【CP・閲覧注意、キャラ崩壊注意、🎲スレ】フリード!空から女の子が!Part2

  • 1124/05/14(火) 21:49:53

    未来から私の娘がやって来て数日が経ちました。一時はどうなるかと思ったけど、みんなが赤ちゃんを可愛がってくれるのでとてもありがたいです!
    ポケモンたちもこの子とよく遊んでくれます!特にロイとホゲータと一緒に歌うのがお気に入りみたい!

    …未来の私は大丈夫なのかな?まだまだ一緒に居たいけど、やっぱり早くこの子をママと会わせてあげたいなぁ…

  • 2124/05/14(火) 22:00:11

    ここだけ未来からリコの娘がやって来た世界Part2

    ロイリコ、スピ→リコ要素含みます。
    キャラ崩壊(特にスピネルが変態みたいになってます)注意してください。

  • 3二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:04:10

    立て乙です!
    バトルどうなるのか楽しみ

  • 4124/05/14(火) 22:11:05

    現代軸

    未来のことを気にしている割合
    フリード 2
    リコ 62
    ロイ 22
    ドット 4
    マードック 69
    モリー 84
    オリオ 43
    ランドウ 59

    赤ちゃん(リコ娘)の可愛がり度
    フリード 83
    ロイ 14→56
    ドット 92
    マードック 72
    モリー 83
    オリオ 78
    ランドウ 52

    現在のロイリコの好感度
    リコ→ロイ 39(気になる)
    ロイ→リコ 88(大好き)
    信頼値
    リコ→フリード 42
    リコ→アメジオ 17
    リコ→スピネル −37

  • 5124/05/14(火) 22:12:13

    未来軸ロイリコの好感度
    リコ→ロイ 37
    ロイ→リコ 68
    赤ちゃんへの感情の強さ
    ロイ 40
    スピネル→リコの好感度48

    ・未来軸でロイリコは一度成立済み。
    しかし皆にお付き合いの報告をする前に事故(実はスピネルの陰謀)に巻き込まれ、互いに交際していたことを忘れる。
    ・お付き合いの期間はわずか1週間。リコは交際していた人がいたことは覚えていたが肝心の相手がわからず、ロイは交際していた人がいたことすら忘れている(ただ何か大事なことを忘れたという深い喪失感はある)。
    ・その後妊娠発覚→出産の流れのため未来リコは未婚の母。アレックスさんは気絶した。

    ・アメジオ一行はエクスプローラーズのまま。
    未来軸手持ち
    リコ→マスカーニャ、テブリム
    ロイ→ラウドボーン、タイカイデン
    ドット→ウェーニバル、カヌチャン

  • 6124/05/14(火) 22:17:47

    ロイリコの交際にどれだけ気づいていたか
    フリード 44
    ドット 35
    モリー 89
    オリオ 25
    マードック 66
    ランドウ 70
    マスカーニャ 51
    テブリム 18
    テラパゴス 25
    ラウドボーン 30
    タイカイデン 35

    未来軸リコ関連の信頼値
    リコ→フリード 130
    リコ→ドット 147
    リコ→モリー 57
    リコ→マードック 67
    リコ→オリオ 70
    リコ→ランドウ 105

    フリード→リコ 88
    ドット→リコ 137
    モリー→リコ 72
    マードック→リコ 116
    オリオ→リコ 114
    ランドウ→リコ 115

    リコ→アメジオ 49
    アメジオ→リコ 58

  • 7124/05/14(火) 22:20:21
  • 8二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:41:28

    応援してます!

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:35:46

    早く書かないと落ちる!

  • 10124/05/15(水) 00:51:34

    お待たせいたしました。バトル開始です。


    フリードはリザードンを回復済(HP200)とする

    残りのかいふくのくすり1つ

    ・オニキス戦

    フリード、ロイはテラスタルをdice2d2=2 1 (3)

    1 する(リザードン、ラウドボーンの順番)

    2 しない

    リザードンのかえんほうしゃ→dice1d200=103 (103)

    ラウドボーンのフレアソング→dice1d200=164 (164)

    キョジオーンのしおづけ→dice1d200=68 (68)

    dice1d2=2 (2)

    1 リザードン

    2 ラウドボーン


    ・アゲート戦

    チャーレムのサイケこうせん→dice1d200=100 (100)

    ヌオーのなみのり→dice1d200=74 (74)

  • 11124/05/15(水) 00:53:21

    ・ジル・コニア戦

    ドットはテラスタルをdice1d2=2 (2)

    1 する

    2 しない

    ウェーニバルのアクアステップ→dice1d200=37 (37)

    サイドンのロックブラスト→dice1d200=97 (97)

    ゴルダックのみずのはどう→dice1d200=23 (23)


    ・アメジオ戦

    リコはテラスタルをdice1d2=2 (2)

    1 する

    2 しない

    アメジオはテラスタルをdice1d2=2 (2)

    1 する

    2 しない

    マスカーニャのつじぎり→dice1d200=42 (42)

    ソウブレイズのゴーストダイブ→dice1d200=195 (195)

  • 12124/05/15(水) 05:52:06

    応援コメントありがとうございます!いつも励みになっております!

    次の更新は夜中になります…


    振り忘れていたダイスです。

    ウェーニバルの攻撃dice1d2=2 (2)

    1 サイドン

    2 ゴルダック

    (ゴーストダイブは2ターン使うわざのため)マスカーニャのこのターンの攻撃dice1d2=2 (2)

    1 あたる

    2 あたらない


    あとマスカーニャのHPは140なので振り方も間違えました…耐えるので今回は使いますが次から気をつけます…

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 10:52:32

    このレスは削除されています

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 11:50:51

    自分もアメリコ好きだけどこのスレのアメジオとリコの敵対関係なのに信頼してる感じ好きだけどな(自分が必ずしも恋愛じゃないと萌えられないって訳じゃなく恋愛なしの信頼関係も良いなって思う派だからかもしれないけど)

    このスレは>>2に注意書きあるし推しカプ要素なさそう、もしくは苦手要素ありそうと思った人はそれ見て回れ右するんじゃないか

  • 15二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:28:58

    このレスは削除されています

  • 16二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 14:38:57

    スピネル→リコもダイス振ったら生えてきた感じだしアメジオやフリード(後スレ主が想定してるのか知らないけどその他のカプ)に関してもダイスの結果やスレ主の匙加減による感じでいいと思うけどな
    後これは本当に個人的にだけど恋愛感情有りになって当て馬になるのよりも恋愛感情なしの方が穏やかに見れる…勿論ダイスでそういう展開になったら受け入れるけども

  • 17124/05/15(水) 20:23:31

    スレ主です…
    緊急&長文&言い訳失礼します。
    元々このスレは娘ちゃんの父親とリコのカップリングを中心に書く予定でした。ダイスによっては他カプ(父親との関係が上手くいかなかった&他との信頼値が高い)の可能性もありましたが、ここのダイスの女神様はロイリコが好きだったみたいです。

    後から言われても…と思われてしまえばそれまでなのですが、Part1で赤ちゃんと仲良くなってからのロイとリコの好感度ダイスも1以外が出たら振らない予定でしたし、アメジオが来たときも最初にリコと赤ちゃんを庇った人間の好感度をダイスで上げる予定でした。アメジオもダイスで信じないが出たら信じてくれるまでダイスを振り一時的にブレイブアサギ号に乗せるつもりでした(信頼値もここで上がる予定でした)。
    もしも父親がフリードだった場合はあまり変わらないのですが、アメジオだった場合は信じる信じないに関わらず襲来→同席イベントを発生させる予定でしたし、スピネルだった場合は洗脳の有無や合意の有無からもっと色々なことをダイスで決める予定でした。もう全て過去の話ですが…

    本文の更新はもう少しだけお待ち下さい。

  • 18124/05/15(水) 20:24:40

    ・オニキス戦

    キョジオーンに103×0.5+164→215.5ダメージ

    キョジオーンはdice1d2=2 (2)

    1 耐える

    2 耐えない

    ラウドボーン(炎テラスタル)に68×2→136ダメージ 残りHP64

    リザードンにダメージなし


    ・アゲート戦

    ヌオーに100ダメージ 残りHP100

    チャーレムに74ダメージ 残りHP126


    ・ジル&コニア戦

    ウェーニバルに97+23×0.5→108.5ダメージ 残りHP91.5

    ゴルダックに18.5ダメージ 残りHP181.5

    サイドンにダメージなし


    ・アメジオ戦

    ソウブレイズにダメージなし(外す)

    マスカーニャにダメージなし(次のターンにくらう)

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 20:41:45

    >>17

    もし他のキャラが父親だったらどうなってたのか(特にスピネル)は大分気になってたので裏話が聞けるのはとてもありがたいです!

  • 20124/05/15(水) 22:06:02

    塩は堅い。いくら叩き潰してもその存在がなくなることはない。塩の塊であるキョジオーンの堅さもある意味当然と言えるだろう。ナトリウムイオンと塩素から成るイオン結合はそれほど強大な力を持つのだ。
    しかし弱点はある。塩は決して壊れない訳ではない。寧ろ決まった方向からの力には弱く一定の向きに砕けるのだ。言ってしまえばゴリ押しだ。ゴリ押しには弱い。今回もそうだ。リザードンのかえんほうしゃ、テラスタルによって威力が上がったフレアソングの炎コンビネーションには耐えきれなかった。

    「戻れ、キョジオーン」
    オニキスは目を回すキョジオーンをボールに戻し、大きな手でモンスターボールを包み込むように撫でた。そして相手に視線を移すと空気中に光が舞い、ラウドボーンのテラスタルが解ける。

    「ありがとう!ラウドボーン」
    ロイのラウドボーンもまた大きなダメージを受けていた。ロイはラウドボーンにねぎらいの言葉をかけると、すぐにボールを取り出しボールに戻す。フリードも同様にリザードンをボールに戻すと、オニキスに語りかけた。

  • 21124/05/15(水) 22:06:52

    「サンゴって言ったかな?お前らの仲間が今外の柱に括り付けられてるって言ったら、どうする?」

    「何だと!?」

    アイツまた…とブツブツ呟くと、ボールからプテラを呼び出し背中に乗る。そしてロイとフリードに何か言うわけでもなくそのまま飛んでいってしまった。


    フリードがオニキスの気を逸らすような発言をしたのはわざとである。何故なら隣に立つ今回の功績者、ロイの顔があまりにもいつもとは違ったから。いつも笑顔を絶やさないロイが睨みつける訳でもなく、真顔でただじっとオニキスから目を離さないのが寧ろ何を考えているのかわからず恐ろしかった。


    「ロ、ロイー?」

    返事はない。いつもならすぐにこちらを向いて笑顔で「フリード!」なんて言いながら返事をしてくれるのに…と少し泣きそうになっているとロイは視線を変えないまま口を開いた。


    「フリード」

    「お、おお、どうした?」

    dice1d3=3 (3)

    1 僕、リコのことが好きなんだ

    2 最初の攻撃、僕たちトレーナーを狙ってたよね

    3 早くリコのところに行こう

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:10:44

    ダイススレなのでダイス結果を元に進めていくのは当たり前ですよ、応援してます!
    記憶がなくなってもやっぱりロイはリコが大切な感じのダイス結果でいいな

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:15:05

    サンゴちゃんがオニキスさんに助けてもらえそうでよかった

  • 24124/05/16(木) 01:52:27

    「早くリコたちのところに行こう」

    「ああ、そうだな」

    ロイはタイカイデンを、フリードは再びリザードンを呼び出すと背に飛び乗った。できるだけ速くという指示を出したため強い風を感じる。フリードがリザードンを撫でながらロイに話しかけた。


    「ドットはリコと合流しただろうか」

    「ドット?もうこっちに来てたの?」

    「言ってなかったか?俺たちが戦ってるときにウェーニバルがドットを抱えて走ってたぞ。向こうもこっちに気づいてたからわざわざ避けていってたからな」

    「いつの間に!さすがウェーニバルとドットだね!」


    ロイがへぇ〜っと口を大きく開けて感心する。先ほどの真顔は何処へやら、コロコロと表情を変えるロイを見てフリードは安心した。一応この先も見ておこうと思いながら、2人は進んで行った。


    未来ロイの心情(一番強いもの)dice1d4=3 (3)

    1 リコとドットが心配

    2 フリードは凄いと感心

    3 ラウドボーンとタイカイデンの疲れ

    4 リコと赤ちゃんを傷つける敵への怒り

  • 25124/05/16(木) 08:22:20

    ウェーニバルテラスタルしてないためロックブラスト半減で合計60ダメージでした…残りHP140です。直しますごめんなさい…


    ・アゲート戦

    ヌオーのハイドロポンプ→dice1d126=36 (36)

    チャーレムのしねんのずつき→dice1d100=29 (29)


    ・ジル&コニア戦

    ウェーニバルのけたぐり(素早さ+1)→dice1d200=41 (41)

    ゴルダックのみずのはどう→dice1d140=95 (95)

    サイドンのメガホーン→dice1d140=95 (95)


    ・アメジオ戦

    マスカーニャのつじぎり→dice1d200=88 (88)

    ソウブレイズのゴーストダイブ→195×0.5→97.5ダメージ

  • 26124/05/16(木) 08:24:32

    振り忘れありました

    ウェーニバルの攻撃dice1d2=1 (1)

    1 サイドン

    2 ゴルダック

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 16:37:06

    このレスは削除されています

  • 28二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 16:51:36

    このレスは削除されています

  • 29124/05/16(木) 18:06:29

    ・アゲート戦

    チャーレムに36ダメージ 残りHP90

    ヌオーに29ダメージ 残りHP71


    ・ジル&コニア戦

    サイドンに41×2→82ダメージ 残りHP118

    ウェーニバルに95×0.5+95×0.5→95ダメージ 残りHP45


    ・アメジオ戦

    ソウブレイズに88×1.5×2→264ダメージ

    マスカーニャに195×0.5→97.5ダメージ 残りHP42.5


    ソウブレイズはdice1d2=1 (1)

    1 耐える

    2 耐えない

  • 30124/05/16(木) 18:16:23

    ・アゲート戦

    ヌオーのあまごい

    チャーレムのサイケこうせん→dice1d71=65 (65)


