【あにまん】エリ・エリ・レマ・サバクタニ 【青空文庫】

  • 1121/11/13(土) 22:08:33

    ついカッとなってスレを立てた。反省はしていない。


    以下注意事項


    *
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    この作品は↑の外伝みたいな作品となります。


    *作品を読んでいただけた方は、何となく察するかもしれませんがバッドエンドです


    *≫1の作品の人命などは羽毛布団の綿のように軽い(友人曰く)


    *内容や文章が肌に合わない方は読まない方がいい(友人曰く"万人受けはしない")


    *設定も話の流れもオチも決まっていないのに、投下する≫1に救いはあるのか

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:09:37

    青空文庫きた!やった!

  • 3121/11/13(土) 22:11:58

    主な過去作(ステマ)


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  • 4二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:13:55

    ま た お 前 か(歓喜)

  • 5121/11/13(土) 22:14:19

    では投下いたします

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:14:25

    「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」ふーん…

  • 7121/11/13(土) 22:15:21

    「信ずるものは"すくわれる"───その足元をね。」
                         ──鬼哭語り、ジャオフェイ


     「・・・・一体どうしたの?・・・・ギル・・・・?そんな驚いたような顔をして・・・・・?」──そんな言葉を述べながら、僕の母"アリシア・インブリー"は病室のベッドから目を覚ました。

    日付が変わった深夜の病室にて、この奇蹟の光景を目の当たりにした瞬間、僕は確信した──エジプトの地で闇黒の眠りについていたのは、正真正銘の『神様』であったと。

  • 8121/11/13(土) 22:15:52

     "我が主"が夢の中にその御姿を表されたのは、僕がミスカトニック大学の極秘研究チームへの参入を果たしたあの夜だった。夜の闇よりも暗い漆黒の領域の中で、動揺する僕に向かって"我が主"は、威厳に満ちた声でもって語りかけ、
    ハッキリと御言葉を下さった──その御言葉は余りにも力強く、僕の矮小な脳と精神、否、僕の中に宿る根源的な魂の渇きを大いに潤すほどであった。


    『よく祈り、囁き、強く念じなさい。迷える子羊たる貴方の"願い"を叶えてあげよう──貴方の母の罪が赦され、"救い"が齎される時が来たのだ。』


     母の事を知っているのか・・・・・!?──自分の心の奥底に隠した本心を見抜いたようなその言葉は、僕を大いに動揺させる。

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:16:33

    『ギルバート・インブリー。貴方の"主なる神"たる私は、貴方の苦悩と切なる祈りをよく知っている──私は貴方と共に苦しんでいたのだ。』

    『だが、私は貴方たちを見捨てた訳ではない。実は既に熟し、刈り取るべき時がきた──その信心は報われる。』

     気が付けば僕は大粒の涙を流し、とうとう"願ってしまった"──「母を、アリシア・インブリーを不治の病から救ってくれ」と・・・・!!

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:17:25

    ──そして、その"願い"は無事、叶えられた。"神"は確かに実在したのだ・・・・!!! 僕の人生の最大の目的は達せられ、その心と霊は大いなる救いと慈悲によって満たされた──もう何も言うことは無い。

    だが、それと同時に僕の今までの人生において築かれた全ての価値観や"常識"は、音もなく脆くも崩れ去ってゆき、ある一つの疑問と謎が瞬く間に胸を満たす──「一体、今までの苦労は何だったんだ」と・・・。

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:18:28

     "人類の英知?" 笑わせるな。一体僕がどれだけ、苦労をして今まで必死に、母の入院費を稼いだのか分かっているのか!? 結局、優れた最先端の医療や"名医"とやらは、母に何をしてくれた・・・・!? 結局は地に足のつかない学問と理屈ばかりで、救うことができなかったではないか!?

     それに一体何だったんだ?既存の"神"に対する祈りと信仰の数々は? 週末が近づくにつれ、教会への赴き奉仕をするよう勧める愚かな偽善者たち──「貴方の為を思っている」だと・・・!? お前たちは、僕たち家族の為に一体何をしてくれた!?  空虚な慰めの言葉しかくれなかったじゃないか!!!

     教会のエセ聖職者共は"信心"と称して事あるごとに布施を要求し、僕の必死の努力が実れば、それは「主のご加護」の賜物とほざき、何が不都合があれば「信心不足と原罪」を理由に全てを否定した・・・・!! お前らが盲目的に崇拝する十字架に架けられたあの"大工の息子"は、僕の母を救ってくれなかったぞ!!?

