- 1二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 20:53:23
歴代スレ
ここだけいろはちゃんが・・・|あにまん掲示板男の子として生まれた世界なんやかんやあって変身すると魔法少女になりますbbs.animanch.com環いろはくんスレ完走記念スレ|あにまん掲示板もしいろはちゃんが男の子で魔法少女だったらスレの完走記念スレです。需要あったら使ってください。https://bbs.animanch.com/board/520733/bbs.animanch.com環いろはくんスレ完走記念スレ完走記念スレ|あにまん掲示板まさかの完走2スレ目需要あれば使ってhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/bbs.animanch.com環いろはくんスレpart4|あにまん掲示板歴代スレhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/https://bbs.animanch…bbs.animanch.com環いろはくんスレPart5|あにまん掲示板歴代スレhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/https://bbs.animanch…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 20:55:27
Part5から絵師も入ってきて嬉しい
- 3いろは君に興奮するモキュ22/06/17(金) 20:55:29
モキュが来た
- 4いろは君に興奮するモキュ22/06/17(金) 21:08:19
この概念もいろんな意味で盛りあがってまいりました。これからも調子に乗ってこの素晴らしいいろは君の駄文を書いていきます。
なにとぞ宜しくお願いしモキュ。 - 5二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 21:14:33
スレ立てお疲れ様です
- 6二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 21:16:26
ハーレム系のスレは色々入り浸ってたがTS前提なのってここくらいなんだよね
- 7二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 21:41:10
- 8二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 21:42:33
時女いろは概念の続き下さい。
- 9二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 22:19:03
- 10二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 22:27:59
鶴乃ちゃん幸運判定なら魔法で楽に成功できるから上手くいきそうかなって
- 11二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 23:07:24
- 12二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 23:48:08
前スレはすげー絵師とすげー文豪の作品が光ったな
- 13二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 00:14:22
前スレはクリエイティブでしたねぇ…
- 14二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 06:53:44
あげ
- 15二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 07:25:20
何か書き上がれば落とすが、一日そこらじゃまあ出来るもんでもなし
- 16二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 08:40:26
- 17二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 14:03:00
- 18二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 14:19:40
- 19二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 20:12:27
久しぶりに来たらpart6にまでなってて草
- 20二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 22:15:50
あー!いい感じに騙していろはくんいただきたいなー!
- 21二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 23:45:46
私が巫になってから数日が経った。
霧峰村の朝日を浴びて背伸びをする。澄んだ空気はまるで今の私の心の中のように晴れやかだった。
ちょっと早いが村の稽古場に向かうと稽古の準備をするいろはさんがいた。
「あ、いろはさん。おはようございます。」
「ああ、ちはるさん。おはよう。よく寝れたかい?」
「はい!ここ、とっても快適でいいトコですよね。いろはさんはどうでしたか?」
「…。」
私の質問に対していろはさんの反応はあんまり良くなかった。
「最近よくへんな夢を見る?」
「うん…実はそうなんだ…。」
塗り潰されたような真っ黒な空間。そこに1点だけ光がさし、イさんと同じ桃色の髪をした幼気な少女が佇んでいてこう語りかけてくるのだという。
「運命を変えたいなら神浜市に来て。」
「この町で…魔法少女は救われるから。」
そんな夢がもう何度も続くのだそう。 - 22いろは君に興奮するモキュ22/06/18(土) 23:57:04
「なんか…におうな…。」
鍛錬の合間私はずっといろはさんの夢について考えていた。
「魔法少女ってあんま詳しくないけど、外ではやっている空想のお話しでしょ?」
「最近いろはさんもお疲れみたいですし、偶然なんてことはないのでしょうか。」
「イヤ…もしかしたら。そうだ!桃色の髪の娘はきっといろはさんの生き別れの妹だよ!」
桃色の髪はいろはさんのトレードマークのようなものだ。それが一致しているなら、いろはさんの生き別れ家族かもしれない。そしてその妹ちゃんは魔法少女となっていろはさんのことを探している!
「…ちはるちゃん…いくらなんでも流石にないでしょ…。」
「アレ!?」
「失礼ですけど、少々現実的ではないのでは?」
「…生き別れか…。」 - 23いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 00:07:39
「確かに僕の本当の家族は今もどこかで生きてるのかもしれないし、僕のことを探してるのかもしれない。でも今の僕は霧峰村の覡の時女いろはだ。」
「…それに僕の妹は静香だけだよ。」
いろはさんのたらし文句に赤くなる静香さんを茶化すような巫の皆。
それでもなんか腑に落ちないいなぁ。
そのとおり。事実は小説より奇なりという言葉があるが、全くそのとおりだ。
事実、今君が手にしている巫の力がその典型だろう。
何事も“ありえない”とくくってしまうのは自分の視野を狭めることに等しいよ。
そうだよね。巫なんてトンチキなものがたしかにこの世にあるんだもん。
魔法少女や生き別れの妹の1つや2つあったっていい…はず! - 24いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 00:09:17
という訳で霧峰INいろは第2段です。最初は名無しですが中身は同じいろは君に興奮しているモキュなのでご安心を。
- 25二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 00:10:45
- 26二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 03:13:44
(書けたけどこれハーレム作品でいいんだろうか……)
- 27二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:19:36
いわゆるif、知らんうちに好感度稼いじゃった系ヒロイン
~トキシックラブ~
「つまりフールガールはエロ漫画家にジョブチェンジしたワケ?」
「なんてことを言うの」
ソウとしか思えないワケ。異論を挟む余地のない断定の意を込めてアリナは言い切った。当然ながらかりんは悲しんだ。
朝か昼か夕か、夜以外は代わり映えしない入院生活のある一幕の出来事である。
病室に本格的な画材を持ち込めるわけもなく、当たり前のようにアリナは暇を持て余していた。
置いてあった輪ゴムで髪を束ねたり解いたりを繰り返して慰みにしてみるが、それもすぐに虚しくなる。
暇つぶしを求めて、同室になったかりんに何か刺激的なことはないのかと聞いてみたら――両手の指より多い女と付き合っている中学生など信じられるわけがない。芸術が関わらなければそこそこの良識を備えているアリナからすれば当然の言い分であった。
目の前のぷんすかした“コウハイ”でなかったら即座にナースコールを使って変質者扱いにして追い出していたところだ。
「だーかーらー、これは現実に起きてることで私の妄想じゃないの!」
「魔法少女ってのよりアンビリーバボー、そいつなに?」
「環いろは、マギアユニオンの男の子なの。とんでもねえハーレム野郎だけど、決して悪い人じゃないの」
それくらいかりんの様子を見れば分かる、これは自分を信じてもらえないことを怒っているのではない。いろはをけなされた気分になって不愉快そうにしているだけだ。
ここで「惚れてるの? 趣味悪いネエ」と煽ってやることも考えたが、自分から聞かせろと言った話題だ。
なにより、他の女たちならまだしもかりんにそういう態度を取るのは本意ではない。 - 28二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:20:08
「環いろはねえ」
「いろはのことも覚えてないの?」
「ン-……ノン」
目を閉じて生え際を擦ってみても何も浮かばない。かりんに聞いても「悪の魔法少女だった先輩と対峙してたの」とか、要領を得ないアンサーばかりが帰ってくる。
顔は少し前に見舞いに来ていたのだから知っている。しかしどんなプライバシーの人間だったかを聞かれても答えようがない。消え失せた記憶の中にはあったのだろうか。
面識はあったのだろう。だが、そのカレとどういう話をしたか、カレはCoCo壱番屋が好きか、好きな絵は? カレーは何が好きか?
