【閲覧注意】坊ちゃま……

[1 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:06:41]

坊ちゃまを神聖視する五条家の使用人になって坊ちゃまの卒業アルバムを発見したい
使用人俺は六眼と無下限呪術を併せ持つ何者をも寄せ付けない孤高の存在である坊ちゃまに神性を見出しており、この度呪術高専を卒業し五条家当主に就任なされた坊ちゃまにこれまでと変わらぬ信仰と忠誠を捧げたい
しかし高専所属の特級術師でもあられる坊ちゃまは、当主となられてからも五条家に立ち寄られることは少なく、坊ちゃまが高専を卒業さえすればまた五条家に戻って来てくださると期待していた使用人俺は目論見が外れ寂しさに毎夜枕を濡らしたい
また高専を卒業してからの坊ちゃまは以前より幾分か雰囲気が柔らかくなられたご様子で、他の浅はかな使用人達がこの間坊ちゃまがお声掛けして下さった、最近の坊ちゃまは以前より親しみを持てて良いなどと色めき立っているのを、何も分かっていない阿呆共め、何者をも寄せ付けぬ孤高の存在…それこそが坊ちゃまの本質なのだと鼻で笑うものの、いざ自分が珍しく五条家を訪れていた坊ちゃまから気さくに声を掛けられた時には、凡百の使用人達と同様に喜びで舞い上がってしまい浅はかな己を恥じたい
そうして坊ちゃまの月に一度あるか無いかのご来訪を待ちわびながら五条家使用人として励んでいたある日、使用人俺の働きが認められ、坊ちゃまの自室の掃除という大役を任されたい
坊ちゃまの自室…坊ちゃまの私的な空間、聖なる領域、サンクチュアリ…其処に立ち入ることを許されたのだ！この使用人俺が！身に余る光栄だと歓喜に打ち震え全身を戦慄かせたい
くどくどと注意事項を説く前任の掃除係の声はもはや使用人俺の耳には届いておらず、ただ彼の手の中で鈍い輝きを放つ坊ちゃまの自室の鍵に目が釘付けになっていたい
説明を終えた前任から手渡された鍵をぎゅっと握りしめると、畏れ多くも貴き坊ちゃまの存在そのものを使用人俺の手中に収めているかのような背徳感に襲われぞくりと背筋を震わせた後、慌てて首を振り不敬な考えを打ち消したい
その後、鍵を手に坊ちゃまの自室へと向かい、手中の鍵を鍵穴に差し込み、がちゃりと小さな音を立てるのに思わず生唾を飲み込みながらドアノブを回したい

[2 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:07:07]

そうして足を踏み入れたあるじ不在の部屋は厳かな静寂に満ちており、また坊ちゃまが物に強く執着なさるお方ではないからか私物も少なく、どこか生活感の欠けた部屋であってほしい
だが、この部屋には多忙を極める坊ちゃまが一時を過ごした瞬間が確実に存在するのだ、例えばそう、そこの長椅子に腰掛け持て長い足を持て余しながら思案に耽られたのだ…等と自室で羽を休める坊ちゃまのお姿に想像を巡らせ心臓を高鳴らせたい
それからしばらくの間うっとりと夢見心地であった使用人俺だが、ハッと我に返り掃除に取り掛かり始めたい
物が少ないからか、前任の者の働きが良かったからか、元々綺麗だった部屋の掃除は案外あっさりと終わり、早くも手持ち無沙汰になってしまった使用人俺だが、このまま部屋から立ち去ってしまうのが名残惜しく、意味も無くすでに埃一つない本棚にはたきを掛け続けたい
本棚には呪術関係と思わしき資料やファイルが雑多に並べられており、やはり坊ちゃまは常に呪術界のことを考えておられる素晴らしいお方だと感嘆していると、一冊だけ毛色の違う冊子を見つけたい
────東京都立呪術高等専門学校第■■期生卒業アルバム？
卒業アルバム…つまりこの中には学生時代の坊ちゃまのお写真が！？と動揺したい
見たい…見たいが、貴き坊ちゃまの私的なものを勝手に覗き見るなど言語道断、五条家使用人としてあってはならないことだと己の良心の呵責に苛まれたい
しばらく逡巡していた使用人俺だが結局眼前の誘惑には抗えず、少しだけだ、どうせ誰も見ていないのだからと本棚からアルバムを取り出したい
ぺらり、と頁を捲ると早速高専の制服に身をつつんだ坊ちゃまのお写真と目が合いどきりとしたい
やはり坊ちゃまは今も昔も変わらず麗しい…まっすぐこちらを見据える青くうつくしい瞳の凛々しさに天にも昇る心地になりたい
その後も坊ちゃまのお写真―白磁の如き頬であったりさくら色の唇だったりを指でなぞり恍惚としていた使用人俺であったが、後ろの方の頁に何かが挟まっているのを見つけ首を傾げたい
気になって取り出してみるとそれは封筒で、中には何かが入っているのかずしりとした重みがあり、また封はされていなかった…何が入っているのだろう？現在進行系で坊ちゃまのアルバムを盗み見るという罪を犯している使用人俺の感覚は麻痺しており、迷うことなく封筒の中身を暴きに掛かりたい
──これは…写真？

