えっ！？モブウマ娘の数少ない情報からキャラ付けを！？

[1 できらぁ！！ 24/04/08(月) 22:16:48]

『バ群嫌い』

……私は人に囲まれるのが嫌。2人、3人の時は普通に話せるのにそれ以上人が増えるとどうしても焦燥感に駆られて落ち着かなくなる。
それはレースでも悪い方向で発揮されてしまい、スランプに陥っていた時にトレーナーさんがそれを見抜いてくれたのがあの人との最初の出会いだった。

トレーナーさん。地味で、秀でた所なんて一つもない私にずっと寄り添ってくれた大切な人。

メガネをかけていて黒髪で目立たない容姿をした、生真面目なクラスの委員長。
特に変わったことをすることもなければ悪いことをすることもなく、凄いことをやってのけるわけでもない。
そんな何一つ取り柄のない私を私自身はコンプレックスのように感じていたが、トレーナーさんがお世辞でなく多分本心で褒め続けてくれるので最近は少しだけ好きにもなれた。

そうしていつの間にか私はすっかりトレーナーさんを意識するようになってしまった。
……苦いコーヒーも、本当は苦手なんだけどトレーナーさんに「大人だ」なんて思って欲しくて我慢して飲んでいるくらいだ。
寝る前には、トレーナーさんとデートとかしている自分のことをつい考えてしまい妄想が捗ることがしょっちゅうあるので、不調を来さないように興奮しない程々楽しいことを思い出したりもしている。

でも、トレーナーさんは最近担当を持たない何人かのウマ娘の走りも少し見てあげるようになった。
そのトレーナーさんが人気故に人に囲まれるようになったのが……たまらなく嫌だった。
私以外を見て話し、私以外の人がトレーナーさんの隣に立ってしまう。
それは、自分が人に囲まれた時に湧き出てくるどうしようもない不快感に似ていた。

……この不快感を味わい続けたなら私は、私は……
もう、トレーナーさんが見て安心してくれるような。そんな良い子ちゃんないつも通りの自分を保てるだけの余裕(スタミナ)はきっと消え失せてしまうだろう──────

[2 1 24/04/08(月) 22:21:38]

この子は誰だって顔してるあんちゃんの為に紹介するぜ！！

この子はデュオエキュ、『冬ウマ娘』『右回り』『後方待機』『バ群嫌い』のスキルを持つモブウマ娘だ！！　正直それくらいしか情報がない！！

このスレの94を見て94の熱意に感動したから今回は頭を捻りまくりながらこの子のSSを書きました

94とデュオエキュ推しの全てに届け……！！

好きなウマ娘を貼るスレ｜あにまん掲示板

[3 1 24/04/08(月) 22:26:53]

ちなみに他のモブウマ娘推しの人が居たらこんな感じでSSでも思いついたことでも書いていってね！！

元にする情報はスキルでも見た目でも能力でも良いし、思いつかなかったらもう自分の好みを詰め込んだだけの全然関係ないのでもOK

とにかくモブウマ娘の創作さえ広まればなんでもいいッ！！

[4 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 22:36:35]

しかしスキルなしのモブウマ娘とかどう話を広げろと？

[5 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 22:53:56]

難易度が高過ぎない？

[6 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 22:55:31]

こういうの個人的には好きだけど極北の遊びという感じがすごい

[7 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 22:58:44]

サムネバキュームされた

[8 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 22:59:19]

こりゃなかなか難易度が高い

[9 1 24/04/08(月) 23:12:01]

>>7

ウワッー！！早速本人に見て貰えるとは！？

口にあうSSになってたら何よりだよ兄貴……

しかし、それにしても全くキャラ付けに関する書き込みがないな……

仕方ない、当店は本来セルフサービスなんだが私がもう一度手本をお見せしましょうかね

[10 リートシャッテン 24/04/08(月) 23:16:45]

『おひとりさま・千里眼』

ずっと前から。いつの頃からなのか覚えていないくらい、私はずっとひとりぼっち。他人が興味を示すような事には全く惹かれなくて。
誰と喋っても、何をやってもひとり。それでも良かったの。それが1番楽しかったから。

そうして他人から徐々に拒絶されるようになって。私も、ひとりが1番なんだから良いんだって、他人を拒絶するようになって。
我が道を顧みることもなく突き進んでいた私の所に……
あなたは来てくれた。
気付かない内に私の中で膨れ上がっていた孤独を、寂しさをあなたは見抜いてくれた。

