- 1二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 17:46:48
歴代スレ
ここだけいろはちゃんが・・・|あにまん掲示板男の子として生まれた世界なんやかんやあって変身すると魔法少女になりますbbs.animanch.com環いろはくんスレ完走記念スレ|あにまん掲示板もしいろはちゃんが男の子で魔法少女だったらスレの完走記念スレです。需要あったら使ってください。https://bbs.animanch.com/board/520733/bbs.animanch.com環いろはくんスレ完走記念スレ完走記念スレ|あにまん掲示板まさかの完走2スレ目需要あれば使ってhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/bbs.animanch.com環いろはくんスレpart4|あにまん掲示板歴代スレhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/https://bbs.animanch…bbs.animanch.com環いろはくんスレPart5|あにまん掲示板歴代スレhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/https://bbs.animanch…bbs.animanch.com環いろはくんスレPart6|あにまん掲示板歴代スレhttps://bbs.animanch.com/board/520733/https://bbs.animanch.com/board/555126/https://bbs.animanch…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 17:52:39
建て乙です
- 3二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:10:18
乙
- 4二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:34:49
10まで埋め
- 5二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:35:58
スレ立て乙
- 6二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:38:40
スレ立て感謝埋め
- 7二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:39:11
SSが増えてきて賑わってきて嬉しいぜ
俺ェ - 8二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:45:51
10まで
- 9二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:47:47
梅
- 10二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:47:55
捕手
- 11二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:47:58
ほす
- 12二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 18:56:40
エロいことするのを前提にしたら天原帝国リスペクトが一番楽だが基本一発オチなんだよなあ……
- 13二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 21:18:02
- 14二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 00:52:56
- 15二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 02:25:24
あすなろ抱き状態でひたすらやちよさんに耳ハムされるいろはくん
- 16二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 07:58:11
押し倒されて逆レされかけるいろはくんみたい
- 17二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 14:51:51
空想世界でナチュラルに黒江と添い寝する辺り
いろはくんはムッツリスケベなのかもしんない - 18二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 19:22:17
- 19二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 22:11:11
ねむちゃんが記憶保ってるままだったら罪深いことに…
- 20二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 01:07:24
- 21二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 04:32:44
ウワ鶴みたいにウワサ憑依状態はみてみたい
- 22二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 05:41:21
漠然と長編のプロットだけ考えてるけど「魔法少女を守る少年のウワサ」みたいなの装着して最終決戦みたいなのは書いてみたい。なお二部はメイン敵が魔法少女だから機能不全起こすので初期フォームに戻る模様。
- 23二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 12:24:45
おお、その発想はなかった!
- 24二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 18:56:30
今更だけどいろはくんってえっちだよね
- 25いろは君に興奮するモキュ22/07/05(火) 21:53:16
愚問だな。言うまでもないが、まさにそのとおりモキュ。
- 26二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 00:50:48
小柄な体格だとされるいろはくんだけど
アレは大きいのかもしれない - 27二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 07:24:56
- 28二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 11:06:33
- 29二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 12:08:23
- 30二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 17:10:09
- 31二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 21:14:54
最近背中と髪だけで前を洗ってくれないとブー垂れるうい
凍りつく茶の間
平然といい加減自分でできるようになりなさいと返答するいろはくん
兄妹ってこうなんだとカルチャーショックを受けるさな
よその家庭の事だからと強く出れないやちよ
オレの事も洗ってくれよ~と爆弾を投げ込むフェリシア
そうだ、水徳湯に行こうと現実逃避する鶴野
- 32二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 23:25:26
いいだろ?“血の繋がった”妹だぜ?
- 33二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 23:35:17
- 34二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 00:55:53
1.ねむ「違うんだお兄さん、弟にプレゼントを」(真顔で誤魔化す)
2.かりん「これは資料なの」(必死に言い訳する)
3.かえで「ふゆぅ、一緒に読む?」(卑しい)
カメラ.いつもの人(まーたこういうシーンばっか……)
- 35二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 06:13:01
- 36二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 09:24:42
- 37二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 12:48:02
- 38二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 17:16:00
- 39二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 17:31:43
- 40二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 18:19:42
- 41二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 20:37:20
このレスは削除されています
- 42二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 20:37:54
- 43二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 00:09:20
本編の時点で空回りしてるから…
- 44二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 00:11:38
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 01:06:37
~ファストフード店にて~
樹里「やっぱ忍術とかいいよな。本屋で火遁使ったら落ち葉焚きより派手そうだ」
いろは「犯罪はダメですよ」
樹里「固え事言うなよ、そっちがエロ本買うの見過ごしたんだからこっちの放火くらい目ぇ瞑ったってバチは当たらねえぞ」
いろは「エロ本じゃないです……」
樹里「そこは熱くいけよ、結菜にそんな格好させたいんだろ? え? 胸が足りてないけどな」
