あにまん絶滅動物図鑑ㅤ第2巻

  • 1絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:06:50

    第1巻

    あにまん絶滅動物図鑑|あにまん掲示板メジャー、マイナー問わずこの数百年で絶滅した動物を紹介していきたいと思います。質問・感想・保守は大歓迎ですが、関係ない話題に脱線すること、特に環境問題の話題で議論が白熱することは固く禁止します。私でな…bbs.animanch.com

    前スレでは紹介しきれなかった絶滅動物がまだまだいるので第2巻も立てました。


    前スレと同様にマイナーな種類を中心に絶滅動物を紹介していきます。


    質問・感想・保守は大歓迎ですが、環境問題の話題で議論が白熱することは固く禁止します。

    私でなくても紹介することは全然構いませんが、その時は下記のテンプレートを遵守してください。


    【テンプレート】

    ・【ランク】

    ・和名(英名の日本語読みも可)

    ・学名

    ・絶滅した年、または最後に目撃された年

    (1行開けて)

    ・説明


    次にランクの紹介です。

    EX・・・絶滅、EW・・・野生絶滅、CR・・・絶滅寸前

    EN・・・絶滅危惧、VU・・・危急、LC・・・低懸念

    DD・・・データ不足、NT・・・未評価

    といった従来の指標に加えて、本スレ独自に

    UMA・・・絶滅は認められてないが絶滅した可能性が高い、もしくは生存個体が何年間も目撃されていない

    RD・・・絶滅したと考えられていたが、再発見された

    という2つのランクを補助的に使用します。


    大変長らくお待たせしました。

    絶滅動物紹介を再開します。

  • 2絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:07:23

    >>1

    【EX】

    和名・・・オオウミガラス

    学名・・・Pinguinus impennis

    1844年絶滅


    体長80cm、体重5kgにも達する大型の海鳥。ウミスズメ科で唯一の飛べない鳥だった。

    かつてはカナダやグリーンランド、ノルウェーやイギリス、そしてイベリア半島など北大西洋沿岸部の各地で繁殖し、非繁殖期は回遊していた。

    分類学的には遠い関係にあるのだが、その特徴と生態は非常にペンギンに似ている。


    ネアンデルタール人やネイティブ・アメリカンが大昔から狩猟していたことが調査から分かっているが、本格的な乱獲が始まったのは1534年のフランスの探検隊ジャック・カルティエのニューファンドランド島での大虐殺からである。彼はオオウミガラスを一日に1000羽以上も殺したと言われている。

    この話がヨーロッパに広がり、北大西洋中の繁殖地で狩猟が行われた。


    オオウミガラスは天敵の無い島で繁殖するため警戒心が一切ない上に繁殖力が低く、年に1つしか産卵しなかった。


    かつては数百万羽がいたオオウミガラスは、200年以上続いた乱獲によって18世紀後半にはかなり希少な鳥になっていたが、却って希少価値が着いたために剥製用の乱獲は続けられていった。

    1844年7月3日に抱卵中のつがいが見つかったのが最後の記録となった。1羽は棍棒で殴り殺され、もう1羽は縄で絞め殺された。残された卵は割れていたという。


    現在は80体余りの剥製と20体余りの骨格標本、70個あまりの卵殻のみが遺されている。

  • 3二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:16:48

    ちなみに元祖ペンギンはこの鳥を指す
    現存するペンギンはこの鳥に似ているからそう呼ばれるようになったそうです

  • 4絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:33:12

    【EX】
    和名・・・ムナグロアメリカムシクイ
    学名・・・Vermivora bachmanii
    1962年絶滅

    米国南東部と中西部の湿地で繁殖し、キューバで越冬する渡り鳥。アメリカムシクイ類はニッチを分担することで1つの地域で複数の種類が共生しており、本種は地表近くを好んだ。

    1832年に新種記載された後しばらく記録が途絶えていたが、1880年代から1910年代にかけて再び見られるようになった。
    最後に採集された標本は1940年代のもので、その頃から再び目撃例は減少し、1962年に目撃されたのが公式での最後の記録となっている。しかし、1977年と1988年、2000年代初頭にも不確かな目撃例がある。

    元々数が少ない鳥であったが、繁殖地の間伐と湿地帯の排水事業によって数を減らし、さらにハリケーンによる越冬地の壊滅的な破壊が致命打になって絶滅した。
    正式に絶滅が認められたのは2021年。

  • 5二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:35:38

    前スレのネクイハムシ初めて知ったけど面白いね
    なんで絶滅したんだろ?

  • 6絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:39:48

    【EX】
    和名・・・オガサワラガビチョウ
    学名・・・Zoothera terrestris
    1850年以前に絶滅

    小笠原諸島父島の固有種の小鳥。
    1828年に父島で4羽が採集されて以来記録がない。
    移入されたクマネズミやネコによって捕食されたことで絶滅したと考えられている。
    日本には標本はなく、ライデン、ウィーン、サンクトペテルブルク、フランクフルトの各博物館に1つずつ収蔵されている。

  • 7二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:44:00

    スレ主に質問
    DDに分類されてるっぽい哺乳類の死骸見つけて冷凍保存してんだが専門家とかに持って行った方がいい?
    DDはそんなに珍しいもんでもないから迷惑?

  • 8二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:46:27

    >>2

    いつ見ても胸くそ悪いラストだな、ステラーカイギュウに並ぶ胸くそ悪さ

  • 9二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:47:14

    このレスは削除されています

  • 10絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:48:45

    なにか紹介して欲しい生き物があれば承ります

  • 11二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 16:53:02

    >>9

    大阪府でニホンジネズミ拾った

    俺は専門ではないが調べた感じトガリネズミであることは確からしく大阪府のRDBに載ってるトガリネズミ科はみんな珍しい位置付けだったっぽいからどうしようってなってた

  • 12絶滅動物紹介人21/12/01(水) 16:55:36

    >>7

    DDは情報が不足していて生息情報が満足に評価されていないので、寧ろ絶滅の危険性が高い種類が多い印象です。知名度も低い種類が多いのも特徴です。


    前スレで紹介したバライロガモやオガサワラムカシアリもDDですし、日本産だとセンカクモグラやクチバテングコウモリのように標本が1つしか採集されていない生き物も暫定的にDDにされることが多いです。

  • 13二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 17:00:03

    このレスは削除されています

  • 14721/12/01(水) 17:03:14

    >>13

    哺乳類研究してる教授かなんかに届けようか骨格標本作ろうか迷ってたが博物館のがいいのね

    地元の適当な博物館より発見場所に一番近くて哺乳類の展示をしている博物館がいい?

  • 15絶滅動物紹介人21/12/01(水) 17:05:26

    >>14

    博物館や大学は分野によって得意不得意があるので、ネットで事前に調べてから適切な博物館に申し出るのが1番無難だと思いますね

  • 16721/12/01(水) 17:08:53

    >>15

    軽くググったら哺乳類を展示してる博物館が全くねぇ…

    公立の動物園とかではダメ?

  • 17絶滅動物紹介人21/12/01(水) 17:14:24
  • 18721/12/01(水) 17:17:00

    >>17

    ちょい遠いけど俺もここぐらいしか検索して出なかったから電話してみるわ

    サンクス

  • 19二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 17:22:08

    え?さっきから話してるのは珍しいネズミなの?
    会話についていけない…
    どのへんが珍しいか教えてえろい人

  • 20二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 17:33:34

    >>19

    DataDeficlent(データ不足)に認定されてる奴

    なんでも良いから情報が欲しい奴が認定される

    絶滅してたって言う結果も結構ある

  • 21二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 18:33:33

    なんかこのままだと日本のオオクワガタも野性絶滅しちゃうんじゃないか?
    そんな多いわけでもないのに採取されまくってるんだろ?
    絶滅危惧種ぐらいにはなりかけてるらしい

  • 22二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 18:56:26

    >>21

    ムシキングが流行ってた頃のコロコロで

    オオクワガタが減少している!

    今のうちに捕まえよう!


    とか煽ってて引いたわ

  • 23二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 22:24:53

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 22:28:21

    カブトムシとかいる林が家の近くにあるんだけど昔ホームレスのような風体のおじさんが
    家の前を通った時に自転車にくくりつけてあるカゴの中いっぱいに入っているカブトムシを見せてくれたよ
    売りに行ったんだろうな
    あれから家の明かりに寄ってくるカブトムシの数がどんどん少なくなった

  • 25絶滅動物紹介人21/12/01(水) 22:48:27

    【EX】
    和名・・・サルデーニャナキウサギ
    学名・・・Prolagus sardus
    18世紀末〜19世紀初頭に絶滅

    現在のウサギの仲間はウサギ科と原始的な形質を残したナキウサギ科の2つに分けられるが、サルデーニャナキウサギはプロラグス科の最後の生き残りであった。
    プロラグス科は新第三紀にヨーロッパで繁栄した原始的なウサギで、地中海沿岸を中心に分布しており、化石種は20種類以上も知られる。しかし、第四紀以降の他のウサギや齧歯類との競走に敗れ、コルシカ島とサルデーニャ島及びその周辺の島々に追いやられてしまった。

    サルデーニャナキウサギは、書物や化石からかつては島の標高0〜800mの地域に大量に生息していたことが分かっている。しかし、約6000年前に島にやって来た人間に食用として狩られたことに加えて、生息地が農地に開拓されたことや、人間が持ち込まれたウサギの病原体に感染したことで大きく数を減らし、本島からは絶滅した。

    本島付近の小島では1770年代までは生息していたのだが、その後人間がこの島々にも入植した為に同様の道を辿り絶滅した。

  • 26二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 23:11:35

    やっぱり生息域を拡大し続ける人間と一緒に行動出来るげっ歯類の影響が凄いな

  • 27絶滅動物紹介人21/12/01(水) 23:37:49

    【EX/UMA】

    和名・・・ザンジバルヒョウ

    学名・・・Panthera pardus adersi

    1990年代絶滅?


    タンザニア沖の島国ザンジバル産のヒョウの個体群。今回は便宜上学名にP. p. adersiを採用したが、近年の遺伝子解析によってザンジバルヒョウはアフリカヒョウP. p. pardusのシノニムであることが分かって来ているため、一般的にこの学名は使われない。


    ザンジバルヒョウは元々個体数も少なかったので、人間との軋轢はあまり生じてこなかった。しかし、20世紀になって人口が増加したことにより、人々とヒョウの接する機会も増加した。島ではヒョウは「魔女の使い」として恐れられ、村人たちは危害をもたらす存在として信じて疑わなかった。ザンジバル革命後には政府もヒョウの駆除キャンペーンにまで賛同したことでヒョウは狩り尽くされ、最後の目撃例は1980年代のものだがそれ以来記録が無かった。

    1990年代からは保全活動の動きも出てきたが既に手遅れだった。



    しかし、2018年になって無人カメラで撮影されたことから完全には絶滅していないことが判明した。

    だが、絶滅の可能性は依然として高い。

    Wildlife Expert Catches 'Extinct' Zanzibar Leopard on Camera


  • 28絶滅動物紹介人21/12/02(木) 09:30:19

    【EX】
    和名・・・ボリエリアボア
    学名・・・Bolyeria multocarinata
    1975年絶滅

    別名ボアモドキ。ボア類はヘビの中でも原始的な形質を残しているグループだが、本種はさらに原始的な形質を残している。
    ラウンド島の固有種として記されていることが多いが、かつてはモーリシャスのフラット島やパス島、ガンナーズクオインにも生息していたことが化石記録から分かっている。

    人には無害な地中性のヘビであったが、ヘビはキリスト教徒からは蛇蝎の如く嫌われていた為に殺された。また、ヤギやウサギによる土壌流出や人間によるヤシ林の伐採によって生息地が失われたことも絶滅の一因になった。
    1949年頃には既に稀な種類であり、1974年にラウンド島で見つかったのが最後の記録である。

    ちなみにモーリシャスにはもう1種類ラウンドボアが生息している。こちらもかつてはモーリシャスに広く生息していたが、同様の理由で激減し、ラウンド島に僅か200匹余りが残るまでになってしまった。しかし、こちらは手厚い保護により現在は1000匹を超すまでに増えてきており、モーリシャス本土にも再導入が進んでいる。

  • 29二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 09:45:36

    良いスレ保守

  • 30二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 15:10:10

    >>2

    ラスト酷すぎて泣きそう

  • 31絶滅動物紹介人21/12/02(木) 16:28:54

    【EX】
    和名・・・ゴクラクインコ
    学名・・・Psephotus pulcherrimus
    1927年絶滅

    オーストラリアのクイーンズランドからニューサウスウェールズにかけての固有種。川岸の草原やアリ塚の周辺を好み、一日の多くの時間を地上での採食に費やした。
    極めて美しい色彩の鳥で、イギリスのコレクターから珍重され乱獲が進んだ。しかし、長期飼育は難しく多くの個体がイギリスに到着する前に死んだ。
    また、他のオウム・インコとは異なり、アリ塚に巣穴を掘って産卵するという独特の生態を持っていた為に飼育下繁殖も上手くいかなかった。

    1845年辺りから珍しい鳥となった。乱獲の他にも、移入されたネコやネズミに捕食されたことや、生息地が開墾されたことも絶滅の一因である。
    しかし、19世紀初頭に生息地で起こった深刻な旱魃が決定打となり急速に個体数を減らしていった。

    1927年9月14日に抱卵中のつがいのインコが目撃されたのが最後の目撃例である。その後、このつがいは巣に帰ってくることはなく、卵も腐ってしまった。

  • 32二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 16:45:54

    >>31

    綺麗な鳥

    ラストの抱卵中のつがいのインコの卵のくだりが悲しい

  • 33二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 16:50:36

    >>19

    ネズミじゃなくてモグラ

    世界でも極めて稀な毒を持つ哺乳類(人間には微量だから効かない)

  • 34二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 00:35:10

    保守

  • 35二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 06:23:48

    保守!
    胸が締め付けられるようだ

  • 36絶滅動物紹介人21/12/03(金) 12:33:55

    保守のお気持ちは大変嬉しいのですが、このスレはその他話題カテゴリなのでそんなに頻繁に保守しなくても落ちませんよ

  • 37絶滅動物紹介人21/12/03(金) 22:03:43

    【CR】
    和名・・・コガシラネズミイルカ
    学名・・・ Phocoena sinus
    2020年時点で10頭未満
    2022年に絶滅が予想される

    別名ヴァキータ。メキシコ本土とバハ・カリフォルニア半島との間にあるカリフォルニア湾最奥部の小さな範囲のみに生息する世界最小のイルカの仲間である。パンダのような愛くるしい見た目と最大でも1.5mにしかならない小さな体が特徴的。水深40m以下の沿岸部に生息し、大きな群れは作らず10頭未満の小さな群れで活動する。

    しかし、コガシラネズミイルカはこの数年のうちに絶滅することがほぼ確実視されている「世界で最も絶滅の危機に瀕した生き物」の1つでもある。

    本種がここまで数を減らしたことにはトトアバという魚が密接に関わっている。

    トトアバも同じくカリフォルニア湾固有種で2mにもなる大型の魚である。この魚の浮き袋が中華料理の高級食材や漢方として珍重され、極めて高価で取引されている。トトアバも現在は絶滅寸前種で、メキシコ政府もトトアバの漁獲を禁止しているのだが、マフィアの資金源として違法漁業が絶えない状況にある。トトアバとコガシラネズミイルカはどちらも沿岸域を好むために混獲されることが多いのだ。
    その他にも灌漑によるコロラド川の水量低下や農薬の流入による生息環境の悪化も減少の一因となった。

    メキシコ軍と自然保護団体がその保護に尽力してきたが、その努力虚しく個体数は減少の一途を辿っている。
    20世紀末には約500頭いたと推定される個体数は、2015年には約60頭、2016年には約30頭、そして2020年には遂に10頭を割ったと推定されている。

  • 38二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:39:07

    トトアバについて調べてみたけど、凄いなこれ
    浮き袋が海のコカインとか呼ばれて、高いと1つ10万ドル近くで売られてるとか出てきたぞ
    現行の対策だと密猟とかでコガシラネズミイルカ共々絶滅しちゃうな

  • 39絶滅動物紹介人21/12/03(金) 22:45:39

    >>38

    トトアバは飼育下繁殖が簡単で成長が早いために養殖が進んでいるのがまだ幸いですね

    ネズミイルカの仲間は神経質なので飼育下での長期飼育は難しいと思います。おたる水族館と鴨川シーワールド以外に長期飼育に成功した記録を聞いたことがありません

  • 40二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 23:37:01

    >>39

    マフィアの方々も密猟なんて辞めて養殖すれば良いのに……まあ、トトアバから手を引いてくれるのが1番なんですけど


    コガシラネズミイルカは保護しようにも数が少なく警戒心も高く、やっと捕まえた個体もストレスで数時間で死んてでしまい、捕獲しての保護活動を中止せざる負えない程に繊細な生き物のようですね