    ・ジル&コニア戦

    ドットはテラスタルをdice1d2=2 (2)

    1 する

    2 しない

    ウェーニバルのアクアステップ(素早さ+1)→dice1d182=70 (70)

    攻撃dice1d2=2 (2)

    1 サイドン

    2 ゴルダック

    サイドンのすなあらし

    ゴルダックのひっかく→dice1d45=33 (33)


    ・アメジオ戦

    マスカーニャのトリックフラワー(トドメ)→dice1d1=1 (1)

    ソウブレイズのつじぎり→dice1d43=7 (7)

  • 31124/05/16(木) 21:57:23

    ・アゲート戦
    ヌオーに65ダメージ 残りHP6

    ・ジル&コニア戦
    ドットはテラスタルをしない
    ゴルダックに70×0.5→35ダメージ 残りHP146.5
    ウェーニバルに33ダメージ 残りHP12

    ・アメジオ戦
    マスカーニャに7×0.5→3.5ダメージ 残りHP39.5
    ソウブレイズに1ダメージ(ひんし)

  • 32124/05/16(木) 22:01:59

    わざとわざがぶつかり合い、衝撃波がトレーナーの方にまで流れてくる。あまりの衝撃にリコとアメジオの髪がバサバサと乱れる。風が止み、慌てて互いの相棒がいた場所を見ると、そこには倒れ込むソウブレイズとそれを見下ろすマスカーニャがいた。
    リコの、勝ちだった。

    ソウブレイズがゴーストダイブによって消え、リコは出てくる場所を何とか予測して弱点をつけるつじぎりを指示した。それだけでは勝負は終わらなかったが、必中急所のトリックフラワーが無事にトドメを刺した。
    「よくやった、ソウブレイズ」
    アメジオが声をかけた後ボールに戻す。リコがマスカーニャに駆け寄ると、アメジオがそちらを見ながら口を開いた。

    「先ほどの急所、冷静なわざの選択。強くなったな」
    「…ありがとう、アメジオ」
    「ニャア?」
    褒めてーと言わんばかりにすりすりとリコに抱き着くマスカーニャを見ながらアメジオが微笑む。その端正な顔は勝負に負けたにも関わらず、随分と穏やかだった。

  • 33124/05/16(木) 22:03:48

    「ジル、コニア。バトルは終わりだ」
    ドットと戦っていた部下のジルとコニアにそう伝えると、すぐに2人は相棒をモンスターボールに戻した。1体で相手をしていたウェーニバルがドットと同じように目を見開き驚く表情を見せたが、彼らは眉一つ動かさなかった。

    「いいのか?」
    「構わない。我々はアメジオ様に従うまでだ」
    ジルの言葉にコニアも頷く。アメジオも普段の顔に戻ると、ドアの前に立つ。そしてリコたちの方に振り向き話しかけた。
    「約束だ。ハンベルのところに案内しよう」
    「あ、ありがとう!」
    リコの言葉に返事をすることなく、アメジオがドアを開け歩き始めた。

    先頭にアメジオ、次にリコ、その隣に急いでウェーニバルをボールに入れたドット、一番後ろにジルとコニアが並ぶ。会話はない。いくつかの足音だけが聞こえる中、リコの長い髪が靡くのを後ろから見ていたドットが緊張のあまり唾を飲み込むだけだった。

  • 34二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 23:03:06

    おおお…
    ウェーニバル割とギリギリだったな
    リコがアメジオに勝てて良かった

  • 35124/05/17(金) 07:01:48

    リコとドットがアメジオに着いていくと、またもや自分の力では元の道には戻れないほど歩いていく。そしてアメジオはある部屋の前に立つとノックをし、返事が来る前にドアを開けた。

    「アメジオ様」
    「ハンベル、頼みがある」
    「ギベオン様なら先ほどお目覚めになりましたよ」
    「それなら丁度良い」
    「ちょ待って!何も言ってないのになんでわかんの!?」
    阿吽の呼吸でやり取りを交わす2人に思わずツッコまずにはいられなかったドット。目をパチクリとさせるリコを見たハンベルがさも当然だと言わんばかりに答えた。

    「貴方がたとアメジオ様のご様子からある程度はわかりますよ。特にアメジオ様は非常に清々しい表情をしておられます。
    それに貴方がたは赤い服の青年のお仲間ですよね?それならば私に拒否権などございません」
    赤い服…ロイのことか?と目配せだけで語り合うリコとドット。その後ハンベルを先頭に、また薄暗い道を進んでいくのだった。

  • 36124/05/17(金) 17:29:40

    ・アゲート戦

    ヌオーのなみのり→dice1d90=46 (46)

    チャーレムのしねんのずつき→dice1d6=5 (5)


    次は誰視点?dice1d3=3 (3)

    1 リコ、ドット(長め)

    2 ロイ、フリード(短め)

    3 スピネル(ヤバめ)

    (バトルが終わったらランドウ、アゲート視点を優先します)

  • 37二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 17:35:48

    やった!スピネルだ

  • 38124/05/17(金) 20:50:56

    「ブラッキー、あなたは本当に優秀ですね」
    「ブラァ♪」
    スピネルが愛おしそうにブラッキーの頭を撫でる。ブラッキーも頭を擦り寄せ相思相愛の姿がそこにあった。

    スピネルはブレイブアサギ号がやって来る直前にブラッキーに指示し、予めリフレクターを張っておいたのだ。ウェーニバルのアクアステップもけたぐりも物理攻撃だったため作戦通りブラッキーの体力を残すことに成功した。特殊攻撃持ちかつ弱点をつけないリザードンだったら危ないところだった。

    昔から思い通りにならないことはスピネルを何より喜ばせた。強きものを屈服させ自らの支配下に置くことは楽しくて、自分が見下ろす景色は格別だった。格の違いを見せつけ、時には引き摺り下ろした。そのためならどんな手段だって使う、スピネルとはそのような男だった。
    リコに対してもそんな始まりだった。しかし彼女を調べ上げ知っていくうちに違う感情も芽生え出した。いつしかそれは根をはり茎を伸ばし、やがて真っ黒な花を咲かせた。誰が見ても歪なそれをスピネルは愛した。大事に大事にした。

    スピネルは少女が大人になるのを待っていた。丁寧に水をやり肥料を与え想いが大輪になったころ、ある事実を知ってしまった。

  • 39124/05/17(金) 20:52:40

    それは彼女を想う者がいたことだ。その者の名はロイ。ライジングボルテッカーズの仲間であり、少年はやがて青年になった。あろうことか彼女もまた、その者を愛していた。スピネルが待っていた間に2人は結ばれてしまったのだ。
    許せなかった。だから壊そうとした。事故に見せかけた崖崩れを故意に起こして何もかも葬り去ろうとした。彼女も死ぬかもしれなかったがもうどうでも良かった。自分のものにならないくらいなら、せめて自分の手で壊してしまいたかった。
    運良く2人は互いを愛した記憶を失った。これで上手くいくはずだった。しかし予想外のことが起きた。彼女は身籠っていたのだ、あの男の子どもを。

    伸ばしても伸ばしても届かない手。でももうすぐ、もうすぐ望みは叶う。研究の成果を使うときが来たのだ。
    「早く私の元へ来なさい。頂の景色を見せて差し上げましょう、リコさん?」
    スピネルはギラギラと瞳を輝かせ、成果を起動する準備を着々と進めていた。ブラッキーはそんな相棒を見て、ただ寄り添うだけだった。

  • 40124/05/17(金) 22:37:18

    ・アゲート戦

    チャーレムに46×1.5→69ダメージ 残りHP21

    ヌオーに5ダメージ 残りHP1


    ヌオーのなみのり→dice1d21=8 (8)

    チャーレムのサイケこうせん(トドメ)→dice1d1=1 (1)



    ついでにダイス。赤ちゃんの名前dice1d2=2 (2)

    1 出てくる

    2 出てこない

  • 41二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 00:54:05

    よくもまあ、記憶を失うほどの事故で胎児が死ななかったもんだ………。

  • 42124/05/18(土) 07:23:40

    ・アゲート戦

    チャーレムに8×1.5→12ダメージ 残りHP9

    ヌオーに1ダメージ(ひんし)


    ここでダイス。

    アゲート→スピネルの信頼値dice1d100=32 (32)


    雨が止む。ポケモンもトレーナーもしとどにした雨が止んだのは、雨雲を呼んだ張本人、ランドウの相棒ヌオーが横たわった意味そのものであった。

    「こちらの勝ちだな」

    ヌオーと視線を合わせ言葉もなく頷くランドウに、アゲートは口角を上げずにそう言って足を向ける。


    「何、負けた者に追い討ちをかけることはしない。指を咥えて見ていろ」

    チャーレムを連れてランドウの隣を横切ると、ボソリと言った一言がアゲートの耳に入る。

    「お嬢さん、水の底力を舐めてはいけませんぞ」

    「…どういう意味だ」

    ヌオーをボールに戻したランドウはそれ以降口を開かなかった。怪しんだが取るに足らないことだと判断したアゲートが進むと、声をかけられた。

  • 43124/05/18(土) 07:38:13

    「これはこれは、アゲートさんではありませんか」

    「…スピネルか」

    声の主はスピネルだった。横にはオーベムの姿、テレポートでわざわざやって来たらしい。研究に関すること以外で話しかけてくるなんて珍しいと思ったが、用くらいは聞いてやろうとアゲートは目を向けた。


    「何の用だ」

    「実は…探しものの回収に行かねばならなくなりまして」

    「そうか、それは大変だな」

    アゲートは関心もなく淡々と言葉を返す。いつものことだ。


    「つれませんね。私、その為に過去に行く必要がありまして」

    「過去って、まさかアレを…!?」

    「そうです、アレです」

    過去という単語を聞いたアゲートが声色を変えて驚いた表情を見せた。スピネルはニヤリとほくそ笑む。


    「しかし一人で行くのは些か不安がありまして…そこでアゲートさん。私と一緒に過去までついて行ってもらえませんか?」 


    アゲートはdice1d3=2 (2)

    1 ついていく

    2 怪しむ(詳しく話を聞く)

    3 ついていかない

  • 44124/05/18(土) 08:11:32

    「話を聞かないことには判断しようがない。詳しく説明しろ」

    アゲートの横でチャーレムも深く頷く。スピネルは表情を崩すことなくまた語りだした。

    「研究対象であった赤子を迎えに行くのですよ」

    「赤子…リコという者の娘か。何故過去に行く必要が?」

    「彼女がテラパゴスの力を使って娘を過去に送ってしまったからです。ギベオン様がご所望なさったペンダントがテラパゴスになった12年前にね。だから私が作った装置で彼女よりも先に行くのです」

    アゲートは状況を理解した。しかし何故スピネルが娘を狙うかは疑問だった。


    「しかし研究はある程度終わっているぞ。今さらどうするつもりだ」

    「おやおや、赤子は良い取引材料になるではありませんか」

    スピネルの考えは、悪趣味ではあるが合理的だった。


    アゲートはdice1d2=2 (2)

    1 ついていく

    2 ついていかない


    1の場合、理由dice1d3=3 (3)

    1 取引材料になるから

    2 スピネルを知りたいから

    3 装置を使いたい

    2の場合、理由dice1d3=1 (1)

    1 誘拐では…?と今さら怖気づいた

    2 スピネルがキモいから

    3 ただただ信用できない

  • 45二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 11:10:52

    ここまで来て良識のあるアゲートさんの反応にちょっと笑った

  • 46124/05/18(土) 16:01:22

    「それは、誘拐にならないか?」
    「何を今さら。我々は既に一度彼女らを拐っているではありませんか」
    アゲートには躊躇があった。スピネルにはなかったものだ。アゲートは珍しく困ったように言葉を返していた。

    「それはそちらの独断で連れてきただけだろう。珍しく事後報告だったじゃないか」
    「私、アゲートさんに研究をご協力いただけて嬉しかったんですよ?」
    「話を逸らすな。悪趣味な行いもこちらは知ってるんだぞ」
    スピネルは笑顔を崩さない。まるで自分が悪いことをしているなんて微塵も感じていないかのようだった。背筋が凍りつきそうだった。チャーレムもそう感じたのかアゲートのそばを決して離れようとしなかった。

    「…赤子を拐ってどうする気だ」
    「知ってどうするのですか?間違っている、正しいことをすべきだ、と誰かさんのように止めて下さるのですか?」
    「……」
    最早返す言葉もない。合理的思考の持ち主で仕事上の付き合いには最適な男ではあったが、今だけは彼と関わり合いになりたくなかった。
    「私は行かない」
    「残念です。アゲートさんのお力添えがあれば百人力でしたのに」
    「よく言う…勝手にしろ」

    一刻も早くその場を離れたかった。アゲートは立っているのもやっとなチャーレムをボールに戻すと、逃げるようにスピネルに背を向けた。見送るスピネルの目には、何も写っていなかった。

  • 47124/05/18(土) 20:26:12

    リコたちの場面です。長めです。

    ハンベルに導かれてたどり着いたのは暗い、暗い空間だ。中心に大きく薄ぼんやりと紫結晶がきらめく。それだけだった。
    「ギベオン様」
    「…何者だ」
    ギベオン!?人間!?いや、この…何!?と視線だけで話し合うリコとドット。そんな2人に構うことなく紫結晶は光り、さも当然と言わんばかりにハンベルが冷静に受け答えをする。

    「……ああ、ルシアスの子孫か…」
    「えっ!ルシアス!?」
    リコが目を見開く。緊張のあまり口が渇くが絞り出された声は思いのほか大きかった。
    「知らなかったのか」
    「し、知らない知らない!そりゃリコの家系に何かしらあるとは思ってたけど、ま、まさかそれが、いにしえの冒険者ルシアスだなんて思わないって!」
    「"いにしえ"…か」

    アメジオがキョトンとする中、ギベオンがドットの言葉を反芻する。何か意味深に聞こえると、気になったリコが声を上げた。
    「ルシアスは昔の人じゃないんですか?あ、あの私はリコって言います!」
    慌てて自己紹介を付け足すが、ギベオンは少し黙りこくってしまった。