関係ないが退院したら真っ先にカレー屋に向かうと決めたアリナの耳に病院食を運ぶブザーの音が飛び込む。
良い病院だけあって健康的な旨味に満ちたメニューを思い出し、アリナはヴァアと呻くしかなかった。
暇つぶしはそれで終わり、今日はいろはは来なかった。
その夜アリナは夢を見た。全く覚えのない夢だから、これがかりんの言う“魔法少女”の自分の記憶であるとすぐに理解できた。
ドリームは空中で始まった。
落ちている。
落ちる夢なら見たことがある、しかしこれは現実にあったことだ。
魔法少女として、アリナ・グレイはまず死のうとしたらしい。
落ちる、落ちていく。地面というキャンバスに自分という画材がぶちまけられてまた一つ芸術が出来上がる。
夢の中、死を目前に歓喜する自分を他人事のように幽体離脱者の目線で見据えながら思考する。
我が事なのでキモチは痛いほど理解できるが、本当に碌でもない奴が居たものだ。かりんの言う通り、自分はヴィランであったらしい。
自己嫌悪さえ沸かない冷めきった心のままに、自らの作り上げた額縁へ飛び込む己を見つめる。風景が線のように伸びて虹のような重層が完成する。
しかしこれはこれで美しいものだと、重力が塗りたくった世界に包まれたアリナは自らの死を見届けようと目を見開いた。
その時は来なかった。激突したのは地面ではなかった。
「あいたた、怪我はありませんか……まずい、救急車呼ばないと!」
地面と自分に挟まれた少年の心配そうな眼差しが自分を見つめている。
その日アリナの芸術は、花と廃棄芸術のコラージュに差し込んだ桃色の汚点に傷つけられたのだ。 - 29二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:21:09
次の日、朝早くから窓の外を眺めているアリナを見てかりんは違和感を覚えた。
昨日とは服の色と髪型も違う。その外観以上に、透明な窓に自らを塗装するアリナの姿は、目に見えない何かが昨日までとは何かが決定的に違ってしまったような、そういう恐怖に似た感覚だった。
肩をすくめるかりんの様子も意に介さず、アリナは昨日の続きを聞いた。
「ところでフールガール、いろはとはどうして知り合ったワケ? アンタの三流コミックのネタにもなりそうにないジャン」
「そういえば魔法少女について忘れてるならこれも忘れてて当然だったの……私がいろはに会ったのは元々は先輩の頼みだったの」
「ファァァット?」
「先輩が急にいろはを監視しろって言ってきたの、何なら味方のふりをしてチームに出来るだけ混ざれとか、コネクトまでなら許すとか。あれは友達が少ない漫画家に頼むことじゃなかったの、無茶振りにもほどがあるの」
あれがみゃーこさんの言ってたリア充ってやつかと分からされたのと思い出を振り返っているかりんの姿が鏡の端に映る。
目をそらすと、真っ直ぐに見つめた鏡には自分が居た。
似合いもしない軍帽をかぶり、敬礼はしそうにない気の抜けた顔が自分を見つめている。
ふっとそいつは、重力を思い出したかのように地面に向けて落ちていった。
かりんが声をかけるまで、アリナは白昼の自殺をじっと見つめていた。
今日もいろはは来ない、かりん以外の女のところにいるのだろうか。 - 30二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:21:29
早送りでメモリーが流れていく。
かりんの涙、アポトーシスの目覚め、デストルドーの自覚、魔女という名の絵の具達。
自分を助けて怪我した馬鹿な男、うろちょろしていたチビども、いちご牛乳、いろはの妹、結界の中のイヴ、マギウスの結成。
極彩色のキュビズムが支配する美術館で、額縁に収まった鏡が忘れた記憶を見たままに映し出している。
奇妙な経験だ、こうやって見ることはできても、何も思い出すことが出来ない。
例えばアルバムを眺めれば思い出は蘇るが、この鏡は自分に何も思い出させようとしていない。
時間の流れが変わる。ウワサの領域、ウワサに匿われた透明人間、おせっかい焼きの環いろは。
自己が崩壊する。まるで脱皮をするように、魔法少女の自分からカラフルなカビが解き放たれる。
一度目は振り子が浮かぶ電脳空間に、二度目は桜の樹の下で。
桜の木を守るようにいろはがこちらを見据える。持ち主が倒れ打ち捨てられた盾を拾い、ボウガンを構えこちらへと突撃する。
憎しみではない、ただ祈るようにすがるように、今まさに怪物に走り出す。
過程は語るまでもなく、終にボロボロに傷ついたいろはを抱え上げ、自分は楽しそうに笑っていた。 - 31二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:22:33
今日はいろはが来た。記憶のない自分はなんとも思えないが、かりんが嬉しそうに抱きついている。
「ハロー、オスカー・ワイルド(同性愛者)」
女のような外見を揶揄してやるが、婉曲がすぎるのだろう。意図を理解できたのはいろはにひっついてきた七海やちよという女だけだった。
「あなた本当に記憶がないの? 今あなたから感じる悪意は私が最後に見たアリナ・グレイそのものだわ」
「アハッ、メモリーをロストしてるのは魔法少女についてダケなワケ、マリスが私由来なら消えるはずもないデショ」
夢を見るようになってからというもの、段々と調子が戻ってきている。困っているやつにはしないが、背伸びをしながら人をからかってやると気分がいい。
プロミスドブラッド、マギウス、自分には心当たりのない単語を話し合っているいろはとかりんを部屋に残して、やちよとアリナは自販機のある休憩室に動いた。
「フールガールから色々聞いたケド、あんたもいろはに抱かれてるクチ?」
いちご牛乳とストレートティーを挟み、アリナは無面目なことをやちよに問うた。
釣りだすのに魔法少女のテレパスというものを使ってみたが、なるほどこれは面白い。
やちよは面白くない真顔のまま、気軽にええ、と返答した。
「そうね、毎日ではないけど、そういう日もあるわ」
「アハッ」
アリナは何が面白いのか、人を不愉快にするかん高い声を上げた。
「ワンダフル、フールガールのナンセンスジョークがマジ? こいつはメモリーロストして正解だったカモ?」
「そんなことを聞くために呼びつけたの?」
「ノン、まだクエスチョンはあるワケ」
「こっちはこれ以上何か答える義理がないわね、魔法少女の記憶があるならまだしも、今のあなたは記憶喪失なんでしょう」
「メモリならバックアップが見つかったんですケド」
立ち上がろうとしたやちよの動きが止まる。魔法少女なら、やはり自分のような危険人物は見過ごせないと踏んでいた。 - 32二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:22:49
「……話す気はあるんでしょうね」
「イエス、そっちの態度次第だけどネ」
「下種な質問なら答えないわよ」
「アハッ、ワタシも濡れ場の詳細なんてアンインタレステッドよ」
アリナが気になることは別にある。まず一番は自分のコトだ。
魔法少女としての自分、アーティストとしての自分、それ以外の自分。
なくしてしまった自分と残された自分を、アリナは自分を知るものから探そうとしていた。
やちよとしては、実のところあまり答えられることがない。
元から面識はなく、アリナの芸術は広告で見たことはあるが趣味ではないので触れたことはない。魔法少女としてなら、実は数えるほどしか相対したことが無かった。
急にウワサをまとった時を含め、ビームを撃ってきたことくらいしか知らないのだ。
「ビーム……?」
「ビームよ、ルービックキューブからビームを撃ってきたの」
アリナが思わぬ衝撃で自分を見失いそうになっていると、一拍おいてやちよが質問してきた。それで記憶はどうなったのだと。
信じないカモしれないケドと前置きして、アリナは見たままを伝えた。まさしく「美術館に展示されている」ようだと。
「夢の中で見たミュージアムなんだけど、どうも鏡に入れられて記憶が展示されてるみたいなんだよネ」
「鏡……」
やちよの表情が変わる。アリナの夢、鏡の美術館には心当たりがある、しかし何故、どのようにして?
ただ困惑するしかなかったやちよの顔を、アリナは笑うこと無くじっと見つめていた。
「ア、何か知ってるんだ?」
「……ええ、いろはもかりんも、鏡と魔法少女といえばあそこしか浮かばないでしょうね」
鏡の迷宮、果てなしのミラーズ。やちよはそれきり黙ってしまう。
残された紅茶と底の見えたいちご牛乳を捨てて、二人は無言で病室に帰っていった。 - 33二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:23:31
「あ、おかえりなさいやちよさん。迎えに行こうかと思ってたんですけど……」
「平気よ、待たせて悪かったわね」
「いえいえ、こっちもかりんちゃんと遊んでいましたから」
「充電できたの!」
二人が挟んでいた机には多様な絵が描かれた紙が散らばっている。どちらがどちらを描いたか、クレヨンをよく使っているのはいろはで、書き込みが細かいのがかりんだろうか。
魔法少女というのは体以上に心が大切な器官だ。一層元気を取り戻しているかりんの様子を見て、やちよはとっさにテレパスを使ってしまった。
(……驚いた。あなたまさか、いろはとかりんを二人きりにしてあげたいから引き止めていたの?)
(オーバーシンキングにも程がある、ワタシがキルタイムしたかったダケ)
アリナとしては少しでも部屋が臭っていたらそのことでやちよの面前でいろはをからかってやるつもりだったのだが、何事もなく、思った以上に健全な遊びをしていたらしい。
同時に中学生にしては自分の後輩は幼すぎやしないかとまた別の危惧を抱いたが、何故か微笑ましくこっちを見るやちよの顔に腹が立ったので、癇癪のふりをしていろはとやちよを追い出した。
今日は夢を見なかった。しかし、薄気味悪い満足感が後ろ髪を引き続けていた。
次の日、かりんは着々と退院の準備を始めていた。とはいっても重症がすぐさま治ったことになると不審がられるのであと少しは同室のままだが、それでも昨日までと比べると顔色に雲泥の差があった。
院内図書館で漫画ばかりを借りてきては嬉々として楽しんでいる様子は一昨日までと同じだというのに、いろはに会うだけでここまで元気になるものか。
アリナは興味が湧いた――かりんにとっていろははどういう人なんだろうかと。
「ううん、実を言うとよく分からないの」
「ファット? そんなのアイラブユーってコトにしておけばオーケーじゃないの?」
もしかりんがいろはを独占したいなら、それこそ夢で見た自分の力で手伝ってやっても良い。そうすればやちよって奴の鼻を明かしてやれるのだし、アリナとしてはジョークではなく本心からそう考えていた。
うんうんとかりんは思い悩んでいた。語彙が少ないのか、頭が悪いのか。
ただスケッチする分には面白い顔をしていたので、アリナは筆を運びながらそれ自体を暇つぶしにして次の言葉を待った。 - 34二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:23:54
「えーっとね、いろはを好きなのは本当なの。キッカケは先輩の指図だったけど、もっと一緒に居たいと思うようになったし、それで先輩を裏切ったの事もあったの」
「いやウェイトそこベリーベリー気になるんですケド」
「いろはを好きな人はたくさん居て、自分がその中の一人で終わるのは嫌なの。でも皆のためじゃなく自分の横にだけいろはが居てくれても、それはそれでいろはを幸せにしてあげられないの」
――聞いてねえ。
恐らく心に尋常ではないダメージを負ったであろう過去の自分に同情しながらも、アリナは憮然としてかりんの話を聞くしか無かった。
「きっと自分はまだ漫画の方が大好きなの。恋人になりたいかっていうとハイだけど、ワタシには漫画っていう恋人とアリナ・グレイっていう先輩がいて満足しちゃってるの。たぶん、いろはがくれたものと同じだけのものを今の自分じゃ返せないの。だからいろはのためにも今は皆と同じでいいの」
「フーン」
「それでもいつかみかづき荘からは絶対に奪ってやるの。やちよさんだけに正妻ヅラはさせないの」
「ナイス、その意気よ」
かりんはふと顔を上げる。鏡にもたれかかるアリナは満足げな顔をしていた。しかし、自分をフールガールと呼ばなかったアリナから、かりんは別の感情を読み取っていた。
「……アリナ先輩、すっごく安心してるみたいだけど、一体なにを心配していたの?」
「え?」
虚をつかれたアリナは頬を撫でる。思わず振り向いた鏡の中、安堵する自分をアリナは目撃した。 - 35二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:24:06
おそらく夢はここが終着点だろう。案内図のない不親切なミュージアムの中で、アリナは勝手に納得していた。
はじまりのいろは、さくらのいろは、そして最後のいろは。夢が自分に見せたかったのはたぶんこれなのだ。
背後に柊ねむをかばい、横に七海やちよを携え、桜の時のように自分へ歯向かおうとするその姿。
生意気だ、心が躍る。
お前は覚えていないのか、腹が立つ。
女連れの気色の悪いオカマ野郎め、そんなのではなくワタシを見ろ。
ここでお前を八つ裂き(芸術)にしてやる、きっと最高傑作だ。
相反する感情、破滅という最大欲求に囚われた心の全てが環いろはに向いていく。
――やめろ
なんとも身勝手な男だ。人の事情も考えず勝手にズカズカと踏み込んできて、消えない傷を付けて飛び立とうとする。
ただ一人この街の魔法少年として今も戦い、もし自分が消えたらどうなるか分かりやしないのに、それでも魔法少女を身勝手に救う。
かりんを見ろ、ああ言って遠慮してるのに、本心はベタぼれじゃないか。そんな女を増やしてどうするのだ、身勝手な。それで手懐けた女にエサを遣るのだからたちが悪い。
こうして自分にも、一番欲しいものをくれるのだから、本当に、なんて悪い男なんだ。
――やめろっ!