    今の環境で十匹未満から改善されるのは難しそうですね

  • 41絶滅動物紹介人21/12/04(土) 00:21:50

    【EX】

    和名・・・クリスマスモリトカゲ

    学名・・・Emoia nativitatis

    2014年絶滅


    オーストラリア領のインド洋の孤島クリスマス島固有種のトカゲ。

    本種の属するエモイア属はニューギニアからメラネシアにかけて分布する地上性スキンクで、本種だけがインド洋のクリスマス島に隔離分布している。

    1990年代まではクリスマス島で一般的に見られたトカゲだったが、人間活動と共に持ち込まれたシモフリオオカミヘビとアシナガキアリ(クレイジーアント)に捕食されたことで数を減らした。

    2000年代後半に豪政府は本種の保護に乗り出すが、得られたのは3匹のメスだけであった。

    その後も捜索は続けられたが、その3匹以外に見つかることはなかった。ガンプという愛称で親しまれた最後の1匹は2014年5月31日に死亡した。


    【EW】

    和名・・・クリスマスブルーテイルシャイニングスキンク

    学名・・・Cryptoblepharus egeriae


    【EW】

    和名・・・リスターヤモリ

    学名・・・Lepidodactylus listeri


    両方ともクリスマス島の固有種。

    どちらもクリスマス島では普通種だったが、前述のオオカミヘビとアシナガキアリによって野生では絶滅した。ただ、この2種類はモリトカゲとは違い、繁殖可能な数を保護出来たために、飼育下で順調に個体数が増えている。


    ブルーテイルシャイニングスキンク

    リスターヤモリ

  • 42絶滅動物紹介人21/12/04(土) 01:45:13

    【EX】

    和名・・・クリスマスクマネズミ

    学名・・・Rattus macleari

    1903年絶滅


    【EX】

    和名・・・ブルドッグネズミ

    学名・・・Rattus nativitatis

    1903年絶滅


    クリスマス島固有の2種類のクマネズミ。

    どちらも大型で人間への警戒心が全くなかった。


    クリスマスクマネズミは数が多く、チャレンジャー号探検隊のテントに入り暴れ回った記録が残っている。

    食性は肉食傾向の強い雑食で、クリスマスアカガニを食べていたと考えられる。実際に、当時のクリスマス島は現在ほどアカガニの数が多くなかった。


    ブルドッグネズミは名前の割におとなしい性質で、木に登ることはなく木の根の隙間や倒木の下に巣穴を掘り、少数の家族で生活していた。食性は草食傾向の強い雑食で、果実や種子、樹皮、芽を食べていた。


    19世紀、クリスマス島でリン鉱石が発見されたことで人間の移住が盛んになり、人間と共に流入したドブネズミやクマネズミとの競合、そして外来ネズミの持ち込んだトリパノソーマによって絶滅した。

    1902年から1903年にかけてネズミが大量死した記録が残っている。


    クリスマスクマネズミ

    ブルドッグネズミ

  • 43絶滅動物紹介人21/12/04(土) 01:45:54

    【CR/UMA】
    和名・・・クリスマストガリネズミ
    学名・・・Crocidura trichura
    2000年頃に絶滅?

    クリスマス島固有のトガリネズミ。トウナンアジアトガリネズミかハイイロトガリネズミの亜種とされていた時期もあったが、現在は独立種として認められている。寿命が1年未満の種が多いトガリネズミ類としては長寿で2年以上も生きるとされる。

    1958年に目撃されてから1985年に2個体が採集されるまで記録が途絶えていたが、それ以降も1996年から1998年にかけて不確かな目撃記録が数例あるのみで、絶滅した可能性が高い。

    外来ネズミが持ち込んたトリパノソーマ症のほかにも、クリスマスクマネズミが絶滅したことでアカガニが増えすぎてしまい、ニッチが重なるトガリネズミは激減してしまった。

  • 44二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 01:50:05

    >>43

    トガリネズミだ ありがたい

    てか寿命短っ!

  • 45絶滅動物紹介人21/12/04(土) 02:10:15

    【EX】
    和名・・・ユンナンイモリ
    学名・・・Cynops wolterstorffi
    1979年絶滅

    中国雲南省の昆明湖とその周辺の固有種。
    両生類は皮膚呼吸によって水中の毒素を吸収しやすいために水質汚染に関しては特に敏感である。
    本種も生息地周辺の住宅の増加に伴う水質汚染と外来種の増加によって絶滅した。

  • 46絶滅動物紹介人21/12/04(土) 02:30:17

    【EX】
    和名・・・フラットバーベルドキャットフィッシュ
    学名・・・Platytropius siamensis
    1970年代絶滅

    タイのチャオプラヤ川とバンパコン川固有のナマズ。
    名前の通り扁平な形状の頭部が特徴。
    生息地では河川の下流から中流にかけてよく見られた種類であったが、定期的に調査されているのにも関わらず、1975年と1977年を最後に記録が途絶えているため2011年に絶滅が認定された。

    バンコクの急速な都市化に伴う水質汚染に加え、都市拡大に伴う湿地帯の排水事業、ダム建設による個体群の分断が重なったことが原因で絶滅した。

    現像する唯一の標本はカセサート大学水産自然史博物館に収蔵されている。

  • 47絶滅動物紹介人21/12/04(土) 02:48:08

    【CR/DD/UMA】
    和名・・・セントヘレナダーター
    学名・・・Sympetrum dilatatum
    1963年絶滅?

    南大西洋の絶海の孤島、セントヘレナ島固有のアカトンボ。1889年の2月から3月にかけて採集された標本を元に新種記載された。
    1963年10月にメス1匹が採集されてから記録が途絶えている。
    絶滅している可能性が高いが、生き残っている可能性もゼロではないので辛うじてCRランクにいる。

    セントヘレナ島の生物相は貧弱ではあるものの、植物・昆虫のほとんどが固有種である。しかし、植民地化された時に放たれたヤギが環境を大きく破壊したことでセントヘレナ固有種の昆虫・植物はどれもCR(絶滅寸前)にカテゴライズされている。

  • 48絶滅動物紹介人21/12/04(土) 03:36:21

    【EX】
    和名・・・バミューダキンメフクロウ
    学名・・・Aegolius gradyi
    17世紀絶滅

    北大西洋の英領バミューダ諸島固有のフクロウ。
    人間の入植に伴う森林伐採や外来種の導入によって絶滅したと考えられているが、当時の資料には記載がほとんど無いため憶測の域を出ない。化石記録から北米産のアメリカキンメフクロウの近縁種であったことが分かっている。

  • 49二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 09:37:01

    環境汚染って多分、今の若い人達が想像しているよりもかなり酷いよ
    たかだか40年ぐらい前でもものすごい勢いで川とかヘドロみたいなもので汚れていって、あっという間にそれまで溢れていたような生き物たちがいなくなっていったからな…
    高度経済成長ってそんなもんよ

  • 50二次元好きの匿名さん21/12/06(月) 09:28:42

    保守

  • 51絶滅動物紹介人21/12/06(月) 23:15:00

    【CR/UMA】
    和名・・・ケバネウズラ
    学名・・・Ophrysia superciliosa
    1876年以降記録なし

    北西インド側ヒマラヤ山脈の固有種。
    現在まで12羽の標本が採集されているのみの希少種。
    元々2ヶ所の地点でしか繁殖が記録されていなかったが、人間の手によって繁殖地の環境が激変したことで絶滅したと考えられている。
    1804年の時点で極めて稀な種類だった。
    1876年に最後に目撃されて以来、150年以上も記録がない。

  • 52絶滅動物紹介人21/12/07(火) 00:09:48

    【EX】
    和名・・・ヤブガエル
    学名・・・Pseudophilautus sp
    1856年〜1933年にかけて16種類が絶滅

    ヤブガエル類は南インドの西ガーツ山脈、ケララ山脈からスリランカにかけて約80種類が知られる小型のアオガエルの仲間である。
    しかし、どの種類も生息地の破壊・消失やカエルツボカビの脅威に晒されており、実に16種が既に絶滅し、3種類が100年以上目撃例が無く、それ以外の多くの種類も絶滅が脅かされている。
    絶滅した16種類の殆どが最初に採集されたきり記録がない。

    2013年になって新たに8種類の新種のヤブガエルが発見された。このことから未だに未発見の種類が多数存在している可能性が示唆されており、もしかしたら誰にも知られることなく絶滅した種類もいるかもしれない。

  • 53絶滅動物紹介人21/12/07(火) 00:45:40

    >>52

    DIEジェストで

    【EX】

    和名・・・スリランカバブルネストフロッグ

    学名・・・Pseudophilautus adspersus

    1872年絶滅


    【EX】

    和名・・・ディンブラヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus dimbullae

    1933年絶滅


    【EX】

    和名・・・エグジミウスヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus eximius

    1933年絶滅


    【EX】

    和名・・・ブラントスナウテッドヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus extirpo

    1882年絶滅


    【EX】

    和名・・・パッティポラヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus halyi

    1899年絶滅

  • 54絶滅動物紹介人21/12/07(火) 00:59:35

    >>53

    【EX】

    和名・・・マルコムスミススヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus malcolmsmithi

    1927年絶滅


    【EX】

    和名・・・ハナジロヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus leucorhinus

    1856年絶滅


    【EX】

    和名・・・ミナミヤブガエル

    学名・・・ Pseudophilautus nanus

    1869年絶滅


    【EX】

    和名・・・シャープスナウトピグミーツリーフロッグ

    学名・・・Pseudophilautus nasutus

    1869年絶滅


    【EX】

    和名・・・ファーンランドヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus rugatus

    1927年絶滅


    【EX】

    和名・・・テンポラリスヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus temporalis

    1864年絶滅

  • 55絶滅動物紹介人21/12/07(火) 01:00:10

    >>54

    【EX】

    和名・・・ヴァリアブルバブルヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus variabilis

    1858年絶滅


    【EX】

    和名・・・シロアゴヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus zal

    18世紀絶滅


    【EX】

    和名・・・ルマッサラヤブガエル

    学名・・・Pseudophilautus zimmeri

    1927年絶滅

  • 56二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 01:58:17

    カエルツボカビ凄いなぁ
    ここまで来ると最終的にカエルツボカビに耐性のある一部の種しか残らないんじゃないかな

  • 57二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:00:26

    割と勉強になるスレ保守

  • 58二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 19:21:15

    【UMA】
    和名・・・イシガキニイニイ
    学名・・・Platypleura albivannata
    1971年に発見された石垣島固有種のニイニイゼミ
    発見時点で生息域が2kmとかなり狭かった
    外見、鳴き声ともに本土のニイニイゼミによく似ている
    発見当時は生息域こそ狭いものの、密度は高く生息数も安定していた
    しかし90年代に入ると何らかの理由により数が激減、慌てて保護された
    人工繁殖も検討されたが、あまりにも減少速度がはやく、生態もほとんどわかっていない上に、セミの飼育は非常に難しいため、生息域の保護に重点がおかれた
    しかしそれでも数は減り続け、ついに生息域は数百メートル四方にまで狭まった
    2003年から鳴き声を分析して大まかな生息数の調査が行われているが、毎年数匹しか見つかっておらず、2016年の4匹を最後に見つかっていない
    激減の理由は詳しくはわかっていないが、観光地化されたことなどが挙げられている
    しかし保護区は人の立ち入りは厳しく制限されており、自然は守られている
    ある程度人に管理された自然を好んでいたが、そういった環境が減ったことも一因といわれている
    なお生息域が重複している近縁種のヤエヤマニイニイもいるが、こちらの生息数は安定している

  • 59二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 12:18:02

    捕手

  • 60絶滅動物紹介人21/12/11(土) 21:47:39

    【EX】

    和名・・・ドウソンシンリントナカイ

    学名・・・Rangifer tarandus dawsoni

    1908年絶滅


    別名クイーンシャーロットカリブー。

    カナダ領クイーンシャーロット諸島のトナカイ。クイーンシャーロット諸島は湿度が高く、土地の殆どは湿地帯と針葉樹林に覆われていた。普通トナカイは冷たく乾燥した環境に生息するため、最初はこのトナカイの真偽については半信半疑であったが、1880年に頭骨と角の一部が英国国立博物館に送られて新亜種として認定された。

    ドウソンシンリントナカイは針葉樹林と湿地帯に適応した結果、体長は1.4m弱で体重は100〜130kgとかなり小型だった(一般的なトナカイの半分以下)。


    もともと数が少なかったのか、1908年に2人のハンターがオス2頭とメス1頭、そして子供1頭を見つけて子供以外を射殺したのが最後の記録となった。


    【EX】

    和名・・・ヒガシグリーンランドカリブー

    学名・・・Rangifer tarandus eogroenlandicus

    1900年絶滅


    別名ホッキョクトナカイ。

    トナカイの中で最も大きくなる亜種で、グリーンランドに生息していた。体は全身に灰色がかっていて背中だけが濃い茶色だった。


    1892年に初めてヨーロッパの探検隊に記録されたが、グリーンランドの先住民は昔から食糧と衣服を目的として狩猟を行っていた。先住民の狩猟圧が本種の減少を引き起こしたことはほぼ確実視されている。


    それでも19世紀末まではカリブーはごく少数ながらグリーンランドで見ることが出来た。


    破局をもたらしたのはホッキョクオオカミの侵入である。もともとグリーンランドではオオカミは確認されていなかったのだが、1899年に初めて島の東部でオオカミが確認された。グリーンランドの過酷な環境にはカリブーの捕食者となる生物は存在していなかった為、ヒガシグリーンランドカリブーは他のトナカイと比べて捕食者に対して脆弱であった。

    20世紀になってからは角と骨の欠片しか見つかっていない。

  • 61絶滅動物紹介人21/12/11(土) 22:09:25

    【EX】
    和名・・・アカガゼル
    学名・・・Gazella rufina
    1930〜40年絶滅

    アルジェリア北西部、モロッコとの国境付近のオラン南部に生息していたガゼルの1種。全長は1.5mあまりで、名前の通り赤みを帯びた体色が特徴的だった。
    知られている情報はオスのみで、メスを見たものは誰もいない。

    生息地周辺に住む遊牧民は昔からアカガゼルを狩ってその肉を食べていた。しかし、フランスとの戦争で近代兵器がアルジェリアにもたらされたことがアカガゼルの命運を決定づけた。
    自動車と道路の発達はハンターの行動範囲を広げ、銃は俊敏なガゼルを狩ることを簡単にした。さらにアルジェリア北部の人口増加に伴って農地が拡大されたこともガゼルを更に奥地へと追いやった。

    こうして多くの謎を残したままアカガゼルは姿を消した。現在は4体の標本が欧米の博物館に収蔵されている。

  • 62絶滅動物紹介人21/12/11(土) 22:50:56

    【EX】

    和名・・・タスマニアエミュー

    学名・・・Dromaius novaehollandiae diemenensis

    1865年頃絶滅


    タスマニア島エミューの固有亜種。研究があまり進んでおらず、豪本土のエミューと同種か別種であるかはよく分かっていない。

    豪本土のエミューと同じく、害鳥として徹底的に駆除された。1830年代の時点でかなり稀な鳥になっていた。加えて野生化した牧羊犬や人と共にやって来たクマネズミによっても数を減らし絶滅。


    【EX】

    和名・・・ドワーフエミュー

    学名・・・Dromaius novaehollandiae baudinianus

    1827年絶滅


    【EX】

    和名・・・クロエミュー

    学名・・・Dromaius novaehollandiae minor

    1822年絶滅


    前者はカンガルー島、後者はキング島に生息していた小型のエミューである。どれくらい小さかったかと言うと身長は87cm、つまり本土のエミューの44%の大きさしかなかった。

    どちらも19世紀初頭にフランスの遠征隊によって西洋へと伝えられ、ほぼ同時期に絶滅している。


    クロエミューは野生化では1805年頃に絶滅していたが、1ペアがフランスの動物園に連れて行かれた。しかし繁殖することはなく1822年の4月と5月に息を引き取った。

  • 63絶滅動物紹介人21/12/12(日) 00:05:26

    【EX】
    和名・・・マダガスカルジカッコウ
    学名・・・Coua delalandei
    1936年絶滅

    全長55cmにもなる世界最大級のカッコウの1種だった。マダガスカル島北東部やイル・ド・サントマリー島の湿地林に生息しており、主にカタツムリを食べて暮らしていた。本種を含むジカッコウ類は托卵を行わず、自分の子供を自力で育てる。

    もともと警戒心が非常に強い鳥だったので、絶滅する100年前でも簡単に姿を見られる鳥ではなかった。だが、その姿をひとたび見れば忘れられなくなる程美しかったという。嘴は長くて黒く、紺色の顔で目の周りが青。青緑の尾羽は長くて先が白くなっていた。

    マダガスカルがフランスの植民地となって移入してきたクマネズミに食糧を奪われ、森林地帯が農地や牧場として焼き払われたことで数を減らしていった。
    また、マダガスカルジカッコウは大きくて美しいことから剥製としても人気が高かった。

