閲注 ハイちん

  • 1二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:17:13

    パルデアを代表する商業都市カラフシティ。元々は切り立った崖であったが、水利資源が豊富だったこともあり、古来から人々が集まる、いわばオアシスとしての機能をもっていた。現代ではより洗練され、上層中層下層に分かれた町をゴンドラによって結んだ三次元的な街づくりに成功した稀有な街でもある。

    そのカラフシティの中腹に彼の店はあった。その名も「ハイダイ倶楽部」。ジムリーダーであり、町の名士であるハイダイが経営する中華レストラン。その味も品格もパルデア随一であり、今日もパルデア全土から、いや、別の地方からもベテラン料理人ハイダイの妙手を堪能しようと多くの客がこの街を訪れていた。

    喧騒も落ち着き、家々の灯りがひとつ又ひとつと消えていく時刻。従業員たちがみな帰ったあとで、ハイダイは店の看板をしまおうとしていた。至極簡単なことだが、この作業だけはハイダイ自身が毎日欠かさず務めている。

    「ハイダイさん」
    「いやあすまんが、今日はもう店じまい・・・って、おおおおお!オモダカ嬢!こらあどうしたんだい?」

    薄い砂煙がオモダカのコートの映える黒色をほんの少しだけ淡くしていた。

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:22:49
  • 3二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:28:41

    そこにも魔の手を伸ばすのか!?もうパルデア男性陣に安全地帯無いやん

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:32:18

    全員餌食にするまで続けてくれ

  • 5二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:34:46

    「今日は店じまいなんだが、おいらで良ければ何か作ろう。食べていくかい?」
    「おや、夕食を抜いてきたことが幸いしましたね、ふふふ」

    ハイダイはオモダカを店内へと案内し、営業中を示す看板を中に取り込む。

    "自分で良ければ何か作ろう"、こんなセリフを言えるのはハイダイの謙虚さによるものだが、このパルデア全土をくまなく見渡しても、ハイダイの料理で満足できない者などいないだろう。

    営業時間は過ぎているといっても、厨房は翌日の仕込みまで済んでいて、いつでも料理を始められる状態になっている。さすがにわざわざメニュー表を開いて正規の料理を注文するようなことはしなかったオモダカだが、むしろハイダイのお手製まかない飯ともなれば値千金といったところか。

    ごま油の香ばしい香りが激務にしおれていたオモダカの食欲を蘇らせる。冷たいセイロン茶の香りは鋭く、それでいて幅広いニュアンスを以て若き女傑の喉を安んじてくれる。

    あっという間に並べられた珠玉の逸品たち。満願全席というほどではないにせよ、まかない飯と呼ぶには些か豪奢が過ぎるような気もする。小さめの円卓の向かい側に座るハイダイと歓談しつつも、久方ぶりに心休まる食事をとれたオモダカであったが、彼女の本題は食事ではなかったし、ハイダイもそれを分かっていた。

    「話があるんだろう?」
    「ええ、ハイダイさんの経験が必要になりました・・・。特記事件03、仮称テツノフグリ、といえばお分かりいただけるかと」

    「・・・・おいらのときは02で仮称ウネルチンチン・・・だったか。あの話をするときが来たんだなあ。しかし、ヤツら・・・・どれだけ見境がないんだい・・・っ!」

    怒りで何かを握りつぶすほど、ハイダイは若輩ではない。それでも確かな力感を以て握りしめられる拳は、オモダカをして息を呑むものであった。

  • 6二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:54:34

    「まだおいらも新米だった頃だい。それこそ、料理人としても、トレーナーとしてもまだまだ未熟者だった。なにより人として足りないものが多すぎた。だからこそ、それを埋めようともがいてたんだ。」