そんな悪い男なら、自分のような悪党に付きまとわれても文句をいうルールはないネ?
羊の生首の下、桜の時とは真逆の立場、淫蕩な顔を浮かべた自分の本性があらわになる。
後輩の恋を応援して、こんな顔をするなんて、自分は実に――最高のヴィランではないか - 36二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:25:16
果てなしの果て、ミラーズの最下層。悠々と姿見の前に立つアリナの横に、美術館の館長が姿を表した。
鏡の魔女、瀬奈みことという娘。自分の記憶の番人を気取る赤の他人。
軍帽をかぶった自分が気にするべきではないが、ナースキャップと黒いメイド服をゴシックロリータでアレンジした個性的な服装だ。
全てを見終え、全てを思い出したアリナに、その女はこう言った。
「環いろはを殺しましょう」
「機は熟した。彼は私の予想通り、あらゆる魔法少女の心に根を張った」
「後は桜を枯らしてしまえ。いま彼という希望を失ってしまえば、神浜の崩壊なんてお手の物。七海やちよがいくら遺志を受け継ごうが、誰が残ろうが、もはや敵ではない」
「彼のもたらした愛、彼に向けられた愛など偽りでしかない。魔法少女という化け物がいくら少女のふりをしたって、一皮剥けばおぞましい魔女なのだから」
宿主を変え続け、厄災を振りまき、その度にいろはのおせっかいに焼き尽くされた女は、ある時一計を案じた。彼が救うというのなら、彼を失えばすべてが終わる。
簡単な考えだった。まずは魔法少女たちに素敵な彼氏をプレゼントして、それから奪ってしまえばいい。その悲劇は神浜を滅ぼすに足るものだ。だからずっとアリナのスキを伺っていた。みことから見た彼女は、間違いなくいろはを憎んでいたから。
全て自分の掌だと、そう考えているのだろう。ニヤリと笑ったアリナは躊躇いなくみことの手を握る。
そして彼女の体は微塵に引き裂かれた。
「……――アギィっ!?」
「ハア? ただのペイント(絵の具)が、どうしてアーティストに偉そうなクチきいてるワケ? 意味ワカンナイんですケド-?」
異変を感じ取った使用人たちが部屋の外からドアを叩く。しかし全てはもう遅い。
全てを取り戻したその時から、ここはアリナのアトリエなのだ。
「なんで、なんで、どうして!? あなたはいつも環いろはに邪魔されていたじゃない! 人生をかけた傑作を汚された! 額縁にしようとした桜の前で立ちふさがった! 柊ねむを殺しそこねた! 全て! 全てあの子が邪魔したんじゃないの!」 - 37二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:26:00
全身を微細な結界でバラバラに分割されてなお、もはや魔女でさえなかった女は生きていた。
みことは吠えた。カビが全身を侵食し、残ったあちこちは結界に隠して穴だらけにされ、エキセントリックな色彩を全身から吹き出してなお彼女は諦めていなかった。
アリナは笑った。鏡の中で己と向き合い、ウワサではなくドッペルをまとい、鏡の魔女さえ凌ぐ力を得た魔法少女は五月蝿いだけの画材を踏みにじった。
「決まってるデショ……オマエみたいなダッサいアートの思い通りなんて、いーーーや!!」
「嫌、嫌だ! 助けて! 帆奈、帆奈、はんなぁぁ!」
結界の内と外、全てに在った鏡の魔女が侵食される。溶けて、絵の具と混ざっていく。
殺すより酷い結末だった。神浜を憎む願いを押し付けられた魔女は、より狂った魔法少女のエサになったのだ。
鏡の魔女をドッペルに咀嚼させると、ドアの向こうは静かになった。また一つ、アリナは最高のアトリエを手に入れたのだ。
願えば出てくる。筆も、キャンバスも、絵の具(シャドウ)もだ。
手始めにねむの影を潰す、次に灯花の影、やちよの影、さなの影、フェリシアの影、思いつく全て全て、鏡の中に映された魔法少女をただの色に変えていく。
「アンタは勘違いしてたケド」
筆を手に取り、無心にキャンバスに向かっていたアリナは出来上がった下書きに語りかけた。
「フールガールの愛は偽物なんかじゃないワケ。あの子はホンキ、ホンキであのつまらないコミックを面白くして、それで憧れのバッドボーイの横に立とうとしてた」
下書きされた鏡の魔女のスケッチに色が叩きつけられる。偽りの魔女が輪郭を失う、形を忘却する。
「だからワタシもホンキになろうって思ったの。それを分かってなかったアンタがイイ思いするなんて、許すわけ無いジャン」 - 38二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:26:45
これから、ワタシは全てを滅ぼすために動く。過去、今、未来の全てを鏡の中から睥睨し、この地球の全てを自分のキャンバスにする。身勝手にそう決めた。
――だから早く止めに来てヨネ。アンタが立ち向かう最高のヴィランはワタシなんダ。
招待状は二人に送った。この自分のアトリエに、立ち向かえるのはあの二人だけでいい。世界全てが油絵になって、その全てを展示するこのミュージアムに、招かれるのはあの二人だけだ、他は要らない。
救済の魔女に匹敵する、色彩の魔女へと変貌した少女は一人、彼を待つ。いつも自分を見つめてきたあの瞳を。
「待ってナヨ、ダーリン」 - 39二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 04:32:39
ハイおしまい、27から38まで。たぶんこれは掲示板に投稿するべき長さではなく、存在思い出しては何か書いてるハメの垢に投げるべきだったんじゃないかと後悔している。というかスレ落ちたら責任取ってそこに保管しようか。
内容
最初はいろはくんとかりんが画材屋行くお話だったはずがアリナの存在でオーバーレイネットワークが構築されて趣味のラスボス兼ヒロインに昇華された。アリナの口調難しすぎだろ、テンプレはどこだテンプレは。後拙者が書いたこいつただの『いろは×かりん過激派』じゃねえか。
最後の一言のトーンは「精神病院にブチ込まれたジョーカーがバットマン復活の知らせを聞いた時の一言」と同じ。 - 40二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 08:30:36
たまらないっすね
- 41二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 12:54:15
いいね
- 42二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 14:08:00
- 43二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 17:33:41
- 44二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 20:07:07
- 45二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 21:40:10
空気読まずに一本投下。鶴乃メイン。
※原作のいろはの鶴乃の呼び方は鶴乃ちゃんですが、性別が男なので鶴乃さんに変更しています
「あちゃ〜本格的にふってきちゃったか〜」
放課後、日直の仕事を終えて下駄箱で靴を履き替えていると雨音が聞こえてきた。外を見やればぽつりぽつりと雨粒が落ちてきている。慌てて飛び出したまでは良かったが、小雨は程なく勢いを増して本降りとなり、結局わたしが進めたのは校門にほど近いバス停までだった。
「参ったなぁ。傘持ってくれば良かったよ……」
少し濡れた髪や制服をタオルで拭きながら独りごちる。今日は週末、みかづき荘のお泊り会にお呼ばれしていて、学校が終わったらそのままみかづき荘に向かう予定だった。
(……濡れるの覚悟で走っちゃおうかな)
一向に止む様子がない雨をぼんやり眺める。中途半端な時間に出たせいか、帰路につく生徒の姿は殆ど見えなかった。早々に帰宅したか、各々の場所で部活に励んでいるかのどちらかだろうか。
ふと校舎の方から白い傘をさした生徒がやってくるのが見えた。何気なく視線を送ると、傘の持ち主と目があう。
「……いろはちゃん?」
やってきたのはいろはちゃんだった。端正な顔立ちに驚きの表情を浮かべながらこちらを見ている。
「鶴乃さん?こんなところでどうしたの?」
「あはははは、傘忘れちゃって……雨宿り中」
そう答えながら、先程タオルで拭いて乱れたままだった髪の毛をさり気なく整える。神浜私立の制服は下に黒の長袖を着るから、こういうときに濡れて透けたりしないのはありがたかった。
「そうなんだ……鶴乃さん」
「ほ?」
わたしの返事に少し考え込んだいろはちゃんは、一つ頷くと傘を掲げて微笑みかけてきた。……相変わらずきれいな顔だなぁ、なんてときめきを感じていると
「傘、入っていかない?」
「……え?」
思わぬ提案に、わたしの思考は一時停止を余儀なくされた。 - 46二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 21:42:01
「この季節になると、急に雨が降ってきたりして大変だよね」
「あ、あははははは、そうだね〜折りたたみ傘とか持ち歩けばいいんだろうけど、結構嵩張るよね!」
(やばい、めっちゃ近い、声も間近!わたし変な匂いとかさせてないよね!?)
