- 1二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 10:47:11
パルデアの学術文化をけん引する一大学園都市、テーブルシティ。その郊外に位置する一軒の小さな酒場のカウンターにオモダカの姿はあった。
富裕層向けというわけではないが、少々高級志向のこの店。必然的に客層もある程度洗練されているのか、酒精の匂いにあてられても言動が大きくなる者はいない。そんなところがオモダカの気に入る点でもあった。
パルデアにリーグを築いて幾年経ったか数えてはいないが、パルデアリーグの名もある程度浸透してきた。最強無敵のダブルチャンピオンを頂点に置き、バトル興行も始まり幸先も良い。
以前は超人的な仕事量をこなしていたこの女傑も、ここ最近はこうして週末にバーに通うことができる程度には後進たちが育ってきていた。
(1200連勤していた頃が懐かしいですね・・・)
トマトジュースを少し多めに入れたレッドアイを傾けながら、昔を懐かしむオモダカ。ネモやアオイがチャンピオンクラスとなったあの頃から10年近い年月が経とうとしているが、その容姿には一切の老化も感じられない。
「どうぞ。サービスです」
「おや・・・ふふ、どうもありがとうございます」
老紳士の店主が静かに差し出したのはサーモンのマリネ。オージャの湖で獲れた魚介にセルクル産のオリーブを使っている。パルデアを愛するオモダカに対する至上の敬意と言えるサービスがにくい仕事である。 - 2二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 10:51:37
カラン
来客を告げる鈴が控えめな音を鳴らし、次いで扉がスムーズに開いた。
「あれーっ!?オモダカさんだ!」
そういって店に入ってきたのは以前ブルーベリー学園の学生四天王であった、料理人のアカマツである。
「おや、アカマツさん、これはお久しぶりですね」
「オイラも居るよぃ」
アカマツの後から入ってきたのは、同じくブルーベリー学園の四天王であり、以前のチャンピオン経験者でもあるカキツバタであった。
「カキツバタさんもでしたか。お久しぶりですね」 - 3二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 10:56:17
まさかの2回目
- 4二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:01:05
「珍しいですねぃ。リーグ委員長様がこんなところに」
「ほらまた!先輩そういう言い方直すって言ってたでしょ!」
「ふふ、お変わりないようですね、マスター、すみませんが、お二人にシャンディガフを」
「かしこまりました」
アカマツ、カキツバタ両名はともに今やイッシュの新進気鋭の新世代と言われている二人である。
実家の料理店で修業を積んでいたアカマツだったが、何を思い立ったのか突然移動式レストランを開業し、イッシュ全土を巡りつつ勝負と料理の腕を磨く日々を送り始めた。元々が凄腕であることから彼の店には料理を求める客もいれば勝負を求めるトレーナーもいる大繁盛が続き、宣伝効果によって彼の実家の料理店も繁盛する好循環が成り立っている。
余談ではあるが、アカマツの料理に魅せられ彼の朗らかな人格に惚れてしまった女性たちを中心にゲキカラ団という地下組織が生まれ活動しれていたが、アカマツはそれに気づいていない。
カキツバタはといえば、ものぐさな態度は相変わらずなものの、ここ数年、イッシュリーグに熱心に挑んでいる。研ぎ澄まされたその牙は、いずれはチャンピオンの喉元にも届き得るだろうとすら言われている。彼の心中にどんな変化があったのか、カキツバタが語らぬかぎりそれは誰にも分からない。 - 5二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:02:01
一度被害を受けたからと安心してたらやられるのかw
- 6二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:08:00
「お二人はパルデアになにかご用が?」
オモダカはふわりと笑い問いかける。
美女の微笑みには不思議な魔力がこもっているのか、その場の客たちはふと見惚れてしまっているが、そこはやはり凄腕二人。カキツバタとアカマツは堂々としている。
「スグリがさ」「スグリのやつがねぃ」
ちょうどかち合ってしまい、カキツバタがアカマツに譲るようなしぐさをする。
「スグリがさ、パルデアの方で会社起こすっていうんだ。あ、正しくはスグリのねーちゃんのゼイユが発案だけど」