    白酒の酒精は口に運ばれる前から食卓の空気感を少しだけ染める。酒場の匂いにあてられるような無鉄砲さは唐の昔に捨てたものだが、今宵ばかりはあの頃を思い出し・・・。

    「おいらにも師匠がいてね、よく師匠に"料理人として大成したいなら、料理だけしてちゃあダメだ"と言われたもんだい。それでしばらく旅をしてたんだ。ロースト砂漠の奥の奥、誰も来ないようなとこまで行ったりしてな。今思えば、誰も見たことのないものを見ないといけないと思い込んでだろうなあ。"誰でもない他ならぬ自分自身"になるためにはそうしないといけない、ってな。」

    オモダカは問わず語らず、ただ聴くのみ。花椒の香りが二人の鼻腔をエキゾチックに刺激してくれる。

    「まあ、食いながら聞いてくれい。これなんか自信作でね、店にも出そうかと思ってる。

    そうこうしてると、旅先でふと噂を耳にした。誰も見たことがないポケモンを祀ってるやつらがいるって話だった。よく覚えてる。聞いたのは確かプルピケ街道の辺りだった。もうこの時には目をつけられてたんだろう。おいらはそのとき、そのポケモンを手に入れてやろうって思ってたが、ヤツらも同じようにおいらのちんちんを手に入れてやろうと思ってたんだい。」

    過度な怒りまで呼び起こさないように、ハイダイは料理を口に入れた。美食はいつの世も心を慰めてくれるものである。中華料理が並ぶ卓の中で、小ぶりのマロンケーキが若干違和感を覚えさせるが、彼の食の好みだろうか、店の食材の余りが丁度よかったのだろうか。

    話はまだ序の口であった。

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:09:52

    パルデアの男のちんちんはもうボロボロ

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:10:34

    「怪しげな祭壇、謎の儀式、見たこともないポケモン・・・当時のおいらは心がはやったもんだい。そいつらが誘導してるのにも気づかず、アジトをつきとめたと思い込んで、あげくとっ捕まってしまった。かなり大掛かりな機械の前に連れていかれたと思ったら、強い光を浴びせられて・・・・気づいたら、もうおいらの股間には"おおきなきのこ"が生えてて、ちんちんはどこかに行っちまった」

    オモダカはハイダイの心の古傷を掘り起こすようなこの語りを、心痛を以て聞くしかなかった。しかし、だからこそ今日この会合を催した甲斐があったというもの。パルデアを守る影となるべく、黒衣に身を包む彼女の決意は固い。

  • 9二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:14:22

    普通に文章がうまいのがムカつくな

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:53:59

    老酒はないのか

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 22:09:56

    ハイダイさんはおおきなきのこなんだな……前回のグルーシャの自己申告怪しいのでは???

  • 12二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 08:01:58

    ハイダイさんのはいろいろとアウトだろ!

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 08:15:38

    ハイダイさんのちんちんがないんだい!しちゃうの???

  • 14二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:01:32

    テツノフグリとウネルチンチン…

  • 15二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:23:45

    新作の投稿頻度がだんだん短くなってきたのこわい

  • 16二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:29:07

    「後から考えてみれば、あの大掛かりな機械は相当質量をちんちんと交換する装置だったんだろう・・・。ポケモン交換の技術の応用か。なんとも気味が悪いんだい・・・!」

    そう言って、ハイダイは強引に白湯スープを流し込んだ。鶏ガラから出汁を取ったあっさりとしたスープが口腔から食道、そして胃を温めてくれる。確かな塩味も食欲を促してくれた。

    「"おおきなきのこ"ということは、ハイダイは元々から大きいんですか」
    「いや、そう大したモンじゃあない。人並なんだい」

    話は謎の集団の動機へと進む。

    「ヤツらぁ、何を考えておいらのちんちんを持って行ったのか・・・拘束を解いたら逃げていくヤツらをとにかく追いかけたよ。そうしたら、道中同じようにちんちんを盗られたトレーナーとはち会ってな。そこでピンと来た。
    ヤツらは腕の立つトレーナーのちんちんを狙ってるんだって」

