【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅧ【season2】

[1 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 21:27:53]

夏バテから復活しました
※個人的な都合で更新が不定期になることをお許しください

[2 チグハグ君 23/09/01(金) 21:28:09]

第1回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒です｜あにまん掲示板

第2回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ｜あにまん掲示板

第3回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅢ｜あにまん掲示板

第4回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅣ｜あにまん掲示板

第5回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅤ｜あにまん掲示板

第6回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅥ｜あにまん掲示板

第7回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅦ｜あにまん掲示板

第8回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅧ｜あにまん掲示板

第9回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅨ｜あにまん掲示板

第10回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩ｜あにまん掲示板

第11回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅪ｜あにまん掲示板

第12回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒でⅫ｜あにまん掲示板

第13回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅢ｜あにまん掲示板

第14回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅣ｜あにまん掲示板

第15回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅤ｜あにまん掲示板

[3 チグハグ君 23/09/01(金) 21:29:08]

第16回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅥ｜あにまん掲示板

第17回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅦ｜あにまん掲示板

第18回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅧ｜あにまん掲示板

総集編

【まだ間に合う！】自分はグラスレー寮の生徒です【総集編】｜あにまん掲示板

[4 チグハグ君 23/09/01(金) 21:29:31]

season2

第1回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅠ【season2】｜あにまん掲示板

第2回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ【season2】｜あにまん掲示板

第3回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅢ【season2】｜あにまん掲示板

第4回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅣ【season2】｜あにまん掲示板

第5回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅤ【season2】｜あにまん掲示板

第6回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅥ【season2】｜あにまん掲示板

第7回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅦ【season2】｜あにまん掲示板

[5 チグハグ君 23/09/01(金) 21:30:36]

プロフィール
本名:ティガー・ハグラ(Tigaer・Hagler)
渾名:チグハグ
学年:2年生
学科:経営戦略科(合ってない)→パイロット科
学籍番号:LP014
性別:男
所属寮:グラスレー寮
身長:177cm
容姿:55(平均ちょい上)
髪色:青
瞳の色:青
身体能力:76(高い)
コミュ力:16(無い)→65(そこそこ頑張った)
協調性:29(ぼっち)
料理力:88
得意料理:シチュー
パイロット能力:93(凄い)
乗機:ペジュレヴァリエ

決闘成績:1勝1敗0引き分け

[6 チグハグ君 23/09/01(金) 21:31:06]

名前:ジェイソン・サダルメリク
愛称:ジェイス
学年:2年生
学科:パイロット科
性別:男
所属寮:シュネー寮(役員の家族)
一人称:「俺」
身長:164cm
容姿:113(超絶イケメン・めっちゃ女顔)
髪色:銀
瞳の色:紫
身体能力:99
コミュ力:100
協調性:93
パイロット能力:66
性格の良さ:70(善性よりだが完全な善人ではない)
備考:人形のように可愛がられてきたため、本当に信頼できる人間がおらず孤独だった。チグハグ君は初めての友達

チグハグ君の友達。とんでもないバカで頭のネジが飛んでいるが、ティガーを真っ直ぐ褒めてくれる数少ない友達の1人。ティガーからの好感度も高い

とてもバカ

[7 チグハグ君 23/09/01(金) 21:32:10]

アルゴス・ジェミニィ

チグハグ君の精神が強いダメージを受けた時に現れたもう一つの人格
基本的に紳士だが、どこか憂いを帯びていてミステリアス
その言動には謎が多く、本人曰く「パーメットの揺らぎが見せた一瞬の夢」
戦闘面に関しては前に進みながら回避する攻撃的な戦闘スタイルをとっていたチグハグ君とは異なり、とにかく敵の攻撃を交わしながら的確に敵の急所を撃ち抜くカウンタースタイルへと変化している
チグハグ君との入れ替わりには「チェンジ・スイッチ・オン」という必要がある

[8 チグハグ君 23/09/01(金) 21:48:50]

アルゴノーツの仲間達

メデイア・コギタティオ
ベネリットグループ外の医療機器メーカーのご令嬢。ジェイスの許嫁であり、アルゴデッセイ号、アルゴノーツの名付け親。副艦長的なポジションでもあり、作戦立案等も担当している

マンフレート・ティピュス
アルゴデッセイ号のメイン操舵士。アスティカシアのメカニック科3年であり、操舵技術は学園トップクラス。フェンシングも得意でついた渾名は「マッハバロン」

