【あにまん】家族の在り方【青空文庫】

[1 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:51:57]

ネタが下りたのでスレを立てた。反省はしていない。

以下注意事項

＊オリジナル設定多数

＊厨２病要素あり

＊いろんなゲームや作品から設定とか世界観を拝借したあげく、独自解釈したため注意

[2 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:52:53]

以下過去作（その１）

【あにまん】アニ＝マン・マン【青空文庫】｜あにまん掲示板

【あにまん】星辰に願いを【青空文庫】｜あにまん掲示板

【あにまん】幸せ新婚生活【青空文庫】｜あにまん掲示板

【あにまん】ダスカ【青空文庫】｜あにまん掲示板

【あにまん】生生世世【青空文庫】　※再投稿｜あにまん掲示板

【あにまん】エリ・エリ・レマ・サバクタニ 【青空文庫】｜あにまん掲示板

【あにまん】トレルマリキシアンの華麗なる日常　※再掲載 【青空文庫】｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:53:30]

以下過去作（その2）

あにまんタウルスss　【ウシ散歩】｜あにまん掲示板

アニマ・ニジケイSS ？【世界の合言葉は、ジョン・健・ヌッツォ】｜あにまん掲示板

あにまんタウルスSS　【我の名は】｜あにまん掲示板

アニマ・ニジケイSS 【鳥と少女の問答＝馬鹿】｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:54:07]

青空文庫きた！

[5 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:54:28]

>>3

これアンタだったのか…

[6 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:55:00]

では投下します

[7 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:56:04]

EL ELOHIM ELOHO ELOHIM SEBAOTH

ELION EIECH ADIER EIECH ADONAI

JAH SADAI TETRAGRAMMATON SADAI

AGIOS O THEOS ISCHIROS ATHANATON

AGLA AMEN


鍵となる最後の生贄が捧げられた祭壇にて、忌まわしき召喚の儀が執り行われる。

祭壇の周囲には生贄の血で記されたであろう複雑な魔法陣が刻まれ、その壁には不浄なる邪印が記されている。

[8 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:56:32]

儀式を執り行っている輩たちは強固な護法陣の中心にて詠唱に専心しており、この冒涜的な儀は今や最高潮を迎えつつある。

「大いなる蝗の支配者」　　　　「蝗と侵襲のデーモン・ロード」

　　　　　　　「奈落の底の大いなる熾天使」

「黙示録の先駆者」　　　　　　　　　　　「底無しの亀裂の主」


　　「「「「「──我らの呼び声に応え給え──」」」」」」

[9 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:56:52]

BAZUBI BAZAB LAC LEKH CALLIOUS OSEBED NA CHAK ON AEMO EHOW EHOW EEHOOWWW CHOT TEMA JANA SAPARYOUS

来たれ 奈落を統べる者 蝗を支配する者よ

汝 次元を旅する者 神の敵にして黙示録の御使い 闇の朋友にして敵対者よ

地獄の御使いの魔笛 滅びを喜ぶ者 黒煙と蝗の群れの中 終末世界を彷徨う者よ

数多の人間と神々に恐怖を抱かしめる者よ

אֶהְיֶה אֲשֶׁר אֶהְיֶה 千の名を持つ日と月の庇護のもとに

我と冥約を結ばん

来たれ、デスカリ──否、その真名を告げん、汝、魔王アバドンなり

[10 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:57:11]

その呼びかけを終えるや否や魔法陣と邪印が赤黒く輝き、禍々しい光を放ち始める。

広大な室内の空気は重く澱むだけでなく、外の時節は灼熱の夏真っ盛りだというのに、室内は凍結地獄を思わせる異常な冷気と寒さ。

魔法陣からは漆黒の闇を思わせる濃密な黒煙が湧き始め、金属同士を擦るような不協和音と悍ましい蟲の羽音による合唱が空間に響き渡る。

そして──

[11 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 18:57:39]

チョットすいません。仕事の急用が入ったの一時中断します。

[12 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:00:26]

青空文庫新作だキタアァァァァァ！！　そしてニジケイとウシのSSも作っていただとおおおぉぉおお！？！？
ありがとうございます！！

[13 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:17:31]