    「そこでウネルチンチンへと繋がっていくのですね。確かシンオウ地方の古代遺跡から出土した文献にその姿が文章で残されていたとか・・・」

    「ウネルチンチンが何なのか・・・実際にはおいらも対峙したわけじゃあないからねぇ・・・。ただ、トレーナーってのはポケモンを進化させるし、ポケモンたちは自然と進化したがるモンだ。もしかしたらトレーナーのちんちんを使って何かを進化させて、今の時代にウネルチンチンを再現しようとしたのかもしれん・・・。もう過ぎた話かと思っていたが、ヤツらがまだ生き残っとったとは・・・」

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:29:20

    全員ちんちんとられて最終話がハルトだったりするんだろうか…

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:42:22

    ウネルチンチンって何故だか知らんが妙に痛そう
    高速で動いてるからうねって見えるだけの可能性もあるが

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:46:24

    猛るちんちんじゃなくてウネチンなの好き

  • 20二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:49:17

    そりゃあタケルチンコはちんこ呼びでアウト
    タケルチンポだと生々しいので余計にアウト
    女性の前ではちんちんと呼ばなきゃいけないらしいしね

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:55:48

    少なくとも、まだ伏せられている01があるという事実

  • 22二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 10:56:50

    絵面は最低なのに敵の目的が壮大過ぎて草テラスタル

  • 23二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 11:37:15

    オモダカはあえて食事の手を止めなかった。ハイダイの感情が昂ることなど珍しい。野の花に感動するほど瑞々しい感性を持つ彼だが、怒りで拳を握ることなどまずありえない。

    「それからしばらくはちんちん奪還作戦だい。」

    そう言いこぼしてハイダイは透明なガラス壺に入った水をコップに注いでいった。杏仁が入った水はほのかに甘い香りがして、飲む者の肺を洗ってくれる。普段は冷たい水を余り好んで飲まないハイダイだが、今回ばかりは外部から冷気を取り入れずにはいられないのだろう。

    「作戦自体はシンプルだ。機会を操作して自分のちんちんと股間のきのこを交換し直す。そうすれば元通りだい。それでも、邪魔する者は多い、そう簡単にいくはずもなかった。激戦・・・ってぇよりはむしろ静かな戦いを繰り返す感じかね。なにしろ、敵のアジトだ。それこそスパイみたいに潜り込んでいったよ」

    ハイダイはデザートの杏仁豆腐とマロンケーキをオモダカと自分の席に持ってきた。お互いにミスマッチにも見える組み合わせであったが、意外にも香りは互いを邪魔せず、かつ杏仁豆腐は格調高く、マロンケーキはふくよかな印象を与えて見る者の目と鼻を楽しませる。

    スプーンに掬い取ったオモダカは、飾り切りの見事な技巧に素直に感心するのであった。

    「もちろん、帰りがけに機械も壊しておいた。二度と勝手な真似ができないように、アジトを入念に壊してやったし、警察とも連携してヤツらを捕まえてやった。この辺りはオモダカ嬢もよく知ってるだろう」

  • 24二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 12:31:08

    これもうパルデアの男ポケモントレーナー皆なんかあるやろ…

  • 25二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 12:34:01

    スグリも被害遭ってたし
    キタカミやブルベリ学園も危ない
    ちんちんに逃げ場はない

  • 26二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 13:26:01

    突然ちんちんをとられるんだから突然ちんちんを押し付けられることもあるだろう
    ちんちんレスなキャラだって安全とはいえない

  • 27二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 14:55:11

    「・・・・・・・・・・・・・・・」
    「・・・?ハイダイさん?」

    「ああ、すまんすまん。ちいと呆けちまっとった。年は取りたくないもんだい!がっはっは!えっと、どこまで話したんだったか・・・」
    「プルピケおちんちんランドの開園とその打破までは伺いましたよ」