    1932年、商人たちはマダガスカルジカッコウの標本に高値を付けて捕獲をけしかけたが、結局1羽も見つからなかった。
    現在は14体の剥製が博物館やコレクターのもとに残されるのみである。

  • 64絶滅動物紹介人21/12/12(日) 01:02:52

    【EX】
    和名・・・トゲドワーフカマキリ
    学名・・・Ameles fasciipennis
    1871年絶滅 (認定されたのは2021年)

    1871年にイタリア中部のトレンティーノ地方で1個体が採集されただけのカマキリ。1963年以降、昆虫学者が何度も捜索を行ったのにも関わらず未だに記録が一切ない。農地の拡大で低木林が減少したことによって絶滅したとされているが、絶滅の正確な理由もよく分かっていない。
    ちなみに、トレンティーノ地方には他にもヨーロッパドワーフカマキリとイロアセドワーフカマキリがまだ生息していることから前述の説の信憑性は低い。

  • 65二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 19:14:41

    チベタンマステフみたいな奴って絶滅危惧種だっけ

  • 66絶滅動物紹介人21/12/13(月) 02:09:19

    【EX】
    和名・・・オークランドアイサ
    学名・・・Mergus australis
    1902年絶滅 (1905年説もある)

    ニュージーランドの南東300kmにある亜南極圏のオークランド諸島の固有種のアイサ。アイサ類は潜水に特化した海ガモで北半球に広く分布するグループである。南半球に分布するのは南米のクロアイサと亜南極のオークランドアイサのみで、本種のような飛翔力の弱い鳥がどうして強風吹き荒れる亜南極に渡って来たのかは未だに謎である。

    天敵のいない島に暮らしていたが、オークランド諸島が捕鯨船の寄港地として開発され、人が住むようになってから移入してきたクマネズミとブタに雛や卵を捕食され激減した。
    そうすると今度は鳥類学者がこの貴重な鳥の標本採集に夢中となった。19世紀末の30年間、ニュージーランドの船がオークランド諸島を訪れる度にオークランドアイサは捕らえられ、外国のコレクターに高値で売られていった。
    1902年、最後のつがいが撃ち落とされて剥製にされたことで絶滅した。

  • 67絶滅動物紹介人21/12/13(月) 02:29:36

    【EX】
    和名・・・バッドランドオオツノヒツジ
    学名・・・Ovis canadensis auduboni
    1920年代絶滅

    北米に広く分布するオオツノヒツジの1亜種。
    もともとはロッキー山脈に住んでいたオオツノヒツジが、次第に南北ダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、ネブラスカ州に移動を始め、バッドランドと呼ばれる岩石が剥き出しの地帯に定住するようになった。

    オスのバッドランドオオツノヒツジは現存種よりも大きく立派な角を備えていたが、その角はメスだけでなく人間までも魅了した。壁飾りとして尊ばれたのである。
    かつては200万頭がいたバッドランドオオツノヒツジは乱獲の末に断崖絶壁の岩山に追い詰められた。しかし、ハンターは追撃の手を緩めなかった。

    1905年にノースダコタで最後の1頭が撃たれたとされているが、サウスダコタでは1926年頃まで生存していたと信じられている。

  • 68絶滅動物紹介人21/12/13(月) 03:30:14

    【EX】
    和名・・・キタブタアシバンディクート
    学名・・・Chaeropus yirratji
    1907年絶滅

    【EX】
    和名・・・ミナミブタアシバンディクート
    学名・・・Chaeropus ecaudatus
    1945年までには絶滅

    1836年にイギリスの探検家ミッチェル少佐はオーストラリアのミュレイ地方で動物採集を行っていた。ある日、彼をガイドしていたアボリジニが木の洞に逃げ込んだ奇妙な動物を生け捕りにした。

    ウサギ大のその動物は、尾がなく、爪は2本だけが発達し蹄のようだった。この特徴は彼が以前、ウォリントン渓谷で発掘した化石の中に混じっていた生き物の特徴と一致した。ミッチェルは大喜びし、この生き物をブタアシバンディクートと名付けてオーストラリア博物館に保存した。

    その後、いくら調査しても"尾のない"ブタアシバンディクートは見つからなかった。懸賞金まで付けて探したのだが、どうしたわけか一向に見つからなかった。

    1857年、クレフトという動物学者がミッチェルが採集した地点に赴き、アボリジニに「ブタアシバンディクート」の絵を見せて「このような生き物がいたらぜひ持ってきて欲しい」と頼み込んだ。すると、彼は直ぐに珍しい動物を捕まえてクレフトのもとに帰ってきた。
    「どこで捕まえたのか?」とクレフトが尋ねると、彼は「こんなものは何処にでもいる」と答えた。不思議に思っていると、彼はクレフトが喜ぶだろうと思ってわざわざ尻尾を切って持ってきたのだという。

    ブタアシバンディクートは長い尾を持つが、縄張り争いが激しいために、ほとんどが尾を切れている動物であり、ミッチェルが採集したのもそういう個体だったのである。

    かつては中央から南オーストラリアの草原地帯や荒地に数多くいたブタアシバンディクートは、羊や牛の放牧によって住処を失い、持ち込まれたウサギを駆除するための罠やアカギツネや野良猫に捕食されてたちまち激減した。

    キタブタアシバンディクートは1901年と1907年の採集を最後に見られなくなり、ミナミブタアシバンディクートもその跡を追うように姿を消した。

  • 69絶滅動物紹介人21/12/13(月) 03:57:36

    【EX】

    和名・・・チビミミナガバンディクート

    学名・・・Macrotis leucura

    1960年代絶滅


    オーストラリアのギブソン砂漠とグレートサンディ砂漠の固有種。暑いときは地下深くに潜っているが、寒いときは地上付近の所にいることが多いので、アボリジニは寒いときに本種を捕獲していた。


    1887年に初めて記録されたが、目撃例の多い種類ではなかった。1931年、フィンレイソンはクーンシェリーで多くのチビミミナガバンディクートに遭遇し、12個体を採集した。これが生きたバンディクートの最後の目撃例である。


    1967年にノーザンテリトリーのシンプソン砂漠でオナガイヌワシの巣から1個体の頭蓋骨が拾われたのが最後の記録である。骨は15歳未満と推定された。


    絶滅の原因は放牧による生息地の破壊と外来種による捕食。


    【EX】

    和名・・・カタアカバンディクート

    学名・・・Perameles eremiana

    1943年絶滅


    ノーザンテリトリー西部、サザンオーストラリア州、ウエスタンオーストラリア州の砂漠地帯に生息していたバンディクート。

    スピニフェックスやトリオディアが生えた砂丘地帯を好み、個体数も多かった。


    砂丘の消失やアカギツネによる食害、ネズミが持ち込んだウイルス、そして外来種のアナウサギ駆除の巻き添えを食らって絶滅した。

  • 70二次元好きの匿名さん21/12/15(水) 17:25:24

    ほしゅ

  • 71絶滅動物紹介人21/12/16(木) 23:50:03

    【EX】
    和名・・・ミカヅキツメオワラビー
    学名・・・Onychogalea lunata
    1964年絶滅

    ミカヅキツメオワラビーの毛並みは滑らかで厚く、全体的に灰色であったが、肩の脇に白く鮮やかな三日月状の模様があった。頭から尾までの大きさは60cmほど。ツメオという名は、尾の先が3.5cmほどの円錐型の角質になっていたことに由来する。
    基本的に夜行性で、驚くと「ウー!ウー!」とけたたましい鳴き声を上げて跳んで逃げた。跳ねるときはいつも両手をクルクルと回すような格好をしていたと記録されている。

    他の多くの有袋類と同様に、本種もアボリジニの乱獲と野生化したディンゴによって数を減らしていった。しかし、絶滅へと導いたのはまたしても入植者たちだった。
    彼らは手をクルクル回す仕草からミカヅキツメオワラビーのことを「手回しオルガン弾き」と呼んだ。彼らは広大な土地を次々と開発して羊を放ち、狩りを楽しむためだけに、わざわざアナウサギを放った。これらの動物たちは着実にワラビーたちの生息域を侵していった。更に、動きが敏捷なワラビーはハンティングの格好の獲物となった。

    ミカヅキツメオワラビーは1904年から1907年までの4年間で23頭が大英博物館の標本のために採集されているが、1908年が最後の標本採集となってしまった。

    1964年、最後の1匹は手をクルクル回して跳ねていた所を心ない人間に撃たれて死んだ。

  • 72絶滅動物紹介人21/12/16(木) 23:51:14

    【EX】
    和名・・・シマワラビー
    学名・・・Notamacropus greyi
    1970年代絶滅?

    1672年、オーストラリア西部を航行中のフランシスコ・ベルサート船長の船がジェラルトン沖で難波し、命からがら上陸した。それが白人とシマワラビーの最初の出会いであった。
    100年後の1770年にクック船長がオーストラリアを訪れ、多数の野生動物の記録をヨーロッパに伝えた。

    シマワラビーもミカヅキツメオワラビー同様に極めて敏捷に逃げ回ったために、アボリジニも滅多に食べることは無かった。

    19世紀になると、家畜を引き連れた移民たちが次々と入植し、開拓に精を出した。しかしどういうわけか、ワラビーは農地を荒らす害獣と見なされ、1匹頭6ペンスもの報奨金が掛けられてしまった。それは貧しい農家たちにとって何よりの収入源となった。シマワラビーの美しく良質な毛皮も、この乱獲に拍車をかけることとなった。

    1850年代には大群が見られ、1910年にもまだまだ数は多かった。しかし、10年後の1920年には僅か14頭しか生き残っていなかった。

    1923年、ようやく保護の取り組みがなされたが、彼らは必死に逃げ回った。その最中に10頭が死んで、4頭だけが捕まった。
    1927年、1頭のメスが野犬に襲われて瀕死の状態になっている所が見つかった。人々は蘇生させようと試みたが、結局直ぐに息絶えてしまった。これが、最後の確実な目撃記録である。

    1939年、飼育下の最後の1頭が死んだ。
    その後もシマワラビーの目撃情報は亡霊のようにぽつぽつと報じられたが、それも1970年代になるとぱったりと消えてしまった。

  • 73二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 09:26:50

    ほんと害獣判定→絶滅の例多いなぁ…

  • 74二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 09:46:04

    >>73

    大手をふるって駆除できるからね

    懸賞金がかけられてるならなおさらよ

  • 75二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 12:49:44

    >>74

    害獣を保護しようとする人はいないだろうし、懸賞金までかけられたら止まらないよな……

  • 76絶滅動物紹介人21/12/20(月) 00:16:57

    【EX】

    和名・・・ウサギワラビー

    学名・・・Lagorchestes leporides

    1937年頃絶滅


    オーストラリア南部に生息していたワラビーで、耳介が長く、大きさも体色もウサギによく似ていた。夜行性だがミカヅキツメオワラビーやシマワラビーとは異なり、単独性で群れでは行動しない。

    特筆すべきはそのジャンプ力で、ノウサギ程度の大きさで一跳び2.5~3mにも達する。1863年のグールドの報告によると、頭の上を飛び越して逃げていかれたという。


    1865年の時点ではミュレイ川やダーリン川の平原では普通に見られたそうだが、1869年にメルボルン州で、1924年にはサウスオーストラリア州で、そして1937年頃にはニューサウスウェールズ州で絶滅が宣言された。

    絶滅の理由は急速な開発に伴う生息地の消失と移入されたアカギツネであるとされる。


    【EX】

    和名・・・ヒメウサギワラビー

    学名・・・Lagorchestes asomatus

    1960年代絶滅


    1932年にオーストラリア中部のフェアウェル山とマッカイ塩湖の間で1頭のワラビーが採集され、1943年に新種として記載された。当初は完全な標本だったのだが、どういうわけか今日では頭骨しか残されていない。

    ヒメウサギワラビーは塩性植物の茂みと低木が生えるオーストラリア内陸部の粘土質砂丘を好んでいた小型のウサギワラビーである。


    本種も野良猫やアカギツネに捕食されたことで個体数が激減した。また、過放牧や山火事によって隠れ家の低木が失われたことでさらに捕食者から狙われやすくなった。

    タナミ砂漠の個体群は1940年代後半に、グレート・ギブソン砂漠の個体群は1960年代に絶滅した。


    ちなみに現生種のコシアカウサギワラビーも本土では絶滅したが、かろうじて離島で生き長らえている。

  • 77絶滅動物紹介人21/12/22(水) 00:02:05

    【EX】
    和名・・・ヒロガオネズミカンガルー
    学名・・・Potorous platyops
    1875年絶滅

    ネズミカンガルーは原始的な小型夜行性カンガルーの総称で、3属8種が現存している。中でもヒロガオネズミカンガルーは、鼻面が短くて顔が広いために他のネズミカンガルーとは随分違った顔つきをしている。
    ネズミカンガルー類はカンガルー科の中ではニオイネズミカンガルー属に次いで原始的な種族だと考えられている。

    かつてはオーストラリア南西部とカンガルー島に広く分布していたことが後の化石調査からわかっているが、白人が初めて本種を記録した1840年には既に絶滅寸前だったと考えられている。海岸に近い森林や沼沢地、川沿いの低木林など薄暗くて湿った環境を好んでいた。

    1840年、ジョン・グールドが西オーストラリア州ワリエマ湖で本種を初めて採集し、その標本は大英博物館に送られた。その後1860年年代に4体の標本が採集され、1875年に1体が採集されたきり記録が途絶えている。その後は1933年に、死後しばらく経った死体が会得された記録が残っている。

  • 78絶滅動物紹介人21/12/22(水) 22:41:39

    【CR/RD】
    和名・・・ギルバートネズミカンガルー
    学名・・・Potorous gilbertii
    1908年絶滅ㅤ1994年再発見

    化石記録からかつてはオーストラリア西部に広く分布していたことが分かっているが、白人が入植してしばらく経った頃にはキングジョージ湾沿岸部のごく僅かな地域に限定されていた。
    彼らは沼地や小川の近くの茂みの中に円錐型の巣穴を掘り、昆虫の幼虫を主に食べて暮らしていた。

    ギルバートネズミカンガルーの名前は発見者でもあるイギリスの研究家ジョン・ギルバートに由来している。彼は、原住民が茂みをブロックして、大声を上げたり茂みを叩いてネズミカンガルー開けた場所に追い出して狩猟し、タンパク源としていたと記録している。

    しかし、ギルバートネズミカンガルーが激減した理由は原住民のせいではなかった。生息地に入植した白人たちはネズミカンガルーを農作物の害獣であるネズミと誤解し、ネズミ駆除のためにネコを野に放った。さらに、増えすぎたアナウサギ駆除の一環としてアカギツネも放たれた。彼らにとってネズミカンガルーは恰好のご馳走として捕食されていった。

    1866年に5〜8個体が、1869年につがいが採集されたのを最後に記録が途絶えた。そのため1926年に絶滅が宣言されたが、1933年にマーガレット川流域で1個体が採集されて大英博物館に送られた記録が見つかったことで絶滅宣言は撤回された。が、その地域をくまなく探し回っても結局ギルバートネズミカンガルーは発見出来ず、1937年に再び絶滅が宣言された。
    それ以来約60年もの間、本種は絶滅したと信じられていた。

    転機となったのは1994年、ギルバートネズミカンガルーらしきネズミカンガルーが自然保護区で目撃される。最初は誰も取り合わなかったが、捕獲調査を行ったことで本種だと同定された。
    現在では豪政府から手厚い保護を受けており、2016年には捕食者のいないミカエルマス島に放獣されたことで個体数は40頭から70頭にまで増えた。だが一方、捕食者の脅威は去った訳ではない上に感染症という新たな脅威も生まれ、まだ予断を許さない状況にある。

  • 79絶滅動物紹介人21/12/22(水) 23:06:53

    【CR/RD】
    和名・・・ウォンディウォイキノボリカンガルー
    学名・・・Dendrolagus mayri
    1928年絶滅ㅤㅤ2018年再発見

    インドネシア領ニューギニアの西パプア州トゥルク・ウォンダマ県ウォンディウォイ山の固有種。キノボリカンガルーの仲間はニューギニア島とその周辺の小島及び北オーストラリアの一部にしかいない希少種で、生息地の破壊によって全種の絶滅が危惧されている。
    中でも本種は特に生息域が限られている種類の1つ。

    1928年にエルンスト・マイヤーにより1個体の標本が採集され、1933年にロスチャイルド卿とガイドルマン大尉によって新種論文が発表された。それ以降ずっと記録が途絶えていたため、絶滅したと思われていたたが、2018年になって1個体の写真が撮られたことで90年振りに生息が確認された。

    ハンターが普段訪れない標高1500〜1600mの高地に生息するので再発見が遅れた。現在の生息範囲は300 k㎡未満、成熟個体数は約50頭と推定されている。

  • 80絶滅動物紹介人21/12/25(土) 13:26:17

    【DD/RD】

    和名・・・リオアパポリスカイマン

    学名・・・Caiman crocodilus apaporiensis

    1989年絶滅ㅤ2019年再発見


    中米から南米にかけて広く分布するメガネカイマンのコロンビアのリャノ地域固有亜種。他のカイマンに比べて口吻が細長く、黄色みがかった体色が特徴。


    1955年にフェデリコ・メデム博士によって20個体が収集されたことで世に知られたが、その後野生では1981年以降目撃されておらず、飼育下の最後の1頭も1989年に死んだことから絶滅したと思われていた。


    2019年に、ディスカバリーチャンネルの「絶滅動物探検隊」において、生物学者のフォレスト・ガランテの調査により生存していることが判明した。その際に採取されたDNAから、他のメガネカイマンとは400〜500万年前に分化したことも分かった。現在は亜種でなく独立した種とみなす説もある。

    Forrest Gets Proof That The Rio Apaporis Caiman Is NOT Extinct! | Extinct Or Alive?


