- 1二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:27:58タイシンの♀トレは身長低いって概念出したそこのアナタ|あにまん掲示板末代まで誇れbbs.animanch.comテイトレTSウマ娘化概念に脳を侵されたもの|あにまん掲示板幻覚は文章にならば文章は絵にするものhttps://bbs.animanch.com/board/58697/bbs.animanch.com
普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえばタイシンより低身長♀トレーナーができるんじゃねぇか?
・ここはウマ娘になってしまったトレーナー達をかわいいかわいいするスレです
・自分だけのトレーナーを考えたり概念を投げつけたりして楽しんで行きましょう
・別にTSに拘らなくても良かったり、既に居るトレーナーの別概念を上げても良いです
・大事なのは自分の性癖をさらけ出す事と他の人の性癖を否定しない事、それとトレーナー達への愛です
・そしてタイシンの性癖は破壊するもの
前スレ
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part723【TSトレ】|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/ https://bbs.animanch.com/board/60076/ 普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしち…bbs.animanch.comWiki(解説/全パートリンク/用語集などはこちらから)
言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ @ ウィキ【9/26更新】言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ@ウィキへようこそ 詳しくはこちら→言うっちまうTSウマ娘化タイトレ解説スレ(外部リンク) まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧...w.atwiki.jp後感想用言うっちまえなかったスレ(1/31更新)
おれ居なかったから言うっちまえなかったんだけどよぉ…新part3|あにまん掲示板リアタイで伝えられなかった感謝や感想を伝えれる方がより清々しく尊死できるんじゃねぇか?それに大量の情報がある中、いまさら聞けないことを聞ける場所があったらより素敵なSSを書くことができるんじゃねぇか?…bbs.animanch.com本筋のタイトレ情報まとめ
・140-90-55-80(魔法の合言葉)
・25歳
・髪色は茶色でパーマーみたいな流星、目の色はエメラルドグリーン、耳飾りはタイシンとお揃い
・全身からおひさまのにおい、髪と尻尾はタイシンと同じシャンプーの匂いがする
・耳と尻尾と胸が敏感
・熱血クソボケ
- 2二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:30:54
おつおつ
- 3二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:32:03
たておつ~
- 4二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:32:03
立て乙
- 5二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:32:05
たておーつ
- 6二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:32:42
立て乙
- 7二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:32:56
おつ
- 8二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:33:51
立て乙です
- 9二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:34:05
…早速だけど予約分投げていいかな?
- 10二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:34:25
おけ
- 11二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:35:48
───エイプリルフール。それは、嘘をつく日でありトレセン内でもちょっと騙してみたりといつもと違う日。
そして、あるトレーナー室でもまた一つ、嘘が飛ぶ。ファイトレ(女)はファインと二人きりで会話していた時の事だった。
「ねえ、トレーナー。…私は、貴方の事が嫌い」
「!」
その言葉が飛び出した瞬間、モノクロに染まるファイ女の視界。パキンと何かがひび割れるような音がした気がした。
「ははっ…冗談…だよな……ファイ、ン」
「勿論だよ、今日はエイプリルフールだもの。」
…急速に戻る色彩に少し暗い笑顔を見せるファインの顔が映る。ファイ女は思わず引き寄せて強く抱き締めた。
「良かった…よかった…」
「うん、今度からもうしないよ。…少し、魔が差しちゃって」
ファインもまた、ファイトレのその顔を、頭を、体を撫でる。いつもより冷たくなった体は触れる指先から熱を奪う。
「…」
「大丈夫、私は離れないよ…大丈夫だから。」
目を閉じて只管にファイトレを撫でる。いつもよりも随分と小さく見える彼女が、落ち着くまで撫で続けた。
〜⌚〜
「…どう、落ち着いた?」
「うん…」
珍しく縋りつくように甘えるファイトレ。場所を仮ベッドの上に移したファイトレは、ファインに膝枕されながら呟く。
「…何がエイプリルフールだ。嘘なんて皆…当然のようについているのに……それを今更、許す日…だなんて……」
「…」
「ああ…嫌いだ。騙すのも…騙されるのも……」
「…トレーナー」
いつもとは全く違う、自制を捨てて感情を剥き出しにするファイトレ。我儘で直情的な子供のように、思いの丈を口にした。
そんなトレーナーを横になりながら胸元に引き寄せて、優しくキスをするファイン。震える彼女の近くで静かに甘やかす。
「…もう…つかれた……」
「…お休み、トレーナー。せめて夢の中でくらい、キミが苦しまないように」
短文失礼しました
上で言った冗談で嫌いというネタです。まあ致命傷…というか、心がへし折れる一言ですね。(アイディンティティにも関わるので)
冗談と分かっていてこれなので、長編の時のファイトレ(女)の心情は筆舌に尽くし難いもの。明らかに病むのもむべなるかな。 - 12二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:41:11
ウップス…地雷踏みつけちゃったのか…
やっぱ嘘は程々が1番だね - 13二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:43:09
いいね…
- 14二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:47:12
ファインの為というアイディンティティ+嘘をつかれるのは嫌い+一度ガチ拒絶されたトラウマの役満でございます()
- 15二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:50:15
色んなエイプリルフールがあるんだ
- 16二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:55:36
ファイトレ(女)はファインに頼りにされることが存在理由の大きな部分になってるんだろうなぁとしみじみと思う
嘘だのなんだの、気にしないでいられる日が来たら良いなぁ… - 17二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:00:26
- 18二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:01:26
- 19二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:01:50
- 20二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:06:19
エイプリルフールは続く
二日目というネタを用意してくれたグラブルは偉大だ… - 21二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:07:39
「エイプリル……フール……ですか?」
ペンの音を絶やさず、ウオシスが問う。
「ああ。お嬢は知らないか?」
「すいません……そういったものには疎くて……」
「ああ、大丈夫だからそんな顔すんなって」
知らないのも無理はないさ、と声をかけてから提案をする。
「やってみるか?」
「その……どんなことなんですか?」
「エイプリルフールというのはな……」
かくかくしかじか、あーだのこーだの。彼女に説明をする。
午前中は嘘をつき、午後はそれを明かすこと。嘘の程度は個人に委ねられること。
説明が終わる頃には、彼女はどこか葛藤した顔をしていた。
「……どうした?」
「あっ、いえ……説明してもらった手前で、その、とても申し訳ないんですけど……嘘を、自分かついたことがなくて……それに、いつもお世話になってる方に嘘を、というのが、あの、とても失礼で、私、は……」
「娘よ……」
「ギムレットさん……」
ポン、と肩に手を置く。
「いつも世話になってるからこそ、こう言ったところでちょっとはっちゃけて、貴方を信用しています、って示すのも、信頼のひとつなんじゃねえか?」
「そう……でしょうか?」
「ああ。たまに出るあの別人みたいな感じで嘘を言ってみたらきっとみんなビックリするぞ?」
コンコンコン、とノックがする。噂をすればだ、なんて親父に変わった親父がニッ、と口の端に笑みを浮かべる。 - 22二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:08:48
「こんにちは〜。ウオシスちゃん、居る?」
「はい、此方に」
するりと親父の後ろから左へ出る。あくまで後ろに、目立たぬように。
「……ほ、本当にウオシスちゃん?」
「左様です、ナイスネイチャ担当トレーナー様」
「ねえ……嘘でしょ?」
「真でございます。ダイワスカーレット担当トレーナー様。先日の喫茶店ぶりで御座いますね」
「ま、一旦入ってくれ。立ち話もなんだ」
親父がソファにネイトレとダストレを誘導する。ウオシスは1番後ろの、3歩分後ろに控えている。立てる足音は耳を澄ませてようやく聴こえるほどだ。
「どうぞ、お座りください。飲み物を淹れて参ります」
「…あ、あの、親父さん。ネイトレさん。今日って……エイプリルフールだよね?」
「あ、ああ、そうだが?」
「そうだがって……ウオシスちゃん、いっつもあんな感じじゃないですよね?」
「どうしたネイトレ、お嬢はここじゃいっつもあんなだぞ?」
「……嘘だ……でも嘘と言うには板に着きすぎじゃ……?」
うんうん唸る2人を見ながら、親父は冷や汗をかく。もちろん顔は涼しげなまま。
(なあギムレット)
(俺は知らんぞ)
(アレ……ここまでしっかり見るんは初めてだが……お嬢あんなんなのか!?)
