルは基本的に雪山ゲリラ戦かテラレイド戦です。よって、全員テラスタルを利用しながらの戦闘です。
当然敵は命を狙ってくる獰猛な野生種。戦いはエリアゼロと同様に危険なものです。グルーシャ君かわいいですよね。また剥きたいです。剥かせろ。
- 18二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:01:30閲覧注意SS エリアゼロが全裸必須地帯だったら ペパー修行編|あにまん掲示板bbs.animanch.com
⑦ エリアゼロが全裸必須地帯だったら ペパー修行編
閑話休題的なお話。アオイやネモとの実力差に悩んだペパーが修行を思い立ち、教師たちとともにトラウマの地エリアゼロを再度訪れます。ペパーの精神が最も穏やかでいられた回であり、テラバーストもたおやかなものです。ひとつ間違えればキハダ先生とミモザ先生に同行されていたので、危ないところでした。
ペパアオ的にはアオイちゃんいないのに、関係性は大きく進みます。ペパーが好意を自覚することにより晴れて両片思い状態が成立します。また、ペパーがアオイちゃんに完堕ちしたことによってペパーの中で女体との付き合い方が変わってきます。
- 19二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:05:22
自分で書いといてなんですが、結構多いですね・・・。この後にキタカミ編が来ます。
ちなみに、途中までのファンアートまとめがこちらです。
閲覧注意 全裸ペパースレ ファンアートまとめ|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 20二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:07:04閲覧注意 キタカミの里が全裸必須地帯だったら|あにまん掲示板ストーリーよかったですよね。ペパーたちがいなかったのは残念でしたが、スグリくんとは相性良くなさそうだし、仕方ない。手探りでSS書いてみよう。bbs.animanch.com
こちらがキタカミ編です。
ペパーの出ない全ペとなっております。かなり手ごわかったものです。なにしろペパーいないんですから・・・。
- 21二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:08:49
- 22二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:09:34閲覧注意 キタカミの里が全裸必須地帯だったら 写真家ペパー編|あにまん掲示板後編が出る前に軽くペパー剥いときますね。bbs.animanch.com
こちらはキタカミ編後編となっておりまして、あふれでるリピドーを抑えきれず、結局ペパーにはキタカミの里に来てもらうことにしました。
- 23二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:11:53
- 24二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:17:38
さて、こんな感じとなっております。
初めて見る方は毛色が合うかどうか判断なさってくださいな。わりと人を選ぶ内容かもしれません。このスレというかシリーズ自体が下ネタみたいなものですからね。
逆に嗜好に合う方はご一緒しましょ。コメントも考察もツッコミも大歓迎です。
では、書き始め・・・といきたいところですが、少々遠出するので夜から書き始めると思います。 - 25二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:21:02
今回全裸だと最深部以上に手のひらにも足裏にもハードな地形だったな・・・
- 26二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:24:54
ペパー不在でスレ主を謎に心配してしまった
追加?も匂わせはある?みたいだけどどうなるんですかね… - 27二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 12:29:16
正直ストーリー進めながらこの人のss楽しみにしてた
- 28二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:54:48
時間あいたんでちょっと書きます!
- 29二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:55:19
1
ぬるくなった紅茶の上に浮かぶ小ぶりのさざんか。その花びらを指でつつきながらペパーはため息をつく。頬杖をつく彼の傍らにはすっかり健康になった最愛の家族であるマフィティフが穏やかな寝息を立てている。机の上に置かれた写真立てを見やるや、ため息はなお深く。
その感覚の正体は「足りない」である。欠乏の寂寥感が思春期の彼を苛んでいるが、原因は分かっていた。
親友であるアオイがいない。
以前のペパーなら多少の孤独感で心を乱されることはなかっただろう。しかし、アオイをはじめネモやボタン、ヨクバリスら冒険を支えてくれた仲間たちに囲まれた青年は心の健やかさを取り戻し、その代償に寂しさへの耐性を失った。ひとり欠けてももはや寂しいのである。今回はたまたまアオイであったがこれがネモであろうとボタンであろうと、やはり彼は寂しいと感じただろう。ただし、ペパーにとって他の誰でもないアオイに会えないことが殊の外重いダメージとなっていることは事実である。
また、寒々とした寂寥感以外にも彼を責めたてる悩みがもうひとつあった。数々の冒険を通して鍛え上げられ、いまやパルデア全土を見渡しても指折りの強者となったペパーの悩み、それは・・・
(勃たないちゃんだぜ・・・)
である。 - 30二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:55:44
2
それはもう深刻な問題である。なにしろ悟りを拓いて涅槃の境地に達したというわけではなく、自身の中には明らかな獣がいるにもかかわらずそれを追い散らす術がないのだから。
彼が自身のウミディグダを奮い立たせようと悪戦苦闘していると、戸をノックする音がした。
「カキシルス」
「おう、時間か。おつかれちゃん。」
アオイはブルーベリー学園に発つ前、チオンジェンら四災ポケモンを留守番させていった。レホールによる定期検査のためである。もちろんそのまま放っておくアオイではない。ペパーやネモ、ボタンに教師陣とサポート体制を整えてのことである。アオイとしてはもはや厄災ポケモンなどという不名誉な肩書は本意ではない。友人たちとの交流を通じてその魅力を知ってもらいたいとの願いを込めて、レホールに託したのである。事実、勝手の分からない土地より最高戦力ネモの側にいる方が安全だろうという打算もあったし、レホールに懇願されたという事情もある。ちなみに、「しばらくレホール先生と仲良くしててね!」と言われたチオンジェンたちは執拗なほどの検査を想像し絶望して声を失ったが、そこで駄々をこねるほど子供ではなかった。 - 31二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:56:36
3
むしゃむしゃとサンドイッチをたいらげるチオンジェンらとペパー。アオイに孤独から解放された恩がある者同士、互いにウマが合うのは必然の流れであった。
「さてと・・・んじゃ、ボタンとネモんとこにも持ってってやろうぜ。どうせあいつらまた飯食うの忘れてるだろ。」
「カキシルス」
「おいおい、言いすぎちゃんだぜww」
「カキシルスwww」
こうして、ネモとボタンの部屋へと向かい、そこでも追加の夕食を取る若者たち。話題は自然と遠くブルーベリー学園へと旅立った主人であり恩人であり親友でありライバルの話へと移っていく。
「そういえばアオイ、いまパルデアに戻ってるらしいね。あ、これ美味しい。ペパーまた腕上げたね」ネモはオリーブのオイル漬けをつまみながら話す。
