- 1二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:24:24タイシンの♀トレは身長低いって概念出したそこのアナタ|あにまん掲示板末代まで誇れbbs.animanch.comテイトレTSウマ娘化概念に脳を侵されたもの|あにまん掲示板幻覚は文章にならば文章は絵にするものhttps://bbs.animanch.com/board/58697/bbs.animanch.com
普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしちまえばタイシンより低身長♀トレーナーができるんじゃねぇか?
・ここはウマ娘になってしまったトレーナー達をかわいいかわいいするスレです
・自分だけのトレーナーを考えたり概念を投げつけたりして楽しんで行きましょう
・別にTSに拘らなくても良かったり、既に居るトレーナーの別概念を上げても良いです
・大事なのは自分の性癖をさらけ出す事と他の人の性癖を否定しない事、それとトレーナー達への愛です
・そしてタイシンの性癖は破壊するもの
前スレ
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part664【TSトレ】|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/44303/ https://bbs.animanch.com/board/60076/ 普通のタイトレも例の3女神でロリっ子ウマ娘にしち…bbs.animanch.comWiki(解説/全パートリンク/用語集などはこちらから)
言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ @ ウィキ【9/26更新】言うっちまうTSウマ娘化タイトレスレ@ウィキへようこそ 詳しくはこちら→言うっちまうTSウマ娘化タイトレ解説スレ(外部リンク) まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧...w.atwiki.jp後感想用言うっちまえなかったスレ(1/31更新)
おれ居なかったから言うっちまえなかったんだけどよぉ…新part3|あにまん掲示板リアタイで伝えられなかった感謝や感想を伝えれる方がより清々しく尊死できるんじゃねぇか?それに大量の情報がある中、いまさら聞けないことを聞ける場所があったらより素敵なSSを書くことができるんじゃねぇか?…bbs.animanch.com本筋のタイトレ情報まとめ
・140-90-55-80(魔法の合言葉)
・25歳
・髪色は茶色でパーマーみたいな流星、目の色はエメラルドグリーン、耳飾りはタイシンとお揃い
・全身からおひさまのにおい、髪と尻尾はタイシンと同じシャンプーの匂いがする
・耳と尻尾と胸が敏感
・熱血クソボケ
- 2二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:26:37
立て乙メカ〜
曇らせはお任せメカ〜 - 3二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:34:03
たておつ
油と衣の用意はできたぞ - 4二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:34:14
たておつ
- 5二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:34:48
- 6二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:35:35
その者、黄色の衣を身に纏い金色の油へと降り立たん
- 7二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:36:02
- 8二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:36:27
- 9二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:38:53
- 10二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:39:25
- 11二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:44:24
立て乙メカ
- 12二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:45:36
- 13二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:46:25
タイシンが多いからあんた食べなよって押し付けられまくって喜んでバクバク食べてるんだろうな…
- 14二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:49:40
- 15二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 09:50:02
さては妄想し始めると止まらないタイプだな……?
- 16二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:02:38
刻一刻と迫り来るメカ邪龍
混乱の渦中にあるトレセン学園
策謀はびこるそこで、TSトレーナー達は、とうとうメカ邪龍との邂逅を果たす!
次回、新世紀ウマンゲリオン
ウオデッッッッッッッ、エッッッッッッッ
さーて次回も、サービスサービスゥ! - 17二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:04:27
メカ邪龍にエッッッ!になることなんてないだろ!?
- 18二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:04:44
- 19二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:06:31
- 20二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:15:37
- 21二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:23:46
- 22二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:24:43
脳内メーカーとか何年ぶりに見ただろうか
- 23二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:28:34
多分マルゼンさんがトレーナーちゃん!面白い物見つけたわ!って感じで持って来たんだろうな…
- 24二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:41:36
- 25二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:42:07
パチンコで9割頭が埋まってる…
- 26二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:48:48
真ん中のHはタマに発情してるのかそれとも
- 27二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 10:56:44
- 28二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:06:26
- 29二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:06:54
- 30二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:07:01
- 31二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:07:05
もちろん
- 32二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:10:51
夕方が近付き、少しずつ暗くなってきた公園のベンチで、私は一人でうずくまって座っていました。
お姉ちゃんと喧嘩し、怒って家を飛び出してしまった私は気が付くと知らない場所に来ていました。
心細さと、肌寒さで身体を小さくして震えていると「何処か怪我でもしたのか?」と声が聞こえて来ました。
顔を上げると白い上着を着た、トランプの耳飾りを付けて明るい茶髪を頭の後ろで纏めたお兄さんみたいなウマ娘のお姉さんが立っていました。
その夜みたいな暗くて綺麗な目を見るとなんだが頬が熱くなってきました。
「周りに誰もいないみたいだけど、家族は一緒じゃないのか?」
お姉さんの質問に首を横に振って答えます。
自分でお姉ちゃん達がいないと言ってしまったらもっと寂しくなりそうだったから何も言えませんでした。
「……じゃあお嬢さん、君の家の近くの公園の名前ってわかるかい?」
そう聞かれると私の家のすぐ近くにある公園が頭に浮かんで来ました。
「______公園」
私がその公園の名前を言うと目をつむって人差し指で頭を叩きながら何かを考えていたお姉さん。
「その公園なら知ってるから、俺が送るよ」
「え……ほんと?」
この知らない場所から家に帰れるかもしれないと思い、顔を上げる私。
それに答えるように笑顔を見せたお姉さんにちょっとドキドキしてしまいました。 - 33二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:13:18
お姉さんと一緒に歩いてる内に少し元気が出てきた私は迷子になってしまった理由を話しました。
「お姉ちゃんがウマ娘さんのトレーナーになりたいと言ってからかまってくれなくて寂しい。なんで楽しくも無い勉強をするのかわからない」と、お姉ちゃんと喧嘩した事を思いだしながら言うと、静かに聞いていたお姉さんが話しはじめました。
「君のお姉ちゃんは、楽しむ為に勉強してるんだよ。みんな、色んな事を勉強する事で夢を叶えてるからね……例えば」
お姉さんは私から離れるとすぐ近くにあった自販機で暖かい飲み物を買うと、私に手渡しました。
「勉強することで俺みたいに、人の心が読めるようになったりとかね。喉、乾いてただろ?」
何も言ってないのに私が飲み物を欲しがってるのがわかったお姉さんに驚いてびっくりした顔を見せてしまいました。
お姉さんの綺麗な手で頭を優しく撫でられる私。
「いつか君にも、頑張りたいと思える夢が見つかるよ」そう言って微笑むお姉さんにつられて、私もつい笑顔になってしまいました。
それから、公園に着いた私はそのまま家まで送って貰いました。
お姉さんと別れ、家で晩ごはんを食べていた私はお父さんとお母さん、そしてお姉ちゃんに「自分もウマ娘さんのトレーナーになりたい」話しました。みんなはそれを聞いて驚いていましたが、すぐに喜んだ顔になり、応援してくれました。
あのお姉さんがずっと忘れられない私は、彼女の事を考えるだけで、顔がぼうっと熱くなって胸の音がうるさくなります。
いつか私がトレーナーになったら、お姉さんみたいな綺麗でカッコいいウマ娘さんと出会って一緒に頑張っていきたいです。
(幼女と、ついでにお姉ちゃんとお母さんが夢女になりました)
- 34二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:17:36
流石は夢女製造機……幼女にフェストレさんは刺激が強いよ
- 35二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:18:21
欲に塗れてしまった子たちと違って真っすぐでいいね…
- 36二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:19:39
お姉ちゃんとお母さんまで夢女子になってしまった
でも他の少年たちと比べると純真だ… - 37二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:23:31
ここまで出てきた少年達、トレーナーになる動機がだいたい不純じゃない?気のせい?と思ってたところにスーっときてこれは……
- 38二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:33:48
- 39二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:34:52
わるいおとなだ・・・
- 40二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:37:33
最初に登場した子から不純だったから、後続も不純な子なるのも仕方無しというもの……
- 41二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 11:52:42
- 42トレス22/02/05(土) 12:20:56
- 43二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:22:36
邪龍ズ擬人化するとそんなんになるんか…
- 44二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:26:54
かわいい……!!
