【閲覧注意🎲/パラレル】三船長×ネクロニカ Part3

[1 NC 23/02/12(日) 16:50:03]

この三人がTRPG永い後日談のネクロニカの世界でドールとして目覚めた世界
原作世界の三人の自我が目覚めたのではなく、ネクロニカの世界で生きて死んだ三人が世界でアンデッドとして目覚めた設定

キャラメイクしながら適当に過去などを生やして妄想するスレです
ネクロニカのシステム上、キャラ間に軽率に恋愛感情が生える場合がありますが、あくまでシステム的なものなので過度なCPネタは禁止の方向でお願いします

あと、そんな酔狂な方はいないと思いますが、前スレ含めここのSSは転載禁止です
（ネクロニカのシナリオの参考にしていただくのは大歓迎です！）

[2 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 16:51:39]

立て乙

[3 NC 23/02/12(日) 16:51:41]

前スレ

【閲覧注意🎲/パラレル】ここだけこの三人が永い後日談の世界で目覚めた｜あにまん掲示板

【閲覧注意🎲/パラレル】三船長×ネクロニカ｜あにまん掲示板

【閲覧注意🎲/パラレル】三船長×ネクロニカ Part2｜あにまん掲示板

有志様によるデータまとめ

ドール3船長

[4 NC 23/02/12(日) 16:56:37]

▼ザックリし過ぎているあらすじ

ドレークから受け取った羅針盤をもとに船の発着所にたどり着いた三人は、偶発的な事故によってネクロマンサーが犇めく豪華客船に乗り込んでしまった。
船の中でボニーと名乗る少女に出会った三人は、盗まれたというボニーのたからもの探しに協力することになった。


＊＊＊
シナリオ進行状況
▼シナリオ01「自我再生研究所クレイドル」　クリア
▼シナリオ02「総合海洋発電所タービンズ・ラグーン」　クリア
▼シナリオ03　進行中…

[5 NC 23/02/12(日) 16:57:50]

ドール設計図：「ルフィ」
享年：8歳
暗示：渇望
記憶のカケラ：「迷子」「ネクロマンサー」「荒い息」「指導者」
ポジション：ジャンク
クラス：タナトス/ゴシック
スキル：【半壊】【必中】【断罪】【引き裂き】【肉の宴】【冥王】
強化パーツ：最大行動値11
　頭【カンフー】【ボイスエフェクト】
　腕【スパイク】
　胴【しんぞう】【うろこ】【たからもの】
　脚
たからもの：航海日誌。古ぼけている上に小難しくて君自身は読めないが、ワクワクを駆り立てられる。

いつか誰かとはぐれ、ひとりぼっちで寂しくて泣いていた。
あの悲しみに比べれば、たとえ終わった世界だろうと兄弟がいる今ならへっちゃらだ。【半壊】した心は、もうこれ以上は壊れない。
【しんぞう】を駆動させ、【カンフー】のような素早い動きで敵を仕留めろ。尖った【スパイク】が、獲物を【引き裂く】のを助けるだろう。
君の皮膚を覆うゴムのように軟らかい【うろこ】が、敵の小賢しい攻撃を吸収する。反撃の機会を逃さず、【必中】の一撃で君たちを傷つけるものに【断罪】を下せ。
諦めずに声を上げ続けろ。【ボイスエフェクト】ののった君の声は高らかに響き、兄弟の心に響くだろう。

[6 NC 23/02/12(日) 16:58:27]

ドール設計図：「ロー」
享年：16歳
暗示：破局
記憶のカケラ：「恋の敗北」「駆け落ち」「飢え」「残酷な遊戯」
ポジション：ホリック
クラス：レクイエム/タナトス
スキル：【修羅】【子守唄】【最高の戦友】【死神】【加速する狂気】
強化パーツ：最大行動値１０
　頭【カルマプロセッサ】【宝物】【リフレックス】
　腕【狙撃ライフル】【ショットガン】【名刀】【救急箱】
　胴
　脚
たからもの：牙のペンダント。大きな肉食獣の牙のようだ。

大好きな人がいた。その人を奪った憎い奴がいた。
焦がれるような慕情が、あるいは燃やし尽くすような憎しみが、君を【修羅】にする。
【死神】のように【名刀】を振り下ろし、【子守唄】代わりに【ショットガン】と【狙撃ライフル】の銃声を聞かせてやれ。君の手にある武器は、決して君を裏切らない【最高の戦友】だ。
衝動のままに武器を振るえ。【カルマプロセッサ】が、過ぎた狂気を麻痺させてくれる。戦いの後に【救急箱】の中身を使えば、君は本来の自分自身を思い出せるだろう。

[7 NC 23/02/12(日) 17:00:15]

ドール設計図：「キッド」
享年：13歳
暗示：破局
記憶のカケラ：「英雄」「助手」「秘密」
ポジション：コート
クラス：ロマネスク/バロック
スキル：【先読み】【調律】【狂った歯車】【怪力】【時計仕掛け】
強化パーツ：最大行動値10
　頭【アドレナリン】
　腕【ワイヤーリール】【パイルバンカー】【ジャンクパーツ】【ガントレット】【たからもの②】
　胴【ちみどろ】【おとこのこ】【たからもの①】
　脚
たからもの①：好きなバンドの特集が組まれた雑誌。戦争の最中にあって、音楽は束の間の癒やしだった。
たからもの②：簡易羅針盤。磁気を纏った小さな鉄片。終わった世界を進む指針となる。

君は戦場に生まれ、戦場に生きた。
終わった世界のことをよく認識している君の頭は、ひとりでに起きうる事象を【先読み】する。
君にかかれば、高度なアンデッド兵器の【調律】もお手の物。君の前では、粗悪なアンデッドなど【狂った歯車】も同然。
【ちみどろ】の体さえ気にならなくなる程に【アドレナリン】を滾らせ、敵を【ワイヤーリール】で引きずり回し、【パイルバンカー】で遠くまでぶっ飛ばしてやれ。
冷静さを失わず、クールに暴れろ。【おとこのこ】らしい君の体から放たれる【怪力】の一撃が、腐ったアンデッドどもを一掃する。

[8 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 17:08:43]

スレ乙！
続きが楽しみ！

[9 NC 23/02/12(日) 17:21:48]

「――い」

ローは途中から映画の記憶が全く残っていなかった。

顔も覚えていない誰かに対する焦がれるような慕情と、耳にまとわりつくような嗜虐の滲む笑い声が同時に脳裏に蘇る。
目は過去の光景を映し出し、思考は混濁した記憶の海にトリップする。

屍肉を成形しただけのローの心臓が、ドクドクと脈打っているようだった。
自分が汗をかいていないのが全く不自然だった。


「――おい、トラ男！映画終わっちまったぞ！！」
「――っ！！」

肩を揺すられながら声をかけられて、不意に意識が戻った。
隣に座っていたルフィが心配そうな顔でローを見ている。シアター内はすでに四人以外は席を立っており、空っぽになっていた。

「……何か具合悪そうだったけど大丈夫か？」
「いや、平気だ。……ここでは収穫は得られなかったな」

さっさと次に行くぞ、とローは席を立った。

[10 NC 23/02/12(日) 17:22:25]

「てめェがチンタラしてるから遅くなっちまったんだろうが！」

「……悪かったなユースタス屋。少し考え事をしていた」

「……おお、そうかよ」

煽ってみたものの、素直に謝られてキッドは逆に面食らった。

「ったく、無駄に時間食っちまった！！」

ボニーが苛立たし気に肩を怒らせ、いつの間にか持っていたポップコーン入りの紙バケツを入口のごみ箱に乱暴に投げ捨てた。

「本当にな。さて、次はどこへ向かうか…」

どこへ行く？　dice1d4=3 (3)

1：レストラン

2：シガーバー

3：カジノクラブ

4：展望デッキ

[11 NC 23/02/12(日) 19:50:14]

「人様のモンをぶんどっていくような手クセの悪ィ奴なら、カジノにいるんじゃねェか」
「……一理あるな」

キッドの提案で四人はカジノクラブに向かった。
ギラギラと輝く照明を反射する黄金の壁。床には豪勢な刺繍のギャッベ。クラブの中心には幸運の女神を象った黄金の像。
メインホールとはまた異なる方向に贅を凝らした空間は、仮面のネクロマンサーたちで賑わっていた。

「どうだボニー。お前のジュエリーを着けている奴はいるか」
「いや、いねェ。クソッ、どこにあんだよ…」

「おや、お客様、素敵なサヴァントをお連れですねェ。ここにはサヴァントと一緒に参加できる遊戯もございますが、いかがでしょうか」

カジノクラブの中を散策していると、スタッフが声をかけてきた。
スタッフが案内する手の先には小さな闘技場がある。サヴァント同士を戦わせて賭けをする趣旨の遊戯であるらしい。

[12 NC 23/02/12(日) 19:50:55]

「……悪いが今は、あ？」

ローが断わろうとしたところで、服の裾を引っ張られた。

ルフィがむっつりと口を引き結びながら、暴れたいと目で訴えている。横で鉄くずの手を鳴らしているキッドも同様だった。

サヴァントの振りをして黙りこくっていることに鬱憤が溜まってしまったようだ。

「…よし！一戦やるか！！」

ボニーがスタッフの提案に乗った。

あいつらが癇癪を起して暴れたら困るからな、とボニーはローにだけ聞こえるように呟いた。

「それでは、試合開始ィ！！」

「うおおおおおおおおおお！！！！」

ドン！有象無象のサヴァント達が散る。

思い切り暴れて、ルフィとキッドはいくらかストレスが晴れてスッキリした心地だった。

＊＊＊

狂気点の回復

ルフィからキッドへの「嫌悪」　●●〇〇　→　●〇〇〇

キッドからルフィへの「対抗」　●●●〇　→　●●〇〇

ローとボニーが手に入れたチップ

dice1d100=83 (83) 万

[13 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 20:02:55]

かなり勝ったな！？

[14 NC 23/02/12(日) 20:08:24]

「あっはっはっは、流石ブルジョア様は気前がいい！！あれっきりの戦いで83万！！」
チップを換金したボニーがケッサク！と高笑いした。

「……この世界で貨幣の価値が通用する場所なんて、ここくらいのモンだろうがな」
「そうだな。だったら、ここで使わなきゃ損だ！！メシを食いに行くぞ！！あたしは腹が減った！！」

グルルルと、ボニーの腹が鳴った。ボニーはルフィと同様に空腹を感じるタイプのアンデッドであるらしい。
ルフィの腹もつられてキュルルと空腹を訴えた。

「おれ、肉が食いてェ！！」
「あたしはピザ！！あとハンバーガーとホットドッグとスパゲッティとグラタンと～」
「「でっかいステーキ！！！」」

ルフィとボニーが意気投合してはしゃいだ。

「おい、あまり騒ぐな！特に麦わら屋！！」
「こいつら聞いちゃいねェ……。完全に食欲に飲まれてやがる」

ひそひそと話す声がする。

「あの人、サヴァントにも食事を与えるアマスか？随分と溺愛してるみたいアマスねェ…」
「全く理解できないアマスが、どうせ余る食事アマス。そういう楽しみ方もあるアマスね」

ルフィの外見が幼いことが幸いして、周囲の目には愛玩用サヴァントとそれを溺愛するネクロマンサーとして映ったらしい。
悪目立ちこそしているが、正体を怪しまれてはいないようだ。

「「メシ～～～ッ！！！」」
「「はァ……」」

空腹を感じない二人は、先が思いやられる、とため息を吐いた。

[15 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 20:38:03]

ルフィとボニーは2人とも食いしん坊だから気が合いそう
周りにネクロマンサー沢山いるからハラハラしてしまう

[16 NC 23/02/12(日) 22:46:25]

「個室に通してくれ」

ルフィとボニーは絶対に品良く食事できないだろう、とふんだローは、個室の席に通してもらうことにした。

「とにかく沢山持ってきてくれ。金はある。肉と、あとピザを多めに」

「かしこまりました」

ボロが出ないよう、ローは席に通されたその場で先手を打って料理を注文した。ルフィもボニーも待ちきれないと机の下の脚をバタバタと揺らしている。

「お待たせいたしました」

「「わああ～～～！！！」」

給仕のサヴァントがすぐにワゴンに沢山の料理を乗せてやってきた。

アンティパストには真っ赤なトマトと白いモッツァレラチーズに緑のバジルソースがかかったカプレーゼ。白い脂の筋が美しいサーモンのカルパッチョ。スープは鮮やかな黄色のポタージュ。

そして、こんがり焼かれたターキー、分厚いサーロインのステーキ、骨つきのラムチョップ、大きな塊の叉焼。

ピザは王道のマルゲリータ、豪勢な貝がのったペスカトーレ、黄金の蜂蜜がかかったクアトロフォルマッジ。

足りなければ遠慮なくお申し付けください、と言い残し、給仕のサヴァントは個室を出て行った。

「うまそ～～～！！いただきます！！！」

食い意地の張った二人は揃って料理にガッついた。

皿まで食べるような野性的な食べっぷりは、およそ品性といったものからかけ離れていた。

「「うんめェ～～～！！！」」

「････････････」

行動判定

ルフィ　食事に夢中のためスキップ

ロー　dice1d10=7 (7)

キッド　dice1d10=8 (8)

[17 NC 23/02/12(日) 22:46:59]

オマケ　三人に味覚は　1:ある　2:ない　（ある場合は味覚の強さ）

ルフィ　dice1d2=1 (1)　(dice1d10=2 (2) )

