- 1二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:13:32
- 2二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:13:51
過去スレ
ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!|あにまん掲示板大量のにんじんを押し付けてやる!https://bbs.animanch.com/img/243226/595いくら良く食べると言ってもこの量は迷惑でしょ!これで体調でも崩せばいいのよ!bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part2|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/255217/前スレオグリ×前スレ1の妄想をしよう!!!bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part3|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/255217/https://bbs.animanch.com/board/258049/オグリ×前スレ1の妄想をしよう!!!次は&…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part4|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/255217/https://bbs.animanch.com/board/258049/https://bbs.animanch.…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part5|あにまん掲示板これまでhttps://bbs.animanch.com/board/255217/https://bbs.animanch.com/board/258049/https://bbs.animanch…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part6|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/255217/https://bbs.animanch.com/board/322746/オグリ×前スレ1の妄想をしよう!!!次は&…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part7|あにまん掲示板震源地https://bbs.animanch.com/board/255217/前スレhttps://bbs.animanch.com/board/340647/オグリ×震源地>>1の妄…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part8|あにまん掲示板全ての始まり(閲覧推奨)https://bbs.animanch.com/board/255217/前スレhttps://bbs.animanch.com/board/368777/オグリキャップとP…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part9|あにまん掲示板始まりhttps://bbs.animanch.com/board/255217/ひとつ前https://bbs.animanch.com/board/392526/オグリキャップとpart1の>…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part10|あにまん掲示板始まりhttps://bbs.animanch.com/board/255217/ひとつ前https://bbs.animanch.com/board/437871/オグリキャップとpart1の>…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part11|あにまん掲示板始まりhttps://bbs.animanch.com/board/255217/前回https://bbs.animanch.com/board/496278/オグリキャップと始まりの>>…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part12|あにまん掲示板始まり(閲覧推奨)https://bbs.animanch.com/board/255217/前のスレhttps://bbs.animanch.com/board/568105/オグリキャップと>…bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part13|あにまん掲示板オグリキャップと>>1ちゃん、さらには>>1ちゃんの周りのあれやこれやを妄想して楽しむスレです。もっともっと困らせてやりましょう。bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part14|あにまん掲示板オグリキャップと>>1ちゃん、さらには>>1ちゃんの周りのあれやこれやを妄想して楽しむスレです。もっともっと困らせてやりましょう。bbs.animanch.comムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part15|あにまん掲示板オグリキャップと>>1ちゃん、さらには>>1ちゃんの周りのあれやこれやを妄想して楽しむスレです。もっともっと困らせてやりましょう。bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:14:36
このレスは削除されています
- 4二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:15:07
乙なんだ!
- 5二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:15:07
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:15:36
このレスは削除されています
- 7二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:16:21
紹介スレ(裏スレ)なんだ
こっちでは創作の質を高めたり関係あることを雑談したりする場所だったんだ
初めての人は暇なときにでも見て欲しいんだ
あれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って|あにまん掲示板このスレから概念化してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込むスレなんだとくにルー…bbs.animanch.comあれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って Part2|あにまん掲示板このスレから概念化してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込むスレなんだとくにルー…bbs.animanch.comあれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って 2.5|あにまん掲示板このスレから概念化してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込むスレなんだとくにルー…bbs.animanch.comあれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って 3|あにまん掲示板このスレから概念化してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込むスレなんだとくにルー…bbs.animanch.comあれは「ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って...そうだ......!」スレと言って 4|あにまん掲示板このスレの紹介スレみたいな立ち位置で分裂してPart化したスレなんだhttps://bbs.animanch.com/board/255217/私にツンデレ(デレデレ)な後輩のイチちゃんの妄想を書き込…bbs.animanch.com - 8二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:16:44
- 9二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:17:23
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:17:56
- 11二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:18:17
- 12二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:18:34
- 13二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:19:01
wikiが開設されたんだ
過去スレを辿って過去絵等を見るのが面倒な時はここを使うと良いんだ
resanchorone @ ウィキ【7/18更新】レスアンカーワンwikiへようこそ https://bbs.animanch.com/board/255217/ を発端に、ウマ娘世界に爆誕した>>1ちゃん(仮名:レスアンカーワン)のまと...w.atwiki.jp - 14二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:22:13
乙
長期スレ故に新スレ立てるのも一働きなんだ
感謝感謝 - 15了船長22/09/14(水) 21:47:33
2800回を超えるイタズラと朝ごはんのお弁当におめでとう、ありがとう
>>13のwikiは、皆にもどしどし編集の協力をしてほしいんだ(特にSS)
◇豆知識だけど、日本の競馬には2800mのレースは無いんだ。ウマ娘の世界にも無いんだろうか
- 16二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:51:58
船長の人におんぶにだっこ状態なんだ
だらしない奴ですまない… - 17二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:52:15
ウワッー!2連続で恋敵登場ーッ!!?
- 18二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 22:06:57
恋敵か・・・ホーリックスとかかな
- 19二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 23:13:23
- 20二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 23:23:31
新規の人がいるなんて嬉しいんだ
- 21二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 00:35:26
- 22◆JdtJJZ5dg8as22/09/15(木) 01:05:40
- 23二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 03:04:08
- 24二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 08:50:52
デジたん気絶3秒前()
- 25二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 10:57:26
- 26二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 12:43:39
デジたんが恥ずかしさで爆発しそう
- 27了船長22/09/15(木) 19:32:24
いやホーリックスさんが恋敵概念、それめっっっっっっっっっちゃわかるんですよ。イチちゃんにとって、自分のオグリへの気持ちがトゲトゲしたものじゃなくて、もっと丸くて柔らかいものだと気づかされてしまう契機になるキャラクターだよなって2つ前の>>200からすんごい思ってました。
(元ネタが)牝馬で葦毛で外国人、直接対決を大舞台で演じて見せた名バ。あくまでオグリキャップ号の恋バナが噂レベルだからこそ、自分はイチちゃんがオグリと一緒にいられる未来を見ることができますが、イチちゃんを相手取るには十分すぎるキャラクターですよね。
史実の噂通りに行くなら、いつもは食事の時に顔を上げなかったオグリがある時ふっと箸を止める。イチちゃんが「?」と違和感を感じて語りかけるも、オグリの耳に入っていない様子。どうしたんだろうと視線の先を振り返ると、そこにはとてつもなく美人で、自分と同じく左耳に飾りをつけた、外国のウマ娘が歩いていた…… とか。
その日は「ああ、外国のウマ娘がいたから手を止めただけなのかな」とか思っていたんですが、次の日トレーニングコースを見やると、オグリが甲斐甲斐しく昨日見た葦毛のウマ娘を案内して一緒にトレーニングしているのを見てしまい、「仲良くなったのか」とか思っちゃう。クリークさんあたりから、彼女がJCで一緒に走るホーリックスさんであることを知る。
そんなことが続くうち、だんだんと「何よ、鼻の下伸ばしちゃって……」とか思ってしまって、モニちゃんとか友達―ズに愚痴ってるうち、「イチ、いい加減自覚してもいいでしょ、それって恋してるってことよ」とか言われてしまう。そんなわけ! って反論するけど、モヤモヤは止まらず……みたいな!
ホーリックス号って確かめちゃくちゃレースに出走してるがんばり屋でもある(よく覚えてないけど40戦くらい走ってたはず)ので、「ホーリックスさんに負けないように、私もたくさん走ってやる」っていうふうにイチちゃんがハッパをかけられてもいい! 改めて思うとやっぱりオグリキャップ号の馬生ってドラマチックやな……
- 28二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 20:48:35
相手はニュージーランドのシンデレラだぞ…
イケるのかイチ! - 29二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 21:34:39
- 30二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 22:01:07
今まで未実装の幻覚ウマ娘と二次創作のオリジナル幻覚ウマ娘を合わせるとややこしいかと思って言わなかったんだけど
オグリローマンとイチちゃんの絡みが凄い見たいんだよね - 31二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 03:56:01
ウマ娘が絡む系はとりあえずデジさん出し得なのホント便利
- 32二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 08:25:41
- 33二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 12:42:49
かわよ!
- 34二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 20:51:40
保守なんだ
- 35了船長22/09/17(土) 00:10:50
- 36◆JdtJJZ5dg8as22/09/17(土) 00:27:58
乙なんだ!
- 37二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 00:30:24
- 38二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 08:13:02
いつもありがとうございますなんだ
- 39二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 13:29:15
お昼なんだ!