- 45二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:27:59
かわいいぜ…
- 46二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:32:01
かわいい
- 47二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:47:48
「📯」
その日、ぼくは知らない子と遊んだ。
ぼくはいつも勉強する。勉強しないと、いい中学校に入れないからだ。
塾で勉強して家で勉強して、習い事もやる。楽しい楽しくないは知らない。やれって言われたから勉強してる。それだけ。ウマ娘でも女の子でもないから、ぼくは勉強していい学校に入って、いい会社で働かなきゃいけないんだって。
「😥」
そんな塾の帰り道、ぼくは知らない子に出会った。
初めて見た時、その子はコンビニのビニール袋におそわれていて、耳だけ出ていたからへんないきものだと思っていた。
困った人を助けると通信ぼにいいことが書かれるってパパに教えられたからぼくが助けてやったら、口をぱくぱくさせてぎゅって抱きしめてきた。いいにおいがして、ウマ耳がほっぺを叩いたから、その子がウマ娘のちっちゃい子だってぼくはわかった。
その子はちっちゃいウマ娘の赤ちゃんなのに、ひとりで歩いてて、喋らないし、パパみたいな男の名前をしていた。なんで名前がわかったのかっていうと、その子はパパが持ってるようなパッドに文字を書いておはなしするからだ。
お礼をするって言ったその子に、ぼくは学校に助けてもらったって言っといてと言った。
「そしたら、ぼくの通信ぼにいいことが書かれて、ジュケンにいいんだ」
『いい学校に入りたい?』
「そうしろってママに言われてる」
『なら、君はどうしたい?』
いや、だから、いい学校に入るんだよ。そういう気持ちを込めて睨んでも、その子はにこにこしていた。ぼくは顔がこわいから、ちゃんと笑いなさいってママによく言われてるのに。この子はぼくよりちっちゃいのに、おじいちゃんおばあちゃんみたいに笑ってる。
『君がどこに行きたいかが大事なんだよ』
「そんなの、ママがいけっていったとこでしょ」
『親はただ、幸せに育ってほしいだけだよ。どこへ行けだなんて、考えもつかなかった』
その子が書いたことはよくわからなくって、ぼくはなんとなく、わからないのがいやなきもちになった。その子はぼくの手を引いて、その子が乗ってたちっちゃい車に連れてこうとした。
「でぇとちよぉじぇ、ちょーねん」
めちゃめちゃ赤ちゃんみたいな言葉だった。 - 48二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:48:23
「わーっ、イクトレさんデートしてるー!」
「👋」
ぼくとその子、イクトレちゃんが行ったのは、近くにあるウマ娘の学校だった。
広い広いグラウンドで、イクトレちゃんはウマ娘のおねえさん達からいいにおいがするクツと、よくわかんないでこぼこしたUっぽいのをもらう。
「なにすんの?」
『よく見ていて』
イクトレちゃんは車からハンマーとハサミみたいな道具を持ってきて、Uっぽいのをもやしはじめた。
「何してるの!? あぶないよ!」
「らいじょぶ」
もえてもえて、まっしろになったUっぽいのをハンマーで叩いているイクトレちゃんを見て、ぼくはこの子がゲームに出てくるショクニンなんだってようやくわかった。
ハンマーでとんかんやると、Uっぽいのがいい感じのUになっていく。
水で、じゅううって音をさせたUっぽいのは、黒いけどぴかぴかで、ウマ娘のおねえさんのクツにピッタリだった。
たぶん☆1とか☆2とかのUっぽいのは、イクトレちゃんのハンマーで☆5になってる気がする。すげえって思った。 - 49二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:48:54
『走っておいで』
「了解です、トレーナーさん。では、併走トレーニングを始めます」
「はぁい! がんばるぞ〜、えい、えい、むん!」
おねえさん達はすごくすごく速く走った。
テレビで見るウマ娘のおねえさん達と同じくらい速くて、ぼくは口をあんぐり開いて見ていた。
イクトレちゃんもそれを見ながら、ゆっくりお話してくる。
「あのこたちがはちれるのは、ごねんから、じゅうねんくやい」
「……長いの、それ?」
「いっしょうのあいぢゃじゃ、みぢかいにぇ。れも……」
その夢を少しでも長続きさせるのが、私の生涯学ぶ意義だ。
ぼくがその言葉の本当のいみがわかるまで時間がすごくかかったけど、ぼくは満足そうに笑うその女の子に、イクトレちゃんに、すごくドキドキした。
「お礼はトレセン学園を通して、貴方の学校に届けます。私のトレーナーさんを助けて頂き、本当にありがとうございました」
「🙌」
「う、うん……」
きれいなウマ娘のおねえさんに抱っこされたイクトレちゃんは、ぼくをぼくんちまで送ってくれた。
あのちっちゃい手で、どれだけのウマ娘のおねえさんの一生をおたすけしてるんだろう。
ぼくはどきどきする胸をおさえて、ママにおそくなってごめんって言って、今日のことを話して……
「ママ。ぼく、だれかのためになる道具をつくりたい! どんなこと勉強すればいいか、いっしょに考えて!」
……ぼくは初めての夢を言葉にした。
それからずっと時間が経って、ぼくがのっぽの義肢研究者になって、少し大きくなったけどぼくの腰くらいしかないあの子にまた出逢うことを、今はまだ、誰も知らない。
うまぴょいうまぴょい - 50二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:51:54
あとがき:書いてて「イン○オ……」という単語から🧠を切り離すのにめつぁめつぁ苦労しました。たのしかったです
- 51二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:53:00
いい…
- 52二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 12:59:42
このレスは削除されています
- 53二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:08:28
イクトレもこんなん(語弊)になっても指導者として大人なんだなって
だからこそ見た目とのギャップで性癖の危機ががが - 54二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:15:33
少年を導く大人(幼女)か……
やはり指導者とはかくあるべし……という事か
誰ですか少年に「良い仕事してますねぇ……」なんて言わせたのは - 55二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:42:49
- 56二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:43:41
あら可愛らしい
イクトレさんは可愛いねぇ…… - 57二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:43:58
(ヘルメットがなかったので採用されるターバン)
- 58二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 13:47:17
(まあ、安全帽なんてニッチな物の絵が有るとしたらいらすとやくらいだろうし……)
- 59二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:07:37
メーカーで遊ぶの楽しい……楽しくない?
