- 1二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:55:08タイシンの♀トレは身長低いって概念出したそこのアナタ|あにまん掲示板末代まで誇れbbs.animanch.comテイトレTSウマ娘化概念に脳を侵されたもの|あにまん掲示板幻覚は文章にならば文章は絵にするものhttps://bbs.animanch.com/board/58697/bbs.animanch.com
普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえばタイシンより低身長♀トレーナーができるんじゃねぇか?
前スレ
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part72【TSトレ】|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/https://bbs.animanch.com/board/60076/普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえ…bbs.animanch.compart1
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/https://bbs.animanch.com/board/60076/普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえ…bbs.animanch.com解説/全partリンク
言うっちまうTSウマ娘化タイトレ解説スレ|あにまん掲示板このスレは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…(TSトレ)」スレを解説するスレです。まず初めに、このスレの土台になっている二つの概念「タイシンより小さいタイシントレーナー♀」「三女神によってウマ娘化…bbs.animanch.comWiki
言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ @ ウィキ【9/26更新】言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ@ウィキへようこそ 詳しくはこちら→言うっちまうTSウマ娘化タイトレ解説スレ(外部リンク) まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧...w.atwiki.jp本筋のタイトレ情報まとめ
・(正直自分だけのタイトレを作ってもいい)
・140-90-55-80(魔法の合言葉)
・25歳
・髪色は茶色でパーマーみたいな流星
・目の色はエメラルドグリーン
・全身からおひさまのにおい
・髪と尻尾はタイシンと同じシャンプーやソープの匂いがする
・耳と尻尾と胸が敏感
・最初はロブロイの服とか下着とかを借りていた。のちの着せかえ人形である。あとBIG90Tシャツ
・耳飾りはタイシンとお揃い
・最近にんじんがおいしい
・タイトレとタイシンは因子継承する。タイトレは産む。(諸説あり)
- 2二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:55:56
タテオツタイシン
- 3二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:56:12
たておつー
- 4二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:00
立て乙や
- 5二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:10
たておつ
カフェのBに並びましたね
?どうしたのカフェそんな顔しt - 6二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:16
🕳待ってるで
- 7二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:38
このペースだと今週中にタイトレも超えるじゃねーか!
- 8二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:48
- 9二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:58:58
199に邪悪なものが見える
- 10二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:59:08
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:59:19
ええで
- 12いや、うん、すまない筆が勝手に21/09/28(火) 21:59:24
と、いうわけでついでに妄想でフラトレも掘り下げてみたけど
……やっぱり怖いんですけどこの人
この設定嫌な人はスルーしてくださいね - 13二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:59:39
くれ!(直球)
- 14二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:02
では有難く上げさせていただきます
字数は1302文字
駄文ですがよろしくお願いします - 15二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:11
たておつー
- 16二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:24
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:28
タマトレを考えるためにタマを考えたいんですよ
タマは基本的にツッコミとか未実装とか色々と言われているんですけど、性格の根幹には貧乏があるんだと思うんですよね
ヒミツの「もやしとはんぺんメインの得意料理がたくさんある」というのと一コマの「粉物料理が得意」という部分から考えてみるのが一番の近道だと思うんです。タマの実家って凄い貧乏なわけじゃないですか。そこから考えるにもやしとはんぺんメインの料理というのはかさ増しした料理だと考えられるんですよ。そういった料理が得意になるほど作っているんです。食べさせる味に飽きが来させないように一杯レパートリーを作って。
粉物料理もそうです。彼女が一コマで目を輝かせながら焼いていたたこ焼きも昔実家に居た頃はタコなんて入ってない具なしで、お好み焼きには肉がのっていなかったのかもしれません。
そういった実家から、トレセン学園に来た彼女の原動力となるのは「貧乏で辛い筈なのに、自分をトレセン学園に行かせてくれた親への恩返し」となると考えられるんです。律儀でしっかりとしている彼女は親のために強くなろうとするんだと思います。
だからトレセン学園に入った直後は堪らなく辛いと考えられるんですよ。来ない本格化の時期、心ない同級生から向けられる誹謗中傷の声、そして何よりもかさ増ししなくても良い美味い飯をのうのうと食っている自分を全てにイラつき傷ついていたんだと思うんです。きっと無理をして走って強くなろうとしていたと思うんですよ
- 18二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:40
そりゃもうマックイーンのとこでしょ
- 19二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:00:48
だから、彼女のトレーナーになる人は「彼女と一緒に苦を共にできる人」だと思うんですよね。
貧乏で可哀そうな子、とか貧乏なくせに生意気なチビ、とかじゃなくて「強くなろうと足掻いているタマモクロス」を等身大の人間としてみてくれるそんなトレーナーだと思うんですよ。ある種ゴールドシチ―の求めているトレーナー像が近いのかもしれません。彼女の得意料理を満面の笑みで美味いと言ってくれる人、中々に来ない本格化の時期を一緒に待ってくれる人、タマモクロスに降りかかる中傷に心の底から激怒できる人が彼女にとっての理想のトレーナーだと思うんです。
そしてボケかツッコミかと言われれば、トレーナーはきっとボケなんですよ。ツッコミは1人だと漫才ができないのと同じで、タマモクロスはトレーナーという相方を得て初めて真の意味で強くなれるんだと思うんですよね。個人的には天然ボケはオグリが居るので、笑いのセンスがズレているけど真摯な人が良いと思いますがそこら辺は個人の好みということで
だからきっと、トレーナーがウマ娘になった後もタマは男の時と変わらない付き合いをしようとする筈です。だって彼女のトレーナーは「タマモクロス」を見てくれたのですから。ですから男でも女でも、ウマ娘でもなく「タマモクロスのトレーナー」として接してくるのだと思います。ウマ娘になったトレーナーがウマソウルの浸食や女となったことに引き摺られて絶望しているのなら、それを大喝して立ち直らせる。小難しい道理など脇に蹴とばして、チビだとか貧乏だとかで苦しんでいた自分を助けてくれたようにトレーナーを助けようとするんだと思うんですね
- 20二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:01:49
- 21二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:02:22
解釈一致
- 22二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:02:57
なるほどなぁ
- 23二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:03:00
良き解釈
- 24二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:03:15
- 25二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:03:18
アリアリの鎌足
- 26二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:03:43
これは本物のタマモクロストレーナー
- 27二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:04:25
- 28二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:04:50
何か問題でも?