  • 48124/05/18(土) 21:09:25

    「あ、あの…?」
    「まだ冒険は終わっていない。終わらせるわけには…いかないのだ」
    声しか聞こえてこないためどのような心境なのかイマイチわからないが、リコにはどこか戸惑っているように思えた。

    「あの、あなたは冒険を終わらせないためにテラパゴスを狙ったんですか?黒いレックウザや六英雄も?」
    「……」
    リコの表情が険しくなる。
    「エクスプローラーズを利用して、色んな人からたくさんのものを奪ってまで、あなたは何を得ようとしたんですか」
    「黙れ!貴様如きに何がわかる!!」

    怒声がびりびりと鼓膜に響く。テブリムのモンスターボールがカタカタと揺れる。きっとこれは強い感情なのだろう。リコには想像もつかないが、それでも引き下がる訳にはいかなかった。
    「わかりません!私はあなたのことを何も知りません!
    でも…あなたと話したいです!!」

  • 49124/05/18(土) 21:29:02

    「話…?」
    「はい!知らないから知りたいんです!!あなたが何を望んでいるのかわからないけど、でも話し合えば新しい方法が見つかるかもしれない!奪うんじゃなくて、テラパゴスとあなたが、そしてルシアスが、望むことを見つけたいんです!皆が納得できる方法を探したいんです!!!」

    リコが叫ぶように声を上げる。自身の両手を握りしめ、祈るようにギベオンを見上げた。快晴の空を切り取った双眼は潤んでいたがそれ以上に力強く輝いていた。
    「そのような事、簡単にできるわけが…」

    「たとえ簡単じゃなくても、できないとは限らないじゃないですか!だって私はテラパゴスをラクアに連れて行きたいです!諦めたくないです!あなたもそうだったんじゃないですか!?諦めたくないからずっとこの戦いは続いたんじゃないんですか!?12年間もの間、ずっと!!!」
    リコはずっと視線を変えずギベオンを見つめている。ギベオンは何も言わなかった。

    「エクスプローラーズはかつて、ルシアスの仲間だったと祖母から聞きました!あなたにはそんなルシアスにとって大切な存在を巻き込んででも得たいものが、どうしてもしたいことがあったんじゃないんですか!?」

  • 50二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:46:30

    リコちゃんらしい啖呵だ

  • 51二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:53:45

    ギベオン様周りアニポケでも謎が多いけどここの話だとどんな感じになるのか気になる

  • 52124/05/18(土) 23:38:18

    「わ、私は…」
    ギベオンの声が濁る。涙を堪えるためにリコは決して話を止めなかった。

    「私には娘がいます。テラパゴスをラクアに連れて行くことは私自身の願いでもあります、でもそれにあの子を巻き込んではいけないと思っています!
    結局、あの子を危ない目にあわせてしまいましたが…」

    娘に会いたい。あの人懐っこい笑顔が見たい。あの舌っ足らずな話せるようになったばかりの声で「まぁま」と呼んでほしい。ふくふくの手を握りたい。思い切り抱きしめてあげたい。
    怪我はしてないだろうか。ちゃんと食べているだろうか。寂しくて泣いていないだろうか。いくら過去のライジングボルテッカーズのところに行くようにしていても、向こうは娘を知らないし娘も過去の私たちを知らないのだ。不安になっていてもおかしくない。いつだって不安はなくならなかった。

    「テラパゴスとギベオンさん、共に存ることはできませんか!?皆が幸せになる方法を探すことはいけないことですか!?
    …でも、今語った言葉は全部私の考えでしかありません!だからあなたのことを、考えを教えてください!!お願いします!!」

    息継ぎもわずかにリコの言葉が部屋に響く。誰も何も言えなかった。アメジオはここまで言うかと呆気にとられ、ドットは物怖じせず話すリコが恐ろしかった。
    「わ、私は…」
    ギベオンが声を出した次の瞬間、地響きが轟いた。

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 09:37:17

    楽しみです

  • 54124/05/19(日) 17:47:04

    「何!?」
    「なんだ、地震か!?」

    アメジオがそう言うが、それにしてはおかしかった。地震なら地面だけが揺れ、壁や立っている人は連動するように揺れるはずだ。
    しかし、今は空間だけが揺れていた。どちらかといえばテレポート独特の浮遊感に近い。人知を超えた何かが起こっている、その感覚はリコたちを恐怖に陥れるには十分だった。しばらくして揺れは収まったが嫌な予感は収まらない。

    「い、今のは…」
    「テラパゴスの力のようなものか、いや少し異なるか…?」
    「テラパゴス!?」
    ギベオンの言葉からリコは閃いた、閃いてしまった。リコ自身がテラパゴスの力を利用して娘を過去に送ったこと、勝負から逃げたスピネル、研究所での悍ましい日々。そしてギベオンの言葉からリコの脳裏に浮かぶのは恐ろしい想像だった。

    「まさか…!」
    「どうしたんだよリコ?」
    ドットが堪らずリコに尋ねる。リコの様子があまりにもおかしかったから。リコは薄暗い室内でもわかるほど顔を青くして、声を震わせながら狼狽したように答えた。
    「早くブレイブアサギ号に戻らないと!!!」
    「も、もしかして…」

    「テラパゴスが!あの子が危ない!!」

  • 55124/05/19(日) 17:51:34

    「テラパゴスがどうかしたのか?そういえばここにいないな」
    急に様子が変わったリコを心配したアメジオが尋ねる。振り返ったリコは震えていた。

    「ごめんなさい!私戻らないと!!ドット、行こう!」
    「え、待ってよリコ!」
    考えておいてくださいー!という声を最後にギベオンに残し、あっという間にリコとそれを追いかけるドットの背中が遠ざかる。
    「2人とも待て!自力じゃ戻れないだろ!」
    「アメジオ様ー!?」
    そんな2人をアメジオが慌てて追いかけ、さらにジルとコニアが後ろに続く。先ほどまでの重たい空気は何処へやら、ギベオンとハンベルだけが取り残された。そんな流れを変えようと動いたのはハンベルだった。

    「ギベオン様。いかがされますか」
    「…そうだな。テラパゴスに何かあるようならば彼らを手配するように」
    「承知致しました」
    「何も連絡がなければ…そうだな。今のうちにルシアスの子孫の、彼女への説明のために準備をしておこう」
    「資料等はこちらで手配しておきます」
    「ああ…頼んだ」

    一見義務的な連絡にしか思えないが、ギベオンの心境はどこか穏やかであった。それを感じとっていたハンベルもわずかに微笑み、ギベオンが望む準備を始めた。

  • 56124/05/19(日) 19:45:05

    ロイは今、ラウドボーンとタイカイデンの疲れが溜まっていないか心配していた。リコとリコの娘が誘拐されてから奪還作戦、全面戦争の現在に至るまで2匹とも休養もなくバトル続きだったからだ。
    研究所の破壊と各地の移動にはタイカイデン、火の元の作成や主なバトルにはラウドボーンが対応してくれた。たとえかいふくのくすりでいくらHPが回復したとしても、疲れというものは知らず知らずの内に溜まっていくのだ。

    全てが終わったらいつもより良い食事をマードックに頼もう、いや自分でお高いポケモンフーズを買ってきて自分のポケモンだけでなくみんなに振る舞うのも良いな…なんてのんびり考えていた。当人はポケモンの心配しかしていないが、ロイの疲労も相当なものだった。
    だから油断した。リコが帰って来なかったあの日から、二度と油断などするものかと心に決めていたのに。


    リコたちと同様に、フリードとロイも変な揺れに襲われた。もしこれが地震なら空中にいる2人に影響はないはず、にも関わらず感じ取れるこれの正体がわからず2人は警戒していた。緊張がとけない2人が見たのは、前から走ってくるリコだった。

  • 57124/05/19(日) 19:50:59

    「リコ!!どうしたんだ!?」
    「フリード!!急いでブレイブアサギ号に戻って!!!」

    リコとドット、フリードとロイが合流した。リザードンから降りたフリードに駆け寄りリコが叫ぶ。後ろから息切れを起こしたドットが言葉を付け足す。
    「ここからじゃ連絡できないんだよ!取り敢えず建物の外に移動したい!
    ロイ!フリード!テラパゴスが狙われたかもしれないんだ!!だからマードックたちに安否確認のための連絡がしたい!」

    「何だって!?テラパゴスが!?」
    「もしかしてさっきの変な揺れのこと!?とりあえず乗って!
    タイカイデン!もう少しお願い!!」
    「リザードンも頼む!!」
    フリードの前にリコを、ロイの後ろにドットを乗せて、リザードンとタイカイデンはもと来た道を戻りだした。





    「なんか置いてかれたぞ」
    「アメジオ様!取り敢えず追いましょう!」
    「そうですよ!テラパゴスに何かあったらこちらも困りますし!」
    心配して追いかけたのに既にいなかった。ジルとコニアのフォローのおかげで少し凹んでいたアメジオも新たに考えを巡らせる。結局彼らもライドポケモンに乗って再び追うことにした。

  • 58124/05/20(月) 00:55:03

    「ああ駄目だ!外に出ても繋がらない!ここの電波一体どうなってんだよ!」
    「ドット落ち着いて!すぐ船に戻るから!
    タイカイデン、全力でお願い!!」
    あれから急いで建物の外に出るも、船内との連絡はつかないままだった。苛立ちを隠せないドットを何とか抑え、一同はブレイブアサギ号に戻った。


    「オリオ!!マードック!!モリー!!みんな無事!?テラパゴスは!?」
    「リコ!?フリードも、どうしたの」
    リコはリザードンから1メートルほど飛び降りてデッキに降り立つと、焦るあまり船内に駆け込む。ポケモンたちと固まって一緒にいたモリーに驚かれた。

    「テラパゴスならここにいるよ。ポケモンたちはみんな無事」
    「パーゴ!」
    モリーが指さした先にいたテラパゴスが元気に返事をする。
    「良かった…あれ?」
    「じゃあアレは何だったんだ?」
    「お主らも感じたか、あれを」
    「じっちゃん!ここにいたのか!」
    安堵するリコ、フリードが口にした疑問を拾ったのはランドウだった。見たところ怪我はないが酷く疲れた様子で座っていた。そして悲しそうに呟く。

    「すまぬ…負けてしもうた」
    「謝らないでよ!戦ってくれて、無事でいてくれて、お礼を言わなきゃいけないくらいなのに!!」
    ランドウの謝罪をリコが強く否定する。フリードも頷いた。モリーはかけるべき言葉が思いつかず、黙ってしまった。

  • 59124/05/20(月) 00:57:18

    「ドット!ロイ!無事だったか!!」
    「良かった…連絡が取れないから何かあったんじゃないかって気が気じゃなかったんだか、ら…」
    あとからやって来たロイとドット。気付いたマードックに抱きしめられながら、ドットは言葉の途中でバタリと倒れ込んでしまった。

    「ドット!?しっかりしてくれ!!」
    「ドット!?まさか、ケガしてたの!?どうしよう私のせいで…」
    「ごめんちょっと失礼…」
    道にいた者と伯父を押し退けるモリー。頭をぶつけないようにゆっくり下ろされたドットの呼吸と心拍を確認し、オロオロしていたリコとマードックを落ち着かせるために結果を伝える。

    「寝てるだけだね」
    「寝…!?」
    「ずっと無理してたから」

    無事だという結果がわかったとはいえ、その無理というのが何かをなんとなく察していたリコは複雑な思いだった。しかし今は止まれない、と目的のためにリコはテラパゴスの方を向く。
    そして願った。反対する者はいなかった。

    「お願いテラパゴス、私たちを過去に連れてって!」

  • 60124/05/20(月) 05:31:11

    現代時空

    これから時空変わるたびに書きます。わかりにくかったらごめんなさい…




    「すごい雨だねー」

    「あうー」

    「ニャオハ…」

    リコは赤ちゃんと窓の外の景色を見ていた。テラパゴスは外を興味津々に見ており、ミブリムはフードの中で眠っている。ニャオハは不機嫌そうに外を睨みつけていた。展望台からは一面の雨雲と窓を打ち付けるほどの雨がよく確認できた。ここにいるのはdice1d3=1 (1)

    1 リコたちだけ

    2 リコたちとロイ

    3 リコたちとドット


    結局あれから雨は止む気配を見せず、ライジングボルテッカーズは緊急着陸した森から動けずにいた。この時期に何日も雨が止まないなんて珍しいねーなんてリコが話しても大人たちはどこか上の空だった。

    この悪天候には何かがあるんだ…とは思いつつ、何かが全くわからなかったためありきたりな感想と共に雨を鑑賞するくらいしかできなかった。リコは抱っこしていた赤ちゃんの手をそっと握った。


    「早くあなたのママに会わせてあげたいなぁ…」

    「まぁま?」

    リコの言葉に、肝心の赤子はキョトンとしていた。

  • 61124/05/20(月) 06:50:13

    次の瞬間激しい揺れに襲われる。空間が揺れる今までに感じたことのない感覚。リコは咄嗟に赤ちゃんとニャオハたちを庇うようにしゃがみ込むことしかできなかった。外に雷が落ちたようにも見えたが詳しくは確認できなかった。


    しばらくして揺れが収まり、ようやく視界が安定する。リコは得体のしれない恐怖からブツブツ呟くことしかできなかった。

    「今のは何…?ニャオハ、ミブリム、テラパゴスは大丈夫?赤ちゃんは平気?」


    そう呟くリコの目の前にはいつの間にか人がいた。緑髪を無造作に伸ばした、綺麗な色をしているのにどこか濁った不思議な瞳を持った男。リコはどこかで彼を見たことがあった気がしたのだが、何故か思い出せなかった。


    「あ、あなたは…?は、早くフリードに連絡を」「待ってください」

    スマホロトムを取り出そうとした手を掴まれる。手つきの優しさが寧ろ恐ろしかった。全身にゾワゾワとした恐怖が襲いかかる。


    「ようやく会えましたね、リコさん?」

    「だ、誰ですか!?離してください!!」

    「フシャー!!」

    ニャオハの威嚇もリコの拒絶も歯牙にも掛けない様子で男は微笑んだ。


    「私はスピネル。未来から来ました」

    dice1d3=3 (3)

    1 貴女の夫です

    2 その子を迎えに来たんです

    3 12年後の未来から、ね

  • 62124/05/20(月) 06:55:44

    「12年後の未来から、ね」

    (12年後…この子がいた未来と同じ?)

