【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅠ【season2】

[1 チグハグ君 23/07/02(日) 21:06:50]

ティガ　勇気が　今　足りない

[2 チグハグ君 23/07/02(日) 21:07:16]

第1回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒です｜あにまん掲示板

第2回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ｜あにまん掲示板

第3回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅢ｜あにまん掲示板

第4回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅣ｜あにまん掲示板

第5回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅤ｜あにまん掲示板

第6回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅥ｜あにまん掲示板

第7回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅦ｜あにまん掲示板

第8回

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第10回

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第11回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅪ｜あにまん掲示板

第12回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒でⅫ｜あにまん掲示板

第13回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅢ｜あにまん掲示板

第14回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅣ｜あにまん掲示板

第15回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅤ｜あにまん掲示板

[3 チグハグ君 23/07/02(日) 21:08:18]

第16回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅥ｜あにまん掲示板

第17回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅦ｜あにまん掲示板

第18回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅧ｜あにまん掲示板

総集編

【まだ間に合う！】自分はグラスレー寮の生徒です【総集編】｜あにまん掲示板

[4 チグハグ君 23/07/02(日) 21:10:56]

プロフィール
本名:ティガー・ハグラ(Tigaer・Hagler)
渾名:チグハグ
学年:2年生
学科:経営戦略科(合ってない)→パイロット科
学籍番号:LP014
性別:男
所属寮:グラスレー寮
身長:177cm
容姿:55(平均ちょい上)
髪色:青
瞳の色:青
身体能力:76(高い)
コミュ力:16(無い)→65(そこそこ頑張った)
協調性:29(ぼっち)
料理力:88
得意料理:シチュー
パイロット能力:93(凄い)

決闘成績:1勝1敗0引き分け

[5 チグハグ君 23/07/02(日) 21:11:23]

名前:ジェイソン・サダルメリク
愛称:ジェイス
学年:2年生
学科:パイロット科
性別:男
所属寮:シュネー寮(役員の家族)
一人称:「俺」
身長:164cm
容姿:113(超絶イケメン・めっちゃ女顔)
髪色:銀
瞳の色:紫
身体能力:99
コミュ力:100
協調性:93
パイロット能力:66
性格の良さ:70(善性よりだが完全な善人ではない)
備考:人形のように可愛がられてきたため、本当に信頼できる人間がおらず孤独だった。チグハグ君は初めての友達

チグハグ君の友達。とんでもないバカで頭のネジが飛んでいるが、ティガーを真っ直ぐ褒めてくれる数少ない友達の1人。ティガーからの好感度も高い

[6 チグハグ君 23/07/02(日) 21:11:42]

<その他>

機体のオリジナル設定、合いそうな曲、提案お待ちしています

採用されるかは確実なことは言えませんが大いに参考になります

機体設定はスレ主の監修を得て採用されるかもしれません

[7 チグハグ君 23/07/02(日) 21:12:17]

あらすじ
プラント・クエタにて自身の出生の真実と両親の愛の真意を知ったティガー。そんな彼の前に新造された新しい愛機「ペジュレヴァリエ」がその姿を表す。伯父の「ガンダム狩り」を了承したティガーであったが息つく間もなくけたけましいアラートがプラント・クエタに響き渡る。
状況を察し動き出す大人達、そして少年もまた覚悟を決めコックピットへと搭乗する。

これから待ち受ける過酷な未来のことなど何一つとして知らないまま……

[8 チグハグ君 23/07/02(日) 21:25:40]

「………ティガー・ハグラ、行きます」

電磁カタパルトによる下方向─宇宙では下も上もないが─による一瞬の浮遊感と共にティガー・ハグラとペジュレヴァリエは宇宙空間へと射出される
このタイプの射出方法にあまり馴染みのない少年は初めての感触に少しだけ胸が高鳴っていた
新しい機体、初めての出撃、不謹慎なことではあるがこの時の少年は不安よりも新しい挑戦・使命への期待感の方が大きかった

──そんな浮ついた気持ちも射出完了と同時にコックピットのモニター越しに映った景色にいとも容易くへし折られる

傾きつつあるCブロックの区画、爆炎を巻き上げる港、MSの爆発と思わしき光

「あぁ………あぁぁぁぁ！！」

そのどれもこれもが少年の記憶を呼び起こすキーとなる

───父さん……父さん……嫌だ…父さん……──

少年にとっての"最悪"がそこにはあった

[9 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 21:46:55]

トラウマァ！

[10 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 21:48:44]

チグハグ君は最終話のアレ出来るんだろうか

[11 チグハグ君 23/07/02(日) 21:55:21]

それは少年の脳裏に焼き付いた消えない"トラウマ"

焦げついた街、人々の悲鳴、悲痛に顔を歪めた少女

そして、父の血の温もりと、冷たくなっていく体

聞こえるはずのない悲鳴が聞こえる。するはずの無い火薬の匂いがする

今握っているのが操縦桿なのかそれとも父の手なのかそれすら分からない

分からないなりに少年は無我夢中で駆け出す

自分にできることを、一つでも多くの命を救う為

少年が選んだのは……dice1d2=2 (2)

1.Cブロックを押し戻す

2.誰が敵で誰が味方なのかの状況把握

[12 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:00:49]

このスレを待っていた

[13 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:11:55]

意外と冷静？

[14 チグハグ君 23/07/02(日) 22:15:22]

何よりも先に少年は今自分が置かれている状況の確認、そして誰が敵で誰が味方なのかの確認を行う

戦うべき敵すら分からず戦場を荒らすなど1番やってはいけない愚策でしかない

交戦宙域に到着するとハロが機体解析を行う

『カクニンカンリョウ』

『MD-0021 デスルター』

『MSJ-OP122 デミギャリソン』

デスルターはジェターク社製のちょっと古いMS、対してデミギャリソンはブリオン社の機体、そして何より"フロント管理社"の機体！

「ってことは…敵はデスルター！」

dice1d3=1 (1)

1.マシンガンを放とうとしたデスルターの腕を両断し間に割り込み

2.正体不明機の接近にデミギャリソンがペジュレヴァリエに威嚇射撃

3.ハロ『キケン！キケン！Cブロックダンレツシンコウ！』

[15 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:16:29]

あれ？これヴィ……

[16 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:24:33]

まさかグエルじゃないよね……

[17 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:26:43]

い、いやいやいや
それだったらディランザソルもでるから
違う…よな…？

[18 チグハグ君 23/07/02(日) 22:31:47]

雷光の如き速度でデスルターの両腕をその手のビームシックル─タクティカルウェポン・シックルモード─で切り裂き、両者の間に割って入る

突如現れた謎の機体に両者とも困惑しているようで、照準を向けつつも撃ってくる気配はない

「回線を繋ぐ!……っち！こんな時に限って通信障害！？」

『ジャミングノカノウセイアリ』

「……なら、ホッピングに切り替える！ハロ周波数!」

『ツナイダ！ツナイダ！』

通信の周波数帯を複数に合わせ両者の通信に割って入る

「自分には攻撃の意思はありません。この状況についての説明を願います。特に……そちらのデスルターのパイロットの方々にです」

dice1d3=2 (2)

1.デスルター達はマシンガンを放ちながら後退していく

2.一気のデスルターが後方のプラントクエタにロケットランチャーを発射

3.外見にグラスレー系の特徴の多い謎の機体に困惑するがブリッジの指示により交代していくデスルター達

[19 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:37:01]

フォルドはさあ……

[20 チグハグ君 23/07/02(日) 22:38:18]

「……あくまで話す気はないんですね」

相手に応答の様子がないと判断したティガーはビームシックルをもう片方の手にも装備し警戒体制をとる

もし相手が何かした時にすぐ対処できるよう、すぐに無力化するための装備だ

先に動いたのはデスルターの方であった

ロケットランチャーを構えた1機が、ティガー達の後方にあるプラント・クエタへとその狂弾を放つ

dice1d3=3 (3)

1.ミサイルを真っ二つに切って事なきを得るがデスルターの退却を許してしまう

2.ミサイルの撃墜に向かおうとしたらデスルター達のマシンガン攻撃を受け対処が遅れ、クエタへとミサイルが直撃してしまう

3.ミサイルの当たりどころが悪く、Cブロックの構造崩壊の危険性が跳ね上がる

[21 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:40:36]

（アカン）

[22 チグハグ君 23/07/02(日) 22:47:56]

突如として放たれたミサイルに少年の対応は間に合わず、プラント・クエタへの直撃を許してしまう

『キケン！クズレル！クズレル』

プラントクエタは層状に建設された集積型のプラントである。その構造上、有事の際はブロックごとに切り離す事で被害を最小限に食い止めることのできる構造になっているが、現在中央ブロックと切断されているCブロックではそれが有用に働いている可能性は少ない

ハロの警告がそれを裏付けていた

「クッソ!ならここの宙域の人達にも情報共有を…」

その時、ディスプレイに表示されたシグナル表示に少年は言葉を失った

<LP041-SULETTA MERCURY>

<LS001-MIORINE REMBRAN>

「ミオリネ・レンブランに……スレッタ……さん……？」

[23 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:53:03]

相変わらずミオミオのこと呼び捨てで草
仕方ないけど

[24 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:55:00]

ミオミオ好感度クソ低かったねそういえば

[25 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 22:55:33]

普段おどおどして丁寧語な子がミオリネだけはフルネーム冷淡呼び捨てなの笑う

[27 チグハグ君 23/07/02(日) 22:59:56]

そのシグナルは"今崩れようとしているCブロック"から発せられていた

「ッ………！」

ティガーに躊躇いは無かった

スラスターを全開にすると、Cブロック外壁に取り付き、全身からワイヤーを射出する

普段ならば強度を気にする事もないが、いかんせん今は状況も状況であり、ワイヤーがどこまで荷重に耐え切れるのかもティガーには分からず、ただワイヤーを作ってくれたサイトウ工業社の職人達の腕を信じるしか無かった

ぐらり、とCブロック全体の傾斜がさらに増大する。それに合わせるようにペジュレヴァリエもスラスターを限界まで吹かし、なんとか体制を立て直そうと奮闘する

しかし相手は500メートルはくだらない巨大建造物でこちらはたかが18m程度の鉄の巨人、たった1機では状況を改善するための何もかもが足りていない

『キケンダ！キケンダ！ニゲロ！ニゲロ！』

「dice1d3=3 (3) 」

1.逃げちゃダメなんだよ！ここで逃げたらスレッタさんが…たくさん人が死んじゃう!