  • 81絶滅動物紹介人21/12/25(土) 14:17:06

    【EN/RD】

    和名・・・ピノキオアノール

    学名・・・Anolis proboscis

    1953年絶滅ㅤ2004年再発見


    アノール類は小型のイグアナの仲間で、中米から南米にかけて約400種類が繁栄する大きなグループである。外来種として悪名高いグリーンアノールやブラウンアノールが代表種である。


    ピノキオアノールは、1953年にエクアドルで1個体のオスが採集されたきり記録がなかったため、絶滅したと考えられていた。

    しかし、2004年に現地の環境保護グループの3年間にも渡る調査の結果、60年ぶりに生きた個体が見つかった。その後2009年にニューメキシコ大学の研究グループによって5匹が確認されて、さらに数ヶ所の生息地も確認された。


    現在は高速道路の建設によって生息域が分断されている事で絶滅が懸念されている。


    【NT/RD】

    和名・・・フェルツコウカメレオン

    学名・・・Furcifer voeltzkowi

    1913年絶滅ㅤ2018年再発見


    マダガスカル島南部の狭い範囲にしか生息していない希少種中の希少種。1893年にドイツ人動物学者のオスカー・ボエッターによって発見された。その後1913年を最後に記録がなかったために絶滅した思われていた。しかし、2018年にドイツとマダガスカルの合同チームによる懸命な調査によって1世紀以上の時を超えて再発見された。また、メスのカメレオンも初めて見つかった。


    マダガスカル島南部は過酷なため、近縁種のスパイニーカメレオンは雨季が始まる11月上旬に孵化し、翌年4月まで急激に成長し、4月から10月までの乾季を夏眠してから11月に繁殖行動をする。また、別の近縁種のラボードカメレオンは、11月上旬に孵化してから2ヶ月で繁殖可能にまで成長し、生後4ヶ月で産卵して乾季に入る頃には死滅する。


    こうした短いライフサイクルに加えて、雨季の間のジャングルでは調査が困難なために100年以上も見つからなかった。

    生息地が限られていることに加え、環境破壊も進んでいることから絶滅の可能性は依然として高い。

  • 82絶滅動物紹介人21/12/25(土) 15:47:38

    【VU/RD】

    和名・・・オウカンミカドヤモリ

    学名・・・Correlophus ciliatus

    1866年絶滅ㅤ1994年再発見


    言わずと知れた爬虫類ペットの人気種。ペットトレードの歴史こそ他種よりも浅いものの、愛らしい見た目と飼育・繁殖が容易なことから様々な品種(モルフ)が生み出されていて、今やペット業界では不動の地位を確立している。


    しかし、本種は1866年にニューカレドニアで記載されてから1994に再発見されるまで絶滅していたと考えられていた。現在は研究用として欧米で繁殖された個体の子孫が流通しており、野生の個体の採集は禁じられている。


    【CR/RD】

    和名・・・ジャイプールホソユビヤモリ

    学名・・・Cyrtodactylus jeyporensis

    1877年絶滅ㅤ2010年再発見


    インドの東ガーツ山脈の標高1,200〜1,300mの半常緑樹林に生息する地上生ヤモリ。1877年に1個体が採集されたきり絶滅したと考えられていたが、2010年にインド生態科学センターのイシャン・アガルワル氏によって137年ぶりに再発見された。

    現在は東ガーツ山脈の2ヶ所の地点でのみ生息が確認されている。

  • 83絶滅動物紹介人21/12/25(土) 16:40:36

    【CR/RD】

    和名・・・デュヴォーセルオオヤモリ

    学名・・・Hoplodactylus duvaucelii

    1920年代絶滅ㅤ2009年再発見(NZ本土)


    第1巻で紹介した史上最大のヤモリ、デルコートオオヤモリの近縁種にして唯一の現存種。

    最大32cmにも達し、55年以上生きるが繁殖力が極めて低く、数年おきにしか繁殖しない。

    かつてはニュージーランド南北両島及びその周辺の島々に広く分布していたが、本土の個体群は白人入植後に激減し、20世紀初頭に絶滅したと思われていた。


    2009年にネズミ捕りに1個体が捕まったことで数十年ぶりに本土で生息が確認された。現在は沖合の無人島に導入されているほか、本土にも2016年から再導入が進んでいる。


    【NT/RD】

    和名・・・キューポラヤモリ

    学名・・・Mokopirirakau "Cupola"

    1954年絶滅ㅤ2007年再発見ㅤ2021年再々発見


    【NT/RD】

    和名・・・オカリトヤモリ

    学名・・・Mokopirirakau "Okarito"

    20世紀絶滅ㅤ2020年再発見


    ニュージーランドには鳥よりも多い130種以上もの固有の爬虫類が生息しているが、そのうち約90%の絶滅が危惧されており、1度見つかったきり再発見されていない種類も少なくない。本種もその1つである。


    キューポラヤモリはニュージーランド中央部のキューポラ盆地とサビーン渓谷固有の地上生ヤモリである。1950年代に1個体が採集されてから何十年も記録がなかったが、2007年にようやく再発見された。と思ったら束の間、再びこのヤモリは姿をくらませた。

    その後、トカゲの専門家ベン・バー氏のチームの2年に渡る懸命な調査の結果、遂に2021年、妊娠中のメスを含む計4個体を14年ぶりに発見した。


    キューポラヤモリ

    オカリトヤモリ

  • 84二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 16:47:21

    こんなに面白い姿形の生き物が減っていくのは寂しい…
    とはいえ、それはきっと数が少ないからそう思うんだろうな
    もしアホみたいにたくさんいたら鬱陶しいとしか感じないかもしれない

  • 85二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 16:56:54

    >>84

    典型的なのはリョコウバトじゃない?

    億単位でいたから繁殖力低くても軽視されあんな結末になった

    群れが停まった木が倒れたぐらいにいたら、そりゃ滅びるとは思わないわ…

  • 86絶滅動物紹介人21/12/25(土) 17:53:36

    【CR/RD】
    和名・・・ジャマイカツチイグアナ
    学名・・・Cyclura collei
    1948年絶滅ㅤ1970年再発見ㅤ1990年再々発見

    別名ゴートアイランドサイイグアナ。ジャマイカ本島とその周辺のグレートゴート島、リトルゴート島の固有種にして、ジャマイカ最大の陸上在来生物でもある。

    本種を含むイワイグアナ属はカリブ海の島々に分布する地上生のイグアナで、各島々でそれぞれ独自の進化を遂げていった結果、島ごとにそれぞれ特異なイワイグアナが分布する。中でも本種は他種と遺伝的に孤立しており、他種よりもかなり早い時期に種分化したと考えられている。

    かつては海岸から熱帯雨林まで、ジャマイカ中で広く見られたが、白人によってサトウキビのプランテーションを作るために森が焼き払われ、持ち込まれたマングースやクマネズミによって捕食されたことにより激減した。
    それでも辛うじてジャマイカツチイグアナは生き延びていたが、1940年に決定的な自然破壊が行われた。米軍基地建設建設さのため広大な森林が焼き払われたのである。その際、22匹のイグアナが首都キングストンの施設で保護されたが、繁殖に成功することは無かった。こうして、1948年にゴート島からイグアナは絶滅した。

    ところが、60年代から70年代にかけて野ブタ狩りの猟師から意外な報告があった。なんとジャマイカ本島で猟犬が5匹のイグアナを噛み殺したというのだ。白人の入植直後に滅んだとばかり思われていた本島のイグアナは、島南端のごく狭い地域、マングローブの湿地や木々の残る石灰岩の砂浜でひっそりと生き延びていたのであった。

    1990年、この個体群は全て捕獲された。時を同じくして、IUCN内においてもイグアナ専門グループが設立され、地元の保全団体と共に個体数の増加に取り組んでいった。
    保全事業はジャマイカだけでなく欧米でも行われた。現在はアメリカの12の動物園でジャマイカツチイグアナの生息域外保全が行われており、繁殖した個体はジャマイカに戻される。これら20年以上にも渡る国境を超えた人々の努力により、ジャマイカツチイグアナの個体数は1991年の6倍以上にまで増加した。

    ジャマイカツチイグアナの個体数回復は、絶滅危惧種の保全の最も成功した事例としてみなされている。現在は、かつての生息地だったゴート島に再導入する計画も進んでいる。

  • 87二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 18:00:58

    1900年代+ハンター+ネズミ(外来生物)とかいうデスコンボ
    まあ当時は保護の意識が薄かったとはいえさ...

  • 88絶滅動物紹介人21/12/25(土) 18:01:18
  • 89絶滅動物紹介人21/12/28(火) 11:17:53

    【UMA/RD】

    和名・・・ニューアイルランドオオトカゲ

    学名・・・Varanus douarrha

    1823年絶滅ㅤ2017年再発見


    1823年、フランスの動物学者ルネ・レッスンは、パプアニューギニア北東にあるニューアイルランド島から未知のオオトカゲ1個体を採集し、それを標本にしてヨーロッパに送った。しかし、唯一の標本を積んだ船はその翌年に喜望峰沖で沈没したために、長らくその存在そのものが謎に包まれていた。実に190年間もレッスン本人の記した報告書以外の記録が得られなかった。


    それから2016年になって、フィンランドのチームがニューアイルランド島でフィールドワークを行い、190年ぶりに生息を確認した。それまでは近縁種のマングローブオオトカゲの変種だと考えられてきたが、DNA検査によって晴れて独立種だと認められた。


    【CR/RD】

    和名・・・テラースキンク

    学名・・・Phoboscincus bocourti

    1876年絶滅ㅤ1993年再発見


    ニューカレドニア沖の小島、イル・デ・ピン島固有のトカゲ。スキンクとしては例外的に長く湾曲した鋭い歯を持ち、小型のトカゲや小鳥の卵やヒナなどを襲って食べていた恐ろしい捕食者だった。

    1876年に発見されて以降、記録が途絶えていたが、1993年と2003年、2013年、2018年に生息が確認されている。


    生息地は僅か0.9 k㎡の小島に限定されているため、絶滅する可能性は依然として高い。

  • 90絶滅動物紹介人21/12/30(木) 09:05:48

    【CR/RD】
    和名・・・ヒガシシナアジサシ
    学名・・・Thalasseus bernsteini
    1937年絶滅ㅤ2000年再発見

    世界で最も絶滅が危惧されている海鳥にして、東アジアで最も希少な鳥。もともと数が少ない鳥だったらしく、1861年にインドネシアで初めて記録されてからマレーシア(1890年と1891年)、フィリピン(1905年)、福建省(1913年と1916年)、タイ(1923年)、そして1937年に山東省沖で21羽が採集された記録を最後に絶滅したと考えられていた。

    絶滅が認定された後も1980年にタイ南部で、1991年9月に黄河河口でそれらしき鳥が観察された。

    ヒガシシナアジサシは繁殖地や越冬地など、生態の全てが謎に包まれたまま絶滅したと思われていたが、2000年に台湾が実行支配する福建省沖の小島、馬祖島で4羽の成鳥と4羽のヒナが発見された。この発見の後、馬祖島では毎年ヒガシシナアジサシの営巣が確認された。そして2004年には、中国浙江省の舟島諸島でも繁殖が確認された。

    しかしヒガシシナアジサシの総個体数は、現地民の卵の乱獲により3年で半減してしまう。そのため、馬祖島では保護区を設置し、一般市民への教育・啓蒙活動も実施された。これにより、ヒガシシナアジサシの個体数は再び増加する。

    2016年には、韓'国全南栄光の無人島でも繁殖が確認された。本種は集団での営巣を好むため、韓'国の繁殖地では近縁種のオオアジサシの集団繁殖地で繁殖している。また、音声やデコイによってヒガシシナアジサシを呼び戻す試みも実施され、結果を出している。

    2018年には日本で初めて宮古島でも記録された。
    現在の推定個体数は50羽以上100羽未満。

  • 91二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:04:38

    人間・ネズミ・肉食獣・カエルカビ・・・
    いろんな土地で病気にかかっても生きてる人間すさまじいな

  • 92二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 08:30:43

    そろそろヤバいので保守
    「種としての衰退」があって緩やかに滅びていくところを人類が加速させてしまうって場合も幾つかはあったと思うな…

  • 93二次元好きの匿名さん22/01/06(木) 06:34:55

    洞窟、島、湖、池みたいな固有環境にしか生息出来ないと行き詰まるな
    生命体は広がっていくのが理想だが、ニッチに特化すると良くないんだ

  • 94二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 18:48:29

    保守

  • 95絶滅動物紹介人22/01/08(土) 19:55:44

    【NT/RD】

    和名・・・クロマユムジチメドリ

    学名・・・Malacocincla perspicillata

    1850年絶滅ㅤ2020年再発見


    1850年にドイツの著名な自然学者のカール・シュワナーが東インド諸島での遠征中に採集した1羽の標本を元に、フランスのチャールズ・ボナパルトが新種記載した記録のみが残っていた幻の鳥。


    実に新種記載されて以来、1度も生体が目撃されたことは無かった。


    2016年頃から、インドネシア領ボルネオ島の南カリマンタン州に住むムハンマド・スラント氏とムハンマド・リズキー・ファウザン氏が見慣れない小鳥を目にするようになる。2人は2020年10月に1羽を捕まえて写真を撮り、BWG (現地の野鳥保護団体)に送った。そして、複数の専門家による審議のもと、画像の鳥がクロマユムジチメドリであることが確かめられた。

    実に172年ぶりの快挙だった。


    2021年9月にはBWGのチームが石灰岩の崖で繁殖していることを記録し、世界で初めてとなる生体映像の撮影にも成功した。


    【VU/RD】

    和名・・・ビルマセンニュウチメドリ

    学名・・・chrysomma altirostre altirostre

    1941年絶滅ㅤ2014年再発見


    英国の医師にして動物・植物学者でもあるトーマス・ジャードンが1862年にミャンマー北部で採集した標本に基づいて新種記載された小鳥。南アジアに広く分布するインドセンニュウチメドリの3亜種のうちの1つにして基亜種。

    エーヤワディー川の氾濫原に生息していたが、ヨシ原が農地へと転換されていったことで生息地を消失していった。そして、1941年を最後に70年以上も目撃例がなく、絶滅したと考えられていた。


    2014年5月、放棄された農業研究ステーション近郊の小さな草原で他の鳥の調査をしていたチームが偶然ビルマセンニュウチメドリを発見し、鳴き声を録音した。その後、数羽の捕獲と血液サンプルの採取にも成功し、晴れて再発見が成された。

  • 96絶滅動物紹介人22/01/09(日) 09:58:31

    【CR/RD】

    和名・・・ソロモンミズナギドリ

    学名・・・Pseudobulweria becki

    1929年絶滅ㅤ2007年再発見


    ニューアイルランド島の南東、ソロモン諸島レンドバにて1928年と1929年にそれぞれ雌雄1羽が採集されただけの海鳥。外見は近縁種のセグロシロハラミズナギドリに酷似するが、体の大きさはずっと小さい。


    2000年代に入ってから同じようなミズナギドリがコーラル海で目撃されるようになり、2003年と2005年にはそれらしい海鳥が撮影される。

    更にはイスラエルの調査グループがビスマルク諸島とソロモン諸島にて遂に種類を確認することに成功。2007年には成鳥・幼鳥合わせて30羽が確認された。

    現在の推定個体数は75〜400羽。


    【EX】

    和名・・・セントヘレナミズナギドリ

    学名・・・Pseudobulweria rupinarum


    【EX】

    和名・・・セントヘレナアナドリ

    学名・・・Bulweria bifax

    共に16世紀初頭に絶滅


    南大西洋の絶海の孤島、セントヘレナ島でのみ繁殖したミズナギドリ。白人と持ち込まれた外来生物に食い尽くされされ絶滅した。現在は化石のみが知られる。

  • 97絶滅動物紹介人22/01/10(月) 14:20:41

    【EX/UMA】
    和名・・・ジャマイカミズナギドリ
    学名・・・Pterodroma caribbaea
    1879年絶滅?