    突然の発言に困惑が隠せないリコ。てっきり未来の自分がやって来るとばかり思っていた。想像していた人とは違うが、この言葉が本当ならこの子を渡すべきなのだろうか。


    「ああ、やはり過去の貴女も魅力的ですね…当時からもっと写真等を残しておくべきでした」

    一瞬迷ったが、ニコニコしながらそんなことを呟くこの人はやっぱり怪しい。赤ちゃんを抱きしめる力を強くすると、スピネルは赤子の方をチラリと見た。


    スピネルはdice1d3=1 (1)

    1 真顔で「行きますよ」

    2 微笑んで「帰りましょう♪」

    3 満面の笑みで「パパですよ♡」


    赤ちゃんはdice1d4=2 (2)

    1 真顔で固まる

    2 すごい嫌そうな顔をする

    3 泣きそうになりリコにしがみつく

    4 ギャン泣きする



    赤ちゃんの名前dice1d2=1 (1)

    1 出てくる

    2 出てこない




    次の更新は夜中になります

  • 63二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 07:14:35

    助けてくれロイ!…と思ったけど未来のスピネル相手に現代ロイだと少々分が悪いか
    フリードー!助けてくれー!

  • 64二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 08:36:40

    名前出てくるじゃん!

  • 65二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 19:58:23

    スピネルはともかくエクプロ面子割と話せばわかる人多くて12年間も争ってたのは何故…?ってのが気になってきた

  • 66二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:07:53

    >>65

    スピネルが計略で話合わせないようにしてたんでは?

  • 67二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 21:27:49

    スピネルをどうにか出来るのはフリードか本気を出したランドウのじっちゃんくらい
    ただこのスレのダイス神はロイとロイリコ推しでフリードはアメジオに誤解されて罵られたりと割と不憫寄りだからフリードが来れたとしてもどうなるか分からないな
    ロイはこのタイミングで来たら十中八九スピネルが物理的に消しにくるから来ないで(白目)

  • 68二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:32:33

    >>66

    あーありそうだな

    ライボルとエクプロが手を組まないように暗躍するスピネル…

  • 69124/05/21(火) 02:53:49

    「さあ、行きますよ」
    「ん"~~!!」
    スピネルと名乗る男は赤ちゃんにそう言うが、赤ちゃんは眉を潜め全力で嫌がる。手を差し出しても首が曲がるぎりぎりまでそっぽを向いて拒否した。

    「や"あぁ〜〜〜!!!」
    そしてリコにしがみついて完全に背を向けてしまった。スピネルは真顔で赤ちゃんを見下ろし、赤ちゃんはスピネルを見ようともしない。両者を交互に見ながらリコはすっかり困ってしまった。
    (ど、どうしよう…)

    敵であるアメジオに対してさえ興味津々の様子だったのにこの嫌がりようである。ピーマンを食べたときもほとんど嫌がらなかった(マードックの料理がそれほど美味しいからだとも考えられるが)この子の今の様子は、リコの目から見ても異常であった。

    「この子はいつもこうなんですよ」
    「は、はあ…」
    「ほら行きましょう?ママが心配していますよ」
    「んぃ!!」

    ママという単語を出してもなお、赤ちゃんは嫌がる。一度スピネルを見たがすぐにぷいっと反対方向を向いてしまった。

  • 70124/05/21(火) 02:55:29

    「あなたも強情ですねぇ」

    「あ、あの!待ってください!」

    にっちもさっちもいかない状況に、リコがたまらず2人の間に挟まる。スピネルは一瞬驚いたような表情を見せるが、すぐにリコに対して笑顔を見せた。

    「何ですか?」


    「あの…この子は誰にでも懐くんです!でも、あなたを嫌がります」

    「それが、どうかしたのですか?」

    笑顔のまま有無を言わせないような声を出す。口角は上がっていたが目だけが笑っていなかった。しかしリコは怯まなかった。赤ちゃんを抱え直しスピネルの手を振り払ってきっぱりと答える。


    「私はあなたを信用できません!

    …ごめんなさい。もし本当にこの子の関係者なのであれば他の人を、未来の私を連れて来てください」


    腕にいる赤ちゃんを抱き寄せ、リコはその場から立ち去るためにエレベーターに乗ろうとした。だがボタンを押す直前に肩を掴まれてしまいその場から動けなくなる。


    「離してください!嫌っ!!誰か!!」

    「ミー!ミッミー!!」

    リコが抵抗するも大人の男の力には敵わない。ミブリムは強い感情をキャッチしてしまいひどく怯えていた。


    誰が助けに来る?dice1d3=1 (1)

    1 キャップ&フリード

    2 ロイ&フリード

    3 ??

  • 71二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 06:45:51

    フリードきたー!
    女性がピンチの時に颯爽と助けに現れる男性ほんと好き
    未来フリードもリコとタッグを組んで強敵のサンゴに勝って言葉でリコを支えてくれたりと助けてくれたんだっけ
    こんなん現代リコの信頼値もシビルドンのぼりでときめいちゃうじゃん...

  • 72124/05/21(火) 07:28:13
     見るのは自己責任「いや…嫌っ!!」

    リコが身を捩っても手はピタリとくっついて離れない。肩に置かれた手は腹から腰、太ももをスルスルと移動していく。その手つきは今までにされたことのない触れられ方で、リコを恐怖に陥れるには十分だった。

    「ニャオハ!」

    「ブラッキー遊んでやりなさい」

    ニャオハが助けようとするもブラッキーに阻まれる。ミブリムもリコも、恐怖のあまり足がすくんで動けない。雷が落ちる音がする。赤ちゃんがむずがる声を聞いてもスピネルの手は緩まなかった。


    「そうだ、そうです…今の貴女は誰のモノでもない…今の貴女を手に入れれば全て私が奪える…」

    もう片方の手は首筋を通り顎を掴み口元を覆う。這う手の感触が気持ち悪い。その間も手が止まることはなく、しかもゆっくりと際どい場所に移動していることに気づいたリコが首を振って必死に逃げようとする。

    「んー!!離して!離してっ!!

    助けて!!!誰かぁ!!

    フリード!!キャップ!!」

    涙が滲み視界が潤む。口元にあった手が鎖骨を舐めるように触る。抵抗すればするほど力は強くなり、赤ちゃんにも危害を与えるかもしれないという恐怖がリコの足を止めてしまう。太ももを弄った手が短パンの中に侵入し、まさに付…
    telegra.ph

    スピ→リコ表現あり。

    なんか気持ち悪くなってしまったのでこちらに。

    暴力的な表現があります。

    読んだあとの責任は負いません。

  • 73124/05/21(火) 08:08:13

    「キャップ!ボルテッカー!!!」

    「ピカヂュー!!」

    目が眩むほどの閃光と共に、仲間たちの名前の象徴が飛び込んできた。ボルテッカーは容赦無くスピネルの背中にブチかまされ、衝撃でリコから手は離れる。リコが赤ちゃんを庇い後ろから倒れそうになったところをフリードが抱え込み、リコたちは無事救出された。


    「すまん!リコ、来るのが遅くなって。

    さっきの揺れは…って聞いてる場合じゃなさそうだな」

    フリードたちも先ほどの揺れを感じており全員がミーティングルームに集まっていた。唯一来ていないリコたちが展望台にいるとわかったがエレベーターを使うのは危険だと判断し、リザードンに乗って外からやって来ていたのだ。(因みに地震が起きた後のエレベーターの使用は推奨されていない。余震や停電等のおそれがあるため)


    「ごめんな、俺びしょ濡れだ」

    「ううん、助けてくれてありがとう」

    そう言うリコの表情は固い。救出されても震えは止まらず、赤ちゃんを抱きしめたままついには泣き出してしまった。ニャオハが慰めるようにすり寄るが状態は一向に良くならない。


    「ちが、違うの、フリードが嫌なんじゃないの…ごめ、ごめんなさい…」

    「謝らなくていい、リコのせいじゃないだろ」

    リコからそっと離れ、蹴破るように開けたドアを閉じると、フリードは起き上がったスピネルをギロリと睨みつけた。


    「ひどいことしますね」

    「その言葉、そっくりそのまま返そうか。ふざけやがって

    侵入者、お前は何者だ?」

    目の前にはキレたトレーナー、しかも先ほど背中にダイレクトアタックされたにも関わらず、スピネルは不敵な笑みを浮かべていた。


    リコ→フリードの信頼値

    42+dice1d20=9 (9)

  • 74二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 08:17:14

    上昇した信頼値低くて残念…
    まあ状況が状況だしときめいてる余裕はないか

  • 75二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 10:01:20

    ボルテッカーくらってスピネル大丈夫か!?もしかしてなんか仕込んでたりする?
    フリードとスピネルのバトル見られるかな楽しみ

  • 76二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 11:07:29

    名前を呟いたらその人たちが来て救ってくれるなんて少女漫画みたいだ
    リコ→フリードの信頼にプラス補正を貰ってもいいくらいフリードたちがかっこいい
    スピネルは異性の中でもロイの次にリコの信頼と好感が高いであろうフリードと対峙して何を思うのか

  • 77二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 14:05:42

    >>76

    プラス補正わかる

    信頼が上がりすぎると好感ダイス振ることになるしこのスレはロイリコ前提だからあまり強くは望めないけどリコのドキドキ不可避なくらいフリードが救世主でかっこいい

  • 78二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 15:09:24

    ロイは勿論かっこいいんだけどフリードも凄くかっこいいしアメジオも素敵だしスピネルは執着がゾクゾクするし、みんな凄く良いキャラしてるよね

  • 79二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 18:32:53

    未来スピネルに現在ロイを会わせるのはロイの身が心配だからフリード&キャップで良かった

  • 80二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 20:03:10

    リコの絶体絶命に駆け付けるフリードまじリコのナイト

  • 81124/05/21(火) 20:31:52

    「私は12年後の未来から来ました」

    「だったら何だ、リコに何したんだ!!」

    「おやおや、彼女の目の前でそんなこと言ってもいいんですか?私は一向に構いませんが」

    「この…!」


    フリードの怒りなどつゆ知らず、スピネルは座り込んだままのリコを愛おしそうに見つめる。恐怖のあまりリコは一歩も動けなかった。ニャオハとテラパゴス、抱えた赤ちゃんに心配されるが口は震えるだけで言葉を発することはない。いつもなら自分より周りを優先してこの子らを安心させるような言葉をかけるのに、リコはそれが出来ないほど衰耗しきっていた。


    スピネルはdice1d3=1 (1)

    1 背中に鉄板を仕込んでる

    (スピネルに微ダメージ&キャップに大ダメージ)

    2 背中に衝撃吸収材を仕込んでる

    (スピネルにダメージなし)

    3 ただ無理してるだけ

    (スピネルに大ダメージ)


    裏話②

    もしロイの名前呼んでたらキスマークつけられてたので呼ばなくて良かったねという話です。今さらですがボルテッカーよりかみなりパンチの方が良かったかもしれませんね…(反動ダメージがないので)

  • 82二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 20:37:24

    未来スピネルここにきてキャップに大ダメージ与えるなんて引き強いな

  • 83二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 20:39:40

    スピネルはリコの相手がロイだと知ってるんだもんな…

  • 84124/05/21(火) 23:49:06

    「貴方は自分の相棒を心配しなくてよろしいのですか?」
    スピネルの視線の先にはキャップが四足歩行の体勢で構えをしている…と思われたが、よく見ると身体の痛みを庇っているような姿勢をとっていた。
    「キャップ!?」
    フリードが駆け寄って確認すると、どうやら全身を痛めているようだった。立っているのもやっとなはずなのにキャップは気丈に振る舞う。

    「アハハ!!私が何の用意もしていない訳がないじゃないですか!ブラッキー今です、でんこうせっか!」
    スピネルが高笑いし指示をすると、ブラッキーがキャップに向かって飛び出してくる。リコの瞳からはただ涙が溢れるだけだった。足が動かない。フリードもこの狭い場所ではリザードンを出して戦うことはできない。フリードがキャップの目の前に立って庇おうとするが間に合わない。

    リコがギュッと目を閉じたそのときであった。
    「いい加減にしてー!!!」
    展望台のドアを文字通り蹴破りずぶ濡れのまま飛び込んできた存在がいた。

  • 85124/05/22(水) 06:08:00

    飛び込んできた存在は白い脚を惜しみなく蹴り出し、スピネルの膝裏を的確に狙う。それは見事な膝カックンとなり、スピネルは見事に顔からすっ転んだ。

    スピネルはdice1d3=3 (3)

    1 喜んでいた

    2 驚いていた

    3 痛がっていた


    「あ、貴女は…!」

    鼻を抑えながらどことなく嬉しそうにしたスピネルが振り向くと、そこにはロングヘアの女性がいた。

    「バトルなら、私が相手になります!」

    「わざわざ未来から会いに来てくださったんですね!!ああ、夢のようです!」

    「……!?」


    彼女も未来から来たと、この男は話している。しかしどう見てもスピネルの味方には見えない。フリードは驚きのあまり会話に入ることができなかった。

    「非常に残念ですが、体制を立て直さなければならないのです。私はこれで失礼します♪」


    「待っ」女性が手を伸ばすがスピネルは一瞬で姿を消してしまう。彼女が蹴破ったドアから雨が入り込み入り口付近に水たまりができる。フリードはドアを閉じる気力もわかず、へたり込んだまま彼女に尋ねた。

    「あの、あなたは…?」

    「私は…」


    彼女が答える直前、リコの方を見た。そして彼女が目を見開き感嘆の声を漏らす様子をリコはぼんやりと眺めることしかできなかった。

  • 86124/05/22(水) 06:11:30

    「ルリ!!!」
    「まぁま〜!!!」
    女性が赤ちゃんを見つけると、よろけそうになりながらも駆けつけ思い切り抱きしめる。赤ちゃんを抱えていたリコごと。フリードもニャオハも困惑が隠せなかった。

    「ああ良かった!本当にごめんね、迎えにくるのが遅くなって…」
    「あうー、まぁま!」
    ママと呼ばれた若い女性が、リコごと赤ちゃんをきつく抱きしめ謝罪をしながら大粒の涙を流す。そんな彼女に対して、ルリと呼ばれた赤ちゃんがペタペタと頬を触る。まるでここが世界で一番安心できる場所であるかのように、今までで一番の笑顔を見せていた。

    そんな感動の再会に挟まれるリコ。ママと呼ばれる、この子は自分の娘、目の前には自分そっくりな女性。つまりこの人こそ未来のリコだと気付いた。驚きよりも正直情報量が多すぎるせいで困惑が勝つ。おかげで先ほどまでの恐怖はすっかりどこかに飛んでいってしまった。

    「私、リコです!フリード!!」
    ぎゅうぎゅうに抱きしめながら女性、未来から来たリコが今さらながらフリードの質問に答えた。
    赤ちゃんと未来から来た自分に挟まれながらリコが見たのは赤ちゃんの頭を抱き寄せるしなやかな手。その左手薬指に、自分の母と同じものが着けられていないことに、リコは気づいてしまった。

  • 87二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 06:14:59

    フリードとキャップかっこいい!これはリコの信頼大幅アップ!
    と喜んだら補正も無くてあまり上がらなくて更にキャップが大ダメージ受けてて落ち込んだ
    やっぱりこのスレのダイス神はフリードに厳しいな

  • 88二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 07:15:54

    結婚指輪に気づいちゃうのがリコらしい
    大人リコが未婚子持ちで変に執着してる未来の男がいておまけに子どもの父親がわからないって聞かされたら嫌な想像しちゃいそうで心配だ

    ルリちゃんてルリリみたいでかわいい名前だね
    由来は瑠璃草かな?