(だから知らんと言っとるだろう?しかしアレほどとは……)
「お待たせ致しました。粗茶では御座いますが、どうぞ」
音もなく横からするりとお茶に菓子を出す。
「お、おう」
「うん……」
「…‥(絶句)」
失礼します、と親父の隣のソファに座る。その仕草1つも、洗練され切っていて、まるで生まれてこの方そうやって生きてきたような錯覚さえしてしまう。
「本日は、御三方に伝えたいことが御座いまして、身勝手ながらこの様にお集まり頂きました」
((((何だ……なんなんだ……?))))
もはや提案者の親父とギムレットですら信じられなくなっている。
「大変不躾では御座いますが、私、皆様のことがとても、嫌いです」 - 23二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:09:40
まずネイトレはショックで頭が理解を拒んだ。とどのつまり、固まった。
次にダストレは……泣いた。耐えきれなかった。静かにポロポロと涙を流した。
親父はあ……あ……と幽鬼なのような声を細く上げて、目の焦点が合っていない。
ギムレットは娘が……娘……と隅で三角座りでしょげた。まるでパパ臭い!一緒に洗濯物洗わないでよ!!と娘に言われた父親のように。
「…さ…ごめ……い……」
この中で1番(といっても相当な物だったショックの軽いネイトレが泣き声で我にハッと帰り、その声の方を向くと、ウオシスが泣いていた。いつもの可愛らしさも、今の恐いほどの冷たさも無く、小さな子供のように。
「う……ウオシスちゃん?」
「ごめんなさい……みなさん……ごめんなさい……」
頭を抱え、殻に篭るようにして。
「こんな……こんなつもりじゃ……」
彼女は悔いていた。自分を信頼して、声をかけてくれる大切な人に対する嘘を誰よりも悔いていた。
「よしよし。ネイトレさんは大丈夫だからね……だからそんな泣かないで、ね?」
「でも……でもぉ……」
彼女を抱き寄せ、よーしよしよしと背中をゆっくりさする。
「皆さんが……私のせいでぇ……」
「これはウオシスちゃんから言い出したの?怒ってるわけじゃないんだよ?」
「親父さんに……言われて……グスッ」
ふ〜ん、とネイトレの温度が下がる。
「あとさ……一応の確認なんだけど……エイプリルフールだよね?」
「あだりまえです……みなさんに……うそなんで……」
よほど答えたのだろう。ガチ泣きになる。
「これは……ちょっと……」
「ごめんなさい……うそをついてごめんなさい……ごめんなさい……いや……座敷はいや……ごめんなさい……もううそはつかないから……やだ……」
その後、泣きやんだウオシスを座らせ、ダストレさんをゆすってウオシスから弁明をした。そこでも泣いたウオシスはダストレにも宥められた。
親父はウオッカと202に死ぬほど絞られた。ギムレットは2週間ほど失意のどん底に堕ちていた。
そしてウオシスのあのモードの、彼女のどこか冷たいほどの本質の一端を垣間見た3人は二度とあのウオシスをめざめさせてはいけないと悟ったのだった。
めでたしめでたし……? - 24二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:12:33
以上、エイプリルフールウオシスでした。
彼女は生まれもそうですが嘘をつけない性分なんですよね。嘘をつくとお座敷(マイルド)に連れていかれるっていう実家の風習もありましたから。
あと実家モード(仮称)はあまり好んでいません。無意識には出ますが、今回はいつもの信頼を示すという彼女なりの思いがあってこそです。
ダストレさん、ネイトレさん、親父さんとギムレットさんをお借りしました。エミュの自信が無いので腹を切らせていただきます。 - 25二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:26:04
みんないいね…
- 26二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 00:30:40
これまでの生活で染み付いてしまった部分というのはあるよね。でも嘘がつけないというのも、普段から誠実にあろうとしているウオシスさんの美点の1つだと思うんだ。ウオッカや他のウオトレたちや他のトレーナーさんと一緒に楽しい時間を過ごしてほしいんだ
ウオトレ(親父)とギムレットを出してくださりありがとうございます!
何消沈してるんだチームメンバーが泣いてるんだからはよ起きて慰めに行かんかい!とかケツを蹴りとばして急かしたくなってきますが、彼らにとってサブトレとして見てきた相手に「嫌い」と言われるのは、慰める選択肢が吹き飛ぶぐらい衝撃的なことだったのでしょう。今後同じようなことがあったらすぐ行動できる人になってもらいものですが。
繰り返しになりますが、二人を登場させてくださり誠にありがとうございました! - 27二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 06:31:55
🎊🎉🎂メジロマックイーン誕生日おめでとう🎂🎉🎊
- 28二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 06:47:25
おはよう
寝てる間にいいssが来てる… - 29二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 07:19:49
おはようございます
エイプリルフール2日目か… - 30二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 07:22:05
いいss達と…全部盛った黒タマか…
- 31二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 09:58:24
そういえばだけど一昨日からタニノギムレットのコラボコーヒー豆がヴェルサイユリゾートファームさんのショップで販売中のこと
ギムレットも珈琲を嗜んでいて、豆には自分なりの拘りがあったらいいよね。牧場にカフェ産駒のヒルノダムールも居るし、選んだ豆を時折カフェに淹れてもらって言い様の無い縁を感じていたりしたら良いなと思うの
美鈴珈琲様とのコラボコーヒー、タニノギムレットが在庫切れとなっておりましたが在庫入荷致しました!
