【閲覧注意】【CP注意】ここだけウタの心の中に曲と対応した人格がいる世界 part3

  • 1◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:18:17
  • 2登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:19:45

    【“ウタ”】(主人格)

     映画の結末の後、肉体的には一命を取り留めたウタ。しかし感情の坩堝となったウタの心はひび割れ、耐え切れずバラバラに。今も心の奥底で眠り続けています。


    【歌の人格たち】

     ウタの心の破片。ウタの歌をベースに生まれた人格。歌の人格が表に出てくるとウタの肉体が目覚め、唄うと人格が交代する。ウタワールド内では別個に存在できる。全員“ウタ”をなんとか救いたいと思っている。でも何が救いになるのかわからず停滞気味(継続中)。

     みんなで協力して一生懸命“ウタ”のフリをしていたけれど、だんだんボロが出てきて、チョッパーの地道な診察の積み重ねでついにバレました。一同揃って、改めて一味入りすることに。

  • 3二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 08:20:27

    立て乙!
    待ってました!

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 08:30:44

    立て乙です!
    楽しみ

  • 5登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:33:40

    【風のゆくえ】元気度★★★★

     幼少の“ウタ”が書き上げた歌。歌のお姉ちゃん(自称)。ウタワールドでは幼少期のウタの姿をとることが多い。内面はわりと幼女で、ウタの純真さと甘えん坊なところ、歌と仲間を大切に思う気持ちが強い。ルフィに気持ちをぶつけたらなんかスッキリ、事態が少し進展してよかったね。

     妹たちへ一言「偽物じゃない、みんなが本物のウタなんだ」

  • 6登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:35:22

    【ビンクスの酒】元気度★★★★★
     “ウタ”が書いていない歌。赤髪海賊団時代に子守唄代わりに聴かされ、みんなで何度も唄った伝統的な海賊の歌。“ウタ”の思い描く理想の海賊のイメージが反映された、海賊を、航海を、冒険を、宴を愛するわりとサバサバした性格。でも海賊らしいことをするのはまだまだこれから。
     ウタ達へ一言「これでみーんな揃って海賊だね~」

  • 7登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:47:12

    【トットムジカ】元気度❌

     “ウタ”が書いていない歌。『魔王トットムジカ』とは関係ない。“ウタ”の抱えていた、自分の行いに対する罪悪感の塊。“ウタ”の運命を狂わせたのは自分だと思っており、自責の念で押しつぶされそう。しんどすぎて消えたがっている。一味と話さなきゃいけない流れに内心焦ってる。

     ウタ達へ一言「…………みんなが嬉しくても、わたしは喜ぶ権利もない……しんどい……」

  • 8登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:50:38

    【世界のつづき】元気度★★★★★

     “ウタ”が一度没にした、疑念を払う歌。「ウタの新時代」が没になったので、その続きを「ルフィの新時代」が作り出してくれることを信じている。信じすぎてちょっと危ないルフィ限界オタクみたいになってる。そのうえ他の人格を出し抜いてルフィを独占したがってる。他人格に相談せず、独断でサニー号へ乗った。

     ルフィへ一言「ルフィはわたし達を受け入れてくれた。信じてたよルフィ!」

  • 9登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:52:17

    【新時代】元気度★★★★★

     “ウタ”を歌姫として押し上げた神曲。評判の高さがそのまま自尊心の高さになったためか調子に乗ってる。一応反省したが「ウタの新時代」自体は諦めておらず、今もこっそり別の計画を練っていて危ない。

     ルフィへ一言「多重人格がバレたって何も変わらないよ。『新時代』はウタが作るんだから!」

  • 10登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 08:59:00

    【逆光】元気度★

     “ウタ”の感情が爆発した歌。いつもイライラツンツンしてるけど根はマトモ。ルフィや一味には複雑な思い。わたしは『海賊嫌い』の歌なんだから、みんなと距離を置こうとしたのに……。

     一言「海賊が嫌いなウタでもいい、って……。わたしは……どうすればいい……?」

  • 11登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 09:01:44

    【私は最強】元気度★★★
     “ウタ”が応援する歌。周りの人やファンに精一杯の元気を与えたくて、『強くてかっこいいウタ』のイメージを大事にしている。しっかり者で、ウタたちのまとめ役になりがち。
     ルフィへ一言「ルフィの前だと最弱になってしまうことは……まだバレてないね!」

  • 12登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 09:06:57

    【ウタカタララバイ】元気度★★★★

     “ウタ”の本音を散りばめた歌。建前ばかりで本音を言わない他のウタを小馬鹿にして笑っている。発破かけるためにルフィをウタワールドに連れ込んでこっそり襲おうとした(未遂)。わたしは寂しがり屋です、と公言したのでもう遠慮しないよ。

     ウタ達へ三言「み~んなホントは寂しがり屋なんだから」「さっさと素直になりなよ~」「早くしないと取っちゃうぞ~」

  • 13登場人格紹介◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 09:08:47

    【スクラッチ】スクラッチ度★★★★★

     “ウタ”が書いていない歌。新時代ヒット後、映像電伝虫を通してどこかの宝くじ会社からCMソングの依頼を受けて唄った。スクラッチするのが大好きでなんでも削りたがる。ルフィをスクラッチするのも大好き。いずれ世界中スクラッチしたいとも思っている。

     ウタ達へ一言「みんなでU・TA・GEしよぉ」

  • 14二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 09:12:29

    ルフィをスクラッチする(そのままの意味)なの狂気を感じる
    可愛いし面白いけど

  • 15◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 09:16:03

    【あらすじ】

     本人(※『世界のつづき』)の強い希望によりウタを仲間に加えた麦わらの一味。

     エレジアを出航してしばらく経ったある日の晩、ウタが多重人格であることが発覚する。

     そんなウタ達を、改めて一味の仲間として迎え入れることに……


    「みんなに黙ってて心配かけてごめんね。“多重人格歌姫”ウタです、改めてよろしくお願いしまーす!」


    「そうだウタ、お前らのことみんなに紹介してくれよ!」


    「……わかった!歌の世界にみんなを招待するね!」



     『 せーの 』 『 ウタでーす! 』



    「ウタがめちゃくちゃいっぱいだー!!」


    (あらすじ終わり)

  • 16◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 09:30:02

    スレ立てはここまでになります。前スレでは保守ありがとうございました。
    ゆっくりのんびり投下して参りますのでよろしくお願いします。

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 09:39:43

    あれまさか 一番やばいの新時代ウタちゃん?