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:19:00

     腹の中で怒りが地獄の業火のように燃え上がり、やがて、それは僕をある一つの崇高なる目的へと駆り立てる──「僕が本当の"神"による奇蹟と救いを証明しなければ」と──

     そうだ。 それこそが僕の使命であり、僕がこの世に産まれた理由──今までの受難は、今日に至るための試練であったのだ。

     あの病室で最愛の母を抱きしめながら、僕はそう確信した。

                                                  ──明日も仕事なので続かない

  • 13二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:21:36

    鬼哭語りジャオフェイ・・・・

    不穏なタイトル・・・あっ(察し)

  • 14二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:28:08

    もしや1の作品の世界観は全て繋がってる・・・・?
    だとしたら、この世界もヤバいんじゃないですかねぇ・・・・

  • 15二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 22:43:42

    >>12

     そう覚悟を決め、今までの日常と世俗を全て捨て去る決心をした瞬間、僕にエレミヤやエゼキエルといった一神教の名立たる預言者達の如く、我が神から天啓と閃きの数々が下った──『我が御名において迷える者達を導き、"願い"を捧げよ。我はそれに"奇蹟"をもって答えん』と。


     その際、我が神は『その為の然るべき教団を設けよ』とも仰せになられ、その栄光ある救いの教団の名前をも授けて下さった──『"Wish to constellation 星辰に願いを"』──我が神曰く、それは星々の彼方に眠る真の神々の帰還と再臨を告げるものであり、この星の人間に対する"福音"だと述べられた。


     気が付けば、奇蹟の一夜を迎えた病室には、爽やかな朝の陽射しが差し込んでいた──興奮のあまり、眠る事すら忘れていたようだ。この素晴らしき日に昇った朝日の光景は、僕の脳裏に一生焼き付けられることだろう。

  • 16二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 22:44:23

     
     その後、僕はこの夜明けの如く降り注いだ人類に対する"福音"と母に起こった"奇蹟"の数々を、今までお世話になった教授達に告げるべく、急ぎアーカムの病院へと駆け付けた──が、その結果は極めて僕を不快にさせるものであり、同時に彼らに対する深い失望の念を抱かせるだけであった。

     残念ながら、旧き価値観に縛られた彼らには、到底理解ができないようだ──聖書の「種を蒔く人(※)」の例えはあながち間違いでは無かったか。

    (※)ルカによる福音書・第8章4~15節にある例え

  • 17二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 22:45:07

     だが、僕に悲壮感などは一切なく、我が神の天啓の正当性と優越性を誰よりも確信していた。次の日、僕は封筒でミスカトニック大学に退学届けを出すと、病室に集まった家族や親戚らに今までの出来事を全て話し、我が神を奉ずる救いの教団『"Wish to constellation "』を設立する事を告げ、それは僕の家族や親戚一同に大いに歓迎された──どうやら、家族らも我が神の偉大さを本能的に理解した様であり、それは僕の今後の布教活動に対する大きな勇気と原動力になった。

     僕は決して一人では無い──我が神と家族たち、そしてまだ見ぬ信仰の仲間たちがこの世界には必ずいる。未知ではあるが確実な希望に満ちた未来に対する僕の期待感は、その信仰心と共に否応もなく高まっていくのであった。

                                              ──明日も早いので続かない

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:06:31

    >>17

     様々な精密検査の数々とリハビリを経た後、無事に長きに亘る病院生活を終えた母は、僕たち家族とともにマサチューセッツ州・ニュートンにある実家へと戻り、そこに集った親戚や母に起こった奇蹟に興味を抱いた友人ら一同と一緒に、母の快気祝いとインブリー家の新たな門出を祝う盛大な祝賀を執り行った。


     祝いの儀は盛大な賑わいを見せ、この場に集った人々は僕が語る"神"の存在と、その実在証明となった母の病状の回復ぶりに興味津々のようであり、気が付けば、僕はあの"ナザレの大工の息子"の様に、様々な例え話を用いながら、その信仰と神の偉大さを熱心に語り始めていた──その熱弁ぶりと熱狂ぶりは、まるで"自分が何者かに憑依された"ようであった。

  • 19二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:07:12

     集った人々が僕の説法に耳を傾けていると、突然部屋の一室の明かりが消え、僕たちの間に予期せぬ不安と混乱が広がる──だが、次の瞬間にはそれは大いなる歓喜や歓声へと変わった。

     嗚呼ッ・・!!! 何という事だッ・・・・・・・!!!! 一体"我が主"は、何処まで僕たちに希望を示し、何処まで慈悲をお与え下されるというのかッッ・・・・・・!!!!──この奇蹟を見て、この顕現を見て、一体だれが我が神を疑うというのかッッ!!!? もし、そんな冒涜的かつ不信心な輩がいれば、僕たちが偶像を砕くが如く打ち砕いてやるッッッ!!!!!