「えっ、そうなん?それを早く言えし。ん、たしかにうまい。これもいけるよ。お返し」ネモからフォークで食べさせてもらう形でオリーブをかじるボタン。ネモの話に反応しつつプチトマトのベーコン巻きを勧める。
「ミヨミヨ!」「キル!キル!」「ソソゲ!ソソゲ!」「カキシルスw」あぶったチーズを頬張りながら盛り上がるチオンジェンたち。
「いやー会いにいきたいのは分かるけどよ?できるなら連絡してるだろうし、スケジュールとかが厳しいんじゃねえかな?ちなみに今どこにいんだ?」自信作のサンドイッチにかぶりつきながらペパーも会話に参加する。
「んー、わたしもトップからパルデアにいるって聞いただけだから今どこにいるかは分かんないなぁ。聞こうとしたら急にスタッフの人に呼ばれてトップ行っちゃった。ボタンありがと、これも美味しいね」オニオンの酢漬けをかじるネモ。その酢漬けはボタンの作である。 - 32二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:56:46
4
「そうだ。アオイのスマホロトムの位置データ見てみん?チャンピオンランクは緊急用で位置情報分かるようにしてあるんだよね。やべっソース落ちた」床にこぼれたメイプルソースを拭きながら、ボタンが言う。
「おいおい、全然反省してないちゃんだな・・・やろうぜw」
「カキシルスw」「やるん?」「やろうよ」
「どれどれ・・・・・えっ?」画面に示された位置情報を見て絶句するボタン。
「ど、どうしたの?」「なんかヤバいちゃんか?」「ミヨミヨ?」
「アオイいま、・・・・エリアゼロにいる!しかも、ウチらも知らないところにいる!」
ペパーら一行は今一度赴くことになる。国を滅ぼし命を飲み込む人外魔境パルデアの大穴「エリアゼロ」へと。すべては友のため。若者は一糸まとわぬ修羅の獄へと再び足を踏み入れる・・・。 - 33二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:57:40
5
時を遡って数日前、アオイら一行は順調にエリアゼロを下っていた。以前の冒険とは違い、今回はアオイだけが経験者である。最深部まで踏破した身とはいえ、エリアゼロのポケモンたち、特にパラドックスポケモンたちは身に余る殺意をむき出しにして襲い掛かってくるため、一瞬の油断も許されない。
成熟した大人の女性であるブライア、瑞々しさと嫋やかさを両立させたゼイユ、溌溂とした少女ならではの魅力に満ちたアオイ・・・スグリは女体に囲まれているが、当の本人はこれを眼福等とは微塵も思っていない。
(なして姉ちゃんの裸見なきゃいけないんだべ・・・)ゼイユの肉体はしなやかで引き締まっており、見る者を虜にするだけの威力を持っているはずだが、血縁者の裸身など、スグリにとってはなんの価値もない。かといって、アオイやブライアに心乱されるようなものを感じるほど彼の心身は成熟していない。
事実、スグリのパピモッチは下を見つめ、エリアゼロに到着して数泊してもいまだ空を仰いではいなかった。陽が沈まぬため時間間隔の狂うエリアゼロでは朝を認識しづらいという事情があるにしても、これは異常であり一種のパラドックスといえよう。
ペパーらとの冒険とは違い、今回はブライアが全裸非戦闘員であるため、戦力的にはより厳しい戦いとなる。無論、アオイもスグリも絶対的な強者である。いくら野生種が強いエリアゼロといえども、トレーナー戦でもないエンカウント戦で敗退することは考えづらい。しかし、スグリはあくまでトレーナー戦の強者であり、ペパーらのように命を削り合う修羅の巷を生き抜いたわけではない。
また、古来より強者が弱者に倒されるときにあるのは「数の暴力」と相場が決まっている。しかもここはエリアゼロ。いるのは弱者の群れではなく、無数の強者たちである。油断はできない。 - 34二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:58:09
6
下層に差し掛かった辺りで服を着ていないアオイは剥き出しの肌で空気感の変化を感じた。その正体は「振動」。以前の冒険の際にはボタンが真っ先に感じ取ったこの振動。直後に現れたのは・・・、
「オオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
「イダイナキバ!!スカーレットブックで見たとおりだ!素晴らしい!」「先生は下がって!スグ、後ろ見てな!」
アオイとゼイユが前に出、スグリは横やりを警戒して背後に構える。腰のパピモッチは変わらず下を向いているが、スグリの眼光には鬼気迫るものがあった。背筋が凍るような気迫だが今はこの気迫に助かる心持のアオイであった。
「ヤバソチャ!いかりのこな!攻撃ひきつけるよ!」
イダイナキバによる格闘技はアオイのマスカーニャを狙っていたが、意識ごと捻じ曲げるようにヤバソチャへと吸い込まれていく。無論、裸のヤバソチャに格闘技は通用しない。結果的に致命的な隙を生み出すことに成功する。
「にゃおちゃん!トリックフラワー!」閃光のごとく急所を打ち抜く花弁の一矢がイダイナキバを打ち倒した。以前の戦いでは沈みゆくイダイナキバの向こうにはペパーの姿があったはずだが、今回は誰もいない。
「急所!あんた相変わらずモッテルわね、アオイ!」にこりと全裸で笑ってアオイのマスカーニャを撫でるゼイユ。
「・・・・・・・・また急所・・・」そんな姉の姿を視界に入れつつ、スグリは誰の耳にも届かない声でつぶやいた。 - 35二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:58:51
7
下層を歩き進んでいくうちに、地面の質感はふくよかな土壌から鉱石質のゴツゴツとしたものへと変じていった。髪留め程度の物以外は文字通り一糸たりとも身に着けていないアオイら一行にとっては尖った小石を踏むだけでもケガをしかねない。以前の冒険で気にならなかった部分が今は集中力を乱している。エリアゼロで敵以外のことを気にする余裕がでてきたことによる弊害ともいえるだろう。
「仕方ない。靴と靴下だけでも身につけよう。」ブライアの提案は至極まっとうなものであった。アオイはこの極めて「常識的」な判断が危険なのではないかと無意識に思っていたが、それを言語化するには至っておらず、一抹の不安を抱えながら指示に従うのであった。最強のチャンピオンといえど、彼女はまだ幼い少女なのである。
「わやじゃ・・・裸に靴下・・・変な感じだべ」スグリのつぶやきは誰にあてたものでもないが、一同はどことなくフェティッシュな恥ずかしさを感じていた。この場にいる男性が幼いスグリだけなのは彼女らにとっては幸運といえる。とはいえ、ブライアもゼイユもアオイも未知を踏み砕き人智の黎明を切り開くことを生業をする者、「探究者」である。公衆の面前ならいざ知らず、閉鎖空間での己の柔肌より必要ならば全裸を選択する気概を持っているのは間違いない。
下へ下へと降り進んでいくと、いよいよ最下層、ゼロラボの入り口が見えて来た。アオイにとっては二度目の来訪であるが、そこには変わらず威圧感を放つ巨大な鉱石の牙城がそびえていた。以前はここでツバサノオウとの遭遇があったが、激戦の末ツバサノオウは捕えられ今は裸で保護研究施設にいる。
「よし、アオイ!わたしが許可するわ。開けちゃえー!」仰々しい物言いだが、ロックを解除するだけである。といってもどうやら、長期間のログアウトによってロックが作動しているらしく、開けることができない。 - 36二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 15:59:21
8
「スパイみたいで、わやカッコイイ」スグリの感想は実に素直なものでゼイユにとっては久方ぶりに弟の裸の心に触れることができたような嬉しさをもたらしてくれるものであった。また、「裸の心に触れる」という表現に他意はないことを強調しておきたい。
「こんなときにボタンがいれば・・・」ここにいない親友の名をつぶやくが、当然ボタンはここにはいない。
「・・・・・・・・・・・・・そんなすごい友達さいるんだべか・・・・・」アオイのつぶやきはスグリにのみ聞こえたが、スグリのつぶやきはアオイには届かなかった。