- 29二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:05:17
- 30二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:05:51
すばらしいな…よい解釈だ
- 31二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:06:07
これまでで2回やったね
- 32二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:06:36
ここは二週目の世界だった?
- 33二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:07:02
タイシンの性癖の壊れっぷりを見るに100周くらいしてそう
- 34二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:07:29
ある意味加速と減速繰り返してはいる
- 35二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:07:46
- 36二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:08:50
じゃあ二週目の世界を逸脱するためにオグスペトレーナーズ行くぜー
- 37@wiki頭スズトレ21/09/28(火) 22:09:06
とりあえず色つき画像のあるレスへのリンクも貼って最低限の仕事はしたので寝ます。俺は夜更かしが苦手なんじゃ…
頑張ったご褒美としてスズトレ創作増えてますように…ブレスレットかサイレンスアサヒの勝負服来ますように… - 38二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:09:18
そこまで考察ができるってことは既に良質なssが出来てるのではないかね?
- 39二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:09:24
タイシン性癖どうこう関係なくめちゃくちゃかわいいよね
- 40二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:10:32
『誰がために鍋は或る』
「おや、スペシャルウィークさんのトレーナーさんか。どうかしたのか?」
「ああ、ちょっとオグリのトレーナーさんに用事があってな」
3月の中旬、寒さが薄れてきたがまだまだ冷え込むときもある夕暮れ時。
オグリがトレーニング終了時のクールダウンを行っている際、スペトレがやってきた。
スぺのトレーナーはいつの間にかスぺと似たような見た目になっている。
「トレーナーなら今トレーナー室の22号室のほうに行ってるいるぞ。料理の話か?」
「さすがオグリ、鼻が利くな…これは内緒の話なんだがな?」
「おお、内緒の話。内緒にするから聞かせてくれ」
「まだ気は早いんだがスペの誕生日なんだけどな、何をすれば喜んでもらえるか考えてたが、俺が料理をふるまってみようと思ってな?それでオグリのトレーナーさんに聞いてみようと思ったんだ」
「なるほど…うん、それは内緒にしないといけないな。私は内緒にしておくぞ」
「ありがとうオグリ、じゃあまた!」
そういうとスペトレは走って去っていった。
「そうか…誕生日の料理。私もそろそろ誕生日だし何か食べたいものを考えておかないとな」
オグリはそうつぶやくと、ちょっとだけ笑みがこぼれた。
「失礼しまーす、オグトレさーん?あれ?」
22号室に入ると、誰もいなかった。一応明かりはついていたので誰かいたはずなのだが、離席しているのだろうか?
そう思いながらスペトレはふと机の上のものを見た。
トレーニング帳の隣に、ちょっとした料理本が置いてある。
「…これオグトレさんのかな。ちょっと読んでみよう…」
ぺらりぺらりとページをめくる。家庭料理の本のようだ。
いろんな種類の料理が乗っているが、ふと目に留まったのはハンバーグ。
「ハンバーグかぁ…」
そう呟きながらページをまじまじと読んでいると…
「わああああああー!」
「びゃあああああああー!?」
「あっはっはっはっは!そこまでビビらなくてもいいじゃありませんか!あっはっは!」
後ろから突然オグトレが叫んできた。 - 41二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:11:02
- 42二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:11:04
「ひぃいひぃい…い、いきなり叫ぶのは反則でしょうよ!」
耳がキーンとなってしまったスペトレが若干涙目になりながら振り返る。
「いやあすみませんね、いつの間にか誰かいるな?って思ったらスペトレさんで、料理本をやたらと集中して読んでいたのだから…つい魔が差して!」
くくくっといたずらっ子のような笑い方をするオグトレ。芦毛の髪が美しく揺らめいている。
「ま、まあ勝手に人の本を読み漁る俺も悪いですけどね…」
「何か用事があってきたのでしょう?コーヒーを出しますよ」
というと、ささっと冷蔵庫からコーヒーを取り出してきた。
「ありがとうございます。用事というのはですね、もう少ししたらスペの誕生日なんですが、そのときに料理でもふるまおうと思いましてね…」
「ほう、それは素晴らしいですね。私の友人のブラトレさんもよく料理を担当のブライアンさんにふるまっているそうですよ」
「へぇ…意外ですね。それで、どんな料理が喜ばれるかな…と料理の得意なオグトレさんに聞きに来た次第です」
「フーム、そうですねえ。料理はそれなりにできますか?」
「ま、まあ人並みには?一応一人暮らしで作れるくらいにはなっています」
「で、あれば…好きなように作るのがよいと思います」
と、ニコリと突き放されてしまった。
「え?いや、どんな料理が良い…ってそういうわけではなく?」
「まあこれは私の持論ですがね。例えばだれか料理を食べてもらいたい人がいるとしましょう。その人に対してどんな料理が良いか?ということを考えるのも確かに大事です。ですが、思いのこもった料理を作ってもらえるだけでも、案外嬉しいものだと思いますよ?」
「そういうものなんですかね…?」
「まあ、当然味の好みに合致してるという前提があってこそですがね!それを考えるとブライアンさんが苦手な野菜をあれこれ試して食べられるようにしているブラトレさんは相当な努力家ですよ」
「なるほど…」
そう考えると、スペトレの脳裏に浮かぶのはスぺの喜ぶ顔。
どんな料理を作るかと考えれば、先ほどちらりと見たハンバーグ。
「…ありがとうございます。アドバイス、ためになりました」
「いえいえ、私こそ原点に立ち返られる良い機会となりました。料理、頑張ってくださいね」
「いろいろと練習頑張ってみます!ではまた!」
そう言うとスペトレはぺこりと頭を下げて部屋を出て行った。
- 43二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:11:13
入れ違いざまに、オグリがトレーナー室へと入ってきた。
「ああ、トレーナー。スペトレにアドバイスはやったのか?」
「オグリ、お疲れさま。そうですね、私も良い学びを得られたと思います」