ローズキングダムも酸味があってオススメ、タニノギムレットはボディの強さを出した味わいです😊
是非、ご賞味ください✨
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- 33二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:07:58
「ふん! ふん!」
「あっ、トレーナーさん! 今日の筋肉はいつもにも増して凄くキレてますね!」
「ああ! ライアンも分かるかい!」
「はい! なんだか光り輝いて見えるようです!」
「ライアンの筋肉審美眼もかなり洗練されてきたみたいだな!」
「あはは、トレーナーさんにはまだまだ届かないですけどね」
「なに、鍛えれば応えてくれる! 筋肉と同じさ!」
「はい! 頑張ります!」
「よし! それじゃあマッスルアイによる観察力を鍛える為に問題を出そう!」
「問題……!」
「あそこを歩いているグラトレさんの筋肉を見極めるんだ!」
「筋肉を見極める……ですか?」
「本来筋肉は皆素晴らしい物であり評価する物ではない……だが、ライアンの成長の為にもどれだけ筋肉を鍛えているかを見極めさせて貰う!」
「……分かりました!」
「良い返事だ! しかしグラトレさんは重厚な着物によって身体を覆っているから中々に難しいぞ!」
「ですが、見極めてみせます!」
「期待しているぞ!」 - 34二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:08:16
「むむむむむ……」
「…………見えたかいライアン?」
「……やはりグラトレさんは薙刀や槍の様な長柄の得物を振るうだけあってかなり体幹がしっかりしてますね、それに腕の筋肉も鍛えられているみたいです」
「それだけかい?」
「あとは、担当の娘と併走しているだけあって足腰の筋肉……特に大腿筋はかなり鍛えられていますね、登山を趣味としているみたいですしそれもあるんですかね?」
「流石ライアンだ! 概ね合っているぞ!」
「はい! トレーナーさ……おお! ナイスバルク!」
「だがグラトレさんの筋肉には、もう一つ注目する所が有るぞ!」
「もう一つ……!」
「それは、手だ!」
「手……ですか?」
「ああ! 長柄の得物を振り回すにしても、岩山の岩を掴んで登るにしても握力が重要だ! そうなれば握力を出す筋肉が鍛えられるのも必然!」
「た、確かに……!」
「だが、大きな武器を振り回す、担当ウマ娘と併走する、岩山を登る……それらを行う筋肉が鍛えられる中で、重要度が少し下がる分鍛え方が甘い筋肉が有る……それは分かるかい?」
「……むむ……背筋……背筋が少々他の筋肉より弱い様に見えます」
「その通りだライアン! グラトレさんは少し背筋の鍛え方が足りないみたいだ……という訳で、今日はこれからグラトレさんを交えて背筋を鍛えるトレーニングをしようと思う!」
「分かりました、トレーナーさん!」
「よし! では、グラトレさんに声を掛けに行くぞ!」
「はい!」
「「レッツ、アナボリック!!」」
- 35二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:09:41
ちょっと敵が朝7時代に放送出来なさそうな面子ですねぇ……
- 36二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:15:41
- 37二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:17:31
- 38二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:17:52
- 39二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:23:11
- 40二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:23:57
- 41二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 10:24:54
タイトルと話題名で戦隊の呼称があってないのがもうどうでもええ感あふれとんのよ
- 42二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 11:06:57
この戦隊、誰かが盛るペコと共謀したことによる仲間割れが起こって壊滅するラストなんだよね…
- 43二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 11:14:06
定期的に戦隊モノのタイトルだけ出てくるの何でしょうね
数人組が作りやすいから? - 44二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 12:19:08
仮面ライダーV
復活の言うっちまう
同時上映
まな板戦隊ペッタンジャーVS巨乳戦隊ボインジャーズ〜失われた秘宝〜 - 45二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 12:19:48
実際にいろんなモチーフで戦隊が作られてるからイメージしやすいのはある
- 46二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:16:50
しかし昔の記憶で話をすると年がバレる諸刃の刃だ
- 47二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:18:37
戦隊かぁ…シンケンジャーとかよく見よった
もう5年くらい前なんかな - 48二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:18:46
ライダー以上に世代が分かれるからな俺はギンガマン
- 49二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:19:44
- 50二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:20:24
今年のが歴代トップクラスにトンチキなのは知ってる
- 51二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:28:00
今の戦隊のレッドが妖怪縁結びとか言われてたのをみて気になってる
この掲示板で言われてるぐらいしかしらないけどマジであんな感じなの? - 52二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:29:02
ボ、ボウケンジャー!
ボウケンジャーとかゴーオンジャー辺りは最近だろ!?なぁそうだろう!? - 53二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:30:53
- 54二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:52:30
ご、ご……
五星戦隊…… - 55二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 13:54:27
ゴーバスターズ?ゴセイジャー?まさかのゴーゴーファイブ?とか思ってたらさらに古かった
- 56二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 14:34:01
- 57二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 14:52:30
- 58二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 15:07:21
- 59二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 15:11:43
遅くなりましたがマベトレWikiのエイプリルフール記事見てくださった方ありがとうございます。
インターネット古代遺跡いかがでしたでしょうか
記事は残してあるので後からでも見れるようにしてあります
PS.踏み逃げされたー☆ - 60二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 15:17:41
マベトレさんのWiki見た感想を伝え忘れてしまってたんだけど、昨日のマベトレさんのWiki阿部寛のホームページみたいな感じだった?
ああいうことできるの本当に凄いなって思いました。いつもWiki編集するときに参考にさせてもらってます - 61二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 15:37:48
マべトレさんのWiki凄かったよー☆
でも絵を描くスキルも道具も無いのー☆ - 62二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 15:58:16
描かぬなら
描くまで待とう
ククルカンモンク - 63二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:00:59
- 64二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:02:52
あぁ…フルアーマーフクもあるぞ…
- 65二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:21:30
ただ今よりダイヤちゃん訓練を開始する
- 66二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:49:30
- 67二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:54:34
- 68二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 16:56:13
ダイヤちゃんの勝負服を描くまで出られない部屋よりはマシだと思うんすよ
- 69二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 17:22:08
はい…タイムは七秒でした…
目を覚ましたら法廷にいました。現場からは以上です - 70二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 17:35:37
- 71二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 17:40:45
- 72二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:02:19
はーちっトレを妹にしたいなー
- 73二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:05:07
ええんか?
ちっトレだけでええんか?
お前はそれで満足なんか? - 74二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:07:30
そうか…ネイトレが妹ならネイチャが義妹になるな…
- 75二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:08:33
乳武海も妹にしたい〜!
- 76二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:19:04
- 77二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:54:34
タキトレお父さんは優しくて料理が美味しくてなんだかんだ甘いんだけど、しっかり大事なことをちゃんと子供に伝えてそうで自分も良いなと思うの
- 78二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 18:59:38
- 79二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:02:30