他人と全く関わらない生活を続けている内にすっかり不器用で我儘になってしまった私をトレーナーは言葉巧みに、時には少し強引に私を引っ張りつつも上手く導いてくれた。

私が密かに憧れていたものに気付いてくれて、その憧れに近づく為に苦労を惜しまず根気強く付き合ってくれた。
……あなたのことをよく知らずに否定して、遠ざけようとしてしまった私なんかに。

だから、私があなたに心を許してからはあなたのことばかりを見てしまうようになるのにそこまで時間はかからなった。

家こそ良家の類だったもののお嬢様らしさのかけらもなかった私に、その振る舞いや品格を少しは身に付けるようになったきっかけもあなただった。
ちょっとでも「素敵だ」なんて思って欲しくて。おめかしも、言葉もよりよくしようと頑張った。
……こんな気持ちになるのは初めてだった。

ねえ、トレーナー……？
私、周りから『千里眼』なんてあだ名つけられるくらい相手のこと見通すのには自信あるのよ？
だから、あなたがたとえ口にしなくとも……これからも欲しいもの……望むものずっとずっーと与えてあげるから……いつも傍に居てね？

[11 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:19:21]

という感じで1人でも2つは書けるから出来なくはないぞ！さあ皆もやってみよう！！

[12 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:25:56]

できるかなぁ！？

[13 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:28:37]

ねぇねぇトレーナーさん　 13.5cm｜あにまん掲示板

モブ推しといえばSSも豊富なこのスレ

[14 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:29:10]

手本を見せろと言おうと思ったらこいつちゃんと隗より始めやがった……

[15 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:33:08]

オリウマと比べるとモブウマは勢いが無くなったなあ
昔はもっとモブウマスレあった気する

[16 二次元好きの匿名さん 24/04/08(月) 23:36:27]

マリタイムシッパーファンスレpart01｜あにまん掲示板

現行スレ、SSはなかった残念

[17 サムバキュされた者 24/04/08(月) 23:42:12]

『内枠得意○+隠れ蓑』

　ふとした瞬間に訪れる、「なんか見られてるな」って感覚が苦手だ。別に注目が苦手な訳じゃないし、見られるのが嫌って訳でもない。ただなんとなく、誰に見られてるのかが分からないのに「見られてる」って感じるのが苦手だ。だからふとした瞬間に物陰に隠れたり、「なんか見られてる」って思った時咄嗟に視線を切るように動けたり……そんな普段は役に立たない動きを知らず知らず身につけていて、それを見たトレーナーさんはレースでは必ず役に立つって褒めてくれたっけ。
　そうしてレースに出て気が付いたのは、誰かの陰に隠れればそれだけ体力を消費しないで済む場所を取れたりするし、いつの間にか自分の影に入られてた相手はびっくりしてくれるからちょっとだけ勝ち易くなる事。トレーナーさんの言う通りに私にとって役立つモノになった。追込で走ったとしても、誰かを隠れ蓑にしてこっそりと前に上がったり出来ればそれだけ勝ち易い。スタートの時内枠なら尚更良いよね、何せ隠れる先が自分から私の前に来てくれる。
　ひとつ、ふたつと蓑をコロコロと、過ごし易い物/者に変えて行く。
　トレーナーさんが教えてくれた走り方と、私のやりたい走り方。その間にあった、私の理想の走り。特別速い訳じゃない私だけど……こうやって、蓑を脱いだ時は、ほら────
　────秋の山みたく染まった、美しい勝利を掴めるんです。

[18 二次元好きの匿名さん 24/04/09(火) 00:00:13]

あれ!?ずいぶんSSのレベルが高いな!?

[19 二次元好きの匿名さん 24/04/09(火) 08:25:18]

>>15

SSも前はモブウマばかりを書いてる人が居てたけどそういう人達がいなくなったというのもあるのかな

[20 二次元好きの匿名さん 24/04/09(火) 08:39:08]

>>3

某スレのボクっ娘ウマチューバーなハードラッカーとか

[21 サムバキュされた者 24/04/09(火) 13:29:42]

『ペースアップ』

　落ち着かない。落ち着かない。落ち着かない。

　遅いと言うのは、落ち着かない。

　誰かが前にいる、誰かより遅いのは、落ち着かない。

　誰かが先にやってる、誰かに遅れを取るのは、落ち着かない。

　誰かが流行りの物を手に入れてる、流行に乗り遅れるのは、落ち着かない。

　誰よりも速く。ウマ娘なら良くある感情だけど、ボクのそれは多分他のウマ娘より何バ身差もある強さだ。だからこそ、今のトレーナーはボクに先行策を取らせてる。本当は逃げが良いんだけど、なんでも「先頭を取るとソラを使う」とか「前に出たい思いが人一倍強い分抜き去る時の加速力を活かそう」とか……細かい事は分からない。けど、そっちの方が一着を取れるのがよく分かったから、従う。