ちょっとした問答のあと、いろはちゃんの説得に折れたわたしは、彼の持っていた傘に入れてもらい帰路についた。
表面上は何でもないように取り繕っているが、今のわたし達二人のシチュエーションは俗に言う相合い傘と言うやつで……物理的な近さも相まって、ドキドキしているのがいろはちゃんに伝わってしまわないか気が気じゃなかった。
(ほんと、こういうこと躊躇いなく実行してくるから心臓に悪いよ……しかも下心は一切ないっていうのが......)
いろはちゃんは善意からやっているだけなんだろうけど、いたずらに年頃の女の子の心をかき乱すような真似を平然とするのは如何なものか。この間もさなちゃんとプリンとゼリーの食べ比べであーんしてあげてたし……あのときのさなちゃん、気の毒になるくらい真っ赤になってたなぁ……
「……鶴乃さん?大丈夫?」
「ひゃい!?」
どうやら現実逃避していたらしい。気づけばいろはちゃんが心配そうにこちらを覗き込んでいた。思わずのけぞりそうになるが、既のところで堪える。
「だ、大丈夫!ちょっとぼーっとしてただけだから!ふんふん!」
「そう?ならいいけど……」
そうして顔が離れたとき、ふといろはちゃんの右肩が見えた。いろはちゃんが傘を持っていたのは左手。
そしてわたしは左手側に並んで歩いていたわけなんだけど……
「いろはちゃん、肩濡れてる?」
「え、あ、いや……」
ごまかすように目をそらされたことでピンときた。いろはちゃん、わたしが濡れないようにずっと傘を寄せててくれた……?
「……ふ〜ん」 - 47二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 21:42:27
いろはちゃんの優しさに心が暖かくなる反面、なんだか無性に腹が立ってきた。いろはちゃんは誰にでもこうなのだ。誰にでも優しく振る舞って、誰にでも好意的で、誰にでも等しく甘い。人の心を揺さぶるだけ揺さぶって、そのくせ本人には異性としてアプローチを掛けているという意識はない。
そういえばキュレーションランドの噂を経ていろはちゃんに想いを寄せるようになってから、どうにもハートをキュンキュンさせられてペースを握られっぱなしなような気がする。これはよろしくない。わたしは最強の魔法少女、由比鶴乃だ。負けっぱなしは性に合わない。
「……えいっ!」
「え、つ、鶴乃さん!?」
素早く回り込み、いろはちゃんの右腕に抱きつく。濡れた袖と冷えた腕の感触が返ってくるが、構わない。むしろわたしの熱がいろはちゃんに伝わるように、ギュッと身を寄せ抱きしめる。
「こうすれば濡れないね?」
「いや、でも、その、む、胸が!?腕に!?」
「気にしない気にしない♪さぁ、みかづき荘にGOGO!」
耳まで真っ赤になったいろはちゃんに溜飲を下げながら、わたしは陽気に彼を急かした。
いつもいつもわたしのことをドキドキさせているんだ。これからはわたしの方からドキドキさせるのも悪くないだろう。 - 48二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 21:44:10
以上、恋愛に関して割と奥手気味の鶴乃ちゃんでした
好きな人が関わるとちょっとたじたじになると可愛いと思う - 49いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 22:14:17
「なぁ〜さな、たしか今日って父の日だったよな?」
いつものように居間で一緒にいたフェリシアちゃんがポツリと言った。
そういえばそうだった。今日は父の日。世間では子供がお父さんに感謝するためにお母さんと躍起になる。
フェリシアちゃんも例外ではなくいろはさんに日頃のお礼をしたいみたいだ。
たしかにいろはさんはフェリシアちゃんにとっていや、みかづき荘のお父さんと言えるかもしれない。
ともかく私はフェリシアちゃんと共にいろはさんにできることを考えることにした。
「でも、いろはって何をしたら喜んでくれるかな。」
「…解りませんね。いろはさんは欲のない人だからね。」
思い返せば私達はいろはさんに与えてもらってばかりだ。一体どうしたらいいのやら頭を捻ってみる。 - 50いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 22:25:48
「あ、そうだ!エプロン。」
この前いろはさんのお料理を手伝ったときのこと。いろはさんのエプロンがだいぶボロボロになっているのをやちよさんに指摘されていて、
「そろそろ買い替え時かな…。」と呟いていた。
いろはさんへの贈り物はエプロンに決まり、私とフェリシアちゃんとで出し合って買うことにした。
「にしても父の日にエプロンってなんか変だな~。オレの父ちゃんはエプロンなんてつけたことなかったしな。」
「むしろいろはさんが珍しいですよ。男の人なのにあんなにも家のことができて…。」
「そうだよな!父ちゃんはふつーそんなことしなかったよな。さなのとこもそうだったろ?」
「私の…お父さん……。」
フェリシアちゃんがハッといけないことを言ったことを自覚したような顔をした。ううん、いいんだよ。フェリシアちゃんも悪気があったわけじゃないもんね。でも… - 51いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 22:34:18
昔のお父さん。私が小さかった頃に死んじゃったけど優しかったのは覚えている。でも、
「私はお前を認めない。」
このことばが邪魔をする。
いつしか私から家族は無くなっていった。違う、私が家族から消えなきゃならなかった。私は空気とおんなじだいやそれよりも、見えてはならないものだ。ましてや父の日なんて…私なんかがいちゃ…………
「アレ?さなちゃんにフェリシアちゃん。二人揃ってどうしたの?」
「うおっ!?」
眼の前に突然いろはさんが現れて、フェリシアちゃんはとっさに梱包されたエプロンを隠す。
「ゴメン。驚かせちゃったね。」
「いえ、そんな。」
私達はいろはさんと一緒に帰路についていた。 - 52いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 22:44:56
他愛のない会話をしながら、横に並んで歩く。
いろはさんといると不思議と言葉が弾んでいって、心の底から落ち着ける。それはどうやらフェリシアちゃんも同じみたいだ。
「う~んいろは〜…ココア淹れてくれよ〜ムニャムニャ。」
「すっかり寝ちゃってますね。重たくないですか?」
「ふふふ、おぶり方にもコツがあるんだよ。」
そう得意げに語るいろはさんを見て、私は…
「いろはさんって本当にいいお父さんになりそうですね。」
ついこぼしてしまった。
「…そうかな。」
「そうですよ。」
そう笑いながら私達の家に向かって歩いてく。
今日は父の日。家族でお父さんに感謝の想いを伝える日。
私にとっても、みかづき荘にとっても、最高の一日になった。 - 53いろは君に興奮するモキュ22/06/19(日) 22:49:04
- 544422/06/19(日) 23:56:37
>>53 さん!貴方は天才です!