どうしたものかとアオイが考え込んでいると自動音声の方から藍のディスクに言及してきた。どうやら藍のディスクを使えばロックを解除して入ることができるらしい。その後は実にスムーズな流れであった。ディスクによって開かれたゼロラボ、興奮するブライア、暗がりで頭を打って激怒するゼイユ、意外な倫理観を見せるスグリ。アオイはというと、以前の来訪では気づかなかったオーリム博士の研究机、その傍らのボードに目を奪われていた。
そこに貼られていた数枚の写真。胸を掻きむしられるような気がした。叫びたいような思いがあった。ただ泣きはしなかった。ここで泣いていいのは自分ではない。ここで泣くべきは終わりとなった自分ではなく、始まりであった「彼」なのだ。泣いてはいけない。そんな思いが彼女を強く支えた。
物色しているブライアをなだめ、エレベーターで下降する一行。スグリはふと自動音声の発言を思い出した。
「あの音声、行先を変更するって言ってたべ」
「ふむ、我々はどこへ向かっているのだろうね」
いよいよアオイにとっても未知の領域、エリアゼロの最奥、深淵に眠るゼロの秘宝への道が開かれるのである。 - 37二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 16:03:43
四災SSの方もなんとなく想起されてクッソ打ち解けてるペパー(ED)とチオンジェンが微笑ましい
本編でも思ったけど全裸だと非戦闘員抱えてマジでよくぞ奥まで行ったな… - 38二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 16:05:23
ダベってもぐもぐしてるシーンめっちゃすき
- 39二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 17:54:18
だいぶさらっと降りてきたな。まだまだ全裸パワーを貯めてる感じか
- 40二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 18:37:49
ブライアは全裸に靴下状態で悠然と歩を進める。いや、「歩く」というよりは「飛びつく」と言った方が正しいだろうか。眼前にある書類の束は研究者である彼女にとってはまさに宝の山と言えるのだろう。ブライアがその書類の主であろう人物の名前、つまりオーリム博士の名を読み上げたとき、アオイの胸中には一連の事件が走馬灯のように一瞬で駆け抜けていった。
オーリムAIとのやりとりを通して、アオイは宝物とは何か、深く考えるようになった。どんなに辛い過去があろうと乗り越えることができる・・・そう言っていたかの先人が今のアオイを見たら何を思うだろうか。導いてくれた彼女に、支えてくれた宝物である友人たちに、そして何より自分自身に恥じる所なき道を歩めているだろうか。アオイはすっかり分からなくなっていた。
自分は確かに宝物を見つけた、それは間違いない。だが同時に、誰かの宝物を奪ってしまっていたのではないか?そんな思いが脳裏にこびりついて離れない。スグリは決して自分に対して恨み言をぶつけたりはしないが、彼との一連のできごとはアオイの中に複雑な想いをもたしていることは事実である。 - 41二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 18:38:08
アオイが自身の胸中を整理している間に3人は洞窟を前へと進んでいた。見渡すかぎりの鉱石たち。自然石も多く見えるがテラスタル結晶が大量に存在していることは明白な光景である。結晶体にはゼイユのしなやかな肢体が反射して映っているが、それに対して何らかの反応を示す者はいない。年頃の男子が見れば大量の鼻血を噴き出して絶命するであろう光景だが、今回ばかりは幸運というべきか。
ふるふると豊満な肉体を揺らしつつ洞窟内を進むブライアら一行。その行く手を巨大な結晶花が塞いでいた。どうやらこの結晶を除去しなくてはならないようだが、コライドンの膂力で強引に破壊するのは危険が過ぎる。なにしろここは洞窟内であり急な衝撃は岩盤の崩壊を招きかねない上、ここはテラスタル結晶の密集地帯であり、下手なことをすれば何が起こるか想像もつかないのである。
なんとか突破を試みようと隙間を探す全裸たちの背後に強烈な気配が現れた。位置関係的にアオイが単独で対応することになった。眼前にいるのはキラフロル。馴染み、とまでは言えないにしてもアオイにとっては未知のポケモンではないし、それは一行にとっても同じである。しかし、様子がおかしい。テラスタル個体は珍しいとはいえ今までも遭遇したことはある。だが目のまえのキラフロルは明らかに通常のテラスタルとは違う気配。
通常のテラスタルが全裸だとすれば、この特殊個体のテラスタルは着衣。
キラフロルの周りにはまるで装飾品のような結晶体が浮遊しその輪の中心にいるポケモン本体を着飾っている。アオイは戦慄した。ここはエリアゼロである。エリアゼロで着衣でいる、このパラドックス。彼女は初手からコライドンを繰り出して全力をもって排除した。
戦い自体はすぐに終了したが、彼女のむき出しの背中を冷たい汗が走る。手ごたえから言って、今のキラフロルが伝説のポケモン、というわけではないようであった。 - 42二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:26:14
生前のオーリム博士が残したのであろう資料によれば、先ほどのキラフロルのような特殊なテラスタルのことをステラと呼称するらしい。そして、ステラ個体を撃破すれば道を塞いでいた結晶体も霧消するようで、一行は戦闘を交えながら洞窟内を進むことになった。
進むにつれてテラスタルエネルギーが強まっていくのか、わずかに生息している野生のポケモンたちも強くなってきていた。アオイはコライドンの機動力で洞窟内を探索して、ゼイユらは結晶体の前で待機、といっても実際には野生のポケモンたちが襲い掛かってくる状況であるため、機動力を持たないゼイユたちは無理に移動するより腰を据えて迎撃するよりほかなかった。
戦いに戦いを重ね、いつしか疲弊していく一行。アオイもスグリも余力はそう残っていなかった。だが、スグリの目に疲労の影は見えない。むしろ洞窟を進んでいくにつれてより力強さを増していくようである。腰のパピモッチは相変わらず下を向いているのに、双眸はしっかりと前を見据えている。エリアゼロの魔力に取りつかれてしまったのかと、アオイは少し心配になったが、スグリ本人は至って正気であった。そのむき出しの胸中にあるのはただ一念。
「特別」を手に入れることのみ、である。 - 43二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:33:21
色んな意味で盛り上げてくれるペパーたちがいないせいか道中が比較的あっさり進行している
合流後が楽しみだけど間に合うかな? - 44二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:39:19
12
最奥に到達した一行。以外にも彼らには大した感慨はなかった。それも無理はない。もともと彼らの目的は最奥に潜む伝説のポケモン、テラパゴスなのである。少々苛酷な物見遊山に興じただけではその探求の渇きを潤すことはできないだろう。
奥の柱に謎の物体を見とめたブライアとスグリ。すぐに駆け寄って手に取り、引き抜こうとするも、存外に強固でなかなか柱から離れはしない。そのうちに、スグリは己の心中をとぎれながらも語り出した。
自分にはなにもない。
自分は特別じゃない。
特別を持っている者には何をしても敵わない。
だから自分も特別が欲しい。
スグリの独白は決して大きな声ではなかった。それでもその鬼気迫る声は聞く者の魂を揺さぶる何かがあった。アオイはそこにわずかな怯えと焦りを覚えてしまったが、ゼイユはただただ痛々しい弟を救うことはできないかと心を痛めるばかりであった。
そうしているうちに、その「物体」は柱から離れ、重苦しい洞窟内には似つかわしくない高い音を響かせて転がった。そして、みるみる内に姿を変え、ついに動き出す。これこそが探し求めた伝説のポケモン、テラパゴスである。 - 45二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:39:48
>通常のテラスタルが全裸だとすれば、この特殊個体のテラスタルは着衣。
なんて?