　目の前を走るウマ娘が居る。我慢をする。急げ急げと急かすボクの心、目の前に先頭（にんじん）がぶら下がってるのに食べられなくて苦しいボクの心。けど空腹は最高の調味料らしいから、今は我慢する。

　最終コーナーを回る。砂が巻き上がる。キックバックも受け止めてそのまま走る。少しだけ外に回れば、目の前には砂の壁も、誰かの背中も無い。ボクの為のカタパルト。

　心に火を付けて、加速する。前に、前に、前に、速く速く速く！　トレーナーさん曰く、ボクはいつもこのタイミングで笑っている。表情に意識を回すだけ遅くなるからと気にした事も無かったけど、そりゃそうだよね。

　最高に欲しいモノ（一着）が手に入る時には誰だって笑顔だ。

ヘイストファイア - モブウマ娘図鑑

[22 サムバキュされた者 24/04/09(火) 19:16:10]

『東京レース場○+直線加速+抜け出し準備』

　夢の始まりはいつかの日に行った東京レース場で見た走り。幼い時に見たそのレースはもう誰が走ってたとか誰が勝ったとかも覚えていない。けれどそんな些細な事より大事な夢の中の走りは未だに私の胸に刻まれている。

　胸に刻まれた走りはドキドキと私の心臓を奏でる鍵盤になって、ふとした瞬間に夢を通して朧げに思い出す。そんな日にはついつい夜にも関わらず寮を飛び出して、ドキドキに呼ばれるままに東京レース場の周りに辿り着く。日によってはレース場の前で夜から待ってる人なんかとバッタリ出会っちゃうのは玉に瑕だけど、基本的に誰とも出会わずこっそりとレース場の周りを歩いて帰る。走るのはレース場の周りじゃなくてレース場の芝って決めてるからね、それだけはまだ我慢我慢。

　そう。もう少し、もう少しだけ我慢するのだ。刻々と日付が変わり、カレンダーに刻まれた印の日へと近付いて行くのを見るとここ最近はニヤケが抑えられなくなる。

　デビューはマイル戦、場所はもちろん東京レース場。私はもう直ぐ、夢の舞台で走り出す。その一歩はまだ誰も目を向けない物かもしれないけど、いつか。名前は残らなくても、この脚が誰かの夢に刻まれます様に、なんて────

セプタゴンサモナー - モブウマ娘図鑑

[23 二次元好きの匿名さん 24/04/09(火) 20:14:28]

みんな俺が知らないようなウマ娘ばっか知ってる…

[24 二次元好きの匿名さん 24/04/10(水) 08:07:15]

自分も書いてみたいがなかなか難しいな

[25 二次元好きの匿名さん 24/04/10(水) 16:58:47]

発想力で足りない情報を埋める必要があるからな

[27 二次元好きの匿名さん 24/04/10(水) 20:05:00]

意外としっかり委員長的なデザインをしている

[28 二次元好きの匿名さん 24/04/10(水) 20:20:01]

>>27

！！！！！？？？？？

[29 イラストで死したサムバキュマン 24/04/10(水) 21:03:46]

間違えて書いてる途中にやっちゃった
『ウマ込み冷静+直線一気+坂苦手』

　あ゛〜、なんて。まあまあ汚い声を出しながらトレーナー室の机に突っ伏す。我ながら綺麗な髪を大胆にぶち撒けながらの醜態を見たトレーナーさんはなんとも言えない表情をしながら、たった今淹れたコーヒーを差し出してくれた。気遣いが渇いた花壇への水やりの様に嬉しい。
　……自慢する事でも無いし、私自信誇るとか卑下するとかそんな風に感じた事も無いけど、客観的に見て私はお嬢様と言われる方の家系だ。金銭面で苦労はしないし、社交界にもちょろっと顔を出す程度。と言ってもレースとは関係ない分野でたんまり稼いだタイプだけど……まあこれはどうでも良い。大切なのは先も言った通り、私が仮にもお嬢様に分類されると言う事だ。
　別に、立場に要求される振る舞いが嫌な訳ではない。生まれた時からそうだし、生まれた母国の言葉を喋るのと大差の無い感覚だ。いや、もっとウマ娘的に言うなら写真判定が必要なほど差のない感覚だ。
　でも、それはトレセンに来る前の話で、もっと言えば積極的に関わるお家は同じぐらいの所や……言い方は悪いけど下のお家。まあ私の実家より上のお家なんて大体レースに関わる所だし接点が無かったのもある。
　でも、私がトレセンに来たから接点生まれちゃったんだよね。気が付けば周りには自分よりしっかりしたお嬢様お嬢様一人飛ばさずともお嬢様……意図せずとも私が私の家の代表状態、誇りだとかは無くても流石に私の家が私のせいで品が無く思われたりしたら嫌だ。
　だから誰かが居る時は努めて冷静な態度で。締めるべき時は徹底的に。そうなれば意外と息を抜ける場所は少なくなるもので。
　……こうして、醜態をアナタに晒せるのは、私なりの信頼です。ただの子供の私にはこの信頼が単にトレーナーと言う職に対する物か、アナタと言う大人個人への物か、はたまた恋心なんて言う可愛らしい物からなのかは知らないけど。