- 60二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:10:07
トレーナー大温泉慰安旅行をします
夜は宴会です - 61二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:13:46
全トレーナーで温泉……ってコト?!
- 62二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:14:05
枕投げしようぜ!といって枕投げをするトレーナー達
そしてグラトレにぶつかり死闘の幕が上がる…… - 63二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:15:17
グラトレから飛んで来るのが枕だけだと良いねぇ…
- 64二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:19:13
それは、とある晴れた夏の日の事でした。
お母さんの実家に帰省して二日目、僕は一人でほとんどがひいおじいちゃんの私有地という辺りの山を探検していました。
蝉の大合唱が響くなか、僕は古びたトンネルを見つけました。先を見通せぬほど暗く長いそれは、TVなんかで紹介されていそうな怪談スポットそのもので、今思えば信じられない事ですが、僕はその時「この先はどうなっているのだろう」という好奇心を抑えられなかったのです。
スマホのライトを掲げながら前に。どれだけ歩いても光は見えてきません。それでも振り返っては夏の日が差し込んでいるのを確認しつつ、僕は歩みを止めませんでした。
次第に蝉の鳴き声も聞こえないほど歩いた頃、何か別の音が聞こえてきました。……いや、音ではありません。蝉よりもずっと遠く、啜り泣いてるような声です。しかもトンネルに反響するようなものと違い、壁の奥から聞こえてくるような、くぐもった泣き声でした。それだけではありません。
( けて ケテ)
けして目指すトンネルの先ではないどこかからの声。僕は分かりました。踏み入れていけないところに来てしまったのだと。
帰らなきゃ。竦みそうな足を伸ばして元来た道へと振り返ろうとした時、少し先にある左壁の様子がおかしいように感じました。
そこだけほんのりと明るく、何かがユラユラと揺れているのです。スマホのライトのせいで分かりにくかったけど、たしかに明るい。性懲りもなく冒険心をくすぐられた僕がその壁に近づこうとした時、一気に壁の様子が変わります。
……白いワンピースを着た白い髪のウマ娘でした。大きなその人が逆さまに立っていたんです。そして、
みつけた
先ほどまでとは別の声でした。
僕は大声を上げて来た道の方へ全力で走りました。途中背中を刺すような痛みに襲われながらも、ぼくはなんとかおばあちゃんの家へと逃げ帰ることができました。
後で聞いたところ、ひいおじいちゃんの私有地にはトンネルはないそうです。探検のしすぎで別の山へ抜け出していたようで、僕は親にこっぴどく叱られました。
……あの時見た逆さまになった白いウマ娘の霊。ぼんやりとしか見えなかったけど、それでも泣いてるような笑っているような横顔を僕はきっと生涯忘れないでしょう。
あのトンネルには、あれから一度も行っていません。
(本当にあった怖い話・終) - 65二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:21:17
何やってんすかネイトレとネイチャ…
- 66二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:21:25
普通に怖い話じゃねーか!
- 67二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:22:41
一瞬てけてけかと思ってマジで心臓縮み上がった
- 68二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:22:53
まぁ温泉旅館の夜の怪談は定番だからな
- 69二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:23:39
ネイトレさんは何で逆さまになってるの……?
フィクションでよくみる足を引っかけて吊るす罠にでも掛かった? - 70二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:24:43
◆答え合わせ
「うぐっ、ひぐぅ……!」
「はいはいもう泣かない泣かない……あたしもイタズラが過ぎました。ごめんなさい」
「地元なのに……、迷子に……。遭難しかけたかと思ったぁ……! なんかすごい悲鳴も聞こえたし、怖かったよぉ……!!」
「そぉーっと遊歩道から置いてったあたしもアレだけど、トレーナーさんもなんで勝手に移動するんですか……ちょいと目を離したすきにいなくなってて本気でビックリしたんですけど」
「……多分、元いたとこに行こうとして看板の向き読み間違えたっぽい」
「あーボロかったですしねぇアレ……。しっかし『助けて……助けて……』ははたから見ても怖かったですって。スマホでもなんでも使いましょうよ、普通に圏内ですよーこの辺」
「この格好になった際にスマホ家に置いてっちゃったし……てかワンピースのトレーナーさん見たいなーって言ったのネイチャでしょ!?」
「あーもうそーでした! 本当にごめんなさい! ……おや?」
「どしたの?」
「地図アプリ見てたんですけど、この辺りって思いきりトンネルの真横ですね。これ、このライン」
「なんかこんもりしてると思ったら、これってトンネルだったんだ……あ、じゃあもしかしてこの穴。ここからトンネルの中見れるかな?」
「んー、ちっさ過ぎてムリじゃないですかね? さ、さっさとトレーナーさんちに帰りましょ」
「……手」
「本当にごめんなさいってば……」ギュッ
「ううう、5年ぐらいこすってやるぅ……」ギュッ
(終) - 71二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:24:47
マジで心臓がキュッとなった……
ネイトレさんはどうしたの?タイキトレに吊るされたの? - 72二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:25:21
- 73二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:28:06
- 74二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:31:14
あー!なんかの漫画で見たことあるピンホールカメラ!
歯車とかネジ抜きで上下左右反転で像を結ぶやつ! - 75二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:31:24
そういう…そういうことだったのか……
- 76二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:32:19
巻き込まれた子よ…
- 77二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:34:02
よく見たら逃げる最中に八方睨み食らってる少年….
- 78二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:37:36
ネイトレさんの困り眉が俺を狂わせる……もっと困らせたい……
- 79二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:41:40
タキトレ作ってて何故かマックイーンになっていく
おかしい……そこまで似ているという訳でもない筈…… - 80二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:47:53
宿の晩御飯には特製竜田揚げがでますよ〜
え、何の肉?さあ - 81二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:49:08
- 82二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:53:46
- 83二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:56:13
旅館土産に手のひらカマライゴンぬいぐるみはいかがですか?