ロー　dice1d2=1 (1)　(dice1d10=9 (9) )

キッド　dice1d2=1 (1)　(dice1d10=4 (4) )

[18 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 22:47:51]

ローめっちゃあるな

[19 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 22:55:55]

2だともう味覚というより記憶で味がしてそうだ

[20 二次元好きの匿名さん 23/02/12(日) 22:56:34]

雰囲気と記憶で味を感じてると思ってそう

[21 NC 23/02/12(日) 23:00:51]

「･･････この料理、どう思うユースタス屋」

「おかしいだろう。この世界でこんな食材が手に入る筈がねェ」

宇宙線が降り注ぐ石と砂ばかりの大地に植物は育たない。餌がなければ家畜も育たない。腐った海に生命はない。

ならば、目の前に出されたものは何だ。

「･･･んあ？ふぉふぉいふんあトラお」

「･･･おれは食欲がないから食事はいらねェ。お前らの代わりに、レストランを見てジュエリーを身につけている奴がいないか探してくる」

「おれも同行するぜトラファルガー。お前らは食ってろ」

「･･･ゴクン、そっかありがとな！！」

食事の必要がないローとキッドは個室を出て、開放的なオーシャンビューが楽しめるレストランバーに出た。

得体の知れないものを口にする気にはなれなかった。

食事を楽しむ仮面のネクロマンサーたちで、ジュエリーを身につけている者はいない。

二人はレストラン内を歩くうちに、厨房の近くにやってきた。

厨房からはウェイター姿の給仕のサヴァント達が忙しなく出入りしている。ただ、シェフ姿のサヴァントは一人も見あたらなかった。

行動ロール　dice1d3=3 (3)

1:厨房の中を覗く

2:料理のことを聞いてみる

3:不審な行動はせずに引き返す

[22 NC 23/02/12(日) 23:15:55]

「目的のものは見つからねェか･･･。戻るぞ、怪しまれたら厄介だ」
「ああ。食い意地の張ったバカ共をいつまでも放って置けねェしな」

料理のことは気になったが、それで怪しまれて目的を果たすのに支障が出たら本末転倒だ。
怪しいものでも、口にしなければ問題ない。それに、大勢のネクロマンサーが口にしているのだから、毒ではないだろう。

二人が個室に戻ると、食器が山のように積み重なっており、二人の体は風船のように膨らんでいた。
ドン引きしたローとキッドの眉がピクと痙攣した。

「どんだけ食ったんだお前ら･･･」
「いや～食った食った！！ごちそうさま！！」
「うめェ肉だったな！あ、おかえりトラ男とギザ男！どうだった？」
「残念だが、収穫はなしだ」
「そっか、仕方ねェ！腹ごしらえも出来たし、次いくぞ！！」

満足げなルフィとボニーが意気揚々と立ち上がったところで、船中に放送が響いた。

『まもなく今宵のオークションを開催いたします！ご参加の方は、メインホールにお集まりくださいませ！』

「オークション･･･。そういや船底のおっさんたちもそんなこと言ってたな」
「行ってみる価値はあるかもしれねェな。もし出品されてたら、労せずにジュエリーの在処が分かる」
「よし、行くか！！今度こそ見つけてやる、あたしのジュエリー！」

放送を受けて、四人はオークションに向かうことにした。

「お会計は83万でございます」
「･･････現金で頼む」

ローは散々食い散らかした二人を睨みつけながら、手持ちの資金を全てスタッフに明け渡した。

[23 NC 23/02/12(日) 23:17:50]

ここの厨房、狂気判定スポットだったんれすが、利口な奴らに回避されてしまって残念れす

今日はこの辺にしておきます

[24 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 01:47:40]

狂気判定…料理の正体はなんだったろう

[25 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 09:26:55]

>>23

えっ……ちょっと怖いこと言わないで……

[26 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 13:00:38]

>>24

こんな滅んだ世界で保存食の類じゃないとなると…なぁ…

[27 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 13:01:44]

人工肉か、人○肉か･･･

[28 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 19:59:44]

シナリオ完走後に解説してほしいぜ

[29 NC 23/02/13(月) 20:05:02]

厨房の中身はエンドパート終わった後にネタバラシしようと思います

他にも狂気判定入る選択肢あったんですが、華麗にスルーして今のところ豪華客船を普通にエンジョイしてるみたいになってて笑ってしまう

[30 NC 23/02/13(月) 20:37:52]

四人がオークションに参加するためにメインホールに戻ってくると、番号のプレートを手渡された。
大勢のネクロマンサーが集まった会場は興奮と熱気に包まれている。

「お待たせいたしました、今宵のオークションを開催いたします！！」

初めは絵画や彫刻といった美術品の競買から始まった。
今はもうない美しい大自然の光景。800万。生き生きとした人間を象った像。1400万。
四人は興味が無い。

「茶番だな。この世界で貨幣の価値なんてないも同然、とんだおままごとだ」

キッドが腕を組み壁にもたれながら呟いた。会場のネクロマンサーたちはオークションに夢中で、キッドの不遜な態度を気にかけるものはいない。

「――さァ、ここからはサヴァントの紹介でございます！まずはエントリーNo.･･････」

メインホールに設けられた舞台の袖から、鎖に繋がれた少年少女がヨロヨロと歩み出てきた。
会場の空気が変わる。悪意に満ちたいやらしい熱気がホールに満ちた。

[31 NC 23/02/13(月) 20:44:22]

「――アゲート製の鱗を2万枚縫い付けた、この美しい脚！！スタートは1000万から！！」

「1500万！」「わちしは2000万！！」「わちきは5000万出すアマス！！」

次々に挙がる札。つり上がる値段。反比例して貶められる命の価値。踏みにじられる尊厳。

「ハンマープライスは1億2000万～～！！！」

「おめでとうございます、焼きごての準備はできております」

サヴァントを落札したネクロマンサーに、真っ赤に焼けた焼きごてが手渡される。

鎖を引かれたサヴァントはその場で跪き、背を差し出す形となった。

「これからウチでたっぷり可愛がってやるえ～～」

「―――ッ！！！」

ジュゥ、と肉の焼ける不快な音がする。アンデッドは通常痛覚をもたないが、生理的な快不快程度は感じることができる。

サヴァントは背を撓らせ、苦しんで悶えた。悲鳴は出ない。耳障りな雑音が出ないよう、オークションが終わるまで声帯を取り上げられているからだ。

金と権力に溺れ、何が同族であるかさえ忘れた豚畜生共。

気に入った異性を侍らせ、屈強な兵士を従え、思う儘に他者を支配せんとする嗜虐と支配欲。

本能さえ曇らせる醜い欲望。

「３億！！」「3億5千万！！」「3億8千万で買うえ！！」

狂気的な欲望が、ドール達の周りで渦巻いた。

狂気判定

ルフィ　dice1d10=2 (2)

ロー　dice1d10=1 (1)

キッド　dice1d10=6 (6)

[32 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 20:58:10]

トラ男〜〜！！！

[33 NC 23/02/13(月) 21:09:35]

嗜虐的な遊戯に興じる者たちの嗤い声。
棒きれのような手足はあまりにも非力で、されるがままにモルモットのようにもがく様を誰かが指をさして嘲笑う。
そうだ、白く眩い照明で逆光になった影は醜い笑顔を浮かべていた、あのネクロマンサーたちのように！！

「――･･･う」

ローは無意識のうちに胸を掻きむしり、はらわたを爪で破ってしまっていた。

「――おい、トラファルガー！！呆けてんじゃねェぞ！！」
「――ッ！！」

鋼鉄の手がローの肩を掴んで揺さぶる。

「怖じ気づいたなら面を寄こして外に出てろ、バカザル、てめェも怖ェならガキらしくおねんねしてな！」
「･･･ユースタス屋、てめェ喧嘩売ってんのか」
「今の腑抜けたてめェにゃその価値もねェよ」
「やめろお前ら！あたしたちがここに来た目的を忘れたとは言わせねェぞ」

険悪な空気が流れかけたが、ボニーが二人の頭に拳骨を落として一時収束させた。

「――･･･すまない、また考え後をしていた」
「おれ、あいつら嫌いだ」

ギリリとこぶしを握りしめる音がする。ルフィの丸い瞳に剣呑な光が宿った。

[34 NC 23/02/13(月) 21:11:42]

ルフィからキッドへの「嫌悪」　●○○○　→　●●○○
ローからルフィへの「依存」　●○○○　→　●●○○

なんかこのシナリオのダイス神はローに辛口れすね･･･
こんなはずでは･･･

[35 NC 23/02/13(月) 21:25:14]

「さて、本日のトリを飾りますのは―――」

シルクの布が駆けられたワゴンが舞台に運ばれてくる。
もったいぶった仕草で、司会のサヴァントが布を取り払った。

「なんと珍しい『血晶琥珀』！！透き通るような赤い結晶には―――」


「あたしのジュエリーだ！」

ボニーが叫んだ。舞台の中央に駆けて行こうとするのをキッドが止める。

「やめとけ、敵のど真ん中だ。落札した奴の顔を覚えて、個別で”交渉”した方が確実だ」
「――あ、ああ」

キッドの言葉でボニーは立ち止まった。周りのネクロマンサー全てが敵に回ったら、四人では到底太刀打ちできない。

「4億！」「4億3千万！！」「5億で買うえ！！」
「ハンマープライス！！『血晶琥珀』、5億にて落札～～！！」

桁違いの落札価格に会場が最高潮に盛り上がる。

「これにて本日のオークションは終了でございます！！引き続き船旅をお楽しみ」
「待つえ」

オークション閉会の司会を遮る声が響いた。

「まだサヴァントが残っているはずだえ。わちしのことを殴った、生意気で、愚かで、下賤で、頭の悪いサヴァントが！！」

声の主は、船底でローが殴り飛ばしたネクロマンサーだった。

[36 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 21:27:05]

ローのピンチが多い…多くない？

[37 NC 23/02/13(月) 21:37:06]

「あらお父様、そんな子がいたアマスか」
「そうだえシャルリア。良い機会だえ、あのサヴァントを買って、躾の見本をお前に見せてやるえ」
「まァ楽しみアマス、何をなさるのお父様」
「奴隷が二度と逆らわず、喜んで服従するようになるまで、徹底的に痛めつけるのだえ。なに、ウチには一流のアンデッド修復士もいる、いくら傷つけても構わんえ」

ロズワード聖、と呼ばれたそのネクロマンサーは、装飾的で古風な銃を取りだした。

「あいつはどこへいったえ。白い帽子を被った、黒い髪のサヴァントは！！」

ロズワード聖のただならぬ怒気に、会場のネクロマンサーたちがホールを見渡した。
ネクロマンサーたちは皆高く結い上げた特徴的な髪型をしており、帽子を被っている者はいない。

麦わら帽子のルフィと、毛皮の防寒帽のボニーと、――白い斑模様のキャスケットのローを除いて。

仮面越しのネクロマンサーたちの視線が、一斉に四人を捉えた。

[38 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 21:39:48]

ヤバイヤバイヤバい！！！

[39 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 21:40:44]

ローが情緒不安定で不安になるぜっ
キッドは曇らないならしいっちゃらしいけど曇ってくれてもいいんだよ……？

[40 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 21:47:56]

ロー曇らせ供給助かる()
前回同様にルフィが晴らしてくれると信じてる

[41 NC 23/02/13(月) 21:55:59]

「まずい、逃げるぞ！！」

四人は背後の扉から逃走しようとしたが、セキュリティシステムが働いたのか、ビクともしなかった。

「クソッ、固ェな！！」
「無駄だえ、巨人サイズのアンデッドでも破壊できない、特別製の扉だえ。大人しく掴まるえ」

状況はまさに四面楚歌。
流石に焦りが来る状況で、ルフィはまっすぐネクロマンサー達を向いて立っていた。

「おい麦わら、何する気だ･･･？」

パン！放たれた銃弾をかわし、ルフィはロズワード聖にかたく握ったこぶしをぶち当てた。
ロズワード聖は自身が弾丸になったかのように回転しながら会場の端まで飛んでいく。

「･･････悪ィお前ら。狙われる奴を増やしちまった」

ネクロマンサーの暴虐に耐えかね、ルフィの目が鋭く怒りを湛えている。

「･･･どうせジュエリーを奪還する予定だったんだ、今更だ」
「ついでに気に入らねェ奴らもぶっ飛ばせるんだ、文句はねェ」

ローはショットガンを抜き、キッドは腕のパイルバンカーに動力を走らせる。

目の前には、銃を構える無数のネクロマンサーと、彼らが従えるサヴァントがずらりと並んでいた。

[42 NC 23/02/13(月) 22:05:38]

「バカかお前ら！数の差考えろ！！」

ボニーが叫び、手の中で何かのスイッチを押した。

――ドォン！！ドォン、ドォーン！！！

鼓膜を破るほどの爆音が響き、船体が揺れる。
けたたましいアラームが鳴る。

『船底で爆発を感知、直ちに避難行動を取ってください』

状況が一転してパニックになる。

「船底に仕掛けたゾンビボムを爆破させた！この混乱に乗じて、ジュエリーを取り返してずらかるぞ！！」
「ずらかるって、ここは船の上だぞ！！」
「この会場の裏に小型ボートが搭載されてる！！それで逃げる！！」

それがボニーの当初の計画であったらしい。この事態は全く想定外だろうが。

「分かったか麦わら！！」
「ああ！あいつらぶっ飛ばして、お前の大事なモン取り返せばいいんだな！！」
「その後に船な！！」

グラリ。船が傾き、腐った海水が流れ込んでくる。
混乱を極めたホールの中で、四人は戦闘態勢に入った。

▼戦闘パートを開始します

[43 NC 23/02/13(月) 22:13:28]