  • 18◆YPIlbh1UTA22/11/30(水) 12:09:34

    投下は夜中になりそうです。

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 20:15:02

    期待

  • 20二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 00:37:21

    一応保守

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 04:36:28

    話したおかげか一部以外元気度がちょっと上がってる よかった

  • 22二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 08:57:47
  • 23二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 17:24:41

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:32:24

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 04:10:15

    保守

  • 26◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 10:03:26

     ――――――――


     『風のゆくえ』の歌声で再びウタワールドへと招かれた一味は、『ウタカタララバイ』『私は最強』『逆光』と順番に対面する。同じ姿でも、性格の異なるウタ達。その奇妙な出会いは続く――。



    「お待たせ!いよいよわたしの出番だよ!」



     空に浮かんだ音符のステージが、ふわりと高度を下げる。


     その上に立つ次なるウタを、色とりどりの投光が照らす。


     フードをばさりと翻し、大きく手を広げて視線を集める。





    「みんな!『新時代』を作る女、ウタだよ!またこうして会えて嬉しいな!」

  • 27◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 10:05:10

     





     「ルフィ~」ニコニコ 「ルフィ~」ポリポリ 「くすぐってェ」


     「ほらゾロ、もう一杯!」「んめェ」グビグビ




    「って、あァ~~~~!?ちょっとちょっとちょっと、割り込み禁止って最初に決めたじゃん!!」


    「この子達いつの間に……?」「アッハッハッハ、みんな待ちくたびれちゃったみたいだね」


    「笑ってないでちゃんと止めといてよ!」


    「新時代ちゃんぐずぐずしてるから~」「カッコなんてつけてるから~」


    「うっさい!」

  • 28◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 10:14:40

     ――――――――

    【スクラッチ】


     ポリポリ


    「なァ、くすぐってェって。お前いつも引っ掻いてくるのな」


    「嫌?」「嫌じゃねェけどくすぐってェ」「えへへ~」




    「あ、サンジサンジ~、またカツオブシ削らせてねえ」


    「えっ、ああ……そうだなァ、ウタちゃんにはカツオブシのほかにも、コーヒー豆やチーズなんかも削るの手伝ってもらおうかな」


    「やったあ」

  • 29◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 10:15:23


    「ところで……ウタちゃんは、なんていうの歌のウタちゃんなんだい?」


    「『スクラッチ』だよお」 ……要領を得ない回答で困っているサンジを見かねて、『風のゆくえ』が助け船を出す。



    「その子はね、CMソングなの。配信始めたばかりの頃だったかな……歌声を気に入ってくれたどっかの宝くじ会社の人が、ぜひ唄ってほしいって頼んできてね……それで“ウタ”がなんか気に入っちゃって……」


    「へェー…」


    「宝くじ?」


     説明省略。


    「それでくじを引くみてェに物を削りたがり……いやスクラッチしたがりなわけか」


    「だからおれ削られてんのか」


    「えへへ~」ポリポリ

  • 30◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 10:39:53


    「……なァー、こいつ本当にウタなのかな……おれちょっと不安になってきた」


    「ちょっとルフィそれは……」


    「おいクソゴムテメェ本人の目の前でそんなこと言うんじゃねェよ、ウタちゃんが悲しむだろ」


    「そのうちシャンクス達もスクラッチしたいなあ」「ほらこんなに全然気にして……ないのかよ!」

    「いつか世界中のみんなと笑顔で平和にスクラッチできる世界を作るのが夢なの」「ほらウタの夢もなんか違ェだろ」

    「それがわたし達の作る新時代なんだよお」「『わたし達』じゃないでしょなんか巻き込まれてんだけど」


    「それでね、スクラッチくじで集まったお金は独り占めしないでね、恵まれないひとたちの暮らしを良くするために使ってくれるようにしたらね、平和な世界に近づくと思うんだ~」


     「「「…………」」」


    「結構……難しいこと考えてたんだ」「そうかな~?」「応援するぜウタちゃん」


    「歌は唄わねェのか?」「みんなでスクラッチしよ~って唄って呼びかけるの」

    「そっか、歌で夢叶えんならお前もウタだな」「そうかも~」



    「ルフィ、一緒に作ろうね、新時代」


  • 31◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 12:03:23

     ――――――――

    【ビンクスの酒】


     「「 ヨホホホ~!!! 」」


    「なんて素晴らしいことでしょうー!!混じりけ無しの『ビンクスの酒』のウタさんとこうして直接ご対面できるとはー!!ヨホホホ~!!」


    「ブルックはわたしのコト大好きだもんね~!!わたしもブルック好きだよ~!!海賊サイコー!!ヨホホホ~!!」



    「…………」グビグビグビ


    「どう?どう?こっちのお酒もイケるでしょー?」グビグビ プヘー


    「ふー……ま、悪くねェな」


    「ウタさんがお酒を嗜まれているとは意外でしたね」


    「んっとねー、二十歳の誕生日のお祝いでね、ゴードンに色々飲ませてもらってさ。ま、喉のために“ウタ”はめったに飲まなかったけど。でもウタワールドなら飲み放題!」グビグビ


    「王様の飲む酒か……確かに美味ェ、高ェ酒の味がするわけだな。けど興味本位で聞くがよ、もっと他の酒はいろいろ出せねェのか?」グビグビ


    「他ー?これしか知らないもん」


    「世の中に美味ェ酒ってのは色々あんだよ。その島でなきゃ飲めねェ地酒もありゃ、よく出回ってる定番の酒なんかもな」グビグビ


    「ふーん……」グビグビ

  • 32◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 12:07:18

    「……あー、そっか!そうだったんだ!」


    「あ?」


    「シャンクス達がいっつも次の島に着くのを楽しみしてたのってさあ、ただお酒が手に入るだけじゃなくって、飲んだことない新しいお酒とか、お気に入りのお酒が飲めるからだったんだねえ」


    「あァ……間違いねェな。理由のひとつではあるだろ」


    「そっかあ、それならわたしもこれから色んなお酒飲んでみたいな」グビグビ


    「ヨホホホホ!楽しみが増えていいコトですね。新しい酒に出会い、舌鼓を打つのも冒険の醍醐味といえますから……あでも私、舌ない!鼓打てない!スカルジョーク!」


    「アッハハ、ブルックおもしろー!ヒック わたしは舌で鼓打てるよ!見てて!コッコッコッコッコッコッコッコッ♪」


    「舌鼓がドレミの音階にー!?スゴーイ!」「なんだそりゃすげェなお前」



    「ああでもな……一番うめェ酒ってのはコレって決まってんだ」

    「ええ、そうですね。決まっていますとも」


    「えー、そんなの決まってるの?なになに?」


    「「仲間と飲む酒だ」」


    「うっはァ~~!海賊みたいでかっこいい~~!粋~~!」ヒック

  • 33二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:57:26

    更新来てた!ありがとう!