お待たせいたしました。再開します。

[14 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:17:53]

地面はおろか何もない空間に突如として亀裂が生じた途端、不自然な大地震が発生し、建物全体が倒壊を始める。

予期せぬ地震により、身を護るための護法陣はあっけなく崩壊したばかりか、発生した亀裂により召喚の儀を執り行っていた術師数名が、叫び声を上げながら奈落の底へと消滅する。

更に投下した建物の下敷きにより、数名が圧死し。その死骸は潰れた蛙のようであった。

儀式を執り行った最精鋭の術師達は、今やその数を着実に減らし、如何にか生き延びた私達に想像を絶する困惑と恐怖が襲う。

[15 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:18:30]

倒壊した建物の隙間から外を見れば、儀式の数時間前は爽やかな快晴であったはずの空は、血のように赤黒く染まり、激しい落雷が雨の如く降り注ぐ。

まるで私達のいる"世界"そのものが、"魔王アバドン"の存在そのものに耐え切れず浸食されているようであり、私達は嘗てあった世界が無慈悲に滅びつつあるのを悟った。

私は如何にか自力で瓦礫から這い出ると、倒壊から逃れたと思われる生き残りの術師が、この世のものとは思えぬ叫びを上げた瞬間、突如として地面に倒れ、そのまま動かなくなった。

そして、倒れ伏したその術師を何処からともなく現れた無数の蝗の群れが容赦なく死体を喰い尽す。

[16 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:18:49]

底知れぬ不安と緊張に襲われつつも、アバドンの召喚に成功したことを確信した私は、周囲が不自然に暗い事に気付く。

疑問を抱きながらふと上空を見上げると──私は全身が凍り付き、本能的に声にならぬ叫びを上げてしまった。

[17 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:19:24]

『ふん、漸く召喚主のお出ましか──いいご身分だな。』


視界に入ったのは身の毛のよだつ怪物であった。

怪物的な蝗の顔と下半身、腰から上は屈強な人間そのものであり、夥しい数の蝗の雲で構成された半固体の翼が人間の背中から突き出ている。

手には何らかの骨で創られたと思われる巨大な鎌を手にしており、それは避け得ぬ死と滅びを暗示させるには充分過ぎた。

[18 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:20:08]

『まぁ、いいさ。 冥約通り我が御名において、5億人分の生贄を捧げたんだ。誉めてあげるよ。』

その表情からは読み取れないが、どうやら相応にご機嫌のようだ。

・・・これなら、私の願いは叶うはず。

そう思い、私はフードを外す。

[19 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:21:15]

『何だ、女だったのか。 外見に反し、随分と手練れのようだな？ 僕のこの姿を見て狂死しないなんて──』

ふと疑問に思いこの女を詳細に観察すると、その首には強力なオーラを放つタリスマンがかけられており、よく見ればそれには"六芒星とテトラグラマン"が記されている。

タリスマンの材質を見る限り、相当な金がつぎ込まれているのが否応も無く分かる──手頃な規模の国であれば、容易く購入できるだろう──どおりでこの小娘が耐えられるわけだ。

[20 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:21:38]

それにしても、"主なる神"とやらも態々ご苦労な事だ。 このような別の世界にもその痕跡と存在の爪跡を残すのだから、ある意味大したものだよ。

──"妬む神"は伊達では無いという事か。

思わず皮肉じみた笑みを浮かべるが、それを見た別の術師は泡を吹いて絶命する。

[21 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:22:09]

些細な動作一つで魂すら消し飛びかねない。

だが、ここで臆する訳には行かない──この日に到るまでどれほど膨大な手間と時間をかけ、どれほどの犠牲を払ったというのか。

全てはこの時のためであり、魔王直々の契約はこれからが本番。

圧倒的な暴威に耐えつつ、私は意を決して魔王アバドンに嘆願する。

[22 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:22:30]

「・・・・・・私めはお約束通り、贄を捧げ、貴方様への信仰と忠誠を身を持って示しました。 恐れながら、今度は貴方様が私の願いを叶える番でございます。」


『・・・ほう、いい度胸じゃないか。矮小かつ脆弱なる定命の者の祈りと願いに応え、態々この僕が直々に顕現してやったというの、それだけでは飽き足らぬと言うのか？ 』

アバドンから放たれる圧が増し、それに耐え切れず別の術師が数名ほど拉げて死ぬ──この場に残ったのは、最早私だけとなった。

[23 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:22:59]

