ここだけダンジョンがある世界の掲示板イベントスレ(外伝)

  • 1二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:01:31

    偉大なる本スレ

    ここだけダンジョンがある世界の掲示板 第712層|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/254582/設定スレhttps://bbs.animanch.com/board/245924/姉妹スレhttps://bbs.a…bbs.animanch.com

    このスレは「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」の番外編みたいなものです


    イベントとは名ばかりのSS投稿及び設定投稿スレ(白目)


    自己満足とエゴの塊!! スレタイ詐欺だよコレ!?


    尚、当作品は本スレの世界や設定とは一切関係が無く、全く接点のない多元宇宙の何処かのお話となります。


    ちなみに当作品はバッドエンドとなりますのでご注意ください。

  • 2追憶の墓標21/12/30(木) 22:03:15

    これは無限大の規模を誇る「多元宇宙」の何処かのお話。

     膨大な記憶の海の中で永遠に微睡むこの世界は最早すでに無く、永劫の忘却の彼方へと追いやられた──記憶に長けた古のスフィンクスですら、今やその世界の事は思い出せもせず、語ることもできず。

     混沌と秩序、善と悪、神と魔といった遍く存在と多元宇宙全域を巻き込んだ大戦が終わり、新たな創世を終えた頃の記憶。その頃は神々と宇宙が未だ"若く"、人間を筆頭とした人型種族が繁栄と栄光を謳歌し、諸々の罪と穢れが溢れ始めた頃であり、多元宇宙の歴史に残る大事件たる"大衝合"と「地球」という蒼き星が生まれる遥か前の出来事であった。

  • 3追憶の墓標21/12/30(木) 22:04:01

    ──魔界・象牙色の迷宮──

    「……最早これまでか……」
    複雑に入り組んだ迷宮の壁に向かって、私は茫然と倒れ込む──重鎧を身に着けた全身がアダマンタイトすら軽石に思えるほど重く、もう動けそうにない。

    「……まさか、こんな最期を迎えるとはな……」──"ヤツ"の陰謀と暗躍に気付けず、国家同士でいがみ合い続けていたのが原因か? それとも、我々定命種の堕落と腐敗が予想以上であったか?

     いや、如何に悔いて後悔しようが全ては後の祭り。私達の生まれ育った国はおろか世界は今日滅ぶ──魔神"バフォミトラ"の手によって。

     そんな不毛な愚痴と恨み言を延々と呟いていると、迷宮内に不穏な足音が響き渡り、その音と圧倒的かつ邪悪な存在感の圧は徐々にしかし確実に重みを増し、こちらに近付いてくるのが嫌でも解る──嗚呼、"ヤツ"が来る。

    「……私の人生という名の"迷路"も、とうとう袋小路か…」
    柄にもなく人生の最期に上手い事を言ってやった。私が亡き戦友の様にジョークを小声で呟き、満足げに自虐的な笑みを浮かべていると──

    『この状況下で、なかなか洒落た遺言を吐くじゃないか? 我が直々に褒めてやるぞ?──最も、貴様からすれば我の賛辞など嬉しくも何ともないだろうがな。』──"ヤツ"──バフォミトラから予想外の賛辞を受ける。

    「…ふっ、光栄の至りだよ…。」

     畏怖すべき魔神と対峙している私の生命は、今や風前の灯火──私"ジョーゼフ・ランゴバルト"の聖騎士人生の中で想像を絶する最悪であり、最も不本意な最期を迎える原因にしてその切欠となったのは、女王陛下から齎された極秘の任務に遡る。

  • 4追憶の墓標21/12/30(木) 22:05:09

     全ては東部にあった蛮族の国"イルコリス"が、突如として出現したデーモンの軍勢に蹂躙され、予期せぬ滅亡を迎えたのが全ての始まりであった。

     事態を重く見た各国は、ウラニア大陸全土から集めた心正しい戦士たちによる「第1次聖英十字軍」を結成し、死闘の末にデーモン達を追い払ったかに見えた。だが、その13年後、再度現れたデーモンの軍は、国境の町"イゼヴェン"を襲撃し、再び侵攻を開始。

     この報を受けて再結成された「第2次聖英十字軍」は、デーモンを封じ込める「聖石結界 ケリュグマ」を作り出し、敵を食い止めることに成功した──はずだった。

     その後、デーモン達は"何かに統率されたが如く"内部撹乱へと急に戦術を転換し、それに対して結成された連合軍と各国は強い猜疑心に駆られ、その不安と疑念は悪性の癌や腫瘍の様に諸国と軍に情け容赦なく広まった。

     その結果、彼らはデーモンと戦うことよりも、魔女狩りを行って味方や民衆を処刑し始めたばかりか、各国同士の中傷と経済戦争に熱を入れ始め、多くのデーモン崇拝者と信奉者なのではないかと疑われた土着のドルイド教信徒や無辜の民達が次々と処刑台に登らされた。

     あろうことか十字軍指揮官を筆頭とした幹部や各国政治家の多くは、人権よりも軍事的問題と各々の利権にのみ目を向けてその蛮行を見過ごし、言うまでも無くデーモン達はその愚かさと混乱とを容赦なく突いた。

     結果として膠着したはずの戦線は急激に崩れ始め、デーモン達は正に破竹の勢いで大規模侵攻を開始。更に最悪な事に"有角公"として知られるかの悪名高き魔神バフォミトラの命を受けた、強大なるバルログ王"ディスペラント"が物質界に顕現し、結界を破壊。

     バフォミトラの強力な支援を受けたデーモンの勢力は遂に大陸を越え、その終わり無き不浄の進軍はとうとう、この次元宇宙「グイリエン」全域にまで及んでしまった。

  • 5追憶の墓標21/12/30(木) 22:05:56

    ──ウラニア亜大陸北方・レンブレン首都・ルーシャン──

     レンブレンはウラニア亜大陸北方に位置する、デーモンの世界侵蝕に立ち向かうための十字軍国家である。"北のダイアモンド"と呼ばれるレンブレンの首都"ルーシャン"は、エストロヴ大森林から流れるイナルシー川と、北の凍土の水を集めた西イレヌ河の合流点にある菱形の要塞都市。明確な目的、不屈の力、冷たい美を備え、川向こうの邪悪に鋭い切っ先を向けている街であり、統治者は正義と勇気を司る女神"イオディア"の巫女たる女王クラリス。

    ────

    「…よく集まってくれました。今日この場に集まってもらった皆様は…政を司ってきたこの私が知るかぎり 最も誠実で優秀と思える聖騎士達であり、この世界においても類を見ない英雄達であると確信しています。」

     謁見の間に通された精鋭達を前に、女王クラリスは重い口を開く。

  • 6追憶の墓標21/12/30(木) 22:06:12

    「……今や一刻の猶予も無いため、単刀直入に申し上げます──私の策に貴方達の命を預けて欲しい。」

    「これから述べる任務は極秘であり、その内容は単純明快です……ですが、その内容はもし達成できれば、この世界の歴史に残る神話の偉業であり、至難の業という言葉すら生易しい。」

    「体力的に……そして精神的にも、限界と想像を遥かに超える難行になります。」

    「そこまでしなければ……"奴等"を倒すことも世界を救うこともできないのです……!!」

  • 7追憶の墓標21/12/30(木) 22:06:25

    「そして、この任務は恐らく生還は不可能……我儘と不敬と冒涜を承知で述べます──私達の世界と未来を守るために死んで下さい……!!」

    そう言うや否や女王陛下は、王族としての威厳と誇りの全てをかなぐり捨てた平伏を行い、その頭を下げた。

    「…私はこれ以上民が死ぬのに耐えられません!!……これ以上!! 愛すべき臣下が無駄死するのを我慢できません…!!…だから──」

    そう述べて顔を上げた女王陛下は大粒の涙を流しており、その表情は威厳ある女王というよりも無力な只の少女にしか見えなかった。

    「……お願い……!! ヤツを……バフォミトラを……父上と皆の仇を斃して……!!」

  • 8追憶の墓標21/12/30(木) 22:06:57

    「……ずりぃなぁ、女王様? 美人にそんな顔して泣かれちゃあ、男としては断れないですよ──なぁ、テュルゴー?」

    若き奇才にしてイオディア神の放蕩的なクレリックである"ユン・ヴェンツェル"は、場の空気を変えようと飄々とした笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ。

    「……私は軽薄な君とは違う──女王陛下、態々そのような真似を成されなくとも、私ども"インペリアル・ガード"は女王陛下の剣にして盾にございます。死 ねと言われれば喜んでこの身を捧げましょう…!!」

    我が国最高の剣士にして、堅物そうな聖騎士団の同僚"テュルゴー・マルッテロ"は、真剣な表情で自身の決意を述べる。

  • 9追憶の墓標21/12/30(木) 22:07:14

    「…これでお顔をお拭きください、女王陛下? 折角の美人が台無しになってしまいますわ。」

    インペリアル・ガードの紅一点であり、隠密役を務める"エミーリア・ヴァレンシュタイン"は、女王陛下に高級そうな布ハンカチを手渡す。

    「……それで女王陛下、その極秘任務とは如何なる内容でございますかな…?」

    我が国最高の魔術師にして古株の宮廷魔術師たる"レドゥア・ドゥーリエ"は、落ち着いた様子で淡々と述べる。

    「……内容自体は簡単です──魔界にあるバフォミトラの支配領域たる"象牙色の迷宮"へと侵入し、奴の首を取る──ただそれだけです……!!」

  • 10追憶の墓標21/12/30(木) 22:07:32

    「……何となくそんな感じしたけど、想像以上の無理難題だぜぇ、これは……?──その難行を達成するくらいなら、この世界の国々を征服して女王陛下を頂点に押し上げる方がはるかに楽だな──なぁ、ジョーゼフ!?」

    「この状況と場所でよくそんなアホな事を言えるな、お前は!? ゴホン!!……奴の本拠地へ侵入するのは大いに望むところですが、その方法は如何なさるのですか? この物質界から魔界へ赴くには次元界の壁を越えなければ──」

    「──おいおい、何のために俺がわざわざ来たと思ってるんだ、ジョーゼフ? ちと面倒だが、俺ならば《次元界転移》で全員を下方次元界へ余裕で送れるさ。」

    「じゃあ、何の問題も無いわ──女王陛下、先程テュルゴーが述べたとおり、わたくし共は喜んで命を捧げ、平和の礎となる事をここに誓いますわ。」


    「……皆様有難うございます。」

  • 11追憶の墓標21/12/30(木) 22:08:28

    「それで出立は何時頃に?」

    「……明朝、日の出とともに我が軍はイナルシー川を越え、バフォミトラの魔軍と交戦を開始します。その間、貴方がたは《次元界転移》を用いて、バフォミトラの領域へと侵入し、奴を討伐して下さい──無論、時間が経過すれば経過するほど、奴らは私達の狙いに感づく事でしょう。故に私達は最高勢力による少数精鋭で、一か八かの短期決戦を仕掛けるのです……!!」

    「…もし、奇跡的に敵の総大将を殺れれば、世界の歴史はおろか神話として残るほどの一発逆転大勝利…!!」

    「…しくじれば、歴史の闇に消え、世界と共に滅ぶ運命…!! だが、今や手段を選ぶ暇も悩んでいる時間も無いに等しい!!」

    「億か兆か…例え、那由他の彼方でも今の我等には充分過ぎる…!!」

    「…引退まじかの年寄りには大分過ぎたギャンブルだが、是非も無しか……!!」

    「…でも、私達の世界を救うには最早これしかないわ……!!」

  • 12追憶の墓標21/12/30(木) 22:08:44

    確かな決意を秘め、玉座の間で幾何かのやり取りを終えた後、我々は最後の夜を思い思いに過ごした。

    国に対する忠義と恩を思えば、悔いなど無かった──スラム街の孤児から聖騎士へ、果ては親衛隊たるインペリアル・ガードにまで引き立てて下さった、先代陛下への大恩を想えば、私の命など惜しくはなかったのだ。

    黄昏時に先代陛下への墓前にて花を手向け、報告を終えた私は自室にて精神を研ぎ澄まし、来たるべき日を今か今かと待ち侘び続け──

    ──遂に"運命の夜明け"が訪れる──

  • 13追憶の墓標21/12/30(木) 22:08:56

    「よいか!? 覚悟を決めろ!!進むも地獄、引くも地獄!!だが、それが天命だ!!我ら騎士団は今日、ここで死ぬために来たッ!!」

    「我が祖国はおろか世界の明日と希望と未来のために死ぬ!!我らはそのために存在する!!さぁ、死ぬぞ!! 人々が明日も無事に暮らせるように、この世界で朝日を望めるようにするために!! 」

    「今、フォルナ神は賽を投げた!! 逝くぞ!!いざ進めッッ!!」

    日の出とともに聖騎士団はイナルシー川を越え、デーモンが支配する忌み地へと進軍。

    人間側の奇襲に気付いたデーモンはすぐさま応戦に応じ、瞬く間に戦場は激しさを増していった。

  • 14追憶の墓標21/12/30(木) 22:09:31

    ──同時刻・レンブレン首都・ラウスホルク城──

    「……覚悟はいいな? これから俺達は最悪の死地に向かう……!!」

    閉ざされた城内の一室にて円陣を組んだ討伐隊を前に、レドゥアは静かに述べる。

    「愚問だ、とうに覚悟はできている…!!」

    「ちゃっちゃっと行って、何もかも片付けちまおうぜ? 昨日、娼館の一番人気に告白したばっかで、終わったら新婚ハネムーンとしゃれこむ予定なんだからよ?」

    「……呆れて何も言えないわ……神経の図太さだけなら、神話どころか神格級よ、アナタ?」

    「…フフッ、それなら尚のこと、生きて帰らねばならないな──では、行ってまいります、女王陛下…!!」


    「……ご武運を──どうか皆に…この世界にイオディア神のご加護があらんことを……!!」

    その言葉を聞き終えるとレドゥアは呪文を詠唱し、精神を集中する。
    やがて、円陣を組んだ討伐隊は神秘的な青白い光に包まれ、瞬く間にこの世界から忽然と姿を消した。

  • 15追憶の墓標21/12/30(木) 22:09:52

    ──魔界・象牙色の迷宮──

    ふと気づけば討伐隊は、見知らぬ迷宮内の何れかに突如として出現し、眼で周囲を見渡すと迷宮内の壁や柱、天上や地面は数え切れないほどの生物の骨で完全に覆われており、一部の壁と柱は真鍮や象牙が用いられているのが一目で分かった。

    だが、それよりもこの迷宮内は想像を絶する禍々しいオーラと不気味なまでの静寂が漂っており、その空気は呪われた墓の底の様に重く澱んでいる。

    今までの生涯で感じたことがないほどの想像を絶する恐怖が重力の様に私達を襲い、ふとユンを見れば、彼からいつもの陽気な雰囲気と笑みが完全に消え失せている。

    そして、私達の奥底で眠っていた本能が──否、魂が全身全霊を持って強い警告を発している…!

    ──ここは定命の存在如きが足を踏み入れていい場所では無いと……!!