2.まだだっ！相棒は……生まれ変わったペジュレヴァリエは伊達じゃないはずだ!

3.逃げない！逃げてたまるか!…スレッタさん言ってたろ？『進めば２つ』って、だから！これ押し戻して、みんなを救うんだァァァァァァ！！！

[28 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 23:01:32]

主人公してるよチグハグ君！

[29 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 23:05:06]

ちょっと違うと思うけど状況としてはこんな感じか

[30 チグハグ君 23/07/02(日) 23:15:14]

だが、叫べば不思議な力が湧いて解決するほど現実は甘くはない
エネルギーの全てをスラスターに回したとしてもそれで運良く拮抗できる程度でしかなく、それではエネルギー切れでいつか耐えきれなくなる
そして……

「あっ…！壁が!」

大出力でスラスターを吹かして押し出すということは、構造体にもそれと同じくらいの力が加わっているのと同じである。しかも圧倒的な構造体の面積に対して小さな点程度でしかないMSの腕では外壁が耐えきれないのも当たり前の話である

「……ならっ！」

少年はここで賭けに出る
スラスターの出力を一時的に下げ、外壁にかかる力をある程度軽減し、片手のみで押し出す形を取る
そして空いたもう片方の腕を大きく振りかぶると、外壁の向こうまでワイヤーを投射する
しかしそれでは任意の場所にコントロールすることは至難の業である
だから少年は"ワイヤーに電気信号を流し軌道を変更する"それでも足りない分はワイヤー同士で衝突させ無理やり軌道を変更させる。それは少年がテストパイロットとして多くの機体に乗り込んだが故に生まれた新たな技術、サイトウ工業に特注で頼んだワイヤーがなければなし得ない絶技であった
そうして対岸のブロックまでたどり着いたワイヤーを一気に引き上げる。スラスターで足りないなら直接引っ張るのと併用すればいいの精神だ
スラスターの出力とワイヤーの引き上げで徐々にCブロックの傾きを修正していく、徐々に徐々に、ゆっくりではあるが確実に傾きが治っていく

[31 チグハグ君 23/07/02(日) 23:43:33]

「ふぅ……これでなんとか……」

しかし安心するにはまだ早すぎる

ティガーにはあらゆる情報が不足していた。わかっていることといえば、現在発令されているアラームが「B1」つまり未確認敵性体からの攻撃を受けていること、そしてその未確認の敵はデスルターを使用していること

だがここで疑問が生じる

なぜ敵はデスルターを使用しているのかということについてだ。あの機体は旧世代の機体ではあるものの、まだ市場ではそれなりに高価な機体であり、数を揃えるにはそれなりの金額が必要だ。そして管理番号による識別がないということはどこか裏ルートの激ヤバ品である事も確かだ

そして何より敵が使用してきた武器種

「アイツら…実弾使ってた…」

実弾は条約により宙域内での使用が禁止されているというのはMS乗りならば誰もが知ってる基本事項であり、それを無視しするということは普段宇宙にいない、もしくは宇宙でのデブリ発生がむしろ利益になるような団体に他ならない

「……まさか、アーシアンが」

dice1d3=3 (3)

1.苦虫を噛み潰したような表情になるティガー

2.一瞬、心の中で憎悪が顔を出すが深呼吸して落ち着く

3.アーシアンという言葉から地球寮の現状の確認をしていないことに気づく

[32 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 23:51:17]

選択肢の中でも善性強めなの引くの
いい意味で主人公補正かかってるな

[33 チグハグ君 23/07/02(日) 23:59:17]

「いや、今はそれよりも……ハロ!地球寮の皆んなは！」

『スクリーンニダスゾ！ダスゾ！』

モニターに映る情報をすぐに指差しで確認していく
6、7、8…全員が艦艇内にいることが判明し、一安心するがそれも束の間、地球寮の船に未確認のMS反応が近づいている事を知らせるアラートが鳴り響く

「…っ！みんな！！」

ワイヤーを切り離し、固定させると一直線に地球寮の船が停泊している港へと向かう
もっと速く、もっと速くと焦る気持ちは操縦を荒くする
結果としてそれはクエタ外壁を足場とした跳躍移動として出力される。幸いなことにこの行動での死傷者はいなかったが危険な操縦であることに変わりはない
そうまでして速く辿り着きたかったのは彼がそれほどまでに地球寮の友人達を大切に思っている証拠なのかもしれない

そして遂に、少年は目的地へと辿り着く

そこに飛び込んできたのは白いブレードアンテナに特徴的なクリアパーツの装甲が備え付けられた腕と足のバランスが異形の機体

「………ガン…ダム……？」

それはテロ組織「フォルドの夜明け」が有する"GUND-ARM"が1体、異質な体型を持つ高機動戦闘用MS「ルブリスソーン」であった

[34 二次元好きの匿名さん 23/07/02(日) 23:59:26]

ここで恨みが出ずに助けるべき存在が思い浮かぶあたり冷静だってのがわかる

[35 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:00:48]

ノレアか･･･恨みと憎しみの怪物･･･

[36 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:04:44]

やっぱパイロットにメカニックスキルあると強いな･･･装備のメカニズムがわかるから応用が効く

[37 チグハグ君 23/07/03(月) 00:07:44]

その時、少年の脳裏に先ほどの伯父との会話が蘇る

─「………いずれ、ガンダムによる戦いが起きるだろう。それは、避けられない事だ」─

「伯父さんは正しかったんだ……」

あまりにも早い会敵、あまりにも早すぎる出会い

もしこのMSが敵ならば自分にはこれを討つ使命がある、そんな当然な思考と

もしこのGUND-ARMが悪い機体じゃないのなら─スレッタさんのような優しい人が乗っているのなら─説得できるかもしれない、そんな夢みがちな思考が彼の脳内には同時に存在していた

しかし彼の抱く優しい幻想はルブリスソーンが地球寮艦艇に照準を定めた事で砕け散ることになる

dice1d3=1 (1)

1.焦りが出てらしくもないタックルをかまして地球寮の船から遠ざける

2.それでも信じたい心が警告としてシックルの投擲を選択し、ルブリスソーンがこちらに気づく

3.あくまで無力化を最優先にビームディフューズガンに踵落としをキメる

[38 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:10:17]

そりゃ今のトラウマ完全刺激状態だとそうなるわ

[39 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:11:14]

アレ……もしかしてだけどニカのテロリスト内通ばれイベント（照明による通信）すっとばした？

[40 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:17:04]

明確に自分の友達がテロ組織に狙われてるの目にしたからな、これで冷静だったら戦士として完成されちゃってる

[41 チグハグ君 23/07/03(月) 00:20:09]

「……やめろ……やめろォォォォォォ‼︎」

少年がらしくない咆哮を上げながら、これまたらしくないタックルで自身の機体ごと地球寮の友達から脅威を遠ざける

「これ以上誰も殺させない…！誰も奪わせない…！！」

今の少年は自分の心を正確に掴めていなかった
トラウマを刺激され、友達を危険に晒され、普段はしないような危険な操縦までし、この行動の根底がアーシアンへの恨みなのか、友を思う心なのか、これ以上奪わないでくれと泣き叫ぶあの日の自分なのか、はたまたその全てなのか、少年には分からない

ただ一つわかるのは、自分には目の前にいる敵─みんなに銃を向けた悪いガンダム─を倒さなくてはいけないという使命があるということだけである

対して悪いガンダム─ルブリスソーン─のパイロット「ノレア・デュノク」はひどく冷静であった
戦場では怨嗟の叫びを泣き喚ぶ者ほどすぐに死んでいく。子供であるノレアですらわかる戦場の常識だ
そんな常識から見ると目の前の機体のパイロットはすぐ死ぬ側の人間であることは明白であった
今ここで始末する事も出来たが、彼女にはもう一つの使命がある

「ティガー・ハグラ……」

モニターに映る相手機体パイロットの名前をノレアは心底気怠げに読み上げた

[42 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:28:00]

あの養子野郎め、フォルドにも連絡済みか

[44 チグハグ君 23/07/03(月) 00:34:33]

『ツウシンダ！ツウシンダ！』

ハロがそう言ったのでモニターを見ると確かに接触回線がつながっている。でも何故？テロリストが自分になんの用が…

「ティガー・ハグラ…ですよね？プリンスからの指令です"あなたを捕縛せよ"とね」

──────────────
─少し前、グラスレー寮

飾り気のない遠隔送信用の情報端末のみが置かれた部屋に、紫色の髪を束ねた少女─サビーナ・ファルデンはフォルドの夜明けとの最終確認通信に入っていた

「あぁ、手筈通りに頼む」

「………………それと、一つ頼みたいことがある」

「プラント・クエタに『ティガー・ハグラ』という人物がいる。見つけ次第身柄の確保をお願いしたい。……絶対に生捕りが条件だ」

そう言い終わると端末を閉じ、深いため息をつく。自分のしていることの愚かさと行動の支離滅裂さに情けなさだけが溜まり続けていく
これが終わったら、ちゃんと仲間になってくれと言おう。そう決意し、部屋を後にした