ヨハネス・エルギノ
アルゴデッセイ号の広報担当。アスティカシアでは経営戦略科の1年生。古い縦型カメラを愛用しており、1年生ながら新聞部のエースでもある。同じ経営戦略科のリリッケのことがちょっと気になってる

エオリネ・オルフェア
アスティカシア学園経営戦略科1年生。アルゴノーツの音楽担当であり、大抵の楽器の演奏ができるが得意なのはアコーディオン

オペ子
間延びした声が特徴的なアルゴデッセイ号のブリッジクルーその1。緊張感のない雰囲気はあるが、かなりの敏腕でオペレーターとしての能力は高い。メデイアとはよき女子友達である

ポイちゃん
アルゴデッセイ号のブリッジクルーその2。オペ子からヤバ目な仕事を投げ捨てられる苦労人ポジではあるが、本人は逆境に立たされると普段の数倍のスペックを引き出せるタイプなので意外と理にかなっていたりする　

女将さん
アルゴデッセイ号のご飯担当。風体はザ・食堂のおばちゃんだが、れっきとした学生である。料理のバリエーションが豊富であり、腕前はティガーと互角かそれ以上

リップ・プロノイア
INNの女性記者。グリムイアを救ったアルゴノーツに興味を持ち、アルゴデッセイ号へ乗船。船ではみんなを見守る大人の1人として、暴走しがちなメンバーにお灸を据える役割を担っている

フローレス・パイエン
アルゴデッセイ号の船医。落ち着いた性格であり、思春期特有の悩みを抱えがちなアルゴノーツのメンバー達のメンタルケアも行っている。ちなみに三十路で恋愛経験はない

[9 チグハグ君 23/09/01(金) 21:49:46]

<その他>

機体のオリジナル設定、合いそうな曲、提案お待ちしています

採用されるかは確実なことは言えませんが大いに参考になります

機体設定はスレ主の監修を得て採用されるかもしれません

[10 チグハグ君 23/09/01(金) 21:51:42]

あらすじ

突如、難民キャンプへと現れた巨大なホバーモービルを駆る「オルレア」とその代表らしい聖女「ソテイラ・ヴァンサンク」
彼女達を追うように現れた武装集団を鎮圧すると、ティガー達は彼女に導かれるように、彼女達の本拠地「マイティベースへと招かれるのだった」

[11 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 21:55:57]

お久しぶりです

[12 チグハグ君 23/09/01(金) 22:07:34]

ソテイラ「さぁさぁ、こちらはどうぞ!」

ソテイラに案内され、食卓へと座るティガーとジェイス

周りにはアルゴノーツのメンバーや見知らぬ顔の人間も多くいた

ソテイラ「それでは、神の与えてくださった恵みと今日1日生きられたことへの感謝と共に…いただきます」

ソテイラの唱和と共に皆飯へとかぶりつく

豆料理と保存の効きそうな硬いパンという質素な食卓ではあったが、不満を漏らすものはいなかった

dice1d3=1 (1)

1.チグハグ「いいんですか？ご飯いただいても？」

2.ジェイス「これ結構美味いな…なぁティガーこれ、作れそうか？」

2.ジェイス「…なぁーんで棺桶野郎達まで一緒に飯食ってんだ？」

[13 チグハグ君 23/09/01(金) 22:27:47]

チグハグ「いいんですか？その…地球だと食糧手に入らない事もありますし…」

ソテイラ「心配ありませんわ。確かに今日は缶詰主体ですけれど、基本は自家栽培ですので」

さぁどうぞどうぞと勧めてくるソテイラの圧に負け、豆料理を口に運ぶティガー

チリビーンズっぽいそれは香辛料がよく効いていて、パンの付け合わせには最適だった

会話内容

dice1d3=1 (1)

1.オルレアってなに？

2.なんで同じ食卓にさっきのMS乗りの奴らがいるんだ

3.なんで敵が来るってわかったんだ

[14 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 23:21:20]

地球ってのは面白いところだな···

[15 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 23:43:39]

おー良かった、エタってなかった

[16 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 23:48:45]

マッテマシタァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぃあああああありがとう

[17 チグハグ君 23/09/02(土) 08:07:12]