タイキトレお母さんはずぼらだけど言われたらチャキチャキ動きそう
- 80二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:07:28
タイキトレもけして料理できないわけじゃないよね
割と作っては食べてるイメージある - 81二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:08:24
いつだったかカツ丼朝から食べてたよなタイキトレ
- 82二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:33:03
ここのトレ料理できない人の方が少数派でしょ確か
- 83二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:39:37
一人暮らしが殆どだし判りやすい料理下手よりよくわからない物体を作るほうが多いからなあ…
- 84二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:49:08
侘助の作った焦げた飯を美味い美味いって言いながら目の前で完食したいです
- 85二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 19:53:43
- 86二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:02:34
- 87二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:04:02
企画モノは良いぞ、何故その面々で?と言うのを一挙に解決してくれる
- 88二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:07:17
- 89二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:07:24
- 90二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:08:09
よきよき
- 91二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:08:13
いいよー
- 92二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:08:21
- 93二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:09:35
すみません、次レスから失礼します…
- 94二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:10:41
Winning the soul moment
歓声が聞こえる。
俺たちを迎える声。これから始まるレースへの期待の風が。
「…トレーナー」
「ああ」
言葉はきっと邪魔なだけだ。だからこうしてお互いに拳を合わせ、短く告げる。
「最高のレースを」
「はい。絶対に、負けません」
そして、もう一人の仲間。
「あ、あの、二人とも…」
「助手も、見送りありがとな」
「じょ、助手じゃありません!サブトレーナーですっ。まだライセンスもってないですけど…」
「ははっ、サブトレーナー名乗るなら、まずはその不安そうな顔からだな。トレーナーってのは一番に自信を持って担当を送り出すもんだ」
「うぅ、まだ全然なのは分かってますけど、でも…」
言いたいことは分かる。彼女と過ごす時間はあまりにも少なすぎた。こうしてこっちの都合に振り回してしまう形になったのは本当に申し訳ないと思う。むしろここまでよく着いてきてくれた。俺の人生は、本当に多くの人たちに助けられている。
「…どうか見届けてほしい。ヤエと俺を。それと…」
「わっ、急に物を投げないでくださいっ。…これは?」
「俺の大切な物だ。戻ってきたら必ず返してもらうから、レース中は大事に持っててくれ」
「…ま、待ってますから!二人で帰ってきてください!」
「ああ、もちろんだ!」
「行って参ります!」
歓声が、強くなっていく。 - 95二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:11:22
「さあこの日がやってまいりました。最も『はやい』ウマ娘が勝つという皐月賞!成長を見せつけるのは誰か!」
「一番人気はもちろんこのウマ娘、オグリキャップです!前走では三着という惜しい結果となりましたが、その実力と人気は健在です。今日も素晴らしい走りが期待できるでしょう!」
「二番人気はこのウマ娘、ヤエノハナビです!デビューから勝利を重ね、光のような速さでこのGⅠの舞台にも駆け上がってきました。今日も十分に一着を狙えるポテンシャルを秘めています。毎日杯でも見せた切れのある走りを期待したいですね!」
「そして三番人気はこのウマ娘、ヤエノムテキです!こちらも力強い走りで結果を残し続けています。実力も気迫も十分、前走と同じライバルを前にどれだけ立ち向かえるか注目したいところです!」
「さあ各ウマ娘ゲートインが完了しました。出走は間もなくです!」
「… … … さあ!スタートですっ!」
- 96二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:11:59
レースを作るウマ娘というのは確かに存在する。展開の中心となるウマ娘、ひときわ強い存在感を放つウマ娘とも言い換えられる。今日のそれは、すぐに分かった。
「先行策…」
前走の毎日杯から期間はあまり開いていない。距離も同じ皐月賞で、オグリキャップは差しではなく先行を取った。過去のレースでオグリキャップが先行策をとったこと自体は無いわけではないけれど、この短期間で変更してきたのは少しだけ予想外だった。毎日杯での結果が少し影響しているのだろうか。
となれば必然的に逃げに続く先頭集団を形成するのはあの三人だ。オグリキャップ、ヤエノムテキ、そしてそのトレーナー。序盤から中盤にかけて、三人が互いにけん制し合う状況が続く。
折り返し地点を少し過ぎたところでレースは少しずつ動き始める。観客席から見ている私がなんとか気づけた程度のかすかな変化。
「早い、早すぎる。そんな位置から!?」
オグリキャップが位置を上げていっている。多分まだ700m以上残っているであろう距離から、徐々に。でも確かに。ここから仮に速度が落ちず加速し続けるとしたら、最終直線ではもう誰も追いつけない。
かといってオグリキャップにペースを合わせるというのも危険な作戦だ。その時点で主導権を握られていることになるし、何より自分のペースが崩れて最悪スタミナ切れを起こしかねない。でも、このままでは…。
「頑張って、二人とも…」
ただ、信じ続けるしかない。私が好きなった二人の走りを。まだ時間は短いけれど、支えたいと、これからも一緒に居たいと願った二人を。
強く、ただ強く。思いが力に、二人に届くように。
- 97二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:12:39
何か策があるってことはすぐに分かった。でなければわざわざ作戦を変えてこない。
こうなってしまえば、このレースの主人公はオグリキャップだ。こういうのは一番初めに仕掛けた者の勝ちだ。そしてそれが最後まで続いて勝てば、それが実力の証明になる。
悔しいけど、それは認めるしかない。
オグリキャップのペースが上がっていけばいくほど、集団は縦長になっていく。その状況では俺の『固有』は大した効果を見込めない。落とす距離に対して加速量が足りなくなるからだ。狙ったのかどうかは定かではないが、俺の対策としても十分な効果があった。
では、どうするべきか。
このまま好き放題されたまま負けるのだけは避けたい。俺なりに食い下がって、せめて一矢でも報いたい。そのためにも今はなんとしてもオグリキャップから離されることだけはしてはいけない。
脚に限界がきているのは分かる。少しでも恐れて立ち止まってしまえばそのまま終わりだ。だから無茶でもこの脚を止めてはいけない。
まだ、三回走り切っていないだろ、俺。呪いが本物だっていうなら、せめて意地でも、限界を迎えてでも、このレースだけは走り切って見せろ。
限界近い身体の状況とは正反対に思考だけは不思議なほど冷静だった。前を、超えるべき壁だけを見据えて走る。感覚が、徐々に研ぎ澄まされていく。
―やっぱり、走るのって楽しいな。
気づけば笑みがこぼれていた。ここに至るまで苦しいことも、悩みも、色々なことがあった。でも、この瞬間だけは。こうしてこの場に立てていることだけは。
何よりも、幸せなことだと。心の底からそう思える。
不思議と、世界はものすごく静かだった。
- 98二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:13:20
笑っている。すぐ隣を走っているトレーナーが。心の底から嬉しそうに。
オグリさんの加速には気づいていた。どうすればいいか考えても、答えは分からなかった。
無意識のうちに、折れかけていた。
でも、そのトレーナーの顔を見て思い出した。
レースも勝負も苦しいものではない。他者と死力を尽くして競い高め合う場所なのだと。
ライバルの実力を認め、さらにその先を目指し続ける場所なのだと。
だから気持ちだけは、決して負けてはいけない。
何より、同じウマ娘なら決して敵わない道理はない。
私たちの鍛錬の日々は、決して軟なモノではないのだから!
そして、世界から音が消える。
- 99二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:14:01
『…に、似ていますね、二人とも』
『? 何がでしょうか』
『は、走り方です…。フォームというか、癖というか、雰囲気みたいなものが…。なんとなく似ているなあって…』
『俺がヤエの走りを参考にしているみたいなところはあるからな。というか正直ヤエの真似だ』
『そ、そうだったのですか!?』
『だってどうせならかっこよくて好きな相手の走りを目指したいだろ。俺にとってはそれがヤエだっただけだ』
『す、すすすす好きって…』
『これに気づけたのは大きいかもしれません、ね。細部こそ違いますが、ほぼ写し鏡みたいなもの、ですから。お互いを見ていたら、いろいろと発見があるかも…』
そんな会話をした記憶がある。毎日杯の時を考えれば、俺の走りは少なからずヤエに影響を与える。ならそれを狙わない手はないはずだ。
以前一度だけ起きた『あれ』をもう一度俺に起こせれば、勝機は見える。
やるんだ俺。怪我だのなんだのはもう意味をなさない。負担を考えなければやれるはずだ。
―オグリキャップの力を俺自身に投影する。
どれだけ持つかはわからない。きっと、最後までは持たないだろう。
でも、わずかでもその瞬間だけは、「オグリキャップの力を持ちヤエノムテキの走法をするウマ娘」が歪にもできあがるはずだ。
可能性は、道は示せる。それをヤエが見て、何かを掴めば。
きっと、超えられないなんてことは無い。
これが、俺に残っている全て。
「追走、開始!」
- 100二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:14:33
先に抜け出したのは、誰でもないトレーナーだった。
どこから湧き上がってくる力なのか。よく知る人であるからこそ私は驚いていた。
いや、違う。もうトレーナーは限界だ。残っている力を使い切って一瞬だけでもハナを奪ったのだ。長くは続かない。
でも、するべきことはすぐに分かった。私の写し鏡とまで言われたトレーナーが見せた力。ならば、私にだってやれるはずだ。やってみせる。やらなければいけない!
音が消えた世界で、視る力に全神経を集中させる。トレーナーの動きを、一挙手一投足を頭に刻み込む。そしてそれを再現して見せる。
「私は、私たちは負けない。絶対に、超えてみせるッ!勝つんだッ!」
限界を迎えたトレーナーを追い抜いていく。最後までその表情は笑っていた。
残るはライバル。
必死に食い下がって並ぶ。オグリさんに。否、これではまだ足りない。
もっと、もっとッ!先へ、前へ、限界の向こう側へッ!
「くっ…でも、まだまだッ!」
「ハァァァァァァァァァァァァァッ!」
形振り構わず一直線に突き進む。前以外何も見えない。全身全霊。一番に、そこへ辿り着くために!