- 46二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:49:27
そりゃあ全裸でいるより着衣の方が安心感あって強いから、通常テラス<ステラの表現としては全裸<着衣となるのは必然だろう。それに、このシリーズにおいては全裸になると強くなることが多いのに、全裸(テラス)<着衣(ステラ)の関係になってるのは矛盾、つまりパラドックスってわけだな。巧妙な表現だよ。
- 47二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 19:50:25
頭全裸か?
- 48二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 20:03:56
13
目を覚ましたテラパゴスは漫然と歩きだした。その先にアオイが居たのはただの偶然。しかしスグリの目にはそうは映らなかった。こんなにも求めている自分には一瞥もくれずただまっすぐにアオイの下に向かおうとしているように見えたのである。
咄嗟にマスターボールを投げつけた彼の行動はおかしいことではない。ただ彼自身が何か大切なものを見失っているように見え、ゼイユは手放して祝福することができなかった。
「スグリくん、テラパゴスの力を見せてもらえるかな」ブライアの提案はやはり至極まっとうなものであった。研究者としてはそのポケモンが最も力を発揮できる瞬間を見ておきたいもの。それはつまり元々の生息環境であるこの洞窟でテラパゴスを運用してみせてほしいということである。
是非もない。
アオイとスグリは結晶煌めく洞窟の中で再びぶつかることとなった。なったのだが・・・、結果はあまりに不自然なアオイの勝利であった。無論、弱すぎるというわけではないが、伝説のポケモンの名を冠するわりにはあまりにも・・・。
「なにか、条件が足りていない・・・?そうか、スグリくん!今すぐテラパゴスをテラスタルさせるんだ!」
その判断もまた、「まっとうな」推測であった。力が出ないのなら外部から力を注いでみればいい。その推測は「常識的」なものである。
だがしかし、忘れてはならない。ここはエリアゼロ。
数多の命を飲み干してきた魔物の腹の奥の奥。
アオイはこの感覚を知っていた。服を着てはならないことを始め、日も沈まぬこの地では・・・、
「常識」は「命取り」であるということを。 - 49二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:02:12
こんなに早く全ペが来るとは思こんなに早く全ペが来るとは思ってなかったし、こんなにすんなり進むとも思ってなかった
これ、まだひと波乱あるな - 50二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 10:35:37
ブライアさんの胸えらいことになってそう
- 51二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 12:24:31
あれ、これだいぶ短くなる?今までに比べて展開が早い気がする
- 52二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 13:46:50
14
烈風を受け上下左右に暴れ狂うはブライアの秘宝。
ゼロとは対極の実りの極致とでもいうべき双丘は持ち主の昂ぶりと共にいっそう強くいななく。ゼイユは自らの胸部と比べて内心苛立つが今はそれを言及しているときではない。
狼狽するスグリをわきに、ゼイユとアオイはテラパゴスの暴走を食い止めるためにもうわずかばかりとなった余力をふり絞る。対するテラパゴスの方は眼前にいる全裸たちへの反応はほぼ無に近く、なかば条件反射のように技を繰り出しはじめた。
ただし、テラパゴスはこの人外魔境の最奥で眠っていた存在。その力はまさに未知数である。よって、繰り出される技もまた未知のものであった。百戦錬磨のアオイや勉強家のゼイユですらその技「テラクラスター」は完全に初見であり、いったいどんな技なのか見当もつかない。それでも確実にダメージは蓄積していく。
ヤバソチャの回復によってなんとか持ちこたえるアオイのマスカーニャ。テラスタルして威力を高めた一撃をもってテラパゴスのバリアを叩く。打ち破るにはわずかに足りないが、有効打ではあったようで、テラパゴスの次撃はマスカーニャに対する意趣返しのような気配が満ちている。
そこで振りまかれる「いかりのこな」。ヤバソチャによって敵意の方向は捻じ曲げられ、マスカーニャは窮地を脱し、かつバリアの破壊にも成功した。代償として、ゼイユの切り札であったヤバソチャは力尽きて沈むこととなった。
スグリの耳に姉の声は届いてないわけではない。しかし、あまりに揺さぶられた精神はすでに自我の限界を迎えており、股間のパピモッチは縮み上がってしまっている。 - 53二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 13:47:22
15
バリアを打ち破ったにも関わらず、戦況は依然最悪といえる。テラパゴスのなぞの力によって、マスカーニャはテラスタルを解除され、そのエネルギーを吸い取られてしまったのである。
ゆったりとした動きで再びバリアを張るテラパゴス。マスカーニャは疲弊した状態で再びテラスタル・エネルギーが溜まるのまで持ちこたえねばならなくなった。当然そんなことができるわけはない。抵抗むなしくマスカーニャも倒れ、アオイは、一行は、いよいよ絶体絶命のピンチへと追いやられた。
あのときも、今も。窮地に陥ったとき、助けてくれた最高の相棒。
古代の覇者 アオイの相棒 コライドンの出番である。
しかし、いくらコライドンといえどたった独りでこの窮地を脱するには役者不足。すべてが終わるのは時間の問題かのように思われた。
そのとき、はじめてスグリの耳に、いや心にアオイの声が届いた。
「スグリ!一緒に!」
極めて短いひと言。それでいてスグリが最も欲しかったひと言だったのかもしれない。共に肩を並べて戦うこと、信頼と友情を噛みしめて戦うことこそ、彼が真に求めていたものなのかもしれない。 - 54二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 13:47:52
16
「カミツオロチ!ドラゴンエールだべ!」スグリの指示によるドラゴンエールがコライドンの力を増す。股間のパピモッチはもう下を向いていない。豪壮と呼ぶにはいささか幼さのただよう風貌でありながら、しっかりとした獣性を感じさせる雄大な独峰が少年の股間にそびえていた。
アオイも心の中のもやが消えたような気がした。せっかくできた友達を失いかけ、再び取り戻した高揚感が彼女のむき出しの白い背中を後押しする。
「コライドン!
