- 1二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 16:50:15
ゴードンさん
ウタが目覚めて、俺たちがいなくなってしばらく経ったらウタを連れて海へ出て東の海(イーストブルー)のゴア王国というところに行ってくれないか?
あれの暴走で食料もなにもかも吹き飛ばされてしまった。多少は残っているだろうがいつまでもつかわからない。
だからそれらが尽きる前にその場所へ行ってほしい。大丈夫だここよりは安全だろうし、東の海は平和の象徴とも呼ばれている。
だから、頼む。ゴードンさん。
____________
ここだけ、エレジアに食料等なくなったためにこの島で生きることができなくなり、シャンクスがルフィのいるところに連れていくことをゴードンに頼んだ世界線。
なお、ウタ達が到着した時点でルフィに麦わら帽子が受け継がれていることとする。 - 2二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 16:53:19
- 3二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 16:54:37
ザァ_____ザザァ____ザァ___
ギーコー___ギーコー_____
ゴードン「ウタ・・・大丈夫か?」
ウタ「・・・・うん」
ゴードン「もうすぐゴア王国近海に入る・・・ここまで運よく海賊や海獣に出会わなかったが、平和の象徴と呼ばれているとはいえこの海にも少なからずいると聞く。これからも用心してかからないとな」
ウタ「・・・・・・・うん・・・・」
ゴードン「・・・・・ウタ・・・・」
ザァ_____ザザァ____ザァ
ザバ______
ウタ「!?」バッ!
ゴードン「ん?・・・どうしたウタ?」
ウタ「・・・・何か来る・・!!」
ゴードン「え!?」
ザバァン!! - 4二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:00:10
ザバァ・・・・
ゴードン「か・・・海獣!!」
ウタ「あれは・・・・!!ゴードンさん!!早く逃げなきゃ・・・!!!」
ゴードン「ウタ!!お前は船倉に隠れていなさい!!!」
ウタ「!?なに言ってるの!!?一緒にやらなきゃ逃げ切れないでしょ!!」
ザバッ!!ガッ!!!
ウタ「わ!!!」
ゴードン「ぐっ!!!」
ゴードン「大丈夫だ!!!私がなんとかしてあの海獣から船を守って逃げて見せる・・・だからウタ!!!お前は隠れてるんだ!!」
ウタ「ゴードンさん!!!___」
バタン!!ガチャ!!
ドンドン!!
ウタ「出して!!ゴードンさん!!ここから出して!!」
ドォオン!!!
ウタ「うっ!!」
船体への衝撃に転がるウタ。零れ落ちるトーンダイアル。
ゴードン「ここから去れ化け物!!!お前にやるものなどここには一つもない!!!」
バキューン!!
ウタ「(銃声!?)ゴードンさん!!私も一緒に戦うから!!ここから出してェ!!!」
ゴードン「うォおおおおお!!!」
- 5二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:02:06
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:07:11
さっきまで鳴り響いていた激戦の音も、今は静かに、波の音だけが聞こえる。
ガッガン!ガッ!ガン!ガキィン!!
ウタ「ふっ!!ぐっ!!早く!!壊れろ!!!」
ガキャン!!!ギィ・・・
ウタ「は・・はぁ!!ゴードンさん!!!」
バタン!!
ウタ「は・・・あ・・・あ・・・!!!」
ゴードン「――――――――――――・・・・・ん・・・・?ああ・・・ウタカ・・・錠を壊して出てきたのか・・・・無茶をする・・・・どうだ・・ウタ?倒せはしなかったが・・・見事・・・・!!追い払って見せたぞ・・・!!ははは・・・!」
ウタ「ああ・・・ああ・・!!死なないで!!ゴードンさん!!死なないで!!」
ゴードン「あァ・死なないよ・・・大丈夫だよ・・・」
ウタ「ゴードンさん待ってて!!救急箱持ってくるから!!待ってて!!死なないで!!」
ドタドタドタ・・・・
ゴードン「死なないさ・・・ウタ・・・絶対に・・・もうこれ以上・・・なにも・・・背負わせない・・・背おう必要もないものなんて・・・・・・私は生きる・・・君のために・・・生きて見せる・・」
___________________________
ゴア王国 フーシャ村の船着き場
ゴォ!!