「そうか。…トレーナー…」
「どうしました?」
「その…誕生日には…ケーキを作ってくれないか?」
オグリはちょっと照れ臭そうに言った。
「ええ、もちろんです。オグリが食べたいものを食べていいんですよ」
「本当か!ありがとうトレーナー、大好きだ!」
「私もオグリが大好きですよ。さて、帰りましょうか」
「ああ、今日の夜ご飯も楽しみだ…」
トレーナー室の照明が落とされる。
夕焼けのトレセンを二人で歩く。日が沈んでも、オグリとオグトレの会話は止まらなかった。
- 44二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:11:44
- 45二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:16:19
- 46二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:18:01
- 47二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:18:20
オグトレの満漢全席とかめっちゃ旨そう。
- 48二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:18:51
ウワーッ!!絶対強い!!
- 49二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:19:28
- 50二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:22:16
じじピこれは強い(確信)
- 51カフェ(タバコ)の人21/09/28(火) 22:25:10
- 52二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:26:08
この流れの中でいいのか分からないんですけど、ドトトレの話上げても大丈夫ですか…?
- 53二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:26:38
イイヨー
- 54二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:26:55
- 55二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:26:56
- 56二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:27:57
- 57二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:28:49
俺はお節介焼きのフクトレワゴン!
- 58二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:30:36
- 59二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:31:44
このレスは削除されています
- 60SSをまとめる猗窩座21/09/28(火) 22:31:48
- 61二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:32:01
介護…と言うと健康に気を使ってくれるトレーナー達でいいのかな?
タイトレは背中叩いて飯食った!!?って聞いてくれるし喫煙所時空ならフク、テイ、フラは吸った後になんか食べにいこうって連れて行きそう
運動ならブラトレとスズトレが強い。絶対ジョギングとかさせてくれる。途中で熱が入ってカフェトレはヒーヒー言ってそう
- 62二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:32:18
- 63二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:32:22
お疲れ様です…!!
- 64二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:32:28
- 65二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:32:45
フクトレマクトレ投げます
フクトレ解釈違いあったらごめんなさい - 66二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:33:01
お疲れ様です
- 67二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:33:06
- 68二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:33:09
相変わらずこの集合絵は素晴らしいや…
次レスからドトトレ上げ始めます。有馬記念編が3レスくらい、エピローグが2レスくらいであわせて5レス分だと思います。注意書きだけ先に載せます。
※設定はウマ娘育成シナリオをもとにしたもので史実とは無関係です。またドトウ育成シナリオのネタバレを若干含みます。
一応前の話(言うっちまうpart45の75から89レスくらいまでのやつ)の続きになっています。
前に続き有馬記念の漢字に「馬」を使ってしまっていますがご了承ください。
- 69二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:33:09
- 70二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:33:16
ドドくるらしいので待ちます
- 71二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:34:21
自分で書いた過去のSSのリンクを保存し忘れて見つからない
- 72二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:34:45
『なるんだ、なるんだ!なるんだなるんだ、なるんだぁ!』
『この有馬記念で、1番キラキラなウマ娘に。
私なんかって落ち込まない、強いウマ娘に!』
俺とドトウが目指してきた有馬記念。今その場所に俺たちは立っている。
ジャパンカップから、ドトウはまたすさまじい努力と成長をしてみせた。
それは確かに、オペラオーを、そして過去の自分を超えようとする意思の表れだった。
ドトウの頑張りに比べ、俺はウマ娘になって約二か月が経つというのに、今でもこの姿には慣れない。
ドトウの前では耳や尻尾を隠さないようにはしているが、それでもまだ恥ずかしさが少し残る。
生活も以前とは全く変わって、ドトウや先輩トレーナーたちには何度も迷惑をかけた。
俺は本当にドトウのトレーナーにふさわしいのだろうか。そんなことを考えそうになっていると、
「トレーナーさんっ!」
隣のドトウの声でふと我に返る。
一見普通に見えたドトウだが、緊張と不安からか彼女もまた少し震えている。
そうだ。今一番不安なのはドトウのはずなのに。
俺はその不安を取り除いて信じて背中を押してあげる立場にいるのに。
自分のことを考えている時間なんてありはしないのだ。そんなことすら見失いそうになるなんて。
