【キララクSS・閲覧注意・ポスカネタバレ】運命前のキラとラクスがイチャイチャします

  • 1二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:53:32

    「ねえハルマさん」
    「どうしたの、カリダさん」
    「キラとラクスちゃんって……仲、いいわよね」
    「まあね……ラクスちゃんが、キラに負い目はあるみたいだけど。
     でも、それだけであんなずっと一緒にはいないよね」
    「ええ……戦争に巻き込まれて、戻ってきて。
    キラは、もう駄目かと思ってたけど……キラも、ラクスちゃんが側にいると、感情をはっきり見せることも増えてきたし、いいことだと思うわ。あの二人が、静かに暮らせるのが、本当に一番いいことよね……」
    「うん……」
    「でもね。でも。あの二人、会話ほとんどしていない気がするのだけど」
    「えっ……いやいや。そんなはずないでしょ。あんなにツーカーなんだよ?」
    「……今日の食事の時の話なのだけれど」

  • 2二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:54:10

    キラは、スプーンでスープを掻きまわすだけで、口に持っていこうとはしない。
    ぼんやりと宙を見ており、視点は皿にあっていない。
    カリダもハルマも食事を終えており、卓にはキラとラクスだけが残っている。
    すでに、スープは冷めてしまっていた。
    ラクスは、スープを掻きまわすキラの手に、手を添える。
    上目遣いですがるようなラクス。キラは、ただ頷くだけ。
    ラクスはスープを持って、コンロに戻る。
    キラはぼう、とそれを見ているだけ。
    ラクスが戻ってくる。キラは、目を丸くする。
    ラクスは、自分で匙をとり、スープをすくう。
    なんどか自分の息でスープを冷ましたあと、キラの口にむけて、スープを差し出す。

  • 3二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:55:34

    キラは、薄いが、微かに笑う表情を見せる。
    キラは、ラクスの差し出したスプーンに対して口を開き、ラクスはそれに一瞬泣きそうな表情になる。
    が、ラクスはキラの口にスープを差し出す。
    キラは、それを口に含み、飲む。頷くキラ。
    ラクスの目から、涙がこぼれる。
    キラがそれを拭うと、ラクスは笑う。
    今度はキラが、自分のスプーンでスープをすくい……ラクスに差し出す。
    今度ははっきりとほほ笑むキラ。目を潤ませながら、が、ラクスは笑う。
    キラのすくったスープを、飲むラクス。
    お互いに、鳥の雛に餌をやるように、スープを飲ませながら、時に顔を赤らめ、時に笑う二人。
    いつしか、スープは空になっていた。

  • 4二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:56:54

    「こわい」
    「そうよね……」
    「え?なにそれ。いや、わかるよ。うん。理解はできる。
     ラクスがキラのことを思いやった結果、想いが通じてキラはちゃんと食事を食べたんだよね?でも、会話が一切ないの、その間」
    「ないのよ」
    「どうなってるのあの二人」
    「わからないわ……」

  • 5二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:58:01

    (……僕は、どうして、生きてるんだろう)
    (キラ……)
    (……僕は、どうして、ここにいるんだろう)
    (キラ)
    (……なに、ラクス?)
    (スープ、冷めてしまいましたわ……)
    (……ごめんね。ラクスと母さんが作ってくれたのに、僕は、また……)
    (いいえ。こちら、おさげしますわ)
    (ごめん)
    (……いいえ)
    (食事も満足にとれない……なのに、生きてる。なにをしてるんだろう、僕は)

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:59:29

    (……キラ)
    (ラクス?え、それ、下げたんじゃ)
    (温めてきましたわ……ふー、ふーっ……)
    (……)
    (あーん、ですわ、キラ)
    (……!)
    (キラ……私は、あの時言いました。私は、あなたに会えて、幸せになった、と。
    そんなあなたが、こんな風に、食事もとれず、弱っていくのは、私には……耐えられないのです。あなたが、食事ができない、というのであれば、私があなたの匙になります。あなたがスープを冷ましてしまったのなら、私がまたスープを温めます。
     だから、せめて、私の手を、とって、いただけないでしょうか……)

  • 7二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:00:14

    (……ありがとう、ラクス)
    (キラ……!)
    (……あーん)
    (はい……)
    (……ありがとう。君がいてくれて、僕は……本当に、救われてる)
    (キラ……)
    (泣かせちゃって、ごめん)
    (いいえ……キラが、食事をしてくれただけで、私は……え?キラ?)
    (はい、あーん)