「ほう、お若い力がパルデアで芽吹くというのですね」
「それでオイラたちもちっとは元チャンピオン様を祝ってやろうと思いましてね」
カキツバタはにっこりと笑って続ける。台詞こそからかうようなものだが、表情には柔らかい温かさがにじみ出ている。 - 7二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:13:57
「ご友人を大切になさっているのですね。大変よいことです」
にこりと笑うオモダカ。
店主は二人にイッシュ産のソルトビスケットを差し出した。甘めのシャンディガフに塩味がよくなじむ。
「しっかし、こんなところでオモダカさんと会うなんて思わなかったよね」
「私もイッシュ以外でお二人とお会いするとは・・・いや、そういえば以前・・・」
「ああ、そうだ、キタカミで会いましたねぃ」
オモダカが何かを思い出そうとした途端、カキツバタが続けた。
「ありゃあ、大変でしたわ」「うん、大変だった・・・」「ええ、手を焼きましたね・・・」
みな口をそろえて「大変なできごと」であったと語る。
近くで話を聞いていた若い男は気になってしまって話かけることにした。 - 8二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:22:14
「あのう・・・」
普段なら見ず知らずの相手に声をかけることなどしないが、目の前にはパルデアのトップチャンピオンとイッシュのニューエース二人がいる。その錚々たる面子が大変だったと語る内容に好奇心が抑えられなかったのだろう。
「大変だったっていうのは・・・」
「ん?気になるかぃ?」
「おや、お話しても良いのですか?」
「いいよいいよ!スグリだってよく話してるし!」
オモダカはプライベートな話題ではないのかと心配したが、アカマツは気にすることはないとして、朗らかに話し出した。
「キタカミの里って知ってる?」
「え?ええ、まあ、行ったことはありませんが・・・」
「おれらの友達がさ、そこの出身でね、おれらも友達んとこに遊びに行ったことがあったんだ」
アカマツが言う”友達”という響きにカキツバタは穏やかに口角を上げる。
「そこでいろいろあってさ、開園したんだよね」
「開園ってまさか!?」
”開園”という言葉に反応する若い男。手の中のカクテルは溶けた氷で少し薄まっている。
「そう。キタカミおちんちんランドの開園だよ」 - 9二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:24:53
キタカミおちんちんランド…
そういやまだ語られてないのがあったな…(遠い目) - 10二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 11:35:09
○○ちん
閲注 ぺぱちん|あにまん掲示板「マスター、バーボンくれ」「おや、この時間に来るのは久しぶりですね、ペパーさん」球形の透明な氷にバーボンが注がれる。BGMなど配していない小さな場末の酒場にトクトクとささやかな音が添えられていく様をペ…bbs.animanch.com閲注 スグちん|あにまん掲示板テーブルシティの喧騒から遠く、かといって人通りが消え果るわけでもない、そんな街角にただずむ一軒の小さなバー。少し小さめのカウンターテーブルはこの酒場の主人の心意気がつまった特注品である。しつらえのいい…bbs.animanch.com閲注 グルちん|あにまん掲示板ヤヤコマの鳴き声が遠くに響く昼下がり。セルクルタウンの中腹にあるパティスリームクロジ、その展望デッキ席には一人の青年がアフタヌーンティーを喫していた。ナッペ山ジムリーダー、グルーシャである。今日は彼の…bbs.animanch.com閲注 ハイちん|あにまん掲示板パルデアを代表する商業都市カラフシティ。元々は切り立った崖であったが、水利資源が豊富だったこともあり、古来から人々が集まる、いわばオアシスとしての機能をもっていた。現代ではより洗練され、上層中層下層に…bbs.animanch.com閲注 ボタちん|あにまん掲示板見渡す限りの青い海。コサジタウンの西端に位置するその砂浜は真っ白な砂と青い海がコントラストとして実に美しい一景を作り出していた。少しだけ傾いて刺さったパラソルは燦燦と照り付ける太陽を遮り、その陰に入る…bbs.animanch.com閲注 セキちん|あにまん掲示板「此度はごくろうであったな、うむう」「さすがに骨が折れたわい」コトブキムラの中腹、現代の言い方でいえば一等地にあるムベの店では、ギンガ団のデンボクと店主のムベが歓談していた。「時空の裂け目、空から現れ…bbs.animanch.com※打ち切り