    >>歌で夢叶えんならお前もウタだな

    申し訳ないが草生えた

    あと、ビンクスの酒のウタは想像以上に子供で、親戚の人から酒の味を教えて貰ってるみたいで可愛かった。

  • 34二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 13:15:06

    スクラッチウタはさすがのルフィでも訝しく思いますわなそりゃw
    その後のルフィのウタ判定がザルで笑ったw

    ビンクスのウタさん、海賊みたいっていうか混じり気なしの海賊だよそのふたりw
    特にブルックなんて大海賊時代の前からの海賊だから、下手すれば一味の中で一番の海賊かもしれない

  • 35◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 13:31:12

     ――――――――

    【新時代】


     ――全員の顔合わせのために、ルフィとその仲間達が集まる夜のステージ。『風のゆくえ』ちゃんが作ってくれたこの絶好の機会に、新しい『計画』を発表するつもりだったのに……!その段取りも我慢がきかないウタ達のせいで台無しだ。


     じゃんけんで決まったから仕方ないって納得しちゃったけど、話す順番にもっと拘るべきだったかもしれない。現実のウタが眠るまでのリミットが迫る中、余裕のない後半に回されたせいで喋る時間が限られているし、派手な演出好きの『最強』の後ではスマートな演出じゃ心を掴みにくい。あの時ライブのセットリスト順とか提案してたら、一番最初に話せたかもしれない。


     第一、精一杯アピールしてみんなの注目を集めたって、肝心のルフィが話を聞いてないんじゃ意味がない。



    「ちょっとルフィ、デレデレしてないでちゃんとこっち見てよ」


    「わ、ワリぃ。いやなんもしてねェけど……」「ポリポリ」「ニコニコ」


     実際ルフィからは何もしていない。でも、左右を挟むように立っているウタ達に囲まれて、なんだか楽しそうに……デレデレはしていた、と思うよ。ポリポリしてるほうは……こっちはそもそもボディタッチが多すぎる。でも言っても聞かない、聞いているけど聞いてないというか……。


    「ルフィ。ちょうどいい機会だからハッキリ言っておくけどね、新時代を先に作るのはわたしだからね」

    「? おう。別にそれで勝負してるわけじゃねェし、どっちが先でもいーと思うけどよ」 ――そこはムキになって言い返してほしいんだけど。



    「……ダメだよ、ルフィが先に新時代を作るの」スッ


     もう一人の、ニコニコしているほう――『世界のつづき』は、わたしがルフィと話しているのに、こうやって遮って邪魔をするのだ。確かにこの子は今までに何度も抜け駆けしようとしているし、わたしの言うことを聞き入れた試しもない。

  • 36◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 13:48:07

     別に、それでもウタ同士、嫌い合っているわけではない。ただ、ひとえに……“新時代”の解釈違いを起こしている、ただそれだけで……こうなる。


    「ウタが先に新時代を作るんだよ」グヌヌ 「ルフィが先だよ」ニコニコ


    「よーするにさ、競争で勝負してェってコトだろ?いいぞ、そんならおれも負けねーからな!」

    「じゃあそうしよう、望むところだよ!」「ルフィは絶対に『海賊王になる男』だよ?」

    「わたしだって絶対に『新時代を作る女』だよ!それにさ、前だってあと一歩のいいところまでいったんだから、次だって…………」




    「ウタ」


     話していたら急にルフィに低い声で呼ばれて肩を掴まれる。痛くはないように加減はしてくれてるけど、思ったより力強くて……ちょっとびっくりしたのは内緒。


    「な、なに?」


    「なあ……確認だけどよ、いくら競争だからってネズキノコみてーなの使ってズルすんのは無しだかんな?あんなのもう二度と絶対使わねェって……約束したもんな?またあんな無茶なやり方考えてたらおれ……」


    「し、しないって!ちゃんと約束おぼえてるし、守るし……!ほら、信じてよ…ね?」


    「ルフィが新時代を作るところを……麦わら帽子が似合う男になるのを……見届けてあげなきゃいけないんだよ。勝手にいなくなっちゃダメなんだよ?」


    「わかってるって、反省してます、肝に銘じてます、安全第一!」


    「……ししし、そうか!そんならいーんだ!」


     もう……ルフィは心配性だなあ。それだけ大事にしてくれてるってことの表れなんだろうけど――。

  • 37◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 14:22:03

    「でもまァ、勝負はおれの連勝中だけどな」


    「あ、違うでしょ!まだ1敗しただけでわたしの勝ち越し中だよ!」


    「出た、負け惜しみィ~。なんてな、ウタの真似だ!」





    「「はふん」」バタリ



    「卑怯だよルフィ……」「その可愛さは反則……だよ……」


    「急に寝転んでどうしたんだ、大丈夫か?……あ、そうだこれ言ってやらなきゃな。……お前らもウタだからな」ボソボソッ


    「「んふう」」ビクンビクン


    「仲いいなー、お前ら」


     ――ルフィは冒険の先に、新時代を作ってくれる。それが疑いようもない事実なのは、ふたりとも、いやウタ一同、解釈一致しているわけでして……。今わたし達の目の前で、あなたという“新時代”が太陽のように光り輝いて見えるわけでして、その眩しさで目に焼きついてしまいそうで――12年前に“ウタ”と誓いあったあの日の思い出が、『新時代』という名のわたしの胸をずっと焦がし続けているように、あなたしか見えなくなってしまいそうです。でも……


    「……負けないんだからね……」 「おう、おれもだ」

  • 38◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 14:24:56

     ――――――――

    【一味サイド】


    「それで……『逆光』じゃったか。どう診る?」


     ジンベエはあぐらをかいて座ると、訝し気に顎を撫でながら隣の船医を見下ろす。彼女が吐き出した一連の言葉――――あの人格が抱えているわだかまりが大きいことは誰の目にも明らかだ。いつも目にするウタ達との違いを、『色々なウタがいる』と楽観的に片付けるべきではないだろう。


    「あのウタはおれも初めて見た。……辛い記憶を別人格として切り離すことで心を守る、それで多重人格になることがあるってさっき言っただろ?つまり――」「――切り離しておきたい辛い記憶。それを引き受けてるのがあの『逆光』のウタということかしら」察したロビンが続き、チョッパーはコクリと頷く。