  • 16追憶の墓標21/12/30(木) 22:10:49

    「…教会でちょっとは"ヤツ"に関する知識を齧ったつもりだったけど、想像以上だな、ここは…!!」

    「…ヤンチャしてた頃に何度か下方次元界に足を踏み入れたことはあるが、魔神様の支配領域は流石に別格だな……年寄りにはきつすぎるぜ…!?」

    ユンとレドゥアは恐怖を紛らわせようと小声で軽口を叩くのだが、その声は微かな震えが感じ取れる──彼らとの付き合いが長年にも亘るが、このような様子など今まで見たことが無い。

    異様な雰囲気に吞まれた私が改めて仲間達の顔を見渡すと、皆一様に滝のような汗が流れ、その表情は硬く強張っている。

    「…だが、もう引くことはできぬ…!! 覚悟を決めて少しでも前へ進むしかない…!!」

    「…そうよ…!! 今や私達が世界の希望…!! 命に賭けても密命を達成しなければならないわ!!」

    「…怯む気持ちは分かるが、一分、一秒でも時間が惜しい─行くぞ!!」

    小声でやり取りを終え、気を改め直した私達はインペリアル・ガード伝統の陣形を固め、迷宮内を敵に気取られぬように進む。

  • 17追憶の墓標21/12/30(木) 22:11:19

    そして、皆で一斉に回廊を辺り、何気ない迷宮の曲がり角へと足を踏み入れたその瞬間──

    急激な重力の消失と時間の急激な変化を感じ取り、全身が羽毛のように軽くなったのを本能的に理解する。


    「「「「「──────!?──────」」」」」


    「───!? しまっ─────」

    全く予期せぬ位置に仕込まれていた《瞬間移動の罠》を踏み、私は思わず大声を出してしまったが、何もかもが遅すぎた。

    気が付けば私達は陰鬱な迷宮の回廊から、広大な闘技場のような場所へと強制転移を強いられてしまい、その場内は勢いよく燃え盛る無数の燭台と魔法の光によって煌々と照らされているのが、否応も無く解る。

    闘技場の地面をよく見えば、まだ乾ききっていない血の跡や"シミ"のようなものが至る所に散らばっており、錆びた鉄のような匂いと微かな死臭が漂っている。

  • 18追憶の墓標21/12/30(木) 22:12:00

    この光景を目にした私達が今まで以上に警戒を強め、無意識に戦闘準備を整えていると、無人の観客席の遥か上方から何者かの気配を感じる。

    私達が視線をその方向へ向けると、闘技場の解説席と思わしき場所に執事服を着た蠅男がぽつんと立っており、この異形の魔物はその外見にそぐわぬ声量でこう述べた。

    『レディース アンド ジェントルメン!! ディーモン アンド ディアボロォス!! 満願成就の当節、この真鍮闘技場に新鮮な贄がお出ましだァ!! 記念すべきこの贄を狩り、血祭りにあげるのは も・ち・ろ・ん この御方ぁ!!』

    『この象牙色の迷宮を統べる唯一無二の支配者にしてぇ、恐るべきミノタウロスの主なる神ィ!! そして、遍く獣と迷宮を統べる神にして、魔界でも最高に素敵でェ、最高にワイルドな魔神たるゥ── 』


    『──バ フ ォ ミ ト ラ 様 だぁぁぁぁぁぁぁ──!!』


    「「「「「──────!?──────」」」」」

    蠅男の予期せぬ紹介パフォーマンスを聞いた私達に、稲妻のような衝撃と動揺が走る。

  • 19追憶の墓標21/12/30(木) 22:12:38

    だが、私達が困惑し驚愕する間もなく、我々の正面にある錆びた鋼鉄の門が不快な音を立てながら徐々に開き始め──それと同時に"途轍もなく恐ろしい気配が漂い始める"

    門の奥底から滲み出る不浄にして濃密なる悪の気配は、矮小な私達の想像と理解を遥か越えるものであり、この迷宮内を覆い尽す禍々しいオーラの元凶がこの門の奥にいるのを理解した瞬間、私の全身が無意識の内に震え、歯がガチガチと噛み合い始める。

    気が付けばこの場にいる全員が底知れぬ恐怖に晒されており、その息が詰まるばかりか極寒の地にいるかのように小さな白い息が上がる──全く、生きた心地がしない……!!。

    だが、そんな我らの混乱など微塵も顧みる事も無く、無情にもその足音と気配は強まっていき──

    ──バフォミトラが私達の眼前に堂々とその姿を現す──

  • 20追憶の墓標21/12/30(木) 22:13:10

    武器を構えた状態でほぼ立ち竦んでいる私達を目にした"ヤツ"は、不敵な笑みを浮かべており、暫くするとバフォミトラは満を持してその口を開いた。

    『遠路はるばるよくぞ我が迷宮へと来てくれた、愚かしくも勇ましい人の子の勇者ども…!! 今日の我は非常に機嫌がよく、永らく望んだ玩具の完成を持つ童の様に浮き足立っている…!』

    『何故なら、次元世界"グイリエン"は今日という日を持って理想的な終末を迎え、かの世界は我が統べる理想郷と化すのだからなぁ…!?』

    『だが、それだけでは無いぞ? 無謀にも貴様らは神たる我に抗い、避け得ぬ滅びの運命に立ち向かわんとこの地を訪れてくれた──むざむざとその命を散らす為だけにな…!? その勇気と覚悟と愚昧さに、さしもの我も涙を禁じ得ぬ……!!』

    いたくご機嫌な様子のバフォミトラは興奮した面持ちで饒舌に話し始め、芝居がかった演技や手ぶりを見せ始める──だが、その発言の全ては一方的であり、"ヤツ"の尊大かつ横柄な態度には、"私達の事など歯牙にもかけていない"というのがありありと見て取れる。

    だが、当のバフォミトラ自身は、"そんな些細な事など、どうでもいい"と言わんばかりにひたすら話しを続ける。

  • 21追憶の墓標21/12/30(木) 22:14:04

    『おっと、貴様らがこの地に足を踏み入れた目的は言わずとも解るぞ?──我の首が欲しいのであろう…? 』

    『よいよい、その程度の非礼など何ら取るに足らぬ。寛大なる我は貴様らの不遜と罪を許してやろうぞ?』

    『この闘技場に物質界から定命の者が来るのも久しく、この地が貴様らの新鮮な血肉で染まるのは実に喜ばしく、実に目出度い…!! 今日という日は誠に良いこと尽くめよ…!』

    『──そこでだ、我は貴様らの愚かさに最大の賛辞と感謝を示すために、一つの余興を思いついたのだ…!』

  • 22追憶の墓標21/12/30(木) 22:14:25

    そう言うや否や"ヤツ"は指を軽く鳴らし、それと同時に何処からともなく荘厳な玉座が姿を見せる──玉座を詳細に観察すると、それは夥しい数の骨と真鍮で造られており、何故か玉座の中央部分には不可解な空洞があるのが見て取れた。

    『…今から"3分間"、我はこの新調した玉座に座して悠々と寛ぐ…。無論、その間は我は一切、些細な移動も攻撃もしないことをここに誓おう…!』

    あろうことかバフォミトラが提示したのは、私達にとって千載一遇の願ってもないチャンスであり、私達全員を更なる動揺と混乱が襲う──だが、それよりも"ヤツ"のあからさまな挑発行為と数々の愚弄に対する怒りの方が微かに勝り、立ち竦んでいた仲間たちが次々と重い口を開く。

  • 23追憶の墓標21/12/30(木) 22:14:49

    「…いや~あ、噂以上の高慢ぶりだな──俺達を舐めるなよ、このクソ野郎が…!?」

    「……黙って聞いてりゃあ、随分と舐めた真似をしてくるじゃねぇか…!!」

    「…よっぽど自信がおありのようね…!!」

    「…その傲りと貴様の数々の罪……我らがその命を以て贖わせてやる…!!」

    「"理想的な終末"とやらを迎えるのは、案外貴様かも知れんぞ…? バフォミトラ!!」

    私達の返答を耳にした瞬間、バフォミトラは喉の奥から押し出されるような声でしばらく笑い始め、遂には大声を上げて盛大に笑い始める。

    その獣じみた笑い声はこの闘技場内はおろか、迷宮全域に響き渡るようであり、その笑いには明らかな嘲笑と哀れみが混ざっていた。

  • 24追憶の墓標21/12/30(木) 22:15:19

    『…フハハハハハハッ!! よく吠えるなァ…!? たった"3分後"には私に屠られるだけの運命にある家畜風情が、実によく吠える!! 』

    『これほど腹を抱えて笑ったの随分と久しいぞ!? どうやら貴様らには、素晴らしい道化を演じる才もあるようだ!! その点だけは高く評価してやるぞ!?』

    そう笑いつつバフォミトラは喚び出した玉座に座そうとしたが、何かを思い出したかのように笑うの止める。

    やがて、"ヤツ"が何もない空間から"あるモノ"を取り出したのを目にした瞬間──私は脳内と思考は真っ白に染まり、ただ茫然としてしまう。

  • 25追憶の墓標21/12/30(木) 22:15:52

    何故なら奴が手にしている"それ"は、6年前の大戦で戦死したはずの先王の生首であり、防腐処理を施された"それ"は、死後も冒涜の限りを尽くされたのが一目見ただけで分かってしまう。

    私の動揺する姿を見た瞬間、"ヤツ"は悪意に満ちた不快な笑みを浮かべながら、生首を玉座の中央部分へ強引にはめ込むと、愉しそうにこう吐き捨てた──


    『──貴様らの敬愛していた先王"オルトルード"は、実にいい"素材"だな…!?』


    私の実の父親同然の先王を最大限冒涜した挙句、盛大に侮辱した"ヤツ"の言葉を聞いた瞬間、ドス黒い殺意と憎悪の炎が私の内側で勢いよく燃え上がる。

  • 26追憶の墓標21/12/30(木) 22:16:20

    気が付けば私は愛用の槍を構えながら奴に向かって光速で距離を詰め、奴が微かに動揺したその瞬間、勢いよく遥か上空へと跳躍する。

    そして、闘技場はおろか複雑かつ広大な迷宮内を見下ろすほど高く跳んだ私は、再度槍を斜めに構え、その高みから殺意を込めた急降下突撃を行う。

    第三者が見ればそれは遥か天空より飛来する流星のようであり、また別のものが見れば闘気を纏った飛竜のようにも見えただろう。

    故にこの最大奥義の一つは、槍術使いの間でこう称される──「下り飛竜」と…!!

  • 27追憶の墓標21/12/30(木) 22:17:16

    超光速で飛来した私は、迷うことなくバフォミトラに向かって一直線の突撃を行う。

    そして、"ヤツ"と真っ向から衝突した瞬間、闘技場内に激しい衝撃波が生じ、それが呆気に取られていた他の仲間たちの開戦の合図となる──はずだった。

    愛用のバスタードソードを構え、剣技を放とうとしていたテュルゴーがバフォミトラの方を見た瞬間、彼に底知れぬ動揺が走る。

    あろうことかバフォミトラは、ニヤついた笑みを浮かべながらジョーゼフの槍の穂先を、空いた片方の"人差し指と親指で軽く受け止めており"、回避すらせずに無傷でジョーゼフの奥義を受け止めたばかりか、その場から一歩も動いていなかったのである…!!

  • 28追憶の墓標21/12/30(木) 22:17:47

    「…冗談だろ…!?」 槍を構えたままの状態で無様に空中へとぶら下がってしまった私は、恐怖と絶望と混乱のあまりポツリと言葉を漏らしてしまう。

    『いいや、これは紛れもなく現実さ──"ジョーゼフ・ランゴバルト?" 貴様の内側で燃える憎悪と殺意は実にちっぽけだな? この程度では我はおろか、そこらの小動物すら殺せんぞ…!?』

    ニヤつきながら"全く知らないはずの私の名前"を吐き捨てたバフォミトラが、槍の穂先を離したその瞬間、私は"ヤツ"の近くから勢いよく離れ去る。

    その光景を見たバフォミトラは手にしていたグレイヴ(西洋版薙刀)を近くの地面に勢いよく突き刺し、実に愉しそうな笑みを浮かべながら悠々堂々と玉座に座す。

    そして、何もない虚空から高価そうな黄金のグラスと酒の入ったボトルを取り出すと、あろうことか"ヤツ"は手酌を行い始めた。

  • 29追憶の墓標21/12/30(木) 22:18:15

    『…さて、少々予定が狂ったが、約束通り我はこの場で"15年物の赤"に舌鼓を打ちながら"3分間"待つ…。この我が敵の目の前で酒を飲んで寛ぐなど、まず無い事だ──精々足掻けよ?』

    やがて、バフォミトラは酒の入ったグラスを高く掲げながらこう述べた。


    『では、グイリエン滅亡と"3分後"に訪れる悲劇に対して──"乾杯"』


    そう言い終えると"ヤツ"は酒を一息に飲み干し、満足げな笑みを浮かべながら新たに酒を注ぎ始める。

  • 30追憶の墓標21/12/30(木) 22:18:42

    ──その刹那、レドゥアとユンが呪文の詠唱を開始、テュルゴーは再度剣を構えなおすとその体勢のまま深い瞑想へと入り、エミーリアは自身の影の中へと身を潜め始める。

    その光景を見た私は再度気を取り直して槍を構え、テュルゴーと同じく精神を研ぎ澄まし、それから僅か数秒後、ユンが私達に神と聖霊の加護を下ろし、全員に更なる活力と力が宿る。

    力が宿った途端、テュルゴーが突如として開眼し、両手で握りしめた剣を勢いよく天に掲げ、奥義を放つ次の段階へ移行。

    光速詠唱を終えたレドゥアは強力な四大元素の魔力を一つに収束させ、矢のように引き絞っている。

  • 31追憶の墓標21/12/30(木) 22:19:06

    やがて、影に潜んでいたエミーリアが満を持して、奴の玉座の背後から突如として出現する。

    影に潜んでいる間、お得意の多重影分身術を発動していた彼女は、夥しい数の実体のある幻影と共に無数のミスリル製の魔法の短剣を"ヤツ"の急所という急所に勢いよく突き刺し、そして切り刻む。

    ──だが、彼女の愛用していたミスラル製の魔法の短剣は、まるで安物のガラス細工のように無情にも砕け、当のバフォミトラ自身は彼女の奇襲をまるで意に介する様子もなく、涼しい顔で酒に舌鼓を打っている。

    動揺したエミーリアが先程の私の様にバフォミトラから勢いよく離れた瞬間、レドゥアが《極大消滅呪文》を放たんと最後の一言を述べようとするが──

    何故かレドゥアの動きが突如として止まり、両手に収束させたはずの膨大なエネルギーが消滅する。

  • 32追憶の墓標21/12/30(木) 22:19:43

    驚愕した私がレドゥアの方を見ると、彼は両手で口を押えて震えだし、その場に突如としてうずくまってしまう。

    後方支援と回復役を務めるユンが慌てて彼に向かうと、彼は口から大量の血を吐き出し、よく見ると"舌の呂律が回らず、全く喋れていない"

    何故かは一切分からないが、いきなり彼の舌と口が麻痺し、最高レベルの呪文発動が不発に終わってしまった反動により、大量の魔力を消費したのが原因だろう。

    「…大丈夫か、レドゥア!?」 ユンが詠唱破棄の回復呪文を唱え、彼の治療に専念していると、テュルゴーが闘気を収束させ、勢いよく剣を振り下ろす。

    ──聖騎士団最高戦力たるテュルゴーの最大奥義「不動剣」が、満を持して発動されたのだ。

  • 33追憶の墓標21/12/30(木) 22:19:59

    彼から放たれた斬撃は闘技場内の地面を深く抉り、その様はまるで剣圧による大津波さながらであった。

    これほどの一撃なら、さしもの"ヤツ"も何らかのダメージと傷を負うはず…!!

    それに加え、当のバフォミトラは約束通りその場から一歩も動かず、平然と美酒に酔いしれているようであり、"ヤツ"はニヤついた不快な笑みを全く崩さない。

    この状態ならば、バフォミトラに致命的な損害を与えられる…!!