CP閲注 ヤロちん|あにまん掲示板ガラル全土を揺るがしたあの大事件から何度か季節が巡り、人々はとうに落ち着きを取り戻していた。いや、むしろ活気づいていると言ってもいいだろう。その理由は多々あれど、やはり無視できないのは偉大なるチャンピ…bbs.animanch.com閲注 桃爺ちん|あにまん掲示板ひらり冬の厳しさも鳴りを潜め、すっかり暖かくなってきた頃。山が桜色で満ちていると評するには少々時期が遅れたか、若緑が一面を覆う中、どこからともなく桜の匂いだけがほんのりと風に運ばれてくるそんな季節。一…bbs.animanch.com - 11二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 12:14:29
まとめニキもだんだん長くなってきたなw
- 12二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 12:33:10
二周目ありなんだ…
- 13二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 13:55:42
ぷふっ
オモダカはくすくすと笑い始めた。酒精が回っていることもあり、少しばかり気が緩んでいるようであった。
「失礼。しかしわたくし、少々欠点がございまして・・・シンプルな下ネタを聞くと笑いをこらえられないのです」
「お?委員長もですかい?そういやタロのやつもそうだったよな、アカマツ?」
美女がくすくすと笑う妖艶な空気感を伴って、アカマツは語りを続ける。
グラスの中のシャンディガフはもうずいぶん気泡が少なくなっていた。
「おれたちが学生の頃にさ、キタカミの友達が招待してくれて、そのときの仲良かった面子で行ったんだ。その子は学生チャンピオンだったしそいつの姉も強かったから、どんなところなのか興味もあったね」
くいっとグラスに残った飲み物を流し込み、店主に向き直って注文する。
「すいません、スパークリングシードルお願いします、先輩も何か飲む?」
「おいらぁまだこれが残ってる」そういってカキツバタは手元のシャンディガフが入ったグラスを持ち上げて見せる。
アカマツの注文は意外にも丁寧な言い方であった。料理に携わる者への敬意とでも言えるだろうか。店主から酒を受け取り、話の続きを始める。 - 14二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 14:05:35
「一足先に帰省してた友達のとこまで飛行機とバス乗り継いでいったよ。いいとこだった!青い空!広い土地!緑の田んぼ!でっかい山!リンゴみたいな匂い!カントリーサイドって感じでワクワクした!」
語りに熱がこもり始めた。きっとその頃のことを思い出しているのだろう。
「私もちょうどその頃、かの地のてらす池という場所に用があり、訪問していました」
珍しくオモダカも語りに加わった。今夜はリラックスして過ごそうというのだろう。
ネモやアオイにチリたちスタッフたち加わって、リーグの雑務がオモダカ一人に集中していた状況は改善されている。だからこその今日のひと時なのだろう。
「委員長。お次は何か飲まれますか?」老紳士の店主は穏やかに声をかけ、この若き女傑の注文を促す。
「そうですね。では少し強めの一杯をお願いできますか?」
「では、キールなどいかがでしょう。セルクル産の白の良いものがございます」
「さすが、素晴らしい判断です。そのまま続けてください」 - 15二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 14:15:50
「あの・・・それで・・・おちんちんランドって」
若い男は焦れたように話の先を促した。
今度はカキツバタが語り部を買ってでた。興が乗ったのだろうか、朗らかな表情であった。
「オイラたちがスイリョクタウンってとこに着いたらよ。なんか騒ぎになってんだ。なんか暴走族みてえのがやらかしてたらしくてよ。ちょうどオイラたちとかち合っちまったんだなぁ」
にこにこと笑って語るカキツバタ。もはや泡の踊らぬシャンディガフをグラスの中でくるくると回して遊びつつ、話の続きをつむぐ。
「ナントカ団とか、そんな名前がつくほどでもないモンでよ。勝手に洗礼だー儀式だーつって住民に迷惑かけてやがって、俺らも戦うことにした・・・と思ったら、俺らのチャンピオン様が現れたってわけよ」
このとき既にカキツバタは笑いをこらえられない様子でいた。
「そのときのカッコがよ・・・これがまたケッサクでねぃ・・・笑うなよ?