────────────

「わざわざ生捕りを条件に加えるなんて、貴方相当重要人物なんですね。それじゃぁこれ以上被害が拡大する前にご同行お願いします」

[45 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 00:38:13]

ここが運命の岐路か

[46 チグハグ君 23/07/03(月) 00:47:09]

「……は？」

その瞬間に少年の脳に二つの考えが生まれた

このテロには"プリンス"と呼ばれる首謀者的存在がおり、今回の攻撃は計画的な"テロ"であるという大正解の考えと

このテロは"自分がプラント・クエタにいた"せいで起こった自分の"罪"であり自分は間接的に命を奪っているという大間違いの考え

その２つの考えが少年の脳内でぐちゃぐちゃに混ざり合った結果

「このテロは計画的に仕込まれたものであり、首謀者は自分のことが目的で他の人達は自分のせいで死んだ」

という正解と間違いを半々に含んだ考えで思考が固まってしまった

そして凝り固まった考えは、自責の刃として少年の心を苦しめる

「お前のせいで人がたくさん死ぬんだ」と

「お前が今日来たせいで不幸になった人達がいる」と

「お前が死んだらこいつらはいなくなってくれるんじゃないか」と

dice1d3=1 (1)

1.その手に握られたビームシックルが自身のコックピットに向けられて……

2.限界寸前の心にとどめを刺されベキリと心が折れる音がした

3.先ほどまで聞こえていた犠牲になっていった人たちの声がエコーチャンバーのように心で反響し、心を壊していく

[47 チグハグ君 23/07/03(月) 01:05:31]

「ここで自分が死んだらこの人達も目的を失って帰ってくれるはずだ」そんなありもしない妄想に縋り付いてしまうほど、今の彼の心は限界であった
元々、父親を失った傷が癒えているわけでも暴動によって傷ついた心が治っているわけでもない、むしろその当時のままなのだ
それでも少年が普通に生きてこれたのは単純に取り繕うのが上手かった、暴動に関係のない人生でだった、それ以上でもそれ以下でもない

だから、たった今、元から限界だった少年の心は限界すら通り越しデストルドーに支配されているのだ
「死んで楽になりたい」という気持ちと「死んでみんなを助ける」という生贄じみた思考が合わさり「死んで生贄になってそしたらきっと楽になれる」という逃げの思考へと昇華されてしまっている

誰も少年を止める手を持たない
ここに至って少年は孤独になってしまった
助ける人もなく、勘違いの悪夢で自分を傷つけることしかできない

ビームシックルがコックピットを貫こうとする
あと4メートル、3メートル、2メートル…1メートル

『ダメだよ、ここで諦めちゃ』

知らない声が頭に……いや、心から響いた

『君は充分に頑張った、後は私に任せなさい』

どこかで聞いたことがあるような優しい声は、ティガーの瞼を撫でるとその意識を深い微睡の中へと連れていく
どこまでどこまでも沈んでゆく暖かい微睡の中へ……

[48 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 01:09:47]

ノレア今「は？」ってなってるだろうな

[49 チグハグ君？(今夜の最後) 23/07/03(月) 01:17:32]

ノレアが異変に気付いた時にはペジュレヴァリエにこれといった変化はなかった
しかし、ガンダムのパイロットとして精神が鋭敏になっている彼女の本能が「危険」だと叫んでいた。その本能に従い後ろに下がり距離を取る

─ノレアの本能は正しかった。ペジュレヴァリエは突然再起動したかと、センサーですら認識できない速度で接近し、頭部を踏みつけノレアの後ろをとった

「貴方は……」

『相手に質問する時は、まず自分から名乗るのが礼儀ですよ？お嬢さん』

あまりにも異質で唐突な変化にノレアは困惑を隠せない、目の前にいる機体のパイロットが"まるで人が変わった"かのような変化を見せ、あまつさえこちらを挑発してきた
この男は危険だとMS乗りとしての本能と人間の獣としての本能が同時にノレアの脳内に警鐘を鳴らす

「パーメットスコア…2！！」

そしてその警鐘に従うようにノレアは自身のGUNDフォーマットのスコアを上昇させる

『おっと、あくまで名乗るつもりはないと…これは無礼なお嬢さんだ。…だが"ソレ"は危険なのでね全力でお相手させていただくよ』

『permisson to shift…』

『phase……2』

ペジュレヴァリエの"赤い"センサーが"オレンジ"へと変化していく
まるで──GUND-ARMのように

[50 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 01:43:35]

おお！？新機能！？

[51 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 04:55:31]

パパか？それにしては他人行儀だけど

[52 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 07:59:07]

オマージュ元の一つにキカイダーがあったけど、2期見てて戦争シェアリングのとこは完全にサイボーグ009のブラックゴーストじゃんって思った

[53 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 08:00:17]

チグハグ君の脳の名称とかってあるんだろうか？

[54 チグハグ君？ 23/07/03(月) 08:14:27]

ノレアは見たことのない挙動を示す未知の機体に警戒心を強める。この機体がGUND-ARMと同種のものであるのならガンビット等の特殊な固有武装を所持しているはずである

果たしてペジュレヴァリエは……

「……！直接ッ……！」

ペジュレヴァリエはその"拳"で殴りかかってきたのだ

先ほどから携帯していたビームシックルすら使用してこない、携行武器を使用するスタンダードな体型のペジュレヴァリエからは想像もできない、あまりにも戦闘のセオリーから逸脱した攻撃

当然、ノレアの反応は遅れ頭部への直撃を許してしまう。機体同士の直接のぶつかり合いの結果はソーンの頭部の破損という形で幕を閉じることとなった

しかし、ノレアとてタダで転ぶつもりもない。腕部のビームサーベルユニットを起動すると横一文字に空間を切り裂く。この大ぶりの一撃が敵機に当たることはなかったが、距離を取ることはできたはずだ

「dice1d3=3 (3) 」

1.いけない、いけない。そんな大ぶりの攻撃はどうぞ攻撃してくださいと言っているようなものですよ？

2.あらら、随分と荒々しい戦い方だ。人と同じようにMSスーツもまた見かけによらないということかな？

3.失礼、こんなに綺麗に決まるとは思ってもいなくてね。君の機体を不用意に傷つけた事を謝ろう

[55 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 08:24:22]

なんとなくブリカスを感じる

[56 チグハグ君？ 23/07/03(月) 08:47:30]

『失礼、こんなに綺麗に決まるとは思ってもいなくてね。君の機体を不用意に傷つけた事を謝ろう』

軽い調子で煽るように謝罪をする敵機にノレアはイライラを募らせていた。使用できるはずの武器を使用せず、先程のひどく焦り怒りと悲しみがないまぜになった声とは全く違う、余裕を持ち飄々とした態度を取る相手が同一人物だとはにわかには信じ難かった

そしてなにより気になるのは機体の変化である。センサー類と思しき箇所の色が戦闘中に切り替わる、これ自体はガンダムの共通の特徴であるが"オレンジ色になるシェルユニット"などノレアの情報には無い

自分が相対しているものがなんなのかノレアには掴みきれずにいた

「なら、一瞬で戦闘能力を削ぐ」

ルブリスソーンのシェルユニットが一際赤輝くと、背面に装備された大型武装ユニット「フェーズドアレイキャノン」が展開し、ペジュレヴァリエ─そしてその後方のプラント・クエタ─に照準を合わせる

『おっと、これはマズイかな…』

フェーズドアレイキャノン─指向性の強いビームを"複数角"から照射可能な範囲攻撃用兵装。盾の類すら持っていないペジュレヴァリエにはいささかな過剰な火力にも思える兵装である

dice1d3=3 (3)

1.瞬時にノレアの背後を取りプラント・クエタから射線をズラす

2.『仕方ない…permisson to shift phase skip 2 to 4』

3.タクティカルウェポンをエクスキューショナーズモードに切り替え迎撃体制を取る

[57 チグハグ君？ 23/07/03(月) 09:11:05]

「フェーズドアレイキャノン」

コックピットのトリガーが引かれたと同時に背面武装ユニットから複数のビームが拡散砲的に照射される

極めて指向性の高いそれらのビーム群は空中で強引に軌道を変え、その全てがペジュレヴァリエへと向かって行く

対してペジュレヴァリエ側は手にした長剣、エクスキューショナーズソード─処刑人の剣─のみで迎撃を行うようであり、剣を持った右腕をだらんと垂らすと左腕をルブリスソーンへと向ける。格好だけで見れば崩れた歌舞伎の見得のように見えるが、これは彼なりの迎撃の型であった

dice1d3=3 (3)

1.放たれたビーム全てを叩き斬る

2.エクスキューショナーズを高速回転させ防ぎきる

3.最小限の動作で全てのビームを"プラント・クエタに当たらないコース"に逸らす

[58 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 09:18:18]

ワザマエ！

[59 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 11:09:45]

遅かったじゃないか…

[60 チグハグ君？ 23/07/03(月) 11:39:08]

「……！」

逸らした。目の前のMSがフェーズドアレイキャノンから放たれたビーム全てを逸らし、プラント・クエタすら守りきった

ノレアの混乱は余計に強くなる。本当に目の前にいるのが自信が確保を命じられていたティガー・ハグラという人間なのか、そもそも自分はこのMSに勝てるのか

なにより、事前にソフィと共に見た動画に写っていた人物とは似ても似つかない言動をする相手が不気味で仕方なかった

ジリジリと両者の距離が狭まる

相手がまだ何か隠し手を使ってくるかもしれない、相手のレンジすら測りきれていない、今度は逆にノレアが焦りに飲み込まれていた

そんな時、視界の端にアラートが表示される

どうやらソフィが彼女の目的と会敵したようで、戦闘の軌道を見るにその実力は拮抗しているように思える

なら、打開策の見えないこの場を捨て援護に向かう方が先決である

『あら、どこかに行ってしまわれましたか』

依然として飄々とした態度を崩さない人物は、コックピットの中で次の行動を思案する

dice1d3=1 (1)