　────コーヒーに口を付け、私はそっとアナタに微笑んだ。

　それでもアナタが居れば、この坂を登る様な息苦しさも一気に登り詰めるのだって苦にはならないのは、例え王様にだって覆せない事実なのです。

[30 イラストで死したサムバキュマン 24/04/10(水) 21:16:07]

>>29

しまった推しの絵で取り乱してモブちゃんのリンク貼り忘れた

https://mobumamusume.net/テューダーガーデン/

[31 1 24/04/10(水) 21:27:26]

2人分書けたのは良かったけど、そこから昨日の俺どうやって思いついたんだろうレベルで何も浮かばなくなって草　

サムバキュマン1人で何人も書けてるの凄いですわね……！？

>>27

ほわあああああああ！？　今回も私のSSのイラストを書いて頂きましたわ〜！？

このじっとりした目線ほんと好き　しっとり好きには堪りませんわ^〜

[32 イラスト尊死サムバキュマン 24/04/10(水) 23:15:53]

『　　　』

　たっ、たっ、たっ。朝焼けの下でランニング。日の昇っていない時間から始めた筈なのに気が付けば朝日は捲り上げる様に登って行く。
　よぅし、と。そろそろ切り上げる時間だと悟ったわたしは誰も居ない正面へ、誰かを差し切る様に加速する。まだまだ冷たい空気を切り裂く様に、わたしは走る。楽しい、気持ちいい、高揚する。トクトクトクトクと血液を身体に回す心臓の高鳴りに合わせて、足音を鳴らす。
　好きだ。こうやって走るのが心から好きだ────何も考えない、何も特別な事をしない平々凡々な走り。けど、好きで走るとはこう言う事だとわたしは思う。勿論勝ち負けのあるレースも好きだけど、それでも。わたしはこうやって何も考えずに、楽しいだけの走りが好きだ。恋の病があるのなら、わたしが患ったのは走りの病。
　わたしにとって、特別じゃない道を特別じゃない走りで進むのが最高の舞台なのかもしれない。これだけで何処までも満足できるのだからかなりの確率でそうだと思う。
　けど、最近になってレースで勝ちたいって気持ちが増えてきた。トレーナーさん、わたしの子供みたいな走りを見て「それでいい」と肯定してくれて、「もっと楽しく走ろう」と誘ってくれたトレーナーさん。わたし、分かっています。余り賢くないわたしだけど、トレーナーさんが戦績の振るわないわたし以外を担当するべきだって他の人に言われても、わたしを選んでくれた事。わたしと同じで、どこまでも走るウマ娘が好きなトレーナーさん。
　だから、わたしはわたしのまま。楽しく走りながら、わたしを選んで良かったと思って貰える様に。楽しく走って、楽しく勝ちたいと思います。
　朝焼けに背を向けて、もうちょっとだけ、もうちょっとだけと走るのは、そんなちょっと背伸びした理由なんです。

[33 イラスト尊死サムバキュマン 24/04/10(水) 23:16:35]

シンプトンダッシュ - モブウマ娘図鑑

明日もまた何個か書きたいな……

[34 二次元好きの匿名さん 24/04/11(木) 07:48:31]

>>33

この子距離適性の最高が中距離のCだからなかなか勝てないんだよね…

そういう部分もある意味個性か

[35 二次元好きの匿名さん 24/04/11(木) 08:15:34]

　ペース配分だとか、脚を溜めるとか、そんなゴチャゴチャした常識なんて大キライだ。
　バ群の中の位置取りだとか、展開だとかで勝敗が決まるなんて、そんなレースの何が面白いんだ。
　そんなアヤとか駆け引きなんて必要ない。最初から最後まで先頭を走って勝つ。それが最強に決まってるじゃないか。
　だからボクは逃げる。逃げて逃げて逃げまくる。スピードの限界まで、スタミナの限界まで、逃げて逃げて逃げ切ってやる。