「おお!今日は風が強いなァ!」
その桟橋に、ある少年が一人―――――
ゴォオオオオオオ
「うおーー!!」
頭にかぶった麦わら帽子を風に飛ばされないように抑えて、遠くを見た。
ゴォオオオオオオ
ルフィ「ああ~~――――シャンクス・・・・ウタ・・・二人とも・・・どうしてるかなァ・・・」
- 7二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:12:26
____________
ゴア王国近海
どこまでも続く大海原に、ある小さな舟が一隻
ウタ「・・・・・まだ見えない・・・!」
ゴードン「ウタ・・!船からそんなに身を乗り出すんじゃない・・・海に落ちてしまうぞ・・」ギィ・・
ウタ「ゴードンさんはおとなしく横になってて!また傷口が開いちゃうでしょ!!」
ゴードン「なに・・・大した傷じゃないよ・・・ウタの治療も的確で速かった・・・命にかかわるほどじゃないさ・・・」ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ
ウタ「嘘・・・!!あんなにお腹や胸に穴が空いて血も大量に・・・生きてる方が不思議なくらいだよ!!ほら!!早く船室に戻って!!」トットット!グイッ
ゴードン「大丈夫だ・・・私は死なないよ・・・死ぬつもりなんてない・・・だが・・・この広い海を一人で探すより・・・二人で探したほうが早い・・見張りも一人じゃないほうが・・・」
ウタ「何言ってるの・・・!!今もフラフラで倒れそうな癖に・・・!!航海と見張りは今は私に任せて!!ゴードンさんは回復に専念するの!!」
ゴードン「しかし・・・」
ウタ「大丈夫だよ・・・私は・・・・最近まで海賊の船にいたんだから・・・だから・・・こういうことにはゴードンさんよりは慣れてるし・・・」
ゴードン「!!!」
ウタ「ほら!!さっきだって私の方が海獣に気づくの早かったでしょ?耳いいから、私!!なにか近づいてきたら一発でわかっちゃうって!」にっ!
ゴードン「ウタ・・!」
ウタ「そうだ!よく眠れるように私、なにか歌ってあげる!!」
ゴードン「まて・・!ウタ・・!」
ウタ「もう!大人しくしててって!!じゃあいくよ~!――――♪~~♪~~」
ウタが歌いだすと、すぐにゴードンは瞼が重くなっていくのを感じた。
ウタはさっき笑っていた。だがそれはわざとらしい、無理をした笑顔だった。
ゴードン(すまない・・・ウタ・・・シャンクス・・・!!)
- 8二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:21:19
_____________________________
ゴア王国 フーシャ村 船着き場
ゴォオオオオオオ
ルフィ「う~~風がつええ!・・・・帽子が飛ばされちまいそうだ!!」
フォオオオオ
ルフィ「ふー・・・さーて今日は何しようかな~♪船着き場に来てみたけどやっぱりなんにもないし、もしかしたらって思ったけど・・・」
ルフィ「まあいいか!!だったら他んとこ行こ!!・・・ん?」
目の端に捉えて、ルフィは足を止めた。
ゴォオオオオオオ
もう一度強い風が吹いて、麦わら帽子は揺れる
ルフィ「ん・・・船だ・・小っちぇーなー・・・まあシャンクスたちみたいな船の方が珍しいか!なんかここに停めようとしてるなァ・・・よし!!行ってみよ!!」ダッ!!
更にもう一度強い風が吹き―――
ゴォオオオオオオ!!
ルフィ「わ!!また・・・!!は~びっくりした~!!ん・・・あれ!!帽子がない!!あ~!!大事な帽子が~!!あっ船がもう!!――――――!!!」
慌てる中で、ルフィは船の上を見た。ついこの間まである海賊と一緒にいた、懐かしき少女の姿を・・・
ルフィ「ウタ・・・・・・・?ウタじゃねえか!!?」
ウタ「ルフィ・・・?」
船が港に着いた。
- 9二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:26:53
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 17:38:10
ウタ達がフーシャ村へ着く、少し前。
______________
ゴア王国ドーン島 近海
ゴードン「ハァ・・・・・・・ハァ・・・」
ピト・・・
ウタ「・・・だめだ・・・!!熱が全然下がらない・・!!やっぱり怪我がそうとう・・・!!ゴードンさん!!ちょっとまってて!!タオル濡らしてくるから!!」
ウタ(もう島は見えてきた!!だけど速力が上がらない・・!!風がないからだ・・・!!早くしないと・・・命にかかわるかもしれないのに・・・!!)
バシャッ!!ギュゥッ・・・・ビチャビチャ・・・
ウタ「ゴードンさん!!島が見えてきたんだよ・・!あともう少しだから・・・!!頑張って・・!!」
船室に置いてあったオールを持って、ウタは甲板へと出た。
ウタ「少しでも早く・・!!あの島へ・・・!!フーシャ村へ・・・!!」
――――その時強い風が吹いた。
ゴォオオオオオオ!!
ウタ「うっ!!?」
後ろから押されるように強い突風が吹き、持っていたオールを離してしまいそうになるウタ。
ウタ「なに・・・いきなり・・・!!・・・・!!船が・・・!!」
帆は強く風を受け、今までとは非にならないほどの速度で、船は前進していく。
ウタ(しめた・・!!!)
帆綱を持って受ける角度を調整するウタ。乱れていた舳先はフーシャ村へむかい、速度を上げて進んでいく。
ウタ「これなら・・・!!ゴードンさん・・!!まっててね!!もうすぐ着くよ!!」
ウタ(早く・・・!!早く!!)
ザザァ・・・・―――!!ザバァン・・・――――!!
船はみるみる進んでいき・・・島の風景は次々と変わっていく。
速度はそのまま。風に導かれて、遂にその村が見えてきた。
いつか見た、かつて一緒にいた海賊たちと共に訪れていた小さな村。
その船着き場で、変わらずにいる同い年の少年を見た。
- 11二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 18:42:48
______________
時間は進み、現在
ルフィ「ウタ・・・?ウタじゃねえか・・・!!」
ウタ「ルフィ・・・?」
ルフィ「ウタ!!!帰ってきたのか!!!?ひっさしぶりだな~~~~!!あっはっはははは!!!」タッタッタ!