    「あの子……いえ、どのウタもいつも明るく振る舞ってるように見えたけど……」


    「それってェのはつまりだ、あのウタが奥に引っ込んでたおかげでハイに見えてたってワケだろ?」


    「わたし達と他のウタの関係がギクシャクしないようにね。……本人はああ言ってたけれど、放っておくわけにはいかないわよ」


    「仲間外れにはしたくねェ」


     ウタ達を全員仲間として迎え入れるということ。それは上辺だけの言葉ではない。『逆光』だけを、仲間一人だけを除け者にするような真似はできなかった。


    「おれ達からあのウタにしてやれること、何か……なんもねーのか?」




    「焦んなよ。今んとこ、うちのキャプテンの迫真の『説得』の効果を信じるっきゃねェだろ、なァ」


    「……そうじゃな。一先ず、その返答を待つとしようかのう」


    「あの子からの返答がなければその時はまたここへ来て、今度はわたしたちの言葉で呼びかけましょう。きっと応えてくれるわ」

  • 39◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 14:28:41


    「一人足りねェ」


     『ビンクスの酒』と飲み比べをして寛いでいたゾロが唐突に会話に加わる。アルコールで顔は若干赤くなっているが、目付きは何かを警戒しているかのように落ち着きと鋭さを保っている。


    「こいつの歌はあと一つあっただろ。アイツはどこいった」


    「えー、なんだ?ライブのセットリストのウタは全員いるはずだぞ」


     周囲を見渡し、指折り数え。「……確かに8人しかおらんな。じゃがアイツとは一体……?」


    「見ろ、コレはアイツのオリジナルの歌じゃねェ「どうも『ビンクスの酒』でーすイエーイヒック」だからあの歌も必ずどっかにいるはずだ」


    「それって……もしかして……」


    「オイオイ、まさか――!!」





     『 ――トットムジカ? 』

  • 40◆YPIlbh1UTA22/12/02(金) 14:32:44

    長らくお待たせしました、書き溜め分は以上です。
    保守、感想ありがとうございますー。

  • 41二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 21:02:47

    保守

  • 42二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 23:18:13

    短時間で読み切ってしまった…
    これは小説にして売れるぐらいの作品すぎて続きが気になりすぎる
    あと保守

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 02:07:43

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 11:33:19

    ムジカちゃんは一味に会ってくれるのか…?

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 17:13:22

    ルフィはモチロンだけどムジカちゃんはフランキー、逆行ちゃんはナミと対話したら少し前向けれそう

  • 46二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:38:44

    film red本編でも思ったけど、ナミは母親を海賊に殺された海賊嫌いだったもんな。ルフィに会わなければ逆光はモロに共感したはず。もしかしたら、会った今でも共感してるかも。

  • 47二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 04:25:05

    ほす

  • 48◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 09:56:51

    「オイオイ、あの魔王がここにいるってのか?……それだとおれ達、ここに全員いるのマズくねーか……!?」

    「そうなのか!?」


     現実世界とウタワールドの両面からの同時攻撃。見聞色の覇気を使った、現実と夢を跨いだ景色の共有。それらを成立させていた赤髪海賊団の戦力も、父親であるヤソップも、ここにはいない。その名前を聞いただけで最悪の事態――魔王との再戦――を危惧したウソップは焦りの表情を見せ、怯えたチョッパーがそれに続く。ロビンは落ち着いた様子で静止をかける。



    「ふたりとも落ち着いて。少なくともここに閉じ込められる心配はないわ。あの時の状況と比べて、よく思い出してみて――」


     一拍置いて、「あ。」とウソップが口をつぐむ。「……そうか、現実のウタが眠っちまうのか」


     ネズキノコのような眠りを阻害する要因さえなければ、ウタは疲れていずれ眠りにつく。それでウタワールドは閉幕し、その中にいた者は必ず現実に戻される。それがウタウタの能力の本来のプロセスだ。



    「もちろんネズキノコだって、この船にはひとっカケラも持ち込ませちゃいねェ」


     眠気覚ましのコーヒーくらいはあるけどな、と付け加え。スクラッチのウタと取り留めのない話していたサンジもようやく会話に合流する。


    「それなら匂いがすればおれもすぐに気づくぞ。ウタからそんな匂いは全然しなかったから大丈夫なハズだ」チョッパーも青い鼻をふんすと鳴らす。

  • 49◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:12:12

    「それにもし、仮にじゃ……魔王のような存在がいるのなら、ウタ達がこれほど落ち着いているのも妙な話じゃろう」


    「ええ、今ここに居るのはウタの人格たちだけのはず。なら魔王ではなく……ウタの作り出した“トットムジカという歌”の人格と考えるのが自然じゃないかしら?」


    「……とするとロビンちゃん。ウタちゃんは、アレに相当な“思い入れ”があるってことにならないか?」


     グルグル眉をひそめて煙草を噛む。歌姫ウタの人生を狂わせた歌……それがひとつの人格を形作るほど大切なものなのか……。



    「おかしかねェだろ。あのゴードンがずっと処分できなかったほど、どえれェ~スーパー凄ェ出来の作品なんだろ?ウタも音楽家なら、同じように思うところがあんだろ」


    「それに、思い入れって良い意味だけとも限らないでしょ。忘れられない嫌な思い出なんかいくらでもあるはずじゃない」


     ――筋は通る。『トットムジカ』が歌の人格なら警戒は無用。推察から得られた仮説に過ぎないが――ともかく会ってみればわかることだ。その肝心の9人目のウタが見当たらないのだが……。

  • 50◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:16:53

    「じれってェな、ウダウダ言ってても何も分かりゃしねェ」


     空になった酒瓶を置いて、もう一度『ビンクスの酒』の顔を話の輪のほうにぐいっと向けさせる。レディは丁重に扱え、というサンジからの野次は当然のように無視された。


    「こいつらに直接聞きゃ早いだろ。おい、どうなんだ?」




    「え~なにが~?ヒック」




    「なーウタ、飲みすぎだぞ。そんなにお酒飲むと身体に毒だ。いや現実に飲んでるわけじゃねェけど……」

    「ダメだコイツ酔っ払いすぎて使い物にならねェ」

  • 51◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:18:28

    「ウタちゃんのせいにすんじゃねェよクソ剣士」

    「ァんだと?」


    「おれが聞き出すから黙って見てろ。なあウタちゃん、今の話なんだけどさ……」





    「え~なにが~?ポリポリ」





    「今のはおれも悪かった」「おう分かりゃいいんだ」


    「お前らが分かり合ってどーする!」「サンジもゾロも病気か!?」

  • 52◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:24:04

     埒が明かないため、仕方なくナミが立ち上がる。ウタ達がルフィを囲んで何やらワイワイ騒いでいるのを少し遠巻きに見て、ちょうどすぐ近くにいた『最強』のウタに声をかけた。