- 40了船長22/09/17(土) 20:21:50
すでにウィナーズサークル(ウマ娘)(幻覚)とオグリキャップさんとイチちゃんの三人、もっと言えばウィナーズサークルさん周りの人々の妄想を推し進めているド阿呆もここにおりますので、どうか幻覚を見続けてまいりましょう
オグリローマン(ウマ娘)、やはり偉大な姉に追いつかんと奮起する頑張り屋なウマ娘になるんでしょうか。実馬だと半妹という関係なので、不思議とお互いとても親しい、くらいの先輩後輩関係でも楽しそうです。
オグリローマン号のクラシックと桜花賞優勝は、たしかオグリキャップ号が笠松競馬場へ凱旋した年と同じ(キャップ号が冬に帰った)なので、それを見て「お姉ちゃんの出られなかったクラシックを私こそ取ってみせる」と燃え上がるのかな。ただ身体の丈夫さは比べるべくもなく、その後燃え尽きてしまう…… という悲しいお話になってしまうのですが(ウィナーズサークルさんもダービー後はそんな感じなんですよね)
イチちゃんは4個上の先輩に当たる(あくまでイチちゃんがオグリと同級生である、という場合)ので、憧れのオグリキャップと仲のいい(素直な感想)、身体の丈夫な先輩、イチちゃんからはオグリキャップと違って、邪な気持ち抜きで不思議とご飯を作ってあげたくなるカワイイ後輩、とかなのかな
SSイラストの出力、お待ち申し上げております(保守)
- 41二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 20:47:15
ローマンをいつまでも待つんだ
あわよくばオグリワンちゃんも…厳しいか
もし来たらワンちゃんなんぼでも勝たせたる! - 42二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 22:59:09
楽しみに待ってるんだ!
- 43二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 00:21:08
このレスは削除されています
- 44二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 01:45:42
ローマンちゃん絡みだと
オグリンとオグリンが四六時中かまいまくる新入生が気になってモヤモヤするのでスニーキングミッションを決行したところ、すぐ姉妹だって理解はしたもののオグリンの言動にデジャヴを感じて記憶を振り返ったら自分に対する言動に酷似していることに気づいて謎の衝撃を受けるイチちゃん
っていう謎概念ならわいてきた
ローマンちゃん影も形も無いのが逆にトプロみたいに公式に突然ヒョッコリしそうで怖くて描けねぇ…
個人的には中等部くらいで普段は「お姉ちゃんしょうがないな〜」みたいな感じだけど何かトラブル有ったら年相応にあわあわして、そういう時はオグリンが年長者らしくお姉ちゃんに任せなさーいするみたいな感じだと捗る
イチちゃんは高等部なのにローマンちゃんと同じ扱いなのに気付いた日の夜に渦巻く感情に悶々しながら寮のベッドで頭抱えながら「ウゴゴゴゴ…」ってしてて欲しい
遅ればせながらいつも有難うございますわ
何かテキトーな落書きばっかで作業量を増やすのも気が引けるんで無理なさらず…
あまりにもアレなの(ラフとか)は弾いて下さっても良いですわよ…?
(もっと真面目に描かな…とは思いつつ、そうすると終わらなくてやる気尽きてエタるんで、やる気有る内に出力するとテキトーな出来になって申し訳ないんだ…)
- 45二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 01:54:34
- 46二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 09:45:17
かわいいのう・・・
- 47二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 13:18:59
かわいいなぁ
- 48二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 18:15:55
- 49二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 23:02:09
尾行がバレたあとも楽しいことになりそうなんだ
- 50二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 06:27:59
朝保守なんだ
敬老の日なんだ - 51二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 12:11:47
イチちゃんの頭の光・・・固有スキル発動してる?
- 52二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:32:46
夜保守なんだ
- 53二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 01:55:09
自分が妹のようなものだと思われていることを知って少しオグリから距離を置こうとするイチちゃん
- 54二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 01:59:09
でも結局いつも通りに収まってしまうイチちゃん
- 55二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 08:04:57
イチ(あれ…どうして私、アイツから妹って思われてモヤモヤしてるんだろう…)
- 56二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 12:41:12
可愛いんだ!
- 57二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:25:39
の新参者です
余りにも良い概念過ぎたので殆ど書いたことないssを書いてしまいましたのでこれから投げさせてもらいます
不慣れなので色々おかしいかもしれませんが暖かい目で見てくだしゃい..
オグリと和解というより禊を終えたイチちゃんは自分の現状をどう考えているんだろうと思って書きました。
解釈違いだったらごめんね
- 58二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:25:58
『イチ..?あー、あのオグリキャップの親友の』
『オグリちゃんとよく一緒にいる娘ですよね!かわいくて結構好きです!』
『一緒にいるオグリキャップが幸せそうな顔してるのが印象的でしたね』
『レースは、どうなんだろう?よく知らないですね』
よせばいいのに、ついつい気になってしまう。私はネットで時々、自分の名前、"レスアンカーワン"を検索してしまう。
検索して一番に出てくるのは、"イチ"の評判、オグリと一緒にいる写真。
レースの成績なんかはそれなりにスクロールしなければ見つからない。
私はレースの成績の割にはファンが多い。
でもそれは、例えばウララちゃんのような、頑張り屋なところが評価されてとかそういうわけじゃない。
ただオグリとよく一緒にいるから、オグリの親友というイメージが付き、所謂箱推しのような形でファンが増えた。
だから、私のレース成績のこととか余り知らない人が多い。
彼らが好きなのは、オグリと一緒にいる"イチ"であり、レスアンカーワンではないから。
"レスアンカーワン"を応援してくれている人は、いない訳ではないが、殆どいない。
全く不満がないと言えば嘘になる。
でも、特に嫌なわけではない。
それに、これは、私への罰のようなものだから。
オグリに嫌がらせをしようと絡みにいって、その結果が生んだ状況だから、これは私が甘んじて受け入れるべきことなのだろうと思っている。
でも、こうしてネットで検索して改めて突きつけられると、モヤモヤとした気分が強く感じられる。
この気持ちを放っておくのも良くないと思い、気分転換に少し散歩をすることにした。
門限も近かったから、学園内をうろうろと散策することにした。 - 59二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:26:08
暫く学園内を歩き回り、模擬ライブ会場の近くを通りかかる。
何人かの娘達が集まって踊っていた。
ライブの練習だろうか。
そんなことを考えながら前を横切ろうとすると、突然後ろから声をかけられた。
「あ!レスアンカーワンちゃんだよね!少し時間いい?聞いて欲しいお話があるの!」
突然自分の名を呼ばれ驚いて振り向くと、そこにはスマートファルコンがにっこりとした笑顔で立っていた。
「突然ごめんね。少しだけでいいの。今、急いでたりする?」
何の話かは分からなかったが、一線で活躍する娘に名前を知ってもらえていたという嬉しさがあり、話を聞くぐらいならいいかなと思った。
「ええ、まあ、特に予定はないので、大丈夫ですよ」
「本当!よかったぁー。えっとね、実は私達、グランドライブっていう大きなライブを計画しているんだけどね」
そう、嬉しそうにファルコンさんはグランドライブ計画の説明を始めた。「どう?グランドライブ参加してくれない?」
説明を終えたファルコンさんが期待のこもった眼差しを向けてくる。
「うーん..確かにウィニングライブ以外の形っていうのは目新しさがあっていいと思います。
でも、私なんかより適任の人はいっぱいいますよ。グランドライブ実現の為には観客も多く集めなきゃいけないですよね?私なんかよりも、もっとファンが多い人に声をかけた方がいいと思います」
先程まで、ファンのことでモヤモヤを抱えていたせいか、つい僻んだことを言ってしまった。
でも実際、オグリみたいなスターを呼び込んだ方が計画成功
私みたいなのが参加しても.. - 60二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:26:21
「ファンの数は関係ないよ!」
ファルコンさんは語気を少し強めてそう言い切った。
「私が言うのもおかしな話かもしれないけれど、ファンの数が多い娘ばかりを集めても、それは形を変えたウィニングライブにしかならないと思うの」
だから、と彼女はしっかりと私の目を見据えて言った。
「ファンの数は関係ない、関係なくしなきゃいけない」
「でも、観客が集まらなかったらどうしようもないですよね」
「う..そこはなんとかする。なんとかしてみせる!」
だから、お願い。とファルコンさんは顔の前で手を合わせてお願いしてきた。
その時は、ファルコンさんの理想に共感しないわけじゃなかったし、参加したくないわけではなかった。
ただ、勉強とトレーニングの両立でも大変なのにそこにグランドライブも加わるとなるとやはり迷わずにはいられなかった。
だから、少し考えていた。
すると、ファルコンさんが言った。
「それに、さっきはああ言ってたけど、イチちゃんもファンの数は多いよ!」
ファンの数を引き合いに出して断ろうとしたこと、その後で迷っている素振りを見せたから、多分、励ますつもりで言ってくれたのだろう。
私の本名も、愛称も知ってくれていて、いつもなら喜んでいたのだと思う。 - 61二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:26:34
いつもなら、「そんなことないですよ」とか笑いながら当たり障りなく流せる。
でも、今は、そうできなかった。
「多くなんてないです。皆さん実質的にはオグリのファンみたいなものですし」
まただ。ファルコンさんは何も悪くないのに、つい刺のある言い方をしてしまった。
やっぱり、断ろう。こんな私が参加しても、きっと迷惑にしかならない。
あの、と口を開いた瞬間、横から誰かが割ってはいってきた。
「やあやあ。ファルコンくん。この娘を勧誘しているのかい?」
「あ、タキオンちゃん」
割って入ってきたのはアグネスタキオンさんだった。
この前、皐月賞を獲った、これまた一線級よウマ娘だ。「ふーむ。その顔から察するに、余り良い反応を貰えていないようだねぇ」
「うっ。さすがタキオンちゃん。鋭い..」
タキオンさんの乱入に邪魔されちゃったけど、ちゃんと断らなきゃ、とタキオンさんに向けていた目線をファルコンさんに戻した。
その時、タキオンさんが興味深げな顔で、おや?と私の方へ近付いてきた。
「君、確かどこかで..ああ、そうだ。オグリ君の親友、イチ君、だったかな..?」
今日は厄日だ。
いつもなら、ここまでモヤモヤすることもないのに。 - 62二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:26:47
むしろG1を獲るようなウマ娘に自分のことを知って貰えているなんて嬉しくなってもおなしくないのに。
今日に限って。
エゴサなんて、やっぱり録なことにはならない。
私は少し伏し目がちになりながら、小さく「はい」とだけ答えるので精一杯だった。
その様子を見ていたタキオンさんは、少し顎に手をあて、何かを思案する素振りを見せたかと思えば、直ぐに私の耳に顔を近付けて囁いた。
「君という存在を皆に刻み付けるチャンスだよ。レスアンカーワンくん」
驚きと困惑が私を襲った。
私の名前を知っていたことに驚いたのは勿論。
私の抱えているモヤモヤを知っているかのような発言も
さっき、私のことはなんとなく知っている程度というような言動をしていたことも私を混乱させた。
「なんで..」
私は驚きと混乱で、思わずそう口に出していた。
「なんで、とは、何に対してのことかな?」
タキオンさんはそう、意地の悪い目をしながら、ニヤリと笑った。
少し冷静になり、一つの考えに思い至った。
もしかして最初の、私のことをオグリの親友と言ったあの言葉は、私の反応を見るためだったんじゃないか、と
いや、でもなんのために?