　――バカみたいな走りだって、笑われていることなんて知っている。
　バ群嫌いでバカの一つ覚えの逃げしかできない気性難だなんて、そう言われてることぐらい理解している。
　だけど、今に見ていろ。お前らがそうして笑っている間に、ボクはどんどん先に行っちゃうんだからな。
　バ群の中なんかからじゃ見えない、真っ青なターフのその先に、ボクの切り拓く道があるってことを。
　それが「最強」だってことを、いつか必ず、証明してみせる。

　ボクの名前はデュオスヴェル。太陽の前に立つ盾。
　いつだってボクの前にあるのは、栄光のゴールを照らす太陽だけだ。

[36 二次元好きの匿名さん 24/04/11(木) 16:58:01]

バ群が苦手だからこそ、弱点克服ではなく対抗策の為に出足がうまくなったのか

[37 サムバキュマン 24/04/11(木) 17:09:33]

『ゲート難+差し切り体勢』

　その日、故郷の海はとても凪いだいた。波打ち際で細やかな波に脚を包まれ、雲一つない空の青と静かな海の青が混ざる場所へ目を向ける。
　────ワタシの故郷は海沿いの街で、生まれた時から私にとって親しみがあるのはターフでは無く砂浜と青い海だった。芝の匂いよりもずっとずっと潮の香りが好きで、故郷でも緊張したり悩んだりしたらその日の様に海辺で佇んで、潮の香りに包まれる。
　その日は、ワタシがトレセン学園に入学する事が決まった日。それ自体は凄く喜ばしい事だけど、同時に。故郷から離れた場所にあるそこに通うとなれば、暫くはこの風景ともお別れなんだな、と。ちょっと寂しく思ってた。
　だから、その凪いだ海はワタシの事を見守ってくれているみたいだ、なんて。自意識過剰に、誰かに知られたら恥ずかしくなるような感傷が広がって。
　そして、そんな私にとってトレセンのダートは酷く落ち着かない物だと、暫くして気が付いた。
　適正が無い訳ではない。けど、砂だけの世界はワタシにとって、欠けた物。海の無いその世界は酷く不安定に見えて、ワタシにとって存在するべき香りがしないのは、レースの……それもスタートの緊張感が酷くなる原因と言って良かったと思う。スタートで出遅れたのを取り戻そうとして体勢を整えてもそんな不安定な走りじゃ当然勝てない。ワタシは砂の波に呑まれてしまい、先頭を取る事は叶わない。
　当然改善しようとした。けど、生まれてからずっと側にあったあの香りがない不安感は想像以上に根深く、寧ろ改善しようとすればする程に潮の香りを思い出してはより強く、それがない不安が現れてくる。
　情けないなぁ、なんて。一丁前に落ち込んだけど結局のところワタシにとって芝も砂も望ましい舞台で無かった、という事だと一人納得しかけていた。なのに、トレーナーは全然納得した様子は無くて。

[38 サムバキュマン 24/04/11(木) 17:09:59]

『ゲート難+差し切り体勢その2』

　……そして、態々。ワタシにこんな物を作って渡してくれた。ワタシの手に握られたのは、香袋。開けると、そこにはワタシの故郷の海が広がっている。その日は静かな海だった事も相まって、香りだけのその幻はその日を強く思い出させる。

　香りがワタシの心を満たす。落ち着いた、と言うのは表現としてきっと不足だろう。

　レースを前にワタシの心は────どこまでも、凪いでいる。これならきっと今日は、上手くいく。確証無しの確信は危ういとは思うけど、それでも。

　時間が来て、トレーナーと別れるその直前。ワタシは一度だけ振り返って、ワタシと同じくらい凪いだトレーナーの瞳を見る。そして……

「────」

　言葉ではなく、微笑みでワタシの心を届けた。

マリタイムシッパー - モブウマ娘図鑑

[39 サムバキュマン 24/04/12(金) 02:19:08]