  • 89二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 08:13:51

    まあ厳しいのフリードにだけじゃないしね
    ロイリコ推しダイス神だしロイ以外のキャラに厳しめなのはしょうがないんじゃないか?

  • 90二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 08:21:20

    このレスは削除されています

  • 91二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 08:34:02

    このレスは削除されています

  • 92二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 11:27:18

    スレ主さん荒らしっぽかったりあまりにも目に余るレスは削除してもらって構わないからね?

    ルリって名前、ルシアス+リコが由来だったりするのかな
    全然関係ないだろうけどBW2のルリちゃんが思い浮かんじゃった

  • 93124/05/22(水) 19:26:53

    「リコ!!!」

    「リコ!!??」

    もうビシャビシャになった展望台の入り口からまた誰か入ってきた。リコと呼ぶ声はこの場にいる誰もが聞いたことがある声、フリードのものだった。しかしフリードはキャップを抱え展望台の中にいる。では外からやって来た者は?

    答えは簡単だ。彼はリコと同様に未来からやって来たフリードだった。しかしドッペルゲンガーと見間違う程に両者の違いはなく、彼ら自身も「「俺!?」」と指をさして叫ぶほど驚いていた。


    「リコ!!」

    またもやリコを呼ぶ声とともに誰かが入ってくる。赤い服の彼は展望台に入ると風にあおられながらなんとかドアを閉めてくれたため、ようやく外から水が入ってくることはなくなった。その代わり、中の空気はめちゃくちゃだった。


    リコの精神が落ち着いたのでダイス。

    リコ→フリードの信頼値もう一度dice1d2=1 (1)

    1 上がる

    2 上がらない

    1の場合51+dice1d20=19 (19)

  • 94124/05/22(水) 19:56:59

    リコ→フリードの信頼値70

    「フリード!ロイ!」
    「リコ勝手に行かないでよ!びっくりしたじゃん!」
    「そうだぞ!リザードンから、しかもあんな高いところから飛び降りるなんて、心臓がいくつあっても足りないだろ!」
    「ごめんね…何だか嫌な予感がして」

    涙で顔をベチャベチャにしながら大人リコが振り向くと、ロイと呼ばれた男性と外から来た方のフリードが口々に注意を言う。大人リコは謝罪をしつつ笑顔を崩さない。よっぽど娘と再会できたのが嬉しかったのだろうとそのことに関しては責められることはなかったが、抗議は少しの間続いた。

    「ロイ…?」
    「あ、子どものリコだ!じゃあホントに過去に来たんだね!」
    まだ抱きしめられたままのリコが呟くとロイと呼ばれた青年が顔を綻ばせる。未来のロイは随分と背が伸び、声も低くなっていた。リコもロイほどではないが背が伸びており、どこがとは言わないが赤子を挟んでもしっかりわかるくらいの存在感があった。

    「お前たちもしかして…」
    「ああ、俺たちは12年後の未来から来た。まずは仲間を預かってくれてありがとう。そんで…」
    「危ない目にあわせて本当にごめんなさい、怖かったでしょう」
    「…うん」
    リコは今度は自分から大人のリコに抱きついた。しんみりした空気の中、ルリだけはこの状況で楽しそうにしていた。

  • 95二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 20:02:52

    未来フリード見た目変わってないの!?

  • 96二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:37:18

    >>95

    まあ、大人になってからだとパッと見でわかる程変わりはしないだろうな

    イメチェンでもしない限りは

  • 97二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:51:34

    フリードはまあわからなくもないけどサンゴとかも見た目変わってなかったような?

  • 98二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 06:57:39

    保守

  • 99二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 06:58:46

    リコのフリードの信頼が大きく上昇して嬉しい
    スレ主さんありがとうございます(土下座)

    ロイとスピネル以外はリコへの信頼や好感ダイスを振ってないから両思いになることはないし現代のロイの恋と未来のロイとリコを応援してるけどスピネル→リコがあるようにリコがフリードへの信頼ダイスをあと1~2回振る機会があったらリコ→フリードっぽい描写も見られるかもと全カプ好きとしては期待しちゃってる

    それはそれとして未来リコとルリちゃんが再会できてよかった
    現代のリコとルリちゃんの2人も素敵だけど数日ぶりにお母さんに会えたらそりゃあ桁違いなくらい喜ぶよねってルリちゃんの反応を見て思った

  • 100124/05/23(木) 08:17:55

    「僕は未来から来たロイだよ。隣にいるのが同じく未来から来たフリード。彼女が未来のリコで…」
    「それで、私たちが預かっていた赤ちゃんの母親と。赤ちゃんの名前がルリ、か」

    あれから2回にわけてエレベーターに乗り込みミーティングルームまで移動した。フリードの帰りが遅いことに痺れを切らしたロイがエレベーターの目の前で待っていたため大人リコと鉢合わせ、しばらくの間騒がしかった。もちろんミーティングルームで待機していた皆が驚いていた。

    モリーに頼んでキャップを手当て、回復している間に3人はずぶ濡れだったため機関室で上着を乾かしタオルを渡されていた。
    キャップが元気になってから改めてミーティングルームに集まり、未来組はフリードが話すとどちらが話したかわからなくなってしまうためロイが、現代組はモリーが中心として話すことになった。

    「ルリちゃん?」
    「あい!」
    「お〜良い返事だな!偉いぞ!」
    「…じゃなくて!!」
    オリオが早速名前を呼んでみると、大人リコに抱えられたまま良い返事を返してくれる。マードックを筆頭に可愛すぎる…と誰もが思ったが、ドットが急いで原点に舵を戻す。

  • 101124/05/23(木) 08:29:53

    「リコたちが来たってことは、その全面戦争っていうのは終わった…って考えていいんだよな?」
    「それが…」
    ロイが口ごもる。リコが小さく手をあげ代わりに説明に入った。
    「幹部にはほとんど勝って、ボスとも話をしてる最中だった。それなのに、スピネルがルリを拐おうと未来からやって来たの…何らかの方法で」

    現代の皆に緊張の糸が張り詰める。状況が芳しくないことはなんとなく察していたが、未来からやって来た方法がわからないのは意外だった。
    「リコたちと同じ手段じゃないの?」
    「違うと思う。私たちはテラパゴスに直接頼んでこっちに来たけど、スピネルとテラパゴスはあれっきり接触してないの。だから他の方法を使ったんじゃないかって考えてる」
    「そっか…」
    ドットとロイが大人リコの説明を聞いてしょんぼりしてしまう。大人リコは唇をキュッとしめてライジングボルテッカーズの方を向いた。

    「必ずスピネルは私たち未来のライジングボルテッカーズが連れて帰ります!!」
    「だから、もう少しだけみんなに協力してほしいんだ!!」
    「頼む!俺たちに力を貸してほしい!」
    リコの言葉に続いてロイ、フリードも声を上げる。そして未来組が頭を下げる。彼らの表情は真剣そのものだった。

  • 102124/05/23(木) 08:31:16

    「こちらこそ協力させてください!」

    はじめに口を開いたのは子どものリコだった。現代のフリードも続いてこう言う。

    「今さら引き返せなんて言われないかヒヤヒヤしたぜ」

    「僕たちにも手伝わせて!」

    「ボクにできることなら…」

    ロイとドットも肯定的な言葉を口にする。


    「これでお別れなんてさみしいもん!」

    「俺も協力するぞ!」

    「聞きたいこともあるしね」

    「乗りかかった船じゃ。最後まで舵はとらねばなるまい」

    「ピッピカチュウ!」

    オリオ、マードック、モリー、ランドウ、そしてキャプテンピカチュウ。皆が納得してくれていたことに、未来組は喜んだ。


    「皆…ありがとう!」

    大人リコがそう言うと、誰が合図するわけでもなくライジングボルテッカーズのハンドサインが行われた。

    こうして、未来組と現代組の共闘が始まった。


    次は誰視点?dice1d4=3 (3)

    1 未来リコ&リコ

    2 未来ロイ&ロイ

    3 未来フリード&ライボルメンバー

    4 未来スピネル

  • 103二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 08:33:27

    未来組で現代に来てるのリコロイフリードスピネルだけなのかな?

  • 104二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:17:01

    ドットが寝てしまったし他の未来ライボルメンバーは留守番なのかもね
    個人的に未来アメジオ達はどうなったのか気になるけど

  • 105124/05/23(木) 21:12:38

    リコは大人リコに聞きたいことがあるらしく早々にミーティングルームから退出した。ロイもまた大人ロイに聞きたいことがあるようで引っ張っていった。

    「フリード、ああ未来の方ね!」
    「何だ?ドット」
    「あのさ、未来のボクはどうしたの?」
    残されたメンバーのうち、珍しくそわそわしていたドットが未来フリードに尋ねる。成長しているリコとロイは問題ないのだが未来フリードと現代フリードの区別があまりにもつかないため、モリーの指示により未来フリードは黄色いタオルを常に目に付く場所にかけていた。

    ドットの質問に未来フリードは少し気まずそうにしながら答えた。
    「未来で休んでもらってる。無理させすぎたからな」
    「えぇ…無理って?」
    「何日も徹夜で情報収集してくれたんだよ、しかもそこから連続でのバトルだ。今まで動けてただけ奇跡みたいなもんだったからな」

    ドットはふーんなんて言いながらもほんの少し不機嫌そうにして椅子から立ち上がる。
    「ドット、どこ行くんだ?」
    「部屋戻るだけ。セキュリティの確認したいから」
    そう言い残してミーティングルームから出ていった。一同はクワッスとカヌチャンが急いで着いていくのを眺めることしかできなかった。

  • 106124/05/23(木) 21:14:00

    「あちゃー、やっちゃったね」
    「ドットなりに気にしてるんだよ。マードックもそっとしておいてあげなよ?」
    オリオとモリーがそんなことを言ったため、立ち上がって今にも追いかけていきそうなマードックがしぶしぶと再び席についた。

    「ねえ、未来のフリード」
    「何だ?モリー」
    「未来から来たのはリコとロイ、フリードにあのスピネルとかいう奴だけなの?」
    座ったままモリーが尋ねる。真剣な眼差しで未来フリードを見つめていた。
    「ああ、未来から来たのは俺たちだけだ。あとのメンバーは未来のブレイブアサギ号で待機している。キャップも見張りとして向こうにいるから安心してくれ」

    「ありがと。あと未来で何があったのか全部教えて。あれ、言ってなかったか?は無しだから」
    そう伝えるモリーの背後に膨大なエネルギーを感じる。未来フリードは(なんなら現代フリードさえも)その迫力に押されただ返事をするだけであった。

    「まず…アメジオたちもキャップと一緒に見張っててくれてる」
    「アメジオ!?それ大丈夫なの!?」
    オリオが目を見開いて聞く。これは説明が長くなりそうだ…と思いつつ、現代フリードのウインク(任せた!という意味)もあり未来フリードは1から説明することにした。

  • 107124/05/23(木) 21:25:31

    「まずエクスプローラーズと争う必要が出てきたのはリコとルリ、テラパゴスが拐われたからだ。ドットの徹夜も奪還のためだったんだ。これ以上狙われてはかなわないと、俺たちは向こうのアジトを見つけ出し奇襲をかけた。これが争いの理由だ」

    未来フリードが複雑そうな顔をしながら今までの経緯(未来ではあるが)を語る。現代フリード含め皆真剣に聞いていた。


    「アメジオとは、過去から戻って来るまで何もしないように約束しておいた。お前らの仲間を捕まえる必要があること、それはお前らも一緒だということを説明しておいたし、何よりアイツは約束は守るタイプだから大丈夫だろう」

    未来フリードの言葉に現代フリードが何度か頷く。アメジオに対する謎の信頼を疑問に思いながらも、そのことには触れずにオリオが口を開く。

    「仲間って、もしかして!」


    「ああ。スピネルはエクスプローラーズの幹部、その内の1人だ。何故か執拗にリコを狙ってる奴でな。

    …今回ルリを狙ったのも、もしかしたらそれが原因かもしれないんだ」

    未来フリードの発言により空気が重くなる。しかし共有すべきことはまだまだある。未来フリードは両頬を叩き、気を取り直すと再び説明をはじめた。


    次は誰視点?dice1d3=1 (1)