     驚くべきことに暗くなったリビングの一室には、天国の光と栄光を体現したような、半透明の美しい「天使」様がその実体を表しになられたのだッ・・・・・・!!!!

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:07:57

    ⛧天使(エンジェル)

     天使はユダヤ教、キリスト教、イスラム教 の聖典や伝承に登場する神の使いである。

     英語の「Angel」はギリシア語のアンゲロス(αγγελος;angelos)に由来し、その原義は「伝令」・「使いの者」である。古代ギリシア・ローマ世界では、アンゲロスは生身の人間としての伝令を表す言葉であると同時に、神々と人間の中間の霊的存在としての伝令を指す言葉でもあり得た。古代の非キリスト教徒のネオプラトニストは、アンゲロスを神々やダイモーンのような超自然的存在として扱った。

    また、「密使」を意味するペルシア語の「アンガロス」や「神の霊」の意であるサンスクリットの「アンギラス」も、ギリシア語のアンゲロスとともに語源に挙げられることがある。

  • 21二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:08:20

     キリスト教において天使は主の御使いであり、ヘブライ語聖書(キリスト教でいう旧約聖書)で天使を指しているヘブライ語の מלאך (mal'akh) も同じ意味である。語源が示すように、旧約・新約双方において、天使が神のお告げを伝える伝令としての役目を負っている場面はいくつも描かれている。また、天使たちは人間が歩む道すべてで彼らを守るよう神から命じられている(詩91:11)。

     しかし、ヨハネが天使より与えられた黙示を伝えるという体裁を取った黙示録では、伝令の枠に収まらない働きをしており、天使が吹きならすラッパにより世界に災厄が訪れたり、天使たちが天で悪魔と戦ったり(黙12:7-9)している。また マタイの福音書25:31-36 の記述から、最後の審判にも天使が関わるものと考えられている。同じく、マタイの福音書24:36より、天使は全知ではないと考えられ、トマス・アクィナスもこれを支持している。
      

  • 22二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:08:38

     興味深い事に「仕える霊」としての「御使い」は捕囚期以降の観念であると考えられている。古い文書、とりわけモーセ五書に登場する「ヤハウェの使い」はむしろヤハウェの特別な顕現ないし密接な関係にある高次の霊と考えられた。セラフィムやケルビム、あるいはオファニムなども、「御使い」の意味での天使とは考えられていなかった。彼らは、神ヤハウェと密接な関係を持つ高次の霊ではあるが、何か異質な者と考えられていた(この考えはまた、初期のキリスト教の神学者たちも感じていた)。

     バビロン捕囚期以降、神が多数の霊に仕えられているとする観念が生まれ、この「天の宮廷」にバビロニア神話の影響をみるものもいる。また、後世にはおのおのの国にはそれを司る天使(国の君)がいるという考え方や、キリスト教徒の一人一人に付き添って信仰を守り導く「守護天使」なる概念が生まれ、守護天使の存在はカトリック教会で肯定されている(『公教要理』、『カトリック教会のカテキズム』を参照)。

  • 23二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:09:18

     『我が主を崇める「聖別」されし子羊たちよ。驚き、あやしみ、恐れおののいてはならない。私はかつてあり、これからもあり続ける神の御名において、この教会の"守護天使"を仰せつかったもの。』
     
     『これからは私が、我が主に代わり、迷える子羊らの「願い」をかなえ、"救済"を齎さん。』

     『だが、全てのものの「願い」を叶える事はできず。「パンを焼く者1人で、天の被造物の飢えは満たせない(※1)」の言葉通り、今は御業にも限界があり、縁なき不信心なる狼や忌むべき蛇の子らは、私達の信仰と祈りの家を容赦なく穢すであろう。』