    「ねえウタ。そろそろ9人目のウタも紹介してほしいんだけど」

    「あ、そうだったね!あの子は大人しく順番待ちしてたはずなんだけど、あっれー?」


     ぐるりと見渡し、順番にウタ達を指折り数えていく。


    「まず『私は最強』で、『逆光』ちゃんは一足先に帰ったでしょ?」 1人、2人。


    「『スクラッチ』ちゃんと『ビンクスの酒』ちゃんはみんなの方にいるでしょ?」 3人、4人。


    「『風のゆくえ』ちゃんと『新時代』ちゃんと『世界のつづき』ちゃんと『ウタカタララバイ』ちゃんはルフィのそばにいるし」 5、6、7、8人。


    「最後に『ビンクスの酒』ちゃんはブルックとお話してるよね。これで9人いる……」


    「そうね…………ん、ちょっと待って?」





     最後に折られた指をつまんで、元に戻す。


    「ウタ。あのね、『ビンクスの酒』を2回数えてると思うんだけど」


    「アレ?」


     あそこでゾロにまた絡み酒しているのが『ビンクスの酒』。

     そしてブルックと話しているのは――――

  • 53◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:30:19


    「……皆の歌声を封じた音貝と共に『ビンクスの酒』の演奏を披露したところ、宴は唄えや踊れやの大合唱となりまして!そのときのルフィさんたら、ピアノの屋根の上に器用に寝転んで『シャンクス達が唄ってた』と楽しそうに……!」



    「うん、うん……それで、それで?」





    「そしてついに……ルフィさんの口から伝えられたのです、『ラブーンは元気だった』と……!!」



    「…………お、おお、ここで……」




    「私は感極まって演奏を止め、『生きててよかった!』と叫んでしまいまして……!!ああ、あの素敵な日のことは今思い返しても胸をこみ上げてくるものが……あ、胸ないんですけど……」



    「……す、すごい……。ブルック、よかったね……」




     『 いたーーーー!!? 』


     

  • 54◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 10:53:23

    【ちょっと前】


    「ね~ね~、ブルックはなんでそんなに『ビンクスの酒』が好きなわけ~?ヒック」

    「ヨホホホホ!ご興味ありますか!では酒の肴に一つお話いたしましょう!あれは私が骨になる前のこと……」ペラペラペラ



     ――――――――



    「(…………どうしよう、みんな好き勝手に話し始めた……)」

    「(…………呼ばれてないのに出て行くべきではない……けれど勝手に帰るわけにも…………)」コソコソ


     ――――――――


    「見ろ、コレはアイツのオリジナルの歌じゃねェ」 グイッ

    「??? どうも『ビンクスの酒』でーすイエーイヒック」


     ――――――――


    「(……あ、『ビンクスの酒』が……ゾロに連れてかれた……)」

    「(……ブルック、気付かずにずっと話し続けてる……教えてあげたほうが……いい……?)」アセアセ


    「おや?ウタさんいつの間にそんな隅っこへ?……ああ、皆さんの話し声で聞き取りづらかったのですね。ではそちらでお話しましょう」スタスタ

    「えっ、えっ……あの……」

    「それでどこまでお話しましたっけ?そうでした、ラブーンとはその双子岬で別れることになりまして――」

    「は、はい……」


     ――――――――

  • 55◆YPIlbh1UTA22/12/04(日) 11:00:39

    朝の投下分はここまでです。ムジカちゃんのターン始まります。

  • 56二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:23:58

    ムジカちゃんは優しいなぁ

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:31:01

    中の人が半分滲み出てて良い

  • 58二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:18:33

    ブルックは気付いてて話しかけてるのかな

  • 59二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:41:21

    >>58

    ああ、なんかブルックの反応違和感あったけど違う相手って分かったうえで話してるなら違和感ないかも…

  • 60二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 02:03:55

    ほす

  • 61二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 09:07:20

    ほしゅ

  • 62二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 13:09:27

    ほしゅ

  • 63二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 18:44:31

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 22:44:28

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 06:05:34

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 12:13:24

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 20:03:26

    ほしゅ

  • 68二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:51:59

    ほす

  • 69二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:39:29

    保守

  • 70二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:53:47

    ほし

  • 71二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 18:48:54

    ほしゅ

  • 72二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:43:17

  • 73二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 05:34:18

  • 74二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 12:16:45

    一気に読んだ ぼぎゃぶらが乏しいからうまく言えないけど一味全員と各ウタのキャラがちゃんと立ってて控えめに言って最高間違った最強

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 20:01:09

    ほしゅ

  • 76二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 05:32:05

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:31:54

    ほしゅ

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:43:41

    保守

  • 79◆YPIlbh1UTA22/12/10(土) 04:48:22

    保守ありがとうございます、感想反応ウレシイウレシイ
    セルフ保守するのです。もう少しお時間いただきます。

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 09:07:28

    最終的にウタ全員を晴れさせてウタハーレムを作るルフィを俺は待ってる

  • 81二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:49:04

    ほしゅ

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 21:49:54

    ムジカウタ可愛いなw

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 21:56:46

    オレが保守した
    これで明日の9時56分までは保たれる……!

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:08:38

    これは保守しないとヤバい(落ちたらシャレにならん)

  • 85二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 04:22:47

    ほしゅする

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:49:56

    ほし

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 16:40:35

    ほしゅ

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:24:50

  • 89二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:03:07

    ホシ

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 13:19:05

    保守の時間だオラァ!!!