  • 8二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:00:42

    会話は音に出せ

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:00:47

    (え、そ、それは……)
    (ラクスも、あまり食べてなかったよね。僕ばっかり、見てるから……)
    (キラ……気づいて……)
    (僕のせいで、ラクスがやせちゃうのは、嫌だよ。
    だから、あーん)
    (……はい、あーん、ですわ……)
    (……ラクスの口の中、やらわかいね)
    (まあ……では、キラの口の中の感触を、私も確かめさせていただいてよろしいでしょうか)
    (うん、もちろん……)
    (キラ……)
    (ラクス……)

  • 10二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:03:31

    「なあアスラン」
    「なんだカガリ」
    「最近、ラクスは笑うこと増えたよな」
    「ああ、キラが調子いいみたいだからな……」
    「ただ、あいつらちゃんと会話してるか?」
    「いや、してるだろう」
    「……そうか?」
    「いや、してる……いや、どうだったか?
     だが、あんなに側にいるんだ。会話していないはずがないだろう」
    「この間、ちらっと見えたときのことなんだけどな」

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:07:07

    買い物かごを手に、外に出ようとするラクス。
    彼女が家から出ようとしたとき、キラもまた、それにつれそうように外にでようとしていた。
    目を丸くするラクス。微笑むキラ。
    首をかしげるラクス。だが、キラは微笑むだけ。
    キラはラクスを抱きしめる。
    ラクスは顔を赤らめ、だがなすがままに抱きしめられる。
    数十秒。
    キラはラクスの手をとり、家の外に出ていく。
    キラの顔には穏やかな笑み。ラクスは、まだ顔を赤らめたままだったが、確かに微笑んでいた。

  • 12時間切れ 残ってたら続けます24/05/23(木) 08:10:13

    「いや……キラが、ラクスの買い物についていっただけだろう?」
    「だからって一言もなかったんだぞ!?」
    「……おかしいか。おかしいな。
     反射的に何か口にしてしまいそうなものだが……」
    「なあ、キラがしゃべれなくなった、とかじゃないよな……?」
    「普通に俺とはしゃべってるぞ」
    「私ともしゃべっていた」
    「特殊な訓練か……?」
    「訓練だったらいいけどなぁ……コーディネイターはやっぱなんかおかしいんじゃないか?」
    「キラとラクスがおかしいだけだぞ」

  • 13時間切れ 残ってたら続けます24/05/23(木) 08:15:43

    (……ラクス)
    (え、キラ……?)
    (僕も一緒に行くよ)
    (ですが、少し外に出るだけですので……)
    (……ごめん)
    (キラ……!?)
    (ラクスと離れるのが辛い。ほんの片時でも離れるのが、辛いんだ。
    ラクス……僕は、君と一緒にいちゃ、だめかな……)
    (キラ……!)
    (守りたいんだ、君を。一緒に居たいんだ、君と。
    これが、ただの依存だっていうのは、わかってる。
    でも、僕は、君と一緒にいたい……)
    (キラ……いいえ。あなたが、それを望むなら……)
    (ありがとう、ラクス)
    (……まさか、こんな形でいきなりデートになってしまうなんて、思いませんでしたわ。
    もう少しおめかししてくるべきでした)
    (……デートにも、お出かけにも。これから、いっぱい、いけるよ)
    (それは、キラから誘ってくださる、ということでしょうか)
    (もちろん……ラクスが嫌じゃなければ、だけど)
    (では、心待ちにさせていただきますね……)

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:18:11

    イチャイチャしてるのか?してるな?
    なら問題ないか

  • 15二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:31:38

    以心伝心だからもーまんたい

  • 16二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 09:08:50

    あれ?これ、無意識にアコードの力でも使っているのでは?
    アコード自覚しないと使えないって言ってたけど、ここまでくるとそう言った方が辻褄が合う気がしてきた

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 10:06:48

    両者思ったことが相手に伝わっているため声に出していると錯覚しているのでは?