ゴールを、一陣の風が吹き抜ける。
間違うはずもない。確かにヤエノムテキが。
一歩先へ。その勝利を手にした瞬間を。
ボロボロになりながら、俺は後ろから見ていた。
- 101二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:15:13
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- 102二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:15:51
「ハァ、ハァ、ハァ…」
出し切った。限界を超えて全てを。
越えた。共に競い合ったライバルを。
掴んだ。始まりの一冠、その栄光を。
夢なんかじゃない。この自分自身の高揚も、鳴りやまない歓声も。
私は、勝った。
「トレーナーっ!」
周囲を気にすることなく私は叫んでいた。そして、私がその姿を見つけるよりも先に、その人に抱きしめられていた。
「ト、トレーナー…?」
「…よくやった。負けるつもりは無かったけど、でも清々しい気持ちだ。自分のことみたいに嬉しい。今ここで、ヤエが一番のウマ娘だ」
「トレーナーが一緒にいてくれたからです。私一人では、ここまでの力は出せませんでした。トレーナーが言っていた、『今ここでしか見ることのできない景色』というのも、分かった気がします。感覚が研ぎ澄まされていく、静かで、そして」
「綺麗で、美しい場所でした」
「…ああ、本当に。たのし、かった。」
トレーナーはゆっくりと腕を離し、笑って言う。
「今日のレースを見ていた皆が、ヤエを待ってる。行ってこい」
「トレーナーは、どこに行くのですか」
「少し休む。こう見えても立ってるだけで限界でさ。すぐ、戻るから。俺のことは気にするな」
「…分かりました」
そう、栄光の凱旋に曇り空はあってはならない。
俺の役目はもうほとんど果たした。
残された時間は、多くない。
- 103二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:17:16
「っ!」
熱狂に包まれた会場で私は走り出す。観客で溢れたこの場から抜け出すというのは全く容易ではなくて、何度も何度も押しのけられそうになる。
「す、すいません…!と、通してくださいっ」
怪訝な眼で見られようと、不快な顔をされようと立ち止まってはいられない。「連絡」はなかった。つまりは、あの人に何かが起きてしまったということ。
『助手、お前にしか頼めないことがある。もし俺がレース後何かしらの事情で動けなくなった時。その時を、任せたい』
『…!で、でも、それは』
『何もなければすぐに一報入れる。平気だった、大丈夫だってな。でも、もし連絡がなかった時には…。死んでも体は舞台裏まで引きずっていく。万が一の時はそこで俺を回収してほしい』
『頼めた義理じゃないのは分かってる。だから、強制じゃない。見捨ててもらっても構わない。どうするかは助手自身で決めてくれ。…ごめんな、振り回してばっかりで』
「きゃっ…」
足がもつれて体勢を崩す。人が少なくなってきた静かな通路で私は転んでしまう。
同時に、あの人から預かっていた物を落としてしまう。袋の中が外へと飛び出す。
必死に落ちてしまったものを拾い集める。
ただ、落ちた『それ』は私を立ち止まらせるには十分すぎた。
『俺の大切な物だ。戻ってきたら必ず返してもらうから、レース中は大事に持っててくれ』
レース前にかけられた言葉。そして
『ヤエを、少しの間任せる。好きに使ってくれ』
丁寧な文字で書かれた、小さなメモと。
あの人のトレーナーライセンスと、アパートの部屋のカギだった。
呆然と立ち尽くす。
何度も言っていたことではあった。私はこのために呼ばれたのだと、それも理解していたつもりだった。
でもきっと、心のどこかではこう思っていたのかもしれない。そんなこと起こるわけがない、根拠もないものを恐れ過ぎだ、平穏な日常はあたりまえのように巡ってくるのだと。
でも、現実は違った。いざ、目の当たりにしてみると、私の心は折れていた。
感情の蓋は決壊し、涙と嗚咽が溢れてくる。
「わた、しは…わたしはっ…」
そこから先はただうずくまるだけ。
倒れて動かなくなった、黒髪のウマ娘を前に。
- 104二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:18:07
「かっこいいな…」
レースの中継映像を見ながら、私の口からはそんな言葉が出ていた。
その場に居なくてもちょっとした熱というか、感動みたいなものは伝わってくる。熱中するファンたちがいるのも、憧れ目指すウマ娘たちがいるのも頷ける話だ。
私は、そうはなれなかった。
興味がないというほどではなかったけれど、別段秀でた能力を持っているわけでもなかった。結構早い段階からレースで活躍するなんて夢は諦めていたように思う。その選択自体は別に後悔はしていない。
でも、こうして偶に見るレースを見るたびに、同じウマ娘としては思うものがあるのも確かで。私には目指せなかったものを持っている彼女たちを見ていると、かっこいいなあと、そう羨ましくも思うのだ。
特に今日の『皐月賞』。私の目を一番惹いたのは、一着のヤエノムテキでもなく、二着のオグリキャップでもなく、三着のウマ娘だった。
なんでなのかはよく分からない。感覚みたいなものだから。
強いて言うなら走っている様子だろうか。不器用そうでほとんど気迫だけで走っているような、がむしゃらな走り。映像越しでの感想だけれど、その様子が何となく。
10何年も前に出て行ってしまった、兄に似ていたから。
「兄貴は、あんなふうになりたかったのかな」
好きという気持ちだけでは超えられない壁がある。ヒトとウマ娘という差が、私と兄のそれだった。当時の私を含め、周りには兄のことを応援する人なんていなくて、兄はどこかへ行ってしまった。もしかして兄を歪めてしまったのは私なのではないかと、そう少し気づき始めた頃にはもう遅かった。できることなら、合わせる顔なんてないけれど、会ってごめんなさいと言いたい。大人になった今でも、その消えない罪悪感と共に私は生きている。
「応援、してみようかな」
兄の面影を感じたウマ娘。罪滅ぼしとか、そんなことは考えていないけれど、もっと見たいと思った彼女の走りを、これからも追ってみたいと、そう思った。
でもそれは叶うことのなかった願い。
そのウマ娘『ヤエノハナビ』は、『皐月賞』以降の舞台に立つことは決してなかった。
- 105二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:18:42
歓声が聞こえる。
勝者を祝福する声。今日の勝負を称える声。
俺の担当が栄光の一冠を手にした、輝きの舞台。
「…」
言葉は出ない。意識も薄れていく。今の自分の身体に何かをする気力も権利も残されていない。
「…」
静かな舞台裏に、倒れ込む。杞憂では、なかった。事実、中身が抜け落ちた、ただの抜け殻となって、俺は、ここで、終わりを、迎えようと、している。
「…」
ねがいすぎたちから。ありえなかったかのうせいをてにしただいしょうははらわなければいけない。
「…」
おわる。でも。これだけは。まちがいなく。
「…たのし、かった。こうかいは、ない。だから、あとは」
あのこに。おおくのひとたちとちかった、やくそくを。
はたす、ために。おれ、は、また。
かならず、かえって…。
歓声はもう、聞こえない。
終
- 106二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:19:10
ただ長いだけの拙い物語にここまで付き合っていただきありがとうございました。本当は三話程度で、しかもメイクデビューで締めるはずだった話が、気づけば展開も終わりも全く違う話になってしまいました。メイクデビュー前のスズトレさんたちとの勝負、毎日杯~皐月賞のサブトレ含めた三人の日常、そしてサブトレとヤエノのトレーナーが目覚めるまでの歩み、など書きたい話はまだまだありますが、ここで一旦筆を置きます。
何度も、長々と失礼しました。
- 107二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:31:04
いい…それしか言葉が見つからない…
- 108二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:37:53
(97に二つ安価ついてる…今更直せないしまあいいか)
- 109二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:39:34
いい…
- 110二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:40:30
じょ…情緒が破壊される
悲しげながら美しくもある物語ありがとうございます - 111二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 20:51:02
やはり長編の終わりはどこか寂しくなるね
でも、すごくいい終わりだとおめでとうを言いたくもなるよね
リリンが生み出した、最高の文化だよ - 112二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:06:30
上の家族概念で思ったんだけど背の低い姉とか年上の子っていいよね
マベトレに翻弄されたりブルトレを撫でたりしたい - 113二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:07:06
- 114二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:15:32
かっこいい…
- 115二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:16:34
- 116二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:18:24
うーんイケメン美女ですね、これは周囲への甚大な被害が予想されます
- 117二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:22:33
- 118二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 21:38:28
ぴょい勢に「担当が帰ってきたら精のつくものを食べさせてお風呂でマッサージして栄養ドリンクを渡して添い寝したら元気になるよ」って入れ知恵したい
- 119二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:10:18
