【ＳＳ】スイーツ禁止令｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21:23:29

チームスピカ　部室

「…よし聞けお前ら。知っての通り、来週はマックイーンにとって大事なレースがある。ただ先週、マックイーンはそれを知っていながらケーキバイキングでパクパクする罪を犯した。結果、本日の計測では目標体重+10kgとかいう大変情けない状態だ…」
「…よって！この一週間で徹底的に体重を落としてもらわないといけない訳だ！今日からレースまで一週間、俺はマックイーンにつきっきりでトレーニングと食事を管理する！すでに外泊届も出した！俺とマックイーンは(別室だが)近所のホテルに泊まらせてもらう！」
「他のメンバーについてはスマホから別途指示を送る！…それと、くれぐれもマックイーンにスイーツの差し入れなどするなよ！俺が全部止めるからな！」

ヨヨヨー（マックイーンが引きずられながら半泣きでホテルに向かう音）
………

『マックイーンさん、一週間スイーツ断ちが決まったからってこの世の終わりみたいな顔してましたね…』
『今練習メニューが回ってきたけど、徹底的に減量するつもりね…大丈夫かしら…』
『自分で蒔いた種とはいえ可哀想…せめて少しくらいは甘いもの食べて欲しいんですけど…」

『…ん、ちょうどいい段ボールがあるじゃねーか！ここはゴルシさまに任せておきな！』
『段ボールで何するの…？メタルギアごっこ…？』
『いいかテイオー。スイーツの詰め合わせをこの"飲料水　500mlペットボトル24本"のダンボール箱に詰めて差し入れとして渡せばいいんだ。それならトレーナーの監視も欺けるってわけだな！』
『そっか！ゴルシ頭いーじゃん！じゃあボク差し入れ用のお菓子買ってｸﾙﾈｰ！』

2二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21:24:20

ホテル　ラウンジ

『トレーナー！マックイーンにお水の差し入れ持ってきたよ！ランニングするなら必須ﾀﾞﾖﾈ！』
「おう、テイオーか。確かに…粗方練習道具は持ってきたが飲料水は買い揃えてなかったな、助かった！」
『それじゃあマックイーンのお部屋に持って行くねー！お部屋はどこどこ？』
「いや待て、テイオー。まず宿泊客以外はホテルの客室に入れないからな。中身を改めてから俺が直接マックイーンに渡すとしよう。」
『エッ、どうして？た、た、た、ただのお水ﾀﾞﾖｰ！？』

「…今の言葉を聞いて確信した。テイオー、この段ボール箱、中身が水の割には　ず　い　ぶ　ん　軽　そ　う　だ　な　？」

『アッ…！！！』
「ホラァ！中身を確認するぞ！！…ほら見ろ！中身はカステラじゃないかぁ！！」
『こ、これは南蛮渡来のカステラ状のお水"カステラ水"でございまして…』
「そんな水があるかこの嘘つきが！カステラは没収だぁ！！！これは責任取って俺が食う！！！！！！」モグモグモグモグ

『ｱｰﾝ！トレーナーのｲｹｽﾞｰ！！！』

3二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21:25:49

『おう、おかえりー。テイオー、どうだった？』
『トレーナーが一枚上手ﾀﾞｯﾀﾖ。箱が軽いのに気付かれて中身見られちゃった…』
『そうか、部屋までは直接トレーナーが持っていくわけか…軽いお菓子は全滅だな…』
『よし！次は俺が行く！水飴ってあるだろ？それならペットボトルに入れてもバレないはずだぜ！』

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「おうウオッカか、その箱は…差し入れか？」
『ああ！水を持ってきてやったぜ！』
「ああ、助かる。助かるが…先程テイオーが嘘ついてお菓子を持ってこようとしてな。お前のことを信頼していないわけではないが、中身を改める。」
『なんだぁ？中身見ても水しか入ってねえって！』

「…なんだ、ちゃんとペットボトルだな。普段の水よりは重い気もするが…こんなもんか。まあいいだろう。」
『だろー？じゃあ早いとこマックイーンに差し入れしてくれよな！なんなら俺が持って行くから』
「いや、念　の　た　め、一本飲ませてもらう。２４本入ってるなら一本飲む分には構わないだろう？」
『えっ！？いや、ほら、マックイーンだって女子だし成人男性が口つけたのを渡すのはヤバいって！！！！』
「小分けだからそこは問題ないだろうが！？　…ほら見ろ！ペットボトルの封が空いている！水以外の何かを詰めているっていうのはお見通しなんだよ！」
『しまった！！！』
「一応何を入れたかも確認するが…なんだこれ！？傾けても水が出てこねえ！！！………水飴じゃねえか！！！！」
「この嘘つきが！！これは没収！！責任取ってこの口をつけた奴は俺が全部飲む！！！残りもレース明けまでは没収だ！！！！！！」ズッ！ズゾゾッ！！！！
（※なかなか出てこない水飴をなんとか吸いだそうとする音）

『ちくしょー！！』

4二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21:27:05

『ダメだった』『バカね…』
『ペットボトルの中も改められるんじゃ、マックイーンさんにスイーツを贈るのは無理じゃないでしょうか…』
『よし、ここはゴルシさまの出番だ。差し入れを送らなくても、せめてトレーナーに一泡吹かせてやる』

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「頬が痛い…水飴ってペットボトルで飲むものではないな…それに、流石に甘いものばかり食べてると喉が渇いてきた…」

『おうトレーナー、マックイーンに差し入れ持ってきてやったぜー！！』
「何度も何度も来やがって今度はなんだ！？水だと言っても通さないからな！？」
『いや、育毛剤。』　「は？」
『マックイーンがウマッターで言ってたぞ、"スイーツ断ち中の今、楽しみといえば尻尾の半分に育毛剤を浸透させて、育毛剤使ってないところと対照実験するくらいしかありませんわ…！"って』
「そんなこと言うか！とりあえずお前らがなんとか俺の目を掻い潜ってスイーツの差し入れをしたいことはわかった！徹底的に調べ尽くす！！！！」
『お代官さま〜！おやめになって〜！！』「誰がお代官だ！」

「一応… ペットボトルに詰められているな。重さも普通…水飴ではなさそうだ。ただしペットボトルの封は空いている！言っとくが、サイダーとかでも没収するからな！」ゴクッ

「ゲェーーーッ！？」ブーーーーーーーッ

「ゴフッ、ゴフッ… 　　な、なんなんだこれ！？不味いし、なにか身体に良くない成分を取り込んだような気がする！！ゴルシィ！！！！一体なんだこれは！？」
『だから言っただろ育毛剤だって！まさかトレーナーが確認もせず育毛剤飲むやつとは思わなかったぜ』
「何入れてんだ、この…この正直者！！！」