ひかる「結菜さんへの定時連絡追記、本日未明変装したいろはさんが二木市に来訪。本屋で樹里さんと合流してファストフードで話し込んでたっす。内容は別個に送信した音声データを参照してください。もしかすると仲良くやっていけるかもっすね」(使い魔越しなので勘違い)
この後突発的な決闘が起こった模様
- 46二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 01:16:49
- 47二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 03:41:30
「なんや面白い所で面白い相手と会ったなぁ?」
「おめかししてこそこそしてどないしたん?今まさにやましいことしてますって感じやで?」
「……ほーん、この本買いに来たんか?可愛い顔しててもしっかり男の子やねぇ」
「中学生と女子大生のえっちなラブコメかぁ。なんやこの女子大生誰かさんににてるなぁ?」
「なに?誰にも言わないでくれ?なんでもするから?」
「フフフ、涙目になって必死すぎやろ。せやな~そこまで言うんやったら……」
「お姉さん今暇なんよ……。ちょーっと話し相手がほしいなぁって」
「向こうに調整屋の車止停めてあるさかい、冷たいお茶でも飲みながらお話しよか?」
「……そういえばさっきの漫画にも似たような場面あったな?車の中であ~んなことやこ~んなこと……」
「……なに赤くなっとんねん……スケベ……」
「……ええよ?漫画みたいなことしよか?何なら漫画以上の事も……な?」
なおすんでのところで月出里達が帰ってきたので未遂に終わった模様
- 48二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 05:11:43
えっちすぎる…
- 49二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 06:01:21
(SSの流れだから前スレ182の続きを投下しておくね……)
日が真上に昇りきったころ、フェリシアはリビングで宿題をしていた。きゅるきゅると鳴り始めたお腹を擦る、どうしても力が入らない。
今日は土曜なので、出かけてゲームセンターとフライドチキンで時間を潰すつもりだったのだが、靴を履く前にやちよに捕まった。
一週間かけて宿題を溜め込んだのがバレたのだ。
仕方なし、説教された後さなとやちよに見張られてみっちりとやらされる羽目になった。
同級生の魔法少女が中央学園にいればねだることも出来ただろうに、いやきっと説教が追加されたか。
爪と消しゴムの汚れに途切れた集中力を奪われながらも、更に残された集中力で宿題を終わらせ、ない。鼻をくんくんと動かして昼御飯までの時間を探っていた。
炒めものか、焼きものか。これが揚げ物ならいいが違うようだ。
残念そうに筆箱と消しゴムで積み木遊びをして気を紛らわせながら、訓練に行ったいろはたちのことを考えだした。
「いろはくんとういちゃん遅いね」
さなも二人のことを気にかけていたようだ。
フェリシアの遊びを咎めながら、自分は宿題ではなく予習をしているさなは心配そうに時計を見た。
昼までに帰ると言っていたが、連絡がないままご飯の前になった。ミラーズにいるはずだが何かあったのか。 - 50二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 06:01:55
「また女絡みのトラブルならいいなあ」
「え、どうして……?」
不謹慎なコトを言い放ったフェリシアにさなが驚きの声を上げる。
「いろはが女絡みの事件に巻き込まれると、やちよの飯の味付けが濃くなるんだよ」
不機嫌になるからストレス解消なのだろうと思っている。さなやういには不評だが、フェリシアには何故か懐かしく好きな味だった。欠点は、気を遣ってくれるのか、毎度自分たちの見えないところでいろはとやちよが喧嘩になることだろう。
喧嘩は深夜に及ぶらしく、少し前のこと、夜中にトイレにいくと二人の部屋から互いを呼ぶ声がしていた。
もののぶつかる音も収まった頃、やちよのすがるようなごめんなさい許してという声を聞いて仲直りしたのだと分かり、その日は快眠出来たのを覚えている。
「…………」
「おいおい、どうしたんだ?」
急に自分を抱きしめたさなを頑張って剥がそうとするが、あまりに慈愛のこもった圧力に力の返しようがない。
そのまま「フェリシアちゃんはそのままでいいと思う」とワケのわからないことを言われてフェリシアは困惑するしかなかった。
さなとやちよのソウルジェムがテレパシーか何かで明滅してるのを感じながら、フェリシアは明日までに終わりそうにない宿題を枕にして勉強以外のために教科書を一瞥した。
玄関のベルが鳴ったのはそんな時だ。いろはだろうか、と思って立ち上がる。さなも立ち、やちよはエプロンを置いて髪を解いた。全員で迎えに行く流れだ。
ただフェリシアから見て二人の様子がおかしい。絶妙に顔がひきつっている。
魔力を探る。反応は4つ、うち二人はこの距離でもいろはとういだと分かった。一人は調整屋、そしてもうひとりは魔法少女だから、間違いなく女だろう。
(よっし、フライパンに醤油とバター追加だ)
この後の食事に期待しながら足早に二人の跡を追う。遅れて玄関に着くと予想だにしない光景が広がっていた。
いろはがいる、ういがいる、みたまがいる。そしてもう一人は……
「……何が起こったの?」
唖然としたやちよに留守組は全員同意した。もう一人の少女もいろはだったのだ。 - 51二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 06:04:59
それからどうした? というとまずは手洗いとうがいなど済ませて、困惑の続く中で菓子などを用意しようとするみたまを必死に抑え込み、急遽呼び出された鶴乃が合流してから会議は始まった。
家族会議は久々だ。フェリシアとしては、議題以上に宿題が流れたことが有り難い。
自分が間違えてやちよ用のシャンプーを使った時のような白けた緊張感に身を委ねながら、フェリシアは出されたジュースのお代わりはいつねだればいいかを窺っていた。
「平行世界のいろはくんはいろはちゃんかー」
鶴乃のまとめ方は簡潔だった。つまりはそう、現状を理屈抜きで認識すれば一言「女のいろはが増えた」で済む。問題はこの物語の幕の下ろし方にあった。
「いろは、ミラーズには合わせ鏡はなかったの?」
「はい、ミラーズに戻って見回ったんですが……」
「あ、ありがとう……」
男のいろはに話しかけたつもりだが、返事が帰ってきたのは女の方だった。声変わりの始まっている時期なせいか声は意外と似ていない、しかし無意識に判別出来るほどの差異ではなかった。
「ええと……ごめんなさい、環さんって呼んでいいかしら?」
「構いません、こっちのやちよさんにもご迷惑をおかけして……」
「私もそっちにはいるのね」
「はい、フェリシアもさなちゃんも鶴乃さんも、みかづき荘の皆は変わりありませんね」
「僕だけが違うのか……」
「うん、何でだろうね?」
二人して考えても、別に分かる理由も無い。同じような顔で同じ仕草、違う性別。鏡写しになった二人を周りは物珍しそうに見つめるしか無かった。
それで、と今後の話を切り出したのはみたまだ。ミラーズの管理者として早急に事態を収束させる必要があった。
「平行世界の人間が近くに居続けてどうなるかなんてキュウベエに聞いても答えが帰ってくるか分からないし、今日明日には決着を付けたいの。みんな今すぐ動けそう?」
「問題ないわ。明日は昼からラジオの仕事があるけど、終わり次第合流できる」
「昼時と夜以外は大丈夫かなー? 今も仕込み終わったところだから早く帰らないといけないんだけど……」
「私は、学校のお勉強は終わりましたから……」
大学生と実家の手伝いは仕事の時間以外は手伝うつもりだった。さなも勤勉さの発露で行っていた自主学習なので大いに時間がある。 - 52二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 06:05:27
「オレもいけるぜ」
フェリシアの発言で全員が机を見た。手つかずの英単語と数学の教科書とノートが見事な砦を作っていた。
「……フェリシアは待機ね。浅い鏡層に皆で行っても手狭なだけだし、待機組に見張りを任せるわ」
「えええーーーー!?」
「フェリシアちゃん、私のことはいいからお勉強頑張ってね?」
がっくりと膝をついたフェリシアの背中を環が撫でる。その手の暖かさはまぎれもなくいろはと一緒で、えもしれぬ安心感があった。
これでかけてくれる言葉も暖かければなあ、と思いフェリシアはいろはを覗き込む。
「……いろは?」
やちよは無理だろう。鶴乃も、さなもういも、いろはさえ。
フェリシアだから気付いたことがある。少女のいろはは自分に似ていた。みかづき荘に住む前、鏡を見てしまうと否応なく目に入った昔の自分を見ているようだった。
「なあ、じゃあまずはいろはとういが宿題手伝ってくれよ」
ホワイトボードにシフト表を書き出したやちよに声をかける。どちらのと聞き返すまでもなく、フェリシアは環の手を握りしめてブンブンと振りまわした。 - 53二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 06:06:57
はい、たぶんここまでで全2話か3話のうち一話までの分量。それはそうと、いろは×みふゆ書き上がったけどメッチャ長いんだがそこまでスレ消費して大丈夫でござろうか
- 54二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 07:21:58
いくらでもお願いします‼︎
- 55二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 11:55:21
- 56二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 17:38:22
あの人めっちゃノリノリになりそう
- 57二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:00:25
というわけで自分なりのいろは×みふゆ投下するよ、エロ漫画のノリも惜しいから後でそのネタで何か考えたいね
・前説
マギレコの個人ストーリー形式の一つである衣服ストーリーのひとつとして考えたよ。
ぶっちゃけ服のイメージした色合いで悩んだからお蔵入りさせたんだけど、一回投稿してブラッシュアップしたいから晒すよ
あと他に書きたいのあるはずだけど死蔵してると書けないからこういうのは恥ごと出していきたい - 58二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:00:47