- 55二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 00:00:54
- 56二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 00:38:37
ここは総合スレみたいな物だからね好きなだけssや絵を垂れ流していいんだよ(訳:素敵な創作ありがとうございます…)
- 57二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 00:39:26
- 58二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 00:47:10
次は自分もこういうの書こうと思った(出来るとは言わない)、あと合計8000字越えは流石に・・・今軽く書いたみふゆさんのが越えそうなんだけど、丁寧すぎる、削らねば
- 59二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 07:18:04
ssありがてぇ…
- 60二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 16:54:55
- 616022/06/20(月) 17:01:18
自分と同じ顔してるのに明確に自分に『無い』ものが『有る』という事実に少し少しドギマギして欲しいし、なんなら手の大きさとか柔らかさとかの違いを感じて意識して欲しい。
- 62二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 17:13:05
変身するとほぼ一緒の姿になるのもいい…
- 63二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 18:26:55
戦いの日々に疲れ、あとぶっちゃけこいつだけは男っ気がないと思っていた南津涼子が男連れで歩いてる(時女が泊まっている宿に案内されてるいろは)様子をめぐるから実況され心にダメージを受けたみゃーこ先輩。
自分が卒業した後の南凪と中央の後ろ盾にになってくれ、ついでにリア充にしてくれといろはに頼み込む。
彼女が出した提案の条件は……
「ふふふどうだこのダイナマイトバディは。もしこの件を飲んでくれたらこれからお前の好きにしても、い、良いんだぞ?」
「あの、そんなことしなくてもマギアユニオンのルールは神浜に行き渡らせるつもりだから……」
「い゛い゛か゛ら゛あのベテランコンビにしたことを何゛か゛し゛ろ゛よ゛う゛! 私は歳上なんだからその親に無理させられてる小学生タレントを見るような目をヤメロオオオオオオオ!?」
(草葉の陰から観鳥さんだ、正直幸せにはなってほしい) - 64二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 21:42:50
みゃーこ先輩相変わらず貧相なぼでーですね…
- 65二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 00:23:17
あげ
- 66二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 00:38:29
- 67二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 06:05:15
都さんは濁点が似合いすぎる。危うくドッペルじゃなく魔女化して死にかけたり色々美味しいし。
- 68二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 10:37:27
むしろ兄妹に見えるよ
いろはくんとみゃーこ先輩だと - 69二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 18:05:49
- 70二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 21:38:12
- 71二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 21:38:59
今は君に感謝を…
- 72二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 22:09:04
- 73二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 22:10:57
素晴らしい
- 74二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 22:11:38
- 75二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 22:13:08
こんな子供っぽい先輩でもきっといろは君は先輩としてちゃんと立てるんだろうなぁ
- 76いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 22:28:46
「ねむちゃんどうしたの?」
「ホント、いつにもまして堅苦しい顔してどうしたのかにゃ?」
「…。」
最近どうやら僕の調子はおかしいらしい。
「……。」
たしかに今僕の心の中を埋め尽くしているのは、以前とは違うなんとも言えない気持ちだった。
この感情はいったい何なんだろう。その答えを求めて、メディカルセンター内をなんとなくうろついていた。
「あら、こんにちは。ねむちゃん。お散歩かしら?」
「こんにちは先生。まぁそんなところだよ。」
そうしていると僕たちが世話になっている院内学級の先生と出会って、少し世間話をすることになった。
「いや〜にしてもねむちゃんも変わったね。前よりもだいぶ話してくれるようになったよね?」 - 77いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 22:40:12
「これもういちゃんやそのお兄さんのおかげかな?」
確かに、先生の言うとおり。ういやいろはお兄さんと出会うよりも前と比べて僕は積極的に他者に関心を持つようになったと思う。
今、こうやって彼女と会話しているのも新しい発見があって有意義に感じる。
「ねぇ、先生?一つ相談に乗ってもらってもいいかな?」
彼女は大人だ。僕よりも生きている時間。経験では彼女に軍配が上がる。
「うん、私が答えられることなら!」
それならば、近頃の僕の心のモヤの答えも知っているのかもしれない。
「実は最近、なんか僕…変なんだ。」
「へ?」
「例えば、頻繁にため息をついたり、気がつけば無気力になっていたり、あと特になんか…」
「なんか?」
「ういや灯火がいろはお兄さんといると不思議と胸が締め付けるような違和感がするんだ……。」 - 78いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 22:47:22
一定の間の沈黙のあと、彼女は確信を持って口を開いた。
「間違いないね、ねむちゃん。先生にはわかるよ。」
「本当?」
「うん。…ねむちゃんさては恋してるでしょ?ういちゃんのお兄さんに!」
「…へ?」
恋。この言葉は聞いたこともある。それに物語の過程でその感情を書いたこともある。そのために調べもしたが抽象的にしかくくられておらず理解に至らなかったし。自分にも無縁だと思っていた。
「あ、〇〇先生にねむちゃん。2人共お揃いで。」
まるで神様が計算したかのように、僕の心の中の渦中の人が現れた。 - 79いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 22:58:11
「あら、どうもいろは君。ちょっとした世間話をしててね…じゃあ私もう行くね。若いお二人でごゆっくり〜。」
彼女はそうまくしたてて退散した。去り際に僕にウィンクして。
「折角だしちょっと二人でリラックスしていく?」
件の彼の問いかけに僕は声も出せず顔を立てに振った。
何気ない会話の中で僕は意識してお兄さんの顔を見ていることに気がついた。
優しく、暖かい瞳や儚げな表情。
声も出せずに集中しているとお兄さんが僕の顔に向かって手を伸ばした。
「ふふふ、桜の花びらが付いてたよ。」
そう言ってお兄さんの手が桜を払うついでに2,3回ほど僕の髪をなでていった。 - 80いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 23:04:20
「ご、ごめん!僕、先に病室に戻ってるよ。」
がらにもなく声を上げ去っていく僕を見て、いろはお兄さんはどう思ったやら。
僕の方ははち切れんばかりに脈打つ心臓を抑え込むのに必死だった。
たしかにこの気持ちはなんとも言い表せない。
切なくて、痛々しい。だけどどこか幸せな気持ち。
こればっかりは僕でもそうとしか言いようがなかった。 - 81いろは君に興奮するモキュ22/06/21(火) 23:06:42
いろねむです。この世界のねむちゃんの小説の主人公像が家庭的で優しい心を持った桃髪男子ばかりになっいそうだな〜と思いながら書きました。
- 82二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 23:08:19
相変わらずいいもの書くよ、あんた。
- 83二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 00:47:54
- 84二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 06:57:58
いろねむありがてぇ…
- 856922/06/22(水) 11:07:03
かわいい男子は泣き顔も似合う
- 86二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 19:54:29
ふんすーしてる都先輩も可愛いけど「いいから私に甘えろ、なんせ私は年上のお姉さんなんだからな」っていろはに後ろから飛びついて無理やり抱きしめようとするのも似合うのがみゃーこさんの魅力でもある。
- 87前スレの20022/06/22(水) 21:43:09
- 88二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 23:05:43
- 89二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 23:08:06
- 90二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 23:17:38
ということで誰かかいてくれませんかね
- 91二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 06:05:24
保守のために地の文抜きを書く
2部最新ストーリー後
「ところでいろはくん、子供作らないかしらあ?」
「電話でいきなり何を言うんですか!」
「わたし昨日までアオを育てるのに頑張ってたじゃない? それなのに急に暇になったから何かこう、夜泣きも無くてやりがいがねえ……」
「計画的に無計画な提案しないでください……もう夜遅いから切りますよ」
「ああ、つれないわねえ。いっそ乗ってくれたら飛んでいくのに」
「……なあ姉さん、いろはと二人だったらあんた夢から帰還できなかったんじゃないか?」
「やあねえ、アオに妹か弟を作ってあげたくらいよお」
「止めてやれよ! 夢の中だけ姉になってるってそれ凄えホラーだよ!」
みんなも書こうぜホラホラ - 92二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 14:42:17
- 93いろは君に興奮するモキュ22/06/23(木) 14:49:15
まぁここはいろは君を楽しむとこだからいろは君カワイイしたり、曇らせしたり、興奮したり好きにすればいいと思うモキュ
- 94二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 15:09:03
- 95二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 17:06:18
- 96二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 17:12:11
- 97二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 17:40:11
本当にボコしにくるのはその4人だけか?
- 98二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 17:53:36
おガキさま達に塵にされそう
- 99二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 18:20:34
(宝崎、ある日の光景)
この町にはふんふんと人の下半身の臭いを嗅いでくる生物がいる。それが犬や猫なら後で服と体を洗えばいいがこの場合はどうすれば良いのか。
「ううん、男子で魔法少女というのにも驚きましたが、ミユがこんなに近づいて平気なのは不思議ですねえ」
「あの、出来れば離れて……」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
神を名乗る人に謝らせる、神を名乗る人の従者。
歩いていると足元に現れ、長ズボンを履いていると短パンを持って近寄ってくるから妖怪かもしれない。
黒江さんと出会うまで、僕は魔法少女というのは変人が多数を占めると考えていたのはこのミユリさんのせいだ。
神浜に住むようになって、ようやくミユリさんから逃れられたと思ったんだけど……
「うーん、燦さま、懐かしい臭いがしませんか?」
「さあ……光塚の名物に似たものが神浜にもあるのかしら?」
(何故居る……)
いやあいつが浮かんできて・・・
- 1008722/06/23(木) 18:27:21
- 101二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 18:39:05
- 102いろは君に興奮するモキュ22/06/23(木) 19:27:35
モキュ個人としてはみたまさんにかわいい男子も悪くないわねと思われつつもしっかりと引き締まった男の体してるいろは君に劣情を抱いてほしいモキュ。
- 103二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 22:25:08
いろは「マッサージの練習、ですか?」
みたま「そうよぉ。魔法少女へのサービスの一環として始めてみようと思って♪」
いろは「わかりました。ここに横になればいいですか?」
みたま「ありがとう♪それじゃあいくわよ?」
~暫くして~
ももこ「お~い調整屋~いないのか?」……!……!
ももこ(奥から物音……調整中か?扉越しに声が……」
いろは「痛い!痛いです!みたまさん!もっと優しく……あうっ!?」ギシ!ギシ!ギシ!
ももこ「!?え……?え……!?」
みたま「大丈夫大丈夫すぐ気持ちよくなるから♪力抜きましょうね~?」ギシ!ギシ!ギシ!
ももこ「!?!?!?」
いろは「あっ!そ、そこだめです!つ、強いです!」ギシ!ギシ!ギシ!
ももこ(これ……まさか……し、シてるってことか?しかも調整屋が攻め!?)※マッサージしてるだけです
みたま「大分ほぐれてきたわねぇ。激しくしてみましょうか?」ギシ!ギシ!ギシ!ギシ!ギシ!ギシ!
いろは「~~~~っっっ!!!???」
ももこ(いろはちゃん、何て声出してるんだ///)
~暫くして~
みたま「あらももこ来てたの?声かけてくれればよかったのに」
ももこ「うぇ!?いや、あの」
みたま「?どうしたの?」
ももこ「な、なんでもない!」
みたま「ふ~ん?あ、そうだ。最近新しいサービス始めようと思ってるの」
ももこ「サービス!?」
みたま「ちょっと練習しようと思って……ももこもどう?つきあってくれない?」
ももこ「え…いや…その……あ、あたし今日は帰るよ!またな!!」
みたま「あら残念。またね~」
なおいろは君は施術の途中で気絶した模様 - 104いろは君に興奮するモキュ22/06/23(木) 22:32:14
あ〜キモチいいモキュ〜
- 105二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 22:34:35
- 106二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 23:04:57
頑張れ皆、それがし書き終わったの計測したら14000字になってちょっと投稿ためらってる。
- 107二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 00:01:02
- 108二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 02:38:57
- 109二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 06:48:06
- 110二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 13:43:13
- 111二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 18:17:14
このレスは削除されています
- 11210922/06/24(金) 21:51:51
- 113二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 00:17:30
ライバルが一気に脱落したの喜びと誰も知り合いが居なくなった絶望で頭がおかしくなりそうだなぁ……
- 114二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 07:25:29
共依存して
- 115二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 13:16:48
- 116二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 16:49:23
麻友さんに勘違いさせられてリア王さんに静止させれらてそう
- 117二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 20:48:23
- 118二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 22:56:38
なんならいろはくんよりも歳下の子もえっちな子多いぞ
- 119二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 23:00:07
そもそもいろはくん自体がえっちなんだから自然の摂理なのでは?