「私…勝てるんでしょうか?」
ドトウはこっちを見つめながらゆっくりと口をひらく。
「私だって、ボロボロになるまで走る気です!でも今日は…今までとは違います…。オペラオーさんも、スペシャルウィークさんも、グラスワンダーさんも。みんな自分にしかない強さを持っていて。じゃあ私にしかないものってなんだろう…って」
ドトウの問いに対して答えるべき言葉はすぐにわかった。
ウマ娘になる前の俺ならきっと迷いなく言えた言葉。
今の俺にこれを口にする資格があるのかはわからない。でも言わなくては。 - 73二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:36:39
「…そのままでいいんだよ、ドトウ。不安があって、自信なんか持てなくたって。だってそれがドトウの強さだから。いつだって、その不安を取り除くために頑張ってきたんだ。自信が無いから、足りないって思うから、諦めずに努力し続けてきたんだ。確かに他のウマ娘たちはドトウが持っていない強さをたくさん持っているかもしれない。でもドトウが今まで積み重ねてきたものもまた、他のウマ娘では絶対に手にできない『強さ』だ。そしてその『強さ』は、絶対に、他の誰にも負けない。…だから大丈夫。今のドトウなら、絶対に勝てる」
これは嘘偽りない心からの言葉。そして、俺自身が何よりも求めている言葉。
答えはすぐ側にあるのだ。わかっていても、俺は一歩が踏み出せずにいる。
ドトウは俺の言葉を静かに聞いていた。そして力強く決意するように答えた。
「…はい!トレーナーさん、私にもありました!私にしかない宝物!」
その様子を見て俺は安心する。もうドトウは大丈夫だ。あとはただ信じ続けるだけ。
いっておいで、そう言おうとしたその時、ドトウの意外な言葉は続いた。
- 74二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:37:41
「すみません、最後に、少しだけトレーナーさんにお願いがあるんですけど…いいですか?」
「…?俺にできることなら何でもするよ」
ドトウがこんなことを言うのは珍しい。でも願いというのなら応えてから送り出すべきだ。
俺はドトウの言葉を待つ。
「あの…顔を近づけてもらえますか…?」
…?
「…こう?」
「えっとぉ、もう少しだけ近く…。そんな感じですぅ…。えっと…失礼しますぅぅぅ!」
そうドトウは叫ぶや否や、俺がウマ娘になってから生えた耳を思いっきり触ってきた。
今まで誰にも触られたことのなかったウマ娘の体。突然のことに顔は瞬時に真っ赤に染まり、
自分でも驚くくらい変な声が漏れる。
「ひゃっ…!?ド、ドトウ…?急にどうしたの…?」
消え入りそうな声でそう言う。恥ずかしさのあまり口調までなんだか怪しくなり始めた。
ドトウは微笑みながら小さく答える。
「トレーナーさんの耳、前から気になっていたんです。意外と大きくて、いつか触ってみたいなぁって」
また顔が熱くなる。
「笑ってください、トレーナーさん。笑って、私を応援してください!」
「キラキラな光を、持ち帰ってきますから!」
あぁ、反則だ。その言葉は今の俺にはあまりにもまぶしすぎる。
涙でぐちゃぐちゃになりながら、俺は必死に笑顔を作る。
「行っておいで、ドトウ!」
- 75二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:38:10
- 76二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:38:48
エピローグ
「あのっ!トレーナーさんも、走ってみませんか…?」
ある日トレーニングを終えた後、ドトウは俺にそう言った。
「俺が、走る…?」
「は、はいぃ。今なら周りにほとんど誰も残ってないですしぃ…
私もっ!一緒にいますから!」
走る。それはウマ娘にとって切り離せないもの。
実際に走ってみたいと、思ったことが無いといえば嘘になる。
でもそれは、ウマ娘になったということを受け入れてしまうことになるのではないか。
変わった自分を認めてしまうのではないか。そんなつまらないことが怖くて、意図して避けていた。
拒否して逃げるのは簡単だった。ドトウなら無理強いはしないだろう。でも…
少しの間を空け、俺は答える。
「わかった。少し準備をするから待ってて」
ドトウの顔が明るくなる。
「は、はいぃ!」
もう逃げるのはやめにする。前を向いてドトウの信頼に応えられるように努力する。
自分に自信を持てるように、そう二人で誓ったのだから。
- 77二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:40:03
トレーニング用のジャージに着替え、俺はコースに立つ。
初めてみる景色は、まるで違う世界に来たようだった。
ドトウたちウマ娘はいつもこんな景色を見ているのだろうか。
晒された耳と尻尾が自分の制御を超えて忙しなく動く。
この二つの部位は特に感情と連動しやすいらしく、やっぱり恥ずかしい。
隣に立ったドトウがこちらを見る。
「初めてなので、焦らず、ゆっくりスタートしましょう」
「うん、分かった」
俺はうなずく。ドトウのスタートの声と共に、俺はこの脚で力強く、大地を蹴った。
体が前に跳ぶ。冬の冷たい空気の中を全身が駆け抜ける。
人間の時に走った感覚とは何かが違う感覚。悪くない、むしろ気持ちいい。そう思ったのも束の間、
「あっ」
俺の体はバランスを崩し、盛大に芝の上に転んだ。200mも走っていないうちの出来事だった。
- 78二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:40:42
ドトウが俺の様子に気づき慌てて近づいてくる。
「トレーナーさん!?だ、大丈夫ですかぁぁ!ってきゃぁ!」
ドトウも何かに躓いて体勢を崩し、俺の真横に倒れこんできた。
夕日の中、ターフの上に転がる二人のウマ娘。わずかに無言の時間が流れる。
「…ははっ」
「ふふっ」
笑い声が空に響く。恥ずかしくて、楽しくて、嬉しくて、愛おしくて。そんな奇妙な感情に胸がいっぱいになる。
「俺たちってもしかして」
「似ているのかも…しれませんね」
俺たちはすぐに起き上がろうとはせず、仰向けのまま、お互いの顔を見つめあう。
「私、今の自分がちょっとだけ好きです。トレーナーさんが私のいいところを見つけてくれて、ずっと支えてくれて、ここまで応援してくれたから…。
だから、次は私が応援する番です!私がトレーナーさんのいいところを見つけて、トレーナーさんが自分を好きになれるように」
「…ありがとう、ドトウ」
触れ合う手は、温かく心地良い。
「それに…」
「?」
「トレーナーさんはよく恥ずかしがってますけど…、私は今のウマ娘のトレーナーさんも、
い、いいと思いますよっ!可愛くて!」
「…ドトウの方が、か、可愛い、から」
お互い恥ずかしさに顔を背ける。でも…
ドトウにそう言われる分には悪くないのかも…そう思ってしまう自分もどこかにいたのだった。
終
- 79二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:41:26
- 80はちみーリクが膨らみすぎた21/09/28(火) 22:42:23
祝!トレーナーが車いすを卒業しましたー!と、いうことで杖フォームにチェンジしたトレーナーのお祝い代わりに!