    私達にそう確信させるほどの充分な威力であり、テュルゴーの奥義はバフォミトラに直撃し、衝突した剣圧と闘気によって大規模な爆発が発生する。

  • 34追憶の墓標21/12/30(木) 22:20:27

    「…手ごたえあり…!!」 自信に満ちた満足げは表情を浮かべたテュルゴーは、自身の奥義が"ヤツ"に命中したことを確信する。

    爆発によって生じた煙が微かに晴れると、闘技場内の一部は半壊しており、その威力と破壊力の凄まじさが一目で見て取れた。

    微かな希望の光が見えたの確信した私達が、手を休めずに更なる追撃に走ろうとした瞬間──


    『…おやおや、秘蔵の"15年物の赤"が台無しなってしまったではないか…?』


    最も濃い煙に覆われていた箇所──即ち、"ヤツ"の玉座が置かれていた場所から、最も耳にしたくなかった声が響き渡る。

    「…馬鹿な……!?」 テュルゴーの顔が青ざめ、その表情に微かな絶望の色が浮かぶ。

  • 35追憶の墓標21/12/30(木) 22:21:27

    煙が勢い良く晴れた瞬間、私達が目にしたのは"全く無傷の状態"で、玉座に座しているバフォミトラの姿であり、ふと"ヤツ"を見れば手にしていたはずのボトルが粉々に砕け散っている。

    『張り切るの結構だが、少しは気を付け給え…? 先程の"赤"は結構貴重でな?──罪穢れを知らぬ、最も若く清らかな聖女の血液を集めてワインにした代物なんだ。』

    『かの"15年物の赤"は、今やこの魔界でも希少価値の高い一品…。 次に攻撃を仕掛ける際は、丁寧かつ慎重に頼むぞ──"家畜共?"』

    そう言い終えるとバフォミトラは、虚空から次のボトルを取り出して"何事も無かったかのように"酒を酌み始め、矮小なる定命種の想像と理解を遥かに越えた"無情な現実"を、バフォミトラは情け容赦なく私達に突き付けてくる。

    ふと気が付けば既に一分半も経過しており、私達全員を想像を絶する焦りと恐怖、そして底無しの絶望が伝染病の如く伝播してゆく。

  • 36追憶の墓標21/12/30(木) 22:22:16

    その後も私達は、現時点で持ちうる限りの最大奥義と戦術の数々を奴にぶつけるも、その全てが不発に終わり、徐々にしかし確実に私達は追い詰められていく。

    そして、無情にも時間は経過していき、残り時間が僅かな頃には最早、戦術も技も連携も無くただ只管に、ただ我武者羅に攻め立てて時間を浪費してしまい──

    ──遂に約束の"3分間"が過ぎてしまった──

  • 37追憶の墓標21/12/30(木) 22:22:55

    闘技場のど真ん中で既に息が上がりきっている私達を目にしたバフォミトラは、最後の一杯を勢いよく飲み干すと、手にしていたボトルを砕き、金のグラスを勢いよく投げ捨てる。

    『………"3分経った"………!!』

    「「「「「────ッッ!!?────」」」」」

    その言葉とともに"ヤツ"はゆっくりと玉座から立ち上がり、地面に突き刺していた三日月状のグレイヴを手にする。

  • 38追憶の墓標21/12/30(木) 22:23:19

    『……さて、冥途の土産として貴様らの敗因を教えてやろう……!!』 そう言うと"ヤツ"は足の蹄で地面を軽く蹴り始める。

    『…まず1つ 貴様ら如き矮小なる"家畜風情"が、この我に指先一つ触れるどころか掠り傷程度なら付けられるだろう傲り、慢心していたこと…。』

    『…2つ 我が座している3分間の間にこの場から離れ、逃走するという選択肢取らなかったこと…!』

    ギラついた笑みを浮かべたバフォミトラがまるで"死刑宣告"を行うかのように、淡々と言葉を紡ぎ──

    『…そして、最後の3つ目……!!』

    『──我を斃して勝利を収め、世界を救うなどという馬鹿げた"夢"を見たことだ……!!』

    その言葉と同時に"ヤツ"が突撃の体勢を取り、怯えた私達が防御の構えを取ろうとしたその瞬間──

    ──バフォミトラの姿が我々の眼前から消えた──

  • 39追憶の墓標21/12/30(木) 22:23:53

    その瞬間、私を凄まじい風圧が襲い、それとほぼ同時に遥か後方から"ナニカが勢いよく衝突したような音"と"くぐもった悲鳴"が聞こえた瞬間──私の頭上から"生温い水のようなものが降りかかり"、"何かがバラバラと降ってくる"

    驚いた私が手で触れて確認すると──それは夥しい量の血液と生物の肉片であり、不快な温かさを保つ"それ"が、今しがた流れ出たばかりの新鮮な代物であることを嫌でも物語っている。

    恐る恐る後方を振り返ると私の遥か眼前にいた筈のバフォミトラが、何時の間にかユンがいるはずの後方へと現れ──"ヤツ"のそそり立つ3本の角には、今や哀れな肉塊と化した彼が突き刺さっている……!!

    生前"ユンだったもの"は、中央の角で燃え盛る業火によって無慈悲に焼かれており、その焦げた肉から不快な悪臭が漂い始めた途端、半ば茫然自失としていた私達はようやく事の重大さを理解し始める。

  • 40追憶の墓標21/12/30(木) 22:24:39

    「…………ッ!!??───ユ──!?」

    思わず私が彼の名を叫ぼうとしたその刹那、バフォミトラがその場から突如として消え去り──

    蒼ざめていたレドゥアの背後に"ヤツ"が音も無く現れたその瞬間、手にしたグレイヴを"まるではたきで軽く撫でるかのように振るった"

    その瞬間、呆気に取られていたレドゥアの上半身が空気が抜けるような音とともに勢いよく吹き飛び、大量の鮮血が間欠泉の様に勢いよく吹き始める。

    そして、切り離された彼の上半身は無人の観客席に向かって吹き飛ばされ、残った下半身は血と臓物を流しながら音ともなく崩れ落ちる。


    『……これで残るは"3匹"……!!』


    死んだ獲物にもう興味は無い──そう言わんばかりのバフォミトラは獰猛な笑みを浮かべながら、次に狩るべき獲物を見定めるべく生きのこった私達に視線を移す。

    それは僅か一刹那にも満たない間の出来事であった。

  • 41追憶の墓標21/12/30(木) 22:25:43

    「……ひっ…あ……い…いや……嫌だ………!!」

    理解を越えた惨劇と救いようの無い現実を突き付けられた結果、エミーリアは既に戦意を喪失しており、最早ただの無力な乙女と化していた。

    「………ジョーゼフ、エミーリアを連れてここから逃げろ……!!」 大量の冷や汗を流したテュルゴーが小声で私に囁く。

    「……正気か!?……テュルゴー!?」 

  • 42追憶の墓標21/12/30(木) 22:26:00

    「……理解ってしまっただろう、ジョー!?……このまま"ヤツ"と戦い続けても、今の私達では絶対に勝てない……!! いま全滅してしまえば、彼らの死が只の無駄死にで終わってしまう……!!」

    「…いいか!? お前達はこの迷宮を如何にか脱出してグイリエンへと戻り、女王陛下を連れて東方へ向かえ……!! そこでかの地に住まうという"伝説の三賢人"の力を借りて、神格を直々に降臨させる神話の儀式を執り行うんだ…!!」

    「最早、我々定命の存在ではバフォミトラを斃すどころか、指先一つとして触れる毎ができない…!! 悔しいのは充分に分かるが、ここは潔く引け……!!」

  • 43追憶の墓標21/12/30(木) 22:26:30

    「…お前は……お前は一体どうする気なんだ…!?」

    「…お前達とはここでお別れだ…俺は単騎で"ヤツ"に挑み、少しでも時間を稼いで見せる…!!」

    「…駄目よ、テュルゴー!! そんな真似をしたら貴方まで殺されてしまうわ……!!……お願い…私達と一緒に──」


    「………すまんな、ミリー。…君との約束はどうやら果たせそうにない……せめて君とジョーだけでも無事に生き延びてくれ……!!」


    テュルゴーは突如として情熱的な接吻を行い、エミーリアの言葉を塞ぐ。

    そして、彼なりの最期の別れを済ますとテュルゴーは、バフォミトラの下へゆっくりと歩み始める。

  • 44追憶の墓標21/12/30(木) 22:27:36

    『…ほう、見かけによらず貴様もなかなか隅に置けぬな……!? なかなか、感動的な別れをするじゃないか…!? 』

    「…バフォミトラ…!! 貴様に神としての誇りが少しでもあるならば、この俺と一対一で勝負しろ…!! それとも"正々堂々"などという騎士道精神など、貴様のような獣には持ち合わせていないか……!?」

    バフォミトラに向かって、彼が自殺行為に等しい挑発と啖呵を切ると、"ヤツ"が少し不快感を感じたのか中央の角で燃え盛っている業火が少し勢いを増す。

    『……満身創痍のその身で、猿風情がよくもほざきおったわ……!! いいだろう、その挑発に乗ってやるぞ、小僧!!』

    その言葉とともに”ヤツ”がグレイヴを軽く振るうと、その周囲に剣圧による衝撃波が僅かに生じる。

    ────

    「……じゃあな、二人とも。あとは任せた──!!」

    その言葉を最後に彼は愛用のバスタードソードを構え、バフォミトラへ勢いよく向かう。

  • 45追憶の墓標21/12/30(木) 22:28:07

    彼の雄姿を見届けた私は、悲鳴のような叫びを上げ続けるエミーリアを無理やり連れて行こうと、半ば強引に抱きかかえたまま退却を開始する。

    少しでも早くこの迷宮を離れなければ…!!

    決意を新たに私が闘技場の出口へと、最高速度で疾走を開始したその瞬間、抱えていたエミーリアから金切り声のような悲鳴が上がり、その途端、彼女は私から強引に離れてしまう。

    驚いた私が彼女の方を振り返ると──

    テュルゴーが装備していた重鎧ごと真っ二つに切断されており、その周囲は瞬く間に血の海と化していく。

  • 46追憶の墓標21/12/30(木) 22:28:27

    「いやああああああああああああああああ!! テュルゴーーーーー!!!」

    完全な狂乱状態にあるエミーリアは、無惨なテュルゴーの亡骸を抱えたまま泣き叫ぶ。

    その悲劇的な光景を見たバフォミトラは、ご機嫌な様子で高らかに嘲笑する。

    『フハハハハハハハハハッッ!! 実に感動的な光景じゃないかぁ!! 愛する者を見捨てることができずに、むざむざ殺されに戻るとは"愛"とは、何と素晴らしいことよ!?』

    『その感動的な"愛"とやらに、さしもの我も心が打たれたぞ!? 故に──』 愉しそうに喋りながら、"ヤツ"が片手を振りかざす。


    『愛する者同士が未来永劫、共にいられるよう我が"結 び 付 け て や ろ う"……!!』


    そう告げるとエミーリアとテュルゴーの死体が突如として融合し始め、彼女はその恐怖と激痛に耐えられないかのように泣き叫び、身の毛のよだつ悲鳴と叫びを上げ続ける。

  • 47追憶の墓標21/12/30(木) 22:29:06

    瞬く間に不快な肉の塊へと変わった両者は、悍ましいくぐもった悲鳴と叫び声を上げ続けながら、グチュグチュと不快な音と立てながら蠢いている。

    しばらくすると肉塊から挙がる声は徐々に消え失せ、身の毛のよだつ不快な動きも突如として停止してしまう。

    やがて、そのまま完全に事切れたのを確認すると、バフォミトラは退屈そうにこう呟いた。

    『おっと、失敗してしまったか…? 見様見真似で最愛なる"ソコスベノス"の技を真似てみたが、やはり、そう都合よくはいかんな…!?』

    『…だが良く考えると、此奴らは"普遍的な永遠の愛"手にしたをのやもしれぬ…! 実に善きコトだ!偶に行う"善行"とやらも中々に面白いではないか!?』

    独りで自画自賛を始めたバフォミトラを目にした時、憔悴しきっていた私の牙と心は完璧に折れてしまい、恥も外聞も投げ捨ててこの場から全力で走り去ってしまった。

  • 48追憶の墓標21/12/30(木) 22:29:43

    それ以降の事はもう何も覚えていない。

    複雑に入り組んだ通路や突如として現れた草原や森の中をただ闇雲に駆けながら、私は当てもなくこの迷宮を彷徨い続けた。

    それにもかかわらず、迷宮内は不自然なまでの静寂を保っており、バフォミトラ以外の誰とも遭遇をしなかった。

    まるでバフォミトラから直々に"獲物"に手を出すのを禁じられているかのようであり、それが更なる不安と恐怖を駆り立てる。

  • 49追憶の墓標21/12/30(木) 22:30:10

    一体いつまで私は逃げ続ければいい…!?                     一体何処に出口がある…!?

           何故、"ヤツ"以外に誰も出くわさない…!?           
                                  どうすれば私は生き延びることができる…!?
     
                  "ヤツ"は……バフォミトラは一体何処にいる…!?    
        
       一体ここは何処なんだ…!?        
                           そうだ時間……!!……時間はどれくらい過ぎてしまった…!?   
    どうしてこんな事になってしまった…!?  

                         一体……一体…私は──  

  • 50追憶の墓標21/12/30(木) 22:30:35

        




        ──────い つ ま で 生 き て 彷 徨 い 続 け な け れ ば な ら な い ん だ────!?

  • 51追憶の墓標21/12/30(木) 22:31:21

    既に生きる気力すらなく、最早動くことも考える事もおぼつかなくなった私は、複雑に入り組んだ迷宮の壁に向かって茫然と倒れ込む。

    重鎧を身に着けた全身がアダマンタイトすら軽石に思えるほど重く、もう動けそうにない。

    「……まさか、こんな最期を迎えるとはな……」──"ヤツ"の陰謀と暗躍に気付けず、国家同士でいがみ合い続けていたのが原因か? それとも、我々定命種の堕落と腐敗が予想以上であったか?

    いや、如何に悔いて後悔しようが全ては後の祭り。私達の生まれ育った国はおろか世界は今日滅ぶ──魔神"バフォミトラ"の手によって。

    そんな不毛な愚痴と恨み言を延々と呟いていると、迷宮内に不穏な足音が響き渡り、その音と圧倒的かつ邪悪な存在感の圧は徐々にしかし確実に重みを増し、こちらに近付いてくるのが嫌でも解る──嗚呼、"ヤツ"が来る。

    「……私の人生という名の"迷路"も、とうとう袋小路か…」 柄にもなく人生の最期に上手い事を言ってやった。私が亡き戦友の様にジョークを小声で呟き、満足げに自虐的な笑みを浮かべていると──

    『この状況下で、なかなか洒落た遺言を吐くじゃないか? 我が直々に褒めてやるぞ?──最も、貴様からすれば我の賛辞など嬉しくも何ともないだろうがな。』──"ヤツ"──バフォミトラから予想外の賛辞を受ける。

    「…ふっ、光栄の至りだよ…。」

    その言葉とともに私が目にしたのは、勢いよく振り下ろされた"ヤツ"のグレイヴであり、その光景を最期に私の矮小な生命と魂は完全に事切れるのであった。

                                                    ──終わり

  • 52二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:32:24

    お話は以上となります。

    後はバフォミトラの設定をぶん投げて終わりです。

  • 53二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:33:11

    (このキャラクターはダンジョンスレではなくダンマススレの方ですってやった方がいい?あくまでもスレは姉妹であっても別なので)

  • 54二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:34:00

    >>53

    (すいません…!!そこまで考えが及んでなかったです!!)