- 120二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 00:41:53
ここ数日で漫画のマギレコを履修していろ×いろの導入だけ考えたよ。需要あったら続き考える
ミラーズで使い魔に襲われて気を失い、並行世界に連れ去られたいろは君
まどか「あ、気がついたみたいだね。」
気がついたら目の前に鹿目さんがいた。でもなんだろう?僕の知っている鹿目さんとは雰囲気が少し、いや、かなり違う。
まどか「君は別の世界からきたいろはちゃんだね?あれ?スカートの中は男物なんだね?君はひょっとして、男の子なのかな?いろはちゃんじゃなくていろは君かな?」
いろは君「うわっ?!コマ割りを使って覗かないでください!僕の知ってる鹿目さんじゃないよ!ここは一体何なんですか?!」
まどか「ここはね、マギアレポートの世界だよ。今この世界は未曾有の危機に瀕しているんだよ。異世界から転移してきたいろは君には是非この世界を救ってほしいんだよ。お礼はするからさ。」
いろは君「え?未曾有の危機って?」
至高いろはちゃん「星4魔法少女が引けないよー!」
いろは君「うわぁ?!なんでこっちの僕巨大化して渋い顔で街破壊してるの?!」 - 121二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 00:43:15
まどか先輩の声で再生余裕だった
- 122二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 00:47:51
- 123二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 02:35:48
- 124二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 03:04:41
ありがとう…!本当にありがとう…!
- 125二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 11:07:52
エッチすぎます
- 126二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 17:44:23
- 127二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 17:47:08
生かしちゃおけねぇなぁ!?
- 128二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 19:27:48
すき…
- 129二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 21:21:38
- 130二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 01:31:15
あやトラ読んでたらもうちょっと直接的なエロ描写しても……いやよそう
- 131二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 01:54:22
- 132二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 02:04:21
巫女(静香)
食欲(やちよさん)
エロボディは意外と大きい人多いしなあ・・・ - 133二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:05:07
エロとか色々言われてたからここに置いておくザンス。NGワードは季節外れ。
~年のはじめのヒトメクリ~
年が明けて6日目、いろはは澄み切った空気を肩で切って軽快に水徳寺の階段を駆け上がっていった。
新年というのは家事をやる身には日々と変わらない。午前に昨日まで残っていたおせち・煮しめの器の片付けをして、明日の七草の準備を終えてしまうといろはは時間を持て余した。
そんな時、時女の一党から誘いを受けたのはいろはにとっても行幸だった。
なんでも特性の屠蘇と屠蘇を淹れるのに良い漆器が手に入ったから、みかづき荘の皆々を招きたいとのことで。
どうも都合の悪い日だった。やちよは休み明けの仕事の衣装合わせ。さなはういやねむ、かこ達と新刊の打ち合わせをやるとかで明日まで帰っていない。灯花は今日もみふゆを鍛えている、センター試験まで一歩も家を出す気はないと息巻いていた。
鶴乃はかき入れ時なので夜まで配達が忙しく、じゃあフェリシアをと探したが、正月料理に耐えかね「フライドチキン、唐揚げ、鶏天、ザンギ-」と汚い字で書き置きを残してどこかに行ってしまった。
それならたまには一人で出かけるのもいいかと思い、自分だけでも大丈夫かと聞くと良いらしいので尋ねる旨を告げて、書き置きを残してから道中土産を用立てて寺に向かった。
鯛はこのようにして海老に釣られるのだ。
お年玉はたっぷりとある、財布重けりゃ心が軽い、時女に惹かれ水徳寺。
「お待ちしておりましたいろはさん」
まだ人の多い大門ではなく勝手口から境内へと一歩踏み入れると、出迎えに待っていてくれたのは土岐すなおだった。
三が日を越えたためか、和装ではなく普段どおりの洋装と、ファーの付いた温かい上着に身を包んでいる。
「こんにちわ、今日はお招き頂いてありがとうございます、これお土産です」
「あらご丁寧に……後で皆と上がらせていただきます」
丁寧に挨拶を交わして土産を渡す。道中の商店街で良い物が余っていた、饅頭や大福の詰合せだ。
土産を横に控えていた一族のものに手渡すと、これ以上立ち話もよろしくないということで、玄関に草鞋風の洒落たスリッパを置かれて招かれる。 - 134二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:06:50
靴などを預けると、いろはの後ろでガチャリと固い音がする。通用口と靴入れの鍵がかけられる音だった。
正月でも用心なことだなあと一切の警戒もせず案内されるいろはを、仮面を外した従者たちは微笑ましげに見送った。
履物とコートを預けて廊下をゆく。縁側はすっと風が吹いてセーターごしでも寒さを感じさせる。普段は静かな水徳寺も、今日ばかりは裏も表も騒々しい。
表の方は明日に修正会をやるとかで、和尚たちが準備にかかりっきりのようだ。寺の本格的な行事に関わることの出来ない裏、つまり時女の者たちは清掃くらいしかやることもないので、仕事を終えたものは休憩しているという。
部屋と庭を覗いて見ると、少女たちの羽つき、双六の賽、独楽の音、高らかなるカルタと百人一首の歌声。けん玉に花札とだるま落としまで、子供の頃に少し触れたきりなオモチャがイキイキと遊ばれていた。
「どれも隠れ里から持ってきたものなんです。私は静かに過ごすならワンセグのテレビと堀こたつでいいかと思ったのですが、和尚に里のものには刺激が強すぎるから違う遊びをしたほうが良いよと忠告をもらいまして」
「でしょうねえ……」
日々を悪鬼討滅の鍛錬で過ごす隠れ里にテレビやパソコンは無い。
一度会合の準備でみかづき荘に静香が泊まった時のこと、突如鳴った携帯電話に向かい挨拶する静香を見てフェリシアが「これが原始人ってやつか」といたく失礼なことを言って、かえでが「本当に現代の人? ミラーズからタイムスリップしてきたみたい」と天然で煽り散らしたせいで起こった事件がある。
それはさておき、いろはの知る正月といえばテレビの中にあるものばかりだったが、こうして実際に見ると風情とはこういうものかと得心させられる。
中学に入ってからは気恥ずかしいので離れていたが、コンセントの要らない遊びも良いものだ。
帰りにういに何か買ってあげようか、いや父さんがそうやって母さんに何も言わず衝動買して怒られていたなあと昔を懐かしむうちに、いろはは以前も通されたことのある客間の更に奥へと案内させられた。
前よりは狭い部屋だが、茶会には良いのだろう。近くに垣根があってか先程までの遊興の音が遠い。
「当主様がお待ちです、ごゆるりと……」 - 135二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:08:42
音も立てず開かれた障子戸の向こう、当主と呼ばれる少女がこちらに微笑んでいる。
格好は数日前に画像が送られてきた“初日の出”という装いともまた変わっていた。簪で髪を整え、部屋向けの淡い紫の下から白と黒が覗く着物に身を包んだ美しい格好の少女だった。
「改めまして、時女一族当主の時女静香と申します。本日は良い屠蘇が手に入りましたので、三が日に遅ればせながらではありますが、健康への祈りを込めて略式の屠蘇会を行わせていただきます」
用意された座布団に座ったいろはへ粛々とお辞儀をする静香の髪から手の甲と同じ白さのうなじが覗く。
「神浜マギアユニオンの環いろはです。本日は屠蘇会にお招きいただきまことにありがとうございます」
どうだろう、返事はこれでいいのだろうかと思案しながら頭を下げる。返事がない、そして頭をいつ上げて良いのか分からない。
静香も顔を上げられなかった。薄い化粧の仕方は間違えていないか、この格好は重すぎやしないか。いっそみかづき荘に出向いて良かったのではないかと思考が回転している。 お辞儀をしたまま固まってしまった二人に声をかけたのは障子の向こうで待っていてくれたすなおだった。
「それでは私はこれで失礼します。廊下を渡った先の部屋にちゃるたちが詰めておりますのでお困りのことがありましたらお声掛けください」
すっすと立ち去るすなおの足音に合わせて顔を上げる。目と目が合う。狭い部屋にいるからか、何故か気恥ずかしい。
気のせいか、ほのかに懐かしい香りがした。
用意された道具は良いものだった。
時女の家紋が入ったお盆には盃台と三段盃、紙上に置かれているのは州浜などの練り菓子。
「本当なら昆布と干しアワビ、栗などが良いのですが、略式ですし菓子とさせていただきました」
それはいろはにも嬉しい話だ。アワビはさておき、昆布は昨日まで毎日食べていたので見るのが嫌だった。 - 136二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:09:39
銚子は二つ、赤と黒の深い光沢のもの。
「2個ありますけど……」
「はい、なんでも黒と赤の順に飲むと良いとかで、黒は甘くしたみりん、赤は果実水で作ったものだそうです」
「そうなんですか」
いろはは疑問に思わなかった。実は屠蘇というものを初めて舐める程度に飲んだのがつい先日のことで、まだよく理解していなかった。
静香も二つあることを疑問に思わなかった。こういう形式もあるのだろうと考えていた。
お互いに黒を盃に注ぎ、掲げて互いの健康を祈る言葉を送る。
一年息災であるように、いい年であるように。
それから二人、同時に盃を空にした。
(……あれ?)