    「ふむ・・・オモダカ嬢・・・本当に聞きたいのはオジサンの昔話なんかじゃあない、あの機械についてだろう?」
    「お見通しでしたか・・・はい、連続陰茎強奪事件、その当事者であるハイダイさんには話しておくべきかと思いまして。おそらくですが、ハイダイさんの、あの・・・それと"おおきなきのこ"を強制交換した巨大な機械はすでに小型されているでしょう」

    ハイダイの手が止まった。表情からは感情をうかがい知ることができないが、肯定的なものでないのは確かだろう。

    「緊急招集の件か・・・誰がやられたんだい」
    「グルーシャさんです。彼が言うにはテラスタルとの両立にも成功していたとのことです。」

  • 28二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 14:56:57

    頭に突然ちんちん生やされてたし
    ポケモンも油断できない

  • 29二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 15:03:42

    「・・・・・・・・・おいらはいつでもやろうじゃないか・・・ヤツらを野放しにしておいちゃあいけねぇ」
    「はい。強制陰茎化事件の惨劇を二度と繰り返してはなりません」

    「おいらの方でも調べておこう。仕事柄、顔は広い方だい」
    「ありがとうございます」

    すっかり冷めてしまった白湯スープと麻辣香鍋は、それでもなおスパイシーな香りを漂わせている。デザートを食した後でなければ、オモダカは箸を伸ばしていたことだろう。

    「では、わたくしはこれで・・・」
    「気をつけるんだい。もっとも、トップチャンピオンを狙おうなんて輩はおらんか!がっはっは!」

    エアタクシーでリーグ方面へと飛んでいくオモダカを見送り、ハイダイは店内へと戻っていく。最後の整理をして、明日の営業に備えるのであろう。しかし、彼の表情は浮かない。

    過去のちんちんが、今のちんちんを脅かしている。

    ハイダイにはそれが許しがたいこととして受け入れられなかった。

  • 30二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 15:17:22

    「若者の未来はかけがえないんだい・・・・」

    独りつぶやくハイダイ。

    ハイダイは食の道を求め、いつの間にか弟子を取り、いつの間にか食育の道を探求していた、いわば求道者である。その彼にとって、悪意をもって若い世代を侵害し、食い物にしようとする者たちがいることなど言語道断、慙愧の極みといえる。

    「潮風にも花は負けない・・・・オジサンができるのは悪意から若い花を守ることだろう・・・」

    未来を守る。遺恨を断ち切る。
    背負うものの大きさはなにより力の大きさにもなる。男は決意した。身命を賭して守り切ることを。

    彼の決意は固い。
    そう、ちんちんのように。

    ~ハイちん 完~

  • 31二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 16:32:02

    陰茎連続強奪事件とかおそらく一生見ることの無いワードを生み出してる…

  • 32二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 16:32:52

    褒められたスレですな

  • 33二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 16:34:36

    多分まだ続くだろうから、このスレもブクマしておこ

  • 34二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 17:08:26

    中華料理食べたくなった

  • 35二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 18:27:20

    今回は短いな、今後の展開への布石か

  • 36二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 18:48:07

    こういう事件があると○○おちんちんランドが開園されることになってるのはこの世界の常識なの?

  • 37二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 19:49:55

    残る名前あり固有グラ持ちちんはこんなもんか?
    抜けがあったら追記願いたい。

    ハルちん
    コルちん
    アオちん
    ハッちん
    クラちん
    ジニちん
    セイちん
    サワちん
    フトゥちん
    ピーちん
    シュウちん
    オルちん
    シアちん
    カキちん
    アカちん
    ユキノちん(スグちんのお爺さんちん)

  • 38二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 19:54:04

    結局ペパーの嫁はカエデさんなんだろうか

  • 39二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 19:57:52

    >>37

    既ちんと合わせて20だから、うまくけずればタイプ数のちんになるな…

  • 40二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 20:57:14

    まさかまだ続くとは思わなんだ…

オススメ

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