    1 未来リコ&リコ

    2 未来ロイ&ロイ

    3 未来スピネル

  • 108二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:50:41

    >>99

    補正込みで90に到達したら好感度ダイスを振ると考えるとフリードへの信頼が70に到達した現代リコは現代フリードにときめく一歩手前くらいまで来てそう

  • 109二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 22:15:01

    フリードがアメジオのこと信頼してるの良いね
    この2人の関係好きだから嬉しい

  • 110124/05/24(金) 06:37:17

    リコが大人リコとルリを招いたのは自室だった。ここならベッドに座って話もできるし、ルリ用のベビーベッドもあったからだ。
    「これって…ベビーベッド?」
    「う、うん!オリオが作ってくれたの!」
    「そうだったんだね、後でお礼を言わなくちゃ!」
    微笑みながらそう言う大人リコ。腕に抱かれたルリも意味をわかっているかは不明だがそれを見てニコニコと笑っていた。

    リコは自らベッドに座った後に大人リコをベッドに座るように促し、大人リコはルリを膝の上にのせて隣に座った。ニャオハもミブリムもテラパゴスも、ベッドの上で子どもリコを囲むようにして思い思いに座っていた。
    「あ、あの…」
    「どうしたの?」

    人前で聞くべきことではないと考えたリコが大人リコをミーティングルームから連れ出したはいいものの、いざ目の前にするとなかなか質問をする勇気が湧かなかった。隣に未来の自分がいるなんてあまりに不思議で、つい自分の両手指を重ねてもじもじしてしまうが、リコはなんとか口を開いた。

    「えっと、ルリちゃんのお父さんとは…もう一緒じゃ、ない…んですか?」
    大人リコが零れ落ちそうなほど目を見開く。そして膝の上でテラパゴスと遊んでいたルリがベッドから落ちないように支えながら、子どもリコの方に顔と身体をを向けて答えた。

  • 111二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 07:01:50

    やっぱり気になるよなあ
    大人リコはなんて答えるんだろう

  • 112124/05/24(金) 07:05:03

    「実は…わかんないんだ」
    「え」
    「この子のパパ」
    父親がわからない。それはつまり、そういうことなのでは…?とランドウの言葉と自分が知っている少ない知識から考えられる1つの仮説がリコの頭をグルグルと回る。

    「そ、それは、み、みみみ、みだらってことですか!?」
    「ええっ!?違うよ!?」
    パニックになった子どもリコはルリの耳を塞ぎながら目を回してそんなことを口走る。大人リコは慌てて否定し、子どもリコの両手をとって落ち着かせた。しばらく経ってからパッと手を離し、大人リコが口を開く。

    「2年前…こっちの私から見ると10年後?に崖崩れに巻き込まれてね。そのときに恋人の記憶だけ失っちゃったんだ。妊娠もその後に判明したから、だからわからないだけだよ」
    「そ、そうだったんだ…
    でもそれならその恋人?から連絡が来るはずじゃないんですか?」
    「来ないんだ。こっちから連絡しようにもそのときにスマホロトムも壊れちゃってね、今使ってるのは新しい物でデータも移行できなかったから」

    未来での事情はなんとなく理解できたが、子どもリコは複雑な感情だった。ミブリムが子どもリコの周りをぐるぐる回って心配している様子を見て、ポツリと思ったことが漏れる。

    「だから結婚指輪もしてないんだ…」
    「ああ、それで気付いたんだ。さすが私だね」
    大人リコは苦笑いしながら頬をかき、ルリの頭を撫でる。ルリは嬉しそうにしながら撫でる大人リコの手を力強く掴み、そのままぶんぶん振っていた。

  • 113二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 08:18:30

    ロイリコが記憶なくしちゃってるのもどかしいよな
    何とか記憶取り戻して一緒になって欲しい

  • 114二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 10:39:10

    >>108

    未来のロイリコの記憶が戻ってゴールイン迎えてハッピーエンドになってほしい

    でも未来のことは一旦置いておいて現代のロイが気になってるのに現代のフリードを意識しちゃう現代リコは正直めちゃくちゃ見たい

  • 115二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 10:52:33

    このスレはロイリコとして見てるからこれからもロイリコで行って欲しいしフリードは(後アメジオも)信頼関係でいて欲しいな

  • 116124/05/24(金) 18:33:48

    「ロイが私を庇ってくれなかったら、ルリはきっとここにはいなかったと思う。実際私は打ち身で済んだけど、ロイはひどい怪我を負っていたもの。
    …それほど酷い事故だった」
    だから彼には感謝してもしきれない、と大人リコが呟く。彼女は、小さな手をめいいっぱい動かすルリをただ見つめていた。

    「崖崩れって、もしかして皆が巻き込まれたんですか…?」
    「ううん。私とロイだけ。
    突然のことで、ポケモンたちを逃がすので精一杯だった」
    憂いを帯びた横顔を見て、子どもリコの胸がキュッと締め付けられるように痛む。一歩間違えればポケモンたちが、ルリが危ない目にあっていたかもしれないのだ。リコはいつか来る未来が恐ろしく思えた。

    「さっきの…変な男の人は何ですか?」
    恐ろしいといえば、と連想したもう1つを大人リコに尋ねた。こちらも唇を噛みしめたのちに語り出した。
    「あれはスピネル。エクスプローラーズ幹部の1人で、テラパゴスと私たちの関係性を調べてるの」
    「テラパゴスと私たちの関係…ですか?」
    「うん。ペンダントがテラパゴスになって、その持ち主だったからってずっと狙ってくるの」

    大人リコはそう言うが、子どものリコでさえあの目つきはそれだけとは思えないほど様々な感情が入り混じって濁っているように見えた。大人リコがどこまで気づいているかは不明だが、複雑そうな表情を浮かべているためスピネルの個人的な狙いは敢えて言わなかった可能性もある。そう思うと詳しく聞くのも気が引けた。

  • 117124/05/24(金) 20:19:31

    「他に聞きたいことはある?」

    「えっと…今のところは、ないです」

    「わかった。聞いてくれてありがとう」

    「こちらこそ!教えてくれてありがとうございます!」

    大人リコにお礼を言われ、子どもリコも慌ててお礼を言い返す。話をすれば緊張もほぐれると考えていたが、未だに緊張している様子のリコを見て大人リコは動いた。


    「じゃあ、今度はこっちから質問してもいいかな?」

    「あ、はい!どうぞ!」

    「あうあ!」

    背筋を伸ばして答える過去の自分を見て、ついつい「ふふっ」と笑ってしまう。そんな姿を真似する娘を愛おしく思いながら、早速質問をはじめた。


    「そうだね…まずは私の話を聞いてどう思ったかな?」

    「え、えっと…」

    リコの心境はあまり良いものとはいえなかった。そしてそれを未来の自分とはいえ伝えてよいものか考えあぐねていた。リコはしばらく悩んだが、おそるおそる語りだした。


    リコの心境dice1d3=3 (3)

    1 怖かった(スピネル)

    2 不安だった(ルリの父親)

    3 悩んでいる(未来の自分について)

  • 118二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:23:48

    事故に巻き込まれたのリコとロイだけ…これはピンとくるんじゃ…?
    スピネルはいつからリコに執着するようになったんだろう

  • 119二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 22:02:12

    >>116

    のリコの反応的にリコがスピネルに催眠かけられたくだりはなかった(もしくはまだ起こってない)世界線?

    スピネルも10代後半〜20代前半のイメージあるし催眠かけられてたらもっと警戒心を顕にしそうだなと思った。

    変装でもしてたか…?

  • 120二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 22:07:30

    >>5

    付き合って1週間以内でそういう関係って進んでるな...と思ってしまった

  • 121124/05/24(金) 22:14:42

    「なんだか、未来が怖くなっちゃって…」
    頬をかきながら、不安な気持ちを誤魔化すように吐露する。身長差から覗き込むようにしてこちらを見る大人リコの目を見返すことができないままリコは続けた。

    「もし…もしかしたら、スピネルって人がルリちゃんの父親っていう可能性は…」「ないよ」
    大人リコがキッパリと否定する。おずおずと目を合わせてみると、その瞳は遠くを見据えており、自分とも娘とも同じはずなのにひどく冷たかった。
    「スピネルは私たちを誘拐したとき一度だけ「私は貴女の恋人です♡」なんて言い出したことがあったけど、ルリの父親だとは一言も言わなかったの。そもそも本当なら誘拐なんてする必要がない。だから嘘だってすぐにわかった」

    「なるほど…」
    子どもリコが説明に納得したようだ。何回か頷く様子を目でおうと、大人リコは再び口を開いた。
    「やっぱり怖かったよね」
    「…はい」
    子どもリコは否定しなかった。いや、できなかったと言う方が正しいであろう。

    「だってルリちゃんがこっちに来てからずっと、お父さんとお母さんみたいに幸せな結婚をして、それから産んだ子だって信じ切ってたのに…
    未来の私は1人で娘を産んで!この子のお父さんもわかんなくて!!しかも変なおじさんがずっといて!!気持ち悪くて!!!」
    両目を覆いながらせきを切ったように叫ぶうちに涙が溢れてしまう。子どもリコが拭いきれなかった恐怖を落とすように、大人リコがルリと一緒に抱き寄せた。

    「ごめんね、綺麗な大人になれなくて。
    でもこれだけは信じてほしい。ルリは望まれて産まれてきたことと、この子を愛してることだけは」
    そう言って嗚咽を漏らすリコの頭をそっと撫でる。ニャオハとミブリムもリコを慰めるように寄り添っていた。ルリが大人リコの膝の上からリコの涙を拭うように頬に触れると、リコは幼い子どものようにさらに泣き叫んでしまう。
    抱擁と優しさ、心配に包みこまれてリコはしばらくの間、ただ泣いていた。大人リコはこれ以上何も言えなかった。

  • 122124/05/24(金) 22:37:40

    ダイス忘れていました。次はdice1d2=2 (2)

    1 未来ロイ&ロイ

    2 未来スピネル


    >>119

    説明不足で申し訳ないです!

    基本的に時系列はアニポケ通り、この時空は41話と42話(パルデアにつくまで)の間の話です。

    未来リコが催眠について触れていないのは、催眠をかけたのがエクスプローラーズの仕業であることは知っていますがそれがスピネルであることに気づいていないからです。そのときのことはうろ覚えであり、また変装していたスピネルと素の姿のスピネルが同一人物であることに気づいていません。スピネル本編でまだ名乗っていないので。

    アニポケと極力設定を変えないようにしていましたがもし異なっていた場合はこのスレ限定の設定として読み進めてください…


    >>120

    この2人交際したその日に全部進めましたよ

  • 123二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 22:43:27

    >>122

    なるほど、たしかにあのスーツのお兄さんがスピネルとは言ってなかったか…

    解説?ありがとうございます!

  • 124124/05/25(土) 07:45:13

    「痛っ」
    「ブラキ?」
    「大丈夫ですよブラッキー。骨には到達してませんから」

    オーベムを使った移動ののち、スピネル(未来の姿)は森の中の洞穴に身を潜めていた。ここならライジングボルテッカーズに見つかる心配もなく雨露も凌げる。テラパゴスの能力を調べて作り出した"タイムマシン"といえるであろうこの装置、他にも目的のためにいくつか未来から持ってきた装置や道具もここにある。

    どうやらリコは、催眠をかけたあのときのことをよく覚えていないらしい。あのときはまだ名乗っていなかったということもあり、変装した姿と素の自分の姿が一致しないようだ。
    非常に残念だ。自分がはじめて接触した思い出の路地裏も、ペンダントを奪ったときの無防備な姿も、全て覚えているのは自分だけ。自分は今でもリコの姿を鮮明に思い出せるというのに。

    背中の鉄板を取り出して外れた肩の関節を戻す。激痛が走るがやむを得ない。
    「あの博士、人間相手にボルテッカーとは…正気の沙汰とは思えませんね」
    お前が言うな、と言いたげなブラッキーを尻目に処置を済ませ、ポケモン用の回復アイテムを取り出した。

    「さあ、もう一仕事よろしくお願いしますね」
    スピネルは立ち上がると、目的のための準備を始めた。

  • 125二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 09:34:57

    現在リコにおじさんって言われてる未来スピネルにふふってなってしまった
    現在フリードよりおそらく年上で、好感度なしどころかマイナスになってそうな相手ならまあそうだよな
    にしても鉄板仕込んでたとはいえ骨折してない未来スピネルタフだなあ

  • 126124/05/25(土) 15:04:28

    「ねぇ…どこまで行くのー?」

    ロイは大人ロイをぐいぐい連れてブレイブアサギ号の廊下を通り、夜中にポケモンたちが集会をひらくこともある下のきのみ置き場まで来た。坂になっているところに座ると、大人ロイを座らせてから話しかけた。

    「ねえねえ大人のぼく!」

    「えっと、どうしたの?」


    「ぼくってどれくらい強くなったの!?」

    「ホンゲ!ホンゲ!!」

    「あー、そっちかー…」

    大人ロイは子どもロイにいきなり連れて行かれ話しかけられてかなり驚いていたが、ロイとホゲータのキラキラと輝く瞳を見て項垂れた。しかしその声はどこか安心していたようだった。


    「…このときってもうカイデンも一緒だったよね?進化もしたし、修行も繰り返したし、いっぱい強くなったよ」

    「え!?進化したの!!?」

    「ホーンゲゲ!!?」

    「うん。よかったら見る?」


    子どもロイとホゲータはdice1d2=2 (2)

    1 見せてもらう

    2 見ないことにする

  • 127124/05/25(土) 16:55:57

    「うーん、悩むけど…
    やっぱり止めとく!ホゲータたちが進化するの自分の目で直接見たいから!!」
    「僕ならそう言うと思った!」
    どちらのロイもニコニコしながら会話を重ねる。外は大雨で船内も電気をつけていてもどこか薄暗かったのに、この空間だけ太陽みたいに眩しかった。

    「でもバトルはしたい!!ねぇぼく!雨が止んだらぼくとバトルしてよ!!」
    「それだと結局見ることになるんだけどな…いいよ、バトルしよう」
    「やったー!!!」
    両手を上げて全身で喜びを表現する子どもロイとホゲータ。頬杖をつきながらそんな過去の自分を眺めていた大人ロイにとんでもない爆弾が落とされた。