ダッ!!
ウタは港に船が着くよりも早く、桟橋に飛び乗り駆け出していた。
ウタ「ルフィ!!!」タッタッタッタ!!
ルフィ「あっはははは!!!ホントにウタだ!!!お前今までどこに行ってたんだよ!?夢のために船降りたって―――痛ェッ!?」ダキッ!!
ウタ「ルフィ!!!ゴードンさんが!!!早くしないとゴードンさんが死んじゃう!!!」ポロポロ
ルフィ「!!?ゴードン・・・!?だれだ・・・!?」
ウタ「あの船にゴードンさんが・・・私の友達が船にいるの!!・・・さっき海獣に・・・・近海の主にあって・・その時に怪我をしたの!!!早く医者に診せないと・・・!!マキノさんたちを呼んできて!!!早く!!!」
ルフィ「・・・・・お、おう!わかった!!ちょ・・・ちょっとまってろ・・・!!すぐ呼んでくる!!マキノ~~~!!村長~~!!」タッタッタッタ
- 12二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:49:24
船を波に流されないように縄で桟橋に繋ぎ、船室にいるゴードンに会いに行く。
ウタ「ゴードンさん!!着いたよ!!フーシャ村にたどり着いたんだよ!!?起きれる!!?ゴードンさん!!!早くお医者さんに診てもらおう!!」
ゴードン「―――――う・・・・・・ウタか・・・そうか・・ゴア王国に・・・・フーシャ村に着いたか・・・これで君もようやく落ち着けるな・・・」
ウタ「何言ってるのもう・・ゴードンさんもだよ・・!!やっと人のいる場所に着いた!!早くその傷をちゃんと治療してもらって・・いっぱい食べて元気になろう!!」
ゴードン「そうだな・・・さっさと・・・こんな傷治してしまおう・・・‥ウタすまないが・・手を貸してくないか・・・?あまり・・・力が入らなくてね・・・」ジワァ・・・
ウタ「ゴードンさん・・・?・・!!血が・・・!!」
ゴードン「ああ・・・少しだけだけだよ・・・・揺れたときに少しだけね・・・抑えてれば問題はない・・・」フラッ・・
ウタ「(違う・・!あんなに体を咬まれて・・!!それに血を失いすぎたんだ・・!!)ゴードンさん!!しっかりして!!ゴードンさん!!」
ルフィ「ウタ!!!呼んできたぞ!!先生!!!」タッタッタッタ!!
ウタ「ルフィ!!」
村長「うォおお!!?これは・・・!!」
マキノ「ウタ!!」
医者「・・・!!こりゃいかん!!」ドタッドタッ!!
ウタ「お願い!!ゴードンさんを助けて!!」
医者「大丈夫だ!!マキノさん!!この子を頼む!!」
マキノ「ウタちゃん!!おいで!!」
ルフィ「ウタ・・・!!大丈夫だ!!俺いっつもあの先生に怪我したとき診てもらってんだ!!おっちゃんも絶対元気になる!!」
ウタ「うん・・・うん!!」
- 13二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:51:24
________________
フーシャ村 酒場
ウタ「・・・・・・・」
マキノ「はいウタちゃん」コト
ウタ「・・・ありがと」
マキノ「本当に・・・よくここまで来てくれたわ・・・頑張ったわね・・また会えて嬉しいよウタ」
ルフィ「ああ!!ホントにまた会えてよかったぞ!!」
ウタ「・・・うん」
マキノ「ゴードンさん・・・だっけ?あの人のことなら心配ないわ。大丈夫よ、この村の先生に任せとけば。ルフィもよく怪我するけど・・・ほんとに腕がいいんだから」
ルフィ「うん!!この間なんかも、森の動物と喧嘩したり、崖から落っこちたときも先生に診てもらったけど・・ちゃんと治ったぞ!!だから大丈夫だ!!ウタ!!」
ウタ「・・・・うん!」
マキノ「・・・・ホッ」・・・ニコッ
ルフィ「にししし!」ニッ!
暗く沈んでいた先ほどまでとは違い、ウタの表情は少しだけ明るくなっていた。
マキノ「そういえばルフィ。帽子はどうしたの?」
ルフィ「帽子・・・・ああ!!?忘れてた!!!俺の大事な帽子~~~!!!」ガタッ!!
「どこにやったっけ!!!?あれ!?ここか!?ここか!!?どこだ~~!!!?」ジタバタ!!ドタバタ!!