    ミズナギドリは普通は島嶼の海岸などに営巣するが、ジャマイカミズナギドリはブルー・マウンテン山脈とジョン・クロウ山脈の標高1000m以上の茂みに巣穴を掘って繁殖していた。非繁殖期はカリブ海遠洋域に分散しているが、10〜12月の繁殖期になるとジャマイカに渡ってきた。

    19世紀半ばまでは数の多い海鳥であったが、その後ネズミとジャワマングースの侵入により急速に数を減らしていった。最後の確実な記録は1879年に22羽が採集された記録のみ。

    まだグアドループ島やイスパニョーラ島でも繁殖している可能性がゼロではないため、ランクはCRとなっている。しかし、1996年から2000年にかけての調査及び2009年の調査でも1羽も見つかることはなく、絶滅した可能性が高い。

  • 98絶滅動物紹介人22/01/10(月) 14:26:11

    【EX?】

    和名・・・ブライアンズ・シアウォーター

    学名・・・Puffinus bryani

    1963年絶滅?


    1963年、ハワイ諸島北西にあるミッドウェー環礁のシロハラミズナギドリ繁殖地にて、未知のミズナギドリのオス1羽が発見された。当初、その鳥は亜南極圏で繁殖するヒメミズナギドリと考えられていた。

    しかし、その後行われた再調査によりヒメミズナギドリにしては尾が黒くて長い上に体が小さすぎることがわかった。追加で行われたDNA検査によって、200万年前にケープベルデヒメミズナギドリから分岐した新種であることが判明し、2011年に新種として記載された。アメリカ国内で新種の鳥が見つかるのは1974年以来37年ぶりのことであった。


    ブライアンズ・シアウォーターは1963年以来2例の記録しか得られていないため既に絶滅していると考える専門家もいる。また繁殖地も分かっておらず、ミッドウェー諸島やハワイ諸島で見つかったのは迷行したものと見られている。


    ところが2012年に事態は急変する。

    1997年以降に小笠原諸島で会得された謎のミズナギドリ6個体のDNAを解析したところ、全てがブライアンズ・シアウォーターのものと一致したのである。その後オガサワラヒメミズナギドリという和名も名付けられた。


    現在は父島とその近海の無人島でのみ繁殖が確認されている。推定個体数は100羽未満で再絶滅の危険性も依然として高い。


    【CR/RD】

    和名・・・オガサワラヒメミズナギドリ

    学名・・・Puffinus bryani

    2012年再発見

  • 99絶滅動物紹介人22/01/10(月) 19:00:24

    【EN/RD】
    和名・・・バミューダミズナギドリ (カハウ)
    学名・・・Pterodroma cahow
    1620年代絶滅ㅤ1951年再発見

    バミューダ諸島の国鳥にして国際保護鳥の1つ。
    20年〜30年以上生きる海鳥で毎年繁殖するが繁殖力が低く、1シーズンに1個の卵しか産まない。
    その鳴き声からカハウ(Cahow)とも呼ばれる。
    カハウは夜になると繁殖地に帰ってくる。その時の不気味で騒がしい鳴き声はバミューダ諸島には悪魔が住むという迷信として船乗りの間に広まった。それが後世のバミューダ・トライアングル伝説にも寄与したのだろう。

    北大西洋に浮かぶバミューダ諸島、この島々は現在ではイギリス領であるが、16世紀の頃はスペイン人に支配されていた。
    人間がバミューダ諸島を訪れる前は、諸島全体で50万〜100万羽ものカハウが繁殖していたとされる。しかし、警戒心がなく飛び立つのにも助走がいるカハウは捕まえやすかったので、乱獲されて食らい尽くされていった。多い時は一晩に4000羽ものカハウが食べられていったという。さらに放されたブタは海鳥の卵を食べ、植生を破壊していった。

    島々の支配権がイギリスに移ったあとも乱獲は続けられた。イギリス人はさらにイヌ、ネコ、ネズミも島に持ち込んだ。カハウの卵も際限なく消費されていった。

    そうして、バミューダミズナギドリは1600年代に姿を消した。1621年にはカハウを保護する条例がバミューダ知事によって出されたが既に保護する鳥はどこにもいなかった。

    その後も目撃例はあったが、1935年6月に灯台守がカハウの死骸を拾った。この標本は自然史博物館に送られ、ミズナギドリの世界的権威のロバート・マーフィーによってバミューダミズナギドリであると認められた。

    1950年の秋、マーフィーはカハウを捜索することを決意する。彼はバミューダに渡り、ルイス・S・モーブレイ、デイビッド・ウィンゲート(当時16歳のバミューダ生まれの少年)と共に捜索を開始する。

    カハウが繁殖する冬のバミューダは強風吹き荒れ、なかなか島に渡ることが出来なかった。しかし、1951年1月28日に行われた最後の試みで遂に18ペアのカハウを見つけることに成功した。実に330年振りの快挙であった。

    この少年、デイビッド・ウィンゲートは後に人生の全てをカハウの保護に捧げることとなる。

  • 100絶滅動物紹介人22/01/11(火) 22:49:20

    >>99

    デイビッド・B・ウィンゲート博士は1935年にバミューダに生まれた。彼は幼少期からミズナギドリ保護に強い関心を持っていた。


    彼はカハウが絶滅してないと信じており、14歳にしてバミューダ沖の小島にカヤックで単身漕ぎ出したが、強風と荒波によって上陸することは出来なかった。

    しかし、その翌年の1951年に遂に彼はカハウと対面することに成功した。


    再発見されたのも束の間、島にいた4羽のヒナはネズミに殺されて全滅してしまう。その為一行は殺鼠剤を小島に撒いた。幸いなことに、これ以後はネズミによる食害はほとんど起こらなくなった。


    一難去ってまた一難、ミズナギドリに更なる危機が襲う。同じく小島で繁殖する海鳥のシラオネッタイチョウがカハウと営巣地を巡って争うようになったのである。ネッタイチョウはカハウよりも一回り大きくて気が強く、卵やヒナを殺して巣を奪う。


    当時ウィンゲートはコーネル大学の学生で島にはいなかった。そこでマーフィーとモーブレイ、自然史博物館のリチャード・ソーセル、鳥類学者のリチャード・ポーがこの問題に取り掛かることになった。


    当初の一行はネッタイチョウを屠殺していたが、それは根本的な解決策ではなかった。その後、トーセンとポーはカハウは入れるが、ネッタイチョウは入れない絶妙なサイズのバッフルを開発した。これによってカハウの繁殖率は改善された。ところがソーセルとモーブレイが仲違いしたことでバッフルを再現することは出来なくなってしまい、再びカハウの繁殖立は低迷してしまった。


    ウィンゲートは苦渋の決断の末に卒業を断念して諸島に帰ってきた。彼は鳥のサイズを測ると6週間で以前とほぼ同じものを作り上げた。


    1961年にウインゲートは繁殖地の小島にあるカハウの巣を全てバッフルで保護することに成功する。これ以降に卵やヒナが殺されたことは1度もない。

  • 101絶滅動物紹介人22/01/11(火) 22:59:54

    >>100

    1961年時点でのカハウの繁殖成功率は66%であったが、その数年後には33%にまで下がることとなった。


    この繁殖率の低下は当時アメリカで使われていた殺虫剤DDTによるものだった。米本土で散布されたDDTは雨と海流に乗ってバミューダ近海にまで流れてくる。

    そしてそのDDTを植物プランクトンが取り込み、それを肉食プランクトンが捕食し、それを小型の魚が捕食し、今度はそれをイカが捕食し、最終的にカハウがイカを食べる。

    この「生物濃縮」によってカハウの体内にはDDTが高濃度に蓄積し、卵が割れやすくなっていたのだ。


    その後、60年代後半にDDTの使用率が急速に低下するに連れてカハウの繁殖率は回復していった。


    彼の努力は実を結び、1971年には今までの2倍となる13羽が巣立ち、72年には17羽が巣立った。

  • 102絶滅動物紹介人22/01/11(火) 23:35:56

    >>101

    1973年に島にネズミが渡ってきて4羽の成鳥が殺される事件が起こったものの、同年にバミューダミズナギドリは3世紀ぶりに個体数が100羽を越すことに成功した。

    1986年12月には北極圏から渡ってきたシロフクロウが5羽のカハウを殺したためにウィンゲートに射殺された事件も起こった。


    ここで新たな課題が生じた。今や100羽を越したミズナギドリにとって繁殖地の小島があまりに小さすぎるのだ。


    かつては何百羽ものミズナギドリが繁殖していたノンサッチ島は何百年にも渡る森林破壊によって荒廃し、さながら砂漠のようになっていた。

    この島にウィンゲートはバミューダ杉やバミューダヤシ、バミューダオリーブなどの固有・在来植物100種あまりを植えた。何十年もの月日をかけて、ノンサッチ島の生態系は白人到来前までに回復した。


    2004年にはノンサッチ島に14羽のヒナが連れて行かれ、そこで人の手によってイカとアンチョビを与えられて放鳥された。同様に2005年には21羽のヒナが人口保育の末放鳥された。

    この試みは5年間続き、合計で102羽のヒナがノンサッチ島から巣立っていった。


    最初にノンサッチ島を巣立った世代は2008年に故郷に帰ってきた。2009年には300年振りとなるノンサッチ島での自然繁殖にも成功した。

    放鳥された鳥のうち49羽はノンサッチ島に帰ってきており、2009年から2016年の間に46羽のヒナが巣立っている。


    大西洋の反対側のアゾレス諸島やアイルランド沖でもバミューダミズナギドリは見つかるようになった。

    現在の推定個体数は400〜500羽。

  • 103二次元好きの匿名さん22/01/14(金) 11:34:01

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 19:25:58

    保守です

  • 105二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 22:31:49

    このレスは削除されています

  • 106絶滅動物紹介人22/01/18(火) 22:33:13

    【EN/RD】
    和名・・・ズグロシロハラミズナギドリ
    学名・・・Pterodroma hasitata
    18世紀絶滅ㅤ1963年再発見

    ウィンゲートが再発見した海鳥はカハウの他にもう一種類いる。それはズグロシロハラミズナギドリ(現地名:ディアブロティン)である。

    この鳥はカハウの近縁種で、かつては大アンティル諸島の山地の急斜面で繁殖していたが、外来種による食害や森林伐採、山火事などによって数を急速に減らしていった。
    そして19世紀後半から姿が見られなくなり、絶滅したと長いこと信じられていた。

    この鳥もカハウと同じく、絶滅したとされた後も数例の記録が得られていた。

    その一連の目撃情報、そしてウィンゲート自身が1951年にカハウを330年ぶりに再発見したことも重なり、彼はズグロシロハラミズナギドリ生存に期待を寄せるようになる。
    そして彼は、1961年に調査チームを組織した。

    1961年の秋にウィンゲートはドミニカとハイチ、そして西インド連邦を訪れた。ウィンゲートの前にミズナギドリを捜索したチームは昼間に巣穴を探そうとしたので失敗したため、彼のチームは繁殖期の夜にミズナギドリの鳴き声を探すことにした。

    1961年10月16日から11月10日にかけてのドミニカと西インド連邦での探索は困難を極めた。
    斜面は急勾配で熱帯雨林は進むことすらままならない。しかも雨季だったために一行は山頂で夜を過ごし、毎晩のように雨が降りしきる中を縫うようにして調査に出かけた。しかし調査は失敗した。結局、一行が調査できたのは複数ある繁殖候補地のうちのごく一部だけであった。

  • 107絶滅動物紹介人22/01/18(火) 23:20:53

    >>106

    一行はその後、1961年の11月12日から23日かけて今度はハイチで調査を行った。

    ハイチではフィールドで調査する前に農業局や現地の剥製師や博物館などに情報を求めた。その結果、4体の標本と2つの信頼できる情報を得ることができた。しかもそのうち1つは1961年の夏のものであった。


    一行は幼鳥の死体が会得された場所で調査しようとしたが、時を同じくして隣国ドミニカで政治的危機が起こったため調査は中断されてしまった。


    その2年後の1963年に再び資金を調達したウィンゲート達は再びハイチで調査を行った。前回の反省を活かして今回は乾期の1月と2月に遠征を行った。また、事前に米軍が作成した地理調査マップを活用して繁殖地の目星を付けると、ヘリコプターを調達して一気に目的地まで急行した。そして通訳と現地民を雇い手分けして調査地をくまなく探した。


    そしてウィンゲートが最初に目星を付けた地点でミズナギドリの繁殖地を発見した。さらにその後も10ヶ所の繁殖地の発見にも成功した。

    繁殖地はいずれも外来種が侵入できない断崖絶壁に作られており、その殆どが標高1500〜2000mの地帯にあった。


    2015年にはドミニカでも繁殖地が確認されており、キューバでも繁殖している可能性もある。

    最近はGPSを使った調査も行われている。

    現在の成鳥の推定個体数は600〜2000ペア。

  • 108絶滅動物紹介人22/01/21(金) 20:45:10

    【CR/RD】

    和名・・・マジェンタミズナギドリ

    学名・・・Pterodroma magentae

    1867年絶滅ㅤ1978年再発見


    現地名はタイコ。

    ソロモンミズナギドリ(>>96)の近縁種。

    南太平洋のチャタム諸島でのみ繁殖する世界で最も希少な海鳥の1種。


    1867年7月22日、ニュージランドと南アメリカの中間にある海域で、イタリア王室の船「マジェンタ号」が1羽の海鳥を標本として採集した。

    以来、1世紀以上もこの鳥は記録されることは無かった。


    最初に発見されてから1世紀が経過した1970年代、チャタム諸島近海でマジェンタミズナギドリのような鳥の目撃例が相次ぐようになった。

    そこでニュージランドの鳥類学者デイビッド・クロケットがチャタム諸島に遠征し、遂に1978年に近海域でマジェンタミズナギドリの捕獲に成功した。

    実に111年ぶりの快挙だった。

    彼はその鳥に無線通信機を付けて放鳥し追跡した。

    この調査によって謎に包まれた繁殖地の特定にも成功したのであった。


    かつてマジェンタミズナギドリはチャタム諸島の全ての島で繁殖していたが、チャタム諸島の先住民モリオリ族に乱獲されて本島以外では絶滅した。


    再発見後も島に移入されたネコやネズミ、ブタ、フクロギツネ、そしてウェカ(ニュージランドクイナ)による食害によって数を減らしたが、ニュージランド政府による厳重な保護プロジェクトも功を奏し個体数は回復傾向にある。


    現在の個体数は200羽未満。

    依然として絶滅の危機は高い。

  • 109二次元好きの匿名さん22/01/23(日) 21:42:27

    保守

  • 110絶滅動物紹介人22/01/23(日) 21:52:22

    【EN/RD】
    和名・・・マデイラミズナギドリ
    学名・・・Pterodroma madeira
    1951年絶滅ㅤ1969年再発見

    現地名はフレイラ。
    ヨーロッパで最も絶滅の危機に瀕している海鳥で、
    ポルトガル領のマデイラ諸島のうちマデイラ本島中央部の山岳地帯の尾根でのみ繁殖する。

    本種は1903年にドイツの自然学者にして司祭のエルンスト・シュミッツによって初めて記載された。しかしその後は、1951年に標本が採集された1例の記録しか得られなかったため、1950年代末までに絶滅したと考えられていた。

    絶滅したと考えられてからも鳥類学者のポール・ジーノは種の存続している証拠を集めるために様々な試みを行ったが、再発見するには10年もの年月が掛かった。

    マデイラミズナギドリは同じくマカロネシアで繁殖するケープベルデミズナギドリとデセルタスミズナギドリと非常によく似ており、種分化したのは比較的最近だと推測されている。

  • 111絶滅動物紹介人22/01/26(水) 00:25:49

    【EX】

    和名・・・グアダルーペウミツバメ

    学名・・・Hydrobates macrodactylus

    1912年絶滅


    バハ・カリフォルニア半島沖合に浮かぶメキシコ領の島々、グアダルーペ諸島。この島の北部には海抜1400m級の高山があり、グアダルーペウミツバメはそこの標高750m帯の崖の松やぶに営巣していた。グアダルーペ諸島にはグアダルーペウミツバメの他にも2種類のウミツバメが繁殖していたが、本種の繁殖期は他種よりも100日ほど早かったために共存することが出来た。


    1885年に、ウォルター・ブライアントによって新種と認められたこの小さな海鳥は、人間によって持ち込まれたネコとネズミに捕食されたことと、ヤギに繁殖地の植生を破壊されたことで急激に数を減らしていった。


    最後の2つの標本は1911年5月に採集された。

    最後に見つかったのは1912年。

    2000年に大規模な捜索が行われたが、それでも見つからなかったので生存は絶望視されている。


    【CR/RD】

    和名・・・ニュージーランドウミツバメ

    学名・・・Fregetta maoriana

    1850年絶滅ㅤ2003年再発見


    19世紀にニュージーランド近海で採集された3体の標本のみしか知られなかった海鳥。

    この鳥は、非繁殖期を陸地から遠く離れた遠洋で過ごす上に、その繁殖地すらも不明で、しかも近縁種のアシナガウミツバメと生息地が被るために長らく再発見されなかった。


    2003年に本種は150年ぶりに再発見され、2013年には繁殖地がリトル・バリア島であることが衛星調査によって突き止められた。現在は繁殖地の外来種駆除が進められており、個体数は安定してきている。