  • 55バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:35:48

    魔名:バフォミトラ 
    属性:混沌にして悪 
    称号:ミノタウロスの主なる神、有角公、獣魔王、獣の大公、迷宮の支配者、獣と迷宮の魔神 等々
    本拠地:象牙色の迷宮内・アステリオス宮殿(支配者)
    主な崇拝者:ミノタウロス、魔女や魔術師、彼を崇拝する秘密結社、反社会的な陰謀者、オーガ、オーク、ゴブリン、ジャイアント、デーモン、未開の地に住む蛮族や狂戦士の部族、貧しい農村部や田舎地域に住む絶望した人々など
    クレリックの属性:中立にして悪・混沌にして悪
    司る権能:獣・迷宮・ミノタウロス
    司る領域:混沌・悪・力・動物
    神聖視される武器:グレイヴ
    邪印:赤い逆五芒星の印、ルビーの目を持つ真鍮か青銅で作られたミノタウロスの頭部、または金の仔牛像
    主な聖域:地下室、地下墓地、迷路、迷宮
    主な眷属:キメラやゴルゴンなどの魔獣、凶悪な食人動物(主に雄牛)、ミノタウロス、デーモン
    神聖視される生物:雄牛
    神聖視される色:金・赤
    属するパンテオン:魔神

    『人も神も魔も何ら"獣"と変わらぬ──故に"獣の支配者"たる我が多元宇宙を統べるのは、当然の理であろう?』
                                                 ──バフォミトラ

     かの魔神バフォミトラの起源や来歴は、多くの謎に包まれている。神学者や賢者らによれば、彼は既に滅んだか忘却の彼方へと追いやられた邪神によって創造された、最初のミノタウロスにして神祖であり、そこから魔界で多くの権力と栄光を手にし現在の地位に就いたとも、外なる神「シュブ=ニグラス」の最も強大なる息子にして最高傑作であるとも、零落した古き自然神の成れの果てとも言われているが、その真実は未だ闇の奥底に包まれている。だが、一つ確実に言えることは、バフォミトラは多くの雄大で恐ろしい魔獣と獣じみたデーモンの創造主であり、世界と神々にとっての最大の脅威であるという事実は誰も否定ができない。

  • 56二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:37:24

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  • 57バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:37:24

     他の魔神のようにバフォミトラは更なる力を切望し、自身の領土を拡大することを望む。だが、彼はその外見に反し、慎重かつ狡猾であり、自身の座を奪おうとする潜在的な裏切り者や他のライバルを単純な暴力で排するのではなく、策略や罠によってその存在を暴き、自身の手を汚さずに他者に始末させることを好む。
     そのため彼は敵を洗脳・魅了する系統の呪文や能力、豊富な知識や欺瞞を織り交ぜた脅迫と交渉を用いる事で知られ、他のクリーチャーの心、脳、精神、魂を侵食して自分の忠実な駒へと染め上げる事によって、様々な世界に適応し、その活動の範囲を貪欲に広げ続けている。

     彼が自身の崇拝者の世話をするとき、バフォミトラは尊大かつ支配的ではあるが友好的であり、他の魔神や神格に比べてもそれは特に顕著である。何故なら彼は、直々の接触による"一種の被爆"が自身の目的を果たすのに十分なほど、信徒の精神と魂を腐敗させ、堕落させることを知っているので、彼は積極的に信徒に力を与え、信徒らがその力を使うことを奨励している。彼は多くの世界にて崇拝を集めており、彼の信徒は滅多にその完璧な好意と恩恵を受けない。ただし、しばしば信徒がバフォミトラの助けを求めるとき、彼はその仲介者を気前よく送る。

     また、獣を統べる魔神として、彼は自らの信徒に動物や魔獣の育成と繁殖を奨励しており、一部の信徒は錬金術を用いて合成生物の創造と実験を行う。その秘密の寺院の多くは、幼い頃から育てられ、礼拝によって服従されたゴルゴン(石化ブレスを吐く雄牛の魔獣)、キメラ、または類似したクリーチャーの繁殖地や一種の"動物園"として機能する。
     これらのクリーチャーが老化するにつれて、忠実な人々は儀式的にそれらを犠牲にし、時に魔術と薬物を用いた性的な交わりとしてそれらを消費することによって惜しむのが習慣となる。バフォミトラは自身のカルトのメンバーが文明の隅々を支配し、研ぎ澄まされた一匹の獣として立ち上がり、獣魔王の御名の下で世界を支配する日が到来するまでの間、忍耐強く潜み続け、教団の力を地道に強化するように指導している。

  • 58バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:38:43

    >>56

    (ガチクズ過ぎて別に討伐されてもいい気がするので、別に構いませんよ? お気遣いいただきありがとうございます)

  • 59バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:39:21

    ・外見

     バフォミトラは、一対の大鴉の翼と3本の角を有する、約5mほどのミノタウロスに酷似している。本来、彼の頭は雄牛のそれであったが、人間を筆頭とした人型生物の崇拝を集めた結果、その罪と欲望の数々に汚染され、彼の頭部は赤い逆五芒星の印が刻まれた黒山羊の頭部へと変わった。
     彼の目は禍々しく輝き、魔法のルーンは彼の腕に入れ墨され、象徴たる"赤い逆五芒星"は彼の額に深く刻まれ、この印と中央の角は地獄の業火で絶えず燃えている。腰には魔法の巻物、魔導書、その他の様々な文章が服からぶら下がり、その手には三日月の刃(ミノタウロスの言語で「迷宮の果てに待ち受ける最期の刃」を意味する"エイザガウル"と呼ばれる神器)を持つグレイブ(西洋版薙刀)を絶えず手にしている。人間のカルトでは彼はこの形象で描かれ、別の世界では「バフォメット」、「サタナキア」、「レオナルド」、「グラン・ネグール」、「サバトの黒山羊」として尊崇される。ミノタウロスが制作した芸術作品では彼は通常、より古典的な雄牛の頭部を持つ神として描かれ、彼はミノタウロスの信徒の前に現れる時、しばしばミノタウロスの外観を取る。

  • 60バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:39:48

    ・他の神格との関係

     バフォミトラは自身を含めた他の魔神が圧倒的な暴力と様々な権謀術数を通じて、現在の地位と権力を手にしたのを充分に認識しており、彼は他の魔神との関係や同盟を基本的に尊重する傾向にある。その為、彼は多元宇宙で巻き起こる様々な事件や陰謀の背後に他の魔神や神格が関与していると判明(または確信)した際は、更に慎重に立ち回り、複数の同盟者と共闘する場合は、細心の注意を払う。
     彼はそのような敵と直接的に対峙する事態に直面したのであれば、その代わりとして彼らと外交や嘘を通じて同盟や不可侵条約を結んだり、それを歪曲して彼の敵に攻撃の矛先を誘導する事を好むが、彼は他の魔神と比べて敵や競合するライバルが少ない傾向にあり、一度の複数の敵と戦闘を強いられないよう様々な調整を行っている。

     とても興味深い事にかのシュブ=ニグラスは、バフォミトラに対して奇妙なや好意と興味を抱いており、彼が直々にシュブ=ニグラスの下を訪ねると、時に何らかの介入や力添えを行う事で知られている。この様な不可解かつ数多くの謎に満ちた彼の"獣"としての起源は、その誇りの源であり、彼は他の魔神よりも自身の方が優れていると確信している。
     だが、彼を語る際に外せないのは、傲慢・禁忌・倒錯を司る魔神である"ソコスベノス"との蜜月の関係であろう。彼は恋人でもあるソコスベノスとの関係性を高く評価しており、バフォミトラは彼と性的倒錯と堕落に満ちた獣欲に耽るだけでなく、彼の欲する貴重品や贈り物を直に選んでもらうために、自身の支配する迷宮へと頻繁に招き入れる事で知られ、この関係性ゆえにバフォミトラはソコスベノスの野心的な妹にして闇・色欲・暗殺を司る魔神である"ノクティキュラ"に強い不快感と敵意を示している。

  • 61バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:40:33

    ・主な眷属

     バフォミトラはキメラやゴルゴンを筆頭としたあらゆる魔獣、彼の悪意と魔力によって汚染された多種多様の食人動物、そしてミノタウロスやデーモンが代表的な眷属とされている。また、"有角公"は、獣の頭部と人型生物の肉体を併せ持つクリーチャーこそ完璧な生命体であると信じており、それを裏付けるかのように彼に仕えるデーモンの眷属は、様々な動物の特徴を有する。
     例えば、彼に仕えるサキュバスやインキュバスは様々な動物や魔獣に変身する能力を持ち、ある個体は馬の耳と蹄と尾、別の個体であれば山羊の頭部と蹄を持つなどその外見は多種多様であり、その種の標準的な個体よりも強大であることが多い。
     
     加えて、彼は罪深い定命の魂から複数のデーモンを創造する技術、または知的生物と他のクリーチャーを融合したり、動物や魔獣に罪深い魂を混合して怪物化させるを秘儀を学んでおり、未知の世界や領域を見つけるためにそれらの作品を送り込んだり、自身の戦力を更に増強するためにこれらのハイブリットを熱心に創造する。
     これらのクリーチャーの幾つかは只の凶暴な魔物であり、彼が遠隔で見通すことができる一種の"目と耳"に過ぎない。その中の傑作は想像以上に知的であり、バフォミトラに仕えるように誘惑する悪魔的な魅力と交渉技能を有する。バフォミトラと同様の奸智に恵まれたこれらの傑作は、人の目が見えない場所を移動する隠密行動に長け、秘密の隠れ家を見つけるための本能的なコツを有する。
     他のハイブリッドは、彼の魔軍に参加するように設計されており、強大な獣の強さ、悪魔的な狡猾さ、人間を超える悪意の三要素に恵まれている。

     これらの事実と特徴ゆえ、彼に仕える眷属の多くはバフォミトラの子孫であり、彼に仕える直属の配下や副官は実の子供達であるが、当のバフォミトラはその事実を秘密にしている事が多々見受けられる。時に彼は意図的な近親交配を実行し、自身の強大な力を眷属の一部に集中させ、強力な個体を生み出す事があるが、その大半は畸形の怪物としてその呪われた生を受ける。
     興味深い事に外宇宙の闇黒神話と伝承に通じる一部の賢者は、バフォミトラにはシュブ=ニグラスとの間に設けた"恐るべき忌み子"がいると噂されており、それこそがかの悪名高き"黒い仔山羊"であるといわれているが、その真相は未だ深い闇の中である。

  • 62バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:41:44

    ・バフォミトラのカルト教団員

     バフォミトラのカルト教団に心を惹かれるのは、彼の被造物たるミノタウロスだけでは無い。オーガやオーク、ヒル・ジャイアントなどの野蛮なクリーチャー、"獣魔王"の囁きを天啓として受けた未開の地に住む蛮族や狂戦士の部族、貧しい農村部や田舎地域に住む絶望した人々、自身が他社よりも優れていると過信し、他者を家畜同然に扱うようになった輩が魅入られやすい傾向にある。
     そして、バフォミトラの教えもこのような歪んだ価値観や思想、定命の者達の不満や怒りを後押しすることで、彼らの自尊心や優越性を満たし、間違った自己肯定感を正当化させる。頑固で偏屈な者や文明社会に馴染めぬ者も、個人の超越性と卓越性を唱えるバフォミトラの教えに魅力を感じることがある。バフォミトラのカルト教団員には、家来や民を玩具扱いする貴族や統治者、知的生物の殺害に味を占めた傭兵や暗殺者、排他的かつ血と暴力への昏い渇望をため込んだ一般人や精神病質者などが含まれる。典型的なカルト教団は、城塞やギルド会館などを教団の支配下に置き、その土地に地下に秘密の迷宮を築く。

     これらの教団の中には、自身の先祖の代から伝統的にバフォミトラ崇拝に手を染めることで、血族とその縁者から成る独自の秘密結社や宗教組織を立ち上げる場合があり、金と権力を手にしたこれらのカルトは先祖伝来の土地や村を支配する豪族や名士としての貌を巧みに利用する。
     この様に根付いた彼の人型種族の崇拝者はバフォミトラを秘密裏に崇拝し、隠された聖域や地下神殿で一般社会の目には見えない祈りと犠牲を捧げ、他の国々や文明社会で暗躍する場合は、複雑な一連の手のジェスチャーで同じ崇拝者同士を見分け、様々なコミュニケーションを交わす。
     バフォミトラのカルト教団員に拉致もしくは騙されて誘い込まれた犠牲者は、所持品や身に付けた衣類などを全て剥ぎ取られ、気を失った状態で迷宮の中に放置される。やがて目を覚ました犠牲者を教団員達が追い立てることで"狩り"が始まる。彼らは獣のように吠えながら獲物を追いかけ、獲物の心を恐怖で満たしつつ饗宴を行い、最後に屠殺する。時に極めて強力なクリーチャーを狩るか、生贄に捧げることができた教団員は、バフォミトラからの褒美として何らかの恩寵を授かる事がある。

  • 63バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:42:27

     貧しい田舎地域や未開の地にあるバフォミトラの教団であれば、また別の形を取る。彼らはバフォミトラを文明社会や地元政府などに虐げられた自分達を救済する、自然の神として崇拝する傾向にあり、力無き弱者である自分達に変わって然るべき復讐と救済を与える事を約束しているのだという。
     このカルト教団は自らの事を"救済の寺院"と称しており、家畜の雄牛や品評会で入賞した雄牛を屠殺し、その切り落とした頭部を用いて行う独自の儀式はこれらのカルトにおいて重要な位置を占めている。
     生贄に捧げた雄牛の頭部の口元で耳をそばだてた者は、然るべき復讐と救済の為に行うべき自分達の今後の活動の方針や、その最善な手段に関する冒涜的かつ忌まわしい助言の数々を聞くことができるとされているが、言うまでも無くその様な囁きの数々はバフォミトラ自身か彼に仕えるデーモンの司祭による最悪の助言であり、有害な洗脳行為の数々である。

     狡猾なるバフォミトラは自身の勢力の更なる繁栄と拡大の為に、偽善的な手段と謀略を用いることで知られており、彼は教団員以外の存在であってもその祈りの声と願いを速やかに聞き届ける。仮に哀れな定命の者達が、未曽有の災害から村を救うために、彼に初子や若い子牛の生贄を捧げ、バフォミトラへの信仰と忠誠を誓ったのであれば、彼は他の神々よりも積極的にその問題に介入し、それらの災害から村と民を救うだろう。
     だが、その様な申し出が余りに魅力的とはいえ、魔神であるバフォミトラを信仰し、様々な犠牲を捧げるという最悪の事実は、生贄と救済されたはずの村人全員の魂を魔界にある彼の領土へと堕とし、その犠牲の数だけ彼に仕えるデーモンや悍ましい合成生物が誕生するという結果を招くだけであり、長期的な視点で見れば、これらの契約はバフォミトラの一方的な一人勝ちで終わる。

  • 64バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:43:07

     今日、彼のカルトのメンバーの人口統計学的分布が変化し、人型生物(特に人間)が多数派になった。その結果、都市部で活動するバフォミトラに特化した秘密結社の数が増加しており、これらの社会のメンバーは自らを「金の仔牛のテンプル騎士団」と称し、彼らが占領する都市で政治的影響力を得るために昼夜を問わず活動している。
     "ミノタウロスの主なる神"に敬意を表して行われる儀式は、動物や人型生物を犠牲にし、生贄の聖体配慮と黒魔術的な性的儀式を絶えず伴う傾向にある。犠牲となったクリーチャーは通常、血を流し、カルトの利益と犠牲者の種類に応じて焼いて捧げたり食したりするが、共喰いは珍しい(とはいえ行わない訳では無い)。
     多くの儀式は、他の神格の聖典や書物を最後のページから逆に読んだ後、それらの聖典や聖遺物の火葬を伴う。儀式用に採取された空洞化した雄牛の角は、しばしば飲酒、楽器としての役割を果たし、バフォミトラ神の耳を象徴する代理ツールとして使用される。

     バフォミトラは結婚という慣習に対する興味は無いが、これらの慣習や取り決めの価値を認識しており、彼の秘密結社の血族はバフォミトラの御名においてサバトじみた結婚の儀式を執り行う。彼は強力な子孫の有用性を高く評価するが、時に彼は子供の一人を生贄に捧げるよう要求する。これにより、信徒の献身度と信仰心を試し、定命の信徒に対する彼の支配を強化する(通常、これらの生贄は最年少で、長男が受け継ぐことができるようにする)。
     この習慣は彼の支配する魔界へと堕ちる新鮮な魂を増やすだけでなく、忠実な人々の良心と道徳心を犯し、カルト教団内での信徒の結束とバフォミトラの影響力を更に高めることができる。秘密結社の人型生物の信徒と比較して、ミノタウロスは家族関係の習慣や慣習については遥かに怠惰であり、必ずしも共通した好みを持たない。

  • 65バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:43:53

    ・寺院と祭壇

     通常、ミノタウロスは生活区域の一部をバフォミトラに捧げ、部族が司祭やシャーマンを持っている場合、この地域は生活区から切り離され、聖別される。基本的に魔神の崇拝が禁じられている人型生物の共同体では、礼拝室は忘れ去られた地下室、カタコンベ、迷路や迷宮に投資され、目に見えない秘密の領域で彼の宗教は動き回り、信仰は実践される。隠された入り口や扉、複雑に入り組んだ通路、偽の袋小路は、好奇心旺盛な望ましくない輩から寺院を保護する。

     小さな祭壇は雄牛の彫刻や彫像、またはミノタウロスと戦う英雄のイラストの形で隠され、大多数の視線や日常の光景に晒されても、気付かれずにスルーされる。しかし、適切な角度からの注意深い観察を行うと、雄牛の額に赤い逆五芒星の印を見ることができ、他の祭壇は、冒険的な祖先から受け継いだ芸術品やトロフィーのために授けられた、青銅(または真鍮)で創られたシンプルかつ装飾的な雄牛の頭部であり、簡単に引き渡すことができる。
     時に信徒は、主要な交差点の地面にこれらの品や石で作った簡素なミノタウロス像を埋めることによって、バフォミトラに幾つかの植物迷路を捧げる。