それ、翌日部屋から出てこられるトレーナーが何人いるのやら……
- 120二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:13:39
父:フクトレ
母:オペトレ
姉:タイキトレ
妹:ダストレ
ご近所:タマトレズ
此方も性癖の開示をしなければ……無作法というもの…… - 121二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:19:08
フクトレ父は容易に想像ができるできる…
ダストレ妹なのは盲点だった……
ご近所タマトレズは愉快そう。毎朝パチンコへ行くパチとすれ違って、猫タマに回覧板渡されて、黒と一緒に飯食べに行って、小に「お母さんいる?」って聞いて「成人してます…」って言う生活送りたい
- 122出遅れエイプリルフール22/04/02(土) 22:23:55
「ブルボン。今まで隠していたのですが…」
「?どうしたのですか?マスター」
「実は私、体の一部が機械なんです。ほら、親指がこんなふうに取れても大丈夫。うっかり壊さないように気をつけて───」
「今まで気づかず申し訳ありません、マスター。今後はより一層慎重な対応を心がけます」
「いえいえ、そこまで言わなくても…ほら、今日はエイプリr」
「ところでマスター、体のメンテナンスは行っていますか?」
「えっ」
「私と同じ機械ならばしっかりとしたメンテナンスが必須と判断。今度私がメンテナンスに使っているショップなどを紹介しましょう」
「あの、これはうs」
「動力は何でしょうか?私のパーツも共用出来るのではないかと提案します」
「え!?ブルボン、パーツとかあったんですか…!?」
「──メカジョークです、マスター。いかがでしょうか?」
うう、びっくりしました…ブルボンには敵いませんね…
終わり - 123二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:25:10
普段は寡黙であまり交流もなかった父フクトレだけど俺くんが結構やらかしたときに面と向かって諭してほしい……
叱るでもなく優しくけれど論理立って諫めてくるけどそれが頭ごなしに怒鳴られるよりも心にくるんだよね……
でもこちらをまっすぐ見据える目からどれだけ自分を大切に思ってくれてるかがわかっちゃうから聞き流すこともできないんだよね…… - 124二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:26:25
- 125二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:29:54
うーん、強い…わかってやるメカジョークは圧倒的だ
- 126二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:31:34
- 127二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:31:48
メカジョークの応酬するコンビ可愛いですね、良き……
- 128二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:40:22
かわいいぜ…
- 129二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:42:15
…書けたので私もss投げていいですか?
ちなみに私は
父親 ウオトレ(親父)
母親 キタトレ
姉 ベガトレ
妹 サトトレ 黒ルドトレ
妹二人にダダ甘な事してやりたい…姉と両親の何気ない話に参加したいです。 - 130二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:50:55
もちろん!
- 131二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:52:47
あるトレセンの一幕、通りすがりの一般男性トレーナーはとあるチャレンジをしようとしてる所であった
「…ん?」
…こてりと首をかしげ、彼を不思議そうに眺めるサトトレ。サトトレを担当に見つからず何処まで抱いてられるかというのである。
「なおサトトレ…ちょっと抱いていいか?」
「うん、いいよ?」
聞く人が聞けばどう考えても事案なセリフなのだが、サトトレから信頼されてるため特に問題はないのだ。
その返事を聞いたことで許可を取った彼は、ずかずかと近寄るとサトトレを少し丁寧に抱き締める。
───瞬間、ふわりと広がる感触。サイズこそ小さいながらももちもちとした体と長くて何よりもいい匂いのする髪。
服越しですら分かる熱と、触れる素肌から感じる温もり、サラサラとした触りの良い毛に包まれる。
(あ、まずいこれ…)
それは、彼の魂すらも浄化するかのような光の如き代物であり、そんなものを受けた彼は
「〜〜ッッッ!」
「……」
僅かコンマ数秒にして言いしれぬ高揚感に身を任せた。サトトレは特に何かする訳でもなくただ抱かれるまま。
そのぬるま湯に浸かるような安らぎの中で、思考回路をシャットダウンしようとした所にかかる声。
「トレーナーさん?」
「あっ、ダイヤ」
「!」
───僅か十秒にも満たぬ間ではあったものの、夢のような感触を堪能した一般男性トレであった。
オマケ(モブによる会話)
「そういえばこのチャレンジ、最長記録って誰なんだ?」
「ああ、確か…そうそう、キタトレさんが最長とか聞いたな。なんでも寝てたんだとか」
キタトレがサトトレを抱き締めてゆっくりとしている姿は、想像するだけでも凄く安らかな空間であった。
短文失礼しました
上の訓練してたのをベースにSSにしてみました。このチャレンジそこまで実行する難易度も高くないからやってる人多そう。
最長記録がキタトレなのはまあね。ダイヤちゃんからの信頼関係も密接していますし、その空間の溶かされる感じは凄そう。 - 132二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:56:55
いい…
この職員さん大丈夫?生きてる? - 133二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:59:03
滅茶苦茶適当な事を言った物がSSになる衝撃よ
キタトレに抱かれているサトトレを見るのは
何と言うか、こう…安らぎという物を感じると思うんだ(語呂力トプロ) - 134二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:11:52
先生…俺は猫になってキタトレチャレンジしたいです…
- 135二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:25:27
ぬるま湯のような高揚感に抱かれて思考回路がシャットダウンしかける
もしかして凄まじい効能になってるのではサトトレゆたんぽ
疲れた日に抱いてみたい。そのまま夢の世界にまで行けると思うんだ - 136二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:27:14
ちっトレチャレンジ
担当や本人が脱出するまで抱き付け! - 137二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:27:29
想像してみるんだ
本人がワンピースでいたがるほどに発熱するメカクレロリを胸の内に抱く光景を
やべぇな - 138二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:28:11
本人が脱出したがってるのに抱き続けるのは事案以外の何物でもないんよ
- 139二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:34:13
ちっトレチャレンジの最難関、タマトレ(小)
彼女の許しを得て抱っこに成功した者は名誉タマトレー人の称号を手に入れ、タマトレ(小)の付き人を継承する栄誉を得られる - 140二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:42:15
ちっちゃいもの同士が抱き合っているのをおっきいものがまとめて抱き締める光景……
- 141二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:04:22
- 142二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:19:39
- 143二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:20:53
- 144◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:21:09
「……とまぁタキオンのウソはこんな感じでした」
食堂でややへたっているタキトレさんを見かけました。声をかけてみたところ、どうやら今年も無事?四月バカをくらったようです。
「毎年ものの見事に引っかかりますね」
「ウソっぽさがないんですよ。けしてこちらが騙されやすいとかでなく」
堂々とウソをつくアグネスタキオンの姿は想像できますが、それでも彼が自身の担当に弱いというのも関係がありそうです。
「そういう先生はウララから何かウソをつかれましたか?」
「ええ、彼女なりの創意工夫が施されたものでしたよ。……稚拙でしたが」
そこが可愛いんですけど、と付け加えたもののタキトレさんが少し驚いたような顔をしています。
「すいません。ウララには全肯定だとばかり」
「とんでもない。普段から軌道修正に躍起になっているんですよ? それにウソには多少厳しくもなりますよ。こんな日は年に一度しかないんですから、もう少し意外性がほしいものです」
「……へー。それじゃあ」
「スズトレさん」
後ろから声をかけてきたのはサイレンススズカを担当に持つトレーナー。少しニヤニヤしてるように見えるのは気のせいではなさそうです。
「この面子なら呼び捨てでいいですよ。それより意表を突くような先生のとっておきのウソ、披露してくれませんか?」
「あら……」
「いいですね! 聞かせてください!」
「そう、ですか……」
……この状況、かなり苦行では? ウソだと分かっているネタを面白おかしく聞かせるような話術など持ち合わせていません。内心しまったと思いましたが、この挑戦を無下に扱うのは……うん、美しくありません。
ここはひとつ、長らく温めていた『ウソ』を披露する事としましょう。