  • 18二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 11:01:04

    会話成立してることを疑問に思わないのか
    あの二人はあんまり思わないんだろうなあ…

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:49:47

    「マルキオ様」
    「二人とも、調子がよくなっているようで何よりです」
    「二人とも、ですか……?キラだけではなく」
    「あの二人は、SEEDを持つ者にして、比翼連理の翼。
     どちらが沈めばともに沈み、されど、お互いに支えあえば、自ずと天高く羽ばたくでしょう」
    「確かに、キラに感情が戻るようになってから、ラクスちゃんも元気になってきたみたいで」
    「ただ、あまりにも語り合うべき言葉がすくないようにも思います」
    「マルキオ様から見ても、やはり口数がすくないのですか……」

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:03:24

    キラは端末で写真を見ている。
    そこにラクスが通りがかり、足を止める。
    キラの視線の先には、かつてのカレッジの時代の写真。
    キラはラクスの視線に気づく。
    ラクスがキラに詰め寄る。怒りとも、悲しみともとれるような表情。あるいは、その両方か。
    キラは、それを見て、驚いたように息をのむ。
    詰めよるラクスに、だがキラは逃げない。
    まっすぐと彼女を見据える。
    先に目を逸らしたのはラクスの方だった。
    キラの瞳に見据えられ、ラクスは涙を浮かべてキラを見つめる。
    交差する視線。その一瞬後、二人は抱きしめあった。

  • 21二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:05:06

    周りがひたすら???になってるのはわかる

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:07:15

    「つまり、どういうことでしょうか」
    「過去はのりこえるべきものですが、振り切るものではありません。
     きっと、どこまでもすぐ側にあるもの。だからこそ、不安になることもあるでしょう」
    「難解ですね……」
    「過去の悲しみを乗り越えるべきは、今の愛。
     おそらくは、二人の間にそれはすでに芽生えています」
    「それは見ていればわかるといいますか、どうしようもないぐらいに依存しあってると言いますか」
    「翼が羽ばたくのは、まだ先でしょう。ですが、想いが結実するのは、そう遠くないかもしれません」
    「……やっぱり私にはわかりません、マルキオ様……」

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:09:48

    (キラ……)
    (ラクス)
    (何を見ているのですか、キラ……)
    (ああ、これ……昔の写真、見てたんだ)
    (哀しそうな目をしていましたわ)
    (……うん。楽しかった思い出だけど、僕が守れなかったものでもあるから……)
    (トールさん、ミリアリアさん……そして、フレイさんですか)
    (ラクス……?)
    (……好きだったのですか)
    (……)
    (何も言わないのですね)
    (……好き、だったんだと思う。アークエンジェルに行ってからは、もう何がなんだか、よくわからなかったけどね)

  • 24二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:10:50

    (私ではいけませんか)
    (……怖いよ、ラクス)
    (私では、あなたの心は、癒せませんか……!)
    (違う)
    (違いませんわ……!)
    (違うよ。ラクスがいたから、昔のことにも、目を向けられたんだ)
    (っ……でも、そんな目、私には……)
    (だって、ラクスは生きて、ここにいるから)
    (でも!!)
    (嫉妬、してくれてるんだ……)
    (いけませんか!浅ましい女と、思ってくださっても構いません!)
    (違うよ……君が、僕をそんなに思ってくれているとは思わなかった)
    (っ……なら、私を、私を、見てくださいませ……)
    (そう、だね。君の目の前で、他の女の子に目を奪われちゃいけなかった)
    (そうです、わたくし、は……)
    (うん、わかってる。わかってるから……だから、少し、待って。
    その先は、僕から言わせてよ)
    (キラ……)

  • 25二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:13:33

    「あなた……」
    「うん。危なかったね。あれは危なかった。
     間一髪、あの家に入らずに済んだ」
    「連絡はしておきましょう」
    「あとは、今日の宿をどうするかだなあ」
    「飛びこみで入れるホテルはあるでしょうか」
    「いざとなったらマルキオ様のところか、僕の職場に泊まろう」
    「はぁ……」
    「お説教はほどほどにね、カリダさん」

  • 26二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:20:52

    料理を作り終わったラクス。
    彼女に声をかけられたキラは、不意に、彼女を抱きしめる。
    かきいだくように、離したくない、とでもいうかのように、キラはラクスを抱きしめる。
    恍惚とした表情とともに、どこか悲しげな表情をラクスは浮かべる。
    抱きしめているキラには、その顔は見えない……いや、見えなかった。
    キラはその抱きしめた腕をひとたびはなし、ラクスと視線を交える。
    そこには、すでに驚きも、悲しみも存在しない。
    キラが、何事かラクスに囁く。
    びくり、と震えるラクスは、だが、すぐにキラに言葉を返す。
    離れた距離は、またゼロになる。
    料理から、湯気が立ち上らなくなったとき、二人は体を一瞬離す。
    キラが、ラクスを抱え上げる。あ、と声が漏れるのも構わず。キラは厨房からラクスを連れ出し……