1.他のテログループMSの無力化

2.破壊された港での救助作業

3.地球寮の安否確認

[61 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 11:47:27]

この人格？になると攻撃的になるのか

[62 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 11:50:35]

お前は誰だ
誰なんだ

[63 チグハグ君？ 23/07/03(月) 12:09:25]

『となれば、私が次にやるべきは敵性MSの無力化に他ならないな…』

そう呟くとプラントの構造物の隙間を縫うように飛行しながら交戦地帯へと急行する

やはりというべきかプラントの至る所で爆発が起きており、目につく限りの港も何かしらの損害を受けている。これでは脱出した艦隊の数は数えるほどしかないだろう

コックピットの中の人物の表情が少しだけ曇った

しかしここは戦場であり、よそ見は禁物だ。惨状を見つめる新たな敵に気づいたフォルドの夜明けの1機がペジュレヴァリエへとマシンガンを乱射する

だがペジュレヴァリエに焦る様子はない。少し身を翻したかと思えば、その機体の数mm先を弾丸が通り抜けて行く。まるで"視えている"かのように全ての弾丸を避け切ってみせた

dice1d3=2 (2)

1.そのあまりにも異質な機体にデスルターのパイロットが怖気付く

2.更にマシンガンを乱射するが一発たりとも当たらない

3.恐怖で視野が狭まりデスルターが格闘戦を仕掛けてくる

[64 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 12:10:58]

いきなり死んだ双子の兄とか出てきても驚かないぞ

[65 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 12:19:26]

ガンダムしてきたな･･･

[66 チグハグ君？ 23/07/03(月) 12:25:21]

『…これでわかったでしょう？攻撃の無意味さが。互いにこれ以上の損害を出さないためにも投降をお願いします』

無情とも慈悲とも取れる通信をしてくるペジュレヴァリエにデスルターのパイロットは余計に恐怖していた

『さぁ、こちらに…』

ペジュレヴァリエが手を伸ばした時だった。テログループの機体達が踵を返して逃げ去って行く
モニターを望遠モードにしてみれば、宙域に侵入してくる艦隊群─ドミニコス隊の様子が見てとれた
兎にも角にも、唐突に始まり唐突に終わった一連の攻撃行動はこれで幕を閉じたのだった

─────────────

とは言え、そこで全てが終わりなわけではない。むしろこの後の状況整理、対応の方こそやるべきこととしての比重が大きかった
それは少年達にとっても同じであった

「ティガー！よく戻ってきた！」

出迎える伯父やその仲間達、皆一様にティガーの帰還を喜んでいた。だがしかし、揉みくちゃにされる少年がヘルメットを取るとその騒ぎは一瞬にして治った

『あらがとうございます。ただいま、戻りました』

そう感謝の言葉を述べる少年の顔は確かに「ティガー・ハグラ」そのものであった
しかし、真っ青な青い髪は毛先にいくにつれ赤のグラデーションが入り、瞳は"真紅"に染まっていた

「誰だ……お前は……-」

そんな伯父の言葉だけが静寂の格納庫に響いていた

[67 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 12:48:38]

お強い···

[68 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 13:01:58]

アルゴスとかのワードはこれから出てくるのかな

[69 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 13:10:11]

青い髪→毛先に赤のグラデーション
青い瞳→真紅の瞳
これわかりやすく別人になってない？

[70 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 13:27:36]

しかしこのMS本当にグラスレーが作ったのか？

[71 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 13:29:03]

>>70

オックスアースとか絡んでそう

何なら、プロスペラ

[72 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 13:31:51]

>>71

オックスアースはないだろうけどプロスペラなら有り得るかもしれんなあ

[73 チグハグ君？ 23/07/03(月) 14:02:10]

─プラント・クエタでの事件から数日後

あの場所で起きた一連の事件には緘口令がしかれ、多くの人々はその惨状について知る由もなかった
誰かの不幸、誰かの悲劇がひた隠しにされ多くの人々の安寧と平和の今日が続いていく世界、そんな世界の片隅にある巨大な学園プラント「アスティカシア」更にその中の学生達の生活ブロックの一角では怪しげな取引が行われていた

『……確認した。仕事が早くて助かるよ』

赤い瞳の少年は萎びた茶封筒から取り出された全時代的な紙による資料を読み込んでいた

「ウチは速い、強い、丈夫がモットーなんでね。こっちとしてもこれを出されたらこれ以上は望めないさ」

取引相手の黒髪の少年はサイバーチックな外観のUSBをペン回しの要領で回すと得意げに語る
取引や接触自体は初めてではないという印象を受ける二人は、どこかスパイ映画の物販の取引を行うトレーダーのようにも思えた

「そういえば、ちょんまげ君の調子はどうだい？」
『特に動作不良とかはない、完璧だよ』封筒に書類を詰めながら返す
「そりゃそうさ、なんたって俺が作ったんだからな」

取引を終えた赤い瞳の少年は自慢話を始めようとする少年に背を向け、この場を立ち去ろうとしていた
すると慌てた黒髪の少年が手に持ったビニール袋からパックのゼリー飲料を赤い瞳の少年に放り投げる
選別だと言わんばかりのそれを少しの間だけ見つめると、赤い瞳の少年は少し微笑みその場を立ち去った

[74 チグハグ君？ 23/07/03(月) 14:07:31]

残された黒髪の少年はビニール袋に手を突っ込み、中のゼリー飲料達の温度を確認する
一年を通して気候が固定されてるこのプラントでは地球の夏場のようにすぐにモノが悪くなる事もないが、ゼリーの温度は味な直結すると口うるさい少年の親友に文句を言われると大体そのまま普段の行動のお叱りまで受けることになるので、この少年にとっては神経を使うことの一つであった

「……ぬるい…」

だが少年の期待とは裏腹に、ビニール袋の中のゼリー飲料達は外気温とさして変わらない温度になっていた
これではお叱り確定だ

「立ち話しすぎたなぁ………」

心底めんどくさそうに呟くと、少年もまた自身の帰路へとついた

[75 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 14:16:45]

ドラクエ？

[76 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 15:34:02]

赤サイドは全力で相手するって言いながらまだ奥の手を隠してたあたり食えない性格だな

[77 チグハグ君？ 23/07/03(月) 16:21:44]

プラント・クエタの事件に巻き込まれていた地球寮の面々は連日に及ぶ事件の事情聴取に疲労の色を隠せないでいた
もとより完全に巻き込まれであり、緘口令によって事件に関しての一切の流布が禁じられているなどストレスが蓄積する日々であった

「それにしても、ティガーのやつ全然顔見せないよな」

ぶっきらぼうではあるが訪ねてこなくなった友人を心配するくらいには柔らかい性格になったチュチュの言動で、地球寮の面々はとある少年のことを思い出した

ティガー・ハグラ

以前から関わりを持つ寮生はいたが、グラスレー寮のと決闘後は半ばボランティアのような形で株式会社ガンダムの事業のお手伝いをしており、半ば地球寮生の一人のような扱いも受けていた
他人に対しての献身のみでできているような優しく、責任感のある人間が訪ねてこないのはそれだけで友人達の不安を煽るのだ

最後に地球寮がティガーを見たのはプラント・クエタ事件の数時間前のことである。緘口令により犠牲者も判らない現状では、彼が死んでいるのか生きているのかすら彼らには知ることができていなかった

その他にも今の地球寮・株式会社ガンダムには問題が多すぎる
会社の代表であるミオリネ・レンブランとは連絡も取れず、地球寮の頼れるメカニックであるニカ・ナナウラも事件以後─正確にはもっと前から─暗い顔をして、無理やり笑っているような状態であった
他の寮生のダメージも大きい
みな、限界であった

[78 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 16:38:00]

悪い奴じゃないかもしれんが

[79 チグハグ君？ 23/07/03(月) 17:39:27]

そしてプラント・クエタの事件が約1週間が経った頃である

『ごめんくださいー！』

会社の業務も止められ、いつものように皆で寮の格納庫でおしゃべりをしている時であった
玄関を叩く音に続く久しぶりの声、みんなが心配していた彼が帰ってきた……そう思っていた

「たっく、お前今までどこ…に……」

珍しく出迎えたチュチュの顔が強張る
それもそのはずだ。目の前にいるのは「ティガーの顔をした別人」なのだから
他の寮生も続々と集まり、そして尋ね人の少年を見るたびにみな困惑を隠せずにいた
オジェロとヌーノはイメチェンでもしとんじゃないかと推測をした。どこが不思議ちゃんの気があるやつだ、突拍子のないことをしてもおかしくないと彼らは考えた

ティルとアリヤはティガーの兄弟の可能性を考えた。もしかしたら言っていなかっただけで彼には双子の兄弟がいるのかもしれない。きっとティガーの事で来たのだと2人は考えた

マルタンとリリッケは建物を間違えたのだと考えた。きっと区画番号を間違えてしまったのだと、明らかに別人の気配を纏うティガーと瓜二つな少年はティガーとは無関係なのだと考えた

ニカは何か重要な事件に巻き込まれたのではと考えた。先のテロに関わった自分に言えた義理ではない。しかし、あの少年が姿を変えるなら変装しかないだろうと考えていた

チュチュはただ困惑していた。真紅に染め上げられたその瞳はあの時自分を庇ったあの優しい青い瞳ではない。どこか見透かされているようなそんな気さえする赤い瞳の少年を前に困惑を隠せないでいた