テ ラ バ ー ス ト ! 」
千変万化の光の奔流が竜の顎となってテラパゴスを覆い包んだ。その光がおさまるとそこには元の姿のテラパゴスが鎮座していた。
「今なら捕まえられる・・・俺じゃない、アオイにやってほしいんだ。けっぱれ!」
ゼイユは胸の奥底からこみあげてくるものを感じた。それは涙なのか、それとも別の感情の発露なのか・・・複雑な想いが絡み合い弟の姿を見守る姉の薄い胸を満たしたが、それが温かなものなのは間違いないだろう。 - 55二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 14:17:43
ゼイユぶちギレするぞ
- 56二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 15:00:30
テラパゴスを手に収めたアオイを見るスグリの表情は、あの頃のような素直で優しい少年のそれであった。「特別」など要らない、自分の宝物を見つければそれでいい、そのことに気づいた少年はよりいっそう強くなることだろう。
完全沈黙しているかのように見えたゼイユのポケモンたちだが、茶の湯に通じるヤバソチャだけは実はこの結末が見えていたような気がしていた。確かに「特別」を持つものたちは煌めく宝石のように輝かしく眩しい魅力を持つ。それは間違いないし、否定する必要もない。しかし、先人たちは知っている。なんの変哲もない土塊であっても長い時間と果てない研磨の末に土器や陶器となれば、宝石を凌駕する価値を有するのだということを。そして歴史上、天才を超えた凡人はいくらでもいるのだということを。
ゼロの秘宝の確保、スグリとの和解、これで全ての事件は解決し地上に戻るだけとなったが、古来よりわらべ歌に唄われる訓話が思い出される。その内容は・・・、
行きはよいよい、
帰 り は 怖 い - 57二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 15:08:09
ど…どうなるんだ…
- 58二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 16:31:31
この人、言葉選びとかもそうだけど、演出が上手くて感心しちゃう、服着てないのに
- 59二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 19:02:47
確かにボロボロでどうやって帰ったんだろうって思ってた
- 60二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 20:53:38
強者が倒されるとき、対峙しているのは更なる強者のみ・・・ではない。もちろん、強者がより大きな力に敗れることも珍しくはないが、それよりも多くの命を吸い取ってきたのはもう一つの暴の形。
純然たる「数の暴力」である。
ゼロの大空洞をはじめ、パルデアの大穴はテラパゴスの力の影響を受けていたのは疑いようもない事実。しかし、国を飲み込むほどの暴威をもたらすこの大穴が、たった一匹のポケモンによってコントロールされるなどありえない。テラパゴスは大穴において楔であり蓋であったが、同時に器でもあったのだろう。アオイたちの眼前には大空洞に満ちるエネルギーをその身に宿したステラ個体のポケモンたちが両手におさまらないほど集まってきていた。
「なによ、こいつら!!!」わなわなと震えながらこの理不尽に対して抗議するゼイユ。弟の快気に水を差す無粋を許すまじとする彼女の目に恐れや戸惑いは微塵もない。ただし、疲労だけは別である。どれほど意力をたぎらせその平坦な胸を反り返らせて見せても、骨身にまでわたる疲労感を押しやることはできない。
「ねえちゃん、アオイ、あと先生も・・・・」スグリの目にも力強い光が灯っているが、疲労の色は隠しきれない。それでも少年は前を向いて敵と対峙する。もう恐れはない。焦りもない。ただただ友達と戦えることを嬉しく思う。この地の底の更に底で、スグリは帰って来たのである。
股間のパピモッチはもはやパピモッチではなくアローラナッシーやカミツオロチといえる様相を呈している。上へ上へと頂点を見上げるその独峰は、スグリのこれからの生を暗示しているかのように思えた。 - 61二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 20:54:01
「やってやるべ!」
雄々しく笑うスグリの顔にアオイも戦意を滾らせる。旗色は悪い。たとえこの戦いで散ることになったとしても、最後の一瞬まで全力で生き抜いてやる、そんな覚悟が彼女の小さな胸を満たす。
激 戦
戦いの熱が奔る。血が湧き、肉が躍る戦いの熱が。後ろではブライアが隙を伺いつつ脱出の一手を探っているし、隣を見ればゼイユとスグリが全力で戦っている。一糸まとわぬ戦い。アオイはコライドンとともに大空洞の壁を走り、宙を舞い、敵の陣形を切り裂き吼える。
まるで時が止まり音が消えたかのような時間であった。
一行の疲弊もピークに達しもはや宙を舞うには力が足りなくなった。ブライアはせめて子供たちだけでも生きて帰れるようにと知恵を絞り己が身をもって隙を作ろうと試みるも、一瞬の隙だけではもはやエリアゼロから生還するには不足が過ぎる。
もはやこれまでかと思われたそのとき、アオイの知覚に、正しくは嗅覚に覚えのある匂いが入ってきた。
「これ・・・・栗の花・・・?」
「 ア ク ア ス テ ッ プ !!」「 ム ー ン フォ ー ス !!」 - 62二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 20:55:27
栗の花で草テラス
- 63二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 21:12:22
きたー!
- 64二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 21:13:40
「ああ・・・・あああ!!」アオイはこみあげてくるその感情を一言で表す語彙を知らない。脳が気持ちを言葉へと変換する時間すら惜しむように、彼女の口は歓喜の咆哮にも似た大声を上げていた。
「ネモ!ボタン!」声が上ずる。そして・・・、
「ペパー!!」愛しい人の名前を力強く呼べる喜び。アオイたちの前にはかつてパルデアを救った英雄たちのあられもない姿が勇壮に立ち並んでいた。
「アオイ!話は後!うちたちも戦う!ニンフィア!ブースター!弾幕張って!」
ボタンは全裸でアオイとゼイユの傍らに立ち、人間用とポケモン用の傷薬を渡しつつも戦線を形成する。今回のステラ群団はキラフロルやキョジオーンなどの高耐久ポケモンが多い。しっかりと戦線を作ってまんべんなく戦う土壌を作る。多勢に無勢を強いられ続けてきたボタンにとって、守りながらの対多数戦はホームグラウンドである。
「うおおおおおおおお!!!たぎってきたああああああ!!!ウェーニバル!ルガルガン!いっくよー!!!」
浅黒い小麦色の健康的な肌を隠さず、ネモは鬼神のごとき活躍を見せている。本心ではアオイのそばに駆け寄りたいところだろうが、その役目はボタンに任せ、自分はパルデア最高戦力たるその役目を存分に果たしている。ウェーニバルの腰は止まらず振りたてられ、殺気をはらまない純粋な闘気に満ちた異様な雰囲気をかもしている。
「アオイ!帰ったらげんこつちゃんだ!んで、その後たらふく食わせてやる!あとブルーベリーの奴らもな!マフィティフ!キョジオーン!」
ペパーの力強い激励はアオイに生命の息吹を与えてくれる。だが、膝をついていたアオイの視線は高さの関係から自然とその眼の前にあるペパーのウミディグダへと注がれた。
ペパーのウミディグダはこれまでにないほどに力強く、雄々しく、剛烈な存在感をもって天を睨みつけていた。そして、その隣にはスグリが立ち、同じく天をつかんばかりの勢いを見せている。
修羅の渦巻く地の底で、天を突かんばかりの剛の双峰
「偉大な・・・牙・・・」ひと知れずそうつぶやいたアオイの両手は神聖なものを讃えるかのように固く結ばれ祈りの様を模していたが、本人を含め誰もそれは気づいていない。
いよいよ総力戦である。 - 65二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 21:25:42
- 66二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 21:37:13
ピンチに親友たちが駆け付けてくるアツいシーンなのに絵面は全裸で周囲は栗の花の香りがしてるんだよなコレ…
- 67二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 22:03:27
あれ、でもホームウェイ組で空飛べるポケモン持ってる人っていたっけ?どうやって帰るんだろう...?