  • 24二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:09:36

     『しかし、嘆き悲しみその霊を悲嘆で満たしてはならない。汝らは福音を告げる者として、"縁ある者"だけに我が救いの教団への道筋をつけ、"穀物の刈り取り"を行え。「正しい人々の収穫(※2)」の例えの如く、今日、汝らの蒔く福音の種が、主の"収穫"を豊かにするのだ。』

     『"縁ある者"を見分ける閃きと霊感は、我が力を通じてその霊が感じ取る。恐れずに"福音"を告げよ。』


    ※1 昔、発掘された「ユダの福音書」に記された一節(詳細不明)。
     
    ※2 「ヨハネの黙示録」:14:14~20の「人の子の刈り取り」を参照。

  • 25二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:10:17

     僕たちは気が付けば、恍惚的な表情を浮かべながら、歓喜の涙を流し、芳醇な最高級の美酒に酔うが如く、天使様の言葉に酔いしれていた。

     最早、言葉などいらなかった。あの時、僕たちはみな一様に確信しただろう──「今までの既存の宗教や信仰とは全く違う。僕たちはようやく本物の信仰と救いを手にしたのだと・・・・!!」

     ──だが、今思えば、そうでは無かった。何故、僕たちはあの時思い出さなかったのであろうか。「サタンも光の天使に擬装する(※3)」というあの教えを何故、あの時に・・・・!!!
     
                                                  ──夜勤明けで死にそうなので続かない


    ※3 「コリント人への第二の手紙」: 11:14を参照

  • 26二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 15:22:50

    乙。この天使はアカン…

  • 27二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 19:01:41

    う~んこのペ天使臭

  • 28二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:40:28

    >>25

     次の日僕たち家族は我が家を『"Wish to constellation "(以下"WtC")』の栄えある教会として活用する事に決め、あの時、我が家にいた27名は天使様のお言葉通りに"福音"を告げるべく、"縁ある者"達を探し始めた。


     そして、"縁ある者"達の探索は、驚くほどスムーズにいった──何故なら、"縁ある者"を見つけた瞬間、天使様のお声が脳内に響き渡り、語りかける僕たちの舌と言葉を聖霊が満たすの感じ取れたからだ。

  • 29二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:40:45

     細心の注意を払った僕たちの布教活動は、徐々にしかし確実に実を結び、気が付けば信徒の数は3倍にまで膨れ上がっていた。今や我が祈りの家は天使様の介入による奇蹟の実現、そして家族らで寄せ集めた大量の資金と寄付金を投入した結果、地元の教会に負けぬほどの権勢を手に入れ、地元ニュートンにも『WtC』の信徒は着実に増えつつある──特に週末ともなれば、新たに入信した"縁ある者"たちの救いを"願う"声で、我が教会の一室は満たされ、その熱気たるや言語に尽くせぬ程であった。

  • 30二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:42:02

    「天使様!!どうか、どうか、私の願いを──」「天使様、お願いです!!私の子供の難病を──」「天使様ぁ!!我が家をどうか貧困から──」「嗚呼、偉大なる主の御使いよ!!何卒、私の願いを──」「──天使様!!天使様!!どうか、どうか私の願いを先に!!」「──どうか救いを・・・」「──お願いいたします!!天使様!!」「天使様、ぼくの願いをお聞き届けください!!ママを、どうかママを助け──」 「天使様!!どうか、私たち家族に神の栄光とお力を──」「天使様、どうかお願いです・・・・私の切なる祈りをお聞き届けください──」「──お、お願いだッ!!天使様!!俺の"願い"を叶えてくれ!!──」「本当に、本当に神は実在したんだ…!!て、天使様、どうか我らを"お救い下さい"──」「──天使様!!我ら迷える子羊に道をお示しください・・・・!!!」「おお、おお天使様!!!どうか次の選挙で私が───」「天使様・・・・!!どうか、アイツに、憎きアイツに神の裁きを!!──」

  • 31二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:43:46

    「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」「天使様!!」

  • 32二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:44:26

    「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「────天使様!!!────」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

  • 33二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:46:17

     


     ───この世にタダなモノなど何もない───

     成程、確かにあの偽りの天使は、"嘆願者の願いは叶えたかもしれない"───だが、愚かな彼らは気付いているのであろうか?

     "幸福"だという今現在の状況が、"願いを叶える前よりも遥かに悪化している"という最悪の事実に?