というか、何で私の悩みを知って..? - 63二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:27:01
もしかして、ファルコンさんとの会話、聞いてたんじゃ..?
「恐らく君の想像通りだと思うよ」
クックックッと彼女が笑う。
「そして私の予想通りでもあった、という訳さ!」
両手をばっと左右に広げ、人差し指と薬指をピンと立たせた謎のポーズを取りながら、彼女は言った。
この人は心が読めるんだろうか。
それともそう思わせているだけ..?
もし会話を聞いていたならいつから聞いていたんだろう?
わからない。
それに、ずっとニヤケた笑みを浮かべていてなんだか少し腹立たしくも感じるけれど。
でも、私は彼女の言葉で気持ちが揺らいでもいた。
「君にとっても悪い話ではないはずだ。どうだい?私達と共にグランドライブを成功させてみないかい?」
タキオンさんは、またさっきの変なポーズをして、勧誘してきた。
なんだか、掌の上で踊らされているようにも思ったが、私の気持ちは傾いていた。
心のモヤモヤも少し晴れていた。
答えが分かったから。
私が、何にモヤモヤとした感情を抱いていたのかの。
ううん。本当はずっと分かってたんだと思う。
それに自分への罰だなんだと蓋をしてきた。
でも、彼女の言葉でその蓋が開けられてしまった。
でも-- - 64二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:27:11
「でも、私はファルコンさんみたいな、凄い目的とか、理想とかないですから。足を引っ張るだけだと思います」
この言い方では参加自体が嫌とは言っていないということに言い終えてから気が付いたが、時既に遅し。
先程まで、私が不機嫌な態度をとってしまっていたせいで、困ったような顔をしていたファルコンさんの表情が明るくなった。
一応断りの文言を言ったはずなのに、まるで気にしていないかのように。
対照的に、タキオンさんは先程までのニヤケているような笑みが消え、真剣そのものな表情になっていた。
そして、私の目を見据えて、口を開いた。
「何かを成し遂げたいと思う気持ちに、大層な理由なんて、必要ない。私はそう考えているよ」
彼女は、直ぐに元のニヤケた笑みを顔に浮かべ、またまた謎のポーズをして声を張り上げた。
「グランドライブは皆のエゴをぶつける場所さ!」
エゴ、マイナスの意味で使われているその言葉に、何故だか私は惹かれた。
「それに、参加者皆がファルコン君と同じ目的を共有しているわけではない。私とて、そうさ。ただ、私の目的の為に利用出来ると考えたから、こうして参加している」
ファルコンさんがエッというような顔をしているのが視界の端に見えたが、タキオンさんは構わず続ける。
「君も存分に利用したまえ。グランドライブとは皆のエゴの、夢のためにある」 - 65二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:27:23
私は、オグリと一緒にいる"イチ"として好かれていることが、特段嫌な訳ではない。
でも、全く不満がないと言えば、嘘になる。
私を"レスアンカーワン"として応援してくれる人は殆どいない。
でも、いない訳じゃない。
メイクデビュー以降、レースの度に観客席から私の名前を叫ぶように呼んで、応援してくれている人達がいる。
数百人、もしかたら数十人にも満たないかもしれないけれど、確かにいる。
私は、私なんかをそんな風に応援し続けてくれている人達に、"レスアンカーワン"のファンに「勝てたよ」でも、「応援ありがとう」でもなくって、「私のことを好きになってくれてありがとう」って伝えたい。
そして、私は、"イチ"のファンに"レスアンカーワン"の存在を、叩き付けたい。
こんなの、完全に私のエゴ、我が儘だ。
でも、もし、それが許される場だと言うのなら、その為に使ってもいいと言うならば..
気付けば、口を開いていた。
「私、参加したいです。いえ、参加させてください。グランドライブに!」 - 66二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:29:39
- 67二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 19:03:09
素晴らしい…
- 68了船長22/09/20(火) 20:39:00
- 69二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 04:38:32
- 70二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 05:57:59
- 71二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:40:45
- 72◆JdtJJZ5dg8as22/09/21(水) 18:03:09
- 73二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 18:46:57
- 74二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:04:34
素晴らしい…
- 75二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 08:05:29
おはようなんだ
- 76二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 12:40:25
続いて欲しいなぁ…
- 77二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:53:36
グランドライブ計画に参加してから数週間経った。
毎日、トレーニングの後にライブの練習や勧誘で忙しく、自由な時間なんて殆ど無くなった。
でも、不思議と後悔を感じたことはない。
参加したいと言ったときに「私は全て分かっていたよ」とでも言いたげな表情をしていたタキオンさんの顔を見た瞬間を除いて、だけど。
そんなある日、いつも通り、朝のお弁当を渡してオグリに渡して、食べ終わるのを待っていた時のことだった。
オグリが珍しくお弁当の中身や味のこと以外で私に話しかけてきた。
「イチ..その、最近寮に戻る時間も遅くて、とても忙しそうだが、何かあったのか..?」
オグリにはすっかり伝えたつもりだったが、どうやら伝えていないという事実を失念していたらしい。
トレーナーさん、モニー、そしてクリークさんには話していた。
だから自然とオグリにも話していたと思い込んでいた。
「ごめん。そういえば言ってなかったね。実は私、今グランドライブ計画に協力してて、それでレッスンとかで帰るのが遅くなってるの」
「グランドライブ..ああ、噂になっているやつだな。イチも参加していたのか」
その会話の後はいつも通り、オグリがお弁当を食べ終えるまで会話はなかった。
「ご馳走さまでした」
「はい、お粗末様でした」
「今日も美味しかったぞ。ありがとう」
そう言ってオグリは私にお弁当箱を差し出した。 - 78二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:53:48
「ありがと」
いつも通り、そのまま朝練に向かおうと立ち上がりかけた時、オグリが少し不安気にも見える顔で私に言った。
「もし、イチが大変なら、朝の弁当は無理しないで大丈夫だぞ。私は、イチの邪魔はしたくない」
オグリが私を引き留めるなんて珍しかったから何を言われるのか少し不安だったけど、彼女の言葉を聞いて、安心した。
「無理なんてしてないよ」
そう笑いかけた。でも、オグリはまだすっきりしてないようで、「本当に無理してないか?」と尋ねてきた。
「本当だよ。もう一年ぐらい続けてるから、むしろ作らなかったら調子が狂っちゃう」
オグリはようやく安心したように、「そうか。良かった」と呟くように言った。
しかし、オグリはまだ何か考えているのか、まだ少し難しい顔をしていた。
「オグリ、どうしたの?」
「いや、うん。イチと一緒にライブが出来たら楽しいだろうなと思ったんだ。私も、グランドライブに参加しようかな」
「ダメ!」 - 79二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:54:05
口に出した私が驚く程の声でそう口に出していた。
「イチ..?」
「あ、いや、違くて、オグリと一緒にやるのが嫌とかじゃないの。ただ..」
「ただ..?」
オグリはさっきよりも不安そうな顔をしていた。
当然だ。後から思い返しても、私がなんであそこまで強く言ってしまったのか分からないほどなのだから。
ただ、困惑と同時に、ある強い思いを抱いてもいた。
私は、オグリにも..