[3 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:07:21]

封筒に入っていた数十枚の写真達はどれもアルバムのものと比べると画質が粗く、携帯で撮影したものを現像しただと見てとれる、しかしそんなことは使用人俺にとってはどうでもよく、写真の内容に衝撃を受けたい
写真に写る坊ちゃまは大口を開けて笑っていたり、意気揚々とピースサインをしていたりと使用人俺の知らない生き生きとした表情を浮かべており、思わず息を呑みたい
そして坊ちゃまを写した写真の多くは坊ちゃまひとりを写したものではなく、使用人俺はそのことにこそ最も衝撃を受けたい
我が物顔で坊ちゃまの隣に立ち、笑顔を浮かべている男…ああ、この男は、あの忌まわしきどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男ではないか！
数年前、突如非術師を大量虐殺し呪詛師に堕ちたどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男は呪術界におけるタブー的存在となっており、先程まで見ていたアルバムにもどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男の名も写真も記されておらず、最初から坊ちゃまと同期の女の二人しか居なかったかのように存在を消されていたのに…と背筋に冷たい汗が流れるのを感じたい
しかし、坊ちゃまが高専で過ごした三年間、ありふれた日常、青春の全てにはあの男が―どこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男が居るのだ そして坊ちゃまは、抹消されたはずのどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男との日々を切り取った写真をこうして密かに保管しているのだ…ああ、何ということか…と先程までの高揚感はどこへやら、一気に血の気が引いてゆく心地になりたい
呆然としながら写真の一枚―白い砂浜を背景に、露わになった素肌に黒いパーカーを羽織った坊ちゃまがふざけたアロハシャツのどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男と肩を組み笑っている―を手に取るも身体の震えは収まらず、いっそ真っ二つに引き裂いてくれようかと暴力的な衝動に襲われたその時、背後からの声に肩を震わせたい
────何してんの？

[4 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:07:34]

振り向くと何とそこには坊ちゃまが立っており、サングラスに隠された青くうつくしい瞳から放たれる冷たい視線に、使用人俺は蛇に睨まれた蛙のように一歩も動けなくなりたい
────勝手に触られると困るんだけど
すたすたと音もなくこちらへ近づいてきた坊ちゃまに写真を持つ使用人俺の手首をぎゅっと掴み上げられガタガタと震えたい
使用人俺が坊ちゃまと直接言葉を交わすのは今回が初めてであり、間近で見る坊ちゃまの凄味、迫力にア、だの、ウ、だのしか言えなくなりたい
────そんなにコレが大切なのですか？
大人しく謝れば良いものを気が動転していた使用人俺の口からはそんな問いが出てきてしまい、やってしまった！と焦りたい
俺の問いに目を丸くした坊ちゃまがさくら色の唇を開くのを、判決を待つ被告人のような心地で待っていたい
────大切だよ、誰にも触られたくないくらいには

[5 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:07:56]

その後の記憶は朧気で、気が付いたら自室の床に座り混んでいた使用人俺の脳裏からは写真の中の坊ちゃまと現実の坊ちゃまの表情が焼き付いて離れず頭を掻き毟りたいああ、何ということをしてしまったのか！きっともう坊ちゃまのお部屋に立ち入らせてもらうことは出来まい、いいや、五条家から追い出されてしまうかもとじわじわと広がる後悔に打ちのめされたい
それに、先程の坊ちゃまのお言葉はきっと使用人俺ではなく、使用人俺の手の中の写真に向けてのものだと悟り、坊ちゃまの御心は未だどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男に囚われたままなのだ！と嘆きたい
清らかな坊ちゃまを誑かし御心を土足で踏み荒らした挙げ句坊ちゃまのみならず呪術界を裏切り呪詛師に堕ちたどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男…あのような大罪人を何故坊ちゃまは慕い続ける？幼少のみぎりから現在まで坊ちゃまに献身的に仕え続けている使用人俺ではなく坊ちゃまを置いていったどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男を…と坊ちゃまの私物を勝手に盗み見た後悔と罪悪感はいつしか坊ちゃまへの歪んだ感情とどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男への嫉妬に塗りつぶされていきたい
最終的に妄想上の坊ちゃまを手酷く犯して抜きまくった後首を吊って死にたい