    「そういえばさっき"そっち"とか言ってたよね?大人のぼくは何だと思ったの?」
    大人ロイがぎくりと肩を動かす。そして一生懸命目を合わせないようにするが、質問をした方のロイも目を合わせようとちょこまかと動いて離れない。ホゲータも、先ほどまでロイとホゲータのはしゃぎようにいい顔をしなかったカイデンさえも大人ロイの周りをグルグル回る。
    未来ロイは背が高いため、立ち上がることさえできれば視線を外すことができるのだが彼らのバリケードは厚い。大人ロイは、自分が一度気になるとしつこく追いかける人間であることを失念していた。

    ようやく大人ロイは降参のポーズをとり、観念して口を開いた。

  • 128124/05/25(土) 18:19:48

    「ええぇー!!??
    未来のぼくもリコが好きなの!?」
    「…ということは、過去の僕もリコが好きなんだね」
    「うん!大好きだよ!!」
    何かのお手本のように驚く。耳をマトマの実のようにしながら告白した大人ロイに対してあっけらかんと答える子どもロイ。顔も赤らめながら大人ロイは照れくさそうに続ける。

    「堂々としてるね…過去の僕ってそんなだったっけ?」
    「だってぼく同士なのに隠す必要ないかなーって!」
    「た、確かに!」
    大人ロイが納得しいつもの元気な表情に戻った。先ほどまでの様子が嘘のようにケロッとしている。良くも悪くもいつものロイ同士話が進む。

    「リコに言わないの?」
    「僕こそ言ってないだろ」
    「そ、それは!ルリちゃんが来てからずっとドタバタしてたから!」
    「ルリ、うーん…そうだね……」
    「?ルリちゃんがどうかしたの?」

    姿勢を少し崩した状態で膝を抱えた大人ロイの顔を覗き込む。複雑そうな表情を浮かべる未来の自分の姿を見たロイは、あることに気付いた。

  • 129二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 18:57:46

    ロイらしいストレートさ
    未来ロイからしてみれば記憶がなくなってるから好きな子が気づいたら子どもできてたってことになるのか

  • 130124/05/25(土) 18:59:27

    「ルリちゃんがいるってことは、未来のリコって誰かと結婚してるの?」
    子どもらしいロイの疑問に、大人ロイがテンションの低いまま答える。
    「してない。
    …でも多分、リコはその人のことが今でも好きなんだと思う」

    結婚してない。子どもがどうやって産まれるかよくわかっていないロイはこの一言だけでも十分驚いていたが、すっかり諦めたように語る未来の自分の姿にもっと驚いていた。
    「ただでさえなんか僕の知らないことで感謝されてるのに、僕が告白したら絶対リコは困るよ」
    「感謝?何かあったの?」
    ため息をついてそのまま飛んでいってしまいそうな大人ロイの話を聞くために腰を据える。遠い目をしながら大人ロイは語り続ける。

    「実は僕とリコは一部の記憶を失っているんだ。リコはその恋人のことを、僕は何を忘れたのかも思い出せないけどね」
    「えっ!?忘れちゃったの!?」
    「うん。その日からずーっと胸にぽっかり穴が空いたみたいで、上手く息が吸えないんだ」
    胸をぎゅっと抑えて悔しそうな顔をする大人ロイ。

    「あまりよく覚えてないんだけど、そのとき僕はリコを庇ってたみたいで…僕らを発見したフリードが教えてくれたんだ。
    でも今ここにルリがいるのは庇ってくれたお陰だって言われても、全然ピンとこないもん。そんなつもりで助けたわけじゃない…それならリコが怪我なんてしないように、記憶がなくならないようにしてる!
    きっと今告白しても、負い目を感じてるリコはOKしちゃうかもしれない…僕への気持ちもないのに。
    僕それは嫌だ!だってリコの気持ちを大事にしたいもん!!リコの気持ちがないと、意味ないよ!」

    自分の感情を一気にまくし立てるように語った大人ロイ。最後まで話を聞いた子どもロイが、心配そうな顔をしながら口を挟んだ。

  • 131124/05/25(土) 19:50:51

    「それ、リコに言ったの?」
    「……言ってない」
    何だか大人ロイが不貞腐れているように見える。難しいことはよくわからないが、基本当たって砕けろ精神の持ち主であるロイはそのまま未来の自分にぶつかっていく。

    「じゃあその気持ちも伝えてから告白すればいいんじゃないかな?そうしたらリコの気持ち、教えてくれるかも」
    「だから、僕の気持ちを伝えるだけでリコの負担になるかもしれないんだよ?リコは付き合ってた人のことが、ルリのお父さんのことが好きなのに」
    「でも言わなかったらずっとこのままだよ?本当に、ぼくはそれでいいの?」
    「……」

    子どもロイに真っ直ぐに見つめられて、大人ロイは黙りこくってしまう。口を閉ざし、視線を遮るように抱えた膝と膝の間に顔をうずめた。子どもロイは目一杯腕を伸ばし、丸まった背中を撫でていた。ホゲータとカイデンが首を傾げてその不思議な様子を見ていた。

  • 132124/05/25(土) 20:03:16

    スレ主です。

    最終的にはどちらも書きたいと思いますが、実は順番に悩んでおりまして…

    ダイスを振りますがこれで決まるわけではありません。皆様のご意見もお伺いしたいと思っております。

    コメント等よろしくお願いします!

    dice1d2=2 (2)

    1 とりあえず完結優先

    2 未来時空の過去編を挟む(ロイリコ交際時)



    ついでにダイス。未来リコのスピネルへの怒りdice1d100=23 (23)

    補正込みで100超えると闇堕ちします。誰かが止めない限り止まりません。

    娘への行い+30、現代リコへの行い+20

  • 133二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:18:39

    平和にいちゃつくロイリコと2人の関係をそっと見守るライボルズが見れるんですか!?

    未来リコちゃんが闇堕ちしなくて良かった
    設定画のおこリコくらいにはなってるかもだが

  • 134二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 21:48:38

    ロイリコ過去編見たいです!

  • 135二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:27:17

    過去編いいね!見れるなら見たいです!

  • 136124/05/26(日) 06:28:36

    スレ主です。

    コメントありがとうございます!

    ダイス&コメントから、未来時空の過去編挟む→現代時空の完結という順番に更新することに決定いたしました!


    とは言いつつも全部書くとかなり長くなるかもしれないので、過去編をどこまで書くかのダイスを振ります。こちらもコメントでのご意見を取り入れることもあるかもしれません。よろしくお願いします。

    dice1d3=1 (1)

    1 交際→事故直前まで

    2 妊娠発覚まで

    3 ルリちゃんが生まれるまで

  • 137124/05/26(日) 16:27:51

    未来時空過去編(10年後の未来)

    ある深夜、スマホロトムでリコはウイングデッキに呼び出された。差出人はロイ。マスカーニャはどこかに行っているようで部屋にはいなかったためテラパゴスとテブリムが眠っているのを確認してから向かうと、ロイは既に約束の場所で待っていた。
    「ロイ、ごめんね遅くなって」
    「大丈夫だよ!来てくれてありがとう!もしかして起こしちゃったかな?」
    「まだ起きてたから気にしないで!」

    リコは、自分の言葉に腕をぶんぶん動かして反応するロイの隣に移動する。この日は星が綺麗に見える、雲一つない澄み渡った空だった。
    デッキの真ん中で胡座をかくロイ、正座を崩した体勢で座るリコ。2人は何か言うわけでもなく、空を眺めていた。しばらくするとロイがデッキに背を付けて寝転ぶので、リコも真似をして寝転んでみた。

    「リコ見て!こんないっぱいの星がさ、全部僕たちだけのものになったみたいでキレイでしょ!僕これ好きなんだ!」
    「本当だ、凄く綺麗…」
    思わず息を呑む。外に出てから夜空はずっと見ていたが、この体勢で見るとその美しさは格別だった。

    「ラウドボーンとタイカイデンと、よくこうやって見てるの?」
    「ううん、これを見せたのはリコが初めて!」
    「え」
    「どっちも夜はすぐに寝ちゃうからさ」
    「あ、ああ、そうだよね!」
    リコは一瞬、ロイが自分のためにわざわざ秘密にしていたのでは?と思ってしまったことが恥ずかしくなってしまい、ロイから視線をそらした。そらした目の先にも満天の星が散りばめられていて、ついつい見惚れてしまう。

  • 138124/05/26(日) 16:30:51

    「ロイは、私にこの景色を見せたくてここに呼んでくれたの?」

    星空に目を奪われながら尋ねるリコ。ロイは口を閉ざしてしまった。星空を見ているようでどこか遠くを見ているような、普段からは想像もつかない姿に胸が高鳴る。
    リコはロイに想いを寄せていた。自覚してから日は浅く、相棒たちにさえ気持ちを吐露してはいない。恋心は一人胸に秘めていた。
    ロイがあまりにも何も言わないため、リコは起き上がりロイの顔を覗き込む。夜空の下でもわかるほど赤らめた頬がそこにはあった。

    「ロイ?」
    「…リコ」
    ちらりとリコを見たロイも起き上がったため2人の顔が至近距離まで到達する。そして瞳を射抜くように見つめられると、思わずリコの顔にも熱が集まってしまう。互いが熟したカジッチュのようになりながらロイがようやく口を開いた。

    「リコを呼んだのは、伝えたいことがあったからだよ。
    僕、ライジングボルテッカーズのみんなと出会えて良かったって思ってる!一緒に冒険して、ラクアを探して!ポケモンのこと知るのが本当に楽しくて!!
    でもリコと一緒にいるとね、胸がポカポカして温かくなるんだ!なんでか他の仲間といるときとは全然違う感じで!!
    不思議で!ずっとわかんなかったんだけどね!やっとわかったんだ!!」

    一面の星空に包まれて、世界に二人だけだと錯覚してしまいそうになる。そんな空間で一生懸命話すロイの声と自分の心臓の音だけがリコの耳を支配する。そして想いは伝えられた。

  • 139124/05/26(日) 16:33:37

    「好きです!僕、リコのことが好きなんだ!!」

    心臓の音に負けないように紡がれた感情は、はっきりとリコに届いた。温かい想いを真正面から浴びたリコの、目頭がじわりじわりと熱くなる。
    「リ、リコ!?えっ!?そんなに嫌だった!?ごめんね!!今のは」「ちが、違うの…!」

    ワタワタとしながら焦るロイの想いを否定しないように、リコの想いを伝える。
    「嬉しいの!ロイが私と同じ気持ちだったことが!だって、私もロイが好きだから!」

    溢れる涙を手で拭って告白するリコ。自分から告白しだしたというのに、ロイはポカンとしていた。しばらくするとハッと気づいてまた話しだす。
    「そ…それって、僕たち両想いってこと!?で良いんだよね!?」
    「うん、うん…!」
    「じゃあ、これも聞いて!」

    リコの涙を拭うロイ。二人は座り込んだまま見つめ合うと、ロイは意を決したように一つの願いを伝えた。
    「僕と付き合ってください!!」
    「はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」

    想いを伝えた二人は、感情を共有するかのように優しい抱擁を交わす。間違いなく幸せで満たされていた。瞬くように輝く満天の星空が、二人を祝福してくれているようだった。

  • 140二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 19:54:00

    ついに告白………続きも楽しみにしてます!

  • 141124/05/26(日) 20:39:12

    両想いであることが判明した二人は抱きしめ合っていたが、しばらくするとロイが少しだけそっと離れた。

    「ロイ…?」
    「も、もう夜遅いし!部屋戻ってもう寝よ!マスカーニャたち待ってるだろうし!」
    ロイの提案をすんなり飲み込むほどリコは子どもではなかった。ムッと頬を膨らませて抗議する。

    「夜遅いって、ロイが呼んだんでしょ!こんな時間に!」
    「そうだけど!だって二人きりになれるチャンスわかんなかったんだもん!」

    リコの言葉にタジタジになるロイ。先ほどまでとはうってかわってリコがこの空間を支配する。声ではなく、柔らかい感触と人肌の温かさに。
    再び抱きついたリコは、ぐっと背伸びをして顔を近づけロイの言葉を封じ込め、そっと唇を重ねたのだ。

    「本当に終わりでいいの…?」
    胸に抱きつきながら、マトマの実が弾けてしまいそうなほど赤くなって呟くリコ。突然のことでガチガチに固まることしかできないロイ。

    「…いいの?」
    「……いいよ、ロイとなら」

    「止まれないかもしれないよ?」
    「いいよ、止まらないで」

    ロイはギュッと目を閉じてキャパオーバーした脳内をなんとか整理する。既に爆弾を3つくらい落とされた気分だ。月と星に照らされたリコの瞳は潤んで光を分散していて、この世の何よりも美しく思えた。

  • 142124/05/26(日) 20:41:19

    「僕の部屋、行こ?」
    「…うん」

    ロイはリコの手を取り、指を絡める。所謂恋人つなぎと呼ばれるものだ。互いに顔は真っ赤で、つないだ手は燃えるように熱い。まるで全身の血液が沸騰したようであり、心臓の音が末端の脈からでも聞こえてきそうなほど高鳴ってうるさい。リコは手汗をかいていないか心配していたが汗ならロイがとっくにかいていたためよくわからなくなっていた。

    ラウドボーンもタイカイデンも今日はどこかに行っている。定期的に開催されているポケモンたちだけの集会だ。ロイはこの日を狙っていた。でも、リコの意思を尊重したかったからと、拙い言い訳を並べて引き返せるようにした。しかしリコはとっくに覚悟を決めていて、口づけからそれを感じたロイも決意を固める。
    もう後戻りできない、したくない。欲望を表に出さない自信がなかった二人は一言も発さないまま、船内に移動していった。

    …それを見ていた1つの視線に気づかないまま。

  • 143二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:01:13

    あーなんかいいな
    ロイとリコだし長いこと一緒にいたから気持ちを確かめ合ってすぐそういう関係になっても段階をすっ飛ばしてる感がない
    しかし不穏な引きだなあ

  • 144124/05/27(月) 06:43:32

    翌朝。ラウドボーンとタイカイデン、マスカーニャは他の多くのポケモンたちと共に眠たそうにしていた。テブリムとテラパゴスはリコからポケモンフーズを貰っていた。いつも通りの、穏やかな日常。
    …ただ一点を除いて。