「ただ..オグリには、観客として私を観てて欲しいの。"私"を、観て欲しい」
そこで漸く私は我に返った。
「あ、いや、ごめん。何言ってるんだろうね。オグリがやりたいって言うのに、私がダメって言う権利もないのにね。アハハ。ごめん。ホント」
早口でまくし立てる私のことをじっと見つめた後、オグリは、頷いた。
「分かった」
「え..?」
「イチがそう言うなら、私は観客として観ようと思う」
オグリは真っ直ぐに私の目を見据えながらそう言った。
その声音からは私への信頼を感じた。 - 80二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:54:20
「~~っ!もう、本当..そういうとこが..」
私はそう小さく口にしながら、恐らく赤くなっているであろう顔を見られないように、オグリから目をそらした。
「何か言ったか?イチ」
「..別に..ずるいなって..」
私は何を言っているのだろう。
「ずるい..どういうことだ?」
「何でもない!じゃあ、私行くから!」
私はそう言ってお弁当箱を抱いて、そのまま駆け出した。
「いや、何で追いかけて来てんの!?」
私が駆け出した直後、オグリがそのまま後ろから追いかけてきた。 - 81二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:54:33
このレスは削除されています
- 82二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:55:27
「イチ、すまない。何か怒らせるようなことを言ってしまったのだろうか」
その言葉を聞いた私はスピードを緩めながら、否定した。
「怒ってるわけじゃない」
オグリもスピードを緩め、私の近くで止まる。
「じゃあ、どうしたんだ?」
「何でもない」
私がそのまま再び歩きだそうとすると、オグリに腕を掴まれた。
「何か、嫌な気持ちにさせてしまったなら正直に言って欲しい。私はイチに嫌われたくはないんだ」
本当にずるい、これで振り切って行けるわけないじゃないか。
「オグリにドキドキさせられたなんて!本人に向かって言えるわけないでしょ!」
そうヤケっぱちで言い捨て、オグリの腕を振りほどき、走り出す。
オグリは私の言葉に、声の大きさか内容にかは分からないけど驚いたみたいで、今度は追いかけて来ることはなかった。
オグリに変な不安を抱かせたり、最後に無理矢理腕を振りほどいたりしたことに罪悪感を覚えつつ、私はそのまま駆けていった。
イチの言葉に驚き、その場に取り残され暫く呆然としていたオグリキャップは、誰に向かって言うでもなく、一人、ポツリと呟いた。
「確かに、私はずるいな。イチと過ごす時間が減るのが寂しくて、私も参加すると言ったなんて、絶対に言えないから」 - 83二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:57:23
- 84二次元好きのデジタルさん22/09/22(木) 20:30:46
あっこれ好き(幽体離脱
無自覚イケメンオグリさん、尊すぎますよ・・・ - 85二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 20:36:06
オグリはこういう事をサラッとする
…恐ろしい娘! - 86二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 23:02:21
素晴らしいんだ!!!!
- 87二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 08:17:36
良いですねぇ…
- 88二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 13:18:25
お昼なんだ
パクパクなんだ - 89二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 13:29:22
うおっ続きが来てる
すっごいトキメク… - 90二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:16:01
イチちゃんが誰かと付き合い始めたら周りはどんな反応するんだろうな
お母さんは素直に祝福しそうオグリも普通におめでとうって言うかな - 91二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:19:51
?
オグリは嬉しいに決まってるだろう
だって - 92二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 02:32:03
オグリがポップコーンを作るのに蓋閉めるの間に合わなくて部屋中ポップコーンが飛び交うのをワーワー言いながら回収するイチちゃんって幻覚見たんですけどありますかね……?
- 93二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 02:34:05
何を言ってるんだ
貴方が書いてくれるのを寝ずに待ってたんだぜ
でもオグリはピンク玉みたいに吸い込んじゃいそうでもある - 94二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:18:38
- 95二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 20:53:08
- 96二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 20:55:05
- 97二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:24:26
- 98二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 08:00:01
かわいい!!!!!
- 99二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:19:11
モニーが「イチの彼氏」だと思っていたのは、実はたまたま変装(男装)していたオグリだった・・・
ってネタを考えたけど、オグリのロングヘアで男装はちと厳しいですわ - 100二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 13:20:12
長髪のイケメンもありだと思うんだ…
- 101二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 14:14:23
モニー「はいこれ、お祝いのケーキ」
イチ「お祝い? えっ、なんもお祝いされるようなことなんかないけど」
モニー「だって、ほら。できたんでしょ・・・彼氏」
イチ「彼氏!? いないってば、そんなの」
モニー「見たんだよ、商店街でイチと帽子をかぶった男が歩いてるの。男の顔はちらっとしか見えなかったけど」
イチ「男となんて出かけるわけないでしょ?きっと見間違いだってば」
モニー(見間違いなわけない。あれは間違いなくイチだった)
モニー(どうして隠すんだろう。私には話してくれないんだろうか)
モニー(ルームメイトで、ライバルで、親友だって思ってたのに)
モニー(もしかして・・・そう思ってたのは、私だけ?)
イチ「ねえモニー」
モニー「な、なに?」
イチ「それ、たぶん・・・変装してたオグリだと思う。GⅠレースの後だから、あんまりファンから声をかけられると落ち着かないからって。それで帽子で髪と耳を隠してたの」
モニー「うそでしょ、それじゃあ私の勘違い?」
イチ「うん、まあ、そうなるかな。でもさ」
モニー(は、恥ずかしい・・・)
イチ「ケーキは、半分こしようか」
モニー(そう言って、困ったように笑いながらイチはケーキを切り分けてくれた)
イチ「うん、おいしい。モニーは私があそこのケーキ屋さん好きだって知ってたんだね」
モニー「もちろんでしょ。だって――」
――私はイチの、友達だもの。 - 102了船長22/09/25(日) 20:19:44
なんだいここ最近は…… 本スレを全部見通して文才を開花させる人だったり、新鮮な幻覚が投影されたり……
あまりに供給過多で 死 - 103了船長22/09/25(日) 21:00:08
元競走馬の性別を反映させたい派の自分としては、男装がめちゃめちゃ似合うオグリ概念すごくすごくおいしいんですよ(ほとんど牡馬じゃねーかってのは甘んじて受けます) めっちゃわかる
タマセンパイもクリークさんもイナリワンさんも男物のスーツや服装着させたらメチャイケメン(なはず)
逆に左耳に飾りをつけてるイチちゃんは……ガーリーな服を着てチヤホヤされちゃうんですか!?変装でカジュアルな男物コーデをさせたオグリがめちゃカッコよくてドキリとするイチちゃんと、スラッとしてるけど所々チラリと可愛さを主張する女性ファッションに身を包むイチちゃんを見て、不思議とドキドキしてくるオグリたちの初デート?!!??! そんなもの存在していいのか……? 死
車道側も自然とオグリが歩くし、エスカレーター乗るときにもイチちゃんを前にするんだろうな イケメン過ぎ。でもオグリは必ずこういうことする。
- 104二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:15:24
シングレで帽子メガネでポニテのオグリがあったんだけど、見様によっては美少年にも見えてときめいちゃったんだ
- 105二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:48:01
- 106二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 07:42:03
すごくいいんだ…
- 107二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 12:42:02
お昼なんだ
- 108二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:09:14
- 109二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 04:56:16
顔真っ赤になってるイチとキョトンとしてるオグリが容易に想像できましたよ!
- 110二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 12:41:36
ぜひ見たいんだ!