    ・祝日

     バフォミトラの忠実な信徒は多くの動物や雑種の獣の誕生期間である夏至と春の彼岸を称え、バフォミトラと敵対する神格や魔神の教会と信仰を侮辱し、冒涜するための儀式を行う。この祝日の礼拝の最中で生まれたクリーチャーは特に神聖視され、幾つかの出生はこれらの不信心な日の為に執り行った魔法や薬物の適用によって、タイミングよく発生している。

  • 66バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:44:39

    ・格言

     殆どの場合、バフォミトラの信徒はかの魔神への忠誠を誓った影響力のある人型生物の様に、その資産と秘めた力を明らかにすることなく、権力の確保と他者に及ぼす影響に関する格言を残す。

    ◦創意工夫は強みである:多くの獣が直情的かつ攻撃的であっても、他の獣は忍耐強くすることによって狩猟の力と才能を向上させる。彼らは獲物が弱まるのを忍耐深く待ち続け、その機会が生じたときに攻撃を開始し、獲物を狩る。
     ミノタウロスであれば迷宮内の壁をよじ登るのではなく、それに沿って歩いて獲物がどこに向かっているのかを知ることによって、迷路と迷宮を支配し、獲物を狩る。故に貴方も狡知に溢れた獣であるべきだ。

    ◦曲がりくねった道を辿るべし:全ての迷路と迷宮は、絶えず進むことができるように貴方にとって最良の道を用意しており、最良の計画の為に"良い"行き止まりと通路を持っている。貴方の計画と人生においてでこれらの挫折を予想し、時には貴方の目標を達成するために、より適切なルートを発見する前に彷徨う必要がある。
     また、貴方は相手が迷子になる場所を予想し、必要に応じてそれを狩りなさい。もし、貴方の敵を逃せば獲物はやがて"狩人"になり、絶えず警戒し続けなければならない。貴方を"狩る者"と"狩られる者"という立場と役割を逆転させる機会を絶えず見つけなさい。

    ◦獣は狩りに時間を掛ける:敵が貴方を傷つけ害する場合、それを殺すことによって何も得られない場合は、敵を生き長らえさせよ。危険を伴う"モノ"の破壊と安易な殺害は力の喪失であり、更に悪いことにそれは、未知の敵に貴方の強みを無駄に明らかにするだろう。
     それならば、より高い脅威に貴方の心臓を曝け出すよりも、弱者が逃げ回り脱出することを許可する方がマシで
    ある。攻撃性と敵意の開示は単なる勝利のためではなく、交配と支配の為に最良であり、状況が必要な場合にのみ貴方は自身の強みを開示し、"切り札"は可能な限り隠すべし。

  • 67バフォミトラに関する設定21/12/30(木) 22:45:28

    ・聖典

     獣のカルトの公式の聖典は"獣のグリモア"と称される書物であり、儀式に関する情報、崇める神の恩寵と凶兆、最も基本的なハンドサインの兆候の説明、カルトによって評価されたモンスターの分類と伝統的な迷路と迷宮の様々なイラストを含む作品である。より繊細な知識(特に儀式やジェスチャーについて)の多くは、敬虔な信徒がこの本を読むことによって、礼拝に関する幾つかの知識を得た詐欺師や侵入者を簡単に検出できるように、秘密裏に送信される。
     興味深い事にこの聖典には、バフォミトラと"千匹の仔を孕みし森の黒山羊"たるシュブ=ニグラスに関する禁断の伝承を記しており、これは彼が唯一無二のユニークな魔神たる何よりの証明となるが、その真偽は一切不明である。

    ・服従方法と恩寵

     バフォミトラの信徒になるための服従行為には、66分間の瞑想を行い、それを終えた後に切り落とされた雄牛の頭部か空洞化した雄牛の角に向かって、信徒が得た6つの秘密や噂を囁き込まなければならない。

     仮にかの魔神がその献身と信心に満足すればと、敵は平坦な道で突如として迷って遭難したり、脳内と精神が搔き乱されて大混乱に陥り、武器は制御不能な出血を引き起こし、石や金属の表面に赤い逆五芒星の印が現れたり、呪文を発動しても巻物や魔導書は消費されずに済む。
     だが、かの魔神の不興を買った場合、予期せぬ激怒の発作により獰猛な獣と化して同士討ちを始め、武器が不自然に重くなって装備できなくなり、移動中に予期せぬ息切れと発作が併発し、只の通路や回廊が複雑怪奇な迷路と化し、呪文を唱える際の言葉の構成要素が不規則に乱れて不発に終わり、崇拝者は恐ろしい存在が自身の背後に立っているように震え、想像を絶する恐怖と凶兆を味わう。

  • 68二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:45:54

    これで投下は終わります。
    短い話でしたが少しでも楽しんで貰えたら幸いです。
    お付き合いいただきありがとうございました。

  • 69二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:46:41

    (練られててすごい…)
    (のですが、あちらの方針として過度のインフレ防止にクトゥルフ系に近い「外界神」は倒せても利用できてもいけない強さの天井、やれるのは眷属までみたいなのがあったはずなので、シュブ=ニグラスをだしてしまった以上無関係にしないと衝突してしまいますね…)

  • 70二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:48:07

    >>69

    あくまで雰囲気づくりかつ、彼の「嘘」である可能性もあるので、気に入らなければ全然無視でいいです。

  • 71二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:48:53

    (うーん邪悪!!)
    (とても読みやすく、絶望感のある展開がガンガン流れてきてとても面白かったです。それと設定の密度がすんごい)

  • 72二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:49:04

    (なるほど、ではその辺を補足に入れる方向で)

  • 73二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:53:26

    >>1

    ※補足

    バフォミトラは正しくはダンジョンマスター専用掲示板のキャラクターになります。

    矛盾する設定はあくまでも雰囲気出しで、必ずしも確定事実ではありません


    本スレはこちら

    ダンジョンマスター専用掲示板 その32|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/233150/?res=185設定スレhttps://bbs.animanch.com/board/245924/この掲示板はダンジ…bbs.animanch.com
  • 74二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:54:15

    (ダンマスとしては非常に見ごたえがありました)

  • 75二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:56:57

    (あっ、あと勝手な脳内設定では、バフォミトラはとある理由により、本スレの世界や国々に"彼自身が直接的に介入する事が不可能となっており、「本体」はダンジョン内に引きこもったままで、外に出れません。)

    (なので、彼を討伐してみたいという方は、メガテン的な彼の分霊やロマサガ3の四魔貴族の幻影的なものを生やして、弱体化版と戦うか、彼のカルト教団やクソ強い手下とかを自作して戦ってみるのも面白いかも知れません)

  • 76二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:06:32

    (…肝心のダンジョン設定乗せるの忘れてたので最後に追加します)

    ダンジョン情報
    ・象牙色の迷宮

    *象牙色の迷宮の特性
    ◦種類:魔神の支配領域にして一種の魔界
    ◦支配者:バフォミトラ
    ◦属性:強度な悪属性および強度な混沌属性
    ◦大きさと形状:惑星規模の複雑怪奇な大迷宮;境界型
    ◦重力:通常
    ◦住人:ありとあらゆる種類の動物や魔獣、バフォミトラを崇拝するミノタウロスの部族、バフォミトラに仕えるデーモンや実験で誕生した様々な怪物、他の世界や物質界から迷い込んだ様々なクリーチャー
    ◦時間:通常の時間が流れ、飢え、渇き、災厄(病気、呪い、毒など)、自然治癒は機能する。ただし、この領土の支配者たるバフォミトラの加護が得られれば、時間による悪影響、飢えや渇き、災厄等からも免れる可能性がある。
    ◦神力による変動性:魔神たるバフォミトラや同格の神格は、考えるだけでこの異界に変化をもたらすことができる。
    ◦魔法の増強:[悪]または[混沌]の補足説明を持つ呪文や能力は増強される。
    ◦魔法の阻害:[善]または[秩序]の補足説明を持つ呪文や能力は阻害され、迷宮内においてテレポート等の召喚術(瞬間移動)は完全に阻害される――領土内を覆い尽くすバフォミトラの魔力と意志に阻まれるのである。ただし、この領土の支配者たるバフォミトラの加護が得られれば、通常通り、召喚術(瞬間移動)による移動は可能となる。


     惑星規模の広大な迷宮であり、迷宮内の廊下と部屋の壁、天井、床は、真鍮や象牙と数え切れないほどの生物の骨で完全に覆われているだけでなく、あらゆる種類の建築、地理学、形而上学の紛らわしい捻じれが見受けられる。当然、迷宮内には多くの危険な地形があるのだが、迷宮の一室や新たな場所に踏み入れると、突如として大都市の密集した通り、曲がりくねった小道が交差する広大な山脈、鋭い骨の突起がある平野、地下トンネルの広大な墳墓、底無しの沼地、曲がりくねった川、大森林などが突如として現れるため、その法則性が全く読めない。
     迷宮内にはあらゆる種類のデーモン、ミノタウロス、動物や魔獣が生息しており、ダンジョンマスターは魔神バフォミトラ。

  • 77二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:07:45

     "有角公"バフォミトラは、複雑怪奇に捻じれた通路と無数の罠が仕掛けられた魔界でも有数の危険地帯たる"象牙色の迷宮"の領土に住んでいる。これらの無限に続く通路や迷宮内に設けられた部屋の区画は、グレート・ワーム・ドラゴンが平然と移動できるほど広大であるうえに、多元宇宙の様々な迷宮や洞窟などに繋がっており、その様な接続点を通じて数多くの来訪者がこの迷宮の地に(しばしば図らずも)やってくる。
     厄介な事に他の世界や領域から一度でもこの領土に踏み込んでしまうと、先ほど存在したはずの侵入経路は直ちに消滅し、然るべき出口を見つけない限り二度と後戻りはできない。加えて、迷宮内は支配者たるバフォミトラの意志と魔力により、瞬間移動や次元界移動などの瞬間移動術での移動と脱出が禁じられる(ただし、当のバフォミトラ自身や彼に認められた特定の下僕らは平然とこれらの移動を行えるが)。
     その様な侵入者達は直ちに錯乱し迷うだけでなく、絶望的な状況に追いやられるため、迷宮内に巣食う涎を垂らした魔獣やミノタウロス達は、諸手を挙げてこれらの獲物を歓迎する。無論、言うまでも無く、侵入者を探してこの迷宮を徘徊しているそれらの怪物達は、支配者たるバフォミトラが送り込んだ忠実な下僕達である。

     ミノタウロスの創造主にして守護神格たるバフォミトラの領土には、彼を崇拝するミノタウロスの部族が数多くこの地に住んでいる。一般的な部族は"獣魔王"に仕えるデーモンやミノタウロスの長に率いられており、これらの部族の信心は狂信的な域に達している。時にこれらの信徒達はこの迷宮から脱出して、"獣の大公"の福音を物質界のミノタウロスや野蛮な部族に伝道する者もいる。これらのクリーチャー以外にも、バフォミトラの"科学の塔"(詳細は後述)で創りだされた何種類かの"内国産"デーモンや怪物の品種もこの領土をうろついている。

  • 78二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:09:11

     迷宮の荒涼とした通路や広大な部屋には、血に飢えたクリーチャーが数多くうろついているため、一部の通路や回廊などには侵入者が皆無に等しい。そして、そのような怪物達はしばしば仲間であるはずのバフォミトラの手下達をも、無言で粉砕し、蹂躙している。
     時に他のダンジョンから訪れた略奪部隊が、迷宮内で生産されたデーモンやクリーチャーを、他の神格やダンジョンマスターの奴隷(または手下)にすべく拉致を行っているが、バフォミトラはこれらの存在を容認している。何故なら、これらのクリーチャー達の凶暴さや優れた戦闘能力が彼の伝説と悪名を魔界はおろか、定命の世界にまで遍く齎している事をバフォミトラは充分に認識しており、その悪評や名声の数々は彼に最上の自信を齎している。

     だが、この迷宮にはデーモンを筆頭とした数々の恐怖があるにもかかわらず、この地を訪れる勇敢な冒険者に救援や更なる危険を提供する外部の存在が、この領土には数多く潜んでいる。これらの胡散臭いクリーチャー達を彼の眷属や魔界の住人らは、"迷い子"と呼んており、一般的な"迷い子"はバフォミトラの宮殿内に設けられた、地下ダンジョン兼牢獄から解放された人型種族である。バフォミトラや彼の下僕達は最も重要な戦闘の準備運動として、もしくは暇潰しや娯楽の"狩り"として、これらの惨めなクリーチャー達を気軽に狩っている。

  • 79二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:09:34

     この階層の片隅では、"迷い子"達が如何にかして生き延びるために、寄せ集めの集団を形成している事があり、彼らは必死で脱出路や出口を探しているが、迷宮の支配者たるバフォミトラの意志や気紛れによっては、"出口"という概念が存在しない事がある為、これらの難民たちの命懸けの旅はしばしば無駄と徒労に終わる。
     他の魔神を筆頭とした他次元界からの来訪者や定命の強力な存在が、"有角公"に何かを依頼する場合、バフォミトラはそのような"迷い子"の中から、特定の誰かを見つけ出し、自身の下へ連れてくるよう指示する(基本的に条件を満たした"迷い子"の生死を問わないが、状況や場合によっては生きたまま連れてくるよう縛りを設けることがある)。
     そして、しばしばそのクリーチャーを連れてくるまでそれ以上の議論や交渉を拒否するのだが、その条件を満たす"迷い子"が既に存在していない事も多々見受けられ、彼はそのような依頼者の無意味な徒労と労苦を密かに嘲笑っている。

     しばしば、頻繁にバフォミトラに敵意を剥ける他の魔神が、"獣魔王"をその住処で滅ぼすべく侵攻を開始するが、この迷宮を踏破し、バフォミトラに深刻かつ致命的な被害を与えた侵略者などこの領土の誕生以来、皆無に等しい。
     もし、奇跡的にその様な難行を達成したとしても、まず最初にバフォミトラに仕える最強格の精鋭や被造物達を討ち破らなければならない――さもなくば、"有角公"に直接相まみえることなど一生叶わないのである。

  • 80二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:10:21

    ・迷宮内の名所

    *イクテュノス

     象牙色の迷宮に設けられたこの広大な城塞都市は、バフォミトラを崇拝する様々なクリーチャーと彼に仕えるデーモン達が住んでおり、この場所は彼のカルトの中心地となっている。バフォミトラを崇拝する定命の信徒は、この迷宮に訪れた際に、この都市にある大聖堂への巡礼に赴くことで知られている。
     この大都市に住まう事を認められた敬虔なる信徒達は、バフォミトラに仕えることにその生涯を捧げており、この信徒達は殉教を決して恐れない。何故なら、彼らは死後デーモンとして生まれ変わり、第二の生を歩めると信じきっているから。

    *科学の塔

     希少金属で構築された直径36メートルの複雑な塔が、この巨大な円筒型の広大な部屋を完全に占拠している。この建物の外壁とバフォミトラの迷宮の塗装されていない分厚い石の壁との間は、5メートルも無い。この高さ60メートルの塔の1階には然るべき入口が無いが、この部屋の外へと続く様々な高度に設けられたトンネルと、この建物を数多くの橋が繋いでいる。
     この塔の天文台を彷彿とさせる。天井には幅の広い溝がつけられており、そこから中にある円形の部屋を見ることができ、この部屋は回転させることが可能である。また、この部屋に繋がるの一連の階段は13の広大な通路に続いており、それらの通路は何れもこの迷宮の様々な場所に通じている。
    塔にある16の階層は何れも、バフォミトラが興味を持った様々な科学分野に焦点を当てており、それ故にこの塔は"科学の塔"と呼ばれている。主に塔内では拷問、剥製術、生体や死体などの解剖学、臓器移植、繁殖実験等の科学技術のみならず、死霊術や魔術などの神秘術の探求も行われている。塔に地下にある広大な部屋では、バフォミトラと彼に仕える下僕達が、実験の失敗よって出来た残骸や失敗作から独自のデーモンや怪物の品種を作り出す研究を行ったり、何千種類ものクリーチャーの骨を混ぜて新しい骨格モデルを作るなどの創意工夫に満ちた実験を行っており、それによって何種類かのオリジナル品種が誕生した。
     これらの誕生作品の中で最も信頼性が低く、最も粗悪な作品は速やかに迷宮内の地下に放り込まれ、処分される。優れた能力を持つ優秀作品は塔の外に放牧され、自身の生まれ故郷である塔や迷宮を本能的に守護する。