    「なんか…リコとロイ近くない?」
    「ホント?いつもじゃない?」
    リコとロイ。相棒たちが眠たそうにしている様子を困ったように、でも微笑ましそうに見ている二人の距離が昨日よりも近くなっていることに初めに気付いたのはモリーだった。オリオに耳打ちするが彼女は疑問には思わなかったようだ。

    「気の所為じゃないか?テブリムも穏やかだし、もし何かあったら多分暴れてるだろ」
    コーヒーを飲みながら、この間テンションが上がりすぎてテブリムにぶん殴られたばかりのフリードがそう答える。

    「まあ、何かあったら話してくれるだろ!二人とも隠しごとは苦手だからな!」
    マードックがウトウトしているポケモンたちのご飯を準備しながらそんなことを言う。ライジングボルテッカーズが二人を信頼しているからこそ出てくる言葉だ。

    「ふぉっふぉっふぉ」
    ランドウに至っては笑うだけだ。元々ポケモンたちさえ自由に住み着いているブレイブアサギ号。些細な変化など気にしないのだ。
    それに、誰もが二人の間に起きたのはきっと良い出来事だろうと思った以上、こちらから根掘り葉掘り聞くのも野暮というものだろう。かつて子どもだった彼らが船に乗ってもう10年が経つ。成長を見届けた大人たちはそう考えたのだった。

  • 145二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 16:40:01

    ロイリコを見守る大人たちいいな
    信頼があるところ好き

  • 146124/05/27(月) 21:39:43

    「何かあったの?」
    「何かって、何が?」

    大人たちは気にしていないようだがやっぱりドットは気になっていた。朝食後、部屋を訪ねたリコに行儀の悪い姿勢で座ったまま思い切って聞いてみることにした。
    最初は他愛もない会話だったのだが、今朝の二人の様子がやっぱり気になる。大人たちは見守るらしいがドットはリコたちと同年代であるためこちらから聞いても許されるだろうと考えていた。交流を重ねるうちにこれくらいなら甘えてもいいだろうと思えるようになったから出る考えであることにドットは気づいていない。

    「なんか…前より綺麗になった気がするから」
    「そ、そうかな!?ありがとう…!」
    照れるリコの姿をもう一度目視するドット。肌も髪も唇も、何だか全体的にツヤツヤしているように見える。表情も穏やかで、まるで…恋する乙女のようだった。

    「良いことあったんじゃないの?」
    「えへへ…実はね!」「ヌチャ!」
    「カヌチャン、どうしたのそれ?」

    リコが嬉しそうに語ろうとしたとき、何かを持ったカヌチャンがこれまた嬉しそうに部屋に入ってきた。新しいハンマーの部品でも見つけたのだろうか、船の部品だったら大変だと思いカヌチャンのもとに移動するドット。

    「なんだこれ?船の部品じゃないな…カヌチャンどこから拾ってきたの?」
    「チャ?」
    一言断りを入れてから部品を受け取る。手に取った感覚はただの金属ではなく何らかの加工品、しかも精密機械が含まれている。

  • 147124/05/27(月) 21:43:49

    嫌な予感がした。自分の考えが外れていてほしいと思った。
    「カヌチャン、これ壊してみてくれる?」
    「ヌチャ!!」

    謎の機械を部屋の入り口付近に置いたドット。ニコニコでハンマーを振り回すカヌチャン。周りにまで被害が及ばないようにウェーニバルがこっそり支えてくれたこともあり、機械は砕け内面が露出する。
    「やっぱり…」

    怪我をしないように布で掴み、冷静に砕けた部品を調べるドット。突然の行動に声をかけ損ねているリコに説明するためにも脳内で状況を整理する。
    何年もかけて何度も何度も伝えたため、カヌチャンはハンマーにするのに良いと思った部品は必ず一度ドットの元に持ってくるようになった。ドットの教育の賜物ともいえるこの行いが本当に有り難い。必要な金属を使用しないか確かめられるからというのももちろんあるのだが、なぜなら。

    なぜなら、このような魔の手にいち早く気づくことができるから。
    「盗聴器だ」

    ドットはフリードに連絡するためにスマホロトムを取り出す。自分がセキュリティを管理する、自分の大事な仲間がいる船に仇なす不届き者がいるのだ。前髪から覗く眼差しには、焦りと怒りがにじみ出ていた。

  • 148124/05/28(火) 07:30:59

    ドットの連絡からすぐにフリードが全員に情報を通達する。それからポケモンたちの力も借りながら総員船内をくまなく調べると、いくつもの盗聴器が発見された。

    「これは…」
    「ッカチュ!」
    ミーティングルームに集合し、結果を共有するとフリードとキャップが険しい表情を浮かべる。全て同じ形同じ大きさの一つ一つは手のひらサイズの小さいものだが、山のような量の盗聴器がテーブルに置かれていく。オリオが抱えていた盗聴器の最後の一つをテーブルに置いたところで話は進む。

    「エレキッドやメタグロスに協力してもらったし、これで全部だとは思うけど…」
    「一体、誰がこんなことを!」
    「おそらく、エクスプローラーズだろうな」

    マードックの疑問に答えるのはフリードだ。腕を組みいつになく真剣な表情で考える姿を見てスマホロトム越しにドットの声が挟まる。
    「ボクの方で調べてみるよ。材料や部品からもしかしたら制作元が特定できるかもしれない」
    「助かる。みんなも、警戒しておくように。何かあったらすぐに連絡してくれ」
    「わかった!」

    ロイがいい返事をするがミーティングルームには緊張感が走ったままだ。キャップが盗聴器の一つを尻尾で破壊する音だけが響いた。

  • 149二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 18:12:22

    そんだけ仕掛けられてるって怖…

  • 150124/05/28(火) 18:55:45

    良い子は寝る時間。うつらうつらしているラウドボーンの横でタイカイデンをブラッシングしていると、ロイの部屋のドアを叩く音が聞こえてきた。
    「ロイ、起きてる?」

    「リコ!どうしたの?」
    ドアを開けると、そこには昨日想いを伝えたばかりの恋人がいた。ついニヤけてしまう頬をなんとか押さえながら対応をすると、ずいっと近づいてリコが言う。
    「ロイ!盗聴器探しにいかない!?
    実は、まだあるんじゃないかって心配になっちゃって…」
    「えっ!あんなにたくさん見つけたばかりなのに!?」
    距離の近さと提案に驚くロイ。リコは気にすることなく続ける。

    「あのね、杞憂ならそれでいいんだけど…よくよく考えてみたら、エクスプローラーズが盗聴器を付けたならカヌチャンに見つけられるような場所に設置するかな?って思って…」
    「た、確かに!」

    それはロイにはなかった考えだ。素直に感心しているとタイカイデンとラウドボーンがのそのそとやって来る。どちらも瞳を輝かせ、やる気に満ちていた。リコの後ろにいたマスカーニャとテブリムと目配せをすると、すぐにでも部屋の外に行こうとそわそわしていた。

    「わかった!探すから落ち着いて!」
    「あはは…みんな元気いっぱいだね!」
    確信はないため一先ずは二人とポケモンたちだけで探すことにした。昼間に使った道具を持ち出し、わちゃわちゃしながらも二回目の捜索が始まった。

  • 151124/05/28(火) 19:23:24

    「いやー、まさかね…」

    「まさか本当に見つかるとは思わなかったなぁ…」
    丑三つ時にリコとロイがぼやく。あれから夜の船内を捜索したところマスカーニャが発見した。昼間に見つけたものとは形状も異なる、両手で抱えるほどの大きさの真っ黒の怪しい物体だった。
    リコとロイにはこれが盗聴器だと判断する能力はない。万が一ドットやオリオが船に装着した部品だった場合だと困るため、リコが写真を撮ってドットに送る。すると深夜だというのにすぐに返信が来た。

    「それどこで見つけた!?」
    「えっと…発電の機械がある場所の近くだったよ!」
    リコは突然の着信に驚きながらも説明をした。不安が残っていたため独断で探したこと、マスカーニャが見つけたことなどをざっくりと。

    「マジか…ありがとう。リコ、それ今すぐ持ってきてくれない?」
    「わかった!」
    よろしく、と言われ通話が切れる。
    部屋に向かうとすぐにドットがドアを開けてくれて、少し疲れている様子で黒い謎の機械を受け取ってくれた。

    「ありがとう。明日全員に共有するからもう休んで。てか二人で探したんだ」
    「う、うん!」
    「まあいいや、おやすみ」
    「ドットもおやすみ!」

    急ぐようにバタリとドアは閉められた。取り残されたリコとロイは、捜索の疲れからかすっかり船を漕いでいる相棒たちのために部屋に戻るのだった。

  • 152二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 23:10:18

    ここから悲劇が始まるのか………。

  • 153124/05/29(水) 01:10:50

    「わざわざ送ってくれてありがとう」
    「このくらい気にしないで!」

    ロイはリコを部屋まで送った。夜道じゃないんだから…と最初は断ったリコだったが「少しでも一緒にいたいの!恥ずかしいんだけど、わかんないかな?」とはっきり言われてしまい返す言葉がなくなってしまった。

    まだ頬に熱が残っている。名残惜しいが相棒たちはもう半分くらい夢の中だ。これ以上巻き込むわけにはいかない。そう考えていたら、リコの部屋のドアを開けた途端ポケモンたちが一斉になだれ込んだ。
    マスカーニャとテブリムはテラパゴスが既に眠っているリコのベッドに、ラウドボーンとタイカイデンは床に突っ伏してしまった。

    「わわ!ここ僕の部屋じゃないよ!ラウドボーン!タイカイデン!起きて!!」
    「いいよ、寝かせてあげよう?みんな昨日も今日もあんまり寝てないみたいだし、それに今日のは私から言い出したわけだし…ね?」
    「でも…」

    慌てて二体を起こそうとするロイとそれを止めるリコ。渋るロイだがポケモンたちは既に寝息をたてていた。彼らもいつもならロイのベッドを占拠するのに、相当眠たかったのだろう。昨日も今日も夜更かしをしたポケモンたち。これは朝まで起きないな…とロイは頭を抱え、そしてしぶしぶではあったが諦めることにした。

  • 154124/05/29(水) 01:15:22

    「でもこれじゃあ、リコの寝る場所がないよ?」
    「あるよ。一つだけ」
    袖を摘んで、上目遣いで口に手を当ててヒソヒソと答えるリコ。この感覚は昨日のと同じだと察したロイは、真っ赤になりながらもなんとか誤魔化そうとしていた。

    「えっ、えっとやっぱり悪いから戻るよ、モンスターボールに入れれば起こさなくても連れていけるし」
    「…泊めてくれないの?」
    シュン…と眉尻を下げてリコが囁く。普段ならリコが絶対に言わないような言葉。遠慮しがちで相手を優先する癖がある彼女が、今恋人を困らせているのはそこに深い信頼があるからだ。

    「あのー、昨日と同じようになっちゃうけど…いいの?」
    「ダメなの?」
    「うぐぐ…」
    腕にピタリとくっついて甘えられると柔らかい感触が脳を支配する。そんな状態で上手い言い訳など思いつくわけもなく、部屋の前で若い男と女が佇むだけになる。

    「ズルい…と思います……」
    「えへへ」

    そして彼らは静かに部屋のドアを閉めた。腕を振り払うことなく顔を押さえて未だに真っ赤なのを誤魔化そうとするロイと、そんな彼を見て自身も頬を染めてさらにくっついて微笑むリコ。
    リコの部屋には既に、穏やかに眠りにつくポケモンたちしかいなかった。

  • 155124/05/29(水) 02:11:08

    (一応背後注意)

    ロイの部屋、先ほどまできしんでいたベッドが静かになって少し。布団だけを纏ったリコが枕に甘えながら隣にいるロイを見つめていた。
    今の彼らを遮るものはシーツと、布団一枚だけである。リコは自身がこのような行いを好んでいることに若干の驚きを感じていた。体温を共有して溶け合うほどに激しく愛し合うのも、こうして愛しい人をただ見つめるのも。
    リコは幼子のようにクスクスと笑いながらロイの真上に乗って寝そべる。これで彼らを遮るものはなくなった。ロイはまた真っ赤になってリコを見た。

    「リコー?あのー、恥ずかしいんだけどなー、なんて…」
    「さっきもっと恥ずかしいことしたよ?」
    「えーっと、当たってるんだけど…」
    「さっきいっぱい触ってたじゃない。なんならもっと色々好きにしてたのに、今は恥ずかしいの?」

    言い返される言葉は全て事実であり、ロイの顔から湯気が出そうになる。ギュッとなった顔を両手で押さえた後、姿勢を戻してサラサラと揺れるこそばゆい髪の毛に優しく口づけをした。
    「幸せすぎておかしくなりそう」
    「私も」

    リコは寝そべったまま顔を下げて、直接唇と唇を重ねる。困ったように微笑む恋人は、世界で一番満たされているように見えた。

  • 156124/05/29(水) 02:14:06

    「服を着ましょう」
    「えー、一緒に寝よ?」
    「一緒に寝るから、服を着てください」
    「なんで?」

    ニコニコとハテナを付けるリコの問いに動揺が隠せない。おそらくわざと聞いてきている。仕返しなのか、単純に楽しんでいるからなのかはわからないが、意外といたずらっぽいところがあるのだと考えると余計に愛おしく感じる。

    「我慢できなくなっちゃうから…」
    「我慢してるの?」
    クスクスと笑うリコとタジタジになるロイ。きっと一生敵わないのだと思わされるが、それすら幸せなのだと言われずとも理解していた。

    「さすがにもうしないから」
    「本当にいいの?」
    「だからその聞き方ズルいって…本当にもうおしまい!明日からも忙しいのに、僕たちそろって寝不足になっちゃうから!」

    ロイは真上に乗っかっている恋人の頭を撫でてあげると、蝶よりも花よりも丁重に扱うように抱え、それからゆっくりとベッドに下ろした。このときチラリと机の上を見ると昨日まで未開封だった箱の中身が、随分と軽くなっているのが見えた。

    投げ捨ててある服をベッドの上から拾う。横着しているが注意する者もいない。あれこれ言いながらも服を着た二人は、くっついて眠りについた。
    幸せが続くように、と願いながら。

  • 157二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 06:47:58

    普通に支部で見たいくらいクオリティ高いな

スレッドは5/29 18:47頃に落ちます

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