▼戦闘終了条件「奈落からの逃走」を公開します
▼戦闘カルマ「2ターン目終了までに【血晶琥珀】を取り戻す」を公開します

※特殊戦闘ルール
戦闘中、ドール後方から海水が流れ込み、1ターン毎に「楽園」側のエリアから滞在不可能になります。
戦闘開始時点で「楽園」のエリアが滞在不可能な状態です。2ターン目開始時点で「花園」に残っているドールがいた場合、そのドールはロストとなります。3ターン目以降も同様の処理を行います。

※【血晶琥珀】について
【血晶琥珀】は舞台「地獄」上のノーブル（ネクロマンサーで構成されたレギオン）が持っています。ノーブルへの攻撃判定を成功させることで、【結晶琥珀】を取り戻す行動判定が発生します。

※ボニーはドールですが、データ上はサヴァントとして舞台に配置され、三人とともに戦います
ドレークの初期舞台配置は「煉獄」です

[44 NC 23/02/13(月) 22:18:07]

というわけで戦闘に入りますが、例によって裏で処理してからダイジェストでお送りします！
一度はやってみたかった特殊戦闘ルール

確認したらシャルリア宮はロズワード聖のこと「お父上様」って呼ぶんですね、うっかりミスです

余談ですが、ヘイトタンクとして最強のチャルロス聖を出そうとしたけど、あいつの頭の中が分からなさすぎて比較的社会性のあるロズワード聖にがんばっていただくことになりました

今日はこの辺で

[45 NC 23/02/13(月) 22:20:32]

>>43

あっコピペ直し忘れでドレークの名前がそのままになっている！！！

心の目でボニーに直してください！！！恥ずかしい！！！！

[46 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 22:22:13]

ガンガン攻めていかないとロストしちゃう可能性が...でも手駒多そうだし
ダイスの女神様どうか3兄弟達に味方してくれよ！ロストしてくれるな！

[47 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 22:23:37]

ルフィ、グッジョブ！
でも敵は多いし、時間制限があるしで不安だ
みんな無事に生き残ってくれ

[48 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 22:31:46]

頼む……みんなどうか無事で……！！！

[49 二次元好きの匿名さん 23/02/13(月) 22:33:26]

逃走戦闘珍しくていいな
判定上手くいきますように！

[50 二次元好きの匿名さん 23/02/14(火) 07:41:20]

続きが楽しみです
ダイスの女神様は兄弟たちに味方してくれるのかドキドキします

[51 二次元好きの匿名さん 23/02/14(火) 16:31:46]

特殊戦闘！処理大変そうだ
みんな生還してくれ～！

[52 NC 23/02/14(火) 19:57:13]

今日の更新はおやすみします！
戦闘処理中につきもうしばらくお待ち下さい…

毎回手駒配置の難易度調整ユルユルなので、やってみるまで加減が分からないガバガバ仕様です

[53 二次元好きの匿名さん 23/02/14(火) 21:21:19]

戦闘処理頑張ってください！楽しみにしてます！でも無理はなさらず……ゆっくり待ってますね……！

[54 二次元好きの匿名さん 23/02/15(水) 08:55:39]

処理大変そうだ……！ご無理だけはなさらず〜！

[55 二次元好きの匿名さん 23/02/15(水) 20:07:42]

見ただけで処理が大変そうなので、頑張っていてください！
ゆっくり待っています

[56 NC 23/02/15(水) 23:24:36]

保守コメントありがとうございます！

戦闘処理が終わったので、データだけ先に乗せておきます！描写は明日にしようと思います

戦闘回数が多くなってきて、毎回詳細な手駒データを出しているとルールブックの内容を公開しすぎるかな、と考えたので、今回から手駒データは控えめに記載することにしました

詳細が気になる方はルールブックを購入してみよう！（販促）

手駒・NPCデータ０３

とある戦闘のログ０３

※ルフィの【断罪】について

本来は白兵攻撃にのみ使用可能なマニューバですが、この卓では肉弾攻撃にも使用可能とします。

間違えて処理していましたが、これを修正するとあまりにも死にスキルになってしまうので…。もともとダイスでランダムにスキルを取っているので、難易度調整のための処置とします。

手駒の攻撃対象、攻撃行動はダイスで決定していますが、やっぱり今回はローに厳しかった気がする…

[57 二次元好きの匿名さん 23/02/15(水) 23:45:07]

怒涛の発狂祭りで草枯れた
ダイス神今回はやたらトラ男に手厳しいな…

[58 二次元好きの匿名さん 23/02/15(水) 23:53:44]

戦闘処理お疲れ様です！確かにローに手厳しい🎲神だ……気持ちキッドには優しかったりして贔屓してるな？まあ万年ギラギラ晴れ男だし仕方ないのかね……

[59 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 00:05:42]

うわぁ地獄……

[60 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 00:25:59]

トラ男が何度か発狂してたからボイスエフェクト早く！ってなった
移動も妨害受けるし精神汚染バンバン受けるし急にトラ男に厳しくないですかダイスの女神様...

[61 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 00:38:30]

ネクロニカは発狂してナンボだから(震え声)
ロストが無かっただけセーフ

[62 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 00:58:06]

ローがめちゃくちゃ発狂してる…
ヒルコ助けちゃうのはさすがルフィ
何はともあれロスト起きなかったの良かった めちゃくちゃホッとしてる

[63 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 01:01:03]

ヒルコて何だ……

[64 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 02:44:23]

>>63

恐らく元は日本神話のイザナミとイザナギが最初に産んだ神様？の蛭子命だと思います。

簡単な説明ならこのYouTuberさんの動画見てみてくださいshortなのでサクッと見れますよ。https://m.youtube.com/shorts/o89bZVxJeGw

【だるま】と【テンタクル】がパーツになってるのにも納得ですね……

何か不備があったら消してくれて構わないです。

[65 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 08:16:14]

とりあえず、無事？に終わってよかった？
あとは対話判定を頑張るだけだな！
断罪に関してはありだと思うから気にしないで

[66 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 09:53:10]

>>64

これ見てパーツ見て「なるほどー！！」てなった

博識さんがいっぱいおる

[67 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 10:07:01]

トラ男の狙われようえぐくてロストなしのコメント見てなかったら怖くて最後まで見れなかったな...

[68 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 14:01:18]

ターン終了時狂気点増加しないルフィが残って助けたのが凄くグッときた
ロストなし勝利おめでとう！

[69 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 21:01:49]

ロストなしで安心した！
それにしても血晶琥珀ってなんだろう？
ヒルコの制御装置みたいなものなのかな？

[70 NC 23/02/16(木) 22:01:30]

――ビュン！
船のセキュリティシステムが四人に向かってレーザービームを放った。
熱線がドールの体に穴を空ける。

四人はレーザーをかいくぐり、ホールの奥に向かって駆け出した。
ルフィが先陣を切り、両脚に太いバネが仕込まれているボニーが次に続く。

「逃がすな！あいつを捕らえるのだえ！」
「ぐっ･･･」

ネクロマンサーの指示を受け、サヴァントが伸ばした金属の触手が怒りの標的となったローを絡めとり、その場に足止めした。

入り口側にいたローのすぐ後ろにはもう激しい水流が迫っている。


「てめェら、どけェッ！！」

ホールに犇めくネクロマンサーにむけて、キッドがパイルバンカーを振りかぶる。重い金属の塊が肉を撲つ鈍い音が響いた。
パイルバンカーはネクロマンサーではなく、彼らを庇ったサヴァントに命中していた。サヴァントの体が悲鳴もなくバラバラに砕ける。

「チッ、こいつらは捨て駒ってことかよ、胸糞悪ィ」

意図しない結果にキッドは眉間に深い皺を刻んだ。

[71 NC 23/02/16(木) 22:04:29]

「あいつら反逆者だえ、タダで生かしておく訳にはいかないえ～！！」
「捕らえて調教するアマス！！」

傲慢なネクロマンサーたちが、ドールを支配せんと武器をとった。乱射されるフリントロック銃の弾が肉を削り、醜悪な欲望が健全な精神に歪みを生じさせる。
ネクロマンサーの欲望を最も近くで浴びたローの神経がザラザラと逆撫でされて、冷静ではいられなくさせた。


「クソッ、あたんねェ！！邪魔すんなお前ら！！！」

キッドのパイルバンカーも、ルフィの握ったこぶしも、ネクロマンサーを庇ったサヴァント達に当たってしまう。

ルフィのこぶしがサヴァントの足を砕いた。後ろでネクロマンサーが嗤っている。ぶっ飛ばしたいのはあいつらなのに。

「何でお前らあんな奴の言いなりになってんだ！！」

ルフィの叫び声が響いた。

キッドが戦いながら周囲の様子を伺うと、ホールの入り口側でネクロマンサーと対峙しているローの姿が目に入った。水流がすぐそこまで迫っている。

「トラファルガー、いつまでそこに突っ立ってる気だ！」

キッドが腕のワイヤーリール伸ばし、ローを引っ張り込んだ。照準のずれたショットガンがサヴァントと撃ち抜いた。
少女の体に穴が空く。あの子の体が倒れる。ローの脳の奥底にある狂気が引き摺り出される。

「ああ、“あの子”を今すぐ守りにいかないと･･･」

混濁していく意識の中で、武器を握る感触だけが確かだった。

[72 NC 23/02/16(木) 22:08:03]

ビー！！
セキュリティシステムが再び作動し、四人めがけてレーザービームを放った。

「ああ！！畜生、脚がッ！！」
熱線がボニーの太腿を焼き切った。床に体を打ちつけたボニーをみて、ネクロマンサーが愉快そうに嗤い声をあげた。
ボニーが額に青筋を浮かせながらネクロマンサーを睨み上げる。ボニーは無い脚を振り上げようと力を振り絞った。

「脚が千切れても･･･、喰ったら治る！！」
ボニーの怒りに応えるように、ボニーの機械仕掛けの脚が再生する。電撃をまとった蹴りがネクロマンサーめがけて振り抜かれたが、それもまたサヴァントに肩代わりされてしまった。

「しっかりしろお前ら！！自我を取り戻せ！！」

声を失ったサヴァントは答えない。

――ドォン！！

扉が水圧に負け、更なる水がホールに流れ込んでくる。すでにホールの中央付近まで水浸しになっていた。


「あいつを逃がすんじゃないえ！！」
「クソッ、またか･･･！」

ホールの入り口から離れようとするローをサヴァントの金属の触手が拘束する。

「トラファルガーつかまれ！！」
キッドのワイヤーリールがローを絡めとり、金属の触手を引きちぎるようにローを引っ張りあげた。

「ったく、世話が焼けるぜ･･･。――･･････？」

キッドの煽りにローは乗らなかった。帽子の下で、ローの金の双眸が細かく揺れていた。

[73 NC 23/02/16(木) 22:09:03]

「うおおおおおおお！！邪魔すんなお前ら！！」

戦いの中でこぶしを負傷したルフィは、首を伸ばして噛みつくようにしてネクロマンサーを庇うサヴァントの相手をしていた。

「麦わら、そのままそいつらを引きつけてくれ！！」
「分かった！！」

ボニーが脚を振り上げ、血晶琥珀ををもっていたネクロマンサーのうでごと蹴り上げた。

「ああ、わちきのコレクションが！！」

ネクロマンサーのうでが伸ばす。ボニーも負けじと手を伸ばすが、あと一歩届かない。

「ボニーの邪魔すんな！！」

ルフィがネクロマンサーの胴に噛みついて動きを止める。ボニーの手が血晶琥珀に届いた。

「助太刀ありがとうな麦わら！！」

ボニーは赤い宝石を両手にもち、顔の高さに掲げた。ボニーの手の中で血晶琥珀が赤く輝く。

「これは･･････、こうやって使うんだ！！」

血晶琥珀から放たれた赤い光は、不思議と安らぎを感じさせた。
サヴァントたちが魅入られるように赤い光を見つめる。そうして一度瞬きすると、先ほどまで濁りきっていたサヴァントたちの目に光が宿っていた。

サヴァントたちが再生能力で脚を修復し、ネクロマンサーから逃げるように駆け出した。

「なんだえ、奴隷が言うことを聞かないえ！？」

[74 NC 23/02/16(木) 22:10:44]

「――まあいい、奴隷なら、また新しく作ればいいのだえ」

ネクロマンサーの欲望がローの自我を歪める。ローの目には幻覚が見え始めていた。可愛いあの子が船を駆け回っている。

「てめェらみたいな奴がいるから････。守らないと、お兄様がついてないと･･･」

朦朧としながらも、ローは武器を握る手を離さなかった。
一閃。刀がネクロマンサーたちを切り払った。

「チッ、どいつもこいつも生意気アマス！壊してやるアマス！！」

思い通りにならないことに逆上したネクロマンサーが放ったフリントロック銃の弾がボニーの腹を撃ち抜いた。

「ハッ、痛くもねェなそんな弾！！」
「ぎゃあああああ！！！」

ボニーの体から噴き上がる強酸の血がネクロマンサーの体を溶かした。

「てめェもぶっ壊してやる！！」

ボニーは続けて船のセキュリティシステムに手を伸ばした。

――ガキ、ボリボリ、ゴキン！！

ボニーの体に、金属でできた機会が飲み込まれていく。金属の甲高い悲鳴を聞いて視線を向けたキッドが目を丸くした。

「･･･あいつ、機会を丸ごと食ってやがる」
「しっしっし、すげェなボニー！！」

ルフィは楽しそうに歯を見せて笑った。

[75 NC 23/02/16(木) 22:12:14]