不思議なことにすっと飲めてしまった。前に飲んだ時は舐めるだけで精一杯だったのに、香りに誘われるがまま飲み干した。
美味しい、鼻から抜ける不思議な香りと味だ。良い屠蘇とはこういうものか。
静香も同じ心地なようで、頬をほころばせていた。
「素敵な味ですね」
「ええ」
一杯で心がほぐれる心地だった。ではもう一杯と注ぎあったところで、いろはは静香に皆のように遊ばないのかと聞いてみた。
「里に帰った時に気を抜いたから大丈夫ですよ。それに私は当主なので、そういう場に顔を出すと気を使わせてしまうんです」
そう言われてしまうと、やはり偉くなるとそういうことに気を配らなければならないのだな、としきりに感心するしかなかった。 - 137二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:10:33
そのまま一口、やはりすんなりと飲めるし菓子にあう。これが良いものと市販品の差なのか。
「このまま飲んでばかりというのもいけませんね。どうです、なにかしてみますか?」
「ううん……それもいいかもしれませんね。ここにも何か置いてあるんですか?」
「はい、こちらに来る前母に相談したらこういうものを渡されました」
日の差す丸窓の下から静香が何か小包を見せる。よく見るとそれは風呂敷だった。
お手玉・扇・丸と平のおはじき・紙とハサミ、他にも何やら色々なものが入れられていた。
最初、静香はよく遊んだというお手玉を選んだ。最初は二個、そこにいろはが一個と投げ入れるたび、見事なジャグリングの腕前を披露してくれた。
「どうですか? 村では同年代で一番だったんですよ」
凄い凄いと拍手するいろはに気を良くして静香は再び注いだお屠蘇を飲んだ。とても楽しそうだ、ここまでにこやかにしている静香は見たことがない。
つまりこの時点で異変に気づくべきだったのだが、そうとはならずいろはもモノを選んだ。
おはじきと福笑い。以前テレビでで見た和風の格好をしていた女性たちがやっていた遊びの変形。
少し遠くにオカメの輪郭を置いて、左手に平のおはじき、右に顔の部品を握る。
じっとこちらを見守る静香の前で、少し深呼吸したいろはは輪郭に向けて手首の力で紙を投げた。
さながら手裏剣のように紙が飛んでいく、輪郭の上に差し掛かったころ、いろははおはじきを弾き紙を輪郭に落とした。純美雨が一度見せてくれた指弾の技のモノマネだった。
流れるような手付きだった。紙、おはじきと流れを繰り返し、眼耳鼻眉口の紙をおはじきの重みでいびつな向きに揃えていく。最後、ひげを斜めに落としたところで終了となった。
今度は静香が手を打つ番だった。
「お見事、面白い芸ですね」
「ありがとう、新年越えてから急に鶴乃さんが言い出してかくし芸やりたいって話になったから……その時は凄い顔になったけど」
披露した時は顔でさえ無い物体が出来上がった。今回は場所が合っているだけうまくなったと実感する。
緊張したし、屠蘇をもう一杯と銚子を持つと軽い。もう空になっているようだった。 - 138二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:12:02
「ずいぶん飲みましたねえ……それじゃあ赤い方を飲んでみません?」
いいですね、といろはは浮いた気持ちで盃を持った。静香に至っては鼻歌を歌っている。それに合わせて体を揺らす、世界も揺れる。
ふとかがんだ静香のお尻を見てしまう。綺麗な形だな、そこそこ前、触れた時は柔らかかったなと玄関にあった鏡餅の形を思い出す。
いけない、思考が変な事になっている。珍しい遊びが楽しくて浮かれているのか。
心の定まらないいろはの盃にトクトクと音を立てて赤の屠蘇が注がれる。
甘辛い臭い、つんとする。果実だろうか。
ただ疑念をはらさんと、いろはと静香は乾杯した。
「どっぺるー!」
ヤバい、これただの屠蘇じゃない。飲み干してすぐ、いきなり壊れた静香を見たいろはは平静を取り戻していった。
赤い銚子の屠蘇の味は良い、何杯でも飲めそうだ。しかしその衝動に身を任せたらどうなるか。
「どっぺるー! どっぺるー!」
静香は完全に理性が吹っ飛んでいた。背中からいろはに二人羽織のように抱きついては離れ、抱きついては離れ、おそらくは形態模写と思われる動きを繰り返している。
麻か絹か、よく分からないが着物越し、肌であると分かる胸が当たっては離れ当たっては離れ。喉をうなじにこすりつけられるくすぐったさに肩が震え、髪にあたるおでこの暖かさが脳に感染る。
屠蘇以上に、静香で理性が融解しかかっていた。
「おいしいですねいろはしゃん」
「え、はい」
崩れた着物をそのままに盃からもう一杯、口の端から胸元に露が零れるままに飲み干す。いつもの静香からは想像もつかない品性のない振る舞いに、いろはは困惑と興奮が押し寄せてくる。
(人を呼んだほうが良いんじゃないか) - 139二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:12:59
視界が揺れているいろはは察した、どう考えても静香は正気ではない。
ちはるかすなおを呼んだほうが良いだろう。
というか、そもそも屠蘇ってなんなのだ。やちよさんの反応と味からおめでたい時に飲む漢方薬の類と思っていたが、もしかして違ったのか?
結実しないままに流れていく思考を一つでも片付けるため、スマートフォンの力を借りようとポケットに手を伸ばす。
その瞬間手を取られていろはの体が引き寄せられる。壁にもたれかかった静香が足まで使って抱き枕のようにいろはを正面から抱きしめてしまった。
「え、ちょっと静香さん!?」
「じつはききらいころがあんれすけどいいですか」
肩に太ももの付け根と四肢の起点を抑えられてしまい、いろはは体を動かせない。正気を失ってなお静香の体に染み付いた武術は活きていた。
「あの、後でもいいですか、僕ちょっと外の空気を……」
「といいち、すこしまえおおむかしの仏蘭西にいかれたのはほんろう?」
「え、はい、中世フランス、夢経由でとんでもない魔女が攻めてきたから行きました。あの、離して……」
必死に身をよじって逃れようとしたが出来なかった、猫のようにこすりつけられる匂いと吐息でいろはは力を奪われていた。
「そこでですね、こう、しんじらんないのをちょうせーやーーさんからおききしたすが、どうなんすか」
「はい?」
激闘でぼろぼろになった体を治して貰う時、どうしても入院の形をとらなければならないので調整屋に泊まった。
そこで確かに報告をまとめるため見聞きしたものをそのまま伝えたが、静香は何が気になったのか、さっぱり思いつかない。
「ええっと、何のことです?」
「だーかーらーですね!」
からだを締め上げられて肺からぐえっと空気が漏れる。服越しに、素肌になった静香の肩の感触が伝わってくる。
「ややこ(稚児)をこしらえたまほうしょうじょがいたってほんとうですか!」 - 140二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:13:47
紅潮し興奮した静香の顔を覗き込んで、いろははゾッとした。自分は食べられようとしているのだ。静香の笑みはそういう笑いだったのだ。
「ほんとうですか、まほうしょうじょでもははになれるんですか」
服と服が擦れ、壁とセーターが擦れ、静電気の音を放つ、静香の手が畳に倒れ込んだ自分の体を這い回る。
「ではこのとうしゅがじきじきにてほんとしてさとにはびこるみこしばのうすぎたないちををうすめるとしましょう」
口と口が合わさる、いろはの屠蘇と静香の屠蘇が混ざり合う。乱暴に口づけされた味が、いろはに赤の正体を示していた。
「ぐえっ」
「おいおい、そんな風に飲むもんじゃないよ」
ゲホゲホと必死に咳き込む少女の背中を擦る。
潰されたカエルのようなゲップで飲んだものを吐き出したちはるに、涼子は冷たい水を差し出した。
「どうも……あの、これなんです?」
「何って」
聞かれてもこうとしか答えようがない、困り顔もせず悠々としたままで涼子は廊下にぶちまけられた飲み残しを指差した。
「屠蘇だよ屠蘇、隠れ里でも飲むんじゃないのかい?」
「いやこれどう考えでも…………あの、何で割ったんですか?」
「みりんと果実水」
「探偵モードじゃなくても分かります、“どんなみりんと果実水”なんですか? ちゃんと答えてくださいね」 - 141二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:14:56
そこまで詰め寄られるとは涼子は思っていなかった。そもそも、自分用に残しておいたコレをちはるが手を付けたのが予定外だった。
こうなるとちはるを誤魔化すことは出来ない。座椅子でワンセグを見ながら知らぬ存ぜぬの態度をとるすなおを睨めつけてから、涼子は気まずそうに語りだした。
「その、氷砂糖で作った自家製“みりん梅酒”と、九州の時女から屠蘇とセットで年末寺宛てに送られてきた“フルーティーな赤酒”だ。それをシロップとかで割って飲みやすくした」
「神妙にお縄に付きやがれ!!」
千春の絶叫が響く。思わず魔法少女に変身して十手を取り出した少女を迎え撃つ構えをとった瞬間、両子たちの耳にバリバリと何かが裂ける音が届いた。
火照った様子の半裸のいろはだった。ぐでんぐでんになった同じく半裸の静香を抱えて障子戸ごと廊下に倒れてきた。
「すいません静香さんが目を回して気絶したんですけど!?」
あーあーと顔を覆う寸前、ちはるは見た。涼子の笑い、すなおの微笑。涼子の眼、すなおの薄眼。
会を開いていろはさんを静香におもてなししてもらおうと言ったのはすなおで、静香が肝心な時にダウンするような屠蘇を用意したのは涼子。
「ふしだらです、助平です」とか言いながら一番いろはにくっついている時女は静香。
ごく自然に、予定調和の足取りでいろはのもとにかけよるすなおを見送って、さてと立ち上がった涼子にちはるは冷たい目を向けた。
「涼子さんってば煩悩が溢れてるよ」
「いやあ、あたしは早寝早起きが自慢でね。去年は大晦日に鐘の音を聞かないままに寝ちまったのさ」
失敗失敗と言いながら悠々と歩いていく。
ご当主様はお休みだ。それなら私達がご当主様に替わって火照った客人をもてなそうではないか。終わった後に怒られるのは分かっていながら馬鹿な真似を企んだ二人を見送って、ちはるはため息を付いた。
「三千世界の烏を騙し、桜の木の下一眠り……」
探偵等々力に出た都々逸を変えて高らかに歌う。悪人なら捕まえてやるが、男と女はそうはいかないのが困りものだなと、ちはるは一人空を見上げた。 - 142二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 07:18:14
>>133から141……よし前より短いな、うん
【キャラ崩壊注意】
コンセプトは時女系ハーレムネタ、新年で気が抜けたいろはが時女静香に詰め寄られるだけの簡単なお話の予定でした。原作っぽいルートでも隠れ里に拐われたルートでも解釈できる余地は残してある、はず
- 143二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 10:57:58
これじゃあ時女一族が男を誘いこむアマゾネスみたいじゃないかいいぞもっとやれ
すなおはむっつりスケベ(風説の流布) - 144二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 17:54:03
田舎の魔法少女はスケベな事しか考えないのか(偏見)
- 14512022/06/27(月) 20:08:09
少しだけ続きを書いてみたけど、マギアレポートのノリを再現するの難しいね
マギアレポートの世界に転移したいろは君。そこでは、ガチャで爆死した絶望がドッペル体として実体化した至高いろはちゃんが暴れ回っていた!