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 21:21:47

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 06:54:40

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 06:54:55

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 07:17:20

    みんなまとめて愛してくれるのが一味であり、ルフィなのだ 期待して待ってるのだ

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 16:27:41

    ほす

  • 96二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:40:03

    ほし

  • 97短め 1/3◆YPIlbh1UTA22/12/14(水) 05:48:30

     ――――――――



    「…………………………」 ズゥゥゥン





    「ねえ……あの子、ずっと何も話さないんだけど、大丈夫……?」ヒソヒソ


    「さ、さあ……ちょっと引っ込み思案な子だから……たぶん心の準備でもしてるんじゃないかな……?」ヒソヒソ

  • 98短め 2/3◆YPIlbh1UTA22/12/14(水) 05:53:41

    【トットムジカ】


    「あのー、ウタさん。いつまで私の後ろにお隠れに?」

    「もう少し待って……」

    「あ、はい」



     ……どうしよう……ブルックの話……すごくて……滅茶苦茶聞き入ってしまった……

     みんなの視線……変な目で見られている…… 消えたい……恥ずかしい……今すぐ消えたい……

  • 99短め 3/3◆YPIlbh1UTA22/12/14(水) 06:05:49

    「にっしっし、また会えたな!」ニューン スタッ

    「…………ッ」ビクッ


     ――そんな、無遠慮に、急に、飛んでこられると、息が。


    「一緒に見張りしたとき以来だよなー。お前もみんなに自己紹介してくれんだろ?」




     そうだ、わたしの、今すべきこと――。

     最初から、話すつもりでいたのだから……少し手順が変わっただけ……。



     ブルックを皆の方へとそっと押しやる――ガイコツなのに柔らかい表情をできるだけ見ないようにして。

     ……困らせてごめんなさい。

     そして照明をすべて消す――煌びやかな明かりは相応しくない。


     早く……終わらせよう。


    「…………わたしは……『トットムジカ』」

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 14:23:08

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 18:42:38

    トットムジカちゃん頑張っている感があってかわいいな…

  • 102二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:07:54

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 06:40:58

    保守保守

  • 104二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:48:11

    ほしゅう

  • 105二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:58:41

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 03:22:20

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 07:10:37

    保守

  • 108短め 1/3◆YPIlbh1UTA22/12/16(金) 14:33:46

     ――――驚きや戸惑いは、ない。


     それよりむしろ、やっぱり、といった仕草。 落ち着いた表情。

     すでに皆、わたしが『誰』なのかを予測していたのだろう。

     心の中から見ていた通り、聡明で、ウタ達を理解しようとしてくれる、情に厚い人達。



    「……何度も、何度も……」


     絞り出す――小さい声を、少しずつ大きく。


    「……何度も、何度も、何度も」


     久しく弾いていない楽器を鳴らして音色を確かめるのと、同じように、少しずつ大きく。


    「振り回して、謝って、繰り返して…………あなた達をうんざりさせている」


  • 109短め 2/3◆YPIlbh1UTA22/12/16(金) 14:43:12

    「けれど、それでも……許されなくていい……もう一度だけ」


     ――深く、頭を下げる。


    「わたしは、すべての、原因です」


    「わたしは、“ウタ”に罪を背負わせました。エレジアを滅ぼし、沢山の人を惨たらしく死なせました」

    「わたしは、“ウタ”からすべてを奪いました。家族を、幸せを、12年の歳月を、何もかも」


    「わたしは、“ウタ”を破滅に導く決断をさせました。この歌は、存在していてはいけなかった」

    「わたしは、“ウタ”の心を壊しました。今ここにいるウタ達を苦しめているのは、わたしです」


     わたしは、わたしは、わたしは、わたしは―――― 掃いて捨てるほどある、棄てることのできない罪を吐き出していく。他のウタ達が心を守るために直視しなかった代わりに、受け止めてきたものを。一つ告白するたびに、胸が引き裂かれる。この痛みは、わたしに与えられるべき罰。


    「あなた達を巻き込んで、今も、あなた達に重荷を背負わせてしまっているのは、すべて、わたしのせいです」


    「本当に、ごめんなさい」



     ……顔をあげる。

     皆が、一様に物言いたげな顔をしている。他のウタはじっとわたしを見つめている。そしてあの男は――――




    「なァ、そりゃおかしいって、おれだってわかるぞ?」

    「悪いのはウタじゃなくてよ、あのピエロみてェなのだろ? お前はアイツじゃなくてウタなんだし、なんも悪くねェじゃんか」


  • 110短め 3/3◆YPIlbh1UTA22/12/16(金) 14:49:48

     

    「……………………」



    「おれ、変なこといったか……?」




     ウタへ向けられる優しい言葉。ウタに寄り添おうとする温かさ。でも、それはわたしに向けられたものではない、わたしが享受していいものではない――――本来は“ウタ”が受け取るべきもの、さもなくば他の“ウタ達”のもの。


    「……わたしは、騙している」

    「騙す?」

    「あなたも、皆も、わたしに優しくするのは、わたしが“ウタ”の姿をしているから。わかりやすくしてあげれば、気を遣う必要もなくなるでしょう?」






    「わたしは破滅の譜、魔王を呼ぶ歌」


     手をかざし、黒い靄を立ち昇らせ――――『それ』を形作る。


     ――――――――

     ――――

     ――

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 19:02:20

    このレスは削除されています

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:14:55

    保守

  • 113二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:19:32

    どんな姿でもウタちゃんの持つ優しさが根っこに生えてるの良い

  • 114二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 08:28:36

    このレスは削除されています

  • 115二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 15:25:43

    保守しておくのです

  • 116二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 19:10:02

    ほしゅ

  • 117二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 01:14:24

    ほし

  • 118二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 10:44:10

    ほしゅう

  • 119二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 18:16:06

  • 120二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 20:56:21

    みんな良い子だね。

  • 121二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 22:14:55

    …同人誌でここのif漫画描いてくれ 言い値で買う
    それぐらいの大作になってる あと保守

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 06:35:14

    まとめて欲しいよね。どこかの小説サイトでとかに。

  • 123二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 13:39:57

    まぁやっぱりトットムジカが1番晴れさせるの難しそう
    罪悪感なんてそう簡単に消える物じゃないし元気度が0どころか❌だからな...

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 19:54:39

    っっっほ

  • 125二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:31:23

    このレスは削除されています

  • 126二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 06:40:22

    ルフィならウタの人格の一部であるムジカも受け入れると言う信頼がある

  • 127二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 13:17:14

    保守しておきます

  • 128二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:09:30

    このレスは削除されています

  • 129◆YPIlbh1UTA22/12/21(水) 06:13:55

    お待たせしてます、セルフ保守です。

  • 130二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 13:24:19

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 20:41:58

    ほしゅう

  • 132二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 21:26:57

    待ってます

  • 133二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:16:12

    今だったら絵描きウタちゃんもいたのだろうか?

  • 134二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 06:47:14

    age

  • 135二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 13:05:46

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 20:49:30

    自虐的なムジカちゃんに救いを!