「ウソかどうかはさておいてお話ししましょう。……あまり長々と話すのは憚られますが、これはわたし個人の話です」 - 145◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:21:27
--------------------------------------------
「わたしはご存じの通り、数多くのトレーナーが影響を受けているウマ娘化という異常事態から逃れている」
「そうですね」
「(薬で変わったけど、俺も逃れていたの括りでいいのかな)」
「……という体(てい)でいます」
……二人が軽く椅子に座りなおしました。よしよし、つかみはよさそうです。
「さてスズトレ。貴方はこれから先、自身がウマ娘化に巻き込まれると思いますか?」
「思うも何もすでに巻き込まれていますが」
「それです」
「え?」
「それがわたしが逃れている理由です。……詭弁ですが」
「……ん?」
スズトレの頭の上、何やら大きなはてなマークが見えるようです。一方のタキトレは少し考え込んだのち、おそるおそる手を挙げてきました。別に挙手制ではないんですけどね。
「もう、巻き込まれているんですか?」
「……はい、正確には皆さんが【巻き込まれ切った】のに対して、わたしは【巻き込まれている最中】です」
「……は? ん? え……???」
「毒の状態異常に掛かっているうちは新たに毒にはならない、と言えばゲーム世代の皆さんにも伝わりますかね?」
「あの、いつからですか?」
「さていつ頃でしたか……とはいっても20年より前ということはないでしょう」
「ああ、じゃあ30年前からですね」
「アグネスタキオン担当?」
なかなか言うようになりましたね? まぁ自分からネタを振ったようなものですし、大目に見ましょう。 - 146◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:21:45
タキトレが眉間にしわを寄せながらも理解を示している一方、スズトレは未だに飲み込めていないようでした。
「えっと、20年……? あの、でも、普段から若いって」
「(実年齢を思えば)若いですよ? それこそ皆さんと違って若返りの真っただ中ですから、そのうち逆転するかもしれませんね」
「若返り……」
「先生もといヘリトレさんやイクトレさん……他にも事例はいくつかありますね」
「なるほ、ど……?」
「と言っても単純に昔の自分になっているわけでもありません。自分の髪に金色は混ざっていなかったので、おそらくウマ娘としてのわたしがそのような姿なのでしょう」
「あ、元からその髪ではなかったんですね」
「公式の記録等でも昔の写真は残っていますから確認できますよ。……今とは姓も名も違う別人ですけど」
「「……別人!!?」」
そんな二人して素っ頓狂な声を上げないでください。笑っちゃうじゃないですか。
「徐々に若返る人間など異質そのものですから。なので一旦職場を離れてから公文書とか名前をちょちょいと……ね? そこから再就職です」
「聞きたくなかったそんな話……!」
「そこまでしてトレセンで働きたかったんですか……?」
「トレーナーが天職でここが一番働きやすい職場だと思っていますから。今も、そしておそらく昔も。先代の理事長には特によくしてもらいました……」
「そのことを知っている人は、前理事長の他には?」
「いいえ、誰も」
……思い浮かぶのは亡き妻の姿へとその身を変えた恩師です。あの人は気付いているのでしょうか。ともすると、気付いていることに気付いていないのかもしれません。……どうなのでしょう。
スズトレもようやく納得したようで、しかしまだまだ疑問がたくさんあるようでした。
「聞いていて思ったんですが、耳も尻尾もない状態でウマ娘化した……したって言っていいのかな? なにがきっかけで変化が起きていると気づいたんですか?」 - 147◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:22:07
「……最初は妙に体調がいい日が続くなと思っていました。久しぶりに走ることができるようになって、近くどころか少し遠くの会話もよく聞こえて、ご飯も以前より多く食べられるようになりました。……決定打は健康診断の異常値で」
思い出しているかのようにすこし斜め下を見つめながら、言葉を紡ぎます。
「精密検査をするたびに検査項目は増えていって。しまいには医者から匙を投げながら言われました。『いつの間に尻尾を切って、耳を移植したんですか?』と」
「とんだ病院ジョークですね」
「……そうですね。それから異変をはっきりと自覚して以降、とにかく悩み続けました。なぜ自分が? これは他の誰にも起きてないのか? ……いつ終わるのか? どうなったら終わりなのか? ……なぜこれ以上何も起きないのか?」
「……」
「症状が爆発的に進行した数ヵ月、そこから先の長い年月のなかで目立った進行はありませんでした。見違えるほどに肌ツヤはよくなり、手足にこめられる力は大きくなりつつも、ご存じの通り見た目に変化はありません」
髪をかき上げ、露出した人の耳を引っ張ってみせます。……当然耳は取れません。
「結局原因は分からなかったんですか?」
「定期的に各種体組織を提供していますが特に。それからは若返りのスピードも緩やかに続いたまま、今に至っています。
……そんなわけでしたから、テイトレやタイトレたちがウマ娘になったときは、それはもう…………」
視線を床から外して前にいる二人の顔をまっすぐ正面にとらえます。二人とも真剣な面持ちです。自分でもその先の言葉が出てこず、無理やり話を変えます。
「……先ほど原因は分からなかったといいましたね? 分からないからわたしは今、あの大病院をねぐらとしているんですよ。彼らの執念と意地とプライドに付き合っているんです……人ともウマ娘とも知れぬもの。その貴重な検体として」
「検体って……そんな扱いでいいんですか」
「そこはそれ、力関係というのはあるもので。明日の医学に役立てるのならどうぞご自由にという話です。その代わり、わたしが死なないようケアしてくれている。一長一短はありますが、そうやって生活させてもらっています」
「じゃあ、貧血で倒れたというのも方便で……」
「あ、それは本当です」
がくっとずっこけるスズトレさん。あの、当時は本当に慣れない仕事で忙しかったんです……。 - 148◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:22:26
「先生は、何か自分以外のモノが入っている感覚はありますか?」
「それについてなんですがねタキトレ、私には知覚できないんですよ。ギムレットさんもわたしの中に何かを見出すことはなかったようですし。……長い時間かけすぎたせいで、融け切ってしまったのかもしれません」
できることなら自分の中にいる別の誰かというものを認識して、おしゃべりをしたかったのですが。
……テーブルに肘をついて軽く頬杖をつきます。少しばかりしゃべり疲れてきました。
「……わたしは亀のようなものです。歩みは遅く、どれほどの時間を費やしても目的地にたどり着けない、光に到達できない。……あぁ、改めて考えるとひどいですね。ゴールにたどり着ける分亀の方がよほど立派」
「……先生は立派ですよ」
「……ありがとう。言わせてしまったみたいで申し訳ないですね。
……ここまで長々と話してきましたが、どうということはありません。わたしが今まで行ってきたことに変わりはなく、これからやりたいことにも変わりはない。
皆さんへの態度が変わるわけでもなくですから、できることなら今まで通り接してもらえると幸いです。
……わたしはおそらく、これから先も普通のトレーナーなので」
……まぁ、仮にウマ娘になった場合、その瞬間に一気に老いが加速してぽっくり逝くかもしれませんが。
…………。
…………。
…………。
「はい。という『ウソ』でしたー」
「「ウソかーーーい!!!」」
「あ、そのシンプルなツッコミ好きですよ。ふふ、すごく好き」
一気に緊張が解けたのか、この場にいる全員が笑っています。よかった、ウケてるウケてる。
- 149◎¿ソノうそホんト22/04/03(日) 00:22:36
「そうだそういえば私、ウソの話を振ったんだった! いやでも心臓に悪いですよ!」
「ヘビーすぎますって! え、ていうか全部ウソですよね!?」
「うーん。【ほんの少しの真実が信憑性を……】というテクニックもありますからねぇ」
「なるほど大体ウソなのは分かりました! ……あれ、じゃあどれか本当なんですか!?」
「あら、そろそろウララと並んでお昼寝する時間ですね」
『ウソ』をついてその場を後にします。……ああ楽しい。なんだか少しだけスッキリした気分になりました。
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「うーん聞きごたえたっぷりのウソだったね。……スズトレさん?」
「……聞こえなかったなぁ」
「? なにが?」
「いや、今思い返してみてもどこでウソをついていたのかが聞こえなかったなって。そりゃ普通に聞き入っちゃてたし、先生は元々顔にも音にも出ないタイプだけど。……それでもなんて言えばいいのかな。ずっと変な感じだった」
「そりゃウソの話をしていたんだし……でも変っていったら、亀の話とか、たまに目が怖かったかな」
「どんな風に?」
「ほんの一瞬ね。目からどんどん光がなくなっていって、真っ黒になる前に緑色がギラっと光るような」
「ウソ、声に集中してて気付かなかった……え、もしかしてエイプリル……?」
「違う違う! ほら、自分の眼も緑だから。なんとなく」
「……翠色の目をした……」
「シェイクスピア? ……あの、さっきも言ったけど自分の眼完璧に緑だけど」
「ほな違うかー」
「ミルクボーイ?」
「あ、分かってくれる?」
「そこだけしか知らないかも」
「そっか」
そうだそうだ、スズトレさんも聞いてよ。タキオンがさ……
待って。先にスズカのかわいいウソの話言わせてよ……
……
(終) - 150二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:23:33
Q1.こんな設定あったの?
A1.プロフィール作成時に生えた。おおむねマクゴナガル先生とじじピ誕生による側雷を受けた結果。シナリオガードとはこのこと
Q2.『ウソ』ですか?
A2.ウソです(AAry
以上6レス。二日目がなければ危なかった(三日目に突入したけど)……大風呂敷大好き
タキトレさんとスズトレさんお借りしました。エミュ不安は毎度のこと
年は違えどこの二人は割と気さくにやり取りしてそうです - 151二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:35:49
人間とは……ウマ娘とは……