~みふゆさん大作戦1~
『7時1分、7時1分、本日も中央区サテライトスタジオ神浜より提供、神浜ポップアップトップ……はいっ神浜のみなさんおはようございます』
ラジオを時計代わりに、いろはは一人朝の片付けを始めた。もう他の皆は出かけてしまっている。
家事当番の日、いろははみかづき荘で一番早く起きて、一番遅く出るのが通例だった。最初にゴミ袋を持って出勤するのはやちよ。次にフェリシア・さな・ういが途中まで同じ道を行って駅近くで分かれる。いろはは鶴乃やレナが泊まった時は揃って学校に向かう。
炊事・掃除・洗濯・月水金にゴミ出し、放課後は買い物。大家族は忙しい。食器洗い機と洗濯乾燥機がなければ目が回っていただろう。
『7時21分、7時21分、今日朝一番の目覚ましソングはラジオネーム「合計100点」さんのリクエストで「マカロン♪」』
どこかで聞いたような、甘ったるい声の甘ったるい歌詞が甘ったるい曲を作る。みかづき荘に来てから、こういう日常の流れを作る時にラジオ番組というのは思ったよりもよく働いてくれると知った。
あとどれくらいで終わる、次は何をすればいい。そういう思考さえも半自動で動かす事ができて、疲れが和らいでいく。
いつもどおりの朝、違いは仕事の前だからやちよさんと布団が遠かったことくらい。
「ねー、まだ終わらないんですか-? 早く出かけましょうよー」
いやもう一つ、昨日から彼女が客間に泊まっていた。
いろはの背後からあろうはずもない声がする、時間と義務の縛りから開放されて、色々と開き直った浪人生みゆふの戯言だった。
『7時45分、7時45分、本日の神浜の天気は東西ともに快晴。夕暮れ時になると海から冷たい空気が流れ込むでしょう。お出かけの際はご注意を』
(ソシャゲ特有の唐突な戦闘パート) - 59二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:01:27
「あの、もう学校行くんですが……」
「ふーん」
キュッと蛇口を捻ったいろはの返事にそっけなく返事をして、みふゆはぐびぐびと色のついた水を飲み干した。
中身は確認している、流石に普通の麦茶だ。この時間からやるほど脳は溶けていないらしい。ただシンクまで洗い終わったのに洗い物を増やさないで欲しかった。
「その服で学校に?」
いろははまだ部屋着のままだ、前は不精して制服に着替えてから家事をやっていたのだが、袖口などが汚れてしまうことがあって、手間だが忙しい朝は後で着替えるようになった。
そういうみふゆこそ、上着はだらしなく肩紐が見える半袖と、下着の上からスパッツを履いた簡素な部屋着なのに、といろはは内心目のやり場に困っていた。
「制服着るに決まってるじゃないですか」
「あらあら、何を着るって?」
クスクスという声がした瞬間、いろはは異変を察し慌てて洗面所に飛び込んでいった。
「あー!?」
洗い物をしている時は水音で気づかなかったが、洗濯機がごうごうと音を立てて回転している。
入っているのが寝間着やタオルだけなら良かった。だがしかし、洗濯機の透明な二重蓋の中で回っているのは自分の制服だ。
「いろはくんの部屋にあったジャージと予備の制服も全部入れておきましたよ」
「なんてことを……!」
いらんことしいが洗面所のドアにもたれて無意味にポーズをキメている。みふゆは用意周到だった。
洗濯機には帰ってから洗う分の洗濯物を含めて限界まで詰め込まれ、洗剤も十分な量が入れられていた。 - 60二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:02:01
買い替えて間もない洗濯機が突然の抜き打ち耐久テストに悲鳴を上げるのを尻目にいろははみふゆに憤った。
「学校あるんですよ!」
「いろはくんいろはくん、確かにあなたには学校があります」
みふゆはすっといろはに体をすり寄せて、どこか色気のある声で囁いた。こんな時でなければ少しドキリとしたかもしれない。
いや、次に言った内容が内容なので、それはないなといろははトキメキを否定した。
「でも私には授業も宿題もなぁい」
「灯花ちゃんの補修終わったんですか?」
「もうこんな時間です、そろそろ出かけないと」
後日聞く所によると、みふゆのスマートフォンには二人から大量の着信があったそうだ。最初はそっけなく機械的な文面が徐々に苛立ちと殺意を熟成させていく脅迫のお手本のような名文だった。
あれこれしているうちに始業時間だ。カバンの上に置かれたいろはのスマホがレナや鶴乃からのメッセージを知らせる色で点滅している。
窮地にあって頑丈ないろはの心は、折れるのではなく萎えかかっていた。みふゆの策略にハマり、なんかもういいやと学校に行く気を削がれてしまっていたのだ。
それでも、私服でも怒られるが学校には行ける。いろはは意を決してみふゆに面と向かった。
「今からあなたを倒して何が何でも学校に行くっていったらどうします」
そう言うことは先刻承知と言わんばかりに、みふゆは胸を張って宣言する。
「もし私が勝ったら、力いっぱい抱きしめながら謝るまで心地いい幻覚の中に閉じ込めてあげます。あれ、スケベな非童貞少年はひょっとして出かけるよりソッチのほうがいいですか~?」
「あ、着替えてくるからみふゆさんもちゃんと準備してくださいね、外に出られる服着てくださいよ」
「………はいはい、分かってますよーだ」
一瞬で拗ねたみふゆを置いて――急かしたのはそっちだろうに、そういうことはもっと雰囲気とか――言いたいことを全て飲みこんだいろはは着替えるため部屋に戻った。
今日一日、いろはは魔女退治でもないのに学校をサボることになった。 - 61二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:02:29
先ずここまで一話(チップ入手の音)
- 62二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:03:00
~みふゆさん大作戦2~
出かける段になって、みふゆはスマートフォンをみかづき荘に置いていくよう言いだした。
一応何故とは聞いてみると、今日はそういう機械に頼らずこの神浜を歩きたいらしい。
おかげでいつもより軽くなったズボンの感触に戸惑いながらも、いろはとみふゆは連れ添って歩き出した。
「今日のおでかけにはもちろんゴールがあります。しかし、制限時間と道ゆきは自由」
「ですがゴールテープが張られるまでの待ち時間とかはありまして、時が来るまで一緒にデートでもしないかと、そう思ったわけです」
「浪人生は暇なんです。出すものは出しますから時間つぶしに付き合ってください」
真昼の神浜はいろはの知る街ではなかった。
朝に聞くラジオの人々がいる向こう側、声よりも車輪の音が響く、誰かが働いている空間とそこに流れる温度のない空気。時間が変わるだけで全てがいろはには新鮮だった。
さぼり・逢い引き、警官に見つかろうものならしょっぴかれる真似をしているのだけど、それでも止めどない好奇心が横にいるみふゆにもはっきりと伝わっている。
「あ、そこ巡回ルートだから迂回しましょう」
一歩大通りに踏み込もうとしたいろはの手をみふゆが握る。
みふゆは警官の動きにも詳しかった。なんで知ってるのかと聞くと、魔法少女の嗜みだそうだ。
「魔女を探してうろつくと、時間帯によってはどうしても警官に補導されかかることがありますからね。覚えておいて損はありませんよ。あなたなら蒼海幇の方々に聞けば喜んで全区域のを教えてもらえるでしょう」
あらゆる意味で非常におっかないことを言って、みゆふは手を握ったままガンガンと進んでいく。
やちよや鶴乃とは並んで歩く。ういと歩けば手を引く、さなと出かければ透明な彼女が傷つかないよう気を配る、フェリシアと一緒なら後ろから見守る。
時には走り、時には歩き、立ち止まり、いろはの知らない神浜がゆっくりと消えていく。故郷から離れ、慣れてきたと思った街をこうして手を引かれて歩くのは未知の感覚だった。 - 63二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:03:41
大橋を渡ると水名区に入る。そのまま真っすぐ行けば『覗き見城下町のウワサ』が居た遊郭街を右手に臨む道が続く。
水名の様相は新西とは随分と違ってくる。新西は学生とコンビニ、モノを運ぶトラックが目立つが、水名ではそういうものが目立たない。
神浜の中で小京都という別称をつけるなら、この水名区がそうだろうと古めく街だ。
職人とおぼしき作務衣の老若やカバンを引く観光客の団体が道を行き交い、テレビや芸能事務所の車が止まって取材している。
そんな中で、2人は道路に向いた茶屋の縁側に座って砂糖菓子をつまんでいた。
「魔法少女は健脚ですけど、さすがに休憩入れないと疲れますねえ」
「あの、近くに警官とかいますけど、大丈夫なんですか?」
顔を向けた道路をタクシーや社用車に混じってパトカーが緩やかに走り、その向こう側では自転車に乗った警官が顔見知りの老婆と談笑している。今も悪いことをしている身としては肝が冷える状況だ。
しかしそれでもみふゆは平然としており、にこやかに笑いながらいろはの口にお菓子を入れた。
「むぐっ」
「ここは新西と違って観光地なんです、いろんな人がいるから堂々としていたら逆に怪しまれないんですよ。だからいろはくんもほら、私にお返しをしてください」
あーんと可愛らしく口を開くみふゆに、いろはは少し照れてしまった。
いろはとみふゆは並ぶといろはの背が少し低い。もしかすると姉弟に見られているかもしれない。
そうでなければ、それこそ恋人か。
魔法少女というのは緊張の続く生業だ、心をほぐすため女の人と肌を重ねる事はある。放課後と休日は基本魔法少女の仲間とあるがままに過ごす。
しかしこうして、平日に白昼堂々とデートをしている事実はいろはの挙動に初々しさを与えていた。
道路の向こうか、車の中か、誰かが自分たちを見たらどう思うか――よりも、いまはみふゆさんを見ておこう。
つまみ上げた砂糖のカエデをみふゆの口ににそっと差し出す。指を擦った唇越しに砂糖の味が伝わってくるようだった。
「さあ、そろそろまた歩きましょうか。もう昼です、次にお腹が空く前に良いところを探しましょう」
遊郭街の前、地元放送局のスタッフたちがゲストと案内役を囲み、幾度と繰り返された言葉遣いで水名の歴史を語っている。
それを横目にまた2人は東へ東へと歩き出した。 - 64二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:04:46
(ソシャゲで何故か挟まる本編に関係ない戦闘)
お昼時と言ったが、水名の東にある中央区は端々で食欲の欠けた街だ。歴史博物館前で小道に入り、パズルタイムロックや名無しさんに近い道をひたすら歩いているとそれが分かる。