- 111二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 18:53:59
そういや初期のころにデートする絵があったな
一周してきたのか - 112了船長22/09/27(火) 21:04:35
私としては、履き慣れないお出かけ用の新品靴を履いてきたイチちゃんが、案の定靴擦れしてしまう。靴擦れがトレーニングに影響してしまうことと、オグリに弱みを見せたくない気持ちで板挟みになり、最初のうちこそガマンしていたが段々と痛みが強くなってきて歩き方がぎこちなくなってくる。しかしそこはイチちゃんファン第二号(一号はトレーナーさん)のオグリがめざとく様子のおかしいことに気づく。
「イチ、疲れさせてしまっていたらすまない」
「ううん、平気だから。次のお店行こ?」
「……いや、座ろう。そこに腰掛けてくれ」
「いや、本当に平気だから」
「まさか、靴ずれしてしまったのか?」
「いや、その」
「いつごろから、どうして言ってくれないんだ」
みたいな感じで、イチの将来への心配を基盤にした、ごくごく軽い叱り方をする(オグリは純度100%の心配から言葉を紡いでいるんだけど、イチちゃん側が「叱られてる」って感じて落ちこんじゃうやつ)
ここに至るまでの話もあとの話ももりもり見えてきたけど、ここに書くには余白が少なすぎる。 - 113二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 21:15:21
書くんだ!私も見たい!
- 114二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 01:48:36
保守
- 115了船長22/09/28(水) 10:19:02
(wikiの方で編集メンバーに応募してくれた方、ありがとうございました)
(遅れてごめんなさい〜〜〜〜) - 116二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 12:41:31
Wikiで色々とやってるんです?
- 117二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 19:50:10
このレスは削除されています
- 118了船長22/09/28(水) 19:50:50
ああいえ、なにか企画があるとかではないんですけれど、単純に名乗り出てもらえるのが嬉しくて
協力してもらえましたらとても嬉しいです。まだまだまとまっておりませんので - 119二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:10:29
急に降りてきたんです
「人前に出るなら」とオグリ本人以上に身だしなみのチェックに余念のないイチちゃんが - 120二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:56:03
ぜひ描くのです!
- 121男装オグリとイチのデート22/09/29(木) 00:12:19
がやがやと騒がしい休日のショッピングモール。
私はオグリとふたり、連れ立って出かけていた。
「今日のイチはずいぶんと可愛い服を着ているな」
オグリが真顔で言い放つ。
さらっと事もなげに言ってくるのが、ちょっぴり腹が立つ。
こっちは顔が赤くなるのを抑えるのに必死だというのに。
ちなみに、いつもより張り切ってオシャレをしたのは内緒だ。
「べ、別に可愛くなんかないわよ。それよりオグリはなんでそんな・・・男の子みたいな格好なの」
今日のオグリはロングヘアを後頭部にまとめ、帽子をかぶって目立たなくしている。
耳も隠れているから、よほどじっくり見ない限りオグリキャップだとはわからないだろう。
「今日はなるべく、目立たないようにしたんだ。ファンに声をかけられないように」
「あら、オグリってファンサービスとか苦手なタイプだっけ?」
そんなことはない、とオグリは首を振る。
「せっかくイチとのお出かけだからな。イチとの時間を大事にしたいんだ」
どくん、と心臓が飛び跳ねた。
本当に何なんだ、この芦毛の怪物は。
「あっ、あそこ、キッチン雑貨のお店! ちょっと見てくるっ」
耐えきれずにオグリと距離をとる。
動揺したせいで変な汗まで出てきた。
大丈夫かな、クサくないだろうか。
別にオグリはそんなこと気にしないとは思うけど、そんなことまで気にしてしまう。
すぐにオグリは追い付いてくる。
そう思っていたのだけれど、オグリがやってくる気配はない。 - 122男装オグリとイチのデート22/09/29(木) 00:15:47
「――あ、あの! いっしょに写真撮ってもらえませんかっ」
さっきまでオグリがいた方向から、黄色い声が聞こえてくる。
振り向けばオグリが知らない二人組の女から声をかけられていた。
「オニイサン、すっごくカッコいい! 銀髪が似合う男なんて生で初めて見た」
「もしかして外国のヒト?ねぇお願い、ちょっとだけでいいから」
頭の悪そうな若い女に囲まれても、オグリは落ち着いていた。
さすがはGⅠで何勝もしているウマ娘。
戸惑ってはいるようだけど、取り乱すことなく対応していた。
その光景を見て思い知らされた。
私なんかとは格が違うのだ、オグリキャップというウマ娘は。
気が付いたら私は駆け出していた。
もちろん全速力ではないけれど。
それでもショッピングモールを走るには、ヒトにとっては十分に危ないスピードだった。
「――おい、気をつけろ! どこ見てんだ!?」
「ウマ娘じゃないか、危ねえな」
どすん、と重い衝撃。
見上げればいかにもガラの悪そうな若い男がふたり立っていた。
片方の男は、私がぶつかったところを痛そうに押さえている。
その光景を見て、私は背筋がすうっと冷たくなった。
「おいおいおい、ウマ娘が店の中を走り回ったらダメだろ」
「トレセンに通報されたくなかったら……わかってるよな?」
ウマ娘がヒトにケガをさせるのは、正当な行為でない限り許されない。
トレセンに入学してから何十回も言い聞かされてきたことだ。
「ご、ごめんなさい。私の不注意で」
こんな混み合ったお店で、走ってぶつかってケガをさせたなんて知られたら、トレセンを退学になってもおかしくない。
それだけはなんとか避けたかった。 - 123男装オグリとイチのデート22/09/29(木) 00:17:26
「まあ、こんな可愛いウマ娘ちゃんとお知り合いになるチャンスなんてそうそうないからな」
「悪いようにはしねぇ、ちょっとお兄さん達と遊ぼうぜ?」
ニヤニヤと笑う男どもの、ねっとりとした視線。
私の耳、胸、お尻、太ももから、つま先まで。
気持ち悪い。本当に気持ち悪い。
でも、ここで抵抗したら、私の立場が悪くなってしまう。
覚悟を決めた――その時だった。
「イチ!!」
帽子をかぶったオグリが駆け寄ってくる。
その姿をみた男どもは、挑発的な表情をオグリに向けた。
「なんだテメェ、この子の彼氏か?」
「彼氏ならよぉ、お前にも責任取ってもらおうか。さっき思いっきりぶつかられてな、まだ痛てぇんだ」
殴りかかりそうな勢いで男どもはオグリに詰め寄った。
このままじゃオグリもただではすまない。
私のせいだ。私のせいでオグリに迷惑をかけてしまう。
私のせいで、もしオグリがレースに出られなくなったりしたら――
――イチ、大丈夫だ。問題ない。
ウマ娘だけに聞こえるくらいの、小さなささやき。
そんなかすかな声が、私にとっては何よりも頼もしかった。
「申し訳ない。ここは私が誠心誠意をもって、対応させてもらおう」
そう言ってオグリは帽子を脱いで、まとめていた髪をほどいた。
芦毛のロングヘアがさらりとなびく。
まるで風になびくカーテンのように舞う髪からは、ふんわりと花の香りがした。
もし三女神がもし目の前に現れたとしたら、きっとこんな感じなんだろう。
気付けば、私もガラの悪い男たちもぽかんと口を開けていた。
オグリの姿に見とれてしまっていたのだ。 - 124男装オグリとイチのデート22/09/29(木) 00:19:14
「た、助かった……」
がくり、と力が抜ける。
よろけた私をオグリが支えてくれた。
「大丈夫か。立てるか?」
大丈夫、と言おうと思ったけれど思ったように脚に力が入らない。
情けないことに、男どもに絡まれたせいで思ったより私はビビッてしまっていたらしい。
私が歩けなくなっていることに気づいた店員さんが、バックヤードにある休憩スペースを使っていいと声をかけてくれた。
「すまない。少しの間、休ませてもらえるだろうか」
ひょい、とオグリは私を抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこ、というやつで。
トマトみたいに赤くなった私は、あっという間にバックヤードに連れ込まれてしまった。
ちょこん、と休憩スペースの椅子に座らされる。
オグリは膝をついて私と視線の高さを合わせた。
「……すまない、すぐに駆け付けられなくて」
「別に怒ってないし」
「もう心配ないぞ、私がいるからな」
「わかってるわよ、そんなの。だってオグリが来てくれたんだもの」
とはいえオグリはまだウマ耳がふにゃりと垂れてしまったままだ。
まだ私を危ない目に合わせてしまったことを気に病んでいるらしい。
「ああ、もう、私は大丈夫だからっ。せっかくだし美味しい物でも食べて帰りましょう」
しょんぼりしたオグリに少しでも元気を出してほしかった。
私はぴしゃりと自分のひざを叩いて、立ち上がろうとして。
焦っていたせいか、椅子に足をぶつけてよろけてしまう。
「イチ、危ない!」
がっしりと私を支えてくれたオグリに、そのままもたれかかる。
やわらかい感触、花のような香り、そして――オグリの匂いがした。 - 125男装オグリとイチのデート22/09/29(木) 00:20:53
「私はそこまでお腹は空いていない……本当だぞ。だから今日はもう帰ろう」
「やだ」
オグリが私を心配してくれているのは、痛いほどわかる。
わかるけれど、それでも。
「なあ、そろそろ離れた方がよくないか」
「やだ」
それでも、私はオグリに抱きついたまま離れない。
「……やれやれ、今日のイチはずいぶんわがままだな」
諦めたように、ふっと笑ったオグリの手が私をそっとなでる。
今日はオグリを困らせて、甘えてばかりだ。
でも、せめて今日くらいはいいだろう。
そう開き直って、私はオグリにぐりぐりと鼻先をすり寄せた。 - 126二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:22:43
- 127二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 04:49:20
やべっ読んでたらニヤニヤしちゃった
目が覚めて二度寝できない・・・ - 128二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 13:19:15
めちゃくちゃ良かったんだ..