今一度鬼滅のしのぶさんボイスを念頭に読んでみるとウラトレ先生すごく儚い…… - 152二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 00:36:38
いい…したたかウラトレ先生いい
ウララへの親バカ的なのが漏れかける先生いいよね - 153二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 01:07:01
したたかさと儚さが同居しててウラトレさんらしいと感じさせられたエイプリルフールSSでいい…
嘘とは言ってたけどスズトレさんは嘘かどうかわからなかったし、タキトレも何かを感じ取ってる。けれども本当のところがどうなのかは明言されない。そういった所も含めて読みごたえが凄くて読むのに没頭しちゃいました
タキトレを使用してくださりありがとうございます!
タキオンに騙されてて、保健室で働いている時や目上の人と接する時とは違ってウラトレ先生相手には気軽な部分を見せるのは彼の素の部分をそのまま感じられて、見ていて微笑ましかったです
それともしウラトレさんの言ってた『嘘』が本当に本当だとしても、タキトレはウラトレさんを尊敬し続けるんだろうなぁとなんとなく思ったり。なんとなくですが、タキトレはそういったことをそこまで重視する人ではないのかもしれません
タキトレとスズトレさんとウラトレさんは担当の可愛いところで話し合っててほしいですね
繰り返しになりますがタキトレを登場させてくださり誠にありがとうございました! - 154二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:18:27
おはメカ
- 155二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:29:01
エイプリルフール──三日目
- 156二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:29:54
- 157二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:31:28
- 158二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:36:58
黒閃(例の薬の発光)
- 159二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:47:41
おはよう
頬杖ついた気怠げなウラトレ先生が幻視えた - 160二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:47:54
ケツ上の胸を削る領域は見事だったね…
- 161二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 07:53:30
ということはケツ上がタキトレの中に居ることに?
Dカップ(成長中)が宿主とかケツ上大歓喜なのでは? - 162二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:03:20
- 163二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:07:23
- 164二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:33:14
おはよう
- 165二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:36:32
メカ!日曜メカ!!
……おい…なんで、昼から仕事があるメカ…?
嘘メカああああああああ!!!!!
もぅまぢ無理…ぉしごとぃゃだょぉ…めかぁ… - 166二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:49:17
社畜と化したメカ邪竜
実は今日で出現から半年になる - 167二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:51:16
- 168二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 08:54:39
ハヤトレが産まれセイブルが開発されメカ邪竜が降臨した激動の1日だったな…
- 169二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 09:30:22
邪龍が生まれて約半年…
メカ邪龍は───社畜と化した - 170二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 09:32:29
破壊されたり食べられたり紆余曲折あって社畜化するのか
- 171二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 09:55:51
- 172二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 10:04:34
おはようございます。
寝る前にとある曲を聞いたからか凍った世界で2人きりのトレーナーとウマ娘の夢を見ました - 173二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 10:06:36
おはようございまーす
エイプリルネタ、暫くは出せそうな空気…
多分ボーボボのせいだろうな… - 174二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 10:08:32
大丈夫大丈夫
なんせ、そのボーボボとサイゲのお陰でエイプリルフールは365日続いて更に続くのが判明したんだからさ! - 175二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 10:58:05
- 176二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 11:11:18
メカちゃん…過労死か…
- 177二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 11:18:10
- 178二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 11:22:43
いったい何と戦っているんだ…
- 179二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 11:22:50
ミクさんのネギかもしれん
あれの由来はBLEACHなので退魔効果があるはず - 180二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 11:27:42
かっこいいぜギーさん
- 181二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 12:56:36
お昼時の次スレ建て
- 182二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 12:58:13
- 183二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 12:59:54
立て乙
- 184二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:00:25
立て乙です
- 185二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:00:28
俺馬鹿だから言っちまうけどよぉ…タイシンってさ…タイシンって…
- 186二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:01:42
たておつ
- 187二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:05:01
- 188二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:07:08
最高
- 189二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:10:17
タイシンは顔立ちが可愛らしいというのもあるけど、バレンタインにチョコを隠し味にしたドライカレーを作っていたりと行動もまたかわいいのよね
- 190二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:11:51
立て乙
- 191二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:15:52
立て乙
- 192二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:18:35
建て乙、謎企画とか謎面対談とかもっと増えて♡
- 193二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:20:08
立て乙
わぁ義骨だぁ! - 194二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:22:54
謎面対談とかは意外な関係性から繋がることもあって読んでて楽しい
- 195二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:23:51
うめ
- 196二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:26:17
うめ
- 197二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:26:29
- 198二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:26:49
おーつー
- 199二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:29:20
次スレでSS投げさせてもらいます
- 200二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 13:30:45
ドウゾッ!