おなかを押すと喋るんですよ。ほら、こんな感じで
\キョウモオツカレサマ/ - 84二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 14:56:43
田んぼで取れた米粉で揚げたという事でここは一つ……
- 85二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:03:06
- 86二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:04:10
- 87二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:06:27
グラトレさん包丁にあうね…
- 88二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:08:12
りょ……料理人トレなら似合う筈だから
- 89二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:14:43
流石に未知の食材はどうなのでは?といった声があったのでタマトレさんが現地の食材でご飯を作ってくれました。
山菜やらなんかよくわからない?クリーミーな?団子のような奴とか山なのに海老?とか - 90二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:40:28
- 91二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:46:36
かわいいね…
- 92二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:49:03
ちょっと特殊な髪型だからメーカーに素材が無いフェストレ……
- 93二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 15:50:36
かわいいぜ…
- 94二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:04:59
メーカーの髪色ってどうやって変えるんだろ
- 95二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:07:05
- 96二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:08:50
- 97二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:10:28
ありがとうございます
- 98二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:18:44
髪の色の都合どなた様ですかとしかならねえ…
- 99二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:24:30
流星ができねぇ……!と気づいた時が一番の衝撃だった
どうか心の目で流星っぽい何かを見てほしいと思ったり思わなかったり - 100二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:29:56
- 101タマトレ22/02/05(土) 16:32:49
- 102二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:33:23
- 103二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:33:48
- 104二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:42:44
このレスは削除されています
- 105二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:43:10
皆で温泉行くのイイね……
- 106赤タボ22/02/05(土) 16:43:58
- 107二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:47:00
- 108二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 16:53:33
- 109二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:00:21
- 110二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:19:51
……プリンを食べていた事を隠していた嘘なのでは?
“猫"!! - 111二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:21:01
猫なんて初めて見たぞ……
- 112二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:30:10
- 113二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:40:03
メ ジ ロ 王 国
- 114二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:51:14
やはりメジロランドか…
- 115二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:52:17
- 116二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 17:53:32
こんな脳内しているし姐さんとタイマン張れる腕はあるのに自分のメシは面倒くさがるという…
- 117二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:11:12
流れと全く関係ないけどSSを投稿しても良いですか?
3+1レス頂くことになります - 118二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:14:52
イイヨ
- 119二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:15:54
教えるということは
トレセン学園は昼の手前、朝と昼のちょうど間の時間。三冠ウマ娘ナリタブライアンが所属する新進気鋭のチーム『ブラックヴォルフ』に与えられたトレーナールームでは今ナリタブライアンのトレーナーとそのサブトレーナーが日々の執務をしているようだった。
人手が2人に増えたとはいえやはりチームを持つトレーナーの身。作業の量は専属のトレーナーの比ではなく、こうして二人がかりでこうして作業を進めることが多かった。今日もまたブライアンたちが授業を受けている間にトレーニングメニューなどを確認していると、トレーナールームの戸が開かれ部屋に入ってくる影1つ。
「よっ、ブラトレ。暇──という訳ではなさそうだな。元気にしてるか?」
「いいや、丁度仕事も大体やり終わった位だぞウオトレ。で、何か用か?」
「特に用があるという程でもないけどな。友人の様子を見るついでに茶飲み話でもどうかと誘いに来たってところだ。ブラサブちゃんも元気にしてたか?」
「はい……(コクコクと頷く)」
「ん、それはよかった。これお土産のにんじんプリン、全員分あるから皆で食べな?」
「はい……!(尻尾を振って一礼した後に紙袋を受け取る)」
「ありがとうなウオトレ。有難く貰うよ」
「それで、茶飲み話とは言ってたけど何か話すことでもあるのか?」
「ん?ああ、最近ブラサブちゃんが研修生としてサブトレについただろ?それで仕事はどうなってるのか気になってな。様子を見に来たのもその一環さ。様子を見る限りじゃ良い関係性を築けているようだしなによりだよ」 - 120教えるということは1/322/02/05(土) 18:16:46
「一番最初は「いや、俺23の若造なんですけど……」とかでちょっと不安な所だったけど、ブラサブが来たことで仕事はグッと楽になったし仕事の覚えも早いしで、大助かりしてるよ」
「いいえ……(顔を少し赤くしている)」
「ブラトレはこういった事で嘘は言わないからな。そう言ってもらえるなんてよかったじゃないかブラサブちゃん」
「はい……!(力強く頷く)」
「そういうそっちはどうなんだウオトレ?お前の所なんて最近また増えて4人体制になったし、他の所とは勝手が違うと思うんだけど」
「ウチはあれだぞ。最初から2人だったし、後々から入って来た面々も皆優秀だからな。朝のミーティングでやること決めてそれ以外は自由時間にしてるよ。空いた時間にブイと一緒にトレーナー関連の本を読んでクイズを出し合ったり、嬢ちゃんと一緒に模擬レースを見たりとかもするとかもやってるって感じだな」
「へー、なんというか、教えるって感じがあんまりしないな。チーフトレーナーだし、てっきりサブトレに色々と教えたりするのかと思ってたわ」
「まあ、やり方は人それぞれだからな。チーフトレーナーはサブトレーナーが独立してやっていけるように色々と教えるのが仕事だけど、そのやり方自体は自由だろ?例えば、お前を担当していたウラトレさんならまた別のやり方をやっていたと思うし」
「そういえば先生は俺が何かしたらその意図とか質問したり採点してたりしてたっけなぁ……」
「ウラトレさんに採点されるのはちょっと嫌というか怖いな……それはともかく、やり方は人次第だからな。例えば嬢ちゃんは生でレースを見た経験が少ないからレースを一緒に見る。ブイはそもそもの知識が足りないから一緒に本を読んでクイズを出し合う。そんな感じで俺はやってるよ」 - 121教えるということは3/322/02/05(土) 18:17:07
「なるほどな……教え方と言っても色々とあるんだなぁ。ありがとな。参考になったし、少し気楽になったよ」
「どういたしまして。もし何か気になることがあったらウラトレさんとかに聞いてみても良いのかもな。……ブラサブちゃんもサブトレ時代のブラトレがどんなだったか気になってこないか?」
「はい……!(目を輝かせている)」
「ブラサブ⁉そこで躊躇わずに即答するのか⁉」
「それだけ気になっているってことなんだろうさ。……俺は聞いておかないでやるから遠慮なく話してあげな」
「気遣いが嬉しいけどこうなった元凶だから素直に喜べねぇ……!でもありがとう……」
「はは、そこで「ありがとう」と言えるのもお前の良いところさ。じゃあな、ブラトレちゃんも元気でな」
「はい……」
「……」
「……面白い話とは限らないぞ?」
「はい」
「……それでも聞きたいんだな?」
「はい!」
「わかった。じゃあ一番最初、トレーナーになるための研修でウラトレ先生にあったところから話していこうか──」
自分の過去の話を、今眼前の彼女のように研修を積んでいた時代の自分について話していく。何分初めてのことだし、上手く伝えられるか少しだけ不安だった。でも彼女の顔を見ていると不思議と話しに淀みはできない。相手がその道を辿るかどうかは脇に置くとして、自分が辿ってきた道をしっかりと伝える。それもまた教えの1つではないかと、おぼろげながらにもなんとなく、そう思うブラトレだった。 - 122二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:19:19
- 123二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:31:58
親父かわいいなあ…
- 124二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:33:19
いいね…
- 125二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:36:12
いいよね大所帯……
- 126二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 18:57:44
ブラトレありがとうございますー
サブトレとしての期間はほぼなかった、くらいかな…?研修の時のをサブトレというのであればたぶんそうきっとそう
ブラサブの存在は実のところ頭ぐねんぐねんするぐらい悩んでいるのです
(いるのが当然ではあるんだけど「はい/いいえ」だけというのもと思いつつ、一応ほかの人の提唱したものだからあんまりいじくるのもと思う) - 127二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:18:13
- 128二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:27:47
- 129二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:29:21
クソみたいなネタ振りしていい? するね
トレーナー達をサウナに入れて汗だくにさせたい - 130二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:36:28
- 131二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:47:45
我慢対決しそうな奴らは誰だ
- 132二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:48:53
- 133二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:50:50
そろそろデジトレデビューSS最終話上げようと思いますが大丈夫でしょうか
- 134二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:51:30
おけです!