ウタ「?・・・帽子?」
マキノ「ああ。実はねウタちゃん――――」
ギィ・・バタン・・・ギィギィ・・・
村長「やあマキノ、ウタ、ルフィ」
マキノ「ああ!村長さん!」
ルフィ「村長!!おれの帽子知らねェか!!?」
村長「帽子だと?ああそれなら八百屋のとこの奴がおまえのものを預かってたぞ」
ルフィ「それだ~~~~~!!!?なんで村長届けてくれないんだよ!!」
村長「フン!ちゃんと持っていないお前の自業自得じゃ!大体わしは反対しているのだということを忘れるなよ!!」
ルフィ「いいんだよ!!俺は勝手になってやるから!!でも教えてくれてありがと!!早く八百屋行かなきゃ!!あっウタまた後でな!!」
- 14二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:59:08
村長「全く・・・落ち着きのないやつだ・・・・・」
マキノ「ふふふ・・・ほんとにね・・・」
ウタ「・・・・クスッ」
ダダダダッピタッ・・・
ルフィ「・・・・・」
マキノ「?・・ルフィ・・?」
村長「どうしたんじゃ?急に止まって・・・」
ルフィ「やっぱやめた!」
村長「お?」
ルフィ「おれもここで待つ!おっちゃんがちゃんと無事ってわかるまでおれはウタと一緒にいる!!」
ウタ「・・・ルフィ」
マキノ「でもいいの?帽子のことは・・・」
ルフィ「いいよ!どこにあるかもわかったし!八百屋のおっちゃんならちゃんと預かってくれるだろうしさ!村長と違ってね~!」
村長「やかましいわい!本当に落ち着きのないやつじゃ・・行くと言ったり行かんと言ったり・・・」
ルフィ「いいんだよ!!今はこっちが大事だろ!!」
マキノ「ルフィ、はいジュース」
ルフィ「あ!ありがと!」
村長「・・・そうだなァ・・・ウタ、よく来たな。ゆっくりとしていくといい・・・」
ウタ「村長さん」
村長「・・・ここに来たお前たちの姿を見れば・・・ここまでの航海がどれだけの道のりだったかは想像に難くない。彼の体が回復するまで・・・いや好きなだけこの村に居て構わんぞ。現状のお前たちを見ておいて放り出すような真似もできん。お前は海賊の娘だが、もう村の一員も同然じゃ」
マキノ「そうよ・・あなたたちがここに来てから随分経ってすっかり馴染んでしまったものね」
ルフィ「そうだウタ!好きなだけいろ!!」
ウタ「うん・・・ありがとうみんな・・・」
村長「あとは、先生から結果が来るのを待つばかりだな・・・」
- 15二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 07:01:29
医者「村長!マキノ!いるかい?」
村長「おお!さっそく!!どうじゃった!?」
マキノ「!」
ルフィ「っ!!」
ウタ「・・・!!」ガタッ!!
医者「ああ。無事治療は終わったよ。傷が多くかなり深く抉られてたし血も大量に失っていたが、何とか全て縫合して血を止めることができた。輸血もしてようやく安定したよ、もう少し遅れていたら危なかったよ」
ウタ「・・・・よ、よかったァ・・・」
医者「応急処置のおかげだな。あれがあったから命を繋げたようなもんさ、よくやったよウタ!」
村長「おお~~!!そうかァ!!助かったか!!」
マキノ「よかったわねウタちゃん!あなたの頑張りのおかげよ!!」
ルフィ「やった~!!やったじゃねえかウタ!!あっははは!!」
ウタ「・・・うん!!・・・グスッ・・・よかったァ・・・!!」
医者「フッ・・・ただまだ安静にしてなければならん、動いたり歩いたりはまだ無理だな。見舞いももう少し経ったあとだ」
ルフィ「よしウタ!!おっちゃんの様子見に行こう!!」
医者「見舞いはまだだって言ったばっかだろルフィ!!?」Σ!!
- 16二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 15:04:41
保
- 17二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 00:11:52
保守
- 18二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 02:39:48
>>4の画像をちゃんと載せたほうの奴
ザバァ・・・・
ゴードン「か・・・海獣!!」
ウタ「あれは・・・・!!ゴードンさん!!早く逃げなきゃ・・・!!!」
ゴードン「ウタ!!お前は船倉に隠れていなさい!!!」
ウタ「!?なに言ってるの!!?一緒にやらなきゃ逃げ切れないでしょ!!」
ザバッ!!ガッ!!!
ウタ「わ!!!」
ゴードン「ぐっ!!!」
ゴードン「大丈夫だ!!!私がなんとかしてあの海獣から船を守って逃げて見せる・・・だからウタ!!!お前は隠れてるんだ!!」
ウタ「ゴードンさん!!!___」
バタン!!ガチャ!!
ウタ「出して!!ゴードンさん!!ここから出して!!」ドンドン!!
ドォオン!!!
ウタ「うっ!!」
船体への衝撃に転がるウタ。零れ落ちるトーンダイアル。
ゴードン「ここから去れ化け物!!!お前にやるものなどここには一つもない!!!」
バキューン!!
ウタ「(銃声!?)ゴードンさん!!私も一緒に戦うから!!ここから出してェ!!!」
ゴードン「うォおおおおお!!!」
- 19二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 02:58:46
>>6の修正版です。既に読んだ方は飛ばして読んでください
さっきまで鳴り響いていた激戦の音も、今は静かに、波の音だけが聞こえる。
ガッガン!ガッ!ガン!ガキィン!!
ウタ「ふっ!!ぐっ!!早く!!壊れろ!!!」
ガキャン!!!ギィ・・・
ウタ「は・・はぁ!!ゴードンさん!!!」
バタン!!