ちんちん丸出しだったんだ」
「ぷふっ・・・・失礼。続けてください」
オモダカは静かにそう告げる。口の周りにはカシスの赤みがついてしまっていた。 - 16二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 14:24:39
1200連勤!?!?!
- 17二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 17:15:39
「なんかよ、その暴走族みたいなやつらが言うには"強いトレーナーのちんちん"をつけこまないと進化しないタイプのベトベターがいるらしくて」
そう言ってカキツバタは氷とともに残りの飲み物を流し込む。
「どうぞ。チョリソーです」
「ん、こりゃどうも・・・・おっ、こりゃあ絶品だねぃ、アカマツ」
老紳士の差し出したつまみを一口食べて、再び口を開くカキツバタ。
「強いトレーナーっつったらスグリは最適よ。ああ、スグリってのが俺らの友達の名前でね。奴らにつかまって、ぐるぐる巻きにされて、ちんちんだけ出して担がれてた。見たところ低レベル帯のポケモンたち鍛えてるときに襲われたんだろうなぁ」
「そ、そのスグリさんって人は大丈夫だったんですか!?」
若い男はカキツバタに続きを促した。
「そこからは私が話します!」
カランカランと扉の鈴が明るい音を響かせて、新たな来客を報せている。そこに居たのは二人の美女。
「タロ先輩!」
「ネリネも来たねぃ」 - 18二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 18:06:56
「カキツバタ!みんなたまたまパルデアに居るからって急に呼び出して!こういうの!良くないと思います!」
「タロ。まだちんちんの途中」
元気よく詰め寄る美女と、冷静になだめる美女。彼らにとってはいつもの光景である。
「ああ、そうでした!スグリくん、敵につかまって、その陰茎といいますか・・・あれを戦時利用されそうになったんです・・・・ってオモダカさん!?」
「委員長、お久しぶりです。またお会いできてネリネはうれしいです」
「ふふ、お久しぶりですね。マスター、なにか軽めのカクテルをこのお二人に。」「かしこまりました。」
店主はタロとネリネにファジーネーブルを差し出した。フルーツの甘みが美女たちの喉を潤す。
聞き手の男は黙って話の再会を待った。
「ふう・・・そこからは争奪戦です。スグリくんの身柄を取り戻そうとする私たちとスグリくんを利用しようとする敵の勢力。私たちが戦っている横でスグリくんはベトベターに下半身を漬けられては引き上げられ、漬けられては引き上げられ・・・」
「地獄絵図。ネリネは今でも許せない」
ネリネの表情は変わらないが、ナッツをかみ砕く様子には殺意すらにじんでいる。 - 19二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 18:38:07
ベトベターって大丈夫なの?!
性病になりそう… - 20二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 19:37:55
- 21二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:44:11
そりゃあちんちんで進化するんだから特殊なベトベターなんだろうよ
- 22二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:49:33
ベトベターが進化する代わりにちんちん腐りそう
進化の石みたいに使い捨てのちんちんになっちゃうよ - 23二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 01:39:58
「タロ。まだちんちんの途中」で耐えられなかった
- 24二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 08:35:54
>>"強いトレーナーのちんちん"をつけこまないと進化しないタイプのベトベター<<
- 25二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 09:42:47
なんだこれ……
- 26二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 09:57:52
「だ、大丈夫だったんですか!?」
「ん?なにが?」
若い男の質問にアカマツはチョリソーをかじりながら聞き返した。
「だって、ベトベターって・・・・触っても大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃない」
男の疑問はもっともなものであったが、ネリネがそれに端的に答えた。
「いいのかぃ?オイラが話すぜ?」
「いい。ネリネが話す。ネリネはいまだに憤慨を抑えられない」
チョリソーに小ぶりなフォークを突きさすネリネ。その手には明らかに過剰な力感がこもっている。