そうして、8者8様の考えを抱く地球寮の生徒達の前で、少年はついに口を開いた

[80 アルゴス 23/07/03(月) 17:41:55]

『お初お目にかかります』

『私の名は"アルゴス"』


『アルゴス・ジェミニィと申します』

『以後、お見知り置きを』

深々と頭を下げ丁寧な挨拶をするティガーと瓜二つの少年─アルゴス・ジェミニィ─はその真紅の瞳を輝かせていた

[81 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 17:47:02]

ただの二重人格なのか気になる

[82 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 17:47:03]

シン・ウルトラマンのメフィラスみたいだ

[83 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 17:51:27]

アルゴスってヘルメス（メルクリウス）に殺されてるんだけど大丈夫？
スレッタとかエリクトにヤられない？

[84 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 17:51:55]

なんや……ティガーくんの脳作ったお父さん別人格を組み込んどったんか？

[85 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 18:06:30]

ジェミニ……双子か……

[86 アルゴス 23/07/03(月) 18:08:23]

「アル…ゴス…？」

その場にいたアルゴス以外の全ての人間が思考を放棄していた、というよりも全員が疑問に苛まれていた
ティガーと同じ顔、それならば兄弟という可能性もある。しかし彼が名乗ったのは「ジェミニィ」性である。ティガーの「ハグラ」性とは違う
であるならば、目の前にいる人物は何者なのか？全員が頭を悩ませる
そんな疑問に最初に切り込んだのは1年生のリリッケであった

「あの、アルゴスさんはティガーさんのお兄さん…なんですか？」

この時、残りの全員がリリッケに最大級の感謝を送っていた。やはりこういう人間関係に切り込むのは地球寮ではリリッケの役割なのだ
対して、質問をされたアルゴス側は少しだけ表情を曇らせるとまた微笑みは表情を戻し、質問へと答えた

『兄……そうですか…そう見えるんですね………残念ですけど、"私"と"ティガー"は兄弟の間柄ではありません』

言い切ったアルゴスの笑顔に少しだけ翳りが含まれているのに気づくものはいない
続いてティルが質問を投げかける

「それじゃぁ、ティガーは今どこにいるの？」

『ティガーは……』

[87 アルゴス 23/07/03(月) 18:13:40]

「お、遅れましたー！」

答えようとしたアルゴスに被さるように、スレッタが大きな声と共に日課のトマトの世話から帰ってきた
皆口々に今いいところだったのにと不満を漏らすが、1人だけ肩を震わせていた者がいた

『………め…さま………』

「あれ？ティガーさ…」

『姫様！！』

いきなりそんな事を言ってスレッタに抱きついたアルゴスに地球寮は再三、驚愕するハメとなった

[88 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 18:28:43]

！？

[89 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 18:45:34]

赤と青かマジでキカイダーみたいな配食になったな

[90 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 18:47:05]

双子以上の胎児は片方の胎児に吸収され、極希ではあるが体のパーツが残っていることがあるという。
故意か偶然かは不明だが、もしもそれを利用して脳を作ったというのなら「兄弟みたい」等説明が付くけど…………いや、姫様って何！？

[91 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 18:47:36]

姫様…もしかして別世界の人間だったりする？

[92 アルゴス 23/07/03(月) 19:04:10]

「えっちょ！？姫様！？私！？」
困惑するスレッタ

『あぁ……姫様……やっと……やっと………』
感激のあまりスレッタを強く抱きしめるアルゴス

「？」
状況が飲み込めない地球寮
この場はあまりにもカオスになっていた

「ちょっ……やめてください！"ティガーさん"！！」

『……！………………………』

そのスレッタの叫びに、何か感じるモノがあったのかアルゴスは抱擁を解いた。たがその瞳はあまりにも悲しみに濡れていて

『………ごめんなさい……勘違い…しちゃいました』

────────────
『ティガーは私の中で眠っています』

しばらくして落ち着いた頃、地球寮の面々に囲まれたアルゴスは質問に答えていた

「眠っている…とはどういう事なんだ？」

『言葉どうりの意味です。彼の心はとある事情でひどく傷つき限界を迎えていました』

アリヤからの質問に丁寧に回答していくアルゴス
曰く、ティガーは先のプラント・クエタの事件で心に大きな傷を負ってしまい、その傷は心が砕けて心身喪失状態になってもおかしくないほどだった
そこでティガーの心を休ませるために心の中にいたアルゴスが表に出てきた……らしい

[93 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 19:05:35]

昔から多重人格？

[94 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 19:34:15]

最悪カミーユみたいな状態になりそうなのを多重人格で回避している感じか・・・

[95 アルゴス 23/07/03(月) 19:37:15]

地球寮側には余計に疑問符が浮かぶ

元々ティガーの心の中にはアルゴスがおり、そして今回非常事態で出てきた

「つまり、ティガーって二重人格なのか！？」

オジェロがかなり前のめりで疑問を投げかけてくる

『いえ、私達は二重人格ではなくあくまで"別人"なのです』

『二重人格とは一人の人間の精神がある瞬間から２つ以上に分裂し変質した者ですが、私もティガーもその根源は全くの別物なのです』

さっぱり意味がわからない

聞けば聞くたびに疑問しか湧いてこない

dice1d3=2 (2)

1.マルタン「あのぉー…アルゴスさんは僕らの敵なんでしょうか…？」

2.スレッタ「全然わかんないです…でも寝てるってことはいつかは起きるってことですよね！」

3.チュチュ「細けぇことはどうでもいいんだよ。お前はティガーをどうしたいんだ？」

[96 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 19:38:26]

もしかして憑依的なものか？これ

[97 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 19:43:08]

ここまで来るとSDガンダムシリーズでお姫様やってるスレッタの騎士、機兵操手アルゴスの魂が何かの理由で憑依したとかならあり得る状況。

[98 アルゴス 23/07/03(月) 19:54:19]

「全然わかんないです…でも寝てるってことはいつかは起きるってことですよね！」

誰も彼もが状況の把握が出来ていないが、それでもスレッタは前向きに考えていた

『…さすがひめ………ティガーが貴方のこと好きな理由がよく分かります』

一同何か聞き捨てならない事を聞いてしまったように感じたが、それを考えさせる間も無くアルゴスは言葉を続ける

『私の目的は"ティガーの幸せ"、"ティガーがちゃんと生きられること"ただそれだけです。無駄な戦い、殺生をするつもりはありません』

『dice1d3=3 (3) 』

1.それにやるべき事が沢山残っていますから

2.…もう私の願いは終わったようなものですし

3.今度こそ、ちゃんと幸せにしてあげたいんです

[99 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:02:27]

今度こそ･･･姫･･･うーむ、謎が多い

[100 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:03:35]

ティガ×スレ！？　
いや無意識のうちに好きになってたとかはあるかもしれないけど……
それに「今度こそちゃんと～」ってなんかループものみたいなセリフまで飛び出したぞ……

[101 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:04:49]

姫という言葉が出るあたり普通の国って感じでもなさそう、gレコのアイーダとかUCのミネバは姫って呼ばれてたけども

[102 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:20:04]

アドステラでは国家という形態を見かけないんだよな、そこに新しく国が出来たら姫と呼ばれ始めるのも無理はないのか？

[103 アルゴス 23/07/03(月) 20:23:26]

『今度こそ、ちゃんと幸せにしてあげたいんです』

そう言って自らの胸に手を当てるアルゴスの姿は少年というよりも子を愛する母や、人を愛する神のようにさえ見えた

「で、テメェは一体ナニモンなんだよ」

チュチュの鋭い指摘がアルゴスに刺さる

『……私は』

『………私は泡沫の夢……でしょうか？』

『私がどういう存在なのか、それはさして問題ではありません』

『dice1d3=1 (1) 』

1.ティガーが目覚めたら、また仲良くしてあげてください

2.貴方がたのこれからの行く先に多くの祝福がある事を祈っています

3.ティガーと仲良くしてくれてありがとうございます

[104 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:37:31]

良い奴なのか……？

[105 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:41:34]

スレッタが好きっていったりしてるあたりティガーと食い違ってたりするのかな
幸せを願っているのは本当だけどティガーを理解していないもしくはそう仕向けている？
何故「姫」なのか 髪が赤いのと関係あるのか

[106 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:46:22]

好き（友達兼尊敬する人として）じゃないの？

[107 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:52:04]

>>102

水星帝国王女スレッタ・マーキュリー･･･家紋はたぬきだな

[108 アルゴス 23/07/03(月) 20:53:31]

────────────

翌日─アスティカシア学園・中庭の一角

時刻は昼時、学生は食堂でご飯をとったり、お弁当を持ち寄り思い思いの場所で楽しく昼食をとっている

その中でも生徒からの人気が高い中庭の外れにある広葉樹の下に少年が2人で昼食をとっていた

分厚いカツサンドを口一杯に頬張っている一見すると女性のように見える整った顔立ちをしているのはティガーの友人であるジェイソン・サダリメルク─通称「ジェイス」

その隣で購買のジャムサンドを胃に流し込んでいるのがアルゴスである

dice1d3=2 (2)

1.アルゴス「君は私と昼食をとることに不満はないのか？」

2.ジェイス「なぁ、そのジャムサンドと俺のカツサンド交換しよーぜ」

3.アルゴス「……君は見知らぬ人間の前でそんなに油断しても大丈夫なのか？」

[109 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 20:54:44]

ここで何も言わせないあたりネジ飛んでる感あるわ

[110 アルゴス 23/07/03(月) 21:02:21]