水流の勢いが強まる。すでにホールは濁流にのまれ、救命用の小型ボートのある舞台裏にも水が入り込み始めていた。
ネクロマンサーの呪縛が解けたサヴァントたちがボートに乗り込み始めている。

ボニーも負けじと脚のバネを駆使して飛び上がり、いち早く小型ボートに乗り込んだ。

「先にボートに乗り込んでるぞ！お前らも早く来い！！」
「おうよ！！」

キッドがうでのワイヤーリールをボートに引っかけ、一気に乗り込んだ。

「――ッと、狭ェ船だな･･･。バカザル、トラファルガー、何モタモタしてんだ！！」
「ギザ男！今行く！！」

キッドの言葉に、ルフィは飛び跳ねるような動きでボートの近くまで来た。
ローはまだボートの側に来ていない。

「何やってんだトラ男、早くこっちにこい！！」
「うん」

ルフィの声を聞き、ローがやけに緩慢な動作でボートに乗り込んだ。ルフィは様子のおかしいローがボートに乗り込むのを側で見守った。

危険がないか確認するために周囲を見渡すと、ふと、逃げようとボートに乗ろうとしているが上手くいかないサヴァントの姿がルフィの目に入り込んできた。

「…ほら、お兄様の手につかまってお前もおいで」
ひどく優しい様子でローがルフィに手を伸ばした。ルフィは麦わら帽子を被りなおし、首を振った。

「悪ィトラ男、もうちょっと待っててくれ」


船はもうほどんどが水に呑まれている。

[76 NC 23/02/16(木) 22:13:10]

「お前、大丈夫か？」
「――――！！」

ルフィは逃げ遅れているサヴァントに手を差し伸べた。

「よっ、･･･これで船に乗れるか？」

船のへりに引っかかったサヴァントを持ち上げてボートに乗せ、ボートを押して海へと逃がした。

激しい水流がルフィの目の前まで迫る。

「早くしろバカザル！！」
「おう、今行く！！」

ルフィはゴムのような皮膚を生かし、飛び上がるようにしてボートに乗り込んだ。


間一髪、四人を乗せたボートは水流に呑まれる前に船を脱出した。


▼戦闘終了条件「奈落からの逃走」をクリアしました

[77 NC 23/02/16(木) 22:15:24]

▼破損パーツ数
ルフィ
基本パーツ：6つ　強化パーツ：なし
ロー
基本パーツ：２つ　強化パーツ：１つ
キッド
基本パーツ：3つ　強化パーツ：なし

「逃走」したため、パーツの修復はできません。

[78 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 22:42:11]

パーツ修復なし厳しいな…

[79 二次元好きの匿名さん 23/02/16(木) 22:43:03]

やばいな

[80 NC 23/02/16(木) 23:09:32]

四人が脱出した瞬間、大きな豪華客船からクジラの鳴き声のような低い唸り声が響き、まるで生き物のような動きで船が沈んだ。

「あの船丸ごとアンデッドなんだ。あいつら、あの船の中で体を作り直して、そのうちまたパーティー騒ぎするんだろうよ」

海に潜る船から離れるようにボートを操縦しながら、ボニーが呟いた。

あの船は文字通り化け物の腹の中。取り返せてよかった、とボニーが赤いジュエリーを胸元で握りしめた。

キラキラと輝く赤いジュエリー。その光を見つめているうちに、まるで悪い夢から覚めるように、朦朧としていたローの意識が戻ってきた。

「よォ、ようやく正気に戻ったのかよおニイサマ」

「トラ男、元に戻ったか？あの船に乗ってから何か変だったもんな、お前」

「････････････」

船の中で何度も意識を飛ばしていた自覚のあるローは言い返す元気もなく、帽子のつばを下げて黙りを決め込んで誤魔化した。

＊＊＊

対話判定

ルフィ→キッド　dice1d10=2 (2) +1

ロー→キッド　dice1d10=4 (4) +1　

キッド→ロー　dice1d10=3 (3) +1　

＊＊＊

「それにしても綺麗な宝石だな、お前の父ちゃんの宝石！」

「一体何なんだそのジュエリーは。ただの石じゃねェな？」

操縦席の横からルフィとキッドがボニーの手元を覗き込む。

肉球型の変わったジュエリーが船の中で光り輝いていたことが、二人の印象に強く残っていた。

[81 NC 23/02/16(木) 23:10:43]

ボニーの説明の上手さ　dice1d100=87 (87)

[82 NC 23/02/16(木) 23:23:41]

「これは【血晶琥珀】っていって･･･、あたしの父が開発した特殊な鉱石なんだ。
強い意識に反応して、自我次元と媒体の接続を整える特殊な波長を出すんだ。歪んじまったアンデッドの自我をもとに戻す治療の為に開発したんだって。
でも、アンデッド兵器なんて自我を歪めてなんぼだから、この石は危険すぎるって、父は政府に消されたんだ」

ボニーの話を聞いて、キッドが合点がいった。

「なるほどな、それでサヴァントが急に正気に戻ったのか」
「そういうこと」
「そりゃとんでもねェな」

アンデッド兵器の運用の仕方をキッドは知っていて、同時に自我の歪みを修整されたアンデッド兵器がいかに使いものにならないかも知っていた。
死と殺しを恐れない精神の歪みこそがアンデッド兵器の真価といえる。心が生きていれば、それは生きた兵士と何ら変わらないものとして兵器としての価値が下がる。

「まァ、あいつらはこの石が何か知らなかったみたいだったから、ただの珍しい石だと思って盗んだみたいだな」
「つくづく馬鹿な奴らだぜ」
「本当にな！！」

はっはっは！とキッドとボニーは声を揃えて笑った。

[83 NC 23/02/16(木) 23:30:51]

「前方に島発見！あそこに上陸するぞ！」

「お～、森ばっかりだな、あの島」

ボニーの声を聞いて、ルフィは首を伸ばして遠くの島を見た。

遠目でも分かるほど、その島は深い密林に覆われていた。きっと終わった世界で生存競争を繰り広げる変異生物の温床となっているだろう。

「上陸！！」

「うおおおおお！！」

見事なハンドル裁きでボニーはボートを砂浜に上陸させた。

マイクロプラスチックで構成された砂浜は、剥き出しの紫外線により劣化しきっており、キシキシと脚が沈むような独特の感触でもって四人を歓迎した。

行動判定

ルフィ　dice1d10=9 (9)

ロー　dice1d10=4 (4)

キッド　dice1d10=5 (5)

[84 NC 23/02/16(木) 23:34:00]

「ん？あっちに何かある」

ルフィは砂浜の向こうに何かが打ち上げられていることに気づいた。

「ちょっと見てくる！」
「待て、一人で突っ走るな麦わら屋！」

ルフィは軽やかに砂浜を駆けていく。
打ち上げられていたのは、船で戦ったサヴァント三人を乗せた救命ボートだった。

[85 NC 23/02/16(木) 23:42:06]

正直サヴァント（ヒルコ３体）は純粋な手駒として出して、一体くらい完全解体されるかなと思っていましたが、まさかの全員生存＆逃走成功だったので吃驚したれす

最初はボニーのたからものを奪還した地点で全員逃走に専念させるつもりだったれすが、結局ローとキッドはノーブルを全滅させるまで戦闘を止めなかったれすし、ルフィは仲間が全員船に乗ったのを確認するまで逃走しなかったれす
しかも隣りでサヴァントが逃走判定で大失敗してたのを見逃せなかったれすね

特にルフィがヒルコBを助けて船に乗せてあげるところは出目が美しすぎて感動したれす
あの場でルフィが支援できるのは１だけなので、ヒルコBの出目が５以外だと成立しないシチュエーションなのれすが、成立しちゃったれすね
TRPGってワンダーランドれす

戦闘カルマにはなかったれすが、ネクロマンサーからのご褒美として寵愛点にオマケ入れたいところれすね


今日はこの辺にしておきます

[86 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 07:03:51]

お疲れ様

[87 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 07:10:51]

ボニーちゃん結構な説明上手！
こうして文章化されるとサヴァントさんも上手く逃げれてよかった…てより感じるね　さすがルフィさん

[88 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 11:15:25]

ルフィがヒルコBを助けたシチュってそんなに確率の低い出来事だったのか
やっぱり🎲神原作履修したな？ルフィの解像度高いぞ？

逃走だったから破損パーツ修復ないのは痛手だな

[89 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 20:07:38]

寵愛点で回復出来るとは言え、まあまあ辛いしな…

[90 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 20:36:23]

ノリと勢いpart7ボニーちゃん！お久しぶりです立ち絵の人(仮)です。女の子描くことが少なくて時間がかかってしまった……描きたいシーンとかはまだまだあるのでラクガキなど増えたら上げるかも？まだ不確定ですが……

[91 NC 23/02/17(金) 21:01:23]

「よかった、お前たち無事だったんだな！」

ルフィは救命ボートの上で倒れている少女たちの側にしゃがみ込み、視線を合わせて手を差し出した。
少女たちはただ三人で身を寄せ合いながら、ルフィの手をじっと見つめた。少女たちには返事をするための声帯も、ルフィの手を取るための手の先もない。天竜会のネクロマンサーに奪われたままだからだ。

ルフィは少女たちの状態に気づき、難しそうに眉根を寄せた。

「･･･トラ男、こいつらの手と声、治せねェのか？」
「･･･材料があればな。流石に何もないところから体は作れねェぞ」
「その材料って何だ？」
「要するに、生き物の肉だな」

ローはネクロマンシー技術への造詣は決して深くないが、生体でできたものならばアンデッドを構成する粘菌が馴染むことを経験と勘で感じ取っていた。

「そうか。だったら･･････」

ルフィは島のジャングルに目を向けた。ジャングルには生き物がたくさんいて、つまり肉が山ほどあることをルフィはよく知っていた。

[92 NC 23/02/17(金) 21:13:34]

「よし！おれ、森ん中に肉取りに行ってくるよ！」

「はァ！？ジャングルなんて危険すぎる、やめておけ！」

「そんなに心配なら、トラ男はここに残ってればいいだろ！！」

言い合いをする二人のもとにキッドとボニーが追いつき、口論の内容から話の流れを把握した。

キッドは鋼鉄のうでを組んで思案した。キッドは冷静ではあるが冷徹ではなく、少女たちを哀れむ心があり、ローほど慎重でもないために「一肌脱いでやってもいいか」とすぐに割り切れる豪快さがあった。

「･･･なるほど、話は大体分かったぜ。こういうのはどうだ？今からジャングルに入って、一番狩りの成果が低かったやつが格下、ってのは」

「格下、だと･･･？」

キッドの煽りにローが反応した。見事な食いつきにキッドの口の端が上がる。

「ビビりはここで待っててもいいんだぜ、トラファルガー」

「ふざけるなユースタス屋！！誰がビビりだと！！？」

「にししし、誰が一番でっかい肉を持ってこられるか勝負だな！！」

三人は仁王立ちになってジャングルに臨んだ。ボニーは審判役、ということで救命ボートの側で待機することになった。

「お前ら準備はいいか？制限時間はあたしがここで叫ぶまで。位置について、よーいドン！！」

三人はガサガサと草をかき分けて変異生物が蠢くジャングルに入っていった。突如現れた森への野蛮な侵入者に、変異生物たちの阿鼻叫喚の悲鳴が響いた。

狩りの成果

ルフィ　dice1d100=12 (12)

ロー　dice1d100=59 (59)

キッド　dice1d100=100 (100)

対話判定

ルフィ→キッド　dice1d10=5 (5) +1

ロー→キッド　dice1d10=9 (9) +1　

キッド→ロー　dice1d10=10 (10) +1　

[93 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 21:16:04]

最大値！これは格上

[94 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 21:16:39]

圧倒的な格上

[95 NC 23/02/17(金) 21:28:42]

ルフィからキッドへの「嫌悪」　●●○○　→　●○○○
ローからキッドへの「執着」　●●●●　→　●●●○
キッドからローへの「執着」　●●●●　→　●●●○

▼171点分の特別修復ポイントを獲得
15点で基本パーツを1つ、30点で強化パーツを1つ修復可能です。（端数切り捨て）

ルフィ【こぶし】【せぼね】修復
ロー【カルマプロセッサ】修復
キッド【せぼね】修復

▼修復後破損パーツ数
ルフィ
基本パーツ：4つ　強化パーツ：なし
ロー
基本パーツ：２つ　強化パーツ：なし
キッド
基本パーツ：２つ　強化パーツ：なし

残りの特別修復ポイント96点分を少女たちに譲渡します。


※戦闘の途中でルフィが【せぼね】を損傷していたことを失念して処理してましたが、【せぼね】がなかった場合でも戦闘内容に変化は起きないので問題なしとします･･･

[96 NC 23/02/17(金) 21:50:49]

「これはキッドの優勝だな！！」
「はっはっは、見たか格下ども！！」
「くそッ･･････」

キッドはジャングルで巨大な変異クモを仕留めることに成功したのだった。
丸々と肥えた体からは大量の肉が採れ、鉄のように固い外骨格は骨組みとして利用できる。おまけに皮膚は一肌に近いペールオレンジ。アンデッドの材料として文句なしの成果だった。