チグハグ「ちょっとした疑問なんですけど、オルレアってなんなんですか？」

ソテイラ「ふふ…では、私が説明しますわ」

ソテイラ「私たちオルレアはいわば人助け集団。地球各地で頻発するテロや戦争、そういったものに巻き込まれてしまった人達の救助や支援、停戦の仲介なんかもやっていますわ」

チグハグ「なるほど」

ソテイラ「詳しく話すとどこまでも続いてしまいますけれど…他に知りたいこととかありますか？」

dice1d3=3 (3)

1.ジェイス「なんでアンタは聖女って呼ばれてんだ？」

2.メデイア「私たちはスペーシアンですがいいのですか？」

3.リップ「目的は分かった、でも設立理由が知りたいのよね」

[18 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 08:41:23]

ありがとう...
続けてくれてありがとう!

[19 チグハグ君 23/09/02(土) 09:20:02]

なんとなーくの納得をする学生メンバー達であったが、大人であり記者でもあるリップは組織の原点の説明を求めていた

リップ「どれだけ良い顔をしていても、動機が悪いならどこかで綻びが出るものなのよ」

ソテイラ「それは…」
？？？「それについては私からご説明させて頂きます」

ソテイラを遮るように会話へと登場した青髭を生やした男は、礼儀良くぺこりと頭を下げる

ジルド「私はこの独立救援組織『オルレア』にて副代表をしております、ジルド・ペローと申します。以後、お見知りおきを」

ジルド「それで、あなた方が知りたいのは我らオルレアの設立理由でしたかな？」

リップ「えぇ、懇切丁寧に聞かせていただきましょうか」

ジルド「えー、こほん。それでは、学生の皆様にもわかりやすいよう、噛み砕きながらお話しさせていただきます」

[20 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 09:48:19]

人助け集団か…アルゴノーツと似てる？

[21 チグハグ君 23/09/02(土) 14:57:44]

ジルド「我々オルレアは元はなんてことない、ただの難民キャンプで働く人間の集まりでした。ただ毎日を必死に生きて、明日死ぬかもしれないという恐怖と闘いながら傷ついた人々を受け入れ続けていきました」

ジルド「しかし、あらゆる物事には限界というものがあります。私達の難民キャンプには多くの人が集まっていましたが、それ故のトラブルも多発し…さらには逃げてきた人々を狙ったテロ組織まで現れ始め、我々は絶望のどん底にいました」

ジルド「ですが神は我々を見捨てていなかった。武装グループの襲撃を受け、もうダメかと思ったその時、紫銀の機体を駆り、瞬きの間に戦場を制圧した救世主が現れたのです」

ジルド「襲撃者のMSから発生した爆炎を背に、そのMSパイロットは私たちに語りかけたのです『私の名はソテイラ・ヴァンサンク、貴方がたを救いに参りました』と。このジルド、今生にてあの時のお姿を忘れることはないでしょう…」

ジルド「そこからはまさしく、救世主にやる救済の道のりでした…難民キャンプの人員で構成された『オルレア』は各地の難民キャンプや紛争地域を巡り、問題を解決してはメンバーを増やしていきました。しかし、その道のりは険しく、ソテイラ様のお力がなければなしえなかったでしょう…！」

ジェイス「お、おう……」

熱の入った説明に若干引き気味になるアルゴノーツの面々。大言壮語な表現とともに紹介されるソテイラであったが、慣れているのか表情を変えることはない

リップ「なるほどね、圧倒的なカリスマ、リーダー性を持った一個人をトップとして崇め奉ることにより成り立つ組織。典型的な急進的、急拡大した組織にありがちな構図だわ」

[22 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 16:39:37]

うーむ･･･怪しさが拭いきれない･･･

[23 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 19:23:54]

そもそもソテイラはんの出自がわからん以上安全性に欠けるなぁ

しかしあのガンダムやっぱカッケェな
初めてスレに貼られたときは緑だったから
チグハグくんの機体かと思ったけどこんな形で登場するとは

[24 チグハグ君 23/09/02(土) 20:06:27]