ウタ「は・・・あ・・・あ・・・!!!」
ゴードン「――――――――――――・・・・・ん・・・・?ああ・・・ウタか・・・錠を壊して出てきたのか・・・・無茶をする・・・・どうだ・・ウタ?倒せはしなかったが・・・見事・・・・!!追い払って見せたぞ・・・!!ははは・・・!」
ウタ「ああ・・・ああ・・!!死なないで!!ゴードンさん!!死なないで!!」
ゴードン「あァ・死なないよ・・・大丈夫だよ・・・」
ウタ「ゴードンさん待ってて!!救急箱持ってくるから!!待ってて!!死なないで!!」
ドタドタドタ・・・・
ゴードン「死なないさ・・・ウタ・・・絶対に・・・もうこれ以上・・・なにも・・・背負わせない・・・背おう必要もないものなんて・・・・・・私は生きる・・・君のために・・・生きて見せる・・」
___________________________
ゴア王国 フーシャ村の船着き場
ゴォ!!
「おお!今日は風が強いなァ!」
その桟橋に、ある少年が一人―――――
ゴォオオオオオオ
「うおーー!!」
頭にかぶった麦わら帽子を風に飛ばされないように抑えて、遠くを見た。
ゴォオオオオオオ
バサバサ・・・・
ルフィ「ああ~~――――シャンクス・・・・ウタ・・・二人とも・・・どうしてるかなァ・・・」
- 20二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 03:07:29
村長「話聞いとったんか!!おまえは!!」
マキノ「ダメよルフィ。今行ったら彼の体に悪いでしょう。会うにしても、日がもう少し経ってからよ」
ルフィ「でもよ!!早くウタをおっちゃんと会わせてやりてェじゃねえか!!ここまで一緒に航海してきた友達だろ!?少しでも傍に居たいはずだ!!」
村長「し、しかしなぁ・・・」
マキノ「・・・」
ウタ「・・・・・ルフィ・・・大丈夫だよ・・・・・ここまでたどり着くことができて・・ゴードンさんを助けてくれただけで・・・今はそれで十分だよ」
ルフィ「けどよォ・・・」
ウタ「もう頑固だな~!!さっきマキノさんが言ったように!もし私が会いに行ってゴードンさんに何かあったらそれこそ耐えられないよ!」
ルフィ「うっ・・・!!」
ウタ「だから大丈夫だよ・・・それにルフィが思ってるより、私は結構元気だよ?みんながゴードンさんを助けてくれて、またこの村の人たちとあんたに会えたんだから・・・」
ルフィ「・・・・・・・・」
ウタ「だからあんたがそこまで気にすることないよ!はい!ジュースでも飲んで落ち着きなよ!」
ルフィ「う、うん・・・・ってお前なァ!!」
ウタ「あっははははは!!引っかかったぁ!!あっはははは!!」
ルフィ「たく~!!せっかく心配してやってんのに!!」
- 21二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 14:50:18
ウタ「あははは!」
ルフィ「む~~~!」
村長「・・・・」
マキノ「・・・・」
医者「・・・・・・・・はぁ~・・・・・・・一目会うだけだぞ?」
ウタ「!・・・え!?」
ルフィ「じゃ、じゃあ先生いいのか!?」
医者「ただし!病室では静かにな。無理して起こさないようにしてくれよ。あと騒いだりしないことだぞルフィ!」
ルフィ「にしし・・・!わかってるよ先生!」
ウタ「で、でも!」
医者「なあに、少しだけなら構わんよ。あまり厳しすぎても窮屈だろうしな。それにそんな無理した顔の子供を見て、大人が黙ってるわけにはいかんしなぁ・・・」
ウタ「!・・・!!」
村長「ははは!!」
マキノ「フフッ・・・・ウタちゃん!もうこの際甘えちゃいなさい」ニコッ
ウタ「・・・・うん!」
ルフィ「よし!さっそく行くかウタ!!」
ウタ「ル、ルフィ!?」
医者「あ!こらおまえたち!!勝手に行っちゃいかん!!」
ドタドタバタバタ・・!!
マキノ「言われちゃいましたね」
村長「ああ・・・さて、わしも付き添うか・・・ルフィが一緒じゃ心配で仕方ないからなぁ・・・」
マキノ「ルフィが騒がないように私たちが見ておかないとですね」
村長「店はいいのかマキノ?」
マキノ「今日はもう閉めます。もうそれどころじゃなくなってしまいましたからね」
- 22二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 01:05:13
_______________________
村長「ウタからもう・・・話は聞いたのか?」
マキノ「・・・・・・いいえ・・・」
村長「・・・そうか・・・・・あの娘の顔を見ればなにかあったことは・・・わかるがな・・・」
マキノ「・・・・・・・・ええ」
村長「ただ――――――」
スタスタスタ・・・
ルフィ「あはははっ!」タッタッタッタ・・
ウタ「待ちなさいよちょっと!」タッタッタッタ・・・
ルフィ「なにしてんだウタ!早く行こうぜ!」
ウタ「ルフィが早いんだよ!そんなに急がなくてもいいでしょ!」
ルフィ「あのおっちゃん、ウタの友達だろ!?それにここまであんな大怪我しながらお前を守ったんなら恩人でもあんだろ!?だからおれ・・・早くあのおっちゃんにありがとうって言いてーんだ!!」
ウタ「・・・!・・フフ・・・・ったく!今は絶対安静だから起こしちゃダメだって先生も言ってたでしょ?それに病室に入っていいのは関係者の私だけだって・・・」
医者(いいか?病室に入っていいのはウタだけだ!わかったなルフィ!)