- 129了船長22/09/29(木) 16:03:13
- 130二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 20:02:32
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:07:05
まとめ動画じゃん…
- 132二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 08:18:51
素晴らしかったんだ!
- 133二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 12:40:13
お昼なんだ
私のお昼ご飯は何かな? - 134二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 13:08:43
フフフ、昨日曾孫の初勝利だったから奮発するんだ
- 135二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:47:10
最近イチちゃんを知ったけど最初とパート2ばっか見てたからたまには最新パートも見てみた
- 136了船長22/09/30(金) 20:02:51
- 137二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:07:04
- 138二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:13:17
このレスは削除されています
- 139了船長22/09/30(金) 20:14:01
誘導馬→種牡馬の経歴は聞いたことが無い、と断言していいレベルで見たことありません。そもそも馬と言う生き物が先頭に立つのを本能的に嫌うため(群れで生きる生物なので、先頭に立つと肉食獣の標的にされやすい)、それを抑えるためにセン馬にされることが多いです。
もっと言えば、種牡馬になれる引退馬が全体の5%程度ということですので……(最近の記事だとこちら→
が詳しいです)「種牡馬になれる牡馬は5%」では“なれなかった”競走馬はどうなる? スターホースだらけの相馬野馬追、武豊騎乗でGIを勝ったアノ馬も(島田明宏)種牡馬、繁殖牝馬、乗馬、誘導馬、リードホース、功労馬、養老牧場、リトレーニング、肥育、被災馬、相馬野馬追、RRC(Retired Racehorse Cup)。これらに共通して関連するのは、何か。そう、「引退競走馬」である。number.bunshun.jpその馬の、さらに上の血統の血がつながるというのは本当にすごいことです。ほとんどは残らない
- 140二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:52:20
ほんとすげえ…
- 141二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 07:17:39
保守
- 142二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 07:42:55
- 143二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:49:11
怪我なきように期待するんだ
- 144了船長22/10/01(土) 19:10:36
ミンナノヒーロー号の話はもう泣くに泣く 以前にも前スレか紹介スレで触れていた方がいましたが、翌日自分も体調崩してしまうくらいショックだった……
執念という言葉がホントに合ってますね。クワイトファイン号のクラウドファンディングが現在進行系で進んでいる「執念」として最も当てはまるものだと思います。「メジロアサマの子で天皇賞を勝て」と言われたメジロマックイーン号なんかも、人間の執念が成せた競走馬の成果の一つです。業といえばそれまでですが、これ以上はあまりにもスレ違いなので避けておきたいと思います。とかく競馬は人の思いとお金と時間が折り重なっている
そんなことより秋のオグイチはありませんか? モニタマでもいいんですけれども……
無かったので一つwikiに生産いたしました ご感想を頂きたく……
- 145二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:07:45
素晴らしかったんだ!
- 146二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 04:24:46
- 147二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 11:13:49
なんでだろうなイチちゃんってセクハラされてるの凄い似合うんだよな
- 148二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:30:57
我ながらイケメンでかっこいいんだ
- 149二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:36:28
部屋にはオグリと私、ふたりきりだ。モニーはどこかへ出かけたのか、戻ってくる気配はない。
「なあイチ、これを受け取ってくれ」
ムカつくくらいキリっとした顔をしたオグリが、小さな小箱を取り出した。
たぶん5センチ四方くらいだろうか。
オグリがその箱を開ける。閉じ込められていた煌めきがきらきらと輝いた。
私にだってわかる。これがダイヤモンドだってことくらいは。
「え、なにこれ、指輪・・・?」
「ああそうだ。受け取ってくれ。これは婚約者の証しだ」
「で、でも・・・ウソでしょ、私ウマ娘よ?」
「気にするな、カサマツじゃ全然ありだ」
私の精一杯の抗議を、オグリはまったく意に介することなんかなくて。
くいっ、と私のあごを持ち上げる。
私はもう身動きなんてできなかった。
オグリの顔が、唇が近づいてくる。
怖いわけではないけれど、無意識のうちに目をつぶっていた。
視界はなくても気配はわかる。
アイツの唇が、もう少しで、触れそうに――
―
――
―――
「……だめっ!」
目を覚ませば、見慣れた部屋。そしてモニーの穏やかな寝息。
「なんなの……意味わかんない」
ずいぶんと妙にリアルな夢だった。本当にムカつく。
どうして起き抜けにこんなモヤモヤした気持ちにならないといけないの。
それもこれも、あのやたら顔の良い芦毛のウマ娘のせいだ。
起きるには少し早い時間だけれど、二度寝はできそうにない。
仕方なく私は、ちょっとだけ手の込んだお弁当をアイツに作ってあげることにした。 - 150二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:44:03
- 151二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 00:28:12
- 152二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 08:09:23
素晴らしいんだ!
- 153二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 12:41:01
お昼なんだ
- 154二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 18:41:47
- 155二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:01:32
弟がいそうな感じはあるよね
- 156二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:20:58
イチちゃんガンダムもイケるタイプ?(食い気味)
- 157二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 23:05:44
最近のガンダムはこんな感じなんだ…?
- 158二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 23:07:41
まだ1話が始まったばかりだけど掴みは良かったと思うんだ
- 159二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 04:07:05
面倒見良さそうな感はあるよね
- 160二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 12:43:18
どんな妹がいるかな?
- 161了船長22/10/04(火) 21:59:23
夜食をいただくイチちゃん。どこからかぎつけてきたのか、あーん、と口を開くイチちゃんの後ろからじっと覗き込むオグリ。
見つかってしまった、仕方ないとため息を一つついて多めのもう一人前を温めるイチちゃん。ニコニコしてうれしそうなオグリ。
はたしてその笑顔は夜食にありつけたからか、それとも寮のキッチンに、それも夜の時間というある種聖域じみた場所にイチと二人きりでご飯を食べれるからか、はたしてどっちか。オグリのみぞ知る(保守) - 162二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 22:08:37
もう少し寒くなったら、ふたりで鍋焼きうどんでも食べてそう
オグリはうどんだけじゃ足りないから、イチは残ったつゆに卵と冷ご飯を足して煮込んで雑炊にする
そしたらオグリが「ふふ、イチと食べるごはんは温かいな」って笑って、思わずイチは赤面するんだ
- 163二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 22:16:48
心も腹も満たされる~
- 164二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 08:09:02
素晴らしいんだ!
- 165二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 08:11:55
イチちゃんに弟妹がいてお姉ちゃんだった場合、普段はイチちゃんのことを妹みたいに思っているオグリがふとした瞬間にイチちゃんのお姉ちゃんなところを感じてドキッとさせられる展開があるのでは!?
- 166社会人イチの人(一瞬復帰)22/10/05(水) 10:45:44
- 167二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 11:16:04
- 168二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:41:39
また書けば良いんだ!