『あきらめ癖』

　やっぱ駄目かなぁ。周りが頑張ってテストに向き合う中、教室の窓際席で私も空欄を埋めて行く。その途中で余り芳しく無い自己採点結果が出て、思わず「はぁ」と溜め息を吐きたくなる。テスト中だから流石に自重するけれど、後で適当な場所に行って吐いておこう。溜め息予約一名様、なんてね。
　『結果』が出る物に取り組む時、なんと無く苦手意識がある。どうも、途中で結果が見えて来る際に「あー、この調子だと駄目かなぁ」なんて、思ってしまうとフッと力が抜けて行く。ちっちゃい頃からの悪癖で、程々に程々にとなあなあの結果で済ませて来た順当な『結果』……これもまた仕方ないと諦めて居る辺り、筋金入りかもしれない。
　勿論、レースとなれば最後まで全力で走る……走っている、つもりだ。けど、いつも、どんなレースでも。最後の直線でもし、自分より前を走る集団を見てしまうと……思わず自虐的な笑みが溢れて来て居るのは、確かだ。そして、その差を自分の能力で埋めきれないと思ったら無理して詰め切らないのも、確かだ。
　こんな悪癖があるなんて、私は癖ウマ娘と言うに相応しいのかもしれない。割と身体は出来上がってる方だし、マイル戦なら相応に戦えている筈だ。これでも上澄みに分類されるだろうし、まあ満足している。だから別に、この悪癖を直す気にもなれないのだ。
　……のだ、けど。
　こんな私を、癖ウマ娘を導いてくれるトレーナーには、もう少し……それこそ重賞を勝って応えてあげたいな、なんて……きっと分不相応な想いがある。
　自分が重賞を果たして取れるだろうか、なんて考えると無理そうだと感じてしまう。それはきっと実力ではなくフロックに近い、展開が味方してくれる様な時ぐらいだ。自惚れるつもりは無いけどブロックを拾えるだけの力はあるだろうし。
　けど、そんなフロック程度で勝てる程重賞は甘くないのも当然だ。だから、分不相応な────ここまで思って、ふと。窓の外、広がる青空を見て、何故か……トレーナーと契約した日を、その時の言葉を思い出した。
　なんて言われたか、は詳しくは思い出せない。けど、それが選抜レースでも程々の結果で終わった私を焚き付けた気がする。不思議なぐらい私に力を与えてくれたその言葉はもう、薪として私の中で燃え尽きてしまったのだろう……

[40 サムバキュマン 24/04/12(金) 02:19:49]

>>39

　……だろう、けど。その燃え滓にも、まだ燻ってる火がある気がして。ああ、そうかと。自分の想いに納得した。

　……諦めたくはない。諦め癖のある私でも、これだけは諦めたくない。思い出せないトレーナーの言葉を、裏切るのだけ嫌だった。もう遅いかもしれないけど、少しの無理で追いつける。いや、追いついて見せる……追い越すんだと。心に決めて……

　私は、空から目を離して、なあなあで埋まりきったテストの解答欄を、消して行く。こんな取り敢えずの答えじゃなくて────時間一杯、限界以上に頑張って出した答えを、ここに書く為に。

『+差し切り体勢』

ローカルストリーム - モブウマ娘図鑑

[41 二次元好きの匿名さん 24/04/12(金) 08:33:13]

いっぱい書いていただいてる…
ありがとうございます
長所と短所両方ある子はいろいろ考えやすいですね

[42 二次元好きの匿名さん 24/04/12(金) 18:45:47]

>>38

こういうトレーナーとの絆を感じる描写好きです

[43 二次元好きの匿名さん 24/04/12(金) 22:42:22]

>>40

最後にもう一つのスキル名を持ってくる

痺れる演出ですね　すごく好き

[44 二次元好きの匿名さん 24/04/13(土) 10:01:49]

どうやったら少ない情報でここまでかけるんだ

[45 二次元好きの匿名さん 24/04/13(土) 18:22:47]

>>44

日頃の自給自足（妄想）からです……

[46 二次元好きの匿名さん 24/04/14(日) 01:21:28]

『コーナー回復+直線加速』

　基礎に忠実に。ゲートを出たら前目の位置をキープして、コーナーで速度を落としつつ息を入れる。そうして温存した体力を活かして最後の直線で一気に加速する。実に教科書通りの良い子な走りで、特別際立った戦法も無い走り方だ。

　そうした走りで得られる結果は教科書通り、ほどほどの結果。偶にの一着と、掲示板に入ったり入り損ねたり。贅沢な悩みだとは思うけど、本音を言ってしまえば、そう。走っていてつまらない……ハラハラもドキドキも無くて、レース自体が面白く無い様に錯覚してしまう。

　少しだけ走って、引退して、普通に就職して……実にビターでベター。つまらないエンディングを迎えるのだろうと私は私自身を評価していた。

　でも、それも悪く無いんじゃないか。それが普通で、ベストなんじゃないか。なんて、自分に言い聞かせてた頃に……トレーナー、君に出会えた。

　君はなんともまあ自分勝手で、私の走りを「良い走りだ」だのなんだの……挙句、「もっと面白い走りをしないか」なんて、その時の私にとってはある意味で殺し文句な誘い方をしてくれて。