「なぁ、そのジャムサンドと俺のカツサンド交換しよーぜ」

そう提案するなり、ジェイスは有無を言わさず自身のカツサンドとアルゴスのジャムサンドを入れ替える

dice1d3=2 (2)

1.俺はお前に何があってそんなんなってんのか全然わかんねぇけどよ、俺の友達を思ってわやってんのなら俺は全部信じる。俺はそれだけだ

2.俺の友達を大切に思ってんならお前も友達だ。ちゃんと食えよ？武士は食わねど高笑いだぞ？

3.肉食え、肉。しょぼくれてる時はガツン！と肉だぜ？

[111 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:04:20]

>>110

ほんとチュチュと揉めてたキミは何だったの？

１話グエルレベルの荒れっぷりだったの？

[112 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:06:28]

>>111

初期のチュチュもちょっとアレだった上に地雷踏まれてたから･･･

[113 アルゴス 23/07/03(月) 21:11:08]

────────

「…？お前ティガーじゃねぇな？」

『よくわかりましたね』

「なんでお前がティガーとクリソツなのかは別にどうでもいいがティガーはどこだ？」

『それはかくかくしかじかで……』

「なるほど……」

『信じられないだろ？』

「いや信じる!俺の友達を救ってくれた人の言葉だ、俺は信じる!」

────────────

『ふっ…いい友達を持ててよかったね、ティガー…』

「んっ？」

dice1d3=3 (3)

1.有り難くいただくよ

2.ありがとう。いつも感謝してるよ

3.では遠慮なく…それと、さっきの正しくは「武士は食わねど高楊枝」だよ

[114 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:14:34]

(分かってないだけでは？)

[115 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:15:58]

>>114

(相当なバカなのでその可能性が高い…)

[116 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:18:31]

多分こんな感じだろ

[117 アルゴス 23/07/03(月) 21:27:41]

昼食を終えた二人
後片付けを終え、それぞれの講義の教室へと向かう

「今日この後、なんか用事あんのか？」

『あぁ、地球寮の方々に搬入の手伝いを頼まれてね。人では多い方がいいらしい』

「なるなる、じゃぁこっちもこっちで進めとくわ」

『よろしく頼んだ』

───────────
─放課後

「オーライ!オーライ!」

学園の地下にある汎用ハンガーではたった今、スレッタの乗機である「エアリアル」の搬入作業が行われていた
寮区画に寮を持たない地球寮はここから地上のハッチまでMSをコンテナで輸送し、そこから寮までは徒歩で搬入することになる。今現在は地上の搬出口まで運ぶためにコンテナへの搭載作業中なのだ

『これが……ガンダム』

アルゴスの手がエアリアルに触れる

その瞬間、アルゴスの表情が驚愕に染まっていく
エアリアルの顔を見上げる彼の顔には困惑と悲嘆の感情がないまぜになっていた

[118 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:33:07]

コトリバコに気付いたか？

[119 アルゴス 23/07/03(月) 21:38:26]

─その夜、地球寮格納庫にて

誰もが寝静まった夜、アルゴスは1人エアリアルのコックピット前に設置されたキャットウォークの上からエアリアルを見つめていた
今から自分がすることは、人間としての道徳に背くものである。しかしそれでも、彼には確かめたい事があった

エアリアルのコックピットハッチが開く
コックピットシートやその周辺設備にこれといった違和感はない。デザインの差異こそあれど何処にでもあるようなごくごく普通のコックピットコンポーネントである

本来は生徒手帳が納められる正面モニター下のラックには、水晶体を収めた起動キーのような物が装着する。機体との接続を示すように水晶体が薄らと光を纏う。それを合図にアルゴスは最後のステップへと進む

『無闇に立ち寄るようなマネをしてすみません。だけど、どうしても確かめなければならないことなんです』

『permisson to shift… phase 3！』

[120 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:44:50]

>>機体との接続を示す水晶

何らかの謎の技術？

[121 アルゴス 23/07/03(月) 21:46:00]

加速する光の中を抜けると、そこは一面白の世界が広がっていた。パーメットの情報回路を星座のように散りばめたオブジェクトが浮かぶ「何もない世界」。アルゴスにとっても見覚えのある世界
そして、そこに浮かぶ12人の10歳にも満たないような外見の少女たち

『……予想通りか』

そう呟くアルゴスは少し顔を歪め、心底不満げに大きなため息をついた

やがて少女たちの集団の中でもリーダー格と思しき少女がアルゴスの座るコックピットのモニターの上へと降りてきた

[122 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:47:35]

エリクト！？

[123 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:50:58]

データストームの向こう側に行ける技術だと･･･！？絶対にシャディクとかに見せちゃならねえ、最悪のシナリオになる

[124 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:52:14]

チグハグ君の脳はパーメット製だし出来そうではある

[125 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 21:55:30]

脳が特別性だからね

[126 アルゴス 23/07/03(月) 22:08:59]

少女はアルゴスの額に指を当てると、ゆっくりと上へとなぞり上げていく
しかし、アルゴスにこれといった変化は見受けられない。そのことに少女は困惑していた

『ごめんなさい、こっちも貴方と似たようなものなんです』

なんの意味もない事を悟った少女は、額から手を退ける

『本当にごめんなさい、貴方の心に無闇に立ち入るようなマネをして…でも、これ以外の方法がわからなかったんです。貴方に危害を加えるつもりはありません。ただ、確かめたかったんです』

自身の心に不法侵入してきた謎の人物を警戒していた少女だが、目の前の人間に敵意が無いとわかると、リラックスしたようにモニターに足を投げ出す

『ここにはいつから…？』

しかし、警戒を解いたところでアルゴスからの質問に答える義理はなく、少女はただアルゴスを見つめ続けていた

『1人で…いや、貴方には一緒にいる人たちがいますか……私にも、共に生きている人がいるんですよ』

そういってアルゴスは自身の胸に手を当てる

『……貴方はここが好きですか？……私はあまり好きじゃありませんでした。ここは寂しいですし、なにより過去しか縋る物がありませんから』

アルゴスの独白を聞く少女は、アルゴスの膝へと足を下ろすと、その胸に手を当てた

『ティガーと言うんです。血は繋がっていないけど、私にとっては大切な弟のような物です。……幸せにしたい大切な弟です』

『………私にも、幸せにしたい大切な妹がいる』

その言葉に何か思う事があったのか、ついに少女が口を開いた。対話ができた事、それだけでアルゴスは嬉しかった

『それじゃぁ、同じですね私達……』

[127 アルゴス 23/07/03(月) 22:09:27]

『では、私はおいとまさせていだきます』

『……貴方のこれからの人生に多くの祝福があらんことを祈っています………さようなら、エリクト・サマヤさん』

目的を果たしたアルゴスは、エアリアルとの接続を解除する
時刻を見れば、コックピットに入ってから20分も経っていなかった

周りは未だ寝静まっており、格納庫にいるのはアルゴスただ1人のみが立っている

「あぁ…やっぱりそうだよなぁ……当たり前のことなのに……何かってに期待してんだ私は……」

そのほおには一筋の涙がつたっていた

[128 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:15:01]

お二人はどういう関係なので？

[129 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:27:49]

つまりアルゴスは何らかの理由でデータストーム空間に存在していたのか

[130 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:29:46]

この世界のデートストームは並行世界とかにもつながっているのか？

[131 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:33:30]

確かに実体の枷を捨てて情報体になれば平行宇宙へも行けなくはないかもしれん

[132 アルゴス 23/07/03(月) 22:42:43]

────────

─翌日

アスティカシア学園は1週間後に迫るオープンキャンパスに向けての準備で活気付いていた

普段勉強や訓練に明け暮れるアスティカシアの生徒にとってオープンキャンパスはちょっとしたお祭りであると同時に、特にメカニック科生徒たちにとっては時事の技術を校外に発信できる数少ない機会でもあった

そんな浮ついたムード漂うアスティカシア学園にて、周囲からは影となる階段下のスペースで密談する2人組がいた

1人は赤い瞳の少年─アルゴスであり、もう1人は先日もアルゴスと密談をしていた黒髪の少年であった

密談内容dice1d3=1 (1)

1.例のブツについて

2.黒髪の少年との取引の続き

3.ランブルリングについて

[133 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:43:39]

あのUSBか

[134 アルゴス 23/07/03(月) 22:52:09]

「提供してもらってなんだが、アレうちでも相当難航してるんだけど」

黒髪の少年は不満を漏らすと、壁に深くもたれかかりアルゴスを若干恨めしそうに見つめる

「例のブツ」というのは"取引"の代価としてアルゴスが黒髪の少年に渡したあのUSBのことである

どうやら内部に入っていたデータの解析が難航しているらしく、解析に関しては自信のあった黒髪の少年は若干不貞腐れていた

『データと言っても俺は基礎概論に過ぎない。そこからどう発展させるかは君次第だよ』

アルゴスのアドバイスにもならない助言に、少年は抗議の目でもって反応する。が、それでなんとかなればこんな泣き言は言っていない

『……入港に関してはどうなっている？』

dice1d3=3 (3)

1.今日明日には到着するよ

2.3〜5日以内には改装も終了して届くよ

3.オープンキャンパス1日目…ランブルリング当日くらいになるかなぁ……

[135 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 22:54:46]

逆に妨害を受けないと思えば良いかもしれん

[136 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 23:14:40]

まだわからんけど中身分かったらロウジくんがもの凄い勢いで迫ってきそうだ

[137 二次元好きの匿名さん 23/07/03(月) 23:57:18]

今日はこれで終わりかな？

[138 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 07:32:54]

一体何の取引なんだ…MS？

[139 アルゴス 23/07/04(火) 08:07:03]