- 68二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 22:17:33
ペパーEDなおってよかったね
でもこれ、もしかしてエリアゼロでしか勃たないとかじゃ…… - 69二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 22:22:12
まあたぶん素っ裸のアオイ見て勃ってるだけだからセーフ
- 70二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 08:05:31
なんでフルチンの人が立ってるだけなのにこんなに描写強いんだよ
- 71二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 09:36:24
やっぱりすんなりとは終わらなかったかw
- 72二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 10:20:08
総力戦とは、文字通り「総ての力をぶつける戦い」を意味する。その意味ではこの戦いはまさしく真の総力戦そのものであった。
炎が燃え
風が舞い
鳴き声とどろくこの激戦
全員余裕などない。しかし、死地にいるつもりもない。必ず生きて帰るのだという強い信念を握りしめ戦士たちは地の底で吼える。信じられるのは己の力と仲間たちとの絆のみ。か細い剣ではあるが、これ以上に心強い武器もない。ネモは自身に匹敵し得る強者たちがこんなにも多くいる喜びをかみしめ、獰猛に笑う。裸で猛るその様を見るボタンは表面でこそ多少引いて見せるが、その実彼女自身も強く昂っていることを自覚してもいる。無論裸で。
アオイは傍らに立つ、すっかり毒気の抜けた頼もしい表情のスグリを見て古い言葉を思い出していた。
<昨日の敵は今日の友>
いかにも古い訓話のようであるが、これほど端的に真理をついた言葉も珍しいだろう。そして、アオイはもう片側に勃つ、いや立つペパーを見て、この古い訓話に続きを足すことにした。
<今日の友は明日も友達>
「そう・・・永遠に友達だよ!」
アオイの叫びに呼応するかのように皆がテラスタルを発動し、爆炎をバックに腰を振るウェーニバルを中心に豪華絢爛な万化のきらめきが魔境の大洞窟を鮮やかに照らす。前衛芸術を思わせるその様を見る者が、もし絵心のある者であったなら、後世に残る傑作が生みだされたことだろう。
- 73二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 10:41:51
なんかちょっと感動してる自分がいる・・・いや、まあ全ペって毎回なぜか感動させてくるんだよな・・・
- 74二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 12:46:42
舞踏会場のような煌めきも徐々に落ち着き、テラスタルの光が去った後にはアオイら一行だけがその場に立っていた。観客もおらず生還以外の何を得ることこそないが、これこそがかけがえのない彼女らの勝利である。
激戦を終え、命からがら大空洞を後にするアオイら一行。スグリを含め、その表情は死線を超えたばかりとは思えぬほどに明るい。にこにこと弟をみつめるゼイユ、やりきった表情のネモ、警戒をとかないボタンやブライア、おだやかなアオイ。そしてスグリとペパー。
スグリはペパーの佇まいに何か感じるものがあった。この死地においてなお冷静でありながら愛情深い表情をみせるこの青年が、スグリにとってはとても魅力的に見えたのである。ちなみに、このときペパーは己の内で暴れ狂うテラバーストへの欲求を抑えつけるためにアンニュイな表情になっているのだが、それを暴くのは野暮といったところか。
「あれ?そういえばペパーたち、どうやってここまで来たの?エレベーター止まってたよね?」アオイがふと疑問を口にする。中層まで上がってきたため陽光が全裸を優しく温める。
「へへへ」「んひひ」「ふふふ」ペパー、ネモ、ボタンの3人は不敵に笑って4つのボールを取り出した。
「ん?あれ?それって私のボール・・・あ!」
「そら!お前ら!出てこい!」
「ミヨミヨー!!」「カキシルス」「キル!キル!」「ソソゲー!」
「みんな!来てくれたんだ!」「こいつらが頑張ってくれてよ。岩盤の上にツル巻いたり壁走ったり着地の衝撃和らげたりで、大活躍だったぜ」
イーユイの喉をくすぐりながら微笑むボタンやパオジアンと戯れるネモを見て、アオイは自分がどれほど友に恵まれたのか深く自覚した。スグリとゼイユとブライアは最初こそ驚いていたものの、すぐに打ち解けエリアゼロの岩壁を共にハイスピードで駆け上がっていく快感を心から楽しむのだった。 - 75二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 14:42:59
四災かわいい
しかしまあ一般ステラ群団くらいならものともしねえなこの全裸たち - 76二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 15:39:22
ペパーらの一時別れ、ブルーベリー学園へと帰り着いたアオイたちだが、もちろんこの場では服を着ている。時刻はもうじき夜明けだろうか、空は夜の帳を片付け始め、代わりに優しい茜色を帯びている。イッシュの海は今日も厳かに太陽を迎えるのだろう。
衣服に身を包んだスグリは前を行くアオイに声をかける。タイトな制服に袖を通したアオイが振り向くと同時にその向こうではゼイユもまた暖かい眼差しで二人を見つめる。そんな若人たちの一瞬を見守るブライアは衣服を着る際に下着を身に着けることを忘れていたことを思い出したが、この場でそれを申告するとゼイユに怒られる気がしたので割愛することにした。
「アオイ・・・、俺、迷惑かけた皆に謝りたい・・・それで・・・そしたら・・・」
スグリの声は震えていた。恐怖ではない。焦りでもない。魂をうち震わせる強烈な感慨が少年の心を満たしているのだ。
「ゼロから・・・また俺と・・・ともだちになってくれる・・・?」
猛烈な憧れに魂を焼かれ、「特別」を持つその勇姿に心を奪われ、少年は道を踏み外した。その脳裏にあったのは圧倒的な陽の力と対等になりたいという一心であった。その結果、彼は負の側面に呑まれてしまった。しかし、それでも彼は友と家族と仲間たちの力を借りてもう一度戻ってきたのである。冷たいマイナスでもない特別なプラスでもない、まっさらゼロへと。
スグリの真摯な問いに、アオイは言葉ではなく心からの微笑みを返すことで答えるのであった。少年のズボンの中で硬きオロチがささやかなテントを作っていたことに気づいた者はいない。
少年も、少女も、これからの人生で数多の間違いをおかすだろう。だが、傍らにはそのたびに道を正してくれる友がいる。たとえ何が無くとも、その手の中がゼロであったとしても、共に歩む仲間たちがいる。それこそが宝物なのである。
道は続く。
数多の未来への道が続いている。しかし、少年少女がどの道を歩むか、はたまた道なき道を行くか、それは分からない。だからこそ言えるのだろう。
人生は冒険なのだと。
藍の円盤編 完 - 77二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 15:41:20
さて、これでようやく本編が終わったので、ペパーたちとブルベリ族を交流させたり妄想できますね。
まずはスグリとカキツバタの仲直りやペパーとアカマツの交流を書くべきか・・・それともネモをブルーベリー学園に放流するべきか・・・ - 78二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 15:53:12
乙!まだもう少し続くのかな?