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:25:28

    「どう見ても、まあそうだよね」
    「性交渉を、厨房でしなかったのはギリギリで許してあげなくもないけれど……」
    「あ、そこなんだ……」
    「キラは普段はなんであんなポヤポヤしてて、特に今は精気もない、みたいな感じだったのに。
     ラクスちゃんのことになると、なんでこう……」
    「いいじゃないか、男の子なんだよ……」
    「なんでこう、急に似合わない王子様みたいなことを始めるのよ!!」
    「ああ、そこかぁ……」
    「あんなのラクスちゃんじゃないと許さないわ普通!」
    「うんまあそうだねぇ」
    「ラクスちゃんがうらやましいわ、ハルマさん!!」
    「あ、お姫様だっこしてほしかったんだねカリダさん……」

  • 28二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:32:26

    (キラ……御夕飯が、できましたわ?お父様と、お母様もまもなくお帰りになられるかと……)
    (……ラクス)
    (キラ……?)
    (ラクスっ……!!)
    (き、キラ!?急に、どうしたの、ですか……?)
    (僕は、君を、離したくない……!)
    (キラ……大丈夫ですわ、キラ……わたくしは、ここにいますわ……)
    (ごめん……違う。いや、違わないけれど。
    ああ、駄目だ。やっぱり、思うだけじゃ、伝わらない。
    君に、側にいて欲しいんだ。君に、いなくなって、欲しくないんだ。
    違う。僕は、君の全てを僕のモノにしたい。違う違うんだ……)
    (キラ……ええ。大丈夫ですわ、キラ。
    キラの思うがままに、してくださいませ……)

  • 29二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:34:08

    「ラクス」
    「はい、なんでしょうか、キラ」
    「……僕は、君を、愛している」
    「……はい。私も、あなたを、愛していますわ」

  • 30二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:36:16

    (やっと……やっと、想いが通じたのですね……)
    (ううん……ずっと、通じてた。僕は、わかってた。
    ただ、言葉にするのが怖かっただけ)
    (本当ですか?)
    (だから、もう迷わない。君を、僕だけのものにする)
    (あ……)
    (ごめん。もう、我慢できないんだ)
    (キラぁ……♡)

  • 31二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:36:24

    やっと音になった…

  • 32二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:40:07

    親や周りは困惑の嵐

  • 33二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:41:21

    このままだと♥付きの音の方が出してる割合大きくなるぞ!もっと声に出せ!

  • 34二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:44:19

    「なあアスラン」
    「どうしたカガリ」
    「あいつら、最近はよくしゃべるな」
    「だな。全く、一時はどうしたものかと思ったが」
    「だけど、その分ずっといちゃついているな」
    「何をやっているんだろうな」
    「キラは元々そういうところあったけど、ラクスもあんな感じなんだな」
    「言うほどキラもそんな感じだったか……?」
    「ああ、そうか。アスランはアークエンジェルにいるときのキラはあんまり知らないか」
    「……あまり聞きたくはないな。あいつにとっても、碌な思い出じゃない気がする」

  • 35二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:01:00

    「キラは私をどうしたいですか?」
    「いや、どう、って……」
    「遠慮なさらず」
    「……急にどうしたの?」
    「いえ……一度、愛を確かめあってしまうと、こう、歯止めがきかなくなってしまったようで」
    「ああ、でもラクスそういうところあるかなぁ……行動力もあるし、結構押し強いよね。
     肝心なところは結構引いてくるけど」
    「では、しっかりブレーキをかけながら、重要なところではしっかり押し切ってくださいませ、キラ」
    「ブレーキって……必要あるかなあ。
     むしろ、デートにでも誘いたいぐらいだったのに」
    「まあ♪キラとのデート、楽しみですわ」
    「デート、って言ってもお出かけだよ、ただの」