『……かなりギリギリですね』

そうぼやくアルゴスは手に持つ手帳にペンを走らせる

「随分と前時代的だな」

『情報の1次ソースは紙媒体と決めております。漏洩・改竄防止の観点から見ても紙の有用性はいつの時代も変わりませんから』

この時代においても紙媒体による書籍の文化はまだ残っている。しかし、世代が新しいほどそれに触れる機会は少なくなり皆電子機器を利用するようになる。未だに紙媒体によるメモを取るのはよほどな物好きか、電子機器すら買えないような貧民─例えば紛争地帯のアーシアンとか─くらいのものだろう

それ故に、スペーシアンでもあるアルゴスが好んで紙媒体を使用するアルゴスは物珍しく写るのだ

dice1d3=2 (2)

1.アルゴスの携帯端末に着信

2.少年「………もう行くのか？」

3.ネコミミオレンジハロがやってくる

[140 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 08:25:39]

いやまず君は誰よ？

[141 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 08:40:02]

電子機器はクワゼロされたらジエンドだからね

[142 アルゴス 23/07/04(火) 09:10:38]

(誤字多くてごめんなさい)
────────────────

「………もう行くのか？」

黒髪の少年とアルゴス─というよりもティガー─はさして長い付き合いでもなければ、友人関係にすら達していない
だが、少年にとっては一度取引をした"お客様"であるし、顔を知ってしまった人間の1人でもある。その人間が人には言えないような事情で動いている事に少年は少なからず疑念と憐憫の情を向けずにはいられなかった

『やる事はまだまだありますからね』

アルゴスは手帳をしまうと、持たれていた壁から立ち上がりペコリと少年に頭を下げた

『ご協力感謝します。……魔法使いさん』

「こちらこそ、またのご利用お待ちしています」

魔法使いと呼ばれた少年は定型文の挨拶を述べると、見るからに作り物の営業スマイルでアルゴスを見送った

[143 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 09:19:27]

ガンダムでも もらう気か？

[144 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 09:23:27]

>>143

どうだろう、あくまで正規企業っぽいしなあ

[145 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 09:30:48]

でもティガーの幸せを願うのにガンダムはむしろその逆に行ってないか？

[146 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 10:17:13]

アルゴスがどこから来たとかは一応見当がつくけど、どうやってチグハグ君と同一になったのか、そもそもどうやってここに来たとかが謎だな

[147 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 10:34:56]

このUSBってgレコのヘルメスの薔薇の設計図みたいなもんなのか？

[148 アルゴス 23/07/04(火) 11:47:43]

その日、グラスレー寮の一室にはここ数日では珍しく6人の生徒が集まっていた

家長の位置に座る金の長髪を揺らす背格好のいい青年─シャディク・ゼネリを始めとしたグラスレー寮のトップ集団である

「それにしても珍しいね、彼から連絡をよこしてくるなんて」

彼の端末には差出人が「ティガー・ハグラ」のメールが表示されていた

メールに書かれていたのはたった一言

〈記載の時間に集合してください〉

礼儀正しい彼にしては珍しく挨拶の文もなければ、気遣いの言葉すらない、むしろ命令文に近い言葉であった

dice1d3=1 (1)

1.レネ「てか生きてたんなら連絡しろって話よな」

2.メイジー「やっぱり生きてたんだねチグハグ君」

3.じっとメールを見つめるサビーナ

[149 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 11:55:31]

なんと面の皮の厚いやつらよ

[150 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 12:14:57]

本編でもあれなんだけどグラスレーの面々って何というか、死ぬことに頓着してないのが不気味なんだよな、無敵の人だからか？

[151 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 12:47:04]

それでいてドミニコスに包囲されると即投降するからな
目的の為なら死を厭わないけど無駄死には絶対にしないという感じ

[152 アルゴス 23/07/04(火) 12:54:10]

「てか生きてたんなら連絡しろって話よな」

「何か事情があったんじゃないかな…怪我して入院してたとか…」

ソファに寝そべりながらレネが悪態をつき、それを宥めるようにイリーシャがティガーの現状を憂う

「やっぱりねー、そう簡単には死なないと思ってたんだよ」

「豪運か悪運か、どちらにせよ彼は"実戦でも使える"」

呑気にティガーを褒めるメイジーと彼の能力を再評価するエナオ

ティガーの生存という情報の受け取り方は四者四様であったが誰もが前向きに捉えていた

しかし、残りの2人の表情は芳しくなかった

シャディクは彼の送ってきたメッセージ、彼の行動、そして"学園で目撃されたティガーに似た別人"の存在から、ティガー・ハグラになんらかの症状─例えば記憶障害など─が発症し、"別人のように変わってしまった"可能性を考慮していた

そしてサビーナは……

dice1d3=2 (2)

1.生きていた事を喜びたいが、こうなった以上もう覚悟を決めるしかないとタブレットを握る手の力を強めた

2.自分がもっと早く引き込んでおけばこんな事にはならなかったのにと表情こそ変わらないが激しく後悔している

3.作戦失敗の報を聞いてから気が気ではなかったのでやっと肩の力を抜いて深くため息をついている

[153 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 13:56:39]

覆水盆に返らず、罪禍の輪は回る

[154 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 15:30:33]

アルゴスは何の目的のために6人を呼んだのか、忠告かそれとも･･･

[155 アルゴス 23/07/04(火) 16:43:55]

そして、部屋のドアを叩く音が響く
両開きのドアが開くとそこにいたのは─天色の瞳のティガーではなく、真紅の瞳のアルゴスであった

一同に緊張が走る。目の前にいるのは誰なのか？幼い頃から磨いてきた危機察知能力がこいつは危険だと警鐘を鳴らしていた
自分達と交流の深かった少年と同じ顔を持つ、その少年とは似ても似つかない吸い込まれそうな真紅の瞳、毛先になるにつれ赤に染まっているツートンカラーの髪
ラングランズ社の磁性流体を使用した着髪材を使った変装にしては不十分がすぎるし、彼がそんな事をする理由もない

アルゴスを除いたこの部屋の人間で、シャディク・ゼネリは唯一この展開を予想していた
ここ数日の間出回っていたウワサや"ティガー・ハグラが一度も寮に戻っていない"という事実がこの展開を─あっても数%程度の考えだったが─予想させていた

そんな彼らの思案などつゆ知らず、アルゴスはシャディクに視線を合わせると不敵に笑ってみせた

『お初にお目にかかります、私の名はアルゴス・ジェミニィ。初めまして、プリンスさん』

[156 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:24:45]

何をする気だ？

[157 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:26:04]

バレテーラ

[158 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:37:02]

シャディクの計画って誰にもバレてないから持ってたみたいなもんなのにこの段階でバレてましたらハードコア確定やん･･･

[159 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:38:04]

シャディクとガールズ無茶苦茶ビックリしてそう

[160 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:38:13]

アルゴスって並行世界の住人？
なら、こっちとは情報量が違ってもおかしくないと思う

[161 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 17:46:30]

理由はわからんがチグハグ君の事を思っているアルゴスが心神喪失寸前にまで追い込んだ元凶に何を言うのか･･･

[162 アルゴス 23/07/04(火) 18:34:54]

「「「「「!?」」」」」

「やだなぁ、俺はそんな大層な身分じゃありませんよ」

驚く少女たちとは対照的にシャディクは平静を装っていた。
親しい仲の後輩と同じ顔の別人がいきなり「プリンス」の名を口にした事自体、混乱と驚愕を招くには充分すぎる情報ではあるが、それを表に出すような真似はしない。彼が今まで戦ってきた戦場で培ってきたポーカーフェイスが彼の心情を隠しきる

「それで、突然の訪問ですが今日はなんのご用で？」

『ご挨拶に来ただけですよ。あなた方は今でもティガーにとっては大切な方々ですから、私としてもご挨拶の一つでもしておきたかったのです』

アルゴスの真意は読めない。挨拶に来ただけにしては纏っている雰囲気があまりにもこの場にあっていない。戦場やリングのような戦いに臨む戦士の雰囲気を纏っているのだ

「……ご挨拶にしては随分と気がたっているように感じますが」

普段のシャディクならしない言動にエナオは驚いていた。交渉・仕事の場においてシャディクは煽るような物言いで相手を推し量るよりも、もっと柔らかい物腰で接して心を開かせるはずなのだ。それなのに……シャディク自身、アルゴスと名乗ったあの少年に極めて強い警戒心を向けているのはこの場にある人間なら誰しもが感じ取ったであろう
そしてそれがこの少年の異様さを決定づけていた

[163 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 18:52:55]

お礼参りの間違いでは？

[164 アルゴス 23/07/04(火) 19:25:29]

『滅相もない、何せ私は人前に出るのが苦手な性分でして、ただ緊張しているだけですよ』

とは言うもののアルゴスの表情には緊張の色などかけらも存在していない。ティガーであればおどおどとし出すのに、同じ顔でここまで飄々と余裕な態度をされては流石のシャディクも調子が狂いそうになる

「……挨拶が目的なら、もう要件は済んでいますよね？」

『まぁそう焦らずに、別にあなた方の先のプラント・クエタ事件への関与について追及しようとは思っていませんよ』

間違いない、このアルゴスという男は"プラント・クエタの事件の首謀者はシャディク・ゼネリである"と目星をつけているのだ
しかし、目星をつけているのなら何故わざわざ敵の本拠地とも言えるこの場所に"丸腰"でやって来たのか

『あなた方を捕らえてもティガーは喜びませんから』

この笑顔の下に一体どんな表情を貼り付けているのいうのか

[165 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 19:34:29]

今ん所ぶっちぎりでヤバい事言ってるぞこの男

[166 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 19:38:21]