「・・・・・そ、それとこれとは別にございましょう。貴方様が真の神であるならば、取るに足らぬ存在の願いの一つくらい叶えて下さっても良いではございませぬか。」

『いつから"神"という存在が、貴様ら人間にとって都合のよい存在となった？ "神"とは貴様らに畏れ崇められる存在であり、貴様らの小間使いにあらず。 不敬な奴め、身の程を──』

[24 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:24:14]

「・・・お、お待ちくださいませ！！ 私の非礼の数々は詫びまする！！ ですが・・・！！ どうか、どうか何卒、貴方様の忠実な下僕の切なる願いを一片だけでも構いませぬから、どうか私めの話をお聞きくださいませ！！

私がどれほどこの日を一日千秋で待ち続けたか・・・・ 我が神であれば、全てご存知の筈でございます・・・・！！ どうか、私のお話だけでもお聞きくださいませ・・・・！！！」

地位や身分はおろか権力など、眼前の化け物の前には何の役にも立たぬ──私は最早なりふり構わず地面に頭を擦り付け、最下層の奴隷の如く魔王アバドンに赦しを請う。

気が付けば全身の震えは止まらず、その身からは滝のように止め処なく冷や汗が溢れており、異常な速度で早鐘を打つ心臓は今や胸から飛び出んばかりに鼓動を打つ。

──全く生きた心地がしない・・・・！！

[25 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:25:43]

『・・・・まぁいいさ。運よく今日は気分がいい。 それに寛大さと慈悲を示すのも"神"の務め・・・・話程度なら耳を傾けてあげるよ。』

そう言ってアバドンは振り上げた鎌を下す。


「──ッッ！！ あ、有難き幸せにございまする・・・・！！」

[26 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:26:12]

『で、願いとは何だ？』

「・・・私は愚かな親兄弟によって、王位の継承権を剥奪されたばかりか祖国から追放され、今やこの辺境の地に身をやつすこととなりました・・・。
　復讐の御使いを統べる貴方様なら私の復讐にお手をお貸しいただけるかと思い、こうしてお呼び致した訳でございます・・・。」

[27 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:26:38]

『・・・そんな取るに足らぬ理由のために、態々僕を喚んだのか？ それに復讐相手は実の親兄弟だろう？ 躊躇いや葛藤は無いのか？』


「・・・アバドン様ともあろう御方が妙な事を問われるのですね・・・・？ "血の繋がりなどただのお飾りに過ぎないではございませんか？"
　私は私なりに祖国を思って今まで努力をしてきました・・・。なのに、それを否定したばかりかこの仕打ちでございますわ！！ 最早、あのような者達に対する愛情や情けなど微塵も持ち合わせておりませぬ！！」

[28 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:27:21]

『その"努力"とやらは、中々の所業だな──奴隷や罪人を用いた強制労働で田畑を開墾し、過労死すれば死霊術を用いて永遠の労役に就かせたばかりか、戦場における駒としても利用・・・。
　
　そして、近隣の敵対国には、"ワザと制御不能な危険な怪物や魔物を召喚させて"被害を齎したばかりか、"善き隣国の被災者救済"と称して国境を踏み越えて侵略を行い、狙いの村や都市を征服する・・・。善き暴君ぶりだよ。』


「それの何が悪いのでしょうか？ この世界は弱肉強食であり、弱き国は容赦なく滅ぶ定めでございます・・・。それなのに、我が家族はそれを理解しなかった・・・・！！
　それならば、血族の中で最も優れた私があの国を征服し、収めるのが世の道理でございましょう・・・！？ 力強き我が神たるアバドン様ならば、私の説くこの理をご理解していただけるはずでございます！！」

[29 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:28:05]

眼前の身の程知らずの女の発言には、流石の僕も只々呆れるばかりであった。

それと同時にこの女の発言から、とある"家族"の言葉がふと思い浮かぶ。

[30 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:29:54]

