ナリタタイシンはクリスマスにやって来た

1二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:07:00

クリスマスに独り
雪が降ろうかという空のもと
公園の鉄の棒にぶら下がりただひたすら懸垂をしているのは俺
そうナリタタイシンのトレーナーだ

彼女とはもう何年も共に時を過ごしてきたが
まだ恋人やら夫婦なんて関係ではないし
クリスマスやらのイベントに一緒に過ごす道理は無いと毎年言われているし
俺は皆が幸せな聖夜を過ごしている中独り黙々と鍛える方が、燃えるんだ

「アンタ・・・マジでヤバいよそれは・・」

タイシンが来た
今日はたしかハヤヒデとチケットとの恒例のクリスマスパーティに参加させられると言っていたはず

「まあ夜は2人とも相方と過ごすから夕方でパーティは切り上げたわけ・・・んで私はこれから1人だって聞くと泣きだしたチケットに一緒に連れてかれそうになったから・・アンタのとこに行くって言って逃れてきたの・・・」
「それで嘘つくのも癪だから・・・来てやった・・・・文句ある？・・」

ないない! ない‼︎

「・・・・あっそ・・どうでもいいけどアンタ・・クリスマスにこれは不審者だからね？・・・雪も降りそうだってのに暑苦しいったらありゃしない」

2二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:08:00

前にもタイシンはクリスマスに逢いに来てくれた事があった
でもあの頃とは違い大人になった彼女とこんな夜に一緒でいいのだろうか

「ねえ・・・・どうせ夕飯もまだでしょ？・・・・その・・人多いの苦手だしましてやクリスマスでいつもより混んでるだろうから・・・・・・・・・家・・・来る?」

断る理由など無いが
いいのかどうか考えてるうち

「ほら・・・寒いんだから・・・さっさと歩け」

とてつもなく嬉しいが
ほんとにいいのかどうかタイシンに聞くと

「・・・うっさい・・つべこべ言うな・・・蹴るよ」

タイシンの家に向かった
俺は誘ってくれたお礼にカレーでも作ろうかと言った
「は？クリスマスにカレー？・・・まあ作りたいならいいけど・・それ以外は私が作るから・・・・変な隠し味入れないでよ」

そう言えば昔バレンタインにタイシンがドライカレーを作ってくれた事があったけど
めちゃくちゃ美味しく普通の味とは違った
あれは何か隠し味があったのか聞いてみた

「・・・・別に・・そんな前の事よく覚えてない・・まあなんかしらは入れたと思うけど・・・ちょっ何ニヤけてんの⁉︎・・ほんと蹴り飛ばすよ‼︎」

3二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:10:34

君は昔からそうだった
そっけなくて、時に乱暴で
でもその中に、君の優しさという名の隠し味が必ずある事を
俺は知っている
それに対して俺は君に時折、弱さを見せる
でもそれは
いつも暑苦しく、前向きに見える俺の
ささやかな隠し味で
君にだけみせる俺の味なんだと思う
君はそれを不味いとも美味いとも
どちらでもハッキリと言って、俺を蹴ってくれるから
それが何よりも嬉しい

4二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:11:42

「ふぅ・・・だいたい食材は買い終わったし・・家はすぐそこだから・・さっさと行くよ・・・今日寒すぎ」
「まあアンタはさ夏みたいって言うか・
・暑苦しい太陽みたいなヤツだから平気だろうけど・・・私は冬みたいな女だからさ・・これ以上冷たくなると・・よくないでしょ」

それは違うな
君は冬そのものというよりは
冬の花、サザンカなんだ
花言葉は、困難に打ち克つ
その咲き誇る姿は
今まで幾人もの人に勇気を与えた
君にそのつもりが無くとも

それに冷たい事が悪いとは限らない
冬には皆、暖かさを求めるが
夏には皆、冷たさを求めるように
必要な時に必要なものを与える愛情
これがなによりも大事なんだ
冬の花も、日差し無しでは咲けないのだから