ネモ放流編ヤバそう(小並感) - 79二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 16:10:55
- 80二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 16:11:41
確かに料理人コンビはウマがあいそうだな
- 81二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:03:02
めざポケオマージュのところ大好き
- 82二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:04:21
これから…???一体どうなってしまうというんだ
- 83二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:14:37
ネモ放流編を全裸でやる場合ブルベ学園が全裸学園になってしまうのでは…!?
- 84二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:19:49
それこそが着衣ゼロの秘宝
- 85二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:55:43
「ダ、ダメだべカキツバタ・・・こんなの・・・」
「へへへ、そうは言っても体は正直だぜ~?ほら、続けてほしいんだろ?」
学園リーグ部の部室には様々な設備がある。当然バトルを記録するための映写機の類は複数台備わっており、視聴覚室のような小部屋にも事欠かない。その一室にスグリとカキツバタはいた。
スグリはカキツバタに肩を抱かれ、その頬は濃い紅に染まっている。部屋の外に聞こえない小さく抑えられた嬌声がしっとりと響く。カキツバタはスグリの隣に密着するように座り、その小さな肩に自らの肩を置いて組ませる。
スグリは表情こそ真っ赤に染まってはいるものの、視線は目の前の痴態から離すことができない。カキツバタもスグリが本心では拒んでいないことを分かっているからこその悪魔の囁きを届ける。 - 86二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 18:56:02
「へえ~?・・・元チャンピオン様はこういうのが好きなんだ?意外だねえ?」
二人の視線は入口からは見えないように部屋の片隅に置かれた一台の小さなPCモニターの画面に注がれている。
そこには豊満なスタイルの妖艶な美女や浅黒い肌の溌溂とした美少女が野外であられもない姿を晒している様子が映し出されていた。彼女らの足元には靴下が履かされており、フェティッシュな美しさを醸し出している。陽光を受けながら恍惚とした表情で屋外を練り歩く女性たちの色気を少しも損なうことなく写すカメラワークの妙にも脱帽だが、それをより高め芸術の域に高めている監督の技量の高さが光る逸品である。
音量は最小にしているためほとんど響かないが、だからこそ木の葉のすれる音すら聞き漏らすまいと耳を澄ますスグリの表情は真剣である。画面の中の女性たちはときおりカメラ目線でしっとりとした嬌声をあげるが、その度にゴクリと喉を鳴らすスグリをカキツバタは暖かく見守っている。
ようやくスグリが帰ってきた。
そんな思いがカキツバタの胸に温もりを感じさせる。秘蔵のコレクションの中では比較的健全度の高い作品でいわゆるイメージビデオと呼ばれるものだが、スグリにはよい刺激となっているようであった。
「カキツバタ・・・おれ・・・ちょっとトイレ行きたい・・・」顔を真っ赤にしたスグリが涙目で申告するのを見て、カキツバタはこれからまたあの楽しい日々が帰ってくると確信し、快く送り出す。自分がトイレに行っている間、ビデオは一時停止させてほしいと言い残してトイレへと急ぐスグリは中腰であり前かがみであった。
「ったく手間かけさせるぜ・・・おかえり、チャンピオン」そうつぶやくカキツバタの独り言は誰の耳にも届かなかったが、彼の目はどこまでも優しい色をしていた。 - 87二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 20:49:36
導入が完全にNTRなんよw
- 88二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 20:55:08
スグ、トイレで何するつもり?
- 89二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 23:13:43
終わったと思ったらスグリとカキツバタがAV見てた????
- 90二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 07:38:53
なんでいい話風になってんだよ(困惑)
- 91二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 09:59:29
仲直りできてよかったね()
- 92二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 16:48:40
14日かけて一気読みしてきた
すごかった(小並感) - 93二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 17:20:26
苦行かな?
- 94二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:11:28
「へえ、そこで油入れんだ?」「こうすると辛さが引き立つんだよ」
「んじゃ、つぶしたガーリックとかも良さそうだな」「あー!確かに!それウマそう!」
エリアゼロの一件とそれに付随する騒動がひと段落してから、アオイに招待されたペパーは同じく料理人のアカマツと度々交流し料理の道を探求していた。この日は休日でありアオイを伴ってコーストエリアの海岸でピクニックに来ている。
ピクニックといっても料理人が二人も集えばかなり真剣な研鑽の場となるもので、ペパーとアカマツの熱に押されたアオイはタロと共に早々に逃げ出し水遊びに興じることとなった。
せっかく可愛らしい水着を新調したというのに乙女心を分からないペパーに対してこっそりと頬を膨らませて威嚇するその様は、最強のチャンピオンとしての威厳のかけらもなく、どちらかといえば幼さの強く表れた少女のそれであった。
アオイはオーソドックスながら外れない魅力のある白いセパレートタイプの水着に身を包み、タロは淡いピンク色のタンキニを上に、動きのあるパレオを下に纏っているため、水着の印象ほど肌の露出は多くない。それでもアカマツには4倍弱点に匹敵する強烈なインパクトを与えていた。
「いいな・・・」「ああ・・・いい・・・」二人の男たちはいつの間にか海岸で水をかけあう少女たちに釘付けになりそうになっていたが、トレーナーとしての理性を総動員してちらちら見る程度に抑えることに成功していた。 - 95二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:11:43
もっとも、むせかえるほどに全裸を浴びてきたペパーにとってはむしろ露出度が大きく下がっているのだが、逆に着衣の魅力というものを叩きつけられた形である。衣装の力を知ってからしばらく先、ペパーはコスプレ鑑賞に対する興味の扉を開くのだが、それはもう少し先の話である。
「チョリソー焼けた?」「もうちょっと。野菜も一緒に火通したいな。香りもつくし」
邪念を振り払わんとばかりに料理に打ち込もうとする二人。アカマツはすでに若干前かがみになりつつあるが、前日に入念なテラバーストを経ておいたペパーはまだしばらくの余裕があった。アカマツも同様なのだが、この分野においてはペパーに一日の長があるといったところか。
「はー!遊んだ遊んだ!」アオイとタロが戻ってきたが、水に濡れた肌にコーストエリアの光が反射してキラキラと輝いているように見える。むろんタロも同様である。耳にかかった濡れ髪を指で整える仕草をする二人の姿に、若き料理人たちはテラバーストのPPが急速に回復していくのを感じていた。 - 96二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:19:05
ウワーッ!青春!