  • 81二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:11:26

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  • 82二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:12:06

    *真鍮闘技場

     "科学の塔"で新たな作品を産み出したり、魔界や物質界での策略について熟考しているのでない場合、バフォミトラは"真鍮闘技場"で無差別な大量虐殺を行う事で、愉悦と嗜虐性を満たすのを好んでいる。真鍮闘技場は永劫の長きに亘って流れ出た血の跡と臭いが漂う椀型の火口の中に建てられた巨大かつ荘厳な円形闘技場である。この円形闘技場の直径は306m近くあり、相互に重なり合う巨大な真鍮の板で作られている。
     ここで行われる凄惨な戦闘には、野獣の長所を有する優秀かつ獣じみたデーモンや残忍な魔獣が頻繁に登場し、段上になっている闘技場の上層部にまで戦闘被害や乱闘騒ぎが溢れ出す。加えて、闘技場の上層部は致命的な罠の数々が仕掛けられた、天井の無い一連の迷宮地となっているため、この闘技場で行われる戦闘はいよいよ危険なものとなっている。
     だが、奇妙な事にそれらの迷宮と闘技場を見下ろす事ができる座先はほんの僅かしかなく、その中で最も目を引くのは、この闘技場で最も高く安全な縁に設置された、真鍮とクリーチャーの骨で作られたバフォミトラの堂々たる玉座である。

    *アステリオス宮殿

     王宮の如く壮麗かつ美麗な1万の部屋があるバフォミトラの宮殿は、それ自体が一つの迷宮となっている。クリーチャーを混乱させるような曲がった通路や部屋の寄せ集めには、勤勉かつ忠実な定命の料理人や侍従からなる住み込みの住人達がおり、これらの定命の者達はバフォミトラに洗脳されたか、自身の身の安全と命の補償と引き換えに奉仕を行う事を強制された奴隷であり、その全てがバフォミトラの秘密結社やカルトの者達によって、物質界から拉致されてきた者達である。
     この荘厳な宮殿要塞を囲んでいる幅1マイルの濠の内部には、気が狂いそうになるほど長い水没した一連の階段やトンネル、部屋の数々が隠されており、それらはこの要塞の奥深くにある広間に通じている。アステリオス宮殿内部や濠の深みには、バフォミトラに仕える眷属の中で、最も残忍かつ強大な精鋭達が守護者として配置されており、侵入者の類が攻めてきた際には、宮殿を守るために矢の如く飛び出してくる。

  • 83二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:12:35

    今度こそ本当に終わりです。
    お目汚し失礼しました。

  • 84二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:27:19

    一部需要があるそうなので、魔神に関する設定を追記

    ⛧魔神 The Demon Lord

     あらゆるデーモンの中で最強なのは、無限大の規模を誇る魔界の頂点に君臨する"魔神"達である。これらの魔神達は極めて影響力の強い悪と混沌の実体であり、それぞれが広大な恐怖と邪悪の領土を支配している強力な中級神達だ。個々の魔神は、唯一無二のクリーチャーであり、自らの欲望を推進する為にのみ存在する揺るぎなき罪と悪の結晶である。そんな魔神の起源は様々だ。
     その大多数は下位デーモンから強力な実体へと変成した者だが、珍しい場合では、魔神は強力で罪深い定命の者から直接昇神を遂げたか、魔界やその他の未知なる影響によって古のクリフォトから魔神へと変移している。

     デーモンが十分な力を集めた時、それがクラス・レベルの取得にせよ、ヒット・ダイスの上昇にせよ、多くの神話能力の獲得か神話階梯の上昇にせよ、不浄なる儀式の実行や一つの次元世界の征服にせよ、単に驚くほどに大量の忠実な配下を集めたにせよ、それは初期段階の魔神(通称:新生魔神)として知られるようになる。
     初期段階の魔神の定義は難しいままだが、通常は十全なる魔神への変成を完了しようと求める。そうする為に初期のロードは定命の者の間で教団を設立しなければならないが、より重要な事として初期のロードは十分に大きな魔界の領土で覇権を唱えて支配し、それによって、"魔界"の次元宇宙そのものがその初期のロードに気付き、そして真なる魔神に相応しい力の段階まで昇り詰めなければならない。
     だが、未だ魔界には完全なる主神の地位にまで昇神しきった魔神はおらず、全ての魔神はこの大いなる昇神を遂げんと、凄絶なる覇権争いの数々を繰り広げている。一時に初期の魔神は魔界に"数千ほど"いるだろうが、十全なる魔神の数はより限定される――知られている限りではそれらの数は数十柱ほどだ。

  • 85二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:27:30

     また。「魔神」という語の文法性は中性だ――男性も、女性も、そして性別の無い(または不詳の)魔神もおり、両性具有の魔神も過去には実在した。魔神は特定の魔術や信仰呪文で連絡でき、ゲート呪文によるで召喚もできるが、喚ばれた時に魔神はそのゲートを通るよう強制されない。概して、魔神はゲート呪文に畏れ多くも応答下さるまでの間に、大量かつ非常に価値のある貢物の提供と彼らの御名における膨大な数の生贄を要求し、その召喚の儀は想像を絶する危険と恐怖、そして多大なる犠牲の数が常に付きまとう。

     理論上、全ての魔神は(積極的ではないにしても)ほぼ常に互いに戦争状態であり、彼らは神々と敵対するのと同じ頻度で他の魔神や野心的な下位者と敵対をしている。無論、彼らは外交などを通じて同盟を結ぶも、その幾つかの同盟は不安定かつ偽装されており、いつ一方的に破棄されてもおかしくない状況の下、様々な策略と陰謀が行われている。
     その為、殆どの魔神は他の1柱か2柱と積極的に戦争を行う。多くの場合、これらの抗争は互いの権能、領土を含めた自身の支配領域やその教義が被っている、単純に気に入らないといった理由で発生し、彼らは自らの信徒に対して自身が司る4つの領域への干渉権を与える。

  • 86二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:31:16

    このレスは削除されています

  • 87二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:33:26

    ⛧主要な魔神

     これは多元宇宙にまでその悪名を轟かせている魔神達の一覧表であり、これらの魔神は呪われた同種の間でも特に強力であり、魔界の領域を超えて広く知られている。(メタ的に言うなら本スレの世界に興味・関心を強く抱いている連中)

    魔名       権能            主な異名                  
    アブラクサス   蛇・魔術・禁断の伝承    最終奥義の達人、魔術と禁断の伝承の魔神   
    アンガザン    類人猿・密林・専制     貪欲なる王、類人猿と密林の魔神       
    バフォミトラ   獣・迷宮・ミノタウロス   ミノタウロスの主なる神、獣と迷宮の魔神   
    シス=ヴィサグ  菌類・寄生虫・病気     爆ぜし荒野の大公、菌類と寄生虫の魔神   
    ダゴン      海洋・畸形・海の怪物    陰の海、海洋と海の怪物の魔神       
    マズメズ     害虫・束縛・ドライダー(※) 這いずる女王、害虫と束縛の魔神      
    コシチェイ    冷気・巨人・復讐      不死の霜、冷気と巨人の魔神        
    ノクティキュラ  闇・色欲・暗殺       我らが影の聖母、闇と色欲の魔神      
    オルクス     憤怒・アンデッド・死霊術  不死者の大公、死霊術とアンデッドの魔神  
    パズズ      天空・誘惑・有翼生物    風の魔王、天空と有翼生物の魔神       
    シャックス    嫉妬・嘘・殺人       鮮血候、嘘と殺人の魔神          
    ソコスベノス   傲慢・禁忌・倒錯      絹の如き罪、倒錯と禁忌の魔神       
    ズーラ      血・ヴァンパイア・共食い  吸血鬼の女王、共喰いとヴァンパイアの魔神  

    (※ 上半身がダークエルフ、下半身が大蜘蛛の怪物)

  • 88二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:36:24

    このレスは削除されています

  • 89二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:37:59

    ⛧その他の魔神

     これらの魔神は上記の魔神達と同様に非常に強力ではあるが、様々な理由により多元宇宙への影響は少ない傾向にある(※ 魔界基準)。彼らは別の次元宇宙にカルトや独自勢力を築いており、彼らその焦点は、別の世界や様々な罪と欲望に向けられている
    (メタ的に言うなら、本スレの世界に大して興味・関心が無い連中)

    魔名       権能               主な異名
    アレシュカガル  強欲・戸口・謎            貌無きスフィンクス、戸口と謎の魔神
    イポス      ブラックジョーク・演技・頽廃的娯楽  劇場王、演技とブラックジョークの魔神
    フラウロス    火・火山・サラマンダー        燃え盛る胃袋、火とサラマンダーの魔神
    ハーゲンティ   変化・錬金術・発明          内側で囁く者、錬金術と変化の魔神
    ジェゼルダ    月・荒廃・ワーウルフ         飢えた月の女王、月とワーウルフの魔神
    ジュブレックス  怠惰・粘体・毒             無貌の支配者、毒と粘体の魔神
    ゴグンタ     沼・両生類・ボガード(蛙人間)      沼の歌、沼とボガードの魔神
    アスティルテ   墓地・グール・死者の記憶と秘密     食屍姫、墓地とグールの魔神
    メスタマ     冷酷・欺き・ハグ(西洋版山姥)     魔女の母、ハグと欺きの魔神
    ネルガル     太陽・砂漠・戦争            輝ける災禍、太陽と戦争の魔神
    シヴァスカ    異形種・時計・牢獄          鎖の乙女、異業種と牢獄の魔神
    シフケシュ    異端・自殺・絶望           神聖なる娼婦、異端と自殺の魔神
    ソヴェロン    暴食・廃墟・ガーゴイル        魔石公、ガーゴイルと廃墟の魔神
    イドトラス    時間・老化・ワーム           荒廃のワーム、時間とワームの魔神
    ゼヴガヴィゼブ  洞窟・爬虫類・トログロダイト(※)   爬虫類の主神、洞窟とトログロダイトの魔神

    (※ 洞窟や地底に住む邪悪な蜥蜴人間)

  • 90二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:40:06

    ⛧七つの大罪
    古典的かつ伝統的な"七つの大罪"は以下の魔神達が司っている。

    憤怒:オルクス
    傲慢:ソコスベノス
    色欲:ノクティキュラ
    怠惰:ジュブレックス
    嫉妬:シャックス
    暴食:ソヴェロン
    強欲:アレシュカガル

    ⛧新生魔神 The Nascent Demon Lord

     極僅かな例外を除き、真なる魔神は完全な状態で誕生することは無い。個々の強大なるデーモンの候補者達は完全なる変成を遂げるために永き時間をかけて膨大な力を蓄え、独自の資源を築く必要があり、一部の候補者達は真なる魔神への確実な変成を遂げるために、または過酷な魔界での生存競争を生き延びる為に、強大な魔神達の前に膝を付き、様々な奉仕を強いられる事となる。
     この過渡期を迎えた強大なデーモンは、"新生魔神"として知られており、何時の時代にも魔界には何百何千もの新生魔神が存在する。一部の新生魔神は物質界や他の次元界にて認知されつつあるが、これらの大規模の人口数をもってしても、魔界そのものの意志による過酷な試練の数々や、強力な魔神の諸侯達による無慈悲な"洗礼"を耐え切り、完全なる魔神への変成を遂げるまでに生き延びる事ができるのは、一握りの強者のみである。以下に記すのは、新生魔神の中で比較的よく知られていた存在達である。

    魔名       権能           主な異名       仕えている魔神
    ダカル=サー   腐肉、腐肉食動物     腐肉の王       アスティルテ
    イザーニャ    蟻・怒れる暴徒      七倍の群れの女王   マズメズ
    メンカー     屍姦・墓荒らし      棺の新郎       無し
    マーナス     鼠・下水道        角ある鼠       ジュブレックス
    ナイトリッパー  失敗した処刑・穴     苦痛の誓い      シャックス
    オボノヴォ    鮫・難破         暴食の潮       ダゴン
    シャミラ     失われた夢・純粋な誘惑  熱烈なる夢      ノクティキュラ
    トレアラザー   自然の腐敗・汚染     爆ぜし森の支配者   無し(元シス=ヴィサグ配下)

  • 91二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:10:13

    ⛧魔神の特性(D&D 5eを元にした雰囲気づくりの設定)

     唯一無二のデーモン神たる魔神は、真なる神でないにも関わらず高位の神格すら脅かすほどの力を誇り、魔界の階層1つを支配している。魔神は全て"混沌にして悪"の来訪者であり、最低でも脅威度は46。(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)魔神は特に、以下に示すような特性一揃いを備えている。

    ◦魔神は自らが神格であるかのように、自分の信徒に呪文を与えることができる。魔神の領域は混沌と悪に加え、その主題と興味に関連した領域を2つを複数個を持つ。加えて、神格と同様、魔神は好む(または神聖視する)武器を1つ持つ。

    ◦魔神は神話級最大の脅威の一つである。術者レベル及びキャラクター・レベルが30以下(クリーチャーであれば脅威度が30以下)の存在は、魔神に対して指先一つ触れることができず、その敗北が強制的に確定する。その様な脆弱な輩は、如何に強力な特殊能力や耐性、クラス技能、魔法のアイテムや神話級のアーティファクト、神話ランクや神話能力、強力な再生能力や不死性を有していたとしても、魔神に何らかの影響を与え、抗う事が文字通り不可能であり、象が蟻を踏み潰すが如く一方的に蹂躙される。加えて、魔神は脅威度40以下のクリーチャーのあらゆる抵抗と完全
    耐性を無視し、クリーチャーの脅威度が41~50であれば、あらゆる抵抗を無視し、完全耐性を抵抗を持つとして扱う(対象が状態異常に対する完全耐性を持つ場合、耐性貫通時に発生する判定に+20のボーナスを与える)。

    ◦魔神はあらゆる自然的な要因で死ぬことは無く、不滅の存在である。加えて、ありとあらゆる有害な環境下や宇宙の真空中で平然と生存し、宇宙からの有害な効果や影響を一切受けない。無論、魔神は老化せず、食事も、休息も、睡眠も、呼吸も必要無い。魔神を滅ぼす唯一無二の方法は、彼らと同等の領域に達した英雄や脅威度41以上の神格が魔法的あるいは物理的に斃すといった特別な状況のみである。

    ◦魔神はダイス判定が出目1でも、自動失敗にはならず、判定が必要とされる全てについて、その魔神個人に特定の記載がない限り、どんな判定でも出目10が確定する。

    ◦魔神のヒット・ダイスの種類は、通常のサイズ制限を無視してd15であり、サイズが巨大以上であれば通常通りd20となる。

  • 92二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:11:47

    >>91

    ◦ダメージ抵抗:[火]、[酸]、[精神]、[力場]、[音波]、[闇]、+7以下の魔法武器による斬撃・刺突・殴打ダメージ。加えて、魔神は自身と同等か格上の神格かそれらの神格が作成したアーティファクトによる攻撃でなければ、全てのダメージは半減される(小数点切り捨て)。


    ◦ダメージ完全耐性:[電気]、[冷気]、[毒]、非魔法的及び+5以下の魔法武器による斬撃・刺突・殴打ダメージ

    ◦状態異常完全耐性:即死を含むあらゆる状態異常


    ◦非実体化:魔神のHPが0になるとその肉体は破壊されるが、彼らは不死不滅の存在ゆえ、その本質は個々の支配する領域へと戻り、暫くの間、物理的な形態を取ることができなくなる。


    ◦生得呪文発動能力:魔神の呪文詠唱能力、セーヴDC、及び攻撃ボーナスについては、個々の魔神を参照。全ての魔神は、個々の生得呪文発動能力に加えた以下の呪文を7レベルにまで呪文レベルが上昇した呪文として発動することができ、呪文発動時においては、あらゆる物質の構成要素を無視する。


    回数無制限:コンプリヘンド・ランゲージズ、ダークネス、ディテクト・マジック、ディテクト・ソウツ、ディスペル・マジック、フィアー、ポリモーフ、シー・インヴィジリティ、テレキネシス、アンホーリィ・オーラ、スクライング、テレパシー、テレポート、アンハロウ