　君が教えた走り方は、加速するのは最初も最初。スタート直後の直線で加速してから入るハイペースの消耗戦を仕掛ける物。そうして相手が疲れたコーナーで自分だけ息を入れて、最後は自慢のパワーで押し切る様に……なんて。

　理想論を超えて暴論染みた作戦だったけど、それでも私にとってはつまらないを覆していける気がして。だから、君の手を取ったんだ。

　この手が離れる時はきっといつか来る。だけど、その時に感じる想いは絶対にビターなものでは無い。君のおかげで得られたこの楽しい思い出は、エンディングを迎えても永遠に味わい続けられる物だから。

ビターパルフェ - モブウマ娘図鑑

[47 二次元好きの匿名さん 24/04/14(日) 09:40:28]

こういう定石を外れた戦法をとる子がいると、レース展開が面白くなりそう

[48 二次元好きの匿名さん 24/04/14(日) 19:02:48]

『直線巧者+臨機応変』

　レースの舞台に上がれば、私たちは演者だ。観客の視線と言うスポットライトを浴びながら、ある者はケモノの様に、ある者は騎士の様に、ある者はピエロの様に、飢えて/正々堂々と/戯けて走り、もっともライトに照らされる一着の座を奪い合う。苛烈で、華々しい争いは血を流さないコロセウム……私もそんなレースの誘蛾灯に引き寄せられた一人。

　私は人を楽しませる事が好きだ。だから、多くの人が集まり喜び、時に悲しむその舞台に引き寄せられるのは当然も当然。幸いにも手元には舞台へ上がるための才能と言うチケットは握られていたからね。

　人をより楽しませるのなら、私はアドリブが重要だと思っている。演者のその時その瞬間に感じた事をそのまま伝える様なアドリブはそれを見た人の記憶に深く、深く刻み込まれる思い出になる。何一つとして同じものの無いレースもまた、全てがアドリブの世界と言っていい。

　とはいえ、私ほどの演者なら割と居るのがこの舞台。時には上手い演者が主役の座を勝ち取り、私は脇役に甘んじる事も勿論ありました。そこで腐る？　そんな訳無いですとも、私たちの本質は何処までも泥臭い努力と私を導いてくれるトレーナー、あなたたちとの絆ですからね。努力をトレーナーと共に重ねて行く限りは何処までも可能性に満ちていると、私は信じています。

　……さて、トレーナー。私たち主演の舞台、開幕は間も無くです。アドリブ塗れの奇想天外一期一会、可能性に溢れたこのレースをどうか、お楽しみください……と、言えど一つだけ。トレーナー、あなたの言葉があれば私は、アドリブの余地の無い勝利をきっと、勝ち取れますので────一言だけ、お願いします。

　────ふふ、ええ。ありがとう、トレーナー。これでこの舞台の主演は、決まりですよ？

ショーマンズアクト - モブウマ娘図鑑

[49 二次元好きの匿名さん 24/04/15(月) 01:36:14]

この子、根性低め=競り合いは苦手なのね
それをコース取りでうまく補って差し切ろうとするわけか

[50 二次元好きの匿名さん 24/04/15(月) 11:14:27]

賢さは高い方だからレース中の判断がいいんだろうか

[51 二次元好きの匿名さん 24/04/15(月) 16:44:35]

なにっ！？良作の宝庫っ！

[52 二次元好きの匿名さん 24/04/15(月) 19:45:37]

誰書くか迷った時用に

ランダムモブウマ娘

[53 二次元好きの匿名さん 24/04/16(火) 01:17:13]