一緒にデートにやって来たぞー!!車椅子だと来るのを躊躇うスカイツリーだ!
「楽しそうだな、テイオー」
そういってトレーナーは穏やかに笑う。
「だってそうでしょ、楽しいに決まってるじゃん!」
キミが快復して、一緒にこんな素敵なところ来れたんだから
横一面ガラス張りで。本来は平日の真昼間だから(ボクたちは振替休日というやつです)この絶景ほとんど独り占め!
これでテンション上がらなかったら、無礼討ちされちゃうよボク。
「よ、っと。……でも、せっかくの日なのに歩くの遅くてゴメンな」
なのにキミはまた謝る。俯いてて申し訳なさそう。必要以上に責任感じるのはキミの悪い癖だよ。もう何回目かわかんないや
「気にしないでよーこうやって一緒に歩調合せるのだって楽しくて仕方ないんだから!」
それにもし元通りになってもキミにスピードで負けるつもりはないよボク。キミのためにも
「そっか」
そういうと、キミはやっと笑顔になる。そうそう、その顔が見たかったの!
「あ」
そうそう、思い出した。怪訝な顔をするキミを横目にボクはゴソゴソ懐を漁る。……ウン、あるね - 81はちみーリクが膨らみすぎた21/09/28(火) 22:42:30
「よし!!」
ようやくいいの見つけて用意したんだ。あの日のオモチャじゃなくて、ちゃんとした、ダイヤの奴ね!アレマヤノからの貰い物でもあったし、ちゃんとしたもの用意したくて。
「じゃん!」
そういって懐から箱を出して、中身を見せる。
でも、アレ?なんだかキミは嬉しくなさそう
「……、いや、コレ、代用品だったんだろ?」
そういって君は薬指を見せる。そこにはあの日のオモチャの指輪が、安っぽくもしっかり輝いてた
「コレ、結構気に入っちゃってさ。見るたび、あの日のこと思い出せるから……幸せだなあ、って思えて」
なんて、そう、キミはふにゃりと笑う。
ああもう、ずるいよそれは。そんなこと言われたらソレ貰い物だから、とか言えなくなっちゃうじゃんか
「じゃあさ、ソレもつけてよ、一緒に」
そう言って、ボクは本命の方を同じ指に通す。二つの指輪が、キミの薬指に並んだ
あまりにもそれは幸せな光景すぎて、ボクらはお互いの顔を見合わせると笑ってしまった
「一緒に、幸せになろうよ」「……ああ」
そうしてスカイツリーの真ん中あたりで、ボクらは唇を重ねる
今日というこの日を、多分忘れはしないだろう
……なんだけど、アレ?見間違いかな?キミ青筋たってない?
「お前……勝手にはちみー飲んだな?ハチミツの味するぞ」
あ、ヤバい。待ち合わせの時こっそり飲んでたんだったアレ!!
「帰ったら、トレーニングだからな。テイオー」
「ソンナー!!!!」
と、なんとも締まらないデートになってしまいましたとさ、トホホ - 82はちみーリクが膨らみすぎた21/09/28(火) 22:43:30
連鎖爆撃申し訳ない
「キスしたらはちみー飲んでたのバレて怒られる」
というリクエストが、いつの間にかこんなことになりました
すげえ筆進んだ - 83二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:43:40
あー良いなあ…どっちもとても良い空気感だ
- 84二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:43:42
誤字脱字等あったらすいません。行数制限にひっかかって若干もたつきとレス数が伸びました。
相変わらず自己満ですが二人の書きたい関係が書ききれたので満足です。
でもドトウの口調が難しすぎるんじゃ…
拙文失礼しました…
- 85二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:44:28
- 86二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:44:46
そういやヘリトレってお爺ちゃんとその教え子の2人いなかったっけ?