- 135二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:52:01
- 136二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 19:55:41
Debug・dancer(デジトレデビューSS)前回までの話です
序章
https://bbs.animanch.com/board/332434/?res=35
2話
https://bbs.animanch.com/board/332434/?res=101
3話
https://bbs.animanch.com/board/333894/?res=85
4話
https://bbs.animanch.com/board/335451/?res=93
5話
https://bbs.animanch.com/board/336595/?res=37
6話
https://bbs.animanch.com/board/336595/?res=165
7話
- 137Debug・dancer終22/02/05(土) 19:57:52
あれから、アタシは二人で真剣に話したいとデジタルを部室に呼び出し、そこで自分の中にある答えを伝えた。
アタシの出した結論は、メイクデビューを目指す事だった。トレーニングも、喉鳴りかもしれないからと抑えた物ではなく、健康な身体を想定したものをする。
アタシの様に、身体に問題を抱えているウマ娘は珍しくない。けれど、その問題に彼女達はそれに真剣に向き合い、時に挫折し、時に乗り越えてきた。
だからこそ、身体の不調を言い訳にはしたくなかった。例え努力が報われなかったとしても一度やるって決めたんだから。
「それは茨の道ですよ。あなたの不調が本格化によって治るかは分からないんです。ハンデを抱えたまま始める事になるかもしれないけど良いんですか?」
レースの時と同じ様な、真剣な表情で問いかけるデジタル。
アタシはそれに強くうなずいて応えた。
それを見て目を閉じるデジタル。両腕を組んで少し考えこんだ後、意を決した様に口を開いた。
「わかりました、トレーナーさんが出した答えならあたしも受け入れますよ。全身全霊でデビューに向けてサポートさせて頂きます」
「改めてよろしく頼むよ、デジタル」
こうして、アタシ達は再びメイクデビューに向けてのトレーニングを開始した。
色々と相談に乗ってくれたタキトレに覚悟が決まった事を報告し、「身体はともかく、メンタルに関してはもう止める必要は無さそうだね。後悔が無い様に頑張ってきな」と背中を押してもらった。
デジタルやタキトレ以外にも、ブラトレにスズトレ、シチトレ等がトレーニングに付きあってくれた。ファルトレ(蒼)も少しでも喉の負担を軽減する為のアドバイスをしてくれたり、何故かウマドル用の曲を一緒に踊らされたりもした。
しかし、やはりと言うべきか喉の問題にはぶつかってしまい、トレーニング中せき込む事は少なくなかったが、それでも諦めずに出来る限りの事をした。
初めはペースを抑えながらのトレーニングを余儀なくされていたが、続けている内に身体が慣れて来たのか段々と動きやすくなって来た。それに連れて練習のレベルも少しずつ上げ、本番にむけて身体を仕上げていく。
そうしている内に刻一刻とメイクデビューの日は近付き、気付くとあっという間に本番が来てしまった。 - 138Debug・dancer終22/02/05(土) 19:59:37
メイクデビュー当日、体操着を来てゲートの中に入る。
思っていた以上に狭いな。ゲートが苦手なウマ娘はよく聞くけど、確かにこれは不安になるのも分かる。
観客席を見ると、アタシの名前が書かれたうちわとペンライトをもったデジタルの他にトレーニングに協力してくれた皆も見に来てくれていた。
最後のウマ娘がゲートに入り、出走の準備が完了する。いつでも行けるように体勢を整え、集中する為に回りの音や気配を意識から外す。
ゲートが開き、一斉に飛び出した。
全員スタートは順調。今回は差しで勝負する事にしたアタシはやや後ろに付き、前のウマ娘を風除けにしながら進んで行く。
体力を温存する為にペースを抑えつつ、抜け出す為の進路を探しながら進む。
囲まれて来ているが、焦りは禁物だ。一瞬でも道が出来たらそこから抜け出す為にも、高鳴る心を落ち着かせて行く。
少しずつ後ろのウマ娘達が前に進んで来る。
最終コーナー、好位置を取る為に全員が動き始める。自分はバ群の前方に着いた。
きた、最終直線。先頭の逃げウマ娘が速度を上げる。
それに連れ、外に出て開けた道を進もうとするウマ娘や前方のウマ娘が加速して行く。
前のウマ娘が移動したと同時に、アタシはバ群の隙間を縫うようにして前に抜け出した。
もう周りに壁は無い。一番にゴールまでたどり着く為に温存していた力を開放する。
ずっと悩まされていた喉の苦しさは______無くなっていた。
どうやら本格化によって喉の不調も改善したらしい。安堵感からか、不思議と脚が軽くなっていた。
しかしそれで勝てる程レースの世界は甘くない。前にいるのは5人。必死に追いすがって先頭を奪おうとする。
前に進んで、前に進んで、ようやく一人追い抜いたと同時にゴール板を通り過ぎた。
- 139Debug・dancer終22/02/05(土) 20:00:38
喉が治ったとは言え、全力疾走した後は息苦しくなる。
両ひざに手を付いて呼吸を整えながら掲示板を見る。
結果は___4着。不調に悩まされていた頃から考えたら十分な戦果だ。
一着になったウマ娘をコースに残し、2着以下のアタシ達はそれぞれのトレーナーの元へ向かう。
皆が居る場所に行くと、感動しているらしいデジタルが膝立ちになって天を仰いでいた。
「おかえり、良い走りだったぞ」
「メイクデビューも無事終わりましたし、次はウマドルデビューですね」
タキトレとファルトレ(蒼)が駆け寄って声をかけて来てくれた。
ん?知らない内にウマドルも始める事になってる?……これはまた後で考えるか。
アタシが来たのに気付いて慌てて立ち上がった彼女の前で腰を下ろした。
「お疲れ様です、トレーナーさん」
「ただいま。……頑張ったよ、アタシ」
かつて、無謀な挑戦の果てに心を折られたダンス大会から数年。アタシは漸く、目標を最後までやり遂げる事が出来た。トレーナーになる前からずっと背負っていた荷物を下ろす事が出来た気がした。
「俺」が抱えていた未練は無くなった。
「……なのに、なんで全然嬉しくないのかなぁ」
悔しい。負けた事が、全力が届かなかった事がどうしても悔しい。
泣きそうになるのを必死に堪えるために拳を痛くなる程強く握った。目を閉じて荒くなる呼吸を無理やり抑えていると、デジタルがアタシの頭を抱き寄せた。
「良いんですよ悔しがって。前のトレーナーさんが抱えていた物は無くなっても、今の貴女の挑戦はここから始まるんですから」
堪えていた涙が溢れる。周りに気付かれない様にデジタルの首元に顔をうずめる。