    3回/日:アーケイン・ゲート、フォービダンス、シンボル、ディヴァイン・ワード

    1回/日:ウィッシュ/ミラクル、タイム・ストップ、アストラル・プロジェクション、ゲート


    ◦技能習熟:魔神は未修得を含めた全ての技能を習熟しているものとして扱い、各能力判定時に+12の神話ボーナスを得る(これらは彼らの能力値による修正と累積する)。


    ◦伝説的抵抗力(4回/日):魔神が判定に失敗した場合、任意でセーヴの成功を確定できる。


    ◦制限的魔法耐性:魔神が影響を受けることを望まない限り、彼らは6レベル以下の呪文の影響を受けず、他の全ての呪文やその他の魔法効果に対する判定に+20のボーナスを得る。


    ◦魔法の武器:魔神のあらゆる武器攻撃は、+7の魔法かつ神話武器として扱われる。

  • 93二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:12:04

    >>92

    ◦再生:魔神は自身のターンの開始毎に(仮に現在hpが0であっても)50hpほど再生し、切断された身体部位を瞬時に再接続する。


    ◦魔神のイニシアチヴ:魔神は【知力】及び〈知覚〉判定に有利を得る。加えて、魔神はラウンド毎に2つのアクションを実行できる。


    ◦完全視:魔神は480㎞までの通常の暗闇と魔法的な暗闇を見通し、不可視のクリーチャーや物体を見ることができ、幻を自動的に探知してこれに対する判定を行うことができる。更に変身生物や魔法的に変身しているクリーチャーの真の姿を見抜くこともでき、同じ距離までならエーテル界まで見通すことができる。


    ◦テレパシー:魔神は半径1000㎞までのテレパシー能力を持つ。


    *アクション

    ◦畏怖すべき存在:魔神が選んだ各クリーチャーが半径360㎞内におり、かつ対象を認識している場合、魔神の呪文DCと等しいDCで【知力】セーヴを行い、失敗すれば36(10d7)ターンの間、恐怖状態に陥る。クリーチャーは、各ターンの終了時にダイス判定を繰り返すことができ、成功すると自身への影響を終了できる。クリーチャーがセーヴに成功した場合、その効果は終了し、クリーチャーは次の24時間まで魔神の畏怖すべき存在の影響を受けない。

  • 94二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:14:03

    *魔界の領土
     魔神の領土の面積には幅があるが、最小のものでさえ惑星規模であり、最大のものであれば幾つかの惑星数個分よりも遥かに大きい。その領土の環境、主題、そして特性は魔神本人と同様に唯一無二であり、支配者たる魔神の気分や気紛れに応じて、悪夢の様な周りの風景や地形環境、その地の特性や住民達を積極的かつ無意識の内にコントロールでき、しばしば奈落界アビスに設けられた境界線や法則を捻じ曲げる。
     しかし、それらの強大かつ恐ろしい力を有しているにも拘らず、魔神は決して全知全能では無い。最も強力な冒険者はそうした領土に万全の態勢を整えて潜入することで、その領土の支配者たる魔神の怒りを買うことなく、その目的を果たせるかもしれない――極めて幸運かつ慎重であれば話だが。また、魔神は自身の領域にいる間、(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)以下の追加の力を得る(以降のデータにはこれらの能力は含まれていない)。

    ◦自身の領土内にいる魔神は上級神として機能し、以下に記された上級神の特性を追加で得る。

    ★上級神としての特性

    •+8以下の魔法武器による斬撃・刺突・殴打ダメージに対する抵抗

    •+6以下の非魔法的及び魔法的な攻撃による斬撃・刺突・殴打ダメージに対する完全耐性

    •魔神皇の力:魔神の攻撃は、CR50以下のクリーチャーの完全耐性と抵抗を無視し、CR51以上のクリーチャーの場  合、魔神の攻撃は抵抗を無視し、完全耐性を抵抗として扱う(条件的な抵抗は判定時に+20のボーナスを提供する)。加えて、CR30以下のクリーチャーであれば、魔神に対して、 何の影響もダメージも及ぼすことができず、その敗北と滅びが強制的に確定する。

    •魔神皇の反応:魔神が範囲内に効果を及ぼす攻撃や影響に対するダイス判定に成功した時、その際に発生するダメージ、有害な効果や影響、ペナルティの類などを全て無効化し、その攻撃の範囲の外へ速やかに移動できる。
     ただし、魔神は効果の範囲外に出るのに十分な移動距離を保つ必要があるが、その際の反応アクションに加えて、伝説的移動アクション(瞬間移動も含む)を使用する事で、効果範囲外に移動するために必要な距離を獲得できる。

  • 95二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:15:02

    >>94

    •生得呪文発動能力:全ての魔神は、上記と個々の生得呪文発動能力に加えた以下の呪文を、8レベルにまで呪文レベルが上昇した呪文として発動することができ、呪文発動時においては、あらゆる物質の構成要素を無視する。


    回数無制限:コンタクト・アザー・プレイン、エンラージ/リデュース、リムーヴ・カース、リムーヴ・ディシーズ、センディング、ドリーム、シールド、シールド・オヴ・フェイス

    3回/日:クリエイション、デミプレイン、イセリアルネス、モルデンカイネンズ・プライヴェイト・サンクタム、リザレクション

    1回/日:ゲート、マス・ヒール(1,000ヒット・ポイントまで)、トゥルー・リザレクション


    •伝説的抵抗(5回/日):魔神がセーヴィング・スローに失敗した場合、任意でセーヴの成功を確定できる。


    •伝説的アクション:魔神は、5回の伝説的アクションを使用できる。


    •再生:魔神は自身のターンの開始毎に(仮に現在hpが0であっても)60hpほど再生し、切断された身体部位を瞬時に再接続する。


    •制限的魔法耐性:魔神が影響を受けることを望まない限り、彼らは8レベル以下の呪文の影響を受けず、他の全ての呪文やその他の魔法効果に対する判定に+20のボーナスを得る。


    •魔法の武器:魔神のあらゆる武器攻撃は、+8の魔法かつ神話武器として扱われる。


    •現実・因果律改変(再チャージ:5~6):9ターンに1回、ボーナス・アクションとして、魔神はウィッシュ/ミラクルを発動できる。


    •領域アクション:魔神は自身が支配する領土を己の肉体と精神の延長として意のままに操り、強大無比な大神の力を振るうことができる。自身の領土内にいる魔神は脅威度が+5増加し、領土内の何処にいても、自身の権能と領土に関連した様々なアクションを行うことができる(詳細は個々の魔神を参照)。領土内にいる魔神を敵に回すという事は、魔界の次元宇宙そのものを敵に回すことに他ならないのである。

  • 96二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:15:38

    *キャンペーンにおける魔神
     魔神はCR46からCR51までの力を持つ、唯一無二にして最強最悪のクリーチャーだ。魔神は概して定命の英雄はおろか並の神格ですら、指先を触れるどころか近づく事すら叶わないほどの圧倒的存在であり、同等の力かそれ以上の力を持つ存在でさえ、彼らの本拠地である魔界の領域で直接対決することを恐れている。故にこの強大無比なる存在達は、熟考も覚悟なく通常の冒険で配置するものではない。多くの場合、彼らは長期キャンペーン――特にPC達自体が強大な神話キャラクターになっているようなキャンペーン――を締めくくる最強最後の難敵として使うのに最高であり、魔神との単なる遭遇や謁見ですら、その聴衆にとってさえ記憶に残る出来事となるだろう。

     魔神は多くの英雄や神々が直接戦闘するには余りに荷が勝ちすぎる能力を持っているが、その啓発を受けた、あるいは指示を受けたモンスターや定命の者、そして教団全体によって彼らはキャンペーンにおいてあらゆるレベルで敵として使える。教団と敵対し打倒することはキャンペーンにおいて由緒正しき筋書きであり、教団の崇拝する魔神が物質界に受肉する前に、PCがポータルを閉じなければならないという、最高潮での遭遇というのは長期キャンペーンにおいて最高に興奮できるものとなるだろう――特に求められるのは、顕現した魔神と数ラウンド程、PC達と死闘を繰り広げた後、ポータルの閉鎖によって魔界への帰還を強要される場合などである。

     また、PCに全力の魔神と対面させるのではなく、君はPCが顕現した魔神の力の源を制度的に蝕み、破壊することでそれへのペナルティを増大させ、強力な武器を集めることを強調することで、PCが最後の対面の時に備えるようキャンペーンを構築し、PCを強力に、そして魔神を通常のCR以下の性能まで弱体化させて良い。このやり方で魔神を弱体化させる簡単な方法の手本としては彼らに負のレベルを与え、脅威度を低下させることだ――通常、魔神はこの様な影響に対する完全耐性を持つが、その場合は、顕現するために用意された力の源の減少もしくは破壊によるペナルティがその完全耐性を一時的にすり抜けている――少なくとも、その魔神が自身の力を再構築し回復できるまでは。

  • 97データ集21/12/31(金) 23:17:42

    バフォミトラ

    混沌にして悪/超大型サイズの魔族(魔神)


    AC:66(外皮)

    hp 3,252(66d15+2,262)

    イニシアチヴ値:+48/+28

    移動速度 160フィート、飛行100フィート


    能力値:【筋】61、【敏】57、【耐】63、【知】62、【判】54、【魅】60


    セーヴィング・スロー:【筋】+30、【敏】+28、【耐】+31、【知】+31、【判】+27、【魅】+30

    技能:〈軽業〉+40、〈運動〉+42、〈威圧〉+42、〈看破〉+39、〈自然〉+43、〈神秘学〉+43、〈説得〉+42、〈虚偽〉+42、〈医術〉+39、〈生存〉+49、〈調査〉+43、〈知覚〉+39、〈動物使い〉+49

    ダメージ抵抗:魔神の特性を参照

    ダメージ完全耐性:[火]、[精神];その他は魔神の特性を参照

    状態異常完全耐性:魔神の特性を参照

    感覚:疑似視覚270㎞、完全視480㎞、受動的〈知覚〉44

    言語:全ての言語、テレパシー1,000㎞

    脅威度:50(835,000 XP)


    ◇特徴

    ◦魔神の特性:詳細は上記を参照。


    ◦グレイヴ体得:バフォミトラはグレイヴ武器を用いた戦闘を極めており、100+前半のdice10固定、ダイス判定の数値が90~100を超えた場合、クリティカルヒットとして扱いダメージが2倍になる。グレイヴを用いた戦闘において神話級の英雄や剣聖が赤子同然と化し、神格ですら苦戦は必至であろう。


    ◦獣の支配者:バフォミトラは常時動物や魔獣と会話できる。更に彼は半径4万kmにいる全ての動物、魔獣を強制支配でき、支配された動物は人語を解する邪悪な食人動物と化す。仮に使役・召喚されている動物・魔獣がいる場合、【魅力】判定で71以上の数値を出さなければ、即座に寝返り、バフォミトラの支配下に入る。

  • 98二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:18:48

    >>97

    ◦迷宮とミノタウロスの魔神:バフォミトラは今まで通過した全ての道筋を完璧に思い出すことができ、罠、不意打ちを見抜き、迷子や立ち竦みになることが無く、戦闘時のイニシアチヴ判定に+20のボーナスを得て、異世界や異次元などに強制追放する魔法や類似した能力の影響を一切受けない。

     彼はあらゆるダンジョンや迷路を脱出するための、最短かつ最適なルートや手段を本能的に知っており、彼がダンジョンや迷路で1分間過ごした場合、それらの構造全体、迷宮内にいる敵の数、位置や方角、侵入者の詳細なデータを瞬時に理解し、任意の場所に瞬間移動できる。加えて、バフォミトラはクリーチャーの脳という心と精神の"迷宮"をも司るため、記憶を盗んだり書き換えたり、心や思考を感知したり読み取る様なあらゆる能力や効果に対しても完全耐性を持ち、自身が選んだ敵の思考を読み取り、相手の思考を意のままに操作したり、敵の脳内に瞬間移動して内部から敵を破壊できる。


    ◦言語の支配者:バフォミトラは全ての言語を話し、読み書きし、理解することができ、言語学を極めている。さらに彼の半径1800㎞内で音声要素のある呪文や能力を発動するクリーチャーは、【知力】判定で62以上の数値を出さなければ、発音と言語が不自然に乱れて呪文や能力の発動が不発に終わり、下級神格以下の存在であればこの判定が72に増強される。

     加えて、1日13回、バフォミトラは言霊を用いることで、自身の声が届く範囲以内にいる意志薄弱なクリーチャーを家畜の如く従順な駒に変え、意のままに操る。これはマス・サジェスチ ョ ン(9レベル、精神集中不要)として機能し、【知力】判定で62以上で無効化できる。


    ◦魔導書・巻物使用:バフォミトラはあたかもその呪文を体得しているが如く、どの巻物や魔導書からでも呪文を唱えることができる。更にバフォミトラの半径1800㎞内で巻物や魔導書から呪文を唱えるクリーチャーは、【知力】判定で62以上の数値を出さなければ、唱えた呪文が無効化され、有害な効果を持つ呪文であれば術者に反射される。

  • 99二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:20:00

    >>98

    ◦逆五芒星の印:バフォミトラの象徴である紅い逆五芒星の印は、彼の額にシンボルとして刻まれており、この刻印は魔女と魔術師、そしてデーモンの支配者たる証明となる。これは彼に地獄の業火を含む[火]への完全耐性を与え、バフォミトラ以外の魔族とバフォミトラ以外の魔神を崇める崇拝者、魔術師や魔女は彼のあらゆる攻撃と呪文に対するダイス判定に-20のペナルティを得る。

     更にバフォミトラは攻撃呪文に+66の固定ボーナスを得て(このボーナスは、彼の攻撃呪文のダメージボーナスと累積する)、魔族の呪文抵抗や呪文無効化を貫通し、彼の攻撃によるダメージは魔族、魔術師と魔女のダメージ抵抗、完全耐性を全て貫通する。


    ◦生得呪文発動能力:魔神の特性を参照。また、バフォミトラの呪文詠唱能力は【知力】依存であり(呪文時のダイス判定は62、攻撃呪文のダメージボーナスは+41である)、バフォミトラは上記の呪文に加えて以下の呪文を発動できる。


    回数無制限:ハンターズ・マーク、ウォール・オヴ・ストーン(全ての効果が倍増)、メイズ(9レベル、精神集中不要)、コマンド(9レベル、精神集中不要)、チャーム・モンスター(9レベル、精神集中不要)、ドミネイト・パースン(9レベル、精神集中不要)、チャーム・パースン(9レベル、精神集中不要)、ドミネイト・ビースト(9レベル、精神集中不要)、ディソナント・ウィスパーズ(9レベル、精神集中不要、対象はバフォミトラが指定した方向に移動する)、アウェイクン(9レベル、精神集中不要)、トゥルー・ストライク、ヘリッシュ・リビューク(9レベル、精神集中不要)、スロー、エンハンス・アビリティ、シェイプチェンジ、コンフュージョン(9レベル、精神集中不要)

    3回/日:ギアス(9レベル、精神集中不要)、ドミネイト・モンスター(精神集中不要)、リヴァース・グラヴィティ、マス・サジェスチ ョ ン(9レベル、精神集中不要)、フィーブル・マインド、アースクウェイク、クラッシング・ロックス、プリズマティック・スプレー(9レベル、精神集中不要、5つの光線に増強)

    1回/日:メイジズ・ディスジャンクション、インプリズンメント、トゥルー・ポリモーフ

  • 100二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:20:50

    >>99

    ◦変身生物:バフォミトラは、アクションまたはボーナス・アクションを使用して、小型または中型の人型生物、中型から超大型のミノタウロス・動物・魔獣に変身したり、本来の形に戻ることができる。彼のサイズを除いて、バフォミトラの統計は各形態で同じであり、彼の身に付けている装備品や所有しているアイテムは、彼の変身した形態と同化するため、問題なく所持できる。


    ◦阻止不能:バフォミトラが魅了状態、麻痺状態、石化状態、伏せ状態、盲目状態、聴覚喪失状態、脱力状態、拘束状態、または朦朧や気絶状態に陥るような影響を受ける場合、彼はそのダイス判定時に+20のボーナスを得て、その攻撃を行った対象は、セーヴ判定時に得られる有利を依然として得るが、バフォミトラは、その効果や呪文の及ぶ持続時間を強制的に半減できる。もしくは、彼は除去したい各効果に対して1回の伝説的アクションを使用できる。