- 87二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:45:43
オペトレがSS内に出てきてて、別解釈ヘリトレが教え子なら何の問題もないぜー!っていう話が出て混ぜ込まれた感じ
- 88SSをまとめる猗窩座21/09/28(火) 22:45:49
明日使ってみます
- 89二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:46:06
ドト感想の方〜
グルトレの方〜
どうぞ〜 - 90二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:47:16
- 91二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:47:24
染められる?グルトレ
『俺』はもう『私』になっていた。グルーヴが用意してくれた下着、服、シャンプー、トリートメント、ボディーソープはとても落ち着くようないい香りがして好きだ。男物が溢れかえっていたはずの部屋も少しずつ女物が増えてきた。クローゼット等にあった男物の服は一部除き衣装ケースにしまい、奥に追いやられていた。今日は定期的にしている掃除の日。彼女が私の家に来て、この片付いていない部屋を掃除しに来る。
―――ピンポン
インターホンが鳴り響く、彼女が来たようだ。自然と笑みが溢れる。最近は特に彼女と居ると楽しい。毎朝してくれる編み込みも、トレーニングの時間も、他愛のない話も、一緒にする食事も。時々抱き締められる事もあるが、彼女に抱き締められているとあたたかくて優しいから好きだ。ドアを開けて彼女を迎え入れる。
「相変わらず…貴様はしっかりしてるのかずぼらなのかわからん…」
とっ散らかる部屋を見ながら彼女はぼやいた。トレーニングのメニューはじめ私に関することは完璧にこなせるのに、なぜ自分の事はできなくなるんだというのが、私に対する彼女の評価だ。自分よりもグルーヴが大事だから、グルーヴの事ばかり考えてしまう。仕方ない事だと思う。それに―――
「今日もよろしくお願いします」
「たわけ、少しは片付ける努力をしろ」
私の額を小突いて彼女は掃除を始めた。彼女は手慣れた手つきで、ゴミを分別し、散乱としていた本は綺麗に本棚に収まる。掃除機をかけ、洗濯を終え乾燥し取り込んで放置されている服は綺麗に畳まれ、箪笥へと仕舞われた。部屋はみるみるうちに彼女が来る前とは別部屋のようになっていた。 - 92二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:47:51
「ありがとう、グルーヴ」
「全く……」
掃除を終えた彼女はやりきった、どこかスッキリとした顔でソファーにかけ、リラックスする。彼女にお茶とお菓子を出して、彼女の隣りに座る。
「また散らかす気か?」
「そうじゃない、気持ち。そう気持ち!」
感謝の気持ちと彼女にまだ帰って欲しくない気持ち。彼女と居られる時間が好きだ。以前よりもずっと好きなのは何故だろうか。『俺』だった頃には無かったものだ。『私』にしか無いものなのだろう。この答えはいつか見つけられたら良い。
「なんだ…?」
「あーん?」
無意識に私はポッキーを手に隣りに座る彼女の口元へと運んでいた。彼女は少し頬を赤らめ、これだけだからなと私の手にしたポッキーを口にした。彼女の年相応らしい表情や仕草を見ると胸がきゅーっとなる。もっと見たいなと思ったが、これだけと言ったのにやろうとしたら彼女の機嫌を損ねてしまうと手が止まった。すると、彼女がポッキーを手にし、先程私がしたように口元へと運んでいた。先程よりも更に少しだけ頬を赤らめた彼女。
「……私もやったんだ、貴様もやれ」
胸がまたきゅーっとなった。自然と頬が緩みあたたかい気持ちでいっぱいになる。だらしのない顔をするな、ささっと食べろと彼女が急かすので口にした。甘くて美味しい。このお菓子、こんなに美味しかったかなとそう思った。
私が自分よりもグルーヴを優先させて、グルーヴの事ばかり考えてしまうのは私が彼女のトレーナーだから、仕方のない事だと思う。それに、私がちゃらんぽらんにしてると彼女が私の事を見てくれて一緒にいてくれるから彼女との時間が増えて嬉しいんだと思う。
- 93二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:49:51
- 94二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:51:38
あー良い…良いです…
ところで生産者的にゴルシトレに振り回されまくったこれは解釈的には大丈夫ですか…?
- 95二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:51:41
甘ーい!!!
- 96二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:52:32
- 97二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:52:51
- 98二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:53:38
それもまた良きです…ありがとうございます
- 99二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:53:55
グルトレSSは花の匂いみたいなのがする
濃厚 - 100二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:54:05
ああー、甘くて好き……
- 101二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:54:44
こいつらうまぴょい…うまぴょいはしてないけどいちゃいちゃしたんだ!もっとやれ!
- 102二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:54:55
日常生活ではエアグルーヴの尻に敷かれてるたわけが恋愛方面になるとつよつよになるのは私の性癖に合っていますよ!
- 103二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:55:18
さて......後いくつか感想が飛んで行ったら投下してもよろしいか
- 104二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:55:39
今日SS詰まってるのう…
- 105二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:56:09
一気に幸せな雰囲気のSSが3つ続いたからもう無敵だわ
- 106二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:56:14
- 107二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:57:02
- 108二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:57:41
縁での話、内側の話。
ウマ娘化したトレーナーたちへの励ましとして企画された一泊二日の温泉旅行。皆で温泉に入り、そして宴会でどんちゃん騒ぎした後のこと。