炊事の匂いはどこからともなくほんのりと漂うが、全てが社会という形に飲まれてしまっている。夜は酒場になる食堂は入りづらいし、チェーン店の中には働く人ばかりで気後れする。
つまりはどこもかしこも、スーツ姿の群れに私服の男女は否応にも目立つ。フェリシアの通う学校もあるし、ここから2人はまたコソコソとしなければならない。
薄暗い路地裏、ビルの上、電波塔、芸能事務所の屋上、突如現れる古い団地。人と人の営みが作り出す迷宮の中に潜む魔法少女のための道を、時に幻覚をまとい、時に休みながら2人は手を取り合って駆けていった。
「あっちの通りを行くと記憶ミュージアム行きですねえ」
時刻はもう二時を回っているだろう。神浜TVに近い、東央線の中央側始発となる駅、その駅前にあるカレー屋で2人は少し遅い食事を取ることにした。
環状線が通る隣の駅ならまだしも、東に用事があってもめったに来ない駅だ。そんな馴染みのない場所も、時間が変われば見知らぬ人で溢れている。
水名の時と同じで、こうも人が多いと魔法少女さえ紛れてしまうのか。
「どうです? スマートフォンを置いた散歩って楽しいでしょう?」
カレーの後のフルーツジュースの優しさを味わいながら、辺りを見渡す。
窓の向こう、店の中、人間、魔法少女、子供、大人、オトコ、おんな。あるいはペットたちさえも頼る道具を自分たちは持っていない。 - 65二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:04:57
奇妙な孤独感だ。そしてその孤独が、みふゆとの距離をいっそう縮めようと後押ししているようでさえある。
対面に座るみふゆの顔を見て、いろはは何故か今すぐ横に座ってみふゆの体温を感じてみたくなった。
いろはの思いを知ってか知らずしてか、いろはのズボンを温かいものが撫でた。
窓の側、靴を脱いだみふゆの左足がいたずらに自分の脛を触っていた。
懐かしい感触ではあった。宝崎に居た頃、適当な店で休んでいると、ある変態がいつの間にか忍び込んで足を触っていた案件が幾つもある。
めくりあげて吸ってこないだけ大人しいなと、いろはは壊れてしまった常識のままに動く足を自由にさせる。
すると何故かみふゆは一段と機嫌を良くしていった。
空になった食器の光沢、エアコンの作る快適さ、みふゆの見たこともない気ままなしぐさ。
時に無言で、時に話し、互いに満足し合うまでの時間だけを遣ってから、二人は店を後にした。
「行きましょう。そろそろゴールですよ」 - 66二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:07:16
ここまで二話、あと神浜の設定は一部適当にそれっぽく語ってるだけだから公式とも少し違うよ、タイムワープしないように気をつけてるけど横浜とか行ったこと無いからちょっと広さの感覚が合ってるかわっかんないなこれ
- 67二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:07:44
~みふゆさん大作戦3~
みふゆに導かれるままいろはは歩いていく。ここに来て、ようやくみふゆは目的地を教えてくれた。
ここまでくるといろはでも推測はできた、やはり工匠区に用事があるらしい。
天気予報の通り、少し肌寒くなる気配を感じた頃合いで、二人は取り壊しの進む廃墟群を抜けた。大魔女ワルプルギスの爪痕だった。
中央区の中心部と栄の繁華街は迅速に復旧したが、工匠の西側はまだ瓦礫・工事現場などの痕跡が目立つ。
工匠学舎歴史研究部が巻き起こした大騒動に奔走させられた時からも、工匠区は滅多に訪れない場所だったが、少し歩いた限りだと相変わらず物寂しい街だった。
新西から中央、そして今日は訪れなかった栄。西に比べると店は1階建てとシャッターが立ち並び、すれ違う人は子供と老人が多い。車通りも少なく、すれ違ったのは神浜競馬場と神浜オートレース場を通る中年満載のバスくらいだ。
みふゆによると、東に暮らす人は中央と西で働くことが多いという。
どうしても東部には働き口が見当たらず、高い就職率を誇る工匠学舎を通じて、人材が西と他の都市圏に流れてゆるやかに活気を失っていく。そして西のものは東に仕事を奪われたと怒りの矛先を向ける。
誰かが富めば誰かが窮する止めどない悪循環の流れにあって、“職人の町”というアイデンティティ、馬券と車券の売上で必死に奮起しているのがこの工匠区であるそうだ。
「おかげで和洋問わず衣服は良品が揃っていまして、私の実家でも工匠の品は評判がいいんですよ」
工匠学舎と鉄道車庫を結ぶ通りの中頃にある駅の南側、家屋や商店ではなく小さい倉庫の目立つ区画にみふゆの言うゴールはあった。
看板のないその店は、傍から見たらドアが数個ある普通の民家と倉庫のミックス。
待っていたのは老婆と老人だった。みふゆの姿を見るとうやうやしく一礼し、みふゆもそれに返す。
わけが分からずきょとんとしていたいろはの姿を見て老婆はしきりにうなずくと「恋人さんに無理はさせちゃいけませんよ」と言って、二人を家の横の倉庫へと手招きした。
すたすたと先行して顔を見せてくれないみふゆに続いて一歩踏み込むと、強いハッカと白檀の臭いが鼻いっぱいに広がる。ういと七五三の準備をした時に嗅いだ、古い呉服屋の香りがした。 - 68二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:07:56
中は雑然としていた。棚を埋め尽くす布の巻物、ハンガーにかけられた無数の衣服、ダンボール、木箱。今日見つけた神浜以上に不思議な空間。
土埃よけだろう、外の土台も高かったが、そこから更に階段のある土間だった。
靴を脱いで上がると、そこにはいろはにはハサミと巻き尺程度しかよく分からない道具が所狭しと並ぶ目盛り付きの机に、頑丈そうな木の椅子が何個も並んでいた。
「ここの卸問屋はお得意さんで、私の実家に工匠区の品を卸してくれているんです。まあ今回は仕事が終わるまで待っていたんですけど」
本人が前に何度か言っていたが、そういえばみふゆさんは呉服屋の娘さんだったな、といろはは思い出した。
「みっちゃん、寸法は?」
「今から測ります、お借りしますね」
え、といろはが呟くと、そこには老人から道具を渡され準備を終えたみふゆが居た。エプロンに巻き尺・コンパス・ピン・チョークなどの採寸道具を身に着けた、いろはの知らぬ呉服屋の娘としての姿だ
このご時世、いくら歴史があろうと着物だけで食っていけるわけではない。学校へ制服などを降ろす安定した仕事を請け負っている中で、店の仕事を手伝うため自然と身に着けた技能だった。
「さ、測ってから試着もするんでちゃっちゃと脱いで着替えてください」
まずいろはに真新しい下着が渡された、白シャツとブリーフ、体育の時間に着替える時にからかわれてしまいそうな清潔感の白に気圧されながら、いろはは言った。
「あの、後ろ向いてくれません?」 - 69二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:08:57
(どこで戦ってるのかさっぱりわからない戦闘)
「ぼんず鍛えとるねえ」
「はあ……」
美術の教科書に乗っていたスケッチモデルのように十字架の態勢をとるいろはの二の腕を見て、関西のなまりが残る老人は面白そうに評した。
肌を晒すとそうやって驚かれる事が多い。
マギウスとの戦いと魔女退治で鍛え上げられた体に女性的で幼気な顔が乗っているのは自分からしても多少なりアンバランスだ。
「運動とかやっとる?」
「その、弓や山歩きとかを」
「ええ趣味しとるねえ、若いと山も飛び回れるんかな」
「じっさん、あんた一昨年に腰いわせとるし真似せんでよ」
「せんわ」
「いやあ、どうでしょうねえ、かぶれて北養までひとっ飛びするんじゃないですか?」
「ようせんようせん」
「あら、きっとしよるわこの人」
ゆるゆると喋りながらも、テキパキと尺を動かすみふゆと、みふゆから手渡された数字を元に倉庫からダンボールと衣紋掛けを何個も運んでくる老人を置いて、老婆は氷を浮かべた冷えたお茶を用意してくれていた。
立ったまま体を測られるだけというのも一苦労なことかと思ったが、二人の仕事の手さばきは鮮やかであり、時計の長針がまったく動かないうちにいろはが自分でも知らない自分を表す数字を抜き取っていた。
ああでもない、こうでもないと言い合う二人を尻目に、下着姿のままのいろははお茶を口にする。美味しい、今日一番の味がした。
「この子は細いけどがっしり鍛えとるからね、首も肩も足もしっかりしとるしスポーツ選手用のやないと合わんよ」
「だからこちらに伺ったんですよ。うちでサイズ探したけどいいのが無いんですよねえ」
「若い子はダボダボなん選ばはるからねえ、メーカーもそんなんばっか勧めよるし、若い子でもピッタリのやないと肩腰壊すのに難儀やわ。そんで桃色に合うの言うたら茶色か浅く茶混ぜた黒かなあ」
「ブルーは印象が若すぎますし、サラリーマンとしての好印象を求めてるわけじゃない。いっそカーキ……」 - 70二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:09:08
うんうんと唸る二人を見ていると、なんだかここにいるだけで難題を押し付けている気がして気後れしそうになる。
不安がるいろはの様子を見た老婆は「気にせんとき」とだけ言って笑った。
「ああやって楽しんどるんやから、気ぃ揉むだけ損やし」
「整いました!」
「な?」
さあさあといろはに差し出されたのは中学生向けの礼服だった。
白いカッター、艶が少なく程よい赤さのチェック柄ネクタイ、グレーとベージュ2つの三つ揃え。
片方の色の組み合わせは市立大付属の制服そのものだが、配置を変えるとこうも印象が違うのか。
袖を通したそれらは驚くほど快適な着心地だった。手を上に伸ばしても、体を捻ってもある程度は追随する。裾合わせこそしなければならないが、これほど着心地の良い服は着たことがないと感嘆した。
「本格的に選ぶならあと二時間はかけていくらでも試したいのですが、初めて着るならこのくらいが妥当でしょう」
「ええ仕事さしてもろて。靴の方は婆さんが用意しとるし、わしは仕立て直してからやっちゃんとこに包む準備するわ。お代はどうするん?」
連れられるまま歩き、戸惑いながらこの問屋に入り、流されるままに服を拵えてしまったいろはは困惑した。
チョット待って、これ凄い高い買い物をしているんじゃないか。あとお婆さんが今並べてくれた革靴も、普段履いているスニーカーとは比べ物にならない品だと見て分かる。
「一括で大丈夫です、今回はスポンサー付きですから」
「はい?」
その疑問に対するみふゆの答えに瞠目した。つまりこれは、どういう意図のデートだったんだ?