ジェイス「それって何か悪いのか？」

チグハグ「悪いってわけじゃないと思うよ？ただ…」

リップ「そういう組織は大抵の場合、無理が祟って綻びが生まれて腐って死ぬものなのよ」

事情をよく分かっていないジェイスに説明するティガーやリップ、そんな彼らの会話にコホンと咳を一つついてジルドが割り込む

ジルド「我々はそのような下品かつ下劣な組織ではございません。我々の組織方針はソテイラ様のご意志。そしてソテイラ様は神の声を聞くことのできる御方、その言葉は神の言葉となります。故に我々は人を救うことを正義とし、赦すことを信条とするのです」

チグハグ「赦す……？」

ジルド「えぇ、オルレアは戦う組織ではなく救う組織です。救いとは救心であり、赦し。例え罪を犯しても、赦しやり直す機会を与える、憎むのではなく手を差し伸べるそれが我々の目指す救済です」

チグハグ「……本当なんですか？ソテイラさん」

ソテイラ「えぇ、私達は憎み合いではなく赦し合いを望む人々の集まりですから」

ジェイス「なーんか、俺たちみてェなことやる奴なんているんだな、意外だわ」

[25 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 20:45:37]

???「俺たち？なんだ若造どもお前らも俺らと同じく口か？」

ジェイス「同じ…？俺はアンタらと違ってそんな髭ボーボーじゃねぇぞ。あと若造じゃなくて『アルゴノーツ』アンタらみたいに立派な名前があんのよ俺らにも」

???「ほう、アルゴノーツ…あぁ！知っているぞ!宇宙と地球を流離う人助け学生集団ってINNのニュースにも出てたなぁ！なるほど、それなら同業者だ」

チグハグ「知ってるんですか？」

???「知ってるさ、若いのに大したもんだと感心したもんよ」

そう言うとタンクトップの筋肉男が立ち上がり、こちらに手を伸ばしてきた

ジャック「俺はジャック・ライル！よろしくなぁアルゴノーツの若造ども!」

[26 チグハグ君 23/09/02(土) 21:25:51]

一通りの自己紹介を終えたところで、その日の夕食はお開きとなりアルゴノーツ各員は寝床へと戻ることになった

さて夜も深まりティガーは

dice1d3=2 (2)

1.マイティベースの風呂に入っていた

2.やっぱりペジュレヴァリエのメンテをしていた

3.ベッドに潜って携帯端末をいじっていた

[27 チグハグ君 23/09/02(土) 21:40:20]

今日も今日とてティガーはペジュレヴァリエのメンテをしていた
最近は地球での戦闘にも慣れてきて(学園が地球環境に酷似していたのもあるが)関節に余計な負荷をかけることもなくなり日に日にメンテ箇所も少なくなっていた

「まぁでも、自分がどうこうってより、相棒強くなりすぎだよ…」

ペジュレヴァリエのスペックはそれまで使用していたハイングラとは比べ物にならないもので、特に関節周りはティガーの動きに十二分に耐えられる特注のものが作られており、おそらく全力のマニューバでも傷一つないだろうなとティガーに思わせるほどである
そんな一気に強くなったペジュレヴァリエに、ティガーは置いて行かれているような気分になっていた。小さい頃から一緒にいた友達が急に変わって戸惑う、そんな気分であった

「今度会うときはお互い強くなろうって約束したのになぁ…なんか自分だけ、弱くなっちゃったみたいだ」

そんなティガーのぼやきにペジュレヴァリエは応えることはない。だが、小さな相棒の不安からくる内心の吐露をその大きな体で受け止めていた

[28 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 22:00:38]

とはいえチグハグ君の戦い方って防戦的な感じだから全力で攻撃に転じたらどうなるかわからないところだ

[29 チグハグ君 23/09/02(土) 22:10:49]

自分への不満をボヤきながらもメンテを進めるティガー

dice1d3=3 (3)

1.盛大に何も起こらずコックピットで寝落ち

2.何か物音が……？

3.コックピットでハロと一緒にシステムチェック

[30 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 22:30:58]

ペジュレヴァリエにはまだ不明なシステムが多い感じよね

[31 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 22:36:01]

>>28

率先して戦おうとすること自体すくないからね

一応戦闘スタイルは攻撃的なんンだけど

[32 チグハグ君 23/09/02(土) 22:46:50]