君と俺は常にそうやってきたと思う
君から沢山の愛と勇気を貰ったんだ

「ねえ・・・・アンタさっきからなんか心の中で呟いてんの？目がどっか行っちゃってるんだけど・・・」

タイシンの家に着いた

「もうこんな時間か・・ねえアンタのカレーはまた今度にしなよ・・・今から作るんじゃ時間かかるし」

5二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:13:35

「ある程度準備あるし・・今買って来た食材使ってさっさと適当に作ればそれなりの料理できるから・・アンタは座ってなよ」

準備？
「あっ・・・いや準備って言うか・・あまりものがあるって事!うるさい!座ってろ‼︎」

タイシンが出してきた料理は
とてもクリスマスらしい煌びやかな
それでいてそぼくさもある
タイシンらしい素晴らしい料理だった
お喋りしながら食事していると
気づけば外には雪が舞っていた

「あっ・・・外・・雪だ・・・・・・雪ってこうやって家の中から見る分には綺麗なんだよね・・・外にいると寒いからやだけど」
「ねぇ・・・アンタさ・・クリスマス独りぼっちならさ・・なんか言えばよかったじゃん
・・・・ハヤヒデもチケットも相手いるんだから・・私が夜フリーなの・・わかるでしょ」

クリスマスだからってわざわざ誘うと鬱陶しいかなと思った
と言うと
「っ・・・・バカッ・・・・・前にも言ったじゃん・・・・・・アンタなら居てもいいって・・・・・・・ん!・・手貸して!」

俺は少しドキドキしながら手を出した
すると手を握られた
と思ったら
思いっきりツボを押された

イダダダダダダダダダダダダダ‼︎

「未だにわからないバカにはこうだ‼︎
・・・・わかれっ!こらっ!」
ギュゥゥゥゥゥゥゥ

6二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:14:21

「ふぅ・・・・・・はい！これっ・・・・・メリークリスマス・・・」

タイシンは急にクリスマスプレゼントをくれた

俺も・・・なんだか会える気がしてたから
用意しちゃってた・・メリークリスマス

そう言って俺もプレゼントを出した

「ふふ・・・何それ！お互い会う気満々だったわけか」
タイシンは思わず笑った

君の笑顔は
外の雪を溶かすほどの暖かさだ。

これから先もずっと君と一緒にいたい
スノードームに降る
煌びやかな思い出という名の雪
その一つ一つが、君との思い出になって
積もるように
もしそれに埋もれてしまっても
その雪は君と俺をいつまでも暖めてくれるだろう

俺は心の中でそう言

「ちょっ‼︎・・・・アンタ何恥ずかしい事言ってんのっ‼︎・・・心の中で言ってるつもりだろうけど・・今の全部口に出てたからね!」

しまった‼︎

7二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:15:17

「て言うか・・・それってプロポーズじゃん・・・急すぎるでしょアンタ・・・まあ・・・変にサプライズガチガチに準備されて言われるよりかは・・好きだけどさ」

タイシンと俺は幸せそうに笑った

「ほんと・・・・・バカっ」

8二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:16:11

幸せな2人が作り上げたクリスマスのスノードームの外で
もう一つのスノードームを作り上げる者がいた
その雪上を颯爽と旋回するのは
アグネスデジタル

彼女興奮しながらこう言った

うひょおおおぇぇぇぇぇぇえええええええ
お二人のスノードーム
ずっと眺めていらるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
そこに痺れるっ憧れるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

それでは皆さん‼︎ご一緒に‼︎

9二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:17:11

エンッッッダァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ

その光景はまるで
雪の女王をも圧倒するほど
芝もダートも果敢に制覇した彼女は
雪をも制するのだ

デジと雪の女王　開演

そして彼女のスノードームには
尊いと言う名の雪が降り積もった

>>18

10二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:25:08

完

11二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:25:51

ポエマータイトレいい…

12二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:33:58

暑苦しいポエマー
しゅき

13二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:40:43

過去作です

一応毎回貼っときます！

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