  • 112二次元好きの匿名さん22/01/28(金) 12:46:10

    保守

  • 113絶滅動物紹介人22/01/30(日) 20:48:14

    The Top 10 Most Wanted Lost Birds


    【CR/UMA】

    和名・・・ケバネウズラ

    学名・・・Ophrysia superciliosa

    1876年以降記録無し

    >>51参照


    【CR/UMA】

    和名・・・ネグロスヒメアオバト

    学名・・・Ptilinopus arcanus

    1953年以降記録無し


    やや暗めの緑色の体色に鮮やかなレモンイエローのアイリングが特徴的な小型のアオバト。1953年にフィリピンのネグロス島のカンラオン山で雌1羽が採集され、その後1羽の観察例しか知られていない。

    1991年の生息調査では、生息の痕跡すら見つからなかった。この地域の標高750m以下の森林は全て伐採されており、生息地帯が低標高帯ならば絶滅はほぼ確実と見られている。


    【NT/UMA】

    和名・・・ビルカバンバヤブシトド

    学名・・・Atlapetes terborghi

    1968年以降記録無し


    ペルー北西部の限られた地域の森に住むホオジロの仲間。アカエリヤブシトドの亜種と見なされることもある。最後に観察されたのは1968年。

    本種を含め、南アメリカ産ホオジロ類には何十年も記録が途絶えている種類が多い。

  • 114絶滅動物紹介人22/01/31(月) 10:15:43

    >>113

    【CR/UMA/RD】

    和名・・・クビワスナバシリ

    学名・・・Rhinoptilus bitorquatus

    1917年絶滅

    1986年再発見

    2008年以降記録無し


    スナバシリはアフリカから中近東の乾燥地帯に生息するツバメチドリのグループで、中でも本種はスナバシリでは珍しい夜行性の種類である。

    他の近縁種がアフリカ大陸に広く分布するのに対し、本種は南東インドの限られた地点でしか生息が確認されていない。


    本種はトーマス・C・ジャードン(>>95)によって1848年に初めて記録された。その後は20世紀初頭までに3体の標本と1個の卵が採集されただけで絶滅したと考えられていた。


    本種が再発見されたのは、最後の確実な記録から80年以上も経った1986年のことだった。

    その後2000年代初頭までは定期的に目撃されていたが、2008年の捜索では見つからず、現在に至るまで見つかっていない。


    歴史的にも東ガーツ山脈周辺の6ヶ所でしか見つかっておらず、元々個体数・生息密度共に少ない種類であった。それに加えて、現地の急激な人口増加に伴う生息地の破壊で激減した。


    【CR/UMA】

    和名・・・キューバカギハシトビ

    学名・・・Chondrohierax wilsonii

    2010年以降記録無し


    キューバ固有種のタカの1種。

    中南米に広く分布するカギハシトビの亜種と見なされることもある。

    オウムのような嘴が特徴で、カタツムリやナメクジを専門に食べる変わり者のタカである。

    過去40年で数回しか目撃されておらず、最後に観察された2010年以降記録が途絶えている。

  • 115絶滅動物紹介人22/01/31(月) 11:02:54

    >>114

    【EN/UMA】

    和名・・・プリゴジンヨタカ

    学名・・・Caprimulgus prigoginei

    1955年以降記録無し


    採集地からイトンブウェヨタカとも呼ばれる。

    プリゴジンとは鳥類学者のアレクサンドル・プリゴジンへの献名。


    1955年8月(1952年2月説もある)にザイール(現在のコンゴ民主共和国)のイトンブウェ山の標高1280m、ルングワ湖畔のマレンゲで雌1羽が採集された記録しか知られていない。

    たった1羽しか知られていないため、生態はおろか現在の生息数すら全くの不明である。


    【CR/UMA】

    和名・・・アイガシラハチドリ

    学名・・・Campylopterus phainopeplus

    2010年以降記録無し


    コロンビア北東部、サンタ・マルタ山脈固有の大型ハチドリ。

    時期によって山脈を垂直移動することが知られていて、6~10月の暖かい時期には標高4800mの森林限界で過ごし、2~5月は標高1200〜1800mの地域で過ごす。

    極めて稀な鳥であり、成体を撮影した写真は1枚しか存在しない。


    【CR/UMA】

    和名・・・シアウコノハズク

    学名・・・Otus siaoensis

    1866年以降記録無し


    インドネシアのスラウェシ島の北にあるシアウ島固有の小型フクロウ。1866年にホロタイプが採集されてから記録が無い。既に絶滅した可能性も高い。

    森林地帯に生息していたが、シアウ島の森林は過伐採に晒されており、生息地が消滅した可能性もある。

    近年になって現地から鳴き声の記録が寄せられているが、詳細は不明である。

  • 116絶滅動物紹介人22/01/31(月) 11:39:20

    >>115

    【DD/UMA】

    和名・・・ススケマダガスカルヒヨドリ

    学名・・・Crossleyia tenebrosa

    1999年以降記録無し


    マダガスカル北東部の熱帯雨林の3ヶ所の地点でしか生息記録がない小鳥。過去20年の間に信頼できる記録は一切存在しない。

    1999年、10ヶ月にも及ぶフィールド調査及びカスミ網調査でやっと1羽が観察されたのが最後の記録である。


    【CR/UMAZ/RD】

    和名・・・ミナミハシブトホオダレムクドリ

    学名・・・Callaeas cinereus

    1967年絶滅

    2007年以降記録無し


    ニュージーランド固有のホオダレムクドリの1種。ムクドリでは珍しく雌雄で外見が異なり、雄の方が雌よりも嘴根元の肉垂れが大きい。


    かつてはニュージーランドの南島とスチュアート島の森林に広く生息していたが、ポリネシア人の侵入により低地の個体群は絶滅した。そして、白人の入植と共に持ち込まれた外来生物によって駆逐され、一時は絶滅したと考えられていた。


    2007年、最後の確実な記録から実に40年ぶりに本種は再発見されたが、この記録を最後に再び姿をくらました。


    北島には近縁種のキタハシブトホオダレムクドリが生息している。どちらも外見はよく似ているが、キタは肉垂れが鮮やかな青色なのに対してミナミはオレンジ色であるので区別は容易である。

    ミナミはキタよりも地上で採食に費やす時間が長いため、外来種に捕食されやすかった。

  • 117絶滅動物紹介人22/02/02(水) 14:42:52

    【EX?】

    和名・・・アオノドワタアシハチドリ

    学名・・・Eriocnemis godini

    1850年絶滅?


    ターコイズブルーの喉と綿毛のようなフワフワの足が特徴のハチドリ。19世紀にエクアドル北西部で採集された6個体の標本のみが知られる。

    その後、1976年に不確実な目撃情報があり、その4年後に調査が行われたが失敗に終わった。

    現在、採集地点周辺の自然環境は全て破壊されており、既に絶滅した可能性が高い。


    【EX】

    和名・・・グールドヒメエメラルドハチドリ

    学名・・・Riccordia elegans

    1860年絶滅


    19世紀のバハマで1個体が採集されたきり見つかっていない。


    【EX】

    和名・・・ブレイスヒメエメラルドハチドリ

    学名・・・Riccordia bracei

    1877年絶滅


    グールドヒメエメラルドハチドリの近縁種で、こちらも標本は1つしか存在していない。

    バハマの首都ナッソー近郊で採集されたこの標本は永らく忘れ去られていた。1930年代にこの鳥はようやく新種として認められたが、その時は既にこの鳥が地球上から姿を消した後だった。

  • 118二次元好きの匿名さん22/02/04(金) 12:40:52

    保守

  • 119絶滅動物紹介人22/02/06(日) 13:06:06

    【EX?】

    和名・・・ドウイロトゲオハチドリ

    学名・・・Discosura letitiae


    全てが謎に包まれたハチドリ。

    ボリビアのどこかで採集された古い2体の標本のみが知られている。

    生態や生息地はおろか、絶滅したかどうかさえも全てが謎である。


    【CR/RD】

    和名・・・アオヒゲヘルメットハチドリ

    学名・・・Oxypogon cyanolaemus

    1946年絶滅ㅤ2015年再発見


    コロンビア北東部のサンタマルタ山脈固有のハチドリの1種である。

    この種類は非常に稀な種類であり、62体の標本のみが知られる。最後に採集されたのは1946年である。


    1999年〜2003年、2007年、2011年の3回の調査では見つけることが出来なかったが、2015年の調査でようやく再発見することに成功した。

  • 120絶滅動物紹介人22/02/07(月) 23:30:17

    【EX】

    和名・・・ペルナンブーコスズメフクロウ

    学名・・・Glaucidium mooreorum

    2018年絶滅


    ブラジル北東部に位置するペルナンブーコ州大西洋岸森林の狭い範囲にのみ生息する小型フクロウ。

    元々アマゾンスズメフクロウの亜種だと見なされていたが、鳴き声などの違いにより別種に分けられた。


    標本が採集されたのは1980年代、新種として認められたのは1990年、そして最後に生きた姿が見られたのは2001年。

    2018年に絶滅が正式に宣言された。


    【CR/UMA】

    和名・・・キクイタダキカンザシドリ

    学名・・・Calyptura cristata

    1996年以降記録無し


    本種は地球上で最も珍しく、かつ追い求められている鳥の1つである。


    リオデジャネイロ近郊の湿潤な森林に生息しており、化石記録から大昔はありふれた鳥であったことが分かっている。


    1996年10月にリオデジャネイロ州テレスポリスで2羽が目撃された記録を除いて、19世紀以降の確実な目撃記録が存在しない。


    70年代の橋建設事業に伴い、かつての生息地の森林地帯は破壊され、土壌は重金属に汚染されているため、絶滅した可能性が高い。

    しかし、最近になって隣接するサンパウロ州から未確認の報告が寄せられている。

  • 121絶滅動物紹介人22/02/08(火) 00:47:03

    【EX】

    和名・・・ナゾメキカマドドリ

    学名・・・Cichlocolaptes mazarbarnetti

    2019年絶滅


    ブラジル北東部のペルナンブーコ州とアラゴアス州の2ヶ所の地点からでのみ知られる鳥。アラゴアスマユカマドドリとよく似ているので、長年混同されていた可能性もある。しかし、本種はより大型で頭頂部が黒く、嘴も大きくて鳴き声まで異なった。


    この鳥は2014年に新種記載されたが、もしかしたらその時点で既に絶滅していたかもしれない。

    最後に生きた個体が観察されたのは2007年のこと。

    この鳥はなんと、新種として認められてから僅か5年で絶滅が宣言されてしまった。


    【EX】

    和名・・・アラゴアスマユカマドドリ

    学名・・・Philydor novaesi

    2019年絶滅


    この鳥もナゾメキカマドドリと同じく、ペルナンブーコ州とアラゴアス州のごく狭い範囲にしか生息していない鳥であったが、2011年以降観察されることはなく、2019年に絶滅が宣言された。


    現在この2種のカマドドリが生息していた森のほぼ全てがサトウキビ畑と牧草地に転換されており、辛うじて残った森は細かく断片化されて孤立している。

    そのため、本種らが生き残っている可能性は極めて低い。


    【EW】

    和名・・・アラゴアスホウカンチョウ

    学名・・・Mitu mitu

    1980年代野生絶滅


    本種もペルナンブーコ州とアラゴアス州の森林の固有種だったが、環境破壊と過剰な狩猟によって数を急速に減らしていった。

    野生個体群は既に絶滅しているが、約130羽が現在も飼育下で保護されている。

  • 122絶滅動物紹介人22/02/09(水) 16:34:56

    【EW】

    和名・・・アオコンゴウインコ

    学名・・・Cyanopsitta spixii

    2000年野生絶滅


    ブラジル北東部の固有種。

    内陸部のやや乾燥したカライベイラの森に生息し、トウダイグサ科の種子とナッツを主食にしていた。


    白人入植後の森林伐採と農業開発、そして持ち込まれたクマネズミや野良猫、マングースにより数を大きく減らした。また、家畜がカライベイラの幼木を食べることで森林そのものが縮小したり、生息地の盆地がダムの底に沈んだことも絶滅に寄与した。


    最後の野生のアオコンゴウインコはジュエルという名の雄だった。彼は1990年にアカビタイヒメコンゴウインコの雌とペアになっている所を発見された。

    ジュエルは2000年10月を最後に見つかっていない。

    2016年にもアオコンゴウインコの雄が1羽見つかっているが、恐らくそれは飼育個体が逃げ出したものだと考えられている。


    現在は世界中で約170羽が飼育されており、かつての生息地への再導入も進んでいる。


    【EX】

    和名・・・ウミアオコンゴウインコ

    学名・・・Anodorhynchus glaucus

    1992年絶滅


    南米南東部のヤシ林に生息していた美しい灰群青のコンゴウインコ。

    1992年の調査では見つけることが出来ず、絶滅した可能性が高い。正式に絶滅が宣言されたのは2018年。

  • 123絶滅動物紹介人22/02/09(水) 20:43:39

    【EX】

    和名・・・ミイロコンゴウインコ

    学名・・・Ara tricolor

    1864年絶滅


    キューバ固有種のコンゴウインコ。

    名前は赤・青・黄の三色の体色に由来する。

    コンゴウインコの中では特に小型の種類だった。

    ペアか小さな群れで行動し、果実や種子を食べて暮らしていた。


    本種はキューバ中西部の湿地帯に生息していたが、インディオの狩猟によって数を減らしていた。

    白人が到来した頃には既に希少な鳥であったが、それでもなお標本や飼い鳥、装飾用として大量に捕獲されてヨーロッパに連れて行かれた。


    こうした採集圧の高まりに加えて1844年、1846年、1856年のハリケーンが絶滅の決定打となった。

    生息地は壊滅し、群れは分断され、インコは一掃された。


    キューバ本島の個体群は1850年代に絶滅し、近海にあるフベントゥド島の個体群も1864年を最後に見られなくなった。


    現在は欧米の博物館に19体の剥製が遺されている。

  • 124絶滅動物紹介人22/02/09(水) 21:09:36

    カリブ海の各島々には固有のコンゴウインコが生息していたが絶滅したとされている。

    しかし、そのうちミイロコンゴウインコ、セントクロイコンゴウインコ、グアドループコンゴウインコを除く4種には化石や標本といった物理的証拠がないため、存在そのものが疑われている。


    【EX】

    和名・・・セントクロイコンゴウインコ

    学名・・・Ara autocthones


    【EX】

    和名・・・グアドループコンゴウインコ

    学名・・・Ara guadeloupensis


    【UMA】

    和名・・・アカズキコンゴウインコ

    学名・・・Ara erythrocephala


    【UMA】

    和名・・・ジャマイカコンゴウインコ

    学名・・・Ara gossei


    【UMA】

    和名・・・マルティニークコンゴウインコ

    学名・・・Ara martinicus


    【UMA】

    和名・・・ドミニカコンゴウインコ

    学名・・・Ara atwoodi

  • 125絶滅動物紹介人22/02/11(金) 09:52:40

    【EX】
    和名・・・マグダレーナシギダチョウ
    学名・・・Crypturellus erythropus saltuarius
    1943年絶滅

    コロンビアのマグダレーナ川渓谷固有のアカアシシギダチョウの亜種。
    1943年にホロタイプの標本が採集され、その後もう1羽が採集されたのを最後に確実な記録は残されていない。
    絶滅した可能性が高いが、現地では70年代、80年代、90年代初頭に捕らえられたと言われており、最近だと2008年にもそれらしき記録が取られている。

    マグダレーナ川渓谷は18世紀から牧草地や耕作地に転換されており、残った湿潤林も60年代〜70年代の政府主体のプロジェクトによって転換されて現在は綿花畑と水田になっている。
    元の原生林は今では1〜2%しか残っていない。

    生き残っているとしたらオリエンタル山脈西側斜面とセラニア・デ・サン・ルーカス東側斜面だが、今のところ有効な保護活動は一切行われていない。

  • 126絶滅動物紹介人22/02/13(日) 23:46:14

    【EX】

    和名・・・コロンビアカイツブリ

    学名・・・Podiceps andinus

    1977年絶滅


    コロンビアのアンデス山脈にあるボゴタ湿地の固有種のカイツブリ。ハジロカイツブリの近縁種で、独立種ではなく亜種と見なす説もある。

    グアテマラのオオオビハシカイツブリ(第1巻で紹介済み)と同じく翼が退化して空を飛べなかった。


    最後に観察されたのは1977年で、1981年と1982年に集中的な捜索がなされたが、結局見つからず絶滅が宣言された。

    絶滅の原因は湿地の排水事業、農薬による汚染、葦の消失、移入されたニジマスによる雛の捕食などが重なったこととされる。


    【EX】

    和名・・・コロンビアキバシオナガガモ

    学名・・・Niceforo's pintail

    1950年代絶滅


    南米に広く生息するキバシオナガガモのコロンビア固有亜種。絶滅の理由はよくわかっていない。

    最後の記録は1952年。


    【EX】

    和名・・・コロンビアアカシマアジ

    学名・・・Anas cyanoptera borreroi

    1956年までには絶滅


    南北アメリカ大陸に広く生息するアカシマアジの亜種。コロンビアのアンデス山脈東部とエクアドル北部から記録がある。

    1946年に発見されてから10年以内に絶滅したと考えられている。

  • 127絶滅動物紹介人22/02/16(水) 03:29:46

    【EX】

    和名・・・マルティニークボウシインコ

    学名・・・Amazona martinicana

    1722年絶滅


    【EX】

    和名・・・グアドループボウシインコ

    学名・・・Amazona violacea

    18世紀末絶滅


    こちらも>>124のコンゴウインコと同じく、物的証拠が存在しない謎多きインコである。しかし、18世紀に複数の資料で詳細に言及されていることからこちらの信憑性は高い。