「フクトレ」
「ん」
縁側に座り一服していたフクトレのところに来客があった。ビニール袋に缶を入れたマクトレである。
「お隣、よろしいでしょうか」
「ああ」
マクトレは人二人分ほどの距離を置いて座り、最近トレードマークとなりつつあるストロングゼロを取り出した。
「相変わらず好きだな」
「こうなる前から夜はこれだと決まってますの」
しかしその飲み方は宴会で見せたガーっとやってゴクリではなく、まるでお猪口の日本酒でも飲むかのようなスピードだった。
しばらく沈黙が続く。夜の気持ちのいい風と、揺れる木の葉の音だけがそこにある。
「…東京にいるとなかなかないよなこういう音」
「そうですね。車の音も聞こえない。夜の散歩もこれくらい静かだといいのですが」
二人はしばらく自然の夜の音を満喫した。
そしてフクトレが一本吸い終わり、マクトレが一本呑み干した頃。
「……フクトレはわたくしのこと、どう思っていますか?」
「ん?」
マクトレの突然の質問にフクトレは疑問符を浮かべる。
「んー……酒飲みで担当に本気なやつ」
「酒飲みが最初…いえ、そうではなく」
マクトレは、少し俯いて続けた。
「俺が因子に呑まれてるのを、お前がどう思ってるかって話だ」 - 109二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:58:00
「…へえ」
マクトレは、確実にメジロマックイーンへとなりつつある。少なくとも周りにはそう見えていた。もちろん根本にある強固な意思と経験は全く変わらない。噂に聞く覚悟は何も変わっていない。だが、表層はもはや担当のそれであった。
一方、フクトレはそうなることを意図的に避けていた。フクキタルの姉の因子、それを表に出すことのないように、慎重に過ごしていた。走るのも、誰かを呼ぶのも、確固たる自分がしていることだと認識しながらの行動としていた。
「言葉、トレーニングの話じゃなくても戻せるんだな」
「ああ。これは根底の俺が話すべきことだ。全力で気を引き締めれば、これくらい」
「そうか。そうだな…」
少しだけ言葉を詰まらせて。
「…正直、羨ましいとは思ってるよ」
「…そうか」
ブラトレとの競い合いで、全力で戦うマクトレ。担当と一緒になって、お菓子を貪るマクトレ。マックイーンのレースを、何よりも真剣にトレーナーとして見届けるマクトレ。皆から見て、その姿勢はきっとトレーナーたちの中でもトップクラスに、自由に、上手く宿業を乗りこなしているように見えていた。
一方のマクトレは、それはフクトレに失礼なのではと思っていた。フクトレのような縛り、それのない自分の姿を見せていいものか悩んでいた。
- 110二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:58:38
「けど、それだけだ。捕まった星のもとの違いだ。俺が因子に縛られようが、お前が縛られなかろうが関係ない、俺はそう思っている」
「そっか。それは…ありがとう」
マクトレはもう一本の缶を開け、フクトレはもう一本のタバコを取り出す。
「…お前のおかげでひとつもやが晴れた。お礼としてこれ、と、一言」
ストゼロを一缶差し出し、言った。
「お前は因子に縛られてるんじゃない。自分を担当のために縛ってるんだと思う。それは俺でも持ってない、とんでもなく強い種類の意志だ。誇っとけ」
横顔は笑っていた。フクトレもまた、笑って返した。
「はは、そうか。ありがとな。お前はこっち、いるか?」
「タバコはやってませんの」
フクトレもまたストゼロのプルタブを開ける。鼻腔の下にアルコールの香りが漂う。
「…お前この匂いの下で風情語ってたのか」
「嗅ぎ分けてこそのものですわ、澄んだ空というのは」
夜が更けて行く。満月は天頂に近い場所にある。二人はこの後しばらく、涼しげな空と風の音を楽しんだ。
終わり
フクトレ解釈違いあったら申し訳ない🙏
- 111二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:00:06
- 112二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:01:25
フクトレもまた強強意志勢なんだなって
- 113二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:02:26
いいですよね…夜風と酒と語らいって…
- 114二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:04:00
嘘でしょ...ガンギマリお嬢様のはずなのにかっこいいし解釈はブレてない......
- 115二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:04:56
戦友とは素晴らしきものだ
- 116二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:05:01
よき……
- 117二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:05:04
- 118二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:05:39
感想くれ(餌を求めるイルカ)
- 119二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:06:00
読んでて情景が目に浮かぶのすごい…すき…
フクトレとマクトレの解釈が一致してて読みやすかったです - 120二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:06:43
あれかなあ、会話の仕方がめちゃくちゃ変わっても全く気にしないブラトレがいて
フクトレが姿かたち、しゃべり方が変わってしまっても根底は変わらないと言ってくれて
マックイーンがもしどうしようも変わってしまったとしても引き上げてくれると分かってくれるからこそ
マクトレはいつも通りに過ごせているのかもしれない - 121二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:07:41
- 122二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:08:01
担当そっくりな二人、
片やソウルに立ち向かう強さ、片やソウルに背を向ける強さ、
ベクトルは反対でも確かに強さを持っている二人の語らいが素敵 - 123二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:09:44
ウワーッ!雰囲気!!
- 124二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:10:33
二回読んでわかるタイトルの謎のオシャレさ何?いいと思います
- 125二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:11:02
形は違えど変わらないという意思
それを静かに称え合う
すばらし…… - 126二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:13:08
(そろそろ投下してもええ?)