『右回り+バ群嫌い+先駆け+前途洋々』

　輝かしい未来ほど、怖いものはない。人に聞かれたら首を傾げられる様な事だろうけど、私にとっては幽霊だとか事故だとかよりも怖い物。もっと厳密に言えば、特別な『幸せ』が怖いのだ。細やかな幸せは平気だけど、特別な幸せを知ってしまえば。きっと、私はその幸せを何度も求めてしまう。今までの細やかな幸せよりも優先して、求めてしまうから。
　だけれど、その恐怖は周りから見れば理解され無いから、そっと蓋をして、隠して、仮初て、周りと同じ様に特別な幸せが欲しい様に装う。
　私の人生はきっと恵まれている。良い友人が居て、良い家族が居て、環境は私が望んだ仮初の夢を追いかける事を許してくれる。私が掲げた仮初の夢は、周りから望まれた物と同じ様に『中央』のレースに出る事……つまるところ、トレセンへの入学。そして、見合う苦労の先でそれは叶ったのだ。
　嬉しく無い訳じゃない。だけど、少しだけ後ろめたい。望まれたから望んだ中身の無い、役だけが存在して、演じる人が居ない様な私が少ない席の一つに座っている事が酷く、申し訳ない。無論不正などしていない、しっかりと試験も面接も自力で突破した。してしまった。だから、これはもう覆らない確定したレースなのだ。
　一人で過ごす事が増えるのはある意味で当然だった。何せ、多かれ少なかれ熱意のある周りとの温度差は無視できない物だろう。下手に関わってそのチグハグな温度差で傷付いたり傷付けるよりも、距離を開いて、少し遠くから見ておくのがお互いの為だと思っていたから。
　……けど、レースだけは。やはりレースだけは、ウマ娘の本能なのか手を抜いたりは出来ないし、全力で走ってしまう。そうして一度。一度だけ。模擬レースで一着を取れた。取れてしまった。

[54 二次元好きの匿名さん 24/04/16(火) 01:17:38]

>>53

　凄く、凄く嬉しかった。今までで一番嬉しくて……そして、今までの幸せの基準を覆す、特別な幸せを知ってしまった。

　今までは、レースの時間と期間限定のスイーツの販売時間が被ってたら、スイーツを選んでた。

　今までは、レース番組とドラマなら、ドラマを選んでた。

　今までは、今までは、今までは────なのに、今は。二択が迫った時に、レースを手に取ってしまう。レースの幸福の味を知ってしまったら、戻れない。それからはもう、深夜に抜け出して走り込みすら始めてしまった。だって、そうしないとあの幸せをもう一度味わえないから……そうして、ふとした時にやっぱりこうなったと、私が私に苦笑い。仮初の夢だった中央のレースは、もう本当の夢になるまで侵食してしまった。

　……トレーナーさん。聞いての通り、私はレースを知っておかしくなってしまいました。結局、レースにのめり込んだ今でも温度差を感じます……いえ、今だからこそ感じるのかもしれません。

　今までの私はきっと、今まで演じてた役に……トレセンでの活躍を夢見てた『私』に、食べられてしまったんですね。

　前の私を知っていて、今の『私』に違和感を感じて声を掛けてくれた、トレーナーさん。もし、私の走りに夢を見てくれるなら……私に幸せの味をもう一度、味合わせてくれませんか？

セレブアクトレス - モブウマ娘図鑑

[55 二次元好きの匿名さん 24/04/16(火) 09:56:35]

ちょっと依存気味になってるところもいいと思います
この子中距離Aだし元から有望株だったんだろうか

[56 二次元好きの匿名さん 24/04/16(火) 17:01:44]

『特筆事項：なし』

　あーしの生き方は器用とも不器用とも言えない物だった。特別勝る事も劣る事も無いから、注目される事も無いし、自分もそう言う特別になろうとかした事は無かったし。

　それでも仲の良いダチは出来るし、それなりの夢を抱えてる。びっくりするほどフツーっしょ？　幻滅した？　してない？　そっ、なら続けんよ？

　んでまあ、あーしのダチってさ。割と将来有望だったんよ。重賞どころかＧ１行けるんじゃね！？　って周りは騒いでる程度にはね〜……そう、『だった』ん。有望な子ってちっちゃい頃からフツーじゃない努力をするけど、それがダメだったんかなぁ……あの子、期待に応えようと無茶しちゃったんよ。まあ、トレーナーなら偶に聞く話じゃない？　そんで脚壊しちゃったせいでーって……んでまあ、その子はトレセン来るの諦めるしか無くなっちゃってさ。ひっどいカミサマだよね。けどさ、あーしからしたらダチがただ夢を諦めるなんて嫌だったんよ。じゃあどーすっかって言うと……この通り、あーしが此処に来たのが答えになるよね。

　あーしはその子から……アイツから託された。『自分が見れなくなった夢を代わりに見て欲しい』って。大切なダチの夢を背負える……サイコーっしょ？　あーしはご主人様の夢を叶える召使いってワケだ。けど変な目で見んなよ、これはあーしが望んで決めた夢だからさ。

　んじゃ、改めて聞くわトレーナー。あーしと一緒に、あーしと一緒に誰かの夢に仕える気、ある？　あるんならこれからは同僚だよ、あの子の夢のチュージツな召使いとして、ね。

ロイヤルサーバント - モブウマ娘図鑑