ローは小さめのイノシシのような変異動物を一体仕留めるに留まり、ルフィにいたってはミミズを手のひらいっぱいという結果だった。
運悪く良い獲物に出会えなかっただけだ、と二人は心の中で言い訳をした。


「で、これであいつらを治せるんだろトラ男？」
「･･･ああ、待ってろ」

ローは救急箱を開き、解体されたクモの肉を綺麗に整形した。骨組みは慎重に組立てて、肉付けしたあとに滑らかに削った蜘蛛の表皮の肌で覆う。
すぐに少女たちの手首の先にぴったりと合う手ができあがった。

「流石に声帯は難しいんじゃねェのか？」
「ナメるなよユースタス屋。お前が仕留めたクモに声帯に使えそうな体組織があった。･･････口を開けてくれ、“あ”の口だ」

少女たちははじめ抵抗感をみせていたが、ルフィの視線に気づくと渋々といった様子で口を開けた。
救急箱に入っていた小型ライトで口の中を照らして見るローはまるで診察をする医師のようだった。
ピンセットで少女たちの舌を下げ、神業的な速さで喉奥に声帯を縫い付ける。

「･･･これで声が出るはずだが」
「すげェなトラ男！！お前たち、どうだ？」

[97 NC 23/02/17(金) 21:52:45]

少女たちの年齢

dice1d10=2 (2) +5

dice1d10=7 (7) +5

dice1d10=8 (8) +5

[98 NC 23/02/17(金) 23:14:46]

「ルフィ･･･」

三人のうち、最も年上であろう長い黒髪の少女がルフィの名前を呼んだ。鈴を転がすような声が響く。
おお良かったな！と笑うルフィに向かって、少女は照れたように視線を外しながら小さく呟いた。

「ハンコックと･･････呼んで下さいまし」

ハンコックと名乗った少女の頬が薔薇色に染まる。アンデッドに血流などあるはずもないが、恋する乙女の頬はいつの時代も薔薇色に染まるものだ。

「おお、分かったハンモック！」
「ハンコックと･･････！」

屍肉の瞳が恋の力によって星を宿したように輝き、少女の美貌を至上のものへと磨き上げる。
瞳は澄んだ冬の夜空の色。髪は艶めく濡羽色。ハンコックは絶世の美少女だったが、色恋に興味のないルフィにはあまり関係のないことだった。

「そなたが逃げ遅れたソニアを助けてくれなければ、わらわたち三姉妹は離ればなれになるところであった･･･」
「あなたにはお礼を言わなきゃ･･････、ありがと」
「姉様を助けてくれてありがとう」

ハンコックの後ろから顔を出し、緑色の髪の少女はサンダーソニア、橙色の髪の少女はマリーゴールドと名乗った。

「そなたらも大義であった、礼を言うぞ」
「･･･麦わら屋のときと随分態度が違ェな」

ハンコックはロー、キッド、ボニーの三人にも礼の言葉をかけたが、ルフィに対するしおらしい態度とは打って変わって非常にふてぶてしい様子だった。
人相の悪いローが睨むのにも大して動じずに鼻を鳴らす仕草からして、彼女は元来不遜な性格であるようだった。

[99 NC 23/02/17(金) 23:18:47]

「よォ～～し、ハンコックたちも治ったことだし、宴だァ～～～！！！！」

「こんなジャングルで何する気だバカザル」

両手を天に突き上げて高らかに言い放ったルフィにキッドが呆れたような視線を向けた。

ここは見るからに無人島で、宴ができそうな設備などあるはずもない。

「にっしっし、決まってんだろ！！こういうときには･･･」

dice1d2=1 (1)

1:もう一回狩りに出て、バーベキューだ！！

2:海辺の木を集めてきて、キャンプファイヤーだ！！

[100 NC 23/02/17(金) 23:26:05]

「もう一回狩りに出て、バーベキューだ！！今度こそは大物を仕留めるぞ！！」

「･･･良いだろう。次はおれが一番の大物を仕留めてやる」

「あァ？次もおれが一番に決まってんだろ」

「お前ら、飽きねェな･･････」

互いに対抗心を燃やす男三人にボニーが呆れたような視線を向けた。

「ルフィ、わらわもそなたの力になりたい。何か手伝えることはあるか？」

「ありがとう！じゃあ、火の準備しといてくれるか？」

「もちろんじゃ♡」

ルフィに礼を言われてはぁん♡と崩れ落ちたハンコックをみて、妹二人はこんな姉様は初めてみた、と互いに目を見合わせた。

2回目の狩りの成果

ルフィ　dice1d100=65 (65)

ロー　dice1d100=9 (9)

キッド　dice1d100=79 (79)

[101 二次元好きの匿名さん 23/02/17(金) 23:26:22]

うーんこれは格上

[102 NC 23/02/17(金) 23:58:28]

「また一番でかい獲物獲ってきたのはキッドだな」

「なに、肉質が一番良いのはルフィの肉じゃ」

パチパチと弾けるたき火に、大ワニとヒグマの串焼き肉がかけられている。

ローが辛うじて獲ってきた変異コオロギは端の方で石の上に乗せられて軽く炒られていた。

「･･･元気出しな、帽子の人」

「･･････おれは調理専門だ、誰のおかげで綺麗に解体された肉が食えると思ってる」

「負け惜しみじゃな」

「違う！」

火が弾ける音に合わせて一曲歌って、終わる頃には肉がこんがりとよく焼けた。

調味料代わりに塩辛い海水を少々。多少の臭みは仕方のないこと。ドールの体には問題ない。

終わった世界でも火は赤く燃え、煙は上に立ち上る。

皆で火を囲んで歌って肉を食べて、無人島ながら楽しいひとときを過ごした。

＊＊＊

対話判定

ルフィ→キッド　dice1d10=7 (7) +1

ロー→ルフィ　dice1d10=3 (3)

キッド→ルフィ　dice1d10=9 (9) +1

[103 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 00:00:05]

キッド完璧かよ

[104 NC 23/02/18(土) 00:10:09]

ルフィからキッドへの「嫌悪」　●○○○　→　○○○○

キッドからルフィへの「対抗」　●●●○　→　●●○○

特に何も考えずに配置したサヴァント三体でしたが、

・天竜人と因縁がある

・ルフィに恩がある

・三人姉妹

という条件がゴルゴン三姉妹にドンピシャで当てはまることに気づいて、労しい過去と一緒に生えてきました

ついでにここでボニーの過去も生やしておきますかね

本編の描写と齟齬が発生するので、死語経歴表は振りません

ボニーにも姉妹がいましたが、危険な船に乗り込む際に姉妹を置いてきています

記憶のカケラ

※1d5=1-3:通常、4:アルファ版、5:ベータ版の記憶表を参照

dice2d5=2 3 (5)

dice2d100=3 39 (42)

[105 NC 23/02/18(土) 00:15:37]

ボニー　記憶のカケラ
１【甘い唇】そっと触れあった柔らかな唇の感触を覚えている。
２【感謝】いくら感謝してもしきれない人がいた。もしその人に会えたら「ありがとう」と伝えたい。


今のところアプーに次いで幸福そうな生前だったようです。
とても大事な人がいたようですが、お父さんなのか別の人なのか、神のみぞ知る。

[106 NC 23/02/18(土) 08:17:13]

肉も食べ終わり、たき火の木も残り少なくなってきた頃、ローが救急箱の中から三枚の紙を取りだした。

「･･･お前ら、この暗号について何か知らねェか」

行動判定

ルフィ　dice2d10=2 9 (11) （【のうみそ】使用）

ボニー　dice1d10=3 (3)

ハンコック　dice1d10=10 (10)

サンダーソニア　dice1d10=1 (1)

マリーゴールド　dice1d10=6 (6)

[107 NC 23/02/18(土) 08:34:29]

「悪ィけどあたしは知らねェ」

「わらわも知らぬ。あの忌まわしい船の中でも、一度も目にしておらぬ」

ボニーは手首をひらひらと振り、ハンコックも目を伏せて首を振った。

「そうか･･････」

ローが契約書を救急箱にしまおうと、留具に手をかけた。そのとき。

「あ～～～～～ッ、思い出した！！！！」

ルフィの大声が響いた。

「うるせェなバカザル！何を思い出したって！？」

「これだよこれ！！」

ルフィは服の中から、自身のたからものである航海日誌を取りだした。

古く、内容も小難しく、幼いルフィに理解するのは難しい。しかし、様式に囚われず、アルバムのように色あせた写真や海図が貼り付けられており、ルフィはワクワクをかき立てられて日誌のページを最後まで眺めたことがあった。

「これの最後のページ！！」

「どれ･･･。っておい！！こんなもん、もっと早く思い出せよ！！」

ルフィが開いてみせたページをキッドが覗き込む。

そこには、暗号の換字方法が記された方陣が記載されていた。難解な暗号であるようだが、時間をかければ読み解けそうだ。

暗号の解読度

ルフィ　dice1d100=45 (45) -20（年齢による補正、最低値0）

ロー　dice1d100=72 (72)

キッド　dice1d100=99 (99)

30以上で契約書の住所を解読可能。80以上でソウルキングの暗号文書を解読可能。

[108 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 08:36:56]

今回ギザ男の出目が良いな

[109 NC 23/02/18(土) 08:50:42]

ルフィは暗号の換字方陣とにらめっこしたが、結局内容は分からなかった。

「･･･ちょっと貸せ、読んでやる」

キッドの頭は冴え渡っていた。絡み合うような形の暗号文字を難読な表から見つけ出し、意味のある文字列を即座に頭の中で組立てていく。

「――契約書の暗号はホーキンスが言っていた通り住所だな。ソウルキングの紙の方も、何かの座標が書かれているみたいだぜ。ただ、こっちはこの情報だけじゃ完結しないみてェだ。おそらくだが、一つの重要な機密情報を、複数の暗号に分けて保存したんだろう」

「･･･あと何枚か暗号文書を手に入れねェとこっちの謎は解けねェってことか」

「そういうこった」

「契約書の施設に行けば何らかの情報が得られるんじゃねェか？同じ暗号を使用するくらいだ、何らかの情報は共有していた可能性がある」

「どうせアテのねェ旅だ、試しに行ってみる価値はあるな」

キッドとローで航海日誌を覗き込んで議論を交わす。また難しい話に混ぜてもらえなったルフィが頬を膨らませた。

「そんなそなたも慕わしい♡」とハンコックがルフィの柔らかな頬を眺めた。

ローとキッドが決定した今後の行き先　dice1d3=2 (2)

1:社会福祉法人　もりのいえ

2:独立行政法人　オペラハウス060

3:（株）アップサイクル・ソリューションズ

[110 NC 23/02/18(土) 09:10:43]

「･･･オペラハウスを一番先に回りたい。あの船のゴマすり野郎の話からすると、おれはこの施設でアンデッドにされたみてェだからな」
「ここは住所が北極側に近い。羅針盤に従ってりゃ簡単に行けそうだな。悪くねェ選択だ」
「おいギザ男、トラ男、二人だけで話すんなよ！おれにも話せ！」
「次の行き先が決まったぞバカザル、おれたちは北極を目指す」
「北極！？」

ロマン溢れる単語にルフィの目が輝いた。北極といえば世界の果てだ。胸躍る冒険の想像がルフィの頭をワクワクでいっぱいにした。

「――そういうわけで、おれたちは北を目指す。お前らはこれからどうするつもりだ」

ローは契約書を救急箱にしまいこみ、早速旅に出る準備を終えた。アンデッドの肉体に休息は必要ない。

「あたしは置いてきた仲間のところに戻るつもりだ。･･･心配かけちまっただろうしな」

ボニーも立ち上がって伸びをして、出発する準備を整えた。

「わらわたちは･･･。ルフィ、わらわもそなたについてゆきたい･･･」

ハンコックは焦がれる視線をルフィに向けた。しかし、ハンコックたち姉妹には戦うためのパーツが十分に着いていない。
世界の僻地に向かう過酷な旅に同行させるのは危険であることが明白だった。この島に残っていた方がいくらか安全だろう。

「悪ィハンコック。危ねェ旅だから、自分の身を自分で守りきれない奴は連れていけねェ」
「そうか･･･」

ルフィの丸い目が真摯にハンコックを捉え、ルフィはハンコックの頼みを断った。それがルフィの優しさだと理解したハンコックは、食い下がることなくルフィの選択を受け入れた。

[111 NC 23/02/18(土) 09:28:21]

「ならばルフィ･･･。わらわはここでそなたの帰る場所になろう」

ハンコックの瞳に力強い光が宿る。決意を固めた恋する乙女は強いのだ。

「ここに国をつくるのじゃ。誰にも虐げられることのないドールの国を。ソニア、マリー、手伝ってくれるか」
「もちろんよ姉様」
「着いていくわ」
「二人とも･･･、ありがとう」

三姉妹が手をとって笑い合う。あの船から逃げ出せなければ、こうして互いに自由に言葉を交わすことさえできなかっただろう。妹たちと側にいられる幸福もルフィのおかげと思うと、ハンコックの慕情はますます募るのだった。

「それでルフィ･･･、そなたたちの旅が終わったら、わらわと結婚･･･」
「いや、結婚はしねェ！！」
「つれないのう･･･」
でも、そんなそなたも慕わしい･･･♡ハンコックは胸いっぱいのときめきで顔を赤くした。

「とにかく、そなたの旅が終わったらここに寄ってほしいのじゃ。立派な国をつくって待っておるぞ」
「分かった、約束する」
ルフィの返事に、ハンコックは花が綻ぶような笑みを浮かべた。