    【EX】

    和名・・・グレナダキスジメジロハエトリ

    学名・・・Lathrotriccus euleri flaviventris

    1950年代絶滅


    南米に広く分布するキスジメジロハエトリのグレナダ固有亜種。生息地の破壊と外来種により絶滅。


    【EX】

    和名・・・サン・クリストバルベニタイランチョウ

    学名・・・Pyrocephalus dubius

    1987年絶滅


    かのチャールズ・ダーウィンによって発見された美しい深紅の小鳥。ガラパゴス諸島のサン・クリストバル島の固有種にして、人類が初めて絶滅させたガラパゴス固有の鳥でもある。かつてはサン・クリストバル島で広く見られた鳥であったが、外来植物の増殖により主食の在来昆虫が激減したことでこの鳥は絶滅した。


    最後の目撃は1987年で、1998年の半年間調査でも見つけることができなかった。

  • 128絶滅動物紹介人22/02/16(水) 05:12:39

    【EX】

    和名・・・ジャマイカキンイロツバメ

    学名・・・Tachycineta euchrysea euchrysea

    1989年絶滅


    この鳥がどうして絶滅してしまったのか、正確な理由はよくわかっていない。19世紀初頭までジャマイカ中で一般的だったこのツバメは1世紀の間に急激に減少していった。そして20世紀には限られた場所でしか見られなくなってしまった。しかし、その場所もボーキサイト鉱山開発のために1987年に破壊されてしまった。

    1989年6月3日に3羽が目撃されたのが最後の記録である。


    【EX】

    和名・・・キューバコヨタカ

    学名・・・Siphonorhis daiquiri


    【EX】

    和名・・・ジャマイカコヨタカ

    学名・・・Siphonorhis americana

    1860年絶滅


    前者は半化石が、後者は19世紀に数体の標本が採集されただけの小型のヨタカ。夜行性で人の目につかない鳥のため、生き残っている可能性はゼロではないがその可能性はかなり低い。


    【EX】

    和名・・・ケイマンツグミ

    学名・・・Turdus ravidus

    1938年絶滅


    カリブ海のグランドケイマン島固有種。

    美しい種類としてコレクターから非常に人気があった。そのため、最初に発見された1866年から1916年にかけて計21個体が標本として採集された。


    しかし、この鳥の絶滅の原因はコレクターによる採集ではない。ハリケーンによる生息地の破壊と人間による森林破壊が複合的に重なったためだと考えられている。

  • 129絶滅動物紹介人22/02/16(水) 15:40:51

    【EX】

    和名・・・セントルシアアメリカムシクイ

    学名・・・Leucopeza semperi

    1961年絶滅


    カリブ海の島国、セントルシアの固有種。

    薄暗い原生林を好み、採食や営巣など生活の多くを林床で過ごした。そのため、移入されたマングースの格好の餌食となり絶滅した。

    最後の確実な記録は1961年のものだが、その後も1965年、1972年、1989年、1995年、2003年に不確かな目撃情報が寄せられている。


    【EX】

    和名・・・バミューダノスリ

    学名・・・Bermuteo avivorus


    【EX】

    和名・・・バミューダハシボソキツツキ

    学名・・・Colaptes oceanicus


    【EX】

    和名・・・バミューダミノゴイ

    学名・・・Nyctanassa carcinocatactes


    【EX】

    和名・・・バミューダトウヒチョウ

    学名・・・Pipilo naufragus

    いずれの種類も17世紀初頭に絶滅


    バミューダ諸島に白人が入植したことに伴う生息地の破壊と外来種によってすぐに絶滅してしまった。詳しくは>>48参照。

  • 130絶滅動物紹介人22/02/18(金) 23:12:11

    【EX】

    和名・・・サンタ・バーバラウタスズメ

    学名・・・Melospiza melodia graminea, sensu

    1959年絶滅


    カリフォルニア沖にあるサンタ・バーバラ島固有のウタスズメの亜種。

    人為的に移入されたヤギとウサギに島の植生が破壊され、野良猫が無防備になったウタスズメを捕食したことにより激減した。それでもなお、1958年の夏まではウタスズメは生存可能な個体数を維持していたが、1959年の大規模な山火事が決定打となって残りの個体群も絶滅した。

    1990年代を通じて島では徹底的な調査が行われたが、結局ウタスズメは1羽も見つからなかった。


    【EX】

    和名・・・サン・ベネディクトイワミソサザイ

    学名・・・Salpinctes obsoletus exsul

    1952年絶滅


    レビジャヒヘド諸島サン・ベネディクト島固有のイワミソサザイの亜種。本土の亜種とは嘴の形状や囀りが異なるのが特徴だが、残念ながらその囀りを聞くことはできない。1952年のバルセナ火山の大噴火によって島は溶岩と火山灰に呑み込まれてしまいイワミソサザイは島から絶滅してしまった。


    【EX】

    和名・・・ソコロサボテンフクロウ

    学名・・・Micrathene whitneyi graysoni

    1931年絶滅


    【EW】

    和名・・・ソコロナゲキバト

    学名・・・Zenaida graysoni

    1972年野生絶滅


    共にレビジャヒヘド諸島ソコロ島の固有(亜)種で放牧に伴う島の砂漠化と野良猫の捕食圧により前者は絶滅し、後者は野生絶滅した。

    ナゲキバトは飼育下個体の遺伝子汚染が進んでおり、純血種は100羽未満しか残っていない。

  • 131絶滅動物紹介人22/02/21(月) 03:29:05

    【EX】

    和名・・・グアダルーペカラカラ

    学名・・・caracara lutosus

    1900年絶滅


    メキシコ沖300kmに浮かぶグアダルーペ島固有の大型地上性ハヤブサ。非常に大きく、現地民からはワシと呼ばれていた。そのため、放牧された子ヤギを襲うと誤解されて執拗に狩猟されて数を減らした。そうして希少になると、今度はコレクターが大金で手に入れようとして狩り尽くされ絶滅した。


    【EX】

    和名・・・グアダルーペシロハラミソサザイ

    学名・・・Thryomanes bewickii brevicauda

    1897年絶滅


    【EX】

    和名・・・グアダルーペハシボソキツツキ

    学名・・・Colaptes auratus rufipileus

    1906年絶滅


    いずれの鳥もヤギによる植生破壊で数を減らし、警戒心が低いことから野良猫に簡単に捕食されて絶滅した。


    【EX】

    和名・・・ハシボソクロムクドリモドキ

    学名・・・Quiscalus palustris

    1910年絶滅


    メキシコ中央部のリオレルマ地域にのみ生息するムクドリモドキ。スペイン侵略よりも前からアステカ人に大量に採集されていたが、その理由は不明である。生息地の湿地帯が農地に転換されたことが決定打となり絶滅。

  • 132二次元好きの匿名さん22/02/23(水) 20:10:54

    このレスは削除されています

  • 133絶滅動物紹介人22/02/23(水) 22:07:12

    【EX】

    和名・・・ウェーククイナ

    学名・・・Gallirallus wakensis

    1945年絶滅


    太平洋の真ん中にポツンと浮かぶ絶海の孤島、ウェーク島。遥か大昔にやって来たナンヨウクイナが天敵のいないこの島で独自の進化を遂げたのがウェーククイナである。


    アメリカが太平洋戦争に加わって間もなく、ウェーク島の米軍基地は日本軍に攻略されることになる。しかし戦争の激化に伴い、島に駐屯していた日本軍部隊は物資の補給を絶たれて孤立し、飢えに苦しんだ。それで日本兵はこの飛べない鳥を片っ端から貪り食ってしまった。

    終戦後にこの島は再びアメリカの手に戻ったが、既にクイナは滅び去った後であった。


    【EX】

    和名・・・レイサンクイナ

    学名・・・Porzana palmeri

    1944年絶滅


    ハワイ北西1300kmにあるレイサン島固有のクイナ。飛翔力は無くチューチューと鳴きながら茂みを走り回ったのでネズミクイナとも呼ばれる。イギリスの大富豪のウォルター・ロスチャイルドが派遣した調査隊により初めて世に知られた。


    それから10年後、島に食用のウサギとモルモットを放して肉の缶詰事業を始める計画が始動する。当然この事業は失敗したが、それ以上に島の植生は破壊し尽くされ、1920年代にクイナは島から姿を消した。


    しかしクイナは地球上から絶滅したわけではなかった。実は1891年と1912年にミッドウェー環礁に数羽のクイナが放されていて、そこで数を増やしていたのだ。

    だが太平洋戦争が始まると、寄港した軍艦と共にネズミが島に侵入し、クイナは一羽残らず食べられた。


    【EX】

    和名・・・ハワイクイナ

    学名・・・Porzana sandwichensis

    1884年絶滅(1893年にも不確かな目撃例あり)

  • 134絶滅動物紹介人22/02/25(金) 17:17:48

    ハワイは日本人にも人気の観光地だが、その一方で『世界の絶滅生物の首都』という不名誉な称号でも知られている。太平洋プレートの中心に浮かぶハワイ諸島にはアジア由来と北米由来の生き物が共存し、そこで何百万年もの歳月をかけて独自の生態系を形成していった。

    昆虫やクモ、植物には特に顕著だが、島に到達したごく僅かな種類がハワイの多様な自然にしていった結果、非常に多くの固有種へと分化していった。それは鳥も同じで、中でも一つの祖先から50種類以上に分化したハワイミツスイ類は適応放散の好例として生物学的に重要である。

    ハワイに限らず、こうした海洋島にはコウモリ以外に陸生哺乳類がいないため、鳥の飛翔力は弱くなり、警戒心を持たなくなり、大型化が進んでいった。

    彼らは外来生物に対抗する術を一切持っていなかった。


    紀元前から3世紀にかけてポリネシア人がハワイに居住するようになる。この時に、大型の猛禽類と飛べない大型のカモとトキ、ハワイミツスイの一部が絶滅した。


    そして18世紀になり、白人がハワイに入植したことで絶滅の速度は飛躍的に加速していった。固有のハワイミツスイ類の多くが絶滅、フサミツスイは科単位で絶滅、陸生巻貝ハワイマイマイ類も殆どが絶滅し、数種がかろうじて研究室で命を繋いでいる。さらに、外来植物の猛威により固有種の植物も激減し、追随する形で多くの固有種の昆虫も消えていった。


    こうしてかつての『固有種の宝庫』が今では『外来生物の楽園』そして『絶滅生物の首都』へと変貌してしまったのである。

  • 135絶滅動物紹介人22/02/25(金) 19:17:01

    >>134

    和名・・・モリチュウヒ

    学名・・・Circus dossenus

    草原を好むチュウヒ類にしては珍しく森林を好んだ。


    和名・・・ハワイオジロワシ

    学名・・・Haliaeetus albicilla subspecies


    和名・・・アシナガフクロウ

    学名・・・Grallistrix geleches ほか3種

    大型のフクロウで脚が長く、一日の多くを地上で過ごしたと考えられる。おそらくジュナイパーの元ネタ。


    和名・・・ハワイトキ

    学名・・・Apteribis glenos ほか2種

    翼が退化したトキ。ジャマイカにも飛べないトキがいたが、こちらも同時期に絶滅している。


    和名・・・モアナロ

    学名・・・Chelychelynechen quassus ほか3種

    羽が退化して飛べなかった大型のカモ。草食動物のニッチを占めていた。


    和名・・・オオハワイガンㅤㅤㅤ 和名・・・ネネヌイ

    学名・・・Branta hylobadistes 学名・・・Branta rhuax

    共に原生種のハワイガンの近縁種。飛翔力はなかった。


    和名・・・モグラガモ

    学名・・・Talpanas lippa

    カウアイ島の固有種。視力が非常に低い反面、嘴が極めて発達していた。夜行性で嘴の触覚と嗅覚を頼りに地中の無脊椎動物を捕食していたと考えられている。

  • 136絶滅動物紹介人22/02/27(日) 12:34:02

    ハワイ諸島には、多くの絶滅種を含むという不名誉な理由で夜に知られる鳥のグループが2つある。両者に類縁関係はないが、名前が似ていることでしばしば混同される。
    そのひとつはハワイミツスイ類(Hawaiian Honeycreeper)で、もうひとつはフサミツスイ類(Hawaiian Honeyeater)である。どちらも花の蜜を吸うことから「ミツスイ」と名付けられたが、多くの種は花弁や昆虫、軟体動物なども餌にしていた。

    ハワイミツスイはハワイミツスイ科という独自の科が与えられていた時期もあったが、現在ではアトリ科に内包されている。このグループはアジアに由来する。
    フサミツスイは以前はミツスイ科に含まれていたが、現在はミツスイに似ているのはただの収斂であり、北米系のレンジャクやヤシドリに近縁のグループだと結論付けられている。

    【EX】
    和名・・・ハワイカオグロミツスイ (キオエア)
    学名・・・Chaetoptila angustipluma
    1859年絶滅

    このフサミツスイはハワイ島の山地で1840年に初めて採集されたが、その19年後に採集されたのを最後に記録が途絶えている。
    現存する標本は4体のみ。

    白人がハワイに到達する前からこの鳥は衰退していたらしく、先住民もこの鳥について詳しく知らなかった。なお他のフサミツスイとは異なり、羽色が地味であったので、羽毛目当ての乱獲は行われなかった。

    ちなみに、学名のない近縁種の化石はオアフ島とマウイ島からも見つかっている。

  • 137絶滅動物紹介人22/03/02(水) 00:48:51

    【EX】

    和名・・・ワキフサミツスイ

    学名・・・Moho apicalis

    1837年絶滅


    ハワイ諸島の主要四島にはそれぞれ固有のフサミツスイが暮らしていた。ワキフサミツスイはオアフ島の固有種である。

    本種は1825年に初めて記載されたが、そのわずか12年後にホノルルの裏山で3羽が採集されたのが最後の記録となってしまった。

    その後、1880年から1890年に大規模な捜索が行われたが、ワキフサミツスイは二度と見つからなかった。

    本種の絶滅を皮切りに、残りのフサミツスイも同様に絶滅の道を辿っていくこととなる。


    【EX】

    和名・・・ムネフサミツスイ

    学名・・・Moho nobilis

    1934年絶滅


    ハワイ島産の本種は4種のフサミツスイの中で最大の種であった。

    他のフサミツスイの例に漏れず、体の殆どを光沢感ある黒色が占める一方、胸と腰から長い尾羽にかけては輝いて見えるほど鮮烈な黄色が目立った 。

    特に胸の房状の黄色い羽毛は美しく、ハワイの王族もこの鳥に魅了された。彼らはフサミツスイを王家の紋章にしただけでなく、自分たちの王冠や礼服の装飾にする為に何千羽ものフサミツスイを殺した。


    だが、この鳥が本格的に数を減らしていったのは白人が島に訪れてからだった。

    彼らにより持ち込まれたネズミとネコは警戒心の低いフサミツスイをいとも容易く食らい、ハワイの豊かな森林は焼かれて牧場や果樹園に転換されたことでフサミツスイはみるみる数を減らしていった。


    かつて一日で数千羽が捕獲されるほどいたムネフサミツスイは19世紀中を通して激減し、20世紀になる頃には極めて珍しい鳥になってしまった。

    そして1934年、マウナロア山で囀っているところを観察されたのが最後の記録となった。

  • 138絶滅動物紹介人22/03/04(金) 23:08:01

    【EX】

    和名・・・ミミフサミツスイ

    学名・・・Moho bishopi

    1981年絶滅


    このフサミツスイはモロカイ島とマウイ島、そしてラナイ島に生息していたが、マウイ島とラナイ島の個体群は白人の来る前に絶滅し、モロカイ島にわずかに生き残っていたに過ぎなかった。

    しかし、その生き残りも森林伐採と外来動物、そして鳥マラリアの流行が重なり絶滅した。


    確実な記録としては1904年が最後であるが、1981年にもハレアカラ山で目撃されたらしい。


    【EX】

    和名・・・キモモミツスイ

    学名・・・Moho braccatus

    1987年絶滅


    モロカイ島固有のフサミツスイ。

    生きた個体が撮影された唯一のフサミツスイでもある。


    これまで紹介してきたフサミツスイはどれも鮮やかな黄色い羽毛が目を引いたが、本種は足の付け根にほんの少ししか生えていなかった。それが幸を奏したのかどうか定かではないが、本種はフサミツスイの中で一番最近まで生き残ることに成功した。