    ◦怪物的攻城:バフォミトラは物体及び建造物に対し、2倍のダメージを与える。


    ◦強力突撃:バフォミトラが標的に向かって少なくとも10フィート直進し、かつ移動したのと同じターンに突き刺し攻撃をヒットさせた場合、対象は追加で75(10d10)の刺突ダメージを受ける。更に対象が65の【耐久力】判定に成功しなければ、巨大サイズの場合は15フィート、超大型~大型サイズの場合は30フィート、中型~超小型サイズの場合は60フィートの距離まで押し出され、伏せ状態となる。押し出された対象が固体の表面にぶつかった場合、対象は押し出された10フィート毎に3(1d6)の殴打ダメージを受け、対象が他のクリーチャーのいる場所に向けて押し出された場合、その場にいたクリーチャーはDC55の【敏捷力】判定に成功しなければ、同様のダメージを受けて伏せ状態になる。

  • 101二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:21:06

    >>100

    ◦エイザガウル 分類:神話級の上級アーティファクト

     ミノタウロスの言語で「迷宮の果てに待ち受ける最期の刃」を意味するこのグレイヴ(西洋版薙刀)は、独特の形をしており、その刃は三日月に似た二重の刃で構築されている。この神器は真鍮と象牙で構築されているにも拘らず、オリハルコンやヒヒイロカネと同等の硬度を誇る+8のエピック・アーティファクトとして扱い、攻撃ロールとダメージ・ロールに+8のボーナスを与え、敵の斬撃ダメージに対する抵抗や完全耐性を貫通する。更にこの武器は以下の特性を持つ。


    ◦この武器によるダメージは追加で36(8d8)の追加ダメージを付与する(闇属性)。


    ◦善の属性を持つクリーチャーとバフォミトラを崇拝しない魔族に対するダメージが1.5倍になる(小数点切り捨て)。


    ◦この武器による傷は永続的な傷と化し、想像を接する激痛を与える。これはターン毎に【耐久力】判定で68以上の数値を出さなければ、3(2d3)ターンの間行動不能となる。


    ◦この武器による傷は自然回復せず、魔法や特殊能力由来の回復でなければ絶対に治療できないばかりか、あらゆる回復に抵抗する。この武器によるダメージを受けた対象を魔法(または類似した能力や魔法のアイテム)で回復する場合、【耐久力】判定で62以上の数値を出さなければ、不発に終わり、魔法のアイテム類は無駄に消費される。


    ◦バフォミトラはこの武器を、時空間や次元間の距離を越えて自身の手元に召喚できる(アクション不要)。

  • 102二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:22:04

    ◇アクション

    複数回攻撃 バフォミトラは畏怖すべき存在を使用できる。しかる後にエイザガウルによる攻撃を4回行うか、爪、噛みつき、突き刺し、エイザガウルを組み合わせた任意の攻撃を4回行う。

    爪 近接武器攻撃:攻撃+37、間合い10フィート、目標1つ。
      ヒット:159(6d12+200)斬撃ダメージ。

    噛みつき 近接武器攻撃:攻撃+37、間合い10フィート、目標1つ。
         ヒット:169(7d12+200)刺突ダメージ。

    突き刺し 近接武器攻撃:攻撃+37、間合い10フィート、目標1つ。
         ヒット:175(10d10+200)刺突ダメージ+36(8d8)[火]ダメージ。加えて、対象は【耐久力】判定で65以上の数値を出さなければ、着火するため6(2d6)ターンの間、20(5d6)の[火]ダメージを受け続ける。

    エイザガウル 近接武器攻撃:攻撃+43、間合い15フィート、目標1つ。
           ヒット:243(10d12+280+100)斬撃ダメージ+36(8d8)[闇]ダメージ。加えて、対象は【耐久力】判定で68以上の数値を出さなければ、3(2d3)ターンの間行動不能となる。更にこの武器による傷は自然回復せず、魔法や特殊能力由来の回復でなければ絶対に治療できないばかりか、あらゆる回復に抵抗する。この武器によるダメージを受けた対象を魔法(または類似した能力や魔法のアイテム)で回復する場合、【耐久力】判定で62以上の数値を出さなければ、不発に終わり、魔法のアイテム類は無駄に消費される。

    畏怖すべき存在 詳細は魔神の特性を参照。

    獣性の凝視 バフォミトラは自身から960フィート以内に見えるクリーチャー1体を選択する。そのクリーチャーは、【知力】判定で61以上の数値を出さなければ、65(11d10)の[精神]ダメージを受ける。セーヴに成功すればダメージを半減できるが、この攻撃でダメージを受けた対象はそのセーヴの成否を問わず、味方1体を6回、またはランダムな味方6体を1回攻撃するまで、フィーブル・マインド呪文の影響を受け続ける。

  • 103二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:22:21

    >>102

    邪水のブレス(再チャージ:5~6) バフォミトラは半径180フィートの円錐に、負のエネルギーに満ちた邪水のブレスを吐く。範囲内のクリーチャーはバフォミトラの現在ヒット・ポイントの1/2(小数点切り捨て)+260(33d10)の[闇]ダメージを受け、【耐久力】判定で62以上の数値を出せばダメージを半減できるが、善の属性を持つクリーチャーや天使は、この判定に-8のペナルティを得る。


    咆哮(再チャージ:5~6) バフォミトラは半径480フィート内に雷のような身の毛のよだつ咆哮を上げることができる。範囲内のクリーチャーは【耐久力】判定で61以上の数値を出せなければ、165(10d22)の[音波]ダメージを受け、永続的な聴覚喪失状態と6(2d6)ターンの間、恐怖状態に陥り、判定に成功すればダメージと聴覚喪失状態を3(1d6)ターンに半減し、恐怖状態を無効化できる。加えて、この咆哮の範囲から720フィート内にいるクリーチャーも同様のダイス判定を行い、判定に成功しなければ6(2d6)ターンの間、恐怖状態に陥り、判定に成功すれば恐怖状態を無効化できる。


    眷属招来(3回/日) バフォミトラは2d8体の動物・魔獣・ミノタウロスか任意のデーモンを召喚でき、ミノタウロスとデーモンは何れかのクラスを極めている(脅威度が+15に増強)。


    狂乱の旋風(再チャージ:5~6) バフォミトラは自身の半径15フィート内にいるクリーチャー全員に、エイザガウルによる攻撃を行う。

  • 104二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:22:56

    ◇ボーナス・アクション

    猪突猛進 ボーナス・アクションとして、バフォミトラは2倍の移動速度で、敵のクリーチャーに向かって移動できる。

    踏みつけ バフォミトラは麻痺状態か伏せ状態か気絶状態になっているクリーチャーに対し、ボーナス・アクションを利用して、蹄攻撃を行う。近接武器攻撃:ヒット時+37、間合い10フィート、目標1つ。ヒット:179(7d12+200)殴打ダメージを受け、クリティカル・ヒットが確定する。

    永劫幽閉(再チャージ:5~6) バフォミトラは攻撃の一部として、敵を異次元の迷宮に追放・幽閉する。目標は【知力】判定で71以上の数値を出せなければ、超常的な牢獄迷宮に転送される。対象は毎ターン、この迷宮から脱出するために判定を行なうことができ、【知力】判定ダイスで71以上の数値を3回連続で出せば脱出できるが、幽閉中は66+6d18の[精神]ダメージを受け続ける。
     ただし、バフォミトラと同格のキャラか中級~上級神格以外のクリーチャーは、脱出するための判定が発生せず、死亡してもその魂が囚われ続けるため脱出が不可能となる。クリーチャーの解放には、中級~上級神格が干渉するか直々に呪文や能力を発動する必要があり、幽閉された迷宮内でクリーチャーが死亡していたのであれば、中級~上級神格がウィッシュ/ミラクルを唱えて、魂を開放する必要がある(ただし、魂を開放しても自動的に蘇生はせず、その後の蘇生にはトゥルー・リザレクションなどの蘇生呪文を要する)。

    ◇反応アクション

    破壊的反応 バフォミトラが攻撃を受けたとき、彼は自身の反応アクションを利用して、自身の攻撃の及ぶ間合いにいる標的に、エイザガウルによる攻撃を1回仕掛けることができる。

    パリィ バフォミトラに対する1回の攻撃に対し、彼はACに+3(近接攻撃がヒットしそうになった場合は+7)のボーナスを得る。その為には、彼が攻撃者を見ることができ、武器を手にしている必要がある。加えて、バフォミトラが視界に入る遠隔攻撃の対象になっている場合、攻撃者のターン終了時まで攻撃者からの行われる全ての遠隔攻撃に対して、ACボーナスを+5得る(このボーナスは累積する)。
     仮に彼が近接攻撃を受けたのであれば、彼はダメージを35(10d6)減らすことができ、この行動でダメージが0になった場合、攻撃は失敗したものとして扱う。

  • 105二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:23:35

    ★伝説的アクション
     バフォミトラは以下の伝説的アクションを、合計4回実行できる。1度に使用できる伝説的アクションの何れか1つだけであり、行えるのは他のクリーチャーのターンの終了時である。
     バフォミトラがラウンドの終わりに未使用の伝説的アクションを持っている場合、残りの伝説的アクションの使用回数を費やして直ぐに使用でき、バフォミトラは消費した伝説的アクションの使用回数を、自身のターン終了時に回復する。

    ◦攻撃:バフォミトラは爪、突き刺し、噛みつきによる何れかの攻撃を行うか、呪文を唱える。
    ◦移動:バフォミトラは自身の移動速度の半分まで移動する。
    ◦再生:バフォミトラは50hpほど再生するか、切断された身体部位を瞬時に再接続する。
    ◦高速発動:バフォミトラは回数無制限の呪文を発動するか、7~9レベル呪文の巻物や魔導書を使用する。
    ◦エイザガウル(2/ラウンド):バフォミトラはエイザガウルによる攻撃を4回行う。
    ◦凝視(2伝説的アクション消費):バフォミトラは視界に入った全てのクリーチャーに対し、獣性の凝視による攻撃を行う。
    ◦突撃(2伝説的アクション消費):バフォミトラは自身の移動速度に等しい距離まで移動を行った後、突き刺し攻撃を行うか、移動中の範囲内にいるクリーチャーに対して、エイザガウルによる攻撃を行う。
    ◦狂乱(2伝説的アクション消費):バフォミトラは狂乱の旋風による攻撃を行う。
    ◦咆哮(2伝説的アクション消費):バフォミトラは咆哮による攻撃を行う。
    ◦邪水(3伝説的アクション消費、3回/日):バフォミトラは邪水のブレスによる攻撃を行う。仮に使用回数を消費していれば、再チャージされ、即座に能力を発動する。

  • 106二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:24:02

    ★領域支配者としての特性

    ◦象牙色の迷宮の支配者:他の神格級存在と同様、バフォミトラには想像を絶する力があり、自身の領土内にいる間、バフォミトラの力は更に増強される。自身の領土を含む「迷宮」内にいるバフォミトラは上級神と見做し、以下の特性を獲得する。            

    •バフォミトラは、上級神の特性を得る(詳細は上記参照)。
    •バフォミトラは、全ての攻撃ロールとダメージ・ダイスに+10の固定ボーナスを得る(この効果は他の効果と累積する)。
    •バフォミトラの近接武器攻撃のダメージは自動的に最大値となる。
    •バフォミトラは自身のターン時に3回行動を行える。
    •バフォミトラは、領域アクションを発動できる(詳細は後述)。

  • 107二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:24:34

    ★領域アクション

     バフォミトラは自身の領土を含む「迷宮」内にいる限り、領域アクションを発動できる。イニシアチブ・カウント20の時点で(同値の場合は常に後)、彼は神の力を利用して、以下に記された魔法的な効果の内、任意の1つを発生させることができる。ただし、同一の効果を2ターン連続で使用する事は出来ない。

    •バフォミトラは、迷宮内全域の任意の場所に瞬間移動できる(回数無制限)。

    •バフォミトラは迷宮内の扉や出入り口を任意の数だけ消滅させる。この効果は彼が死亡するか、彼がフリー・アクションを使用して解除するまで永続し、扉や出入り口があった場所は分厚い石の壁で満たされる。
      また、彼はこの能力の応用で、選んだ領土内の扉や出入り口の到着先を、バフォミトラがいる場所へと強制的に指定することができる。

    •バフォミトラは自身から半径4800㎞以内の範囲内か、彼が指定した任意の部屋全体の重力を意のままに操作できる。この効果はリヴァース・グラヴィティ呪文(9レベル)を発動したが如く機能し、13(4d5)ターンまで持続するか、彼がフリー・アクションで解除するまで続く。
      加えて、バフォミトラは影響を受ける物体とクリーチャーを自由に選ぶことができ、彼自身はこの重力操作の影響を無視できるが、頭上を浮いている敵を攻撃するために天井に着地し、近くにいるクリーチャーを攻撃する事を好む。

    •バフォミトラは自身が指定した領土内にある任意の部屋や通路全体に、ミラージュ・アーケイン呪文(9レベル)かウィアード呪文を発動でき、この効果はバフォミトラが別の領域能力を発動するまで持続する。

    •バフォミトラは自身が指定した無限迷宮内の部屋や通路、地形や壁などをストーン・シェイプ呪文(9レベル)を発動したが如く、自由に再形成することができ、この効果は石以外にも影響を及ぼす。

  • 108二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:25:00

    ★環境に及ぼす効果
     バフォミトラの潜む領土、または彼が顕現した世界は、バフォミトラの圧倒的な力と存在感によって歪められ、冒瀆されるため、以下の有害な影響を受ける。

    •バフォミトラのいる半径半径600㎞以内の範囲にある植生は、急速かつ異常なまでに成長し、密に茂るだけでなく、範囲内の地形と地面は大きく歪むため、樹木、生垣、藪及びその他の植物の壁と混ぜ合わさることで複雑な迷路を形成する。この範囲内は、バフォミトラと彼が指定したクリーチャー以外には視認困難を提供し、移動困難な地形と化す。

    •バフォミトラの半径2000㎞以内にいる全ての動物・魔獣は、常に狩りと死の脅威に晒されているかの様に激しく怯えて混乱する。これらの動物や魔獣は異常なまでに興奮して暴れだし、パニック状態に陥るため、周囲の物体やクリーチャーに対し、容赦なく襲い掛かる。

    •人型生物が彼の半径600㎞以内で1時間以上過ごす場合、そのクリーチャーは【判断力】判定で22以上の数値を出さなければ、"バフォミトラが齎す狂気"の表の中から、選ばれた狂気に陥る(詳細は下記の表を参照)。このセーヴィング・スローに成功したクリーチャーは、この効果の影響を24時間の間、受けることは無い。

    バフォミトラが死亡した場合、これらの効果は1d10日かけて徐々に消滅する。

  • 109二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:25:25

    ★バフォミトラが齎す狂気
     クリーチャーがバフォミトラの領土内か地形効果で、またはかの魔神の視界内で発狂した場合、"バフォミトラが齎す狂気"の一覧表に則って、狂気の性質を判断する。この狂気は治療されるまでの間、そのキャラクターの欠点となる(狂気の詳細は、ダンジョン・マスターズ・ガイドを参照)。

    d100 主な欠点(治療するまで継続)
    1-20:「私は自分の怒りに容赦なく飲み込まれ。 怒りに火が付いたとき、私は冷静さと論理的思考の全てを失い、誰かが私を宥めることは不可能である。」

    21-40:「私は堕落し、獣の如く振舞う。私の外見は最早、思考する知的生物よりも血に飢えた野生動物のように見える。」

    41-60:「世界は私の狩場であり、他の存在全ては私の獲物である。」

    61-79:「私は些細な事で憎悪を募らせ、直ちに激しい怒りを爆発させる。」

    80-100:「私の邪魔する輩は同胞や味方では無く、屠り、引き裂き、喰らうべき獲物と見做す。」

  • 110二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 21:42:50

    記入漏れがあったので追記

    >>103

    有害な変身(再チャージ:5~6) バフォミトラは敵全体を指定した小型動物に変身させることができる。【魅力】判定で62以上の数値を出せば変身を無効化でき、以後24時間完全耐性を得るが、失敗すれば戦闘不能扱いとなる。変身した対象は自身のターンに【魅力】判定で62以上の数値を3回連続出せば変身が解除され、戦闘に復帰できる。


    これにより有害な変身→獣の支配者による強制支配というクソコンボが可能

オススメ

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