ルフィ「わかってるって!!だけど一目見るだけなら大丈夫だって先生も言ってたろー!?」
ウタ「そりゃそうだけど・・・」
ルフィ「じゃあいいじゃねえか!!あっははは!!」スタタタタッ!
ウタ「もー・・・!」タッタッタッタッ!
- 23二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 12:24:45
_________________________
ルフィ「はんはーんはん♪ふんふん♪ふーん――そういえばウタぁ?」
ウタ「ん、なーに?」
ルフィ「・・・・・・」
ウタ「ん?」
ルフィ「やっぱなんでもねえ・・・」
ウタ「?・・・なによ?」
ルフィ「やっぱあった!おまえあれからまた歌上手くなったのか!!?」
ウタ「む!上手くなったに決まってるじゃん!私の歌の才能は天井知らずなんだから!!」
ルフィ「でもよ!やっぱおれのほうが上だよなまだ!!」
ウタ「はぁ!!?あんたが私に歌の勝負で勝てるわけないでしょう!!」
ルフィ「でも前におれが歌って参ってたじゃんおまえ!」
ウタ「あれはあんたの歌がヘタすぎるからでしょ!!」
ルフィ「なんだとぉー!!?」
医者「ほら!二人とも!!病室は入れるようにはしといたから!喧嘩してないで早く来ーい!!」
ルフィ・ウタ「「むー・・・」」
- 24二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 22:55:55
_____________________
フーシャ村 診療所
ルフィ「よし着いたぞ!!・・・早くッぶ!!?」
村長「こりゃルフィ!ここでは静かにせんか!」シーッ!
ルフィ「あ!!?そうだった!!シーッ!」
ウタ「あんたでしょ・・・」
医者「さあ、いいぞウタ」
ウタ「!・・・うん」トコトコトコ・・・
ルフィ「・・・・・っ!」
病室の奥のベッドに、その男は横たわっていた。
傷だらけで包帯越しでも血に塗れていた体は今は綺麗になって、傷口も以前ウタが施した処置よりもしっかりとしたものになっている。
ウタ「ゴードンさん・・・・」
医者「さっきまで血を失い過ぎていたせいで気絶をしていたんだが、今出来うる処置で脈拍や熱をようやく正常に戻すことできてな、今やっとちゃんと眠ったところなんだ」 - 25二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 05:26:18
ウタ「・・・・・・」
医者「・・・・少し空けるが・・一人で大丈夫かウタ?」
ウタ「・・・・・・」コクッ
医者「・・・・・・」カッカッカッ
・・・ガラガラガラピシャッ
医者「フー・・・・しばらく二人だけにしてあげよう・・・今ウタにはそういう時間が必要だ」
村長「ああ・・・長旅で疲れているだろうし、我々が二人にしてあげられることは今はないだろうからな・・・」ツカ・・・ツカ・・・
マキノ「ええ・・・」ツカ・・・ツカ・・・ツカ・・・
ルフィ「・・・・・・・」
村長「だが二人が助けを求めてきたらそれにただ応えよう・・・それが同じ村の住人として、迎え入れたわしらのケジメじゃ」
ルフィ「・・・・・・・・」
村長「もちろん!こっちも手が欲しいときは無理にでも手伝ってもらうがな!」
マキノ「そうですねぇ・・・お店のほうも手伝ってもらいたいですし、ウタちゃんがいればお店も繁盛すると思いますし」
村長「ははは!・・・ん?ほれルフィ、そこに突っ立ってないでこっちに来て座っとれ」ペンペン
ルフィ「・・・・おれここでいい」
村長「あん?」
ルフィ「おれ、ここでいい」
村長「何を言っとる。人が通るのに邪魔じゃろう」
ルフィ「・・・・・・・」
村長「全く・・・・言い出したら聞かんやつじゃのう・・・」
マキノ「ルフィ!せめてもうちょっと廊下の隅に寄りなさーい?」
ルフィ「・・・・うん」
言われた通りにルフィは二人のいる病室の前で、邪魔にならないよう隅の方へ移動した。
いつになく静かに従ったルフィを見て、顔を俯かせるマキノ。
マキノ「・・・・心配なんですよルフィも・・・・ウタ達になにかあったことは・・・たぶん私たちの誰よりも気づいてる・・・」
村長「・・・・・」 - 26二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:18:47
ウタ「・・・・・なんで・・・あのとき・・・・あんなになってまで、私を助けたの・・・?」
応えが来るはずもない友人に、病室で一人、ウタはただただ語りかけた。
ウタ「あのとき、一緒にやれば・・・私も一緒に戦えば・・・あなたがここまで怪我を負うことはなかったんだよ・・・?」
「・・・言ってなかったかな?私には悪魔の実の能力が宿ってるって・・・私が歌えば、あんな化け物眠らせて二人とも傷つくことなかったのにさ!まあ・・・歌ったらその後眠っちゃうけどね!ははは・・・」
「ほんとに・・・ゴードンさんがあそこまですることはなかったよ・・・・ねえ・・・なんで?・・・たった数日一緒にいただけの私をかばって・・・・・」
「あいつらに・・・・置いて行かれた私を・・・・・哀れに思ったとか・・・?」
「まあ・・・そりゃそうだよね~・・・今までずっと一緒にいたのにさ・・・・実は今までお城に入り込むために利用してましたなんて!目が覚めたら周りは火の海、宝を奪ったあいつらは私を置いてさっさと海に出ていてさ・・・・・・」
「そりゃだれだって思うよ!こんなバカなやつ・・って・・・」
病室にその音が響いたかどうか、それほどに小さい、彼女が歯を食いしばった音。
「ううん、違う・・・そういうことを言いたいんじゃないの・・・・ゴードンさん・・・・ありがとね・・・私をかばって助けてくれて・・・」
「でも同情はさ・・・・うれしいけど・・・それ以上に惨めな気持ちになる・・・・それでゴードンさんが死んじゃったら私も辛いしさ・・・」
「でも・・・本当にありがとう!・・・・・また同じことがあったら・・・今度は絶対私も戦うから・・・・・」
もう、あんな辛いことを味わいたくない・・・・・
「じゃあね・・・・」
ウタは椅子からおりて、踵を返して病室の外へと向かい、ドアに手をかけようとする。
「――――違うんだ・・・ウタ」
ウタ「―――・・・!?」
後ろからの声に、ウタは振り向いた。 - 27二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:28:46
- 28二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 04:43:43
ウタ「ゴードンさん・・・!?起きたの!?」
ゴードン「む・・・・・・ぐっ・・・」ググ・・・
ウタ「ちょっとまってて!!今先生を呼んでくるから・・・!」
ゴードン「・・ウタ・・・話を聞いてほしい・・・」ガタ・・・
ウタ「今はだめだよ・・!目覚めたばっかなのに・・・!それに動いちゃダメ!!まっててゴードンさん!」
静止を聞かない少女の背中に、構わずに語り掛けた。
ゴードン「・・・・・確かに・・・・最初は同情だった・・・」
ウタ「!・・・・・・・・・」
ウタはつい足が止まって、それに気づきゴードンは体勢を楽にしてそのまま話し続けた。