    20世紀初頭にはこの鳥は海岸付近から島で2番目に高い山の頂まで、モロカイ島の至る所で目にすることができた。だが、鳥マラリアの蔓延によって低地の個体群は1930年代に絶滅してしまい、媒介する蚊のいないアラカイ湿潤高原に少数が生き残るだけになっていた。


    しかし、蚊が高原に飛んでくるのは時間の問題でしかなく、たび重なるハリケーンに乗って低地にしかいなかった蚊が遂に高原にまでやって来てしまった。


    こうなると後は一瞬で、1981年にはひと組のつがいを残すだけになっていた。

    そのつがいのメスは1982年にハワイを直撃したハリケーンで死んでしまったらしく、たった1羽残されたオスも1985年を最後に目撃されていない。

    幻想的な歌声はその後もしばらく聞かれたが、1987年を最後にぱったりと止んでしまった。

    Kauai O'o Kuşunun Hüzünlü Son Şarkısı - The Last Song of the Kauai O'o Bird - Чешуегорлый мохо


  • 139絶滅動物紹介人22/03/07(月) 01:28:43

    ヒトリツグミ類は、北米から中米にかけて生息するツグミで、常に単独で生活することからソリテア(独り者)と呼ばれている。そんなソリテアが風に乗って大昔のハワイに辿り着き、各島ごとに異なる種や亜種へと分化していった。


    【CR/UMA】

    和名・・・ラナイヒトリツグミ

    学名・・Myadestes lanaiensis lanaiensis

    1933年以降記録無し


    ラナイヒトリツグミ(現地名オロマオ)を含めたハワイ産ヒトリツグミ類はフルートのような美しく神秘的な鳴き声が特徴で、ハワイ先住民はその声に心打たれて、ヒトリツグミを聖なる存在として崇めていた。


    マンローという鳥類学者が1911年から1923年までこの鳥の研究をしていた。その頃にはラナイ島の至る所で鳴き声が聞かれたという。それからしばらくして島に鳥マラリアが持ち込まれた。また同時期に街や農園を作るためにツグミの住処の熱帯雨林が焼き払われていった。こうしてわずか数年でツグミの数は激減した。


    1933年を最後にこの鳥は観察されておらず、鳴き声も聞かれていない。それでもまだ生き残っているかもしれないという非常に低い可能性にかけて、この鳥はレッドデータブックの上では絶滅していない。だが、この鳥がEXランクに入るのも時間の問題であろう。


    【EX】

    和名・・・オアフヒトリツグミ

    学名・・・Myadestes lanaiensis woahensis

    1850年代絶滅


    オアフ島の固有亜種で現地名はアーマウイ。


    【EX】

    和名・・・カウアイヒトリツグミ

    学名・・・Myadestes myadestinus

    1989年絶滅


    カウアイ島の固有種で現地名はカーマオ。

    1989年にアラカイ荒野保護区で目撃されたのが最後の記録である。

  • 140絶滅動物紹介人22/03/10(木) 00:07:13

    【EX】

    和名・・・キガシラハワイマシコ

    学名・・・Psittirostra psittacea

    1989年絶滅


    現地名はオーウー。

    速く飛ぶことはできなかったが、ハワイミツスイ類としては例外的に飛翔力に優れ、ハワイ諸島の主要な島々の殆どに生息していた。各島ごとに種分化していなかったことから、島間で遺伝交流していたと考えられる。


    大きさは17cm。雌雄で色が異なり、雌は全身が緑で腹が灰色、雄は頭が黄色かった。昆虫や果実、新芽に花と食性は幅広く、季節によっても食べるものを変えていた。

    この高い環境適応力と飛翔力でポリネシア人入植による大量絶滅には耐えきったが、白人入植による環境変化を耐えることができなかった。


    20世紀の頃には極めて稀な鳥になっており、多くの島でキガシラハワイマシコは絶滅し、ハワイ島とカウアイ島の数ヶ所に生息域は限られてしまった。

    しかし、最も大きく安定していたマウナロア山のコロニーは1984年の噴火で消失し、カウアイ島の個体群も1988年に島を襲ったハリケーンにより壊滅した。

    1989年にカウアイ島で2羽が観察されたのが最後の記録である。


    【EX】

    和名・・・ラナイマシコ

    学名・・・Dysmorodrepanis munroi

    1918年絶滅


    嘴の力が弱く、オウムのような独特の形状の嘴からカタツムリを主食にしていたことが示唆されている。

    この鳥はキガシラハワイマシコの近縁種だが、広範囲に分布していたキガシラハワイマシコとは対照的に、ラナイ島のごく狭い範囲にしか生息していなかった。


    1913年2月22日にジョージ・C・マンロー(>>139)によって初めて採集されたが、その時点で既に絶滅寸前であった。その後、マンローに1916年と1918年に観察されたのを最後にラナイマシコは絶滅したと考えられている。


    かつてラナイマシコが暮らしていたラナイ島の森林は、20世紀中に殆どがパイナップル畑に転換され、餌のハワイマイマイも絶滅した。そんな状況の中、鳥マラリアとネズミが島に侵入し絶滅した。

  • 141絶滅動物紹介人22/03/12(土) 23:28:15

    【EX】

    和名・・・ハワイマシコ

    学名・・・Chloridops kona

    1894年絶滅


    ハワイ島コナ地区の標高1400〜1500mの溶岩台地のナイオの森に固有のハワイミツスイであった。

    化石記録より、かつてはオアフ島とカウアイ島にも生息していたことが分かっているが、ポリネシア人の到来により人知れず衰退の道を辿っており、白人が到来した時には既に絶滅寸前で、生息範囲はわずか10k㎡しか残っていなかった。


    その生態は謎に包まれているが、鳥類学者のスティーブ・ウィルソンによる詳細な観察記録が残されており、それによると常に単独で行動し、堅い果実を食べることに多くの時間を割き、嘴は植物の蝋によって白く汚れていたらしい。


    1894年に1個体が採集されたのが最後の記録となった。


    【EX】

    和名・・・ワヒハワイマシコ

    学名・・・Chloridops wahi


    【EX】

    和名・・・キングコングハワイマシコ

    学名・・・Chloridops regiskongi


    どちらも先史時代に絶滅したハワイマシコの近縁種。

    後者は最大のハワイミツスイの1つだったが、ポリネシア人の到来と同時期に絶滅した。

  • 142絶滅動物紹介人22/03/15(火) 23:25:45

    【EX】

    和名・・・コアハワイマシコ

    学名・・・Rhodacanthis palmeri

    1896年絶滅


    ハワイマシコと同じく、かつてはハワイの各島に広く分布していたが、人間による環境破壊によってコナ地区に追いやられてしまった。

    ハワイマシコは雌雄同色であるが、コアハワイマシコは雌雄で色が違った。

    この鳥はコアの鞘と種子を専門に食べていたため、生息が重なる他のハワイミツスイと住み分けができていたほか、近縁のヒメコアハワイマシコとも共生関係にあった。


    生息地の湿潤林が切り開かれ牧草地やコーヒー農場にされたことで激減、鳥マラリアとクマネズミによる食害もそれに拍車をかけた。

    最後の目撃記録は1896年。


    【EX】

    和名・・・ヒメコアハワイマシコ

    学名・・・Rhodacanthis flaviceps

    1891年絶滅


    コアハワイマシコの近縁種で、こちらの方が小型であった。こちらも雌雄で色が違う。

    この鳥はしばしばハワイマシコやコアハワイマシコと群れを成して行動していた。


    コアハワイマシコと同様の理由でこちらも絶滅した。

    採集された標本は全部で8体。

  • 143二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 07:12:22

    スレ主が地道に続けてくれて感謝
    きちんと追っかけてますよ…

  • 144二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 09:12:21

    勉強になる…
    フクロオオカミをリクエストしてもいいですか?

  • 145絶滅動物紹介人22/03/16(水) 12:22:00

    今後の執筆予定です

    ハワイ・・・あと12回ぐらい
    小笠原・琉球諸島・・・2〜3回
    マリアナ諸島・・・2〜3回
    ミクロネシア・メラネシア・・・それぞれ1〜2回
    ロードハウ島・ノーフォーク島・・・3回
    チャタム諸島・・・4〜6回
    ニュージーランド・・・8回ぐらい
    仏領ポリネシア・・・1〜2回
    インドネシア・・・1回
    アラビア半島・・・1回
    マカロネシア・・・2回
    マスカリン諸島・・・6〜7回
    アフリカ・・・1回
    南大西洋・・・2〜3回

    予定は変更する可能性があります。
    島嶼性鳥類は第2巻で全て紹介しきり、第3巻で哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類などを紹介して完結する予定です。
    このペースだとフクロオオカミに辿りつくのはかなり先になりそうです。

  • 146絶滅動物紹介人22/03/17(木) 15:21:48

    【EX】

    和名・・・モロカイキバシリハワイミツスイ

    学名・・・Paroreomyza flammea

    1963年絶滅


    現地名はカーカーワヒエ。

    キバシリハワイミツスイ類はハワイミツスイの中で2番目に原始的なグループである。彼らの嘴は短く、平たく、尖っていた。その嘴で老木をつつき、樹皮の下に隠れている幼虫を食べていた。性格は好奇心旺盛で、人に臆することなく近づいてくる鳥だったという。


    オスの鮮やかな緋色の羽毛はハワイの王族や貴族の装飾品として珍重されたが、本種もやはり持ち込まれた鳥マラリアが決定打となり絶滅した。

    1963年にオーヒアレレ高原で観察されたのが最後の記録である。


    【CR/UMA】

    和名・・・オアフキバシリハワイミツスイ

    学名・・・Paroreomyza maculata

    1985年絶滅?


    現地名はアラウアヒオ。

    最後の標本は1968年に採集され、その後1985年12月12日にメスと幼鳥の親子が観察されたのが最後の記録である。

    鳥マラリアと外来種により個体数は激減し、ノースハラワに小さな個体群が生き残るだけになっていた。

    しかし、その残された生息地の大部分は高速道路H-3の建設予定地となってしまい破壊された。

    既に絶滅している可能性が高い。


    【EX】

    和名・・・ラナイキバシリハワイミツスイ

    学名・・・Paroreomyza montana montana

    1937年絶滅


    外来種による食害と鳥マラリアに加えて、ラナイシティの建設に伴う森林破壊によって絶滅した。

  • 147絶滅動物紹介人22/03/17(木) 15:28:59

    【EX】

    和名・・・ヤシハワイミツスイ

    学名・・・Ciridops anna

    1937年絶滅


    現地名はウラアイハワネ。

    ハワイ島の木々に覆われた山地から知られていた。

    本種はハワイ特産のロウルヤシの種子や花、未熟な果実を専門に食べており、ロウルヤシに大きく依存した生活を送っていた。

    19世紀には既に稀な鳥になっており、1892年2月20日に採集されたのか最後の確実な記録である。だが、1937年にも目撃例がある。

    採集された標本は全部で5体しかない。


    【EX】

    和名・・・アシブトヤシハワイミツスイ

    学名・・・Ciridops tenax


    カウアイ島にかつて生息していたヤシハワイミツスイの近縁種だが、ポリネシア人の到来に伴う環境変化によって絶滅した。


    【EX】

    和名・・・クロハワイミツスイ

    学名・・・Drepanis funerea

    1907年絶滅


    モロカイ島の固有種で、現地名はホア。

    長く曲がった嘴でロベリアの花の蜜を吸っていた。

    野生化した牛と鹿が下層植生を破壊し、持ち込まれたネコとネズミとマングースに捕食され絶滅した。

    1907年に1羽が採集されたのが最後の記録である。

    1936年に大規模な捜索が行われたが、結局この鳥は見つからなかった。

  • 148絶滅動物紹介人22/03/17(木) 15:30:48

    【EX】

    和名・・・キゴシクロハワイミツスイ

    学名・・・Drepanis pacifica

    1898年絶滅


    ハワイ島の固有種で、現地名はマモ。

    黒と黄色の非常に美しい鳥で、その黄色の羽毛はハワイの権力者を魅了してやまなかった。有名なカメハメハ大王のマントには8万羽もの本種の羽毛が使われていると言われている。だが、ハワイの王は代々「狩猟者は鳥を殺してはならない。黄色い羽を取ったら放すべし」というお触れを出していたため、絶滅することはなかった。


    この鳥はミゾカクシという花の蜜しか吸わなかったので、森林が農地に転換されると生きていくことができなかった。さらに人の手から逃げ出した牛が地面を踏み固め、花を根こそぎ食らっていった。追い討ちをかけるように外来種が警戒心の低い本種を捕食していった。また、白人もこの鳥の美しさに心奪われ、コレクター達が乱獲していった。


    この鳥にはこのようなエピソードが残されている。


    かの大富豪、ウォルター・ロスチャイルドは鳥の研究に並々ならぬ意欲を燃やしていた。彼は標本を採集するため、ヘンリー・パーマーという男をハワイに送り込んだ。奇しくもハワイの鳥の大量絶滅と時が重なっていたが、パーマーは容赦なく鳥を集め、任務に没頭した。

    その最中でパーマーは足を怪我し、使用人のテッド・ウォルステンホームと現地の鳥刺しに採集を続行させた。


    1892年4月16日、マウナ・ロア山中にて鳥刺しがキゴシクロハワイミツスイをトリモチで採集した。ウォルステンホームは、この鳥に砂糖水を与えるうちに次第に情が移り、この鳥と一緒に写真を1枚取った。

    翌日、ウォルステンホームはパーマーに鳥を渡したが、パーマーは鳥を受け取ると直ぐに殺して剥製にしてしまった。

    それからしばらくして、ウォルステンホームはマンロー(>>139>>140)にその時の写真を送った。マンローが写真を大切に保管したおかげで、貴重な写真は現在も残っている。


    その後、1898年に最後の1羽が撃たれて絶滅した。

  • 149絶滅動物紹介人22/03/19(土) 19:58:55

    【CR/RD/UMA】

    和名・・・マウイカワリハシハワイミツスイ

    学名・・・Hemignathus affinis

    1994年絶滅?


    現地名はヌクプウ。

    カワリハシハワイミツスイはその名の通り、上下で長さが異なる変わった嘴を持っていた。この嘴で樹皮の下にいる虫を食べていたらしい。


    20世紀始めの頃までは一般的な種類だったが、その後の数十年は数回しか観察されず、1963年に絶滅したと考えられていたが、1980年に再発見された。

    80年には28羽が確認されていたが、1994年にはオス1羽しか残っておらず、その個体も二度と観察されなかった。

    2007年にも不確かな目撃情報がある。

    しかし2021年の調査では得られず、合衆国野生生物局はこの種が絶滅した可能性が高いと宣言した。


    【EX】

    和名・・・オアフカワリハシハワイミツスイ

    学名・・・Hemignathus lucidus

    1841年絶滅


    標高の高い場所ではコアの林に、標高の低い場所ではオヒアの林に生息していた。

    マングースと鳥マラリアによって絶滅。


    【CR/UMA】

    和名・・・カウアイカワリハシハワイミツスイ

    学名・・・Hemignathus hanapep

    1899年絶滅?


    19世紀までは一般的な種類だったが、低地の森林が焼畑農業によって喪失したことで激減。1889年にはかなり稀な鳥になっていた。

    1899年にアラカイ荒野保護区で観察されたのが最後の記録だが、その後も1984年から1998年(ほとんどがカウアイミツスイとの誤認だと判明)や2007年にそれらしい鳥の目撃記録がある。

  • 150絶滅動物紹介人22/03/22(火) 00:34:30

    【EX】

    和名・・・ユミハシハワイミツスイ

    学名・・・Akialoa obscura

    1940年絶滅


    現地名はアキアロア。

    本種はハワイ島の固有種で、その長い嘴で他の鳥の嘴が届かない花の蜜を専門に吸っていた。本種は送粉者として非常に重要な存在であったが、森林が開墾されたことで住処と餌を失い絶滅した。


    【EX】

    和名・・・オアフユミハシハワイミツスイ

    学名・・・Akialoa ellisiana

    1940年絶滅


    【EX】

    和名・・・カウアイユミハシハワイミツスイ

    学名・・・Akialoa stejnegeri

    1967年絶滅


    【EX】

    和名・・・マウイヌイユミハシハワイミツスイ

    学名・・・Akialoa lanaiensis

    1892年絶滅


    かつてはラナイ島、カホオラウェ島、マウイ島、モロカイ島に生息していたが、白人が到来した時点で既にラナイ島以外の個体群は絶滅し、ラナイ島の個体数も絶滅の瀬戸際だった。

    野生化したブタによって各島の植生はブタに対して抵抗力ある種類しか生えなくなり、限られた花の蜜しか吸わないユミハシハワイミツスイは真っ先に絶滅してしまった。

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