- 169二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:14:33
思えば、不思議だ。
あの日、私はエゴサをしていなければ、グランドライブには参加していなかったかもしれない。
ファルコンさんが私に声をかけなければ、
タキオンさんの言葉が私のエゴの蓋を開けていなければ、今、私はここにはいないだろう。
この計画に参加しなければ卒業まで関わることもなかったであろう娘達と肩を並べ合っている。
二人には感謝している。
私の思いを皆にぶつけるチャンスを貰えた。
私の思いに気付かせてくれた。
だから、私の「夢」のためにも、彼女達の「夢」のためにも、今日は、絶対に成功させる。
今日はグランドライブ当日。
それぞれの「夢」を胸に抱いて、私達は躍り、歌う。
「やあ、イチくん。調子はどうかな?」
「さすがに緊張しますね。タキオンさんは..いつも通りですね」
「はっはっは!そう見えるかい?」
少なくとも緊張しているようには見えなかった。
「緊張してるんですか?」
「多少はね。これだけの時間を費やして来たんだ。緊張しない方がおかしいさ」
少し意外だった。全校生徒の前であれだけの演説をぶっていた彼女でも緊張するのだなと思った。
いや、あれだけのことを言ったからこそなのだろうか。 - 170二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:14:50
「二人ともー。十分後には始まるよー」
そうファルコンさんが私達を呼びに来た。
「ああ、すぐ行くよ」
「すぐ行きます!」
返事をして立ち上がった私は、ふと思い立って、二人を呼び止めた。
「あの、ファルコンさん。タキオンさん」
「どうしたの?」
「どうかしたかい?」
「その、ありがとうございました。私が、今日、ここにいるのは、お二人のおかげです」
私は深々と頭を下げた。
「お礼を言われるようなことはした覚えはないよ」
「そうだよー。私の方こそ皆にお礼を言わなきゃいけないのに」
「それに、終わった気になるのはまだ早いよ。グランドライブは、これからだよ」
確かに、その通りだ。
私は気を引き締め直し、二人と共に、待機場所へと向かった。 - 171二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:15:09
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「よーさん人おるなー。大盛況やな」
「ああ、だが、正面の位置を取れなかったのは残念だ」
「ステージの通路?かしら、がぐるっと一周してるように見えますし、此方にも来るんじゃないですかね~」
「変わった形のステージですね」
今日、私はタマとクリーク、モニーと共に、グランドライブを観に来ていた。
タマの言った通り、観客はとても多く、移動するのが難しい程だ。
あの日、イチに観客として観て欲しいと言われてから今日まで、ずっと楽しみにしていた。
何故、イチは私に観て欲しいと言ったのか、その理由はまだ分からない。
だからーー
「観ているぞ。イチ」 - 172二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:15:23
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うぅー。緊張してきたー」
トップバッターである私達は、既に360度一周しているステージの真ん中にある、砦のようなオブジェクトの中で待機をしていた。
緊張した空気がここには立ち込めていた。
そんな中、誰かがポツリと漏らした緊張の言葉を、ファルコンさんは聞き逃さなかったようだ。
「よし!皆で円陣をくまない?少しはリラックスできるかも!」
ファルコンさんの提案があり、皆、めいめいに円形になるように並んだ。
20人近くが一つの円になり、手を重ねたから、かなりぎゅうぎゅう詰めになってしまった。
「せま!」
「きついー!」
そんな声も聞こえてきたり、それで笑った娘もいて、皆自然と張り詰めていたものが溶けていった。
「よーし!じゃあいくよー!」
ファルコンさんの掛け声で皆がざわつきを沈める。
「トレセーン!ファイッ!」
オー!と声を合わせ、重ね合わせた手を掲げる。
皆、緊張が解れたようで、笑みを交わしながら、再びそれぞれの待機位置へともどって行った。
そして、その直後、スタッフさんからもう始まるという旨の声がかかる。
私は最後に、ふう、と一息付き、前を見据 - 173二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:15:35
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
観客席の照明が落ちて行き、辺りに光を与え続けているのはステージを照らすライトと皆の持つペンライトの光だけになっていく。
既に観客席は静まり返っている。
ウィニングライブとは違う、不思議な高揚感が会場を包んでいた。
そして、曲が、始まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
目の前の跳ね橋が降りていき、少しずつ会場の景色が目に入り始めた。
ステージに向かって行進をする。
やっと皆合えたね。
そうだ。やっとだ。やっと、私のエゴを"私"のファンにぶつける時が来たんだ。
絶対に、成功させる。
最初は私は後ろで、ウィニングライブならバックダンサーの位置で踊る。
グランドライブは皆が輝く、皆が夢をぶつける場。
今は、センターにいる娘達を輝かせる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ - 174二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:15:47
「よく見えないですね~」
「ああ、向こうの画面もステージに隠れて余り見えないな..」
観客の山とステージの形に邪魔をされ、イチ達が踊っているステージの正面は小さくちらちらとしか見えなかった。
カメラが写した映像が投影される大きなモニターも観客席の上についているのだが、ここからだとそれも余り見えない。
イチからはこの辺りの席を取っておいて欲しいと言われていたのだが、聞き間違えたりしてしまっていたのかと、不安になってきていた。
だが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
正面で踊っていたイチ達は左右半分程に分かれ、イチは私達のいる方へとステージを走ってきた。
彼女達は、ステージの階段を上り、少し高い位置にある、広場のようになっている位置に並んだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ステージを移動し、階段を上った先にある、開けた場所に出る。
多分、この辺りの人達は、さっきまで私達の姿はよく見えてなかったはずだ。
だから、今度はここにいる人達に最高の私達を観てもらう。
そして、もうすぐだ。
私が、このライブで一番輝ける瞬間。
観ていてね。皆。オグリ。
次々と前に立つダンサーが入れ替わっていき、私も徐々に前に出ていく。
そして、最後に一気に、一番前に
「君と勝ちたい!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ - 175二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:16:00
一瞬。
一瞬だった。
イチのその姿を見た瞬間、周囲から音が消えた。
ステージにいる彼女の姿は、キラキラと輝いて見えて..とても、綺麗だった。
イチが、真ん中にいたのは、時間にすれば10秒もなかっただろう。
けれど、その一瞬の彼女の姿が瞼に焼き付いて、離れなかったんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
結構間空いてしまって新しい概念とかも出てきてる中ですが、
自分で始めて投げっぱなしにもしたくなかったので今更ながらイチちゃんのグランドライブ投げさせて貰いました
いっぱいスレ占領してしまった。
元々イチちゃんがオグリの脳を焼くシチュを見てみたい思い付いたのがグランドライブと絡ませることだったんですけど
他の娘と絡ませたりとかしてみたいなとかも思ってなんかこんなことになりました。
合計で20以上スレ使ってますねこれ本当すみません
そして、イチちゃんに弟妹がいる概念とてもいいですね
またなんか書きたい
イチちゃんは無限の可能性を秘めている。
現場からは以上です - 176二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:20:47
- 177二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:59:33
パーペキだ 一瞬でも見てくれる人のために精一杯頑張るイチがとてもとてもよかった…
- 178二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 20:05:57
モブ娘視点からの前向きな姿勢をイチちゃんで表現している!
- 179了船長22/10/05(水) 22:11:50
- 180二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:20:42
脇だろうとみてくれる人の為に一生懸命なのイイよね…
- 181二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 08:08:46
素晴らしいんだ!