疑問符で頭が埋め尽くされるいろはにみふゆは答えた。
「実はこれ、やっちゃんと灯花に頼まれていたんですよ、いろはくん」 - 71二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:09:39
三話、次でラスト。呉服屋の光景は友人の実家参照したけどかなり適当だよ。
- 72二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:10:08
~みふゆさん大作戦ファイナルラップ~
先程合わせた革靴と一張羅、今履いているスニーカーと私服。その格差にかくしゃくとしながら、いろはとみふゆは老夫婦に丁寧な別れを告げた。
別れ際に何を言われたのだろう、夕焼けで顔が隠れたみふゆを追うように歩き出す。途中、後ろでただいまと老夫婦に声をかける子とすれ違う。
日は赤々と夕暮れを告げ、南凪から吹き込む湿った風が二人の体を包み込んだ。
この時間帯になると徐々に放課後の学生も増え始める。友達で帰るもの、兄妹で帰るもの、ぽつんと一人歩くもの。西と比べれば小ぢんまりとして年々治安が悪化しているという東部も、和やかな光景は変わらなかった。今頃、ういたちはどうしているのだろう。
東の領域まで来てみて改めて分かったことだが、みふゆは聞き上手で話し上手だ。
問屋からさらに東南へと向かいながら、あちこちにある店、意味ありげな家屋、紛れているモノリスについて語る。
みふゆの頭には詳細な地図が入っているようで、いろはからすれば見分けのつかない神浜の諸々を丁寧に教えてくれた。
そしてなにより、みふゆは東にも知人が多いと実感させられた。
「こんにちわみふゆさん、見回りご苦労さまです」
「はいこんにちは。ソウルジェムの浄化を忘れてはいけませんよ」
そこそこ歩くたびにみふゆはそうやって声をかけられる。
サボり、野外学習、塾通い、部活帰り、浮浪児など、全員魔法少女であり、その少女たちにいろはは胸を張って堂々と挨拶をさせられた。
魔法少女たちと遭遇するようになってから、みふゆは手を握ることを止めた。そしてさながら中央区に居たサラリーマンたちのように、いろはに付き従う構えを見せた。
少し驚き、どうしたんですかと尋ねたが、みふゆは無言でじっとこちらを見つめるだけで何も言ってこなかった。
「僕は神浜マギアユニオンのいろはです、初めまして」
相手によっては初対面で腰が引けそうになるが、みふゆがそれを許してくれない。少しでも姿勢が崩れたら死角から背中・腰・お尻を触って姿勢を正してくる。
真面目にするのかセクハラするのかどっちかにしろと言いたい空気の中、次はあちら、次はこちらとみふゆからのテレパシーの誘導にまかせていろはは歩いていく。 - 73二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:11:03
人もはけた頃、路面電車の警笛が響いていくのを耳にしながら、みふゆは彼女たちのことを話し始めた。
「彼女たちもかつての羽根です。開放とかはわからないけど、とにかく大勢の仲間と居たくてマギウスに入ったくちですね」
「ええ、ええ、人並みの幸福も、秀でた何かがあるわけでもない。才能と戦う心を持っていなくて、それでもただ死にたくないから魔法少女をやっている子達です」
「羽根の社会復帰ってどうしても難しいんです。魔法少女は元々問題を抱えた子が多いんですが、そんな中でも羽根としての活動に時間を割いたせいで勉強が遅れたり友達と疎遠になったりして、大勢が家庭や学校でも更に孤立してしまいました」
「そして何が起こるかと言うと、社会からのドロップアウトですね。こうなるとどうしようもありません、誰かが救ってくれるのを待つしかないんです」
ゴールテープの先、高い買い物をすることになり、きっとまだ顔も覚えきれていない魔法少女たちと面を通し、そして今は沼を見渡せる道に立っている。大東区と工匠区の端境、対岸に観覧車草原を臨む場所を見渡せるところだ。
沈む夕日を背に、今日の用事を全て終えた二人は何も言わず佇んでいた。
いろはは聞きたいことがあった。どうしてあの服が要るのとか、それでやちよと灯花がなんでお金を用立ててくれたのかとか。
終わってみると不思議なデートだった。異性と一緒にカラオケや映画館、プールに行ったことは、何故かかなりある。しかしこうして普段暮らす街の別側面を見ながら大人の買い物をするという経験は無かった。
体ではなく、心が少し背伸びしたような心境だ。
「いろはくん」
風の弱い小高い道路、誰も居ないバス亭で二人帰り路を待つ。
沼の方を見下ろすとカエルや季節の虫たちがけたましく泣いている。戦いの日々を心から喪失した心地に染み入るいろはに、みふゆは声をかけた。
「あの老夫婦のお孫さんも魔法少女です」
「え――」 - 74二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:12:44
「他愛ない苦しみを消すために安易な願いを望み、戦うのが怖くて引きこもりになって親に見捨てられて、関西から慌てて戻ってこられた老夫婦に引き取られました。羽根を通じて魔法少女の仲間ができてからは学校にも通えていますが……」
真っ直ぐと真摯に、詫びるようにこちらを見るみふゆを、いろははじっと見つめ返した。今なにか言うべきではないと思った。
「いろはくん、あなたは羽根からマギウスという救済を奪いました。ぶっちゃけ土壇場のアリナのワガママが原因じゃないかとも思うんですが、大勢いるあの子の仲間ではなく、ただ一人自分の妹を選び、結果皆とこの神浜を救うことが出来ました」
「はい」
「そしてあなたはここに残った。いっそみかづき荘から出て宝崎に帰っても良かったのに、神浜の魔法少女としての道を選んだ。いろはくん、今日のことで色々と聞きたいのはそっちかもしれませんが、私も質問があります」
みふゆの聞き方はどこまでも弱々しかった。いっそのこと、あの子達の苦しみの一部はお前のせいだと責められたら楽なのだろう、でもそういう聞き方ができない。みふゆからすれば、イヴに囚われていたういも守るべき対象だからだ。それを死なせればよかったなどと口が裂けても言えない。
もし仮に魔法少女として弱らなくても、つい弱い側を気にかけてしまうのがみふゆだった。
「何があってもあの服に袖を通してくれますか? 彼女たちを、生きることに精一杯で助けても何も返すことの出来ない魔法少女たちを、あなたは助けてくれますか?」
白熱した電灯が塵を灼く音がする。ここはみふゆ以外のなにもかもが暗い。
いろはは理解した、ここにあるが本当のゴールテープだ。
みふゆは不安だったのかもしれない。ふらりと現れた自分は、今日出会った他人達からすれば妹を助けた以上神浜にいる理由がない。いくら灯花とねむがいるとはいえ、ういのためにただの魔法少女として宝崎に帰ろうというのを誰が咎められるというのだ。
だから自分たちと同じように神浜を知ってほしかった。ここはいい場所だ、あなたを必要とする見知らぬ人達がいるのだと、自分たち東西中央の顔となった魔法少女がうっかり背負ってしまったものと同じ呪いを与え縛ろうとした。 - 75二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:12:54
「助けます、出来る限りは」
迷いは忘れて、淀みなく答える。歩道と車道を分ける掠れた白線を踏み越え、みふゆの方に歩み出した。
「私に気を使わなくてもいいですよ」
冗談めかした言い方だった。いろはは何も冗談のつもりはなかった。
「僕がういを助けられたのは、ワルプルギスを倒せたことも含めてきっと理由のわからない奇跡のおかげです。でもその奇跡に巡り合うまで、僕は神浜の皆に助けられました。だから僕は神浜の皆を助けたいんです」
それがいろはの本心だった。だからこそみかづき荘に残った。そして今日、見知らぬ神浜の中で、それは間違いじゃなかったと思う。 助けてくれた人とともに在る人たちもいる。魔女という厄災はある意味女達の自業自得だ、しかしそのせいでその人達まで泣くことを見過ごして良いわけじゃない。
魔法少女だって人間で、人間なら、誰かと生きているはずなのだ。その誰かが居なくなる空虚が嫌でここ神浜に来た少年は、喪失の苦しさから眼をそらせなくなっていた。よく分からないものに助けられたのだから、よく分からなくても助けなければいけないと思った。
みふゆは破顔していた。ようやく一つ荷が降りた。そういう顔だった。たまらなくなって、いろはは昼間と違い遠慮せずみふゆの横に座った。
「ええと、あとその、弱い人だけじゃありません。みふゆさんたちも楽ができるように、僕自身ももう少し強くなります」
「やだもう」
いろはの体にみふゆの重さが加わる。みふゆの影がいろはの顔を隠す。みふゆは確りといろはを抱きしめ唇を舐めた。
「ああ、駄目です、駄目、本気で甘えてしまうから、そういう事はあまり言わないで」
今度はいろはもみふゆの体に触れる。その姿勢のままで、二人はアスファルトが震えるまで待ち続けた。 - 76二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:14:06
(微塵も空気読まないW3くらいの魔女とか出る戦闘)
バスは北に向かって進む。そこから大東と栄を結ぶ路線を西に行く電車に乗り、環状線へと乗り継いでいけば水名の中央駅。そこから新西への電車が続く。東西の対立とはいうが、人の流れとはそれでもなお止めようがなく世知辛い。