さりげなくなんか変な扉が開かれとる - 97二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:24:57
このシリーズのペパーいろんな扉開くことになるよね
- 98二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:34:52
「なんていうかさ、プロフェッショナルな人ってカッコイイよね」
アオイがふとつぶやいた一言である。何気ない日常の雑言であり大して意味があるわけでもない。アオイはタロに向けて話題を振ったつもりだが、その実、少し離れて料理を作っているペパーとアカマツの耳にも届いていた。ペパーは途端に聞き耳を立てる。
「ん~なんか分かるかも。私としてはカワイイ系だけど確かにちょっとカッコイイですよね」
アカマツもペパーに劣らず全神経を耳に集中させはじめた。
「なんかさ、自分が全然分からない専門的な会話とか聞いてると凄いな~って」
「あ、それなら分かります!確かに自分にない力を持っている人って魅力的ですよね~」 - 99二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:35:07
「なあアカマツ、これを”油抜き”してその後に”当り胡麻”と一緒に”火通し”したら香りがよく出るんじゃないか?」チラッ
「確かにそうだねペパー。ほかにも”アミューズブッシュ”として”パープルオニオン”を”スュエ”したものを”サーブ”するのも香りを愉しめるプランだと思う」チラッ
「それはまたトラディショナルでむしろ斬新さがあるな!」チラッ
「だろ?さすがに”アペリティフ”とかいかないけど悪くないよな!」チラッ
少女たちはいつの間にかテーブルのそばまで近づいてきており、感心したような表情でペパーとアカマツの会話を聞いていた。
「二人ともよく知ってるんだねぇ」アオイは少しポカンと口を開けて言う。
「なんだかお店の人みたいだね」タロも続ける
「「二人とも・・・・カッコイイよ」」
少年たちは急激に湧き上がる情熱と欲情を料理にぶつけることで最高の逸品を生み出すことに成功した。その日のランチは4人の人生でも指折りのクオリティであった。
ちなみにその晩、ペパーとアカマツはまるで聖者のような表情でベッドに入ることになったのだが、この件との因果関係は皆目見当もつかない。 - 100二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:36:33
真っ当に青春しててかわいい
- 101二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:37:35
栗の花の香りがする実に爽やかな青春だ
- 102二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 18:50:51
男子がかわいいw
- 103二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 20:03:02
- 104二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 21:21:21
あれ?ペパーが服を着てる、おかしいな?
- 105二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 21:41:01
このスレで素直にほほえましい絵を見ることになるとは…
- 106二次元好きの匿名さん23/12/20(水) 21:41:52
まだネモ放流編がある、油断するな
- 107二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 07:40:12
水着を見てほしいアオイもカッコいいと思われたい二人もかわいいぞ
もちろん何も気づいてないタロはスーパーかわいいぞ - 108二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 12:18:16
ネモ放流編書いてましたが、どうやら追加ストーリーがあるらしいのでネモ放流はいったん置いといて、その追加ストーリーが来るまでIF編としてハルト君の場合ならエリアゼロどうなるか書いてみますね。
- 109二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 12:32:59
追加ストーリー後にキタカミ全裸リターンズが期待できるのか…
- 110二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 14:23:13
ハルトver編
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ペパーの母でありコライドンの親元であるオーリム博士の招集に従ってエリアゼロのゲート施設、通称ゼロゲートまでやってきたハルト、ペパー、ネモ、ボタンの4人。
オーリム博士からの通信は一行の想定のはるか彼方の内容であった。
「ハロー子供たち。すまないが、エリアゼロでは一切の衣服を脱いでから行動してほしい。テラスタル結晶の暴走を避けるため、リュックやリストバンド程度のものしか身に着けることができない。もちろん、リュックで身を隠すことも危険だから避けてほしい。」
衣服を身に着けることができない。それはつまり全裸での行動を余儀なくされるということである。その衝撃的アナウンスがあってから誰かが口を開くまでしばらく、時間にすればほんの十数秒程度なのだが、いやに長い時間が経ったかのように感じられた。
「危ない所なんだね・・・」と緊張感と期待感を同時に高めるネモ
「うちも気を引き締めないと・・・」意力をみなぎらせるボタン
二人の女子はメラメラと闘志を燃やしつつおもむろに上着に手をかけていった。浅黒い小麦色のネモと真っ白なボタンの対照的な色合いが互いのコントラストとなり空間を彩る。上着が持ち上げられ、二人のへそが見えたときペパーとハルトは己の中の獣が強くおたけびをあげるのを感じた。
数瞬後、まるで効果音でも背負っているかのような威風堂々とした立ち姿でエリアゼロの雲海を眺めるネモとボタンとは対照的に、もじもじと顔を赤らめるハルトとペパーの姿がそこにあった。
「は、はやく脱げよハルト・・・///」
「ペ、ペパーこそ、はやく脱ぎなよ・・・///」 - 111二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 14:23:27
年頃の少女のように恥じらう二人を見て、業を煮やした少女たちはずんずんと近づいてき、「まずはペパーね!!ハルトは次!」と言い放つ。悲鳴と共に衣服をはぎ取られていくペパー、戦慄するハルト。
「ま、待って、待ってってば!!パンツは!パンツは自分で脱ぐから!脱げるから!」膝をついて涙目で懇願するペパーとハルトを見下ろすネモとボタンは心の中で「ガチャリ・・・」と何かが開く音がしたのを自覚したが、その正体については気づくことはなかった。
「「そ。じゃあ、二人とも・・・
は や く 自 分 で パ ン ツ 下 し て ?」」 - 112二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 17:38:15
ハルトverだと2人揃ってガールズから脱衣を求められるのか…
- 113二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 18:02:31
ハルト君もペパーもかわいいな
- 114二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:57:02
追加の前に軽く剥いとく感じか
- 115二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 06:56:55
藍の円盤クリア後ってブライヤ先生がエリアゼロの結晶を仕込んでテラリウムドームの増強するんだよな…
- 116二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 07:48:34
仲間が増えるよ!やったねペパー!
- 117二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 12:30:47
閃いた
- 118二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 21:29:16
全ペ本編のペパーは両想い相手を獲得したけど剥かれ仲間が増える方は精神的負担が減りそうでこれはこれで
- 119二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 07:39:49
ハルトのハルトはウミディグダなのかダイオウドウなのか
- 120二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 17:02:23
みんなで身体寄せ合って眠るターンがちょっと楽になる…のか?
- 121二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 21:31:00
ハルトverは冒頭だけでいいかなって思ってたんですけど、もしかして需要あるの・・・?(なんで?)
- 122二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 07:36:08
ハルトifも興味深いし別の全裸案があるのならそちらも是非読ませていただきたく
- 123二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 16:38:23
ブルーベリーを剥いてくれてもいいんですよ!!!
- 124二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:35:46
ネモ放流編も楽しみ
- 125二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 08:48:51
ハルトver の続きを書くときは別スレ立てますね。
ネモ放流編は番外編の彼らを見てから行きます。