幸い、感情が追い付いて無いからか、声を上げて泣く事はなく、静かに涙を流していた。
そんなアタシを、小さな手が優しく撫でている。
デジタルの制服でこっそり涙を拭って立ち上がる。ぼやけていた視界がハッキリし、デジタルを真っ直ぐ視界に映した。
「……デジタル」
「なんですか?トレーナーさん」
「次は勝とう。もう過去は振り切ったから、今度からは勝つための挑戦をしよう。そして、ライブのセンターになってデジタルに目一杯推して貰うんだ」
「そうですね。あたしも、全推しウマ娘ちゃんの一人、アグネスデバイスさんを全力で支えていきますよ」
- 140Debug・dancer終22/02/05(土) 20:01:15
こうして、「俺」の物語は終わりを迎えた。ウマ娘に憧れ、ダンサーとして彼女達に挑もうとした少年は必死に技術を磨き、世界中のダンサー達と渡り合い、やっとたどり着いたウマ娘との対決の舞台にて一人心を折られた。
そして自身もウマ娘になり、戦いの舞台もレースの世界に変えて、最後は敗北と言う形で幕を下ろした。
次はアタシの物語だ。人間の「俺」とウマソウルの「私」が混ざり合って生まれた新しい人格であるアタシの。
また、喉鳴りになってしまうかもしれない。不幸な事故や怪我で、挫折する事になってしまうかもしれないと、不安を数えたら切りがない。
だから、進む道が閉ざされてしまうまでは走り続けよう。
この先にどんな困難が待ち受けていたとしても、投げ出すと言う選択肢は無いのだから。
デジタルと見つめ合っていると、照れて来たのか彼女の頬が朱くなっていく。
それを見てどうしようもなく愛おしくなったアタシはデジタルに近付き___自分と彼女の唇をそっと合わせた。
「とととととれれれれ……あっ♡」
顔を真っ赤にして痙攣した後、恍惚の表情で失神するデジタル。
一部始終を見ていたタキトレは「おいおいまた養護教諭の出番か?」と苦笑いしながら言い、ファルトレはちょっと目を丸くしながら小さく拍手をしていた。
気を失ったデジタルをお姫様抱っこして控室に戻る。
アタシの腕の中で眠る小さな勇者。この子と一緒なら、どんな困難にも立ち向っていける気がしていた。
- 141Debug・dancer後22/02/05(土) 20:06:27
Debug・dancer最終話ご覧いただきありがとうございました。
デジトレのデビューSSを書こうと決めたのはもう何か月も前の話で、良さそうなアイデアが浮かんで書いては、展開が気に入らなくて書き直すをひたすら繰り返していました。
なので、こうして最後まで書き終える事が出来て安心しています。
本作のタイトルDebug・dancer(デバッグダンサー)はプログラムの不具合を修正するDebug(デバッグ)と、backup dancer(バックダンサー)を合わせた物となっております。
志半ばで挫折したデジトレと死のトラウマを持つウマソウルの心の傷を修復し、再び動き出す事、そして人間時代のデジトレである「俺」の物語がレースで敗北し、ライブでバックダンサーになる着順で終わったと言う意味を込めました。
最後にアグネスデバイスの詳細も上げます。
皆さん、時間がかかりまくったくせに雑なストーリーと文章に最後まで付きあっていただき、ありがとうございました。
これからもデジトレことアグネスデバイスをよろしくお願いします。
- 142アグネスデバイス設定22/02/05(土) 20:13:16
アグネスデバイス(アグネスデジタル担当トレーナー)
Agnes Device
CV富田美憂
身長160cm
3サイズ 81-57-82
成長率
速8%体7%力7%賢8%
馬場適性
芝AダートA
距離適性
短FマA中A長G
脚質
逃G先A差A追B
固有二つ名
電脳コレオグラファー
固有スキル
Debug・dancer
終盤でウマ娘を追い抜く度に少しずつ持久力を回復していく
発動演出
真っ暗な空間で地面を強く踏み込む左足のアップ→そこからカメラが素早く動き、上からデバイスを見下ろす俯瞰視点→黒い空間の中心に立つデバイスに向っておびただしい数の光の線が集まって行き、足元を照らす→デバイスが走り出す為に体勢を低くすると同時に、先程集まった光の線を纏めて作った道が作られる→その道をワープするかの様に駆け出すデバイスがアップで映る。 - 143アグネスデバイス設定22/02/05(土) 20:14:04
トウィンクルシリーズにてデビューを決めたデジトレ。
トレーナー試験に合格したデジタルと担当契約を結びトレーニングに励んでいたが、主にスタミナ面の問題に直面し苦労していた。その後本格化に連れて体調も少しずつ改善し、無事デビューを果たす事が出来た。
アグネスデジタルと同様に中~マイルなら芝、ダート、海外いたる所に現れる事から「勇者(変態)二世」と呼ばれている他、バ群を切り開く様にして抜け出す事から「抜刀術」とも呼ばれている。
副業でダンサーもやっており、人によっては競争ウマ娘としてよりそちらの方が知られている事も。
名前の由来
アグネスデジタルの対としてデジタルの情報を取り扱う為の端末=デバイス
固有二つ名由来
デジタルとデジトレ二人を表した電脳(コンピューター)+振付師(コレオグラファー)
固有スキル由来
デバッグとバックダンサーを合わせた物
ストーリーではデジトレが抱えている傷を修復していくと言う意味も込めてます。
走行能力の評価
真っ先に上げられるのは走行技術の高さ。ダンサーとしての経験を生かした咄嗟の判断力と複雑なステップを武器にしており、速度を落とさずにバ群の僅かな隙間をすり抜ける様にして進むのが得意技。「ブロックで潰した筈なのに何故か前にいる」と言った証言もよく見られる。通常の外から追い抜くレースも問題なく出来る。
弱点は体力面に不安があるため、距離が長くなる程温存の為に後方から進めなければいけなくなる事。また、不安があるのか人一倍喉のケアをしているのを目撃されている。 - 144二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:17:49
アグネスデバイスの設定は以上となります。
基本的なステータスはアグネスデジタルの物を元にアレンジを加えました。
では、長レス失礼いたしました。 - 145二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:18:32
素晴らしい…イイね……
- 146二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:21:59
お疲れさまでした
長編は終わり、物語が始まる…良い始まりでした
個人的にはちゃんと中距離走れてよかったなって…(だいぶ前に中距離を走らせてしまった - 147二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:22:28
素晴らしいものを…見させてもらった…