みふゆを家に送るため水名で降りた瞬間、いろはは猛烈な悪寒に襲われた。みふゆも同様だった。
おかしい、何かが。まるで虎の狩場に迷い込んだ鹿になった気分だ。
辺りはすっかり暗く、駅から歩いて橋へ向かう道の人通りはない。ソウルジェムをかざす。使い魔と魔女の気配はない。しかし、強大な魔力の流れを感じ取った。
あ、とやちよが声を上げる。人気のない闇の向こう、閉じた観光地の冷たさに紛れながらこちらを伺う蒼い人影があった。
他の誰でもない、七海やちよが膨大な魔力を滾らせ、氷のような眼光でこちらを見据えていた。
「みふゆ」
怨嗟の響きにビクリとみふゆの体が震える。思わずいろはの影に隠れると、その圧力はいろはの方にまで向けられた。
「みふゆ、みふゆ、みふゆ」
「その、どうしたのかなーやっちゃん、なんて……」
一歩一歩と近づくほどに、闇に隠れたその表情があらわになる。内側に殺意を塗りたくった能面、つまり感情が死んだ無表情だ。
テンションがいろはが行方不明になった時のものにまで戻っている。
「ええ、ええ、私は頼んだわ。たまにはいろはと二人きりでいい所にお食事に行きたいけれど、仕事柄男の洒落着なんて選んだら事務所にも迷惑がかかるから、あなたなら服の審美眼も確かでしょうし“放課後に”見繕ってあげてと。」
ちょっと待て、確かにスポンサーらしいが、放課後ってなんだ。いろはが振り向くと、隠れたままのみふゆは手を合わせてウインクしていた。 - 77二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:15:04
いろはは色々と乗せられたコトを察した。そして自分とみふゆが今非常に危険な状況に置かれていることも。
「それで、なに? どうしてあなた達は一日中デートしているわけ? 水名の観光案内中に車の外を見たらお茶屋であーんして、中央に戻ってスタジオで休憩中の私の上を手をつないで駆けていく。あげくテレビ神浜近くのカレー屋で食事中にイチャイチャ。わざわざ私に見せつけていく理由は?」
見ていたんですか、すれ違っていたんですか、そこに居たんですか。思わず後ずさるいろはの体をみふゆが押し止める。
「あの、みふゆさん。強くなるとか言いましたけどね、こういう時僕を盾に使っていいとかではなく」
「さあ行きましょういろはくん、いまこそあの青い戦神を打倒し一人前の魔法少年として成長する時です」
「早く答えなさいみふゆ、返答によってはあなたのソウルジェムが真っ二つになるわよ」
「みふゆさん! 謝りましょうよ!?」
「無理です! やっちゃんは本気で怒ってます!」
なんだかとても酷い有様だった。唾を付けた若手を盾にするベテランは必死に逃走経路を探していた。
――いくらなんでも電車までは追ってこないだろうし、乗り継いで八雲家に逃げ込めば大丈夫か。
やったことを考えるならバレた瞬間に嫉妬で拷問オペを執行してきそうな人を頼ろうとする辺りみふゆも正気ではない。
それはそうと時刻を見ようと駅の方を振り返ると、その鼻頭に突きつけられたのは日除け傘、そして愛用している赤本だった。
「この期に及んでお兄様の背中に居座るとはいい度胸だねー、殺す?」
「賛成だ、この咎人には適当な処罰が必要だね」
「みふゆさん、後ろからねむちゃんと灯花ちゃんの声がするんですけど……」
「どうやら皆さんおそろいのようで……」
声どころか、そこにいるのは本人たちだ。
爆発寸前まで気を悪くしてマギウス時代に精神が逆行した天才少女たちが各々の得物を構え、制裁を加えるべく待ち構えていた。 - 78二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:15:33
銃口を向けるように、変哲のない傘の石突きをやちよの心臓へ定める。とんと突かれたみゆふの胸が揺れてやちよの瞳孔も揺れる。
いつでも気軽に引き金を引けるんだゾという可愛らしい脅し声で、灯花はとつとつと語りだした。
「少し前に政治の心得があるっていうから美国織莉子とお話したんだけど、お兄様にマギアユニオンの代表と顔役を立派に勤め上げてもらうなら、まず見た目と心構えから磨いた方がいいって話になってにゃあ~……そこの落第女にお願いしちゃったんだあ」
そこで残されていた疑問が氷解し、ようやくいろはは話の全貌を見通した。
二人は本当にスポンサーだったのだ。
やちよはいろはと良いところに出かけたいから洒落着を求め、灯花はいざという時いろはの立場に適した服を求めた。その折衷案があの三つ揃えだった。
問題は、それ以上のことをみふゆが求めた点にある。
デートをしたかった、いろはに神浜のことを知ってほしかった、実はいろはに甘えたかった。
その思考を基軸に練られたのが今日のデートプラン。バレたら邪魔が入るからやちよが発信機を付けていそうな服を洗濯し、ハッキングによる逆探知を警戒してスマートフォンを置いた瞬間から、みふゆの大作戦は始まっていたのだ。
「それで、買い物のために日中デートして最後にロマンチックなキス? もしかしてフザケてるのかなあ? 今ちょっと爆発する覚悟で魔法を使いたいんだけど~?」
「当然、学業を放棄したいろはお兄さんも後でたっぷりお仕置きだよね。むふ、僕楽しみだよ」
「ちょっと待ってなんで知って……あ!?」
工匠区に入ってから、誰か知り合いとすれ違った記憶がない。ただそこで自分の知り合いたちの固有魔法のことを考えれば、何があったかは一目瞭然だった。 - 79二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:15:55
どうしても誰かを追跡したいなら、行動を探る人、ベストショットには必ず遭遇する人、心を読める人が手を組めばいい。
「江利さんと観鳥さんと和泉さん?」
「ぴんぽーん! お兄様ったら鋭ぉい! 電話が通じなかったからもしかして事故かもって言ってあげたんだあ!」
「彼女たちには感謝しているよ、十七夜はキスの瞬間の思考を読んで興奮の余り錯乱したらしいから、二人に介抱してもらっているけどね」
見られていた、いや撮られていたという事実に顔が熱くなる。一方その顔を覗き込んだ灯花は満足げな顔で頷いていた。
「カッコいいお兄様の写真もあるから許してあげてもいい……くふふっ、やっぱだーめだにゃー」
「お兄さんアルバムに記念すべき数点が加わったのはいいけど、功績と功罪は別だからね。残念ながらお兄さんとみふゆは司法に従ってもらおうじゃないか」
「司法?」
「そうよいろは、桜の樹の下でもやったでしょう……出ませい陪審員たち!!」
気がつけばみふゆの首を締め上げているやちよの合図で隠蔽の魔法が剥がれる。隠れていた者たちが姿を表す。
さなが盾の後ろからこっちを睨んでいた、フェリシアは二人で遊びに行ったことをズルいと怒っていた、ういは不真面目な真似をした兄に憤っている。朝に馬鹿なリクエストをしていた鶴乃はやちよの手でリタイア済だ。
レナは今にも泣き出しそうだ、かえでは来週にもいろはをオシャレなデートに誘おうかと別な事を考えている、ももこは顔を真赤にしながら写真を注視してこっちに関わるどころではない。十七夜の代理で来たひなのは「リア充は破裂せよ」と中指立てて息巻いている。
桜子がウワサを代表して「│ぱぱ、ふりょうになっちゃだめ│」とメッセージを伝えてきた。それを聞いて次に自分をママと呼ばせるプランを組み立てようとしていたねむの車椅子を灯花が突く。
辺りを見回す、背中の重しは捕獲された宇宙人のようにやちよとマギウス二人の手で連行されていく。
残されたいろはは全てを諦め深々とお辞儀した。
「この度は多方面にご迷惑をおかけしてまことに申し訳ありませんでした。深く反省しております」
こうしていろはは、今日も大人に近づいた。 - 80二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 19:17:10
- 81二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 20:36:38
いやほんと良いもん出すよ貴方
- 82二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 20:40:31
みふゆさん卑しくかわいいな…
大作乙です - 83二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 21:23:56
たまんねえよ…
- 84二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 05:00:57
めっちゃよかった
- 85二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 09:10:00
いろみふありがとうございます!
- 86二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 09:21:54
最高じゃないか
- 87二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 15:41:24
なんだかんだでこのスレも3ヶ月経ったのね