皿の上のチョリソーを見て、アカマツは少し内股になるのだった。 - 27二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 10:24:12
「ブルーベリー学園ではブルレクという作業があり、生徒たちはそれによってポイントを集めて様々な活動に利用します。」
ネリネは聞き手の男に対して丁寧な説明を始めた。
「その中には飛行中のポケモンの撮影や水中のポケモンの撮影など生態調査に関わるものもあります。スグリも当然ブルレクに勤しんでいたのですが、キャニオンエリアの水生ポケモンを撮影するために水辺に近づいたところ、足を滑らせて水中に落ちたことがあるようで。」
そこまで一息に話すネリネ。酒精のせいか、少々早口ぎみであった。
「ネリネはキャニオンエリアの管理を任されている。だからこれは完全な偶然」
ネリネはそう前置きをして話を続けた。
「スグリは全裸になって服を乾かしていた。誰も見ていない場所だった。だからスグリもう油断していた。
ネリネは無防備なスグリに危険が迫らないよう影ながら彼を見守っていた。したがって、ネリネにはスグリのちんちんについて多少の知見がある。」
そう言って、喉を濡らす程度に酒を口に含むネリネを、タロはにっこりとして見ていた。
「スグリのちんちんは本来モンジャラでありコモルーのはず。それが奴らのベトベターによってヤトウモリでかつボーマンダになっていた。それはそれで魅力的なのは事実。しかし、失われてしまった価値を思うと、ネリネは慙愧に堪えない」
カキツバタは複雑な気持ちで話を聞いていた。 - 28二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 10:26:15
ヤトウモリでかつボーマンダは察した
コモルーも察した
モンジャラ…? - 29二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 10:45:29
多分剛毛で絡まってるってことじゃないかな
- 30二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 10:47:02
ヤトウモリは黒くてつるつるって意味か
- 31二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:01:19
スグちんが考察されてる・・・?
- 32二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:03:37
ネリネもお堅く終始「陰茎」って言ってそう
- 33二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:13:35
「えー?スグリのあれってモンジャラなの?てっきりまだビリリダマみたいなツルツルかと思ってた」
アカマツは少年のように無邪気に口にする。
「そう。ネリネもそう思っていた。ただ実際は僅かながらコットンガードの兆しが見えた。モンジャラというのは少々誇張があったかもしれない」
(サザンドラとかよりはマシだろうねぃ)
「私たちも奴らとの戦いの中でスグリくんのを見ましたが・・・・ヤトウモリというのは色合いのことでしょうか?カワイイですよね」
「いや、色合いというよはツヤのこと。はがねタイプのような光沢を感じた」
聞き手の男は少々興奮していた。
店の店主はそれぞれにチェイサーとして水を差し出す。そのさりげないタイミングに一流ならではの心配りが感じられた。
「そういえば、オモダカさんはあのとき何を?」
途中から何も言わずただ笑顔で話を聞くに徹していたオモダカに、タロは話を振ってみた。
いつの間にかその手の中にはウィスキーが握られている。
「ふふ・・・わたしは古い友人に会いに・・・タイミングが悪く会えませんでしたがね」
その瞳には優し気な慈悲の色がこもっているが、同時にその後ろには悲し気な色も控えているような気がしていた。 - 34二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:19:56
「鬼が山ってとこから委員長が降りてきたとき、凄かったんだ!ベトベトンもベトベターもみんなドドゲザン一体でのしていって」
アカマツが興奮ぎみ話す。その語り口はまるで一流スポーツ選手のプレーも見たかのような爽やかさを持っている。
「若者のおちんちんを守るのは我々大人の責務ですからね。とはいえ、私も間に合わず、結果的にスグリさんには怖い思いをさせてしまいました。ペパーさんの件もあったというのに、歯がゆい限りです」
「オモダカさんはなにも悪くない。すべては奴らが悪い。ネリネも悔しく思っています。できるならネリネが彼を救いたかった・・・」
いつの間にか店内には彼ら5人と聞き手の男、そして店主である老紳士だけが残っていた。 - 35二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:30:15
二本目かよ!?一回食らっても油断できねえのか!?