- 148二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:24:30
新しい夢を見付け、走り始める…
とても良い物を見させて貰いました
お疲れ様です - 149二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:25:11
素晴らしい…
- 150二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:30:07
この後に投げるのもなんですが少年ネタ投げてもいいですか…(出遅れ)
- 151二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:30:47
おけです
- 152二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:31:07
夏のある日、僕は一人小さなお寺の中で縁側に座っていました。お日様は大分かたむいてあたりはそろそろ暗くなりかけ。
宿題も終わって、一緒に遊んだ皆ももう帰ったけど、家にお母さんもお父さんもまだ帰ってないころ。
家にいても仕方なくて、時間を潰すためにこの古びたお寺にいた僕は、ふとコートがひらりと見えました。
…コートを着たそのウマ娘は、僕よりも高くてとっても胸の大きい人でした。その人は僕の方を向くと「…あら、どうしたのかしら?」っと聞いてきました。そこで僕は皆帰ったけど、お家に人がいないからまだ帰ってないことを話しました。
するとその胸の大きい綺麗なお姉さんは
「そうなのね。なら、暫く私とお話してみない?」
…少し怪しい感じの人だったけど、なぜか大丈夫と思った僕は学校とか友達とか色んな事を話しました。そのお姉さんからもいくつか聞かれたけれど
「君の夢ってある?」
夢を持ってなかった僕は迷いました。学校とかでも夢については適当なことを書いてごまかしてたけれど
「…その感じだと、夢を持ってないのね」
僕は言ってないのに夢がないことがばれているのに驚きました。するとそのお姉さんは
「別に持たないといけないものじゃないわ。恥ずかしいことでもないの。でもそうね…まず君がしたい、してみたいことをまず考えてみるの、ちょっとしたことでも何でもいいから、それが夢になるわ。」
「…うん」
僕の頭を軽く撫でたお姉さんは立ち上がると
「だから焦らなくても大丈夫。ゆっくり見つけたら良いわよ。君には好きなように選ぶ権利がある。…それに、もうすぐ時間でしょう?」
「あっ…うん、僕もう行くね。さようならー!」
大きく手を振ると、お姉さんも微笑みながら小さく手を振ってくれました。
「ふふっ…さようなら、また会えるといいわね。あるいは…会いに来ても構わないわよ。」
石段を駆け下りる僕は、服の胸元についていたトレーナーバッジのことを考えながらふと立ち止まって振り返りました。
…石段を登りきった所にいるはずのそのお姉さんの姿はもうなくて、雰囲気とあわせてまるで妖怪みたい。
そのお姉さんはゆっくりでもいいと言っていたけれど、僕はもう決めました。あのお姉さんのいる世界に立ちたい。
僕はトレーナーになってもう一度あの胸の大きいお姉さんに会いたい。そしてその時は言ってたとおり会いに来たと言おう。 - 153二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:31:38
短文失礼しました
キタトレに影響されてトレーナー目指しちゃう子です。やる気スイッチを押していくトレーナーの鏡?
この子はミステリアス系爆乳高身長美女が性癖になりますね… - 154二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:37:41
素晴らしい物語でした…
デジトレさんが自身の抱えていた問題に直面して、その上で進むことを選んだこと。「彼」としての物語が一つの結末を迎え、そして新たなる物語がまた一つ幕開けたこと。そしてデジトレさんとデジタルさんが未来へと向かっていくのだろうと感じさせられる全ての点が素晴らしいと感動させられる物語でした。デジトレさんが進んでいく先に幸福がありますようにと思わずにはいられない。そう思わされました。
物語の随所でタキトレを登場させていただき誠にありがとうございました。このような素晴らしい物語の中でタキトレが保険医として、そして友人としてデジトレさんが抱えていた問題に関わらせていただけたということは無情の喜びです。
繰り返しになりますが、このような素晴らしい物語に出会えたことに感謝を申し上げたいです。誠にありがとうございました。
- 155二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:39:21
TSウマ娘化トレーナーに性癖をぶっ壊された少年達がトレーナーになってから互いがトレーナーを目指した動機を一斉に話させる大会を開きたい
- 156二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:39:52
- 157二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:40:34
語彙力がなくて好きとしか言えない…
よかった… - 158二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:51:57
夢がはっきりしないうちにウマ娘と出会うと大体焼き尽くされる説
- 159二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:52:50
アプリでもカワカミに脳を焼かれて僕もプリンセスになるんだ!ってショタがいたしな……
- 160二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 20:59:34
こちらこそタキトレさんを使わせていただきありがとうございます。
同室トレーナー同士なので一緒に出したかったのもありますがタキトレさんの養護教諭と言う立ち位置が物語の都合上とても便利でつい重宝してしまいました。
それと、最終話は出番は少なめだったファルトレ(蒼)や名前だけ出て来たスズトレ、シチトレ、ブラトレも使わせていただきありがとうございました
- 161二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:41:45
- 162二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:53:03
流星っぽいのがある…
- 163二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:54:47
SSを投げてもいいですか?