ハロ『システムチェックチュウ！No.7セクションクリア！チェックケイゾク！』

チグハグ「よし、今日はNo.13までチェックしたら終わりにしようか。ハロ、こっちはCQCコードの方を見ておくから13までよろしくね」

ハロ『ラジャー！ラジャー！』

ハード面のチェックを終わらせたティガーはハロと共にシステム面のチェックを行っていた
毎日何をそこまでいじる必要がと思う人間もいると思われるが、彼らMSパイロットにとっては大事なことなのだ。メンテや稼働によって機体の状況は日々少しずつ変わっていく。その変化に対応するためにシステム面の調整は欠かせない
─とは言っても、毎日のように新機能染みたものを搭載し続けているティガーはそれはそれでおかしいのだが

「……あー、なんか今日はいつにも増して疲れたな」

時刻はすでに0時を回っており、マイティベースの格納庫には静寂が広がっていた

ハロ『ツカレニハコイツダ！コイツダ！』

気を利かせたハロによりペジュレヴァリエの全天周囲モニターに光が灯り、画像表示モードとなる
そしてコックピット一杯に映る──サビーナの画像が

チグハグ「ちょいちょいちょいちょい！！何やってんだハロ!！」

ハロ『ハロ？ティガーツカレタトキトヘコンダトキハイツモコレミテル！ミテル！ミテル！』

チグハグ「いやっ…違っ違うからァ ！！」

[33 チグハグ君(今夜の最後) 23/09/02(土) 22:51:44]

<もっと分かる！ワード解説>

ティガーは大切なものを形として残さない

ティガーは綺麗な景色、好きだと思った物、ずっと覚えていたいと思ったことは、写真に撮ったりノートに書き留めたり等の物に残しておくことは少ない

その代わり昔から記憶力が無駄にいいので、そういう心に残った物はずっと覚えている

最近はそう言う大切なものがよく増える

[34 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 23:02:23]

なにやってんだぁ！？！？！？
つーかどっから写真もってきた！？

[35 二次元好きの匿名さん 23/09/02(土) 23:19:36]

>>34

普通に撮ったのでは？ファンクラブみたいのあるっぽいからジェイスに頼んでそこから入手した可能性

[36 二次元好きの匿名さん 23/09/03(日) 07:01:23]

保守

[37 チグハグ君 23/09/03(日) 10:56:12]

ハロ『コウフクブッシツゾウカヲカクニン！ティガーリラックス！リラックス！』

チグハグ「だ！か！ら！」

ハロ『デモティガーハサビーナスキ！スキ！ホントウハイマスグアイタイ！』

チグハグ「……………」

ハロ『ティガーレンラクスル？スル？』

チグハグ「いや、大丈夫だよハロ。今は夜遅いしそれに…目を逸らしてるのも分かってるから…」

ティガーはコックピットで1人、ハロを撫でながら憂いを帯びた表情で微笑むのだった

[38 チグハグ君 23/09/03(日) 17:10:47]

─それから数時間後

ティガーはペジュレヴァリエのコックピットで目を覚ました。モニターを見ればNo.13セクションまでのチェックは終わっており、ハロもスリープモードに入っていた
仕事終わりのハロを起こさないよう慎重にコックピットから出ると、足音に注意して格納庫を後にする

昨日、ジルドから貰ったマイティベースの電子地図と基地内の至る所に吊るされている案内板を頼りに、外へ向かう
手早くやるなら格納庫のドアを使えばいいのだが、開閉機構部分の錆びつき具合を見て、どう頑張っても音が出ると迂回ルートを取ったのだ
10分ほど歩き続けると、ついに外へ出るためのドアにたどり着いた。非常用と張り紙が貼られているが、警報装置の類や特に火災防止用の設備も見受けられないので、構わずドアノブを回し、外へ出る

扉の先にはまだ日の昇り切っていない、朝焼けの空が広がっていた
少し冷たい空気を肺いっぱいに吸い込めば、酸素が全身へと行き渡り気分がリフレッシュされる。常に気温が一定に管理され、カルキ臭い空気の漂うフロントでは味わえない、地球だからこその贅沢だ

そのまま体をほぐすために体操をしていると、何かの駆動音のような音がティガーの耳に届いてきた。MSのもののような気がするが、スラスターを蒸す音も地面を闊歩する足跡も聞こえない
不思議に思い、音の聞こえる方へと行ってみることにした