  • 34二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:47:22

     
     確かに信者である一人の主婦は願いを叶え、充実した日常を送っているかもしれない──だが、今やこの主婦は平凡な幸福に溢れていた家庭や愛する家族よりも、教会の活動にその全身全霊を注いだ結果、その家庭は崩壊寸前であり、彼女は家の貯金をも容赦なく切り崩している。

     また、別の信者は難病の幼い我が子の命の救いを願い、それは確かに叶えられた──だが、その難病の持続的な医療費の額は莫大であり、この家族は今や自分達の生活に困窮しつつある。そして、彼女の夫は、経済的な重荷となった難病の我が子の死を今や何よりも願っている。

  • 35二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:48:11

     

     嗚呼、愚かなギルバート・インブリー。お前は結局、誰も幸福にしていない。

     かつて聡明だったお前は今や呪われており、数多くの盲いた子羊たちと共に昏き陰府の道を歩もうとしている。

     哀れなギルバートよ? お前とその近しい者達は気付いているのか───最愛の母の異様な行動に?

  • 36二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:49:07

     ───何故、お前の母は日課である散歩を不規則な時間に終えると、その衣服の一部が乱れ、かつ"奇妙な赤色で染まっているのか?"

     ───何故、お前の母は、以前よりも肉の量を消費しているのか?───嘗ての母が菜食主義者であったことなど当に忘れていたか?
     
     ───何故、お前の地元で不可解な猟奇殺人が頻発しているのであろうか?───その犯行現場の数々において、お前の母に酷似した存在が目撃されているというのに、どうして気が付かない?

     
    ──そして、何故、お前たちは気が付かない?──あの天使が時折見せる、底無しの悪意に満ちた微笑みに・・・!!
     

                                             ───多分、そろそろ終わる

  • 37二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:33:51

    >>36

     あっという間に3年の月日が過ぎ、気が付けば月日は11月末。地元はおろかアメリカ合衆国全体は、今やクリスマス一色に染まりつつあり、それは我が教会も例外では無かった。


     思えば色々あった。僕の活動に共感したルシアの願いが叶えられた時、僕を含めた信徒達はどれほど共に歓喜し、共に喜びの涙を流したことか・・・・!!あの感動は今も忘れられない・・・・!!


     僕がそんな事を振り返っていると、11月最後の週末を迎えた我が教会で最も広い一室には信者の殆どが集い、今や日課となった天使様の降臨を待ち侘びていた──何やら、天使様直々に新たな啓示を下さるようで、信徒らは今か今かとその時を待ち続けている。

  • 38二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:34:56

     しばらくすると、あの時のように部屋の明かりが消え、突如として天使様が降臨された。言うまでも無く部屋は大いなる歓声に包まれたが、僕は興奮状態にある信徒達を宥め、教祖である僕が彼らを代表して、天使様に質問を述べた。

     「──天使様。本日は如何なるご用件でございましょうか? 貴方様のしもべはここにおります。何卒、我等に我が主の御言葉をお伝えください。しもべは今か今かと、その御言葉を待ち続けております。」

     『・・・・よく集った。「聖別」されし子羊らよ。今日集ってもらったのは、他でもない。汝らの労苦と努力が遂に確かな実を結んだ今、"我が主"がこの場に直々に顕現される──!!』

  • 39二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:35:39

     



          「「「「「「「「「「「「────────!!!!!!!???」」」」」」」」」」」


     「・・・・い、今何と・・・・!!!?」────さしもの僕も動揺と混乱が抑えきれなかった。"我が主"がこの場に降臨される・・・・・!!? い、一体何が起こるというんだ・・・!?

  • 40二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:36:57

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  • 41二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:37:56

     予期せぬ事態に動揺を隠せぬ僕らを尻目に、部屋を覆う暗闇の濃度が徐々に濃さを増していくのが分かる。そして、この闇の中だというのに、祭壇の奥から何かが徐々にこちらへと近づいてくるのが分かり、そこから名状しがたい存在感が放たれる。

     ───そして、遂に漆黒の闇の中から、我が神がその御姿を現した・・・・・!!!
     