ゴードン「そう・・・最初は同情だった・・・君の言う通りだ・・・・・火の中で去っていく船を・・・・・浜辺でずっと海を見ている君の姿が・・・・本当に見ていられないほどに・・・可哀想で仕方がなかった・・・」
ウタ「・・・・・・」
ゴードン「だが・・・思い出したんだ・・・あの日、君が歌った日のことを・・・・皆が城で歌い合う中で、君はひと際強く目立っていて、美しい歌声もそうだが・・・なにより、すごく幸せそうに・・・本当に楽しそうに歌う君を見て・・・羨ましく思い・・同時に・・君の未来を楽しみにしていた私がいた」
ウタ「・・・・・・・」
恥ずかしそうに、けどうれしそうに話すゴードンにウタは驚いて、その続きを聞いた。
ゴードン「とても・・・楽しくなっていたんだな・・・君が世界へ羽ばたき・・・・君の歌を聞いた人々はどんな顔をするのか・・・どんな風に聞いていくれるのか・・・・その景色を・・・君の歌を聞いた時から考えないことはなかった」
「だがあの事件が起きて・・・・・裏切られ心に傷を負い、塞ぎ込んでしまった君があのまま・・・ずっとあの島から出ず、狭い世界で終わってしまう君を思うと・・勿体ないって・・・・不憫で仕方なかった・・・・」
「あれだけ美しい歌声を持っているのに・・・あれだけ素晴らしく歌えるのに・・・あれだけ・・・・歌うことが大好きな君が歌えなくなることが・・・君の未来を見ることができないのが・・・・・私には耐えられなかった」
ウタ「・・・・・・・」
ゴードン「ウタ・・・君は・・・・・いつかまた海へ出るんだ・・・」
ウタ「!!」 - 29二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 15:02:34
保守しとくぞ
- 30二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:31:48
冷めてそう
- 31二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:54:29
保守
- 32二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:55:58
保守
- 33二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 00:23:40
保守
- 34二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 11:58:21
保守
- 35二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:38:34
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 10:13:42
ほしゅ
- 37二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 17:33:53
保守
- 38二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 01:27:47
星野源
- 39二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 05:36:43
保守
- 40二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 15:41:33
ウタ「・・・なに言ってるの・・・ゴードンさん?・・・私は別に・・・」
ゴードン「今すぐってわけじゃない・・・君も知ってる通り、海は非常に危険だ・・・旅に備え、必要なものを揃えてしっかり力をつけてから・・・君に決心がついたときでいい・・・」
ウタ「だ、だから私はそんなこと・・・!!いいって言ってるのに!!もういいでしょ!?危険だって言うなら・・・もう海に出なきゃいいじゃない!!みんな親切にしてくれるし、この村に一緒に住もうよ!!?」
ゴードン「・・・・君と一緒に・・・航海へ出て・・・・」
ウタ「!」
ゴードン「私は・・・・・改めて・・・自分の無力さを思い知ったよ・・・・痛烈に・・・・一国の王なんていう肩書など、海に出ればなんの役にもたたない・・・・・あるのはただ音楽ができるだけの男だ・・・・・・広大な大海原に・・・・獰猛な海獣・・・野蛮な海賊―――には逢わなかったか・・・はははは・はは・・・満足に小さな女の子も守れない・・そんな役立たずだよ・・・」
ウタ「・・・・そんなこと・・・そんなことないよ!ゴードンさん・・・あんなに必死になって・・・こんな怪我までして・・・守ってくれたじゃない!役立たずなんかじゃない!!」
ゴードン「はは・・・・・だがね、それ以上に・・・・外にはたくさんのものが広がっていると・・・・私は気が付いたよ・・・・君と少し航海をしただけの私だがね・・・・あんな形での船出だが・・・・正直、心が躍ったよ・・」
ウタ「・・・え・・・」
ゴードン「どこを目指せば着くのかわからない・・・広い海を、あの小さな船で渡るには心許なく・・・・海獣や海賊からの襲撃に、航海している途中、不安を感じずにはいられなかった・・・だがそれでも、どこかワクワクとしている自分がいることに気が付いてね・・・・まるで・・・少年のころに戻ったかのようで、あの海獣と戦っているときそれを特に感じていた」
ウタ「・・・・・・・・」 - 41二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 03:32:27
保守
- 42二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 14:30:32
保守
- 43二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 01:18:01
支援がてら保守
- 44二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 06:06:20
保守
- 45二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 17:31:34
保守
- 46二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 03:20:36
続きを待つ!
- 47二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 14:12:30
ほしゅ
- 48二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 02:00:58
保守
- 49二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 12:26:02
やすもり
- 50二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 00:14:01
ほっしゅ
- 51二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 07:37:30
保守