11章次第で新たなネタが投下されると思うとワクワクする - 88二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 18:50:42
勢力間闘争と東西分裂も片付いたから後始末ときゅうべえ対策、あとアリナ捕まえたりとやることが多いな
- 89二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:57:30
保守
- 90二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 05:17:10
ほしゅ
- 91二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:37:10
- 92二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 08:41:34
金銭感覚バグってるいろはくんか…
- 93二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 08:44:12
両親が共働きで海外に赴任は子供に相当の我慢を強いる代わりに金にだけは困らんだろうしね
- 94二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 13:27:03
高額の食事奢って逆に心配されそう
- 95二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 16:38:37
いろは坊ちゃんのメイドさんになりてえなあ
- 96二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 16:45:36
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- 97二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 16:46:32
そうでもないと中学生なのに単身で定期的に神浜の病院まで行けるはずないからなあ……まどかもだけど、困窮と無縁そうな家庭とその真逆が多い
- 98二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 20:30:23
久しぶりに来たら素晴らしいssが…ありがとうございます
- 99二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 21:38:59
- 100二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 21:42:07
- 101二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 00:50:09
- 102二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 06:43:17
- 103二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 07:25:02
- 104二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 10:21:32
- 105二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 14:20:58
フェリが万々歳で働いてるしいけるいける
- 106二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 20:02:33
- 107二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:25:31
もう7スレ目なのに今更何を言ってるんだ……?
- 108二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 01:37:11
神浜だぞ?
- 109二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 05:27:39
このレスは削除されています
- 110二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:09:30
アルバイトで調整屋で耳かき屋を開いたいろはくん
おさわりは厳禁だが調整屋にわいろを渡すと目こぼししてくれるらしい - 111二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 19:11:48
- 112二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 23:33:58
- 113二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 02:00:42
- 114二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 07:08:20
いろはくんほんとかわいい
- 115二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 16:26:36
- 116二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 16:28:33
- 117二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 18:54:25
- 118二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 19:59:09
キスびっちいろはくんという新概念
頼まれれば誰とでもキスするよ
フレンチからディープな奴まで様々だよ
大学生もビックリなスゴテクもちだよ - 119二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:25:17
えっろ……
- 120二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 23:43:38
誰も書いてくれないから自分で書いたアル。いろはくんそこそこのお坊ちゃん設定、かつ氷室ラニが来ていたらというif
~ある少年と少女のフーガ~
「環くんは食べ方が綺麗ね」
二人して夕食の片付けをやっているとやちよはそう言った。
彼女は魚の後始末をしていて、フェリシアの食べた後の汚さでお冠だった。
それと比べると、骨とかしらだけを残したいろはの食べ方は確かにゴミとしては綺麗と言って良いのかもしれない。
「今度から取ってあげた方がいいでしょうか?」
「そこまで甘やかすのも良くないわ、取り方を教えてあげましょう」
いろははフェリシアのことだからお箸の使い方から、の方がいいと思った。
屋根の下で共に暮らすようになって数日経つ、ここのところ二人を一番困らせたのはもっぱらフェリシアのことだった。
とにかく色々と大変だったのだ、ウワサに閉じ込められていたさなもだが、匂いとか、いの一番シャワーを浴びせた時にごそっと落ちた汚れとか。
(自分は男なのに)やちよに呼ばれて二人して水着でフェリシアと浴場を洗うハメになるほどだった。
閑話休題(さておき)、いろはは魚の食べ方であれば少しずつなら教えてあげられる自信があった。彼自身ある人から家事にまつわる様々なことを習った身なのだから。
そのように告げると、やちよは意外そうな顔をした。
最初はやはり男性だからと不安だったが、一緒に暮らしてみると家事全般つつがなくこなしていたので、生まれつき手先が器用な質だと思いこんでいた。
ひょっとするとお家の方からよくしつけられていたのか。
「そうだったの?
「はい、家政婦さんの一人から習いました」
その回答はやちよにとって予想外のものだった。
- 121二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 23:45:23
たまに聞く単語ではある、ドラマで共演したこともある、引退した先輩たちの中では妊娠中と後にそれを雇う人が居たのも知っている。
「家政婦?」
「両親が家を空けることが多かったんで、その間だけお世話になっていたんですよ」
広い家なもので、掃除も一人ではおぼつかないから大変お世話になったといろははしみじみと語った。
一方やちよは色々と認識を改めることになった。
洗濯物の私服を手にとった時から気にかかっていたが、靴下のみならず下着まで良いものというか、芸能人の自分とさほど変わらないものを使っていた。
実家から持ち込まれた食器類も輝きがよく、粗雑に扱う気にはならない。それを使って食事中に静々と手元を動かす姿は実に洗練されていた。
一緒に薬局で選んだシャンプーも男性向けのものではなく、やや安い目ながら評判のよい薬用のものである。もしや最近の男子中学生はこのようにしっかりしているのかと思っていたのだが、どうも彼が特別なだけらしい。
――もしかしてお坊ちゃん育ちだったの……?