- 36二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 16:44:01
「ま、いっくら勢いついてようとこちとらブルベ四天王にパルデアの委員長サマまでついてんだ。暴走族みたいなのが勝てるワケないってとこだろうねぃ。実際、ヤッコさんたちも逃げてったよ」
アプリコットのジャムを少量だけスプーンに乗せ、口へと運ぶカキツバタ。爽やかな酸味とふくよかな甘みが脳と体を癒してくれる。
「ぐるぐる巻きにされてるスグリくんもかわいかった、ですよね。でも、当の本人はちょっとショックだったみたいで・・・」
タロの語り口には過去の力不足を残念がる気持ちが表れている。
「ネリネはあのときもどうすることもできなかった。アカマツが自分の下半身を露出することでスグリの羞恥心を緩和してくれて本当に助かった」
「へへっ」
「本当によいご友人を持たれたのですね、スグリさんは」
オモダカは互いに心を助け合う良き絆を見て、自身の心が温かくなるのを感じていた。
聞き手の男もまた、彼らブルべ四天王の絆の強さを知り、そんな彼らに慕われるスグリについても尊敬を強めるのだった。 - 37二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 16:50:20
「あれーっ!?なんでみんながパルデアさ居るんだべ!?わや!?オモダカさんも!?」
皆が振り向くとそこには件の中心人物、スグリが経っていた。卒業から数年経って背格好は多少伸びたが、それでもまだ小柄な印象が強い。
もちろん、下半身にはきちんとズボンをはいている。
「マスター、面白いものが見れるってこれのことだべ!?」
「ええ、スグリさんもお久しぶりではないかと思いまして・・・」
「わや!確かにみんな久しぶりだべ!あ、ネリネはこないだねーちゃんと一緒に会ったよな。みんな忙しいだろうに、よくもここでパルデアさ来れたよな!」
聞き手の男はオモダカと店主に耳打ちする。
「あの・・・彼がスグリさん、ですか?例の・・・」
その問いに対して店主とオモダカは声を合わせて同時に答えた。
「「ええ、彼がかのキタカミちんちん男です」」 - 38二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 16:51:18
ちんちん男ww
- 39二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 17:03:07
不名誉がすぎるあだ名w
- 40二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 18:08:44
「キタカミち、ちんちん男!?」
聞き手の男は思わず吹き出してしまった。
「わぎゃー!?なんでその名を知ってるんだ!?」
「あいや、その・・・・」
密告したオモダカと店主は露骨に目をそらしている。
「まあいいべ・・・知られてるんなら仕方ねえ。やっとあきらめられる。
確かにあのとき、俺はぐるぐる巻きにされてちんちんさ出されて街さ練り歩かれて晒しモンにされたべ。んだば、ねーちゃんが言ったんだ。
”嫌なことの記憶に怯えるくらいなら、いっそ自分からトラウマに近づいて日常にしちゃえ”って。要するに、自分からちんちんさ丸出しにしてスイリョクタウン練り歩いちまえば、なんともねえってことだ。盲点だったべ」
「ゼイユはいつも思わぬ解決策を考える。ネリネも彼女を尊敬している」
「それでキタカミの里に新しいお祭りを作っちゃんたんですね!お祭りってカワイイですよね!」
「ゼイユらしいねぃ」
「見せたいものがあるなら見せる!分かりやすくて俺は好きだよ!」
店主とオモダカは目を合わせて、穏やかに笑う。
聞き手の男も心が和むのを自覚した。
テーブルシティの町外れ。人通りも少なくなった夜半の酒場には確かに温かな人の情が満ちるのだった。 - 41二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 20:08:59
いい雰囲気だなぁ
- 42二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 21:20:54
ゼイユはいつも弟のことをよく考えてるな!(白目)
- 43二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 07:52:48
いい雰囲気で狂気を隠そうとするな
- 44二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 09:17:02
「では、私はこれで・・・」
「あっ、オモダカさん!お疲れ様です!またご一緒しましょう!」
帰ろうとするオモダカにタロは元気よく挨拶し、スグリたちもそれに同調した。
それからしばらく酒食に興じ、路地裏のネオンにも若干の疲れが見えてくる頃になって、アカマツやカキツバタをはじめとする旧ブルべ四天王、そしてスグリも退出することにした。
「マスター!ごちそうさま!いつもはイッシュにいるからちょくちょくは通えないけど、また来るよ!」
老紳士の店主に対して、アカマツはどこまでも爽やかに礼を告げる。
「ええ、お持ちしておりますよ」
にっこりと笑って返す店主。
店内には聞き手の男と店主だけが残った。
「気持ちのいい人たちですね・・・俺もあんな風になりたいなぁ・・・」
その言葉を聞いた店主は微笑みを浮かべる。アカマツに返した笑顔とは別の、どこか慈悲の相を感じさせる深みのある微笑み。
「なれますとも。ええ、きっとなれます」
穏やかな声色でそっと言う店主の瞳には若者の未来を見守る確かな温かさがこもっている。 - 45二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 09:54:29
キタカミの祭り、なんか嫌な予感がするな
- 46二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 15:54:37
なれますとも……?