- 127二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:13:19
ええよ
- 128二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:13:40
イイヨー
- 129二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:14:47
今日の毎日カフェが終わったので戻ってきました
- 130二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:14:56
駄文失礼します。
「じゃあ、行こっか。」「おけ。」
ウマ娘になってから今日で三日目。大分身体に慣れてきたところで、今日の試みはドラムの演奏だ。
「今日はちょっと遠い所まで行くよ。」「近場は?」
「ダメ。めんどくさくなりそうだし。」「分かった・・。」
私たちは東京から離れて電車で揺られる。
長い電車旅に辟易しながら、私は色んな事を考えた。
これからのこと、シチーのこと、そして、私自身のこと。
不可解で、喉に小骨が引っかかる“俺”のこと。
しばらくして、埼玉某所にたどり着いた。
そこからちょっと歩いたところに、小さな楽器店がある。
そこは、学生時代によく使っていた場所。
小難しいおっさんが細々とやっているこの店は“俺”の音楽の原点である。…正直不安だった。何故かは分からないけど前のようには叩けない。そんな確信めいた懸念をよぎるも、そんなことないと自分に言い聞かせて、私はドアを開けた。 - 131二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:16:18
トレーナーが手続きをしてる間、アタシはトレーナーに初めて演奏を見せてもらった事を思い出した。素人目のアタシから見ても、技術の蓄積を思わせる腕前だったことを覚えてる。
だけど、どの映像のトレーナーも怒ってるような、辛いような顔をしていた。何故かそのことを、よく覚えている。あれは一体、何だったんだろうか…
そんなことを思い出しているうちに準備が終わったトレーナーが、ドラムスティックを持って話しかけてきた。
「じゃ、そろそろ始めるよ。」
叩き始めて1時間、未だに違和感の正体を掴めない。幾ら叩いても叩いても…
8割どころか、4割も出来ない。俺が覚えている技術は、ある程度は苦もなく再現出来ている。けど…その先にどうしてもいけない。幾ら方法を変えても、どう頭を捻っても手応えすらない。
始まってから2時間たった。ますますトレーナーの顔が険しくなる。どうやら思い通りの演奏が出来なくて焦っているようだ。
「…ごめん、シチー。ちょっと部屋出ててもらってもいい?」
「…わかった。」いつものトレーナーらしくない口調に、少し驚いたが、それ以上に印象に残ったのは、虚しさと焦りを含んだトレーナーの瞳だった。
私が出てから、更に2時間経った。
先程ようやく音が止んだので、様子を見ようと覗いてみると、
椅子から倒れたトレーナーの姿があった。 - 132二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:17:09
「トレーナー!!!」
「…ごめん、ちょっと…目眩がして…」
「良いから。地べただけど、座れる?」「…うん。」
そうやって支えたトレーナーの背中は震えていて、不安そうだった。まるで、寄る辺を失った、鳥のようで。
「…で、何があったの?」
「…けなくなってる…」
「えっ?」
「前…みたいに…叩けなく…なってる……」
もう、どうしようもなく、空っぽだった。
以上です。ありがとうございました。 - 133二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:18:16
おお…つらい…
- 134二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:19:34
俺は辛い
耐えられない
死んでくれところ天の助 - 135二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:19:51
あっあっあっ…
- 136二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:20:23
救いは…
- 137二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:20:57
ウワーッ!甘々からの大人の風からの曇らせーッ!
バカねウオヤッバ......フルコースよ - 138二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:23:47
- 139二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:24:17
このスレでのアカザ殿はWiki編集をして心が折れそうなSSを見たら天の助に死を求める人になりつつある…
- 140二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:25:02
これは…
ウマ娘になって耳が良くなったから
無意識に叩かなくなってるって訳でもないんですよね…
うわ…やば…あとまだ3日目か - 141二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:25:55
ケツ叩けば治りマース!
そういう空気では無いですか、はい、腹を切るデース - 142二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:27:08
- 143二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:27:56
- 144二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:28:46
- 145二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:29:25
今日の天気は曇らせのち雨...救いはないんですか?
- 146しっとりマルゼンスキー21/09/28(火) 23:29:39
- 147二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:30:12
- 148二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:30:13
はよ
- 149二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:30:26
れっつらごー
- 150二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:30:33
シチー組かぁうまぴょいするんだろなぁとか思ってたらぶっ刺された…つらい…すき…
- 151二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:30:52
おねげえしますだ
- 152二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:33:13
頼むからうまぴょいしてくれ
慰めイチャラブレズセしてくれ
お辛いssを読むと俺の情緒が狂うのだ - 153二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:34:01
- 154二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:34:09
尊死牟来たな
- 155二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:36:55
- 156二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:40:44
- 157二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:40:56
- 158二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:42:07
- 159二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:43:44
- 160カフェトレ(タバコ)の人21/09/28(火) 23:44:50
- 161スペトレ21/09/28(火) 23:44:55
- 162二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:45:18
- 163二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:45:31
レズセが見たい?
ブラトレとフクトレとマクトレ湿度低いから湿らせてレズセさせるわw - 164尊死牟21/09/28(火) 23:45:45
- 165二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:46:39
- 166二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:47:55
黒死牟、そこになおりなさい。
- 167二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:47:56
- 168二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:49:56
- 169二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:50:16
- 170二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:50:48
じじぴ天女か?
- 171二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:50:58
- 172二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:51:28
今はむかし、ぱりぴの翁といふものありけり
- 173二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:51:48
美しすぎない??る
- 174二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:52:19
これから1000年生きそう
- 175二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:52:22
- 176二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:53:00
俺明日になったらじじぴちょっと書いてみる…絶対難しいけど!
- 177二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:53:06
不老不死になってそう
- 178二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:53:53
- 179二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:54:57
- 180カフェトレ(タバコ)の人21/09/28(火) 23:56:22
- 181二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:57:01
- 182二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:57:01
最近タイトレの絵を描いてくれてた人見ないなぁと思ったけど平日にあのクオリティの絵を仕上げるのはそりゃ無理だわ
- 183二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:57:11
- 184二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:57:21
- 185二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:57:47
- 186二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:58:09
にちゅ…
- 187二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:58:30
- 188二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:59:26
なんだかにちゅにちゅしてきた…
- 190二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 23:59:48
- 191二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:00:12
性癖破壊だなんて……それしか能がないんですか?ミスター・頭サイゲ
- 192二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:00:18
いやすげー流れ弾やな!
- 193二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:00:40
減速してくださいミスター・掛かり
- 194二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:01:18
(ウマ娘とは一切関係ないはずなのに何故か受け入れられてる私…)
(次スレに誘導するあの人…)
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part74【TSトレ】|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/https://bbs.animanch.com/board/60076/普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえ…bbs.animanch.com - 195二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:01:56
(感謝する私…)
- 196二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:01:58
(感謝する私…礼を言うあの人…)
- 197二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:02:08
(次スレに移行するあの人…)
(それを追う私…) - 198二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:02:12
- 199二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:02:15
200なら高身長トレーナーによる執事カフェ
- 200二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 00:02:20
200ならハイパートレーナー大宴会開催