- 52二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 19:31:15
まつ
- 53二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 06:01:58
保守
- 54二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 17:59:15
保守
- 55二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 05:02:01
ゴードン「命がかかった状況で・・・それも君が危ないときだというのに・・・・おかしな話・・・いや、酷い話だよ・・・・」
ウタ「・・・・・・」
ゴードン「それでも・・未知なるものが多く存在する海に・・・あの海獣と相対したとき・・・恐怖を抱いていたが・・・同時に、可能性を垣間見たんだ・・・・・あの小さな国で過ごした私では知ることのなかった景色に・・・君がまた歩き出せる可能性を・・・希望を見たんだ・・」
ウタ「・・・!」
「海獣と戦い・・・遂には生き残るという・・・私の人生の中で貴重な体験もできた・・・ハハハハ・・・今の私なら、なんでもできる気がしているよ」
ウタ「・・・・・・・」
ウタの顔は不思議そうに、笑うゴードンの話を聞いていた。こんな風になって、それよりも前にこの人はもっと辛い目にあっているのに・・・どうしてこんな風に笑えるんだろう。やせ我慢じゃなく、ほんとうに楽しそうに笑っている。
きっと、置いて行かれた私よりも傷ついているはずなのに。
ウタ「どうして・・・そんな風に笑えるの?」
ゴードン「・・・・・・」
ウタ「エレジアであんな目にあったのに・・・あの海獣だって・・・死んでもおかしくなかったのに・・・・どうして?私を置いて、逃げ出してもおかしくなかったのに・・・・どうして?」
彼女の目には、いつの間にか泣き出しそうなほどに、だけどそれを堪えているような・・・そんな表情だった。
ゴードン「・・・・・逃げるわけにはいかなったからさ・・・そして、逃げたら私は死んでいただろうからね・・・」
- 56二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 15:52:56
保守
- 57二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 23:51:34
保守
- 58二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 04:37:15
保守
- 59二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 15:20:24
ほしゅ
- 60二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 00:33:15
保守
- 61二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 05:48:45
hoshu
- 62二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 17:03:40
ほ
- 63二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 23:54:56
保守
- 64二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 05:27:21
ほしゅ
- 65二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 16:05:44
ほ
- 66二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 23:26:52
保守
- 67二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 06:53:44
ホシュ
- 68二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 17:29:37
保守
- 69二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 05:13:05
ほしゅ
- 70二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 15:10:12
保守
- 71二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 03:06:33
ほっしゅ
- 72二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 15:06:07
保守
- 73二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 02:47:23
ほ
- 74二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 03:03:41
hosh
- 75二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:38:23
保守
- 76二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:30:04
保守
- 77二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 06:07:20
保守
- 78二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 14:09:29
保守
- 79二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 02:05:33
ほs
- 80二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 12:25:40
s
- 81二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:37:24
保守
- 82二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 01:21:49
保守
- 83二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 06:26:02
h
- 84二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 14:57:05
保守
- 85二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 21:59:41
保守
- 86二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 04:44:16
保守