いろは君「ドッペル体を削り取って僕を元に戻さないと!神浜市が僕に滅ぼされちゃう!」
まどか先輩「意志に反して暴走するタイプのラスボスみたいだね。」
灯花「それなら良いものがあるよ!」
灯花、ねむ「魔力で動く!科学の鎧!」
いろは君「凄い!格好いい!僕がそれで戦うよ!」
灯花、ねむ「魔法少女用強化装甲服、アルティメットドレス!」
まどか先輩「いろは君ドレス着るのかい?」
いろは君「やっぱり鹿目さん着てくれませんか?」
いろは君「くっ!相手が大きすぎて威力が足りない!鹿目さん!」
まどか先輩の方へ左手を差し出すいろは君
究極まどか先輩「コネクトだね!合点だよ!」
いろは君の方へ右の蟹鋏を差し出すまどか先輩
いろは君「痛い痛い!はさまないで!」 - 146二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 20:19:06
いいよ、とても
- 147二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 20:51:04
失礼だな、都会の魔法少女もスケベな事しか考えないよ
- 148二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 22:36:50
ありがとう。
- 149二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 02:48:43
- 150二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 10:01:24
- 151二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 10:30:08
朝な夕な妹のために働き続けたいい足だから……
- 152二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 19:05:35
いろはくんの足はえちえちなんだよ
- 153二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 20:48:24
ああ〜、いろは君のおみ足や太腿を撫で回したいんじゃあ〜
いろは君の脚に両手を回しながら入院3人組に踏まれたり無理矢理引き剥がされたりしたいんじゃぁ〜 - 154二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 21:45:05
踏まれるだけで済むんですかね…
- 155二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:01:51
よほど死にたいと見受けられる
- 156いろは君に興奮するモキュ22/06/28(火) 22:03:45
- 157二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:08:42
- 158二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 22:12:13
- 159二次元好きの匿名さん22/06/28(火) 23:02:10
良きssだ…
- 160二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:03:18
僕はみんながダイニングに集まってるときにカウンターの向こう側で他の子から見えないようにねっとりといろはくんにセクハラするやちよさんがみたいです
- 161二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 04:16:48
- 162二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 11:51:06
なにも知らないフェリシアちゃん
- 163二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 12:43:39
バレバレじゃねえか!!
これじゃやちよさんにセクハラされるいろは君おかずに飯食ってるみたいじゃないか
このシチュエーションで食う飯はどんな味がするんだろう…… - 164二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 17:53:50
食事中に盛り出すなんてやっぱり淫乱ですねいろはくんは
みかづき荘から出て行ってください - 165二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 17:58:44
おはみっふ。
盛ってんのはやっちゃんの方なんだよなぁ…。 - 166二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 20:00:55
- 167二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 20:12:56
- 168二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 21:26:55
- 169二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 03:33:19
- 170二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 10:15:50
- 171二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 17:19:26
- 172二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 21:10:19
- 173二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 00:24:30
素直でよろしい
- 174二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 04:07:56
- 175二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 05:23:10
言えたじゃねぇか……
- 176二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 09:56:34
ハーレム派の自分と、純愛カップル派の自分が揺らいでいる〜
それはそれとして、男の子になんて格好させてんだ>>174
- 177二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 12:46:25
- 178二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 13:12:46
- 179二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 18:14:34
僕はいろさなですね
- 180二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 18:22:23
(書こうと思えば)Kanon全盛期やや前から二次の読み書きしてるし誰ヒロインでも1か2話程度なら作れる自信はある
- 181二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 18:47:42
- 182二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 20:28:35
オチまで逝くと長いし導入だけならすぐ書ける、書いた
「こんなこともあるのねえ」
古びた映画館の一室、美しく清掃された部屋、整えられたテーブルセットと茶器。
部屋を飾る美を冒涜するようにチリソースとケチャップと兎に角赤いのをぶちまけられたフルーツケーキを食しながら、みたまはいろはをまじまじと見つめた。
「みたまさんは本物みたいですね……」
その少女はみたまの悪食に安堵し、横の少年はこれが世界を超えた普遍的な事象であることに恐怖した。全ての世界で、一体どれほどの食が虐待を受けたのか。
「それで、その、私はどうすれば帰れるんですか?」
少女は不安げに尋ねた、環いろはという少女であった。
「ミラーズに帰るための合わせ鏡があると思うんだけど……」
少年は思案して答えた、環いろはという少年であった。
二人の間にはさまれ、環ういは困惑した。お姉ちゃんができるのはもう少し、あるいはそこそこ先だと思っていたからだ。
- 183二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 20:28:51
「うい!」
ういがういの鏡像を打ち砕いた瞬間、思わずいろはは叫んだ。床に散らばる硬貨が己の心配をあざ笑うが、それでも心配せずには居られないのが兄心だ。
そうさせる鏡だった、ういを無視してひたすら臆病なふりをしてこちらの命を奪わんとする小悪魔だったのだ。
「平気だよ、お兄ちゃん……?」
きらきらと輝く鏡であった破片の粒子越しに、ういは不審がった。
いろはの背後、先程まであったカーテンが戦闘の余波で切り裂かれ、隠されていた鏡が自分たちを捉える。
その中にもう一人いろはが居た。
すわ連戦かとツバメを呼び戻し、いろはもういの視線に気付き慌ててクロスボウを向ける。
(うい、うい!)
鏡のいろはは叫んでいた。唯ういを見つめ、いや見つけ、弓ではなく手を向けた。
いろはも異変に気付いた。偶像の魔法少女は何もかも逆しまだが、鏡の自分は同じように左手にクロスボウがあった。
おかしい、入り口まで引き返そう、そう言うう為にういの方に向き直る。いろはは見た、自分たちに向けられた大きすぎる鏡を。
トリックアートと言うべきか、“その壁は全て鏡”だったのだ。
「合わせ鏡……」
呟くと同時、鏡に映る真の壁で使用人たちが動き出す。思わずういをマントの内側に庇ったいろはの周囲の全てが早回しされた星図のように幾何学の陣を描く。
「うい!」
はたしてその叫び声はどちらだったのか、秘められし力全てを吐き出すように砕け散った鏡の残骸の中、少年と少女は向かい合った。
環いろはと、環いろはだった。 - 184二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 20:30:41
自分がそのCPで書くならプロロはこんなんかなと。この後大筋を考えたら、数日だけみかづき荘で過ごした後自分の世界(アニメ後)に帰還。白昼夢の出来事をみたまとかごめに伝えてエンディング、でござる。
- 185二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 20:59:45
- 186二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 01:32:34
誰も知らない、僕たちの記録
- 187二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 05:34:24
すばらしい…
- 188二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 12:25:35
ユニオン→いろはくん
ミスド →ひかる
ネギウス→時雨
フォーク→太助
調整屋 →ヨヅル
こうして見ると角グループ一人づつに綺麗に黒一点いるんすね〜 - 189二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 15:08:31
しれっと混ざる太助で笑うわ
- 190二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 22:02:50
ほしゅ
- 191二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 03:08:23
「自分だけがいろはくんの良さをわかってる」と思ってるクラスメイト多いはず
- 192二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 11:15:03
???「環くんマジ天使〜❤️」
- 193二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 15:55:57
・くん付け
・ギャルっぽい語尾
・ノリが良さそう
……エミリーね! - 194二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 16:25:32
そろそろこのスレも終わりか…
今回ちょっと騒ぎすぎたので次スレでは少し大人しくするわ - 195二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 16:34:34
宝崎の巨乳モブちゃん久しぶりだな…
- 196二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 17:47:57
- 197二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 17:52:13
たて乙です
- 198二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:10:41
たておつ!
うめ - 199二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:35:23
うめ
- 200二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:38:43