- 182二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 12:42:18
すごくよかったんだ…
- 183二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 20:42:10
なあイチ、寒くなってきたから何か温まる料理を作ってくれないか
- 184了船長22/10/07(金) 03:23:43
「……うん?」
「んん、なにかおかしなことを言ってしまっただろうか」
「いや、アンタがリクエストするの珍しいなって」
「そうか…… そうかもしれないな。いつも、イチが作ってきてくれるから」
「夏にもそんなこと言われたような」
「ああ、ナスの入ったそうめんか! イチは何でもよく覚えているんだな」
「なっ、別に、アンタが一人で思い出してるだけでしょ」
「おお、そうか」
「んもう、待ってて、なにか作ってくるから」
「ふふ」
「何よ、エプロンつけるのがおかしいんですかっ」
「エプロンを手に取るイチがさまになっていて、かっこいいなと思ったんだ。もう一度見たいくらいだ」
「別に見せようと思ってません。……何ニヤついてるのよ」
「いや、イチと将来一緒に暮らせたら、とても幸せだろうなと思ったんだ」
「なっ、ばッ、あんた何を」
「……あれ、イチ?」
「もういい! バカっ!」
「あっ、イチ! ……ううむ、ストレートな言い方ではイチに逃げられてしまうんだろうか…… タマの言うとおり、ズバっと言ってみたのだがな……」
- 185了船長22/10/07(金) 03:30:57
……あったかいもの。
朝のお布団。クリークさんと作って食べるできたての朝ご飯。朝日が柔らかく照らす校門前のベンチ。早朝トレーニングを済ませてきたオグリ。南中の太陽が当たる教室。トレーニングしているときの自分。夕日の差すミーティング中のトレーナー室。お風呂。夜のお布団。
トレーニングが終わって、更衣室ですれ違うオグリ。たまにタマモ先輩。部屋で寝転がってるモニー。夜食にありつこうとするオグリ。あいつの手、いつもあったかいな。
あったかいものを探すと、必ずオグリの顔や後ろ姿が思い浮かんでは首を振って解消しようと試みる。理由は分からないはずだと一生懸命自分に語りかける。それもこれも、あのギャル軍団とモニーがからかってくるからいけないんだ。何かに付けてオグリギャルだ通い妻だって、余計なことを言ってくる。
何が『将来一緒に暮らせたら』よ。アイツもまるで余計なことしか言わないじゃない。どうして私が、一人だけでこんなに困らなきゃいけないの。あんな澄ました顔でしれっと言い放つなんて、ズルい。私だけモヤモヤさせられる。
私は今でも何をしたらいいか分からなくて、あんなにみっともなくオグリの前で思いを吐露したにも関わらず、未だにキッチンに立っているっていうのに。
アイツばかり、次に何をすればいいかが分かっているような気がしてならない。私だってそうなりたい。 - 186了船長22/10/07(金) 03:39:51
すっかり熱を帯びた手を冷やそうと、桂剥きしている輪切にした大根の回転スピードをあげる。作り始めた頃はできるわけないと思っていたけど、すっかり慣れたものだ。みるみるうちに皮がまな板の上に落ちていく。……まだ、お母さんがやるよりは分厚いけど。
できたそばから片方だけに十字の切れ込みを入れる。こうすると、味の染み込みが良くなって美味しい。赤々としたにんじんもたっぷり切る。
ガスコンロで火にかけておいたお鍋のお湯に大根を入れて、下茹でする。その隣では卵を入れた雪平鍋が、くつくつ、と弱火で一生懸命卵を温めている。またその隣では、昆布のだし汁にいっぱいの鰹節を入れた大きなお鍋が、ぐらぐら、と煮えている。
下茹でしている間に、別の料理で使おうと思っていたちくわと厚揚げ、こんにゃくを冷蔵庫から取り出す。練り物は食べやすいけど満足感のあるように切り、こんにゃくは切ってから塩を振っておく。こうすると、臭みのもとが余計な水分から抜けるのだ。と、お母さんが言っていた。
それぞれ下準備をしている間に、お出汁から鰹節を引き上げる。ザルの上からギュッとお箸で絞り出して、美味しいところを余さず使えるようにする。丁寧にすくいだすと、お鍋の底まで綺麗に透き通った、琥珀色のお出汁の完成だ。
出来上がったお出汁にお醤油、みりん、お塩とお砂糖を入れておつゆにする。ちょっと味見を一つ。……うん、美味しい。しょっぱい。このくらいがちょうどいい。
お出汁に大根、厚揚げ、こんにゃく、たまごの順に入れ、沸くまで中火で火にかける。ぐつっ、と沸いたらすぐ弱火に直す。ここから、50分くらい待つ。
そのあとはちくわとかの練り物やお肉類。今回はお肉が無いから、入れてからは短めに仕上げてしまってもいいかな。
待っている間に、剥いた大根の皮をポン酢につけ込んで浅漬けにする。ザクザクと切る音と、クツクツとお鍋が煮える音がキッチンにこだまする。 - 187了船長22/10/07(金) 03:55:36
別に、本当ならここまでやらなくてもいい。スーパーまでひとっ走りして、おでんの素を買ってきてやってさっくり作ってしまえばいい。私は料理が好きなだけで、手をかけてこだわるのが好きなわけじゃない。
お金も時間も手間もかけて作った料理を、わざわざ写真に撮って誰かに見せびらかすような趣味もない。ご飯を作るのに一番大事なのは、やっぱり美味しく栄養を取れて、お腹いっぱいになることだと思う。
誰かに食べてほしいとか、自分がこだわりたいとかだったら、それはまた別の話だけど。
出汁を一から取るほど時間をかけているのは、アイツに一分でも多く空腹感で困ってもらうためだ。これは私のアイツに対する、小さな復讐。ワケわかんないこと言って混乱させてきたんだから、せいぜいお腹を空かせてるといいわ。
ついでに私もおいしいもの、食べたいし。
物思いにふけりながら包丁と手を動かしていたら、大根の皮を切り終えた。まとめて浅漬けの素に放り込む。あとはおでんが煮えるのを待つだけだ。
……つい勢いでおでんにしちゃったけど、食べてくれるかな、アイツ。薬味は何が好き…… いや、苦手なんだろう。
私は冷蔵庫の中に、ゆず胡椒やカラシが残っていないか、探してみることにした。 - 188了船長22/10/07(金) 04:09:13
準備を始めてから1時間半以上。ようやく、出汁からすべて自分で料理したおでんの出来上がり。
蓋を取ると、ふわりお出汁の優しい香りが部屋を包む。換気扇に全部持っていかれてしまうから、逃がさないようにすぐに消す。
にんじんを一切れ菜箸でつまんで、味見。わっ、熱い。口の中で少し冷ましながら、少し噛む。じゅわっ、と甘味とお出汁があふれてきて、これも熱い。
あったかい料理にしては、ちょっとやりすぎちゃったかな。
とんすいとお箸、れんげをを二人分持って、オグリの待つ机まで小走りで向かう。果たしてオグリは、すこししょげたような様子でそこにいた。私を見かけると、耳をピンと立たせて、顔がぱっと明るくなる。
「イチ!」
「何、そんなに期待したような顔して」
「ずっと待っていたんだ。もしかしたら、本当に怒ってしまったのかと思って……」
そう言うやいなや、また耳が倒れる。ずっと待ってたなんて、犬か、まったく。
「そう思うんなら、もうふざけて言わないでよ」
「すまなかった、イチ」
私がもたなくなっちゃうから、と言いかけた理由をぐっと飲み込む。ずいっ、と持って来た食器をオグリの前に置いてやる。
「もしかして、お鍋か?」
「まだナイショ」
「だが、もう出来たんだな!」
「そうね、それはできてるわ」
機械に電源が入ったかのように、ぶるぶるっ、と身体を震わせている。思っていたリアクションと違ったので、少しだけギョッとした。
「ああ、待ちきれない。イチのお鍋料理が楽しみだ」
「オグリね、お鍋なんて正直なところ、スープの素に野菜とお肉と、適当に放り込んで煮ただけの料理なのよ」
よせばいいのに、自分の――本当は自分だけじゃなく、この世のお鍋料理すべてを――くさすような言葉が口から漏れてしまう。そんな自分に、少なくない嫌気と後ろめたさが生まれて残る。でも、オグリはそんな私のみっともない言葉も意に介さない様子で、私の目を見つめていた。 - 189了船長22/10/07(金) 04:42:22
「それでも」
オグリはそう強く言い切って、一つ息を吸った。
「それでも、誰かが誰かのために、時間も手間もかけて作るものが料理だと思う。作り方が楽とか、そういったものは関係が無いとも思う」
オグリは、あの日私の部屋で、二人きりで話した時と同じような目をしていた。
「一人でも自分自身のためだし、二人以上ならなおさらだ。その料理はきっとあったかくて、素敵なものだ」
あっ、でも冷たい料理だったらどうなるんだろうか…… と、余計な言葉を挟みつつ。
「私は、イチの料理が楽しみだ。もし叶うなら、毎日食べたい」
そう言い終わると、ぐぅ、とお腹のなる音が響く。オグリがお腹と後頭部に手を当てて、恥ずかしそうに微笑む。
「どうやら、私のお腹もそう思っているようだ。早く食べよう、イチ」
私は、目の前のスーパー・スターがまぶしすぎて、座っている彼女の顔を真っすぐ見ることすらできなかった。何と答えればいいかもわからなかった。
けれど、おこがましいことはわかっているけれど、きっとこの人はそんな自分も受け入れてくれてしまうのだろう――――あの時みたいに、とも思った。
うつむいたまま、頭に浮かぶ言葉をそのまま音にする。
「……おでん」
「……イチ?」
「お肉のない、ヘルシーなおでん。今日の献立」
私は顔を上げて、オグリの顔を見る。私が強くなるための、もう一歩。
「ちゃんと出汁から全部作ったから。脂は少ないけど、ちゃんとおいしいはず」
オグリの返事を待たずにまくしたてる。
「残したりしたら、許さないから」
アンタは、とても強くて大きいから。
「明日の分まで食べちゃってよね」
色んな人に支えられた私の料理は、必ず美味しいと思うから。
「鍋敷きかタオル用意して待ってて、持ってくる」
キッチンの方へ振り向いて、歩き出す。
私だって、次に何をすればいいか分かるんだから。
私だって、貴方を満たしてあげられる。
あったかいものが冷めないうちに、私はキッチンまでの道を、少し足早に歩いて行った。
了 - 190了船長22/10/07(金) 04:48:58
- 191二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 07:37:40
心も温まりました
- 192二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 08:04:56
- 193二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 12:38:20
そろそろ次スレをお願いするんだ
- 194了船長22/10/07(金) 22:51:52
- 195二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 22:53:17
おでん夕飯だったんだよタイムリーだ!
オグリの”誰かが誰かのために、時間も手間もかけて作るものが料理だと思う。作り方が楽とか、そういったものは関係が無いとも思う”好き! 良い台詞なんだ - 196二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 22:56:44
次スレを10まで保守お願いするんだ
- 197二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 23:10:54
乙です
- 198二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 23:12:53
- 199二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 23:13:31
- 200二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 23:13:55
200でゴールイン