――のちに三姉妹はこの島に長らく君臨していた巨大なヘビ女のアンデッドを卸し、ハンコックの圧倒的なカリスマをもってジャングルの中にドールの国を作り上げるのだが、それはまた別の話。

[112 NC 23/02/18(土) 09:41:28]

「じゃあなお前ら！！」

「ルフィ、そなたの武運を祈っておるぞ！」

三人はボニーが操縦する小型ボートに乗って島を経った。北の大陸まで送ってもらい、その後ボニーはもといた大陸までもどる手筈だ。

「燃料は足りるのか？」

「いつの時代の話してんだよ。今どきのボートは船底に超小型の波力発電機が搭載されてるから、補給の心配なんていらねェよ」

「ハハッ、時代遅れだな、トラファルガー。燃料なんて旧時代の概念だぜ」

「････････････」

ローはボニーとキッドの常識と自分の常識が食い違っているように感じたが、それが生まれ育った地域の差なのか、生きていた年代の差なのかは分からなかった。

小型のボートは、その見た目からは想像できないほどの馬力で波をかき分けて海を進んだ。

船の上でボニーに振る話題　dice1d2=1 (1)

1:血晶琥珀について

2:三人の旅の目的について

[113 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 10:34:04]

おっ血晶琥珀についてか

[114 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 10:39:28]

キッド今回有能だな

[115 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 11:01:14]

最初少し出目が事後ったけど、その後は安定しまくってるなキッド
次の行先からして🎲神はロー曇らせがお好きなのか？

[116 NC 23/02/18(土) 11:01:27]

「そういえば、その血晶琥珀の開発したのはお前のお父様だと言っていたな。お前のお父様は研究者だったのか？」
「ん？ああ、そうだよ」

ローの疑問にボニーが答える。父の話をするときのボニーは、普段の男勝りな様子よりも少しだけ柔らかな雰囲気になった。

「父はネクロマンシー技術の研究者だったけど、最終戦争で使い捨てられるアンデッドたちに心を痛めてた。あの大戦のとき、政府はアンデッド兵器を使った“誰も死なない人道的な戦争”を謳ってたけど、アンデッドだってもとは生きていた人間だからな。あのまま戦争を続けてたら世界が滅びるって、お父さんは分かってたんだ」

ボニーが血晶琥珀を取りだして見つめた。赤く透き通るその石は、その名の通りに血でできた琥珀のようだった。
これは父の心血の結晶なんだ。ボニーは誇らしげに呟いた。

「これがあれば自我を歪められたサヴァントを解放できる。そうしたら、サヴァントに色々やらせてふんぞり返ってるネクロマンサーに痛い目みせてやれるだろ？あたしは仲間たちと気に入らないネクロマンサーをぶっ潰して回ってたんだ。
･･････今までは解放したサヴァントは皆仲間にいれて一緒に連れてったけど、旅に向いてないような奴はハンコックの国ができたら連れてってやっても良いかもな」

ボニーもまた仲間とともに目標をもって旅をしていたらしい。父の形見とともに。

「･･･立派な人だったんだな、お前のお父様は」
「そう言ってくれるなら父も報われるよ。ありがとうな」

ボニーが笑みを浮かべた。どこか大人びた、喜びと寂しさと、様々な感情が入り交じった笑みだった。

[117 NC 23/02/18(土) 11:18:36]

三日ほど旅をして、四人を乗せた小型ボートは北の大陸に辿り着いた。

「じゃあなお前ら、元気でいろよ！！」

「お前もなボニー！またな！！」

ボニーは三人を大陸に下ろすと、すぐにまた海へと経った。彼女には彼女の仲間がいる。ルフィは両手を大きく振ってボニーを見送った。

「･･･さて、それじゃあオペラハウスとやらに向かうとするか」

キッドが簡易羅針盤を覗きこむ。小さな鉄片は、三人が進むべき北への道をしっかりと示した。

終わった世界の景観は変化に乏しい。

岩肌が剥き出しになった大地を三人はひたすらに歩いて進む。

疲れ知らずのアンデッドの体さえ悲鳴をあげそうになった頃、景色が白く変わる。

北の果ては白い雪と氷に閉ざされていた。視界を奪う深い吹雪の中ではぐれないよう、三人は離れないように気をつけて進んだ。

温もりを奪い、生命を永い眠りにつかせる白い世界。その光景をローはどこか懐かしく感じた。

「そろそろ北極か･･･？」

地図のない三人は、北極の位置はなんとなく分かっても住所の詳細な位置までは分からない。

やがて、白い世界で彷徨う三人のもとに、一羽の鳥が舞い降りてきた。

それは　dice1d2=2 (2)

1:白い鳥だった。

2:黒い鳥だった。

▼シナリオ03「豪華客船グロリアス・ヨグソトース」をクリアしました

[118 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 11:20:56]

ヨグソトースてクトゥルフのやばい邪神じゃ無いですかヤダー

[119 NC 23/02/18(土) 11:24:20]

これにて3つめのシナリオも終了です！
キャラメイクしたいというだけの願望でスレ立てしたので、ここまでシナリオが続いていることに自分でもビックリです

記憶のカケラもダイス目も世界に対する理解度高めなキッドがいるおかげでシナリオがサクサク進みますね
普通は目覚めた瞬間にアンデッド化した自分を受け入れられず、状況もわからずに混乱した状態で始まるのですが、ここではある程度状況を把握した状態でシナリオが始まっているので話が早いこと早いこと
なんか難しい説明がきてもキッドはすぐに理解できる･･･本当に13歳なのか？

[120 NC 23/02/18(土) 11:28:57]

超余談

シャボンディ
→シャボン玉がいっぱい
→虹色に光る玉がいっぱい
→玉虫色に輝く球体の集積
→ヨグソトース　です
神様気取りの人たちが乗る船なので、船も神格の名前をつけてます

スレ主はCOCも好きです
そしてネーミングセンスも無いです

[121 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 11:31:18]

3つ目のシナリオ完走お疲れ様です！
まさか助けたヒルコ達がゴルゴン姉妹だったとは これは良アドリブ
次の目的地はローの生まれ故郷な訳で、明らかにロー曇らせシナリオ確定ですね
ルフィとキッド、ローを支えてくれ

[122 NC 23/02/18(土) 11:34:54]

ちなみにここで厨房のネタバラシをするれす

厨房には、処分されたサヴァントや海から引き上げた腐乱死体が詰められた巨大ミキサーと、そこからパイプでつながった3Dプリンターのような大きな機械があります
大きな機械は「有機体原子分解再構築機」、通称”メシマシーン”です

これは有機体を分解し、一流の料理人がつくった料理の状態に分子として再構築する機械です
死体は原子レベルで分解・再構築されているので、腐臭も何もかも消え去り、完全な美味しい料理ができあがります

もちろん毒もありません
原材料にさえ目を瞑れば、美味しい料理がすぐにできあがるとても素敵な機械です

[123 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 18:02:01]

うわぁ…人の心案件

[124 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 20:59:10]

まぁ、良心的だな…(素材から目を逸らす)

[125 二次元好きの匿名さん 23/02/18(土) 21:19:12]

変な匂いも毒もないってだけでネクロニカにしてはまあまあ有情だなと思ってしまった

[126 NC 23/02/19(日) 00:41:52]

>>90

おっと可愛いイラストを見逃していたれす

ボニーは異形系のパーツが少ないので、シンプルストレートな可愛されすね

気が強そうな表情がとても良いれす

スレ主はネクロニカの供給に飢えているので、絵を描いてもらえたら飛び上がって喜ぶれす

スレ主も絵を描くのが好きなので描きますが、別にそれが正解みたいなことはないので自由に描いて欲しいれす

人外萌えは死角からの供給が一番染みるのれす

ちょっとゲストキャラのデータ公開＆シナリオ終了処理を進めようと思います

[127 NC 23/02/19(日) 00:47:16]

▼ボニーへの未練を獲得します

▼ボニーへの未練　（中立者への未練表から抜粋）

ルフィ　dice1d7=5 (5)

ロー　dice1d7=6 (6)

キッド　dice1d7=2 (2)

1：依存

2：憐憫

3：感謝

4：期待

5：保護

6：尊敬

7：信頼

未練は多く獲得するほど精神崩壊からは遠のきますが、その分発狂によるデメリットを受ける数も増えます

特にローのように狂気点をコストにして戦うホリックにとってこのデメリットがかなり大きいです

ホリックならばさっさと精神崩壊した方が強いですが、大切な人が増えるとそうもいかず板挟みになる、ネクロニカの悪趣味なところです

[128 NC 23/02/19(日) 00:48:51]

▼新たな未練を獲得しました

ルフィからボニーへの「保護」　●●●〇
ローからボニーへの「尊敬」　●●●〇
キッドからボニーへの「憐憫」　●●●〇

[129 NC 23/02/19(日) 00:54:49]

ドール簡易設計図「ボニー」
享年：20歳
記憶のカケラ：「甘い唇」「感謝」
ポジション：ホリック
クラス：ゴシック/ゴシック
スキル：【衝動】【暴食】【完全捕食】【舌なめずり】
強化パーツ：最大行動値10
　頭【アドレナリン】【よだれじた】
　腕
　胴【どろどろ】
　脚【エレクトリッガー】【ホッパー】
たからもの：血晶琥珀。大好きなお父さんの形見。自我次元の接触を整える力がある特殊な鉱石。

特化スキル【暴食】もちのピュアゴシック。まさに大食らい。
正直【暴食】なんて使い道のないスキルだと思ってましたが、今回の戦闘のボニーをみて見直しました。
【完全捕食】の効果でセキュリティを一撃で仕留めるなど、ゴシックとして完璧な立ち回りをみせてくれました。

[130 NC 23/02/19(日) 01:05:59]

ドール簡易設計図「ハンコック」（予定）
享年：13歳
ポジション：ソロリティ
クラス：ロマネスク/ロマネスク
スキル：【姉妹のくちづけ】【戦女神】【愛撫】【数多の手管】
強化パーツ：最大行動値13
　頭【エンバーミング】【カンフー】
　腕【ウインクビーム（リモートアタック）】
　胴【アーマースキン】
　脚【リフレックス】
たからもの：小さなアンデッド。骨を被ったヘビのアンデッド。従順で可愛らしい。

スレ主の趣味全開でスキルとパーツを取りました。
お人形のように綺麗な肌と死化粧、優雅な立ち振る舞いなど、こだわりのマニューバで構成されているドールです。
本編中ではヒルコとしてのデータなので全然洗練されていませんが、最終的にここに行き着く予定。

[131 NC 23/02/19(日) 01:12:42]

▼寵愛点の配布
・合計悪意点　47÷3=15 （端数切り捨て）
・カルマの達成　各2点
「記憶のカケラを手に入れる」達成　※ローのみ
「ボニーのたからものをとりもどす」達成
「2ターン目終了までに【血晶琥珀】を取り戻す」達成
・追加寵愛点　2点
「ヒルコ三体の逃走を成功させる」

獲得寵愛点
ルフィ　21点　+2点（繰越し分）　=23点
ロー　23点
キッド　21点

[132 NC 23/02/19(日) 01:16:19]

▼寵愛点4点消費：任意の基本パーツを一つ修復
ルフィ：【かた】【はらわた】【ほね】修復
ロー：【はらわた】【はらわた】修復
キッド：【はらわた】【はらわた】修復

▼修復後破損パーツ数
ルフィ
基本パーツ：１つ　強化パーツ：なし
ロー
基本パーツ：なし　強化パーツ：なし
キッド
基本パーツ：なし　強化パーツ：なし

▼寵愛点4点消費：任意の狂気点を1点減少
ローからドレークへの「保護」　●●●○　→　●●○○

[133 NC 23/02/19(日) 01:21:27]

スキルの獲得の前に

ローは【加速する狂気】もちのホリックなので、脳筋のスレ主が動かすと常に発狂状態を維持することになってしまいますが、なんだかそれだと強いけど可哀そうな気もします

というわけで、ダイス神に今後の戦闘スタイルのお伺いを立ててみます

ここのローの戦闘スタイルは･･･　dice1d2=1 (1)

1:いつも冷静沈着、ときどき暴走するけど頼れる最年長だよ

2:仲間を守るためなら自己犠牲を厭わない、狂戦士お兄様だよ

[134 NC 23/02/19(日) 01:24:30]

脳筋ストロング精神崩壊戦法はやめろとのお達しなので、できるだけ発狂しないように狂気点を管理しようと思います
まあホリックである以上システム的にどう足掻いても発狂しやすいので、そうしたらしょうがないんですけどね

[135 NC 23/02/19(日) 01:33:13]

▼寵愛点10点消費：スキル獲得または強化パーツの獲得

今回の戦い･･･

ルフィ　dice1d3=1 (1)

1:　ボニーと食った飯、美味かったな～。変異+1　→　変異３パーツ【きもちいいくすり】獲得

2:　ゴムみてェな体の使い方が分かってきたぞ。武装+1　→　武装２パーツ【発勁】獲得

3:　あきらめないで戦ってよかった。ジャンクのスキル【足掻く】獲得

ロー　dice1d3=3 (3)

1:　誰かが差し伸べてくれた温かい手を思い出した。レクイエムのスキル【死の手】獲得

2:　自らを虐げるものへの怒りを思い出した。ホリックのスキル【業怒】獲得

3:　ユースタス屋が頭の機械を直してくれたが･･･。改造+1 →　改造２パーツ【アンテナ】獲得

キッド　dice1d3=2 (2)