さすがに出会って一年経っていない人からそういうことは聞けないと遠慮しながらも、ここで黙ってしまうのも感じが良くないと思いつつ、魚の残骸とキッチンペーパーを入れたビニール袋の口を閉める。
ゴミ箱にガシガシと押し込みながら、ではせめてその家政婦さんのことくらいは聞けないかなと会話の妥協点を探っていた。
「家政婦さんというとご年配の方かしら?」
「いえ、僕より2才上の人ですよ」
「え……?」
脳裏を真っ先によぎったのは労働基準法という言葉だった。お金持ちがいたいけな少女を労働させてるとかそういう案件かと背中に冷たいものを感じた。
やちよの思考を知ってか知らずしてか、いろははそのまま懐かしそうその少女についてを語り始めた。
「実はこれも妹に関することなんですが、昔は病弱だったんだけど、ある野菜を食べ続けて体を良くされた人だそうで、その時に使ったレシピの伝授と使う野菜の販売に来られた方なんです」
良かった、週刊誌にすっぱ抜かれるセレブは実在しなかったらしい。 - 122二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 23:46:14
それはそれとして、いろはの語る内容だとやちよにしてみればその少女がまた別のものに思える。
「ねえ、それだけ聞くと『幸せになれる壺』の販売員のようなのだけど」
「いえ、里見クリニックの方からの紹介なんで身元は確かなんです……それで結局妹には効かなかったんですが、非常に美味しい野菜だったので定期的に仕入れさせてもらいまして、そのまま何度か僕も母と一緒に料理を習って……その、他の家事も大変達者だったのでそのまま短期契約で家政婦さんをやってもらったんです」
洗濯物の分別・効率のよい家屋の掃除法・上手い買い物のやり方、いろはは少女から全てが家事にまつわる色々なことを習い、結果どこにも婿に出せる少年に仕上げられた。
その時に学んだことがこうして下宿暮らしで――半信半疑だったが本当に――役立っているのだから、人生何が起こるか分からないものだ。
「あの人は本当に凄い家政婦さんでしたよ」
夜の帳の下で、その少女はみかづき荘に点いた灯りを見つめながら少年のことを想っていた。
恩人に「男の魔法少女のことを見てきて欲しい」と頼まれ、恩人の兄をつてに、自分が全快したのは詐欺みたいな理由なのだが美味しさと効能に自信はある野菜を届けに行った先で出会ったのが彼だった。
足繁く通ううち、彼は“妹”のために慣れない包丁を握り、怪我をしそうになりながらも、頑張って小さなお弁当を作りあげた。
今、私はその妹さんのことを覚えていないのだが、その時の彼の熱心な横顔は忘れていない。だからきっと、あんなに頑張っていた彼には本当に妹さんが居た。そのためにこの街に来た。
彼は世界にただ一人の魔法少年だ。しかし、自分と妹さんにとっては、妹思いの一人の少年に過ぎない。そんな彼にここまでの期待を寄せるのは間違いなのだろう。
しかし、もしも彼が本当に妹さんを取り戻せたのなら――
「……頑張ってくださいいろは坊っちゃん、あなたが願いを叶えられたのなら、私はもう一度、奇跡を信じてもいいかもしれないんです」
誰も知らぬフォークロア(おとぎ話)が再び現実に為ることを願い、少女はみかづき荘に背を向けた。月しか知らぬ出来事であった。 - 123二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 23:54:31
はいおしまーい、二部で再会してびっくりする模様
(副題、フェリシアって寝泊まりどうしてたんだろうねという疑問) - 124二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 03:30:59
今気づいたがみっちゃんじゃなくてやっちゃんになってるし、やっぱ誤字って一回は投稿しないと分からないから怖い
- 125二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 08:22:42
- 126二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 15:11:11
- 127二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 19:34:07
おつおつ
フェリシアはホテルに泊まって支払いの時に忘却魔法で踏み倒してたとか……?もしかしたら火事現場の家に戻ってた可能性もあるけど
さなちゃんはきっとアイちゃんが噂空間にお風呂作ってくれてたはず……30日くらいいたらしいし、もしかしたら肉体の代謝止まってたのかもしれないね
- 128二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 21:44:51
- 129二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 01:36:38
- 130二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 04:42:06
- 131二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 08:51:29
- 132二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 11:41:18
- 133二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 16:50:34
アニメ後いろはくんなら躊躇なく蛇調理しそう
- 134いろは君に興奮するモキュ22/07/15(金) 18:00:00
- 135二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 18:23:28
- 136二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 18:28:41
このレスは削除されています
- 137二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 23:42:28
- 138二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 02:30:29
- 139二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 11:15:21
いいっすねぇ~
- 140二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 15:57:14
マミさんもいろはくんと子作りしよう
- 141二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 00:03:43
最新章とんでもない事になってて草
もうこの頃にはいろはくんノリノリで女の子やってますね… - 142二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 04:49:04
でも翼部分が機械っぽいしいろはくんの男の子要素が反映されてる…?
- 143二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 07:29:59
- 144二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 16:54:52
やっちゃんさあ…
- 145二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 20:56:40
- 146二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 00:55:05
- 147二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 04:21:19
人の心ないんか?
- 148二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:31:26
- 149二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 18:21:43
- 150二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 20:17:09
単語の関係で名前のパターンが少ないというのも理由だけどね。あと不吉だといって付けない国もある。
- 151二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 00:08:23
- 152二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 10:34:31
- 153二次元好きの匿名さん22/07/19(火) 19:32:54
- 154二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 00:44:01
重いわ
- 155二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 03:09:24
- 156二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 03:52:21
- 157二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 04:32:42
常連客口説いてるホストかよ
- 158二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 10:34:05
- 159二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 21:11:24
Lapis(ただし一人で歌う)
- 160二次元好きの匿名さん22/07/20(水) 23:59:16
変に凝るより普通に流行歌をレナと一緒に歌うくらいがキュンキュンかもしれない
- 161二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 04:09:31
- 162二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 12:34:36
- 163二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 13:29:44
- 164二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 17:25:53
- 165二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 21:33:51
あらあらまあまあ
- 166二次元好きの匿名さん22/07/21(木) 21:56:06
- 167二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 03:46:54
みたまさんがどんな水着を選ぶか……
- 168二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 04:46:26
やっぱりいろはくんえっちじゃん…
- 169二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 04:48:52
モブいろ
<a href="https://twitter.com/hashtag/マギレコ" target="_blank">#マギレコ</a> — ミゾロギおろ (oro_f) 2020年06月13日巨乳モブちゃんいいよね…
- 170二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 12:44:10
- 171二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 19:00:18
- 172二次元好きの匿名さん22/07/22(金) 23:12:55
攻略対象が…攻略対象が多い……
- 173二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 02:57:06
- 174二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 06:36:10
- 175二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 08:57:46
つ、つよい…
- 176二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 10:07:34
- 177二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 13:52:12
- 178二次元好きの匿名さん22/07/23(土) 21:10:34
戦争が起きる…!
- 179二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 02:13:02
やちよさんがそっちに向かったぞ
- 180二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 05:43:23
おかしい、いろはくんに対するご褒美が見当たらない……
- 181二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 13:24:25
- 182二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 19:42:04
- 183二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 21:00:51
名前もついてないモブみたいな、細かい部分に愛着を持つことがあるのは結構あるらしい
- 184二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 21:04:44
- 185二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 21:32:53
- 186二次元好きの匿名さん22/07/24(日) 21:40:32
みかづき荘の絵面が犯罪的になる
- 187二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 05:35:52
- 188二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 12:19:31
- 189二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 12:21:07
孕む順番によっては神浜壊滅しそう
- 190二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 19:48:39
いろはくんモテモテっすな
- 191二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 05:39:29
- 192二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 08:19:27
爛れた関係にしかならんやつ
- 193二次元好きの匿名さん22/07/26(火) 18:27:41
どの地区の代表が一番進んだ関係になれるかな?
- 194二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 01:16:04
このスレもそろそろ終わりか…
なんか前スレより格段にスレの進み遅かったな - 195二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 02:10:36
創作にレスをあまり注ぎ込まなかったからね。次の章の配信までダラダラやるか、もしくはそろそろ次のスレで終わりってことでもいいんじゃないかな?
- 196二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 03:55:44
前スレでss増えると敷居が高くなって過疎るから悩ましい、みたいなスレもあったから遠慮された方もいるんでない?
- 197二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 11:37:05
- 198二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:52:35
キリよく10くらいまでやって欲しいけど、まぁ…仕方ないか。
- 199二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:18:38
ちょっと今スレ立て出来なくなってるから代わりに誰か頼む
- 200二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:22:39