- 164二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:55:11
アホ毛を白にして移動させたらなんとなく出来たよ
- 165二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:55:35
良いと思うよ~
- 166二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:57:38
「ようタキトレ。お嬢はどうだ?」
「あれからウマソウルの表層化は見られませんね。意識レベルも安定していて、これといった問題はありません」
保健室にいたタキトレに声をかける。何やら書類らしきものを書いていた。
「原因の方は?」
「未だに謎、と言わざるを得ません。あれから影も尻尾もみせませんから」
そう言ってペンを置くと、ふうとため息をつく。
「右から2番目のベッドにいます。今は寝てると思いますが……」
「おう、ありがとな」
礼を言ってカーテンを捲る。真っ白のシーツに吸い込まれそうな黒髪を流し、手を組んで静かに眠っていた。寝息も耳を澄まさないといけないほどに小さく、息を殺しているかのようだ。
(まだ起こさない方がいいな)
椅子を持ってきて横に座り、優しく頭を撫でる。いつもとは違う、どこかに行ってしまいそうな感触。
(息子よ…少し、変わってくれないか)
(おう)
ギムレットがそう言ってきた。目を閉じてスイッチする。
(寝てる間にやんのか?)
(いいや。少し、撫でたくなってな)
どこか哀愁を含むその声は、やはり悲しみが隠しきれてなかった。
すこし線の薄くなった頬に静かに手を添え、子供を慈しむ親のような目を向ける。
(……やっぱ不安なのか?)
(家族が手の届かない所に行きそうになるかもしれんのに、不安でいられないほど薄情じゃねえ)
本当ならばここで思い切り抱きしめたいだろう。それほどまでに不安なのだ。 - 167二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:58:38
「ん…」
「おはよう、娘よ。気分はどうだ?」
薄く見開かれた目の奥に紫がこちらを捉えている。
「その…ずっと…暗いところに居たんです。でも、何かあったかいものがいてくれて…」
「……そうか。それで娘よ。起き抜けに悪いんだが、この前言ってた、ナカにあるもん、見せてくれねえか?」
それを打診すると、少しの躊躇いを見せ、やがて覚悟を決めたようにスッと纏う雰気が一変する。
「わかりました。よろしくお願いしますね」
姿勢を正し、三つ指をついて礼をしてくる。
「かしこまらなくてもいい。リラックスだ。それじゃあ始めるぞ」
目を瞑る彼女の額に手を添え、奥の方へ意識を向ける。
所々黒い霞のようなものがかかる中を、奥へ奥へと落ちていく。
(コレか…)
そこには、3つの魂があった。
一つは黄金細工を思わせる、たなびく栗毛のもの。
一つは頭に電話の受話器のような模様を持つ、青鹿毛のもの。
そして一つは、古く、ずっと古い、そして強い気配を纏う、栗毛のもの。
それらは静かに収まっているが、暴発すればとんでも無いことになる。
そしてギムレットは、その3つを克明に脳裏に描いた。 - 168二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 21:59:23
「終わったぞ。目を開けていい」
そう言って額から手を離し、彼女を見据える。
「どうでした?」
そう聞く彼女の手は震えている。全く、娘の不安さえ見抜けない自分は親父失格だな。
「今は活性化していないからそう問題はない。だが問題なのは活性化した時だ。例えるなら今は安全に管理された爆弾としか言いようがない。安全に見えても本来それは1秒後にどうなるかわからない、そんなものだ」
それを伝えると、彼女は俯いて肩を震わせ始めた。
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
「ど、どうしたんだそんな急に」
「最近…夢を見るんです。自分が少しずつ、削り取られていくような、何か別のものに置き換わるような」
そう言ってぽとり、と雫を落とす。
「私が、こんなことになったから…グラトレさんにも、皆さんにも、たくさん迷惑をかけて…」
静かにそう零す。
「それで…このまま消えてしまいそうで…怖くて…」
「…大丈夫だ。そんなこと、俺がさせない。家族を守るのが親父の役目だからな」
そう言って彼女を胸の中に収める。
「不安なら泣いていい。怖いなら存分に頼っていい。こんなダメなヤツでも、少しは頼ってくれ」
そう言って彼女の背を抱きしめる。自分より大きいはずの体が、1人泣いている少女のような小ささに思えた。
その腕の中で、静かに涙を流している家族は、ひどく孤独な所に立っているような気がした。
「申し訳ありません…」
まだ少し潤む赤い目で、こちらを見てくる。
「俺はいいさ。息子も気にしないだろう。それより暴走を抑える手段だな…」
顎に手を当てやり、考え込む。
(息子よ。何かいい方法はないか?)
(俺に聞かれても…)
すると彼女が、おずおずと口を開いた。
「あの…」
「どうした?」
幾らかの逡巡を見せた後、覚悟を決め込んだように口を開く。
「私、ターフを走ってみたいです」 - 169二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:03:31
以上、前回のローション相撲の続きでした
因子元の名前はぼかしたのですが、ちゃんと伝わったかなと不安です
上手く書けたか不安ですが、よろしくお願いします
ギムレットさんとウオトレさんをお借りしました
エミュに問題があれば指摘お願いします - 170二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:04:32
別時空だとなんかこう、すごい苦労人になってそうな受話器の人(言い方)か…
っていうか癖強いなぁ! - 171二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:05:23
これダブル三冠馬因子…?
- 172二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:06:32
- 173二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:08:57
- 174二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:10:11
伝わるけど何言ってんだこいつ
- 175二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:10:38
- 176二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:11:26
これ栗毛の3人目の因子誰だ?
受話器くんと黄金細工くんは分かったが - 177二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:11:51
3人目は分かんないっス……
もしかしてハンガリーの英雄? - 178二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:15:09
まあクソ強因子が入ってたとしても実際に強くなるかどうかは未知数だからねぇ
素地はまああるかもしれないくらいだし、何突っ込んでもいいというのは間違いない - 179二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:16:54
令和の三冠馬君がまさかの長期スレを跨ぐ登場でちょっと笑っちゃった
- 180二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:24:19
- 181二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:27:00
少なくともセントライトは違う
- 182二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:28:13
- 183二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:32:55
- 184二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:34:56
- 185二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:36:05
作者です。ヒントが少なすぎたな…と思いましたのでヒントを出します
牝馬です - 186二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:36:18
古い馬……マルゼンスキーがそのまま行けば有馬で戦う事になった馬か?
- 187二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:36:48
寝る前のスレ立て、行ってくるぜ!!
- 188二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:41:06
- 189二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:41:41
たておつ!良い夢を!
- 190二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:41:47
おつだべぇ
- 191二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:44:21
立て乙
- 192二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:44:30
- 193二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:45:18
立て乙
- 194二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:45:44
いろんな意味で胃に穴が開いちゃう…
- 195二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:48:23
- 196二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:48:45
埋め
- 197二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:49:01
梅
- 198二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:49:47
ナルトス
- 199二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:50:36
200ならpart666だし悪魔召喚
最近来たトレーナーを頭サイゲ体型にしてやるぜ - 200二次元好きの匿名さん22/02/05(土) 22:50:42
腹筋触りたいトレーナー