     その御姿を目にした瞬間、僕を含めた信徒一同は一斉に地面に跪き、無意識の内に五体投地を行っていた──感動の余り、最早言葉など無かった。

  • 42二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:38:47

     『・・・・さあ、我が主よ。この者達にお言葉を。』

     そう天使様が発言を成された後、とうとう我が神は直々にお言葉を下さった──が、その発言は我々の耳を疑うものであった。
     
     『今までご苦労であった──哀れな土くれども。お前たちの望み通りに"福音"を──我が大いなる父"tuァ屠ゥגואה "の贄となる"救済"を与えよう───』

  • 43二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:40:01

    「────────えっ?」──思わず、僕が間抜けな一言を発すると───

     闇の奥から毛むくじゃらの長い手が伸びたと思いきや、茫然とする信徒達の多くを鷲掴みし、彼らを容赦なく握り潰す。


     ブチィ・・・・グチュ・・・・ぐちゃぁッ・・・・


     そして、彼らは想像を絶する不快な音とくぐもった悲鳴を上げながら、哀れな肉塊と化し、闇の中に潜む巨大な"ナニカ"がそれを咀嚼する音が広がる──完璧な闇の中だというのに、僕らはそれをハッキリと理解できた。

  • 44二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:40:34

     茫然自失としていた僕らの内の誰かが、凄まじい悲鳴を上げると連鎖的にそれが広がり、気が付けば闇の中の一室は、想像を絶する阿鼻叫喚の悲鳴と恐怖に包まれた。

     
    「い、いや、嫌ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ママ!!ママぁッ!!!!!!!」「どういうことだ!!!これはぁッ!!!?」「・・・・い、一体、一体、何が起こっている!!!?」「──逃げろ、逃げろォッ!!!!」「──!? と、扉、扉が無いッッ!!!!!?」「う、嘘でしょ・・・・・!!?」「ゆ、夢だッッ・・・・!!!これは夢なんだ──!!!」「い、嫌だ・・・・!!嫌だッ!!!!死にたくないッッ!!!!!」「・・・・き、教祖様・・・・!? 何故、何故、この様な事に──!?」


    「・・・・・て、天使様、我が主よ!!!!こ、これは一体どういうことですかッッ!!!!??」──余りの事に理解が追い付かない僕が二人の方を見て、思わず問い詰めると──

  • 45二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:41:27

    『・・・・ヒ、ヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・・!!!』──この光景を見ていた天使様は、突如として、その外見からは想像をもつかないほどのゲスな声で嗤い始め──

    『ヒャハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!!!!! 望み通り"すくわれた"じゃねーかよぉ~!!!!!!!!そのがら空きの足元をなぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!!』──天使の化けの皮が勢いよく剥がれたと思いきや、そこから干からびた象のような頭部を持ち、全身が腐敗して蒼ざめている悍ましい悪魔が姿を現した。

  • 46二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:42:44

    『──私は約束を違えてはおらぬ。「御使い」を派遣して、お前達人間どもの飽くなき"願い"を叶え、我が大いなる父の贄となる"福音"を告げ、畏れ多くも"父"はお前達を"死"によって"救済"している──お前達のような欲深き輩にとって、実に相応しい信仰の結末だ。』


    『それによぉぉぉ~、お前の母親をよく見てみろよ? あの状態からよくここまで元気になったじゃないか!? 実にいい"喰いっぷり"だぜェ・・・・!?』──悪魔が指さす方向に目をやると──

     ──血走った眼をした母が、恐怖の表情を浮かべながら、事切れている父の顔を容赦なく齧り、その脳髄を賞味していた。

  • 47二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:43:42

    「あ・・・・・・あっ・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!」

  • 48二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:44:27

     それから後の事はもう覚えていない。僕を信者たちはみな狂い始め、自身が生き延びて贄となる事を避けるべく、老若男女問わず凄惨な殺し合いを始めており、僕は涙を浮かべながら、狂った母を惨殺していた。

  • 49二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:45:55

     

     すると、母を殺して呆然としている僕をあの長い手が掴み、容赦なく闇の中へと引きずり込んだ。

     ──やがて、眼前には太ったナマケモノとヒキガエルの悍ましい合いの子のような、巨大な怪物が闇の奥底で鎮座しており、眠そうな目でこちらを凝視した奴がその口を勢いよく開いた

    「ああ・・・・・わが神・・・・わが神・・・・何故、僕をお見捨てになったのですか・・・・・・」──思わず僕は、十字架に架けられた"大工の息子"が、最期に呟いたであろう言葉を発していた。


                                                    ──終わり

  • 50二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 00:02:12

    乙でした。ところで>>1さぁ…

  • 51二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 00:15:30

    この青空文庫曇天なんですが・・・

  • 52二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 13:21:23

    気になったから取りあえず一通り読んだ

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