[6 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:08:08]

でも一介の使用人の死なんて坊ちゃまの耳にはいちいち入ってこないし、使用人俺の顔も数日後には忘れているが、『家の人間に私物を盗み見られた』という事実は消えないので警戒した坊ちゃまは五条家に顔を出す回数が激減するし、アルバムの保管場所も変える
あと使用人俺は知る由もないが写真の現像元は坊ちゃまの携帯ではなく硝子さんの携帯だったりする 坊ちゃまもどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男も任務先で撮った写真(自撮り含)を高専で待機する事の多い硝子さんに送りつける癖があり、硝子さんのフォルダには二人分の画像データがどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男の離反後も残ったままだったのだが、当の坊ちゃまは何を思ったかどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男の離反後二人で撮った写真を全件削除しており、それを知った硝子さんはなんか苛ついたので携帯の画像を現像し卒業式の日に坊ちゃまに押し付けたという経緯がある オマエら二人の青春なのに後生大事に抱えてるのが私だけとか馬鹿みたいじゃんとは彼女の弁 また封筒の中にはさしす三人で撮った写真も数枚あったがどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男への憎しみで目が眩んだ使用人俺の視界には入ってこなかった
坊ちゃまはいとおしいね 幸せにおなり

[7 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:08:21]

首　吊　り　ノ　ル　マ　達　成

[8 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:08:33]

来やがったな！

[9 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:08:41]

今日の首つり使用人俺くんこんばんは

[10 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:08:57]

>>8

寝んのはええな

[11 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:09:10]

>>8

寝るのはえーな

[12 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:09:24]

前作

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前前作

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前前前作

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いつも言ってるがスレ主はどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男のことは大好き、大好き、大好き(ミミナナ並感) 夏油ファンスレの2レス目を書き込んだのは自分

[13 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:09:58]

もはや安心感すら覚える

[14 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:11:20]

書くのに4日かかりました

[15 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:11:23]

あの…

[16 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:12:40]

ファンスレに２レス目に書き込むくらい好きなのにここでは絶対に名前呼ばないの一種の美学を感じる

[17 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:15:17]

>>12

IP変わってなかったので証拠画像を提出します

[18 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:26:12]

>>17

大変申し訳ないんですが証拠画像を出さなくても疑ってる人誰も居ないと思うんですよ

使用人俺くんが硝子さんは普通に硝子さんって呼んでるの笑う

[19 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:27:10]

スレ主がさしす組大好きってことは分かった

[20 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:39:04]

>>17

どこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男のファンスレ立てたものです

使用人俺くんのファンですありがとうございます

ここでのどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男の扱いに毎回毎回にやけてしまうし坊ちゃまへの愛と文才も尊敬しています

今後もぜひ楽しみにしています

[21 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 20:44:17]

とうとう私物弄り出したぞこの首吊り使用人

[23 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 21:31:47]

>>20

こちらこそファンスレを立てていただきありがとうございます！

毎度毎度彼のことが好きな人には刺されても仕方ない文章を書いているのでそう言っていただけて嬉しいです！

今後もファンスレ覗かせていただきますね、使用人俺くんは一方的に敵視してますがスレ主は彼のことが本当に本当に大好きなので…

[24 二次元好きの匿名さん 21/12/04(土) 22:08:20]

使用人俺が知る由もない裏話が普通にちょっといい話なの草

[25 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 00:30:51]

>>22

2レス目以降は自分以外の方ですよ〜

どこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男のファンがたくさん居ると思うと嬉しくなっちゃいますね

[26 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 00:31:45]

>>25

完全に見間違いだったごめん

[27 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 01:30:08]

「どこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男」ってワードが出てきた時思わず「キター！」って叫んでしまった

[28 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 01:30:22]

この怪文書は疲れた身体によく効くなぁ

[29 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 12:12:59]

ふざけたアロハシャツのどこの馬の骨とも知れぬ非術師家系出身の男で笑った 星漿体任務の時に撮った写真かな？

[30 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 17:22:44]

使用人の怪文書にわかだからこれ坊っちゃま本人出てくるんだと思って笑ってしまった