  • 137二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:54:38

    ほし

  • 138二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 06:31:15

    age

  • 139二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:43:35

    あげ

  • 140二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:10:31

    ほす

  • 141二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 01:21:42

    保守

  • 142二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:05:03

    待つのです…

  • 143二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 18:32:27

    ほしゅする

  • 144二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 21:56:41

    続き待機

  • 145二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 08:19:58

  • 146名無し22/12/25(日) 13:55:44

    保守

  • 147◆YPIlbh1UTA22/12/25(日) 19:36:23

    >>110


     ――――再演。

     夜の靄が巨大な体躯と化し、黒白鍵盤の腕を伸ばし、棘のような牙を剥き、青暗い衣を揺らめかせ、静かに蠢く。

     船の傍らに姿を現したのは、かの古の『魔王』。


    「ぎゃ~~~~!?」「ままままま『魔王』!? なんでー!?」


     一味はたじろぎ、あの死闘の記憶を脳裏に浮かべ身を強張らせる。





    「―――いや、違ェな」


     ゾロは一瞬ピクリと指先を震わせただけで、腰の刀へ手を伸ばすことなく力を抜いた。

     『魔王』は静かに……ただ静かに……ゆらゆらと佇んでいる。それだけで空気は振動し、波が船体を揺らす――――だが、あの戦いの中で撒き散らしていた負の感情や攻撃の意思を感じ取れなかったのだ。


    「歌を唄ってない。これはあの子が作り出した幻か……形だけ再現したものだわ」

    「幻っつっても……やっぱスーパー大迫力だなオイ!!」

  • 148◆YPIlbh1UTA22/12/25(日) 19:41:18

    「あのウタは何をしようとしてんだ……!? なァこれ、やらせといて大丈夫なやつか……!?」


     幻だと聞いてもビビるものはビビる。狼狽するウソップの問いかけに、他のウタ達は一瞬言葉に詰まる。

     その代わりに『スクラッチ』のウタが落ち着いた様子で答えた。


    「大丈夫だよ、ムジカちゃんもみんなと同じことしてるだけだから」


    「同じことって?」


    「“自己紹介”」

  • 149◆YPIlbh1UTA22/12/25(日) 20:34:50

     

    「みんな そこで 見ていて。ぜんぶ ぜんぶ わたしがしたことを、見せるから」


     『トットムジカ』のウタは浮き上がり、肩回りまで形成された『魔王』の帽子の上に降り立つ。



     ウタが両腕を目一杯に広げると、ふわりとした感覚の後に甲板がゆらりと傾く。

     まさか、と思ったウソップが船縁から身を乗り出して下を見ると、船底が水面から離れていた。



    「船が浮いてる!?いや飛んでる!?」 「え~~~!!?」

    「ずいぶん静かに飛ぶもんだな、うちのと大違いだ」

    「アウッ、派手さに関しちゃおれのクー・ド・バーストが上だが、こんな静かに飛ばすのはスーパー見事なもんだぜ」

    「感心しとる場合か」

    「待って。これ、飛んでるんじゃない……景色だけ動いてるんだわ」


     一早く違和感に気づいたナミの言うとおり、風が肌を撫でる感覚はなく、船の帆も垂れさがったまま、周囲の夜空だけが動いていく。この空と海の広がる景色全体がひとつのスクリーンとなっていて、そこに映像が投影されているようだった。やがて海の向こう側から、見覚えのある島が近づいてくるのが見えた。


    「……あれはエレジアだ」


     サニー号は島に近づくと、岸壁の隙間を抜けて巨大な海王類の骨格の天井をくぐる。この広々とした広場がライブ会場として使われていたのは記憶に新しい。島と島を結ぶ橋を越えると、町の広がりの中にハープに似た大きなオブジェが立ち並んでいるのが一望でき、それを高台から立派な城が見下ろしている。かつて音楽の都と呼ばれた美しい国そのものだった。

     映像は町の上空に差し掛かるとスピードを落とし、ゆっくりと旋回を始める。夜の町には明かりが灯され、人々が行き交う様子を見ることができた。


    「見ろ、人がいる。建物も壊れてない。この景色はウタちゃんの見た、12年前のエレジアなんだ」

  • 150二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 21:14:37

    a
    g
    e

  • 151二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 01:26:51

    保守

  • 152◆YPIlbh1UTA22/12/26(月) 02:36:56

     

     これまで無音だった映像から、町の人々の声や音楽が徐々に鳴り響き始める。それにあわせてゆっくりと視点が下がり、街並みの様子がより近くで映し出されていく。

     日も暮れたというのに大勢のひとが集い賑わう大通り――――だがよく見れば住民たちの姿はどこか歪んでいたり、半透明だったり、顔の描写が曖昧なものにされていたりする。道や建物も距離や縮尺が奇妙に歪み、無理やり繋げられて現実味のない風景となっている。なんとなくこういう人がいた、なんとなくこういう場所だった、という曖昧な記憶を元に、ツギハギされて作られているような風景だった。


    「“ウタ”の覚えてること、欠片のわたし達だけじゃ完璧には再現できないんだ」 景色の完成度の低さに『新時代』は眉尻を下げ、困った表情を浮かべる。


    「わたし達は、あの子に辛いことを押し付けてしまっている。わたし達の代わりにずっと自分を責め続けてるんだ」 『私は最強』は溜息をつき、自身の無力さを嘆いた。


    「見ないようにしてた」「見たくないこと」「あの子はずうっと見続けてる」 遠い目をした『ウタカタララバイ』が、抑揚のない声で呟く。


    「あのね……これから怖いことが起こるよ……」 震えながら、目を伏して手首をきゅっと握る『世界のつづき』。


    「わたし達、しょーじきなところこれ以上はしんどくって……」 すっかり酔いの覚めた『ビンクスの酒』が頭を押さえながら壁にもたれかかっている。



    「後はおれ達だけでいいよ。みんなありがとな」


     ルフィがそう告げると、ウタ達は互いに顔を見合わせて、申し訳なさそうに心の奥に消えていく。ワンテンポ遅れて『スクラッチ』が手を振って消える。

     幼い姿の『風のゆくえ』だけが船に残った。


    「お前はいいのか?」

    「最後までいなきゃいけなくて。わたしがいまこの世界を作ってるから」

    「そっか。無理すんなよ」

    「うん…………あのねルフィ、ムジカちゃんは、」





     ――――閃光。爆発。暗転。

  • 153◆YPIlbh1UTA22/12/26(月) 02:38:07

    時間なので今日はここまでです。保守ありがとうございます。

  • 154二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 07:56:45

    期待

  • 155二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 15:31:13

    ほしゅ

  • 156二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 17:30:01

    待機中

  • 157二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 21:55:39

    楽しみ

  • 158二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 05:38:07

  • 159二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 14:56:47

    保守です

  • 160二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 21:43:34

    age

  • 161◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 03:15:18

     ――――視界が戻る。穏やかな夜景から一転して、映像の中のエレジアは火の海と化していた。


     燃え盛る町の中心に『魔王』の姿があり、その帽子の上には『トットムジカ』のウタが立っている。ウタが大げさに腕を振り回せば、『魔王』は爪を振り回して建物を砕き、全身から光線を放って次々と家や人を焼く。魔王の生み出した音符の戦士が飛び交い、逃げ惑う人々を狩り立てていく。


     熱気が船にまで届き、思わずクルー達は顔を覆う。映像と幻が一体となり音や熱として肌に伝わることで、まるで本当にこの現場にいるかのような臨場感があった。惨たらしい光景をまざまざと見せつけられ、一味は言葉を失っていた。ナミは口を両手で覆って、「ひどい……」と小さく嗚咽を漏らした。「こ、こんなの見てられねェよ……!」ウソップも目に涙を浮かべ肩を震せてながらも、じっと目を離さないでいる。赤々と燃え盛る町を見て、ロビンは下唇を強く噛んだ。