1:　新しい義手の調子は上々、もう一手間改造してみるか。改造+1　→　改造１パーツ【ジェットパック】獲得

2:　戦いの勘が大分戻ってきたな。コートのスキル【看破】獲得　

3:　もう少し体を鍛えた方がいいかもな。バロックのスキル【凶化器官】獲得

[136 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 01:35:58]

帽子を貫通するタイプのアンテナか帽子で隠れるタイプのアンテナか、それが問題だ

[137 NC 23/02/19(日) 01:41:21]

▼スキル/強化パーツの獲得

ルフィ：【きもちいいくすり】ワライダケのエキスを濃縮したカプセル。なんだか楽しい気分になる。
ロー：【アンテナ】謎の電波を受信している。なぜか頭が冴え渡ってくる･･･。
キッド：【看破】相手の動きを見切る、優れた戦術眼。

[138 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 01:42:10]

きもちいいくすり
てそれひらがなにしても許されないやつじゃないですかヤダー

[139 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 01:45:43]

寵愛点でほとんど修復できて良かった
ルフィのワライダケ要素がここで生えてくるとは…

[140 NC 23/02/19(日) 01:49:14]

これでシナリオ終了処理も完了です！

【半壊】【きもちいいくすり】のコンボでルフィはメンタル最強への道を歩み始めました。

ローも【アンテナ】のおかげで狂戦士お兄様から遠ざかり、冷静を保ちやすくなりました。

キッドは念願の【看破】を獲得して嬉しいです。やはりコートといえば【看破】です。

>>136

TRPGではイメージ力だけが全てを凌駕とカイドウさんも言っていたれす。自分の理想のアンテナをイメージしてローに付けてあげて欲しいれす。あとはキッドのセンスを信じるれす。

>>138

ワライダケの天然成分由来のおくすりなので合法れすよ！本当れす！

次シナリオも準備しようと考えてますが、これからの時期はちょっと更新ペースが落ちそうです

まったり続けていこうと思います

[141 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 01:52:25]

キッドはセンスいいから変な感じにはならないなヨシ！

[142 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 08:44:41]

ここのキッド、重要な情報がドロップする行動判定は基本的に落とさないし、記憶のカケラで理解度高いし、メンタルも強いし、戦闘も順当に強化されてきてるし主人公っぽいな
最初に目覚めたのもキッドだし

ルフィは正直火力不足気味だと思うけど、ドレークの件とかゴルゴン三姉妹の件とかここぞってときに決めてくるから主人公っぽい
最年少で非人道的なものに耐性がなさそうな可愛いところもある

ローは妙に解像度の高いお労しい過去がニョキニョキ生えてきて、一番ネクロニカ世界に馴染んでるな
ローのおかげでNPCのアンデッドが綺麗に治るので、ネクロニカでたまにある己の醜さに嘆く的な悲壮感が一切出なさそうで良い

ダイス神の采配が見事だ

[143 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 13:22:31]

コートといえば【看破】なの分かるな
なんならコートの初期スキルで【看破】以外とってる人見たことないかもしれん

[144 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 17:58:21]

コートのスキルだとこいつ壊滅的に使えね〜ってのはほぼ無いけど看破は優秀だよなあ

[145 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 18:42:55]

加速する狂気もってたらずっと発狂させとくの分かるわ
たしか今未練６つだからローの出目補正は名刀＋１、死神＋１、修羅の効果＋３、精神崩壊時の発狂分のバフで＋６だからうでの＋１支援込みの自力最高打点が白兵攻撃２＋１２＋切断か？
レギオンとホラー相手なら切断の効果でダメージ２倍だから、最大２８ダメージ出ると思うと精神崩壊戦法とりたくもなる
うで込みでキッドの自力最高打点が白兵攻撃４＋１、ルフィの自力最高打点が肉弾攻撃１＋１＋切断だから、とんでもない脳筋お兄様ができあがるところだったな
（計算ミスってたらすみません）

まあ未練6つ分も発狂してたらデバフも馬鹿にならないからそんなに上手くダメージ出せないだろうけど･･･

[146 NC 23/02/19(日) 20:22:17]

そういえば、スレ主はネクロニカのシナリオには必ずBADENDを用意しておくタイプのNCなので、一応公開しておきます

このシナリオでは戦闘終了条件を満たせなかった場合にBADENDに入ります
水流でロストしたドールは海に流されるわけではなく、巨大アンデッド船グロリアス・ヨグソトース号の体内に囚われる形となります
船の自己修復が終わった頃、囚われの身となったドールは怒り狂ったネクロマンサーたちによって念入りな精神破壊・自我改変を施され、奴隷として生まれ変わります
奴隷としての用途はダイスで振ってもいいし、その場で思いついた一番悪趣味な内容にしてもいいです

船のスタッフとして配置されるもよし、装飾的なパーツをつけられて観賞用にされるもよし、キメラにされてカジノで戦わされるもよし、手足をもがれてヒルコにされるもよし、悪趣味な夢が広がりますね
あまりにネクロマンサー側に被害を出したドールならば、メシマシーン送りにされることもあるかもしれませんね

[147 NC 23/02/19(日) 20:37:59]

ぶっちゃけスレ主はBADENDこそがネクロニカの華だと思っている節がある
でもドールが一生懸命頑張ってるから、ちゃんとクリアできる難易度に調整するし救いのあるENDをしっかり用意しますが･･･

次シナリオはお察しの通りロー編になるのでローに厳しいシナリオになる予定ですが、被造物は平等に寵愛すべきというモットーなので試練の機会は平等に用意します
試練の難易度はダイス神の思し召しにおもねますがね

[148 NC 23/02/19(日) 21:42:33]

ちょっと今後シナリオに必要な要素を収集したいので、ダイス神にお伺いを立てます

ルフィ

・記憶の中で繋いでいた大きな手は　dice1d2=1 (1)

1:男の手だった

2:女の手だった

ロー

・「大好きな人」は初めて会ったとき　dice1d2=2 (2)

1:綺麗な服を着ていた

2:粗末な服を着ていた

キッド

・記憶の中で確か自分は　dice1d2=2 (2)

1:ボロボロの家で家族と暮らしていた

2:秘密基地で孤児の仲間と身を寄せていた

[149 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 21:43:47]

キッド原作か？

[150 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 21:44:14]

これ例えばだけど ルフィがゾロと会ったりローがハートのメンバーと会ったりしたらどうなるんだろう

[151 NC 23/02/19(日) 21:48:56]

このキャンペーンで各ドールが出会える相手は実は一番最初のスレで振ったダイスでもう決まっています
終わった世界では心を分け合える相手と出会えることこそが何よりの幸福ですので、出会えるといいですね

相手がドールの状態なのか、サヴァントにされているのか、粗悪なホラーに自我を入れられているのか、色んな出会い方がありますね

[152 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 21:50:32]

じゃあキッドはキラーに会えないかもしれないしルフィはお兄ちゃん達に会えないかもしれない ローはコラさんに会えるかもしれないてことか……

[153 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 21:53:20]

>>151

最後の行人の心ないんか？って言おうと思ったけどこれネクロニカなのよね…

[154 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 22:10:18]

ネクロニカでここまで毎回宴開いて楽しそうにやれてる三馬鹿がおかしいからな
ルフィの陽の気が強すぎるね

[156 二次元好きの匿名さん 23/02/19(日) 23:20:02]

そうだったのか…ネクロニカで現状毎回宴やれてるのが中々おかしいのか
🎲神、どんな曇らせも最後は晴らす三馬鹿やってる3船長箱推しなの
バ
レ
バ
レ

[157 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 01:01:54]

この章なぜかローに厳しかったのに次章確定で厳しいのかわいそう

それは置いとき精神崩壊してくれないかな...兄弟たちの反応が気になる

[158 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 03:08:44]

これもしかして3人とも製造された場所違うのかな
暗号で隠されてた3つの会社でそれぞれ製造された後に目が覚めたところに連れてこられたみたいな

[159 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 08:11:15]

ぎゃ、逆に運気を溜めていたのかもしれないし…
それはそれとしてローの狂気点は増えそうだけど

[160 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 14:23:40]

>>152

会えたとしてもちゃんと意思疎通できるか…

[161 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 20:32:42]

サヴァントが比較的マシなんだよね…
最悪もの言わない肉塊でもまぁまだみたいになる

[162 NC 23/02/20(月) 21:08:37]

ひっそりと次シナリオ始めようと思います
更新ペースは落とし気味で、ちょっとずつ進めていきます

ダイス振るまでシナリオの流れが確定しないので、スレ主も大枠以外はシナリオの内容が分かっていない状態で毎回書いているれす

[163 NC 23/02/20(月) 21:49:00]

静まりかえった白銀の世界を彷徨う三人のもとに、突如一羽の黒い鳥が舞い降りてきた。

「おッ、カラスか！？」

「なんでこんな寒冷地にカラスが･･･。あァ、こいつもアンデッドか」

黒い鳥は強い風に煽られてバランスを崩し、ローのふかふかした帽子の上で一度バウンドして雪の上にぽてりと落下した。

「ししし、ドジなカラスだな～こいつ！」

「･･･随分と人懐こいな」

ルフィが黒い鳥に目線を合わせてしゃがみ込むと、その鳥はおよそ鳥らしくない動きでルフィの脚に頬を擦りつける仕草をした。

黒く柔らかな羽毛が押されて盛り上がっている。あれは絶対に柔らかい。

ローも少し撫ででみようと手を伸ばすと、黒い鳥は小さく羽ばたいてローの手の中に収まった。

「――････････････」

「･･････もふもふして満足かよトラファルガー」

「ギザ男も触ってみたらどうだ？」

「おれは良い。鉄屑の隙間に羽毛が挟まったらと思うとぞっとするぜ」

対話判定

ルフィ→ロー　dice1d10=7 (7)

ロー→ルフィ　dice1d10=4 (4)

キッド→ロー　dice1d10=8 (8) +1

行動判定

ルフィ　dice1d10=4 (4)

ロー　dice1d10=4 (4)

キッド　dice1d10=5 (5)

[164 NC 23/02/20(月) 22:04:35]

ルフィからローへの「憧憬」　●○○○　→　○○○○

キッドからローへの「執着」　●●●○　→　●●○○

＊＊＊

黒い鳥はアンデッドだったが、特に戦闘能力をもたない、生きた鳥に近い性質を与えられているようだった。

北極付近で急に現れたことは不審であるが、万が一何者かの差し金であったとしても脅威になるような存在でもない。

黒い鳥は数度みじろぎするとローの手から降り、ぽてぽてと静かに雪の上を歩き始めた。

「こいつ、どこ行くんだ？」

興味本位でルフィが黒い鳥の後をつける。黒い鳥はまっすぐ、どこかを目指すように歩いた。

行くアテのない三人は戯れに真っ白な吹雪の中を歩く黒い鳥を追って歩いた。

やがて吹雪のカーテンを抜けた先には、氷山を切り開くようにしてそびえ立つ人工の建物があった。

その建物は、氷山と同化するような白い地上部と、凍りついた海の下へ伸びている強化ガラスの海中部の二層からなっているようだった。

行動判定

ロー　dice1d10=4 (4)

[165 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 22:07:14]

キッドすげぇいい動きしてる

[166 NC 23/02/20(月) 22:18:24]

「･･･ここがオペラハウスか？」

「そうみてェだな」

三人は白い建物に近づいて見上げた。入り口近くの石版に『オペラハウス060』の文字が刻まれている。

黒い鳥は怖じ気づいた様子もなく、自動ドアを空けて慣れた足取りでオペラハウスに入っていった。

「･･･誰もいねェのか？」

自動ドアが作動するということは設備が生きているということだが、黒い鳥が入っていってもセキュリティが作動するような様子は見られない。少なくとも、鳥の子一匹逃さないような厳重な警備が敷かれている場所ではないようだった。

「ケッ、北極の僻地にあるからって不用心すぎんじゃねェか？」

防熱対策で二枚になっている扉を抜けると、吹き抜けになっている小さなロビーに出た。

三人を歓迎するようにセンサー式の照明が点灯する。建物は白く清潔な状態が保たれていた。

ロビーにはごく小さな受付兼守衛室と、海中フロアへ降りるためのエレベーター、それから２Ｆへと続く階段があった。

受付と守衛室は既に機能していない。

どこから見て回る？　dice1d2=1 (1)

1:海中フロア

2:地上フロア

[167 NC 23/02/20(月) 22:36:28]

「トラ男、ギザ男、おれ海ん中見に行きたい！」

「･･････好きにしろ。騒ぎだけは起こすなよ」

建物の中で具体的に目指す箇所があるわけではないため、三人はルフィの要望に従って海中フロアへと下るエレベーターに乗り込むことにした。

ポチり。ルフィが矢印マークのボタンを押すと、すぐにエレベーターの扉が開いた。

「おッ、お前も来るのかドジガラス」

「おい、危ないぞ！･･･遅かったか」

先ほどの黒い鳥が三人が乗るエレベータに入り込んできたかと思えば、尾羽が自動扉に挟まれて大慌てでじたばたと翼を上下させた。

「ッたく仕方ねェな･･･」

ローは刀の鞘を扉の隙間に差し込んでエレベーターの扉を開いた。黒い鳥の尾羽が抜ける。

黒い鳥は小さく羽ばたき、ローのふかふか帽子の上に留まりこんだ。

「懐かれてんじゃねェか」

「――･･････」

「満更でもねェ顔してんじゃねェ！！」

対話判定

ルフィ　現在取り除ける狂気点はありません

ロー→キッド　dice1d10=2 (2) +1

キッド→ロー 　dice1d10=2 (2) +1

[168 NC 23/02/20(月) 22:39:51]