「神の癖に変なこと言うのね、アンタ？ "血の繋がりなどただの飾りに過ぎないわ？" 一緒に過ごして馬鹿をやってれば、自然と絆なんて育まれるのよ！ さぁ、あんた達と"家族ごっこ"をしたいっていうあたしの切なる"願い"！！

折角の機会だから叶えてもらうわよ！？」

『・・・・・・やはり君は変な女だ。まぁ、いいさ。折角だから精々付き合ってあげるよ。』

[31 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:30:40]

『・・・全くもって哀れな女だ──安心しろ。"その願い"は叶う。 僕の本体が直々に顕現した以上、この脆弱な宇宙は僕の神の力に耐えることができない。お前の言う"祖国"とやらも今頃は、僕の力に惹かれて顕現した蝗の群れやデーモン達によって蹂躙されている頃だろうよ。』

「──ほ、本当にございますか！！」

[32 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:31:29]

『だが、犠牲になるのはお前の祖国だけでは無いぞ・・・？ 先程述べたとおり、この世界は僕の存在と力に耐えられない──故にこの世界そのものが僕の贄となるのだ・・・！！』


「────ッッ！！？？ そ、そんな──！！」

[33 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:31:46]

『"この世界は弱肉強食"・・・そうだろう？ 絶対的な頂点捕食者たる僕が貴様を含めたこの世界を滅ぼしてやるのだ──どうした？ 嗤えよ、姫君？』

その一言共に自身の末路を悟った眼前の小娘はがくがくと震え始め、遂には泣き叫びながら狂った哄笑を上げ始める──どうやら完璧に壊れたようだ。

[34 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:32:21]

最早、この贄はどうでもいい。

興味関心を失った僕はこの場から勢いよく飛び立ち、美しい終末の空を駆けながら、この世界を蹂躙し始めた。

[35 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:33:45]

一つの次元宇宙を滅ぼした僕は、満足しながら"家族"の待つ自宅へと帰還する、

広大な"リビング"へ足を踏み入れると、どうやら"家族"たちはTVを見ているようだった。

[36 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:34:26]

「あにまん24時間TVの目玉企画の一つが遂にやってまいりました！！ 視聴者の皆様にはこれから続けて2つの演目をご覧いただきます！！

まず、1つは重度の麻薬中毒者とアルコール中毒者の混声合唱による、レッド・ツェッペリン・"移民の歌"のコーラスですね！！

前日から薬物と酒を強制的に断った状態での本番発表という事で、現場の会場は異常なまでの緊張感に包まれております！！」

[37 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:34:57]

「もう1つは、美輪明宏さん、瀬戸内寂聴さん、黒柳徹子さんのレジェンドお三方による"うまぴょい伝説"の生発表です！！

　この日のために当番組のスタッフは三顧の礼を尽くして、お三方にしつこくお願いした結果、とうとうそれが実現いたしました！！！

　これで視聴率は頂きだッッ！！」

[38 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:35:29]

『ただいま。何見てるの？』

「いいとこに来たわ、ガイアニマ！！ 早くアンタも席につきなさい！！ これからレジェンド芸能人3名による"うまぴょい伝説"の生発表が始まるわ！！

これを見なきゃ人生をドブに捨てたも同然よ！！ あっ、あとアンタの分のハーゲンダッツが入ってるから急いで食べてね？ 」

[39 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:37:31]

『・・・ハイハイ、どうも有難う』


──"家族ごっこ"とやらも案外悪くはない。

ガイアニマ、否"アバドン"は心の何処かでそう感じるのであった。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　──おしまい

[40 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:41:27]

乙でした。
美輪明宏と瀬戸内寂聴と黒柳徹子のうまぴょい伝説って何だよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

[41 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:45:18]

話の落差が激しすぎておハーブ生えますわ

[42 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 19:52:03]

>>40

むしろなぜ依頼を受けたのか疑問なレベル

[43 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 20:00:18]

>>36

移民の歌のやつはただ発狂して叫んでるだけだこれー！？

[44 二次元好きの匿名さん 21/12/05(日) 21:17:39]

というかガイアニマ（アバドン）を召喚するのに生贄5億ってやばない？
いらすとやの画像で騙されてたけどこの姫様ガチクズやん