     『――――誰か!大変だ、トットムジカの話は本当だった!』

     『――――魔王が――トットムジカによってよみがえった魔王が――――街を破壊している!』



     ノイズがかった若い男性の声がどこからともなく聞こえる。今まさに目の前で起きていることを、必死に誰かに伝えようとしているような話し方だった。「なんだァこの声……?」ゾロは声の出どころを探ろうとして首を左右に振る。それに対してフランキーは、顎に手を当てて自身の推測を語った。


    「これァ……おそらく事件当時の“映像記録”だ。たぶん電伝虫か何かが残ってたんだろう」

    「ではそれを見た記憶をもとに、この光景を再現しているのですね」

    「ウタちゃんはこんなのをひとりで見ちまったのか!」



     『――――赤髪海賊団!魔王と戦ってくれるんだ!』



     音声の伝えるとおり、『魔王』と戦う者たちがいた。映像がそちらにクローズアップするとともに船が『魔王』に近づいていく。彼女の父であるシャンクスや他のクルー達の姿がはっきりと捉えられた。

  • 162◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 03:17:20

     
     しかし彼らの全力をもってしても魔王に有効な攻撃を与えられず、ただただ被害は一方的に広がり続けていた。赤髪海賊団の奮闘も空しくエレジアは一夜にして滅び、ここで暮らしていた人々はゴードンただひとりを除いて全員死んでしまうのだ。彼らの戦いは最後まで映し出されず、叫ぶような声で映像は途切れた。


     『――――この映像を見ている人!――――気をつけろ、ウタという少女は危険だ!』


     『――――あの子の歌は世界を滅ぼす!』

  • 163◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 04:19:25

     

     ――――喉が千切れるほどの叫び。


  • 164◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 05:03:16

     ――――誰もが絶句していた。

     赤髪海賊団がエレジアを滅ぼした。そう思い込んで長い年月を過ごしてきたウタにとって、この映像記録は衝撃的な事実だったに違いない。“シャンクス達が犯人ではない”と知れたことだけは、ある意味でほんのわずかに幸いだったのかもしれない。

     だがその幸福を感じる間も無く、ウタは遺された最後の言葉を聞いてしまった。『魔王』を呼び出したのは自分の歌声であることを、自分の存在がいかに危険であるかをあまりにも鋭く突き付けられてしまった。


    「…………あの子、あんなに歌が大好きなのに、こんなこと!!」「ウタの歌声が世界を滅ぼすだって……そんなわけねェ!!そんなわけねェのに!!」力なくへたり込んでナミが激昂する、船縁を握りしめてウソップが叫ぶ。このいたましい経験が、どれほどウタの心を傷つけ、引き裂いてしまったのか、誰にも計り知れなかった。


     これをきっかけに彼女の心は亀裂だらけになってしまったのだろう。やがて本当に世界を滅ぼしかけてしまったことで、ついに心が砕け――――破片の“ウタ達”を生んだのだ。


    「真に切り離しておきたい記憶は……『トットムジカ』のウタだったんじゃな」

    「グスッ……他のウタ達が思い出したくないコトを引き受けていたのはあのウタだったんだ。すぐに気づいて真っ先に助けてやらなきゃいけなかったんだ……!!」


     滝のように涙を流しながら、チョッパーは頭の中のカルテにこの無残な記録をしっかりと書き加えた。

     エレジアで目覚めた後、ウタは事件のいきさつについて多くを語らなかった。事件に巻き込んでしまったことを深く謝罪した後は、自身の行いをすべて受け止めて、そのうえで元気を取り戻して生きようと決心した――ように見えた。仲間の過去にあまり踏み入ろうとしないルフィ達の気質もあって、誰も深く聞き出そうとはしなかった。

     だが多重人格であることを知った今なら分かる――――最初から彼女は、辛い記憶と向き合って人に語れるような状態ではなかったのだ。

  • 165◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 05:12:35

    一旦ここまでです。保守ありがとうございます。

  • 166◆YPIlbh1UTA22/12/28(水) 14:41:33

    書き上げるためにセルフ保守です。

  • 167二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 15:02:58

    応援してます!

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 20:53:39

    ここからだ

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 02:30:32

    救ってあげてくれ・・・

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 11:45:31

    今のうちに保守

  • 171二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 19:38:02

    保守

  • 172二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 22:12:51

    保守しておこ

  • 173二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 08:28:03

    ルフィの反応は如何に

  • 174◆YPIlbh1UTA22/12/30(金) 15:26:36

    色々あって投下タイミングを逃してしまったのでセルフ保守です。

  • 175二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 19:33:44

    このスレを、、守る!

  • 176二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 03:29:46

    続きも楽しみだな
    待機

  • 177二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 10:28:58

    保守

  • 178二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 16:48:47

    age

  • 179二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 21:23:27

    待機中

  • 180◆YPIlbh1UTA23/01/01(日) 05:34:41

    年末の諸々を済ませていたのでセルフ保守です。紅白ウタちゃん見れたので頑張ります。

  • 181二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 09:08:32

  • 182二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 18:36:29

  • 183二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 01:17:04

    この記憶を一人で引き受けるのはつらい…
    ムジカちゃんも救われてくれ

  • 184二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 10:56:42

    >>180

    超期待してます

  • 185二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 18:43:49

  • 186二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:18:33

    そういえばルフィ創作歌の人格とかはいないのかな。
    歌ってないからいないか。

  • 187二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 08:51:06

    トットムジカちゃん、ライブツアーでも歌われなかったからなぁ。
    こっちのウタの人格版ムジカは幸せになって欲しいものだ。

  • 188二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 15:27:25

  • 189二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 21:27:20

    保守

  • 190二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 04:30:44

    保守するよ

  • 191二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 16:05:15

    保守

  • 192二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 20:25:30

    age

  • 193二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 07:41:03

    そろそろ次スレかな

  • 194二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 18:15:23

    保守

  • 195二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 20:17:14

    ほしゅ

  • 196二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 05:10:33

    待つ…

  • 197二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 16:29:37

    保守

  • 198二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 21:26:33

    スレ主は次のスレを作って欲しいな

  • 199◆YPIlbh1UTA23/01/06(金) 21:55:48

    長らくお待たせしています。
    投下するタイミングで改めてスレ立てしますので今しばらくお待ちくださいませ。

  • 200二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 05:48:17

    >>200 ならウタの人格全員で宴

オススメ

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