  • 36二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:03:46

    「……」
    「どうしたアスラン。羨ましいのか」
    「ああ。俺もカガリとデートがしたい」
    「直接的だなお前は!!」
    「駄目か?」
    「い、いや、駄目じゃ?ないが?」
    「よし、行こう」
    「ただし!!」
    「何かあるのか?」
    「あいつらと行先被らないようにな」
    「……ああ。重要だな」

  • 37二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:07:26

    「キラは私をどうしたいですか?」
    (キラは私のご主人様ですわ?さあキラのしたいように私を無茶苦茶にしてくださいな)
    「いや、どう、って……」
    (これは僕の勘違いだよね?ラクスはそんなこと考えないよね?)
    「遠慮なさらず」
    (キラは私のご主人様ですわ?私をどんな色に染め上げようと自由ですわ?)
    「……急にどうしたの?」
    (あっやっぱり勘違いじゃなかった。どうしちゃったのラクス急に)
    「いえ……一度、愛を確かめあってしまうと、こう、歯止めがきかなくなってしまったようで」
    (いえ、こう……この間の熱烈なキラの愛を受けて、一晩中すごい経験をしてしまった結果、私も私のあるべき姿を理解したと言いますか)
    「ああ、でもラクスそういうところあるかなぁ……行動力もあるし、結構押し強いよね。
     肝心なところは結構引いてくるけど」
    (あるべき姿……いや、うーん……思い込みが激しいところあるよね、ラクスって)
    「では、しっかりブレーキをかけながら、重要なところではしっかり押し切ってくださいませ、キラ」
    (私の手綱を握るのはあなたですわ?キラは私のご主人様ですわ?)
    「ブレーキって……必要あるかなあ。
    むしろ、デートにでも誘いたいぐらいだったのに」
    (まあラクスがいいって言うならいいのかなぁ……でも、なんなのその首輪。
    アスランとカガリに見えたらどうするのさ……うーん。
    でも、ラクスを無茶苦茶にしたいっていうのは否定できないんだよね……)
    「まあ♪キラとのデート、楽しみですわ」
    (キラの調教、楽しみですわ……♡)
    「デート、って言ってもお出かけだよ、ただの」
    (調教って……変な本の読みすぎじゃない?また母さんに怒られるよ?)

  • 38二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:13:20

    「言葉が真実とは限らないのです」
    「急にどうしたんですかマルキオ様」
    「そう、己の真実とは、秘されるべきもの。それを晒すべきは誰か。
     ラクス様にはすでにわかっているのかもしれません……」
    「相変わらず何を言っているのかわかりませんマルキオ様」
    「飛ぶべき翼。本来の道から外れた少年と少女。
     SEEDが人の革新をもたらす力だというのであれば、あの二人がそれを持っているのは必然だったのかもしれませんね……」

  • 39二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:37:40

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 05:29:14

    人気のない道を、キラとラクスが歩いている。
    手をつなぎ、ほどく。指をからめて、その距離を縮め、また離れる。
    それを繰り返しながら、キラとラクスは道を進んでいる。
    キラはラクスの前を進んでいく。
    ラクスはキラの隣にいながら、キラが歩みを止めようとすると、それに合わせて止まる。
    キラが問いかけるようにラクスに視線を送ると、それをラクスが受け止める。
    ラクスが頷くと、またキラは視線を前に向ける。
    夕焼けが二人を照らす。
    進むキラを寂しげにラクスが見つめたかと思うと、キラは視線を返すことなく、ただ、ラクスの所在なさげな指に手を伸ばす。
    二人の指はからまり、そしてまた手が繋がれる。

  • 41二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 07:57:47

    このレスは削除されています

  • 42二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 08:10:10

    ヨメ・キラノ先生ですかもしかして…?

  • 43二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:08:52

    保守しなきゃ(使命感
    新作待ってました

  • 44二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 22:04:30

    どこかのこの方のスレまとめないだろうか?