エレベーターがゆっくりと下降していく。

扉のガラス窓の向こうから、水族館のような青みがかった光が差し込んだ。

行動判定

ルフィ　dice1d10=8 (8)

ロー　dice2d10=10 3 (13) +1（【アンテナ】による補正）

キッド　dice1d10=6 (6)

[169 NC 23/02/20(月) 22:49:14]

下っていくエレベーターの中で、三人の耳に小さな声が聞こえた。

ひそひそ。くすくす。

妙に反響する声色は、水の中で発する音とよく似ていた。

ひそひそ。くすくす。

敵意のない囁き声は、まるでおしゃべりを楽しんでいるかのよう。

ひそひそ、くすくす。

ローはその囁き声に人の声帯では出せない成分が含まれていることに気がついた。
それはたとえば、イルカのエコーロケーション、のような。

黒い鳥は何知らぬ顔でローの頭の上で寛いでいた。

[170 NC 23/02/20(月) 22:50:56]

行動判定も１１以上で大成功になるので、ローに情報のサービスです

今日は導入部だけ進めてこの辺で

[171 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 23:08:50]

早速4つ目のシナリオ始まってる！
ドジなカラス…いや、まさかな

[172 二次元好きの匿名さん 23/02/20(月) 23:28:58]

ドジ+黒い羽っていうとあの方しか思い浮かびませんね…サービス情報がどんなものかめちゃくちゃ楽しみ！

立ち絵とか色々描いてみたのでついでに置いときます

落書き3

[173 二次元好きの匿名さん 23/02/21(火) 08:22:12]

お疲れ様です！続きが楽しみ！
ローのダイスが上に向いてきているぽい？

[174 二次元好きの匿名さん 23/02/21(火) 18:52:25]

>>172

毎回可愛い神絵提供ありがとうございます！！！！

ルフィとボニーがギザ歯であってほしいの共感でしかない

[175 二次元好きの匿名さん 23/02/21(火) 22:37:26]

ドジなカラスは誰なんだろうな？()

続きも楽しみ！　

>>172

みんなうまく描けていてすごい！

[176 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 09:19:16]

出目は悪くなさそうで安心した

[177 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 09:49:20]

ローは帽子に鳥糞着いたらすぐに拭き取って水つけてシミが着いた部分をグッグッと押してから取るんだよ……ドジっ子カラスだから心配

[178 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 18:36:41]

ドジなカラスが我々の想像してる通りの人物の現在の姿だとしたら、意思疎通取るの難しそうだな…まぁ生きてる()だけ御の字か

[179 NC 23/02/22(水) 20:10:41]

保守コメントありがとうございます

続き書いていきます

>>172

いっぱいイラストありがとうございます！ワンクッションの三馬鹿のほっぺが可愛いれす

ギザ歯のゴシックコンビ姉弟みたいでニッコリしちゃうれす！これで敵をもぐもぐするんれすね！

[180 NC 23/02/22(水) 20:29:38]

『たいへん、エレベーターが降りてきたよ』

『静かにしないと』

海中フロアに降り立つ直前、三人はそんな声を聞いた気がしたが、キン、と耳を鳴らす圧力にかき消されてしまった。

海中フロアは円筒状の水槽が上下に伸びており、空洞になった中心部に螺旋階段とエレベーターを介して研究室が連なっている構造になっていた。

三人が降り立ったのは円筒形の水槽の底面にあたる部分であり、海中フロアの最下層だった。

「すっげ～～でっかい水槽だな！！何にもいないけど」

「濾過装置は生きているみてェなんだがな」

三人は巨大な水槽を見上げた。水は青く、外界の濁った水とは一線を画する綺麗さを保っていた。

水槽の底に配置された岩には海草が茂っている。

行動判定

ルフィ　dice1d10=4 (4)

ロー　dice1d10=9 (9)

キッド　dice1d10=5 (5)

[181 NC 23/02/22(水) 20:38:09]

最下層は研究室というよりも、消耗品の貯蔵や廃棄物の処理などの雑務を行うための部屋であるようだった。

雑多に物が積み重なった部屋の奥で、ローは僅かな物音を聞きつけた。

「誰だ！！」

害ある者であれば早急に対処しなければいけない。

ローは音の源に向かって大股で歩いていった。

「どうしたんだトラ男？」

「音がした、誰かいる。お前ら注意しろ」

棚の間を潜ってローが辿り着いたのは、重い蓋付きの巨大な洗濯機のような機械だった。オートクレーブだ。

オートクレーブの蓋は僅かに開いており、隙間から白い毛がはみ出ていた。

白い毛を･･･　dice1d2=2 (2)

1:とりあえず声をかけてみる

2:問答無用で引っ張り出す

[182 NC 23/02/22(水) 20:44:13]

「おいお前！何者だ！」

「いだだだだだ！！！やめてェ、おれ何にもしないよ！！！」

ローは有無を言わさずに白い毛を掴んで引っ張った。

白い毛の主はかなり大柄で、途中柔らかな贅肉のようなものがオートクレーブのふちにつっかえたが、ローは力任せに引っこ抜いた。

「お前･･････」

「ひぃ･･･白熊でスイマセン･･･」

果たして、オートクレーブに隠れていたのは、喋る白熊のアンデッドだった。

行動判定

ロー　dice1d10=5 (5) +2 （【たからもの】による補正）

[183 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 20:48:21]

ベポ！？

[184 NC 23/02/22(水) 20:52:23]

白熊は丸くつぶらな目を潤ませて俯いていた。

ローはその姿に見覚えがあった。ぼやけた朧気な記憶の中の、可愛らしい白い生き物。

「――――ベポ？」

「え･･･？･･････もしかして、･･････ローさんなの？」

ローの呼びかけでベポと呼ばれた白熊が顔を上げた。つぶらな瞳がローを捉えると、まん丸に開かれた。

「やっぱりローさんだ！！」

「う”っ」

ベポは大きな体いっぱいで親愛を示すようにローに飛びついた。

人間と白熊、当然二人の体格差は大きく、ローは重い体を受け止めるために数歩後ろによろめいた。

受け身はとれた？

ロー　dice1d10=2 (2)

[185 NC 23/02/22(水) 20:55:21]

スレ主はノベロ未読なのですが、ローが船長になる前の旗揚げ組は「ローさん」呼びだったそうなので、ここでの呼称は「ローさん」を採用します

[186 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 20:56:21]

これは受け身取れずにモフモフに潰されてるな
可愛いな

[187 NC 23/02/22(水) 21:06:54]

ベポの重さにローの肉体が耐えかね、体の奥からゴキリという鈍い音がしたが、幸か不幸かローの痛覚はかなり鈍くつくられていたため、なんとかベポを落とさずに耐えることができた。


「トラ男～、何かいたのか？って、それ白熊か！？」
「白熊だと？･･･おい、トラファルガーから離れやがれ獣！」
「やめろユースタス屋！こいつは敵じゃねェ！！」

遅れて棚の間を潜ってきた二人がベポを見て驚いた。二人からみるとローが白い猛獣に襲われているようにも見えた。
キッドがパイルバンカーに動力を走らせたので、ローは慌ててベポの腹の毛から顔を出して制止した。

「ローさん、あの人たちは誰？よく見たら、ローさんは上にいるローさんと少し格好が違うね？」
「･･････？」
「あれェ、ローさん、そのペンダント！おれたちがプレゼントしたやつ、まだ持っててくれたんだ！！じゃあ、ローさんは本物のローさんなんだね！！ガルチュー！！会えて嬉しいローさん！！！」
「おい待てベポ、お前さっきから何を言って」
「皆にも知らせなきゃ！久しぶりにローさんに会えたら皆喜ぶよ！！」

ベポは興奮冷めやらぬ様子で、上の水槽に向かって呼びかけた。

「皆、ローさんが来たよ！！」


＊＊＊
ロー【せぼね】破損
もふもふの圧に敗北

[188 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 21:13:48]

モフ圧で逝ったか、せぼね…

[189 NC 23/02/22(水) 21:15:35]

少しネクロニカの世界観説明

ネクロニカの世界では「粘菌ネットワークの制御により死体を動かす技術」と「自我次元論の解明による人格の再現」という二つの科学技術を組み合わせることで、死者を擬似的に蘇らせることが可能となりました。

後者はややこしい概念ですが、人の心は肉体そのものに宿るわけではなく、脳などの感覚器官が自我次元と呼ばれる領域に接するときに自我・人格が発生するという理論です。
例えるなら、脳が蓄音機の針、自我次元がレコード、二つが接触したことで発生する音楽が人格です。

自我次元の一人分の領域が接することができる肉体は一つだけです。
同じ人間のアンデッドが同時に二体この世に存在することは決してありません。

[190 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 21:16:53]

詳しくはまだ見えてこないが今こんな感じだ

[191 NC 23/02/22(水) 21:25:59]

ベポの呼びかけに応えるように、キュイ、と人では出せない甲高い音が返ってきた。

水槽の上から大きな影がいくつも下りてくる。

黒くしなやかなシャチ。鋭い流線型をもつペンギン。長大な角をもつイッカク。ふわふわ漂うウニにクリオネ。海の生き物たち。

大小様々な影が四人がいる最下層をぐるりと囲む。

――ほんとうだ、ローさんだ！

――いったい何年ぶりだろう！

――300越えてから忘れちゃったよ！

――嬉しいなァ、あはは！嬉しいなァ！

海の生き物たちは口々にローの名前を呼んだ。人の言語を話すのに適していない声帯から発せられる言葉は、ノイズ混じりでところどころしゃがれている。

海の生き物たちは無邪気そうに、水の中で踊るようにくるりと回った。

狂気判定

ルフィ　dice1d10=4 (4)

ロー　dice1d10=5 (5) +3 （【たからもの】による補正、ベポを思い出していることによる補正）

キッド　dice1d10=1 (1)

行動判定

ロー　dice1d10=6 (6)

[192 NC 23/02/22(水) 21:34:45]

青い水で満たされた水槽。無邪気に喋り駆けてくる海の生き物の姿をしたアンデッドたち。

悪意をひとときでも忘れられる、安らぎに満ちた秘密の場所。

――とても懐かしい。

海の生き物たちに囲まれ、無邪気に名前を呼ばれることに、ローは途方もない懐かしさを覚えた。

ローさん、ローさん。

その呼びかけに応えるように、ローの記憶のカケラが蘇った。

＊＊＊

ローの記憶のカケラ

※1d5=1-3:通常、4:アルファ版、5:ベータ版の記憶表を参照

万が一被ったら振り直し

dice1d5=1 (1)

dice1d100=51 (51)

事故が怖いですが、強い心でダイスを振ります

[193 NC 23/02/22(水) 21:47:24]

ずらりと並ぶ書籍。知の集積。好奇心を満たせるお気に入りの場所。
優れた頭脳を認められていたローは、海中フロアの図書館へのアクセスが許可されていた。

――何を読んでるの？
――解剖学の本。今は心臓の手術について調べているところ。

本棚の隙間から、時折水槽の生き物たちがローに声をかけた。
喋る海の生き物たちは、ローが読んでいる本の内容を教えると大層嬉しそうにした。

何の為に彼らが水槽の中に囚われているのか、ローは知らなかった。
海の生き物は、ローが普段軟禁されている白い部屋の子ども数と反比例して増えていった。

――なんだか最近あんまりよくない気配がするよ、気をつけてねローさん。

水槽を介して他の研究室に出入りできる海の生き物たちは、研究者たちの変化を敏感に感じ取っているようだった。
本に夢中だったローは、その警告を半分聞き流していた。

重大な異変が起きたのは、それからすぐだった気がする。


ロー　記憶のカケラ　「図書館」

[194 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 21:49:23]

おぎゃぁ

[195 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 21:50:10]

これもしかして人間を動物にしてる研究所なのか？辛

[196 NC 23/02/22(水) 21:55:58]

このシナリオ、スレ主が最初の方に考えていた内容と、その後に振ったダイスの結果の噛み合わせのせいでとてもややこしいことになってしまっているれす
ネクロニカの前提知識がないと「？？？？」ってなるところもあるかもしれないれすが、適宜用語説明は入れていこうと思うれす

ネクロニカの世界観を詳しく知りたい人は、ネクロニカの基本ルールブックとサプリメント「歪曲の舞踏」を買ってみるといいれす（販促）

[197 NC 23/02/22(水) 22:03:10]

異形たちがノイズ混じりの声で口を揃えて一心に名前を呼ぶ様子は、事情を知らない者からすると異様な光景だった。

「トラ男･･･、こいつらは敵じゃねェんだよな･･･？」
「チッ、薄気味悪ィな･･･」

カタカタ、ぶつり。

海の生き物が放つ低周波の音がキッドの腹部を振動させ、鋭い鉄骨と接しているはらわたに穴を空けた。


＊＊＊
ルフィからローへの「憧憬」　○○○○　→　●○○○
キッドからローへの「執着」　●●○○　→　●●●○
キッド【はらわた】損傷

[198 NC 23/02/22(水) 22:05:13]

そろそろ次スレに移行しようと思います

【閲覧注意🎲/パラレル】三船長×ネクロニカ Part4｜あにまん掲示板

[199 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 22:05:21]

【閲覧注意🎲/パラレル】三船長×ネクロニカ Part4｜あにまん掲示板

次スレ！

[200 二次元好きの匿名さん 23/02/22(水) 22:07:34]

200ならダイスの女神様の加護を得れる！