前の店と同じとこか? - 47二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 20:36:31
「マスター、ごちそうさまでした。お会計してください」
「いえ、オモダカさんからすでに頂いておりますよ」
思ってもいない一言だった。
「えっ」
「あの方はいつもそうなさるのです。」
にこやかに笑う店主に送られて店を出た聞き手の男。外の夜気は少し冷たく、酔いにのぼせた頭を冷やすにはちょうどいい。
独り家路につく彼だが、その足取りはあくまで軽く、あくまで楽しく。
ちんちんにまつわる不思議な話を聞いた一日。自身のちんちんに問いかけてみる。
「なあ、お前は幸せか?」
返事はない。
それでも彼の足取りは、あくまで軽く、あくまで楽しく。
良き友人たちは人生に彩を添えてくれる。共にあるという安心は、ときに恐怖や畏れすら踏み越えて、偉大な一歩を踏み出させる。友は人生の宝なのだろう。
そう。ちんちんのように。
数日後の深夜、月光に妖しく照らされるキタカミの里の鬼が山、その山頂に位置するてらす池にオモダカの姿はあった。 - 48二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 01:44:42
Cパート来たな……
- 49二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 01:45:37
「そう。ちんちんのように。」(名言)
- 50二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 09:14:05
さらっと若者たちの分の会計まで済ませていくオモダカさん
- 51二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 09:21:11
これから読む人へ
理解できなくても大丈夫です
読むほどに困惑が深まっていきます - 52二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 11:46:20
ちんちんシリーズってさ、結構鮮明に画が浮かんでくるよね。それが逆に常識揺さぶってくるから読者の脳が震える
- 53二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 13:23:20
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- 54二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 13:23:51
「”てらす池”・・・・死者の幻影と会える場所、ですか」
月光に照らされる褐色の女傑。その瞳には普段は見えない、明確な憂いの色が宿っている。
「・・・いえ、やめておきましょう。死者とは会えぬからこそ、私たちは生を全うしようと努めるのですから・・・」
オモダカは名残惜し気に目を配り、ゆっくりと踵を返して頂上へとつながる階段を降りていく。
砂利を踏む道でありながら、彼女の靴の材質と伸びた体感はコツコツという足音を鳴らしている。
山の夜気は思ったよりも冷たく、受け止める者に鳥肌を立てるほど。それでもこの才女を震わすほどではない。
階段を降りていくオモダカの姿がすっかり小さくなってから、ほんの少しだけぬるい霧が頂上に立ち込めた。そして、もうだいぶ遠くなった彼女の姿を見守るような何かが揺蕩う。
しかし、オモダカは振り向きはしなかった。
パルデアを背負う彼女にも人には言わぬが時折取り出しては見つめたい過去があるのかもしれない。
ふもとのキタカミセンターでは、スグリのちんちんを模した像を掲げて輪になって踊る、”キタカミちんちん祭り”が催されていた。
誰の元にも、いつの世も、因果は巡る、どこまで。
生ある限り人は懸命に立ち上がり続けなければならない。
そう。ちんちんのように。
~スグちんⅡ 完~ - 55二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:58:19
急に終わった!?
- 56二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:12:59
スグちんでありながらスグリよりもオモダカさんの印象が強いな、これは次回はオモダカさん回か?
- 57二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:13:43
> キ タ カ ミ ち ん ち ん 祭 り <
ど直球で草
- 58二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:16:43
オモダカさんが生やされるのか…