  • 45二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 01:17:17

    このレスは削除されています

  • 46二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 05:28:39

    保守

  • 47二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:19:35

    結局のところ、私は彼と共にいるために、ここにいる。
    それ以上でも、それ以下でもない。
    だから、共にいる。ただ一緒に居たいと思う。
    おそらくそれは恋から始まったものであり、愛に至ったものであろう。
    手をつなぐ。彼の体温を感じる。彼との距離を感じる。手を離す。
    指の動きに、彼の名残惜しさを感じ、喜びと同時に寂しさを感じる。
    人前では、ずっとつながっていることはできない。
    身体だけではない。心も同じだ。
    私は彼の隣にいたい。あるいは支えたい。彼が歩みを止めたのならば、再起を促すことなく、ただ共にいたい。
    彼は前に進む必要はない。静かに。ただ静かに。
    傷だらけになった彼には、これ以上の苦しみを味合わせたくない。
    だから。彼が過去の苦しみに目を向けようとした時、私はさえぎった。止めた。彼の意志を無視してでも、私の方に目を向けようとした。
    それが嫉妬から来るものなのか、彼への想いから来るものなのか、私にはわからない。
    ……ただ、側にいたかった。本当に、ただそれだけ。
    だから、私は彼とともに停滞する。

  • 48二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:20:35

    その一方で、あのかつての強い意志を持つ彼に、手を引いてもらいたいという気持ちはずっとある。
    愛にたどり着く前の私が、恋焦がれたあなた。そのまっすぐと人を見つめるあなたに、私を導いて欲しい。だから、私は首輪をつける。体と思いがつながったのをいいことに、私の欲望を垣間見せる。私は、私を愛する人に、私が愛する人に、その手綱を握ってほしい。
    もうそれは決めたこと。ただ、側にいたい。彼に共にいて。共に歩んでほしい。それだけではない。導いてほしい。壊してすらほしい。……そう、あるいは。その言葉を言い換えるのであれば、愛して欲しい。
    だが、それは果たして傷ついた彼にとっては正しいことなのか。だから、せめて。私という存在だけは、あなたの形に変えてほしい。せめて、この瞬間は、私のこの手を引いてほしい。そしてやっぱり……愛して欲しい。
    それは、我儘だろうか。いや……ずっと。ずっと。これは、ただの我儘だ。
    だって、私がそうしたいのだから。そうしてほしいのだから。

  • 49二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:21:24

    僕はどうしてここにいるのだろう。
    度々考えるその命題に答えはない。アスランや、カガリや、彼女……ラクスは、きっと答えを持っている。かくあれかし。こうあるべきだ。そういった何かが、彼や彼女の中にはある。いや、彼や彼女だけではない。それは、誰にでもある。
    じゃあ、僕には。迷う。ただ、ここでぼんやりと日々を過ごしていいのだろうか。
    戦いたくない。戦わせたくない。平和であってほしい。そんな思いはずっとある。
    それが、どこから来るものなのか。そして、それはどこに行くものなのか。
    ずっと、ずっと、探している。
    カガリは、ずっとオーブのために頑張っている。アスランは、カガリのボディガードを始めた。ラクスは……自惚れでないのであれば。僕の確信が正しいのであれば。僕のために、彼女はここにいる。
    じゃあ、僕は?

  • 50二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:22:26

    わからない。僕は、ただ停滞しているだけ。戦いをするべきではない、戦うべきではない、という気持ちはあるけれど、まだ模索し続けている。
    もう1年。1年以上。何をするでもなく、思索を続けている。
    それを壊れた、と表するのであれば、間違いない。僕は壊れている。実際、僕はもう以前の僕じゃない。何かをやる気力すらない状態で、ただ虚ろに日々を過ごすだけの自分は、どう見ても、人として壊れている。
    何をしたい。何もしない。
    ただ……そんな中で、唯一生まれたものがあった。
    共にいてくれる彼女。そんな彼女に報いるでもなく、応えるでもなく。僕はただ、そんな彼女に、この先も側にいてほしいと思った。
    これはただの我儘だ。僕の勝手な感情だ。
    だけど、それに、彼女は応えてくれた。僕は、あんなに向けられていた彼女の想いに応えられなかったのに。……酷い。酷い話だ。
    与えられる愛に報いず、ただ、自分の想いを押し付ける。自分の愛を押し付ける。
    想いはつながった。だけど、以前として問いは僕の中にある。
    僕は彼女とともにいたい。でも、それは正しいことなのだろうか。……僕の愛は、正しいものなのだろうか。そして、僕は停滞する。彼女の愛に包まれてすら、僕は、進めない。