恐ろしい情報網だな
しかもみるからにティガーは知らないのにアルゴスはティガーの記憶もわかるっぽい

[167 アルゴス 23/07/04(火) 20:03:32]

「あなたは俺達がプラント・クエタでの事件に関わっていると？」

『端的に述べるならそうです』

「…俺もあの事については後日、役員会議の場で初めて知ったんですよ。そんな事件にどう関与していたと？」

あくまで平常な態度を崩さないシャディクとアルゴス。議論は平行線になっていた

ふっとため息をつくとアルゴスはポケットから生徒手帳を取り出すと、録音された音声データを再生した

<「ティガー・ハグラ…ですよね？プリンスからの指令です"あなたを捕縛せよ"とね」>

『この音声データはティガーの機体に録音されていたものです。会話相手は…「フォルドの夜明け」のガンダムパイロット』

シャディクの表情が歪む

『あの事件、スペーシアン側の重要生産拠点を狙ったテロというセンセーショナルさ故に隠されていますが、不可解な点がいくつもあります』

『まず、何故プラント・クエタを襲撃したのか。フロント強盗であるのなら居住用のフロントを狙うはずです。生産拠点を襲っても日銭を稼ぐ事に終始する彼らにメリットは薄い』

『次にテログループの使用MSが「デスルター」である点。旧型機ではありますが、依然中古市場では定価に近い価格で販売されているMS、一介のテロ組織が大量に保有するには過ぎたるモノです』

『そして何より彼は"実弾"を使っていた。宇宙空間での実弾によるデブリの被害はスペーシアン、宇宙で暮らしている者ならば誰しもが理解している事です。それなのに彼らは躊躇いもなく実弾を使用していた。ならテログループは実弾を使うしかない者達、むしろ彼らにとっては実弾を使う事にメリットすらあったんのではないですかね？』

『これらの状況証拠が揃えば、後の推理は簡単です。』

『わざわざ"ベネリットグループ総裁が生産拠点であるプラント・クエタにいる"日を狙い、実弾武装を装備した不釣り合いなMSを大量に所有している』

『つまり、「誰か」の支援を受けた"アーシアン"のテログループがベネリットグループ総裁を狙ったテロを起こした。そんなシナリオが完成するわけです』

[168 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 20:05:06]

こいつ頭良すぎない？
推理作品の主人公にさせても活躍しそう

[169 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 20:41:30]

ガンダムが推理ものになってしまった（）

[170 アルゴス 23/07/04(火) 21:14:31]

「……貴方は俺がその「誰か」だと？」

長い静寂を破ったのはシャディクであった

『…………………』

苛立ちを隠せなくなってきたシャディクに対し、アルゴスはあくまで飄々とした態度を崩さずにいた

「…この1週間、寮に帰らなかったのは情報収集のためかい？」

『………ご想像にお任せします』

「余程の情報通がバックにいるようで…」

『それは、関与を認めると言う事ですか？』

再び部屋は静寂へと包まれる
今度の静寂を破ったのはアルゴスであった
制服のポケットに手を突っ込むと、USBメモリを掲げてみせた

『取引をしましょう』

[171 アルゴス 23/07/04(火) 21:14:52]

『私の要求を飲んでもらえればこのメモリはこの場で破棄しましょう。中身についてはご想像にお任せします。…まぁ、貴方にとって不利益になる情報、例えば"テロリストとの通信記録"とかが入っているかもしれませんね』

「……要求は？」

『今後一切、ティガー・ハグラに危害を加えない事』

「…それだけか？」

『私にとっては初めからこれ以上もこれ以下もありません。どうします？』

「…わかった要求を呑もう」

『契約成立です』

契約履行と同時にアルゴスの手に握られたUSBメモリは真っ二つにへし折られ、床へと投げ捨てられた

[172 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:23:28]

（本当に守るのか……？）

[173 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:28:51]

>>172

勝手に巻き込まれるから大丈夫

[174 アルゴス 23/07/04(火) 21:31:13]

「……それにしても、そんな情報どこから手に入れたんだい？」

少し憔悴した顔でシャディクはアルゴスに尋ねる

『そんなもの、初めからありませんよ？』

そう言うとアルゴスはニンマリと大きく口を歪めた

『交渉は嘘とハッタリ、それと少しのズル。それが私の信条ですので』

左手首を回すと、袖から細長い長方形の物体が握られる。それは、ボイスレコーダーだった

『ご安心を、あなた方が契約を不履行にしない限り私があなた方のことについて公表するつもりはございません。これはあくまでただの保険、ですので』

『…これ以上私からあなた方にとやかく言うつもりはありません。あなた方を赦すか赦さないか、それはティガーの決める事ですから』

真紅の瞳を怪しく輝かせる少年はそう言うと、部屋を後にした

[175 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:33:19]

うーん策士

[176 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:34:31]

>>173

……ダメじゃねえか！？

[177 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:45:32]

嘘って言ってるけど絶対情報自体はもってるよね？

[178 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 21:50:58]

藪をつついたら蛇どころか何かヤバい化物出てきちゃった感ある

[179 アルゴス 23/07/04(火) 21:55:20]

部屋を出て寮を後にしようとするアルゴスの手を掴む腕があった

「待ってくれ…」

サビーナ・ファルディンが、彼女らしくない焦った顔で行かせまいと、アルゴスの手を強く掴んでいた

[180 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:01:26]

おおおおお！？

[181 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:04:51]

おやおやおやおやおや

[182 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:13:25]

＼(･_･) ｵｲｵｲ

[183 アルゴス 23/07/04(火) 22:17:24]

『……何用ですか』

少し怒気の含んだ声を放つアルゴスであったが、サビーナはこの程度で萎縮する程柔な精神はしていない

「確かめたいことがある」

そう言うと、制服の内側から若草色のプレート状のネックレスを取り出すと、アルゴスの眼前にそれを垂らした

「これが何か分かるか？」

それはプラント・クエタへと赴く数日前ティガーがサビーナにプレゼントしたネックレスであった。今は亡き彼の相棒の一部で作られたそれを見せれば、彼がティガー本人なのかわかるはず、サビーナはそう考えていた

『えぇ、もちろん。ハイングラの一部を使って作ったものですよね？』

その肯定にサビーナは心の奥底で安堵した。事情はどうあれ、目の前にいる少年はティガー・ハグラに他ならないのだ
それならばと、深呼吸を一つするとサビーナは覚悟を決めた顔でアルゴスに問いかける

「アルゴス・ジェミニィ…いや、ティガー・ハグラ。私たちの仲間になってくれないか？」

[184 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:20:18]

ここで言うの！？嘘だろ！？

[185 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:27:45]

おやおや？

[186 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:32:09]

そりゃあ悪手だろ、危害加えないって契約したばっかなのに

[187 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:33:39]

地味にアルゴスのスペックおかしいな、アドステラには割といなかった知と暴の2つを持つシャアタイプ

[188 アルゴス 23/07/04(火) 22:35:25]

「私達のことを信じられないのはわかる。私たちがしていることは誰かに褒められるようなことではない」

「…私達の目の届かないところにいてはプラント・クエタのように巻き込まれる可能性だってある」

「……私達のする事に協力して欲しいわけではないんだ。君には君の人生があるし、私達のように自分の未来を棒に振る必要なんてない」

「勿論、君に危害は加えないし、戦えなんて強要もしない。誰かがそうさせようとしても私がさせない。ただ、手の届くところに、目の届くところにいて欲しいんだ」

「だから、私たちの仲間に…」

そうして伸ばされたサビーナの手をアルゴスは…

dice1d3=1 (1)

1.振り払う

2.『……呆れた』

3.一度手を取り、そして振り払う

[189 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:40:22]

ノータイム拒否！

[190 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:46:58]

サビーナさんこれ束縛型ヤンデレとか漏れ出てない？シャディクみたいに無自覚で内側に閉じ込めてる恋心漏れ出てない！？

[191 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:48:51]

デスヨネー

[192 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 22:55:59]

アンタがそうでもシャディクとかがそうしねえだろって話だわな

[193 アルゴス 23/07/04(火) 23:00:44]

「えっ…」

伸ばした手を振り払われた事にサビーナはひどく困惑していた。そんな様子のサビーナを見てアルゴスは心底気だるげそうな顔をする

『貴方にとやかく言うのはティガーに申し訳が立たないのでしないつもりだったのですが……』

深くため息をつくと軽蔑を含んだ目でサビーナを見つめる

『ティガーはね、あなた方の事"ずっと前"から仲間だと思っていましたよ』

それはサビーナにとっては蒼天の霹靂以外に他がなかった
仲間だと思っていた…？どのタイミングで？どうして？
サビーナにはわからない。孤独だったティガーを救う手を伸ばした"あの時"からずっとティガーはサビーナやシャディク達を仲間だと思っていた事をサビーナはわからない

『それを貴方は「仲間になってくれ」と……貴方にとってはティガーは仲間ですらないのですね』

そして自分の過ちに気づく。決して言ってはいけないことを言ってしまったと
自身が救い上げた少年に対してどれほど酷な言葉を言ってしまったのか

「いやっ…違っ…私はそんなつもりじゃ…」

[194 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 23:07:51]

チグハグ君が聞いてなくて良かった

[195 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 23:08:12]

チグハグ君のトラウマも分かってただろうに進めていなかったわけだ、結果としてチグハグ君がカミーユ化しかけた

[196 アルゴス 23/07/04(火) 23:19:13]

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【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ【season2】｜あにまん掲示板

[197 二次元好きの匿名さん 23/07/04(火) 23:43:01]

立て乙

[198 二次元好きの匿名さん 23/07/05(水) 06:25:36]

梅

[199 二次元好きの匿名さん 23/07/05(水) 08:29:11]

うめ