  • 51二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:24:09

    あなたが足を止めた。/君はそれに合わせて足を止める。
    あなたがが問いかけて。/君はそれを聞いてくれる。
    (僕は君とともにいていいのだろうか)
    (私はあなたとともにいたいのです)
    (僕は君と一緒にいたい)
    (ただ一緒にいてくれるだけでいいのです)
    あなたは前を見る。/君は僕を見ている。
    あなたは前に進む。/君は寂しいと訴えるでもなく、そう思う。
    (心の中でも嘘をつけるなんて。ラクスは優しいよね)
    (嘘ではないのです。これは……迷い、というものです)
    (一緒にいるだけ、なんて。僕には耐えられない)
    (私はそれだけでもいいのです)

  • 52二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:26:12

    あなたは私に目を向けることなく私の彷徨う指をとる。/僕は君の細い指に触る。
    (それだけじゃ、僕は我慢できない)
    (……私も、あなたと触れ合いたいのです。でも)
    (大丈夫……大丈夫だよ)
    (私は我儘ばかり)
    (僕なんか我儘しか言ってないよ)
    あなたは指を絡めて、私の手を握る。/君は僕の手を、強く握り返す。
    (では……あなたの、心のままに)
    (君が、それを望むなら)
    そして、私とあなたは/君と僕は、また歩き始める。

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 08:38:19

    「なんとなく、マルキオ様の言うことがわかってきました」
    「それは何よりです。ただ、私たちが何かをする必要も、あるいは、理解する必要もないでしょう。
     あの二人は、すでに自分たちの行く末を定めていると思います」
    「キラも、ですか?」
    「彼こそ、ですよ。人の足は歩くためのもの。ですが、前に進むためだけのものではありません。
     今の彼には為す力も、あるいはそれを為すための信念すらないかもしれません。ですが、彼には望む世界がある。
     力も、想いもなくとも。人の革新にとっては、それこそが重要なものかもしれません」
    「では、ラクスちゃんは……」
    「ラクス様には、信念がある。そして、たとえ力がなくとも、それを成し遂げるでしょう。
     いや、すでに彼女の世界は望んだ形に成ってしまっているのではないでしょうか」
    「……今こそが、ラクスちゃんにとっての平穏だと?」
    「そういうことです。その事実に、彼女が気づいているかは、わかりません」
    「ありがとうございます、マルキオ様」
    「私は何もしていませんよ、カリダ様」

  • 54124/05/25(土) 08:59:31

    以上、ポスカからのインスパイアで、この二人全然口に出さなくても会話してそう……という妄想からの種~運命間のお二人の話でした。この後は運命に続きます。

    色々止まっているのがあるので、折に触れて書きたいですね…12時間で落ちるので、実はちょいちょい書ききれないと思ったら削除してます。今回も昨晩から保守してくれた方がいらっしゃらなかったら、最後の一番書きたかったところを書けないところでした。

    保守してくださった方、ありがとうございます。

    これ関係でネタ思いついたら続けますが、こっから先は蛇足な気もします。思った以上にコンパクトにまとまってしまったので、これだったら某イチャイチャスレに画像なしで投げちゃえばよかったと後悔してます。


    >>44

    全部じゃないですが、ぼちぼちpixivあたりでまとめております。

    ただ画像前提で作ってるので代わりの絵を描くんですが全く納得のいくものができず進んでない感じです

    Twitterとかでも本来のアカウントとは別のアカウント作ってまとめようかと思ったんですが、色々検索に引っかかったりこれ色々見にくいなあと思ったのでやめちゃいました

  • 55二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 09:09:19

    >>54

    pixivで何で検索すれば、見れますか?

    過去のSSも見たいです

  • 56124/05/25(土) 09:36:13

    >>55

    「ある夫婦の問答」で検索するといくつか出てくると思います。

    ただ、私自身が元々オリジナルで男性向けのエロ書いてる人間なので、プロフィール欄から他の作品飛ぶ際は閲覧にはご注意ください

    キララク関係も書いてますが、現在でも下手なりにわりと酷めの男性向けのエロを書き続けてます

    掲示板関係の作品リンクは自分でもちょっと把握しきれてません……以下は一部になります

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    【閲覧注意・CP注意】ここだけキラとラクスが姉弟として育てられた世界線|あにまん掲示板メンデルから逃げ出すときに、カリダさんとハルマさんは二人を普通の姉弟として育てたがあまりにも遺伝子の相性が良くてキラが10+ dice1d5=@1 (1)@ 歳のときレッツ背徳してしまったキラとラクス…bbs.animanch.com
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  • 57二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 19:35:10

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