[39 二次元好きの匿名さん 23/09/03(日) 17:57:09]

アドステラのハロってすごい高性能というか便利だよね

[40 二次元好きの匿名さん 23/09/03(日) 19:10:01]

>>39

色々なアタッチメントがある感じよね、まあその分ドローン戦争のアレさが垣間見えるけど

[41 チグハグ君 23/09/03(日) 20:15:31]

音のする方──マイティベースのある山を沿うように歩いていくと、開墾された広い土地が広がり始めた
獣避け用のネットや金網で囲われ、価格された土地には木々が規則正しく立ち並び、ビニールハウスも何棟か建っていた

ソテイラの言っていた自家栽培の言葉が嘘ではないことをこの畑たちが示していた
それにしても立派なものである。このレベルの土地の開墾なら相当な数の人員が必要になりそうなものであるが、オルレアのメンバーはアルゴノーツよりは多いといえ、彼らの普段の仕事を考えれば足りなそうなものだが

そんな疑問はすぐに解決することになる

畑を奥へと歩き続けていると、目的の音へと近づいている証拠にどんどんと音が大きくなっていた
ビニールハウスの間を抜けると、その存在が遂に姿を現した

「よいっしょぉ！！…よいっしょぉ！！」

そこに人の姿はなかった。その代わり…

チグハグ「ガンダムが…農作業してる……！？」

あの紫銀のガンダムが大きなクワを持って畑を耕していた

[42 チグハグ君 23/09/03(日) 21:37:26]

唖然とするティガー

それもそのはずだ。本来戦うための道具であるMSが戦いとは真逆にある農具を持って畑仕事をしているのだ。しかもそれをやっているのがガンダムとあっては驚きが2重にも3重にもなるのだ

ソテイラ「む？あれは…」

びっくりして口を塞げないティガーに気付いたのかガンダムが農作業をやめて、こちらへと近づいてくる

ソテイラ「これは！ティガー・ハグラさんですよね！おはようございます。朝はお早いのですね！」

ご丁寧に愛着をするソテイラ。MSの顔からパイロットの表情は推察できないが、声の感じからして昨日のような朗らかな感じに見える

ティガー「あの…ここで何やってるんですか!」

ソテイラ「何って、畑仕事ですわよ!」

それは言われなくても分かる

ティガー「あー…そうじゃなくてdice1d3=3 (3) 」

1.なんで農作業にガンダム使ってるんですか？

2.聖女様なのに畑仕事するんですか？

3.そんな大きなクワで何してるんですか？

[43 二次元好きの匿名さん 23/09/03(日) 21:55:55]

なんなんだろうな･･･良いことしてるっぽいのにGUND-ARMってだけで胡散臭く思えてしまうのは

[44 チグハグ君 23/09/03(日) 22:13:35]

ソテイラ「これですか？これは畑を耕す用でしてよ！」

チグハグ「いや、それは分かるんですけど、なんでMSつかってるんですか？」

ソテイラ「なぜMSを…それは簡単、そっちの方が楽で早く終わるからですわ！畑仕事はなるべく暑くならない時間に始めて、なるべく短時間ですませるのが最も効果的。MSは人にできない力を出せますし、意外と繊細に使えますのよ？」

そういう彼女のガンダムはやはり"腕"のシェルユニットのみが光を放っていた。とはいえ、シェルユニット自体はさして珍しいものでもないので、あれがガンダムだという絶対的な証拠はまだない

全くの未知の機体を数多さえ畑仕事に用いる。ティガーから見てみればソテイラと紫銀の機体は怪しさ満点であった

ソテイラ「大地も生き物ですからこうして掘り返して酸素を循環すると、もっといい土になるのですよ!」

そう言いながら、ソテイラは再び作業を再開した。その姿は聖女というよりは農家の娘そのものである

[46 二次元好きの匿名さん 23/09/03(日) 23:44:45]

ソテイラさんほんとに神の声聞けるのかな…
見た限り活発なお嬢様って感じしかしないが…
でも人のために動ける、一生懸命になれるっていう面でチグハグ君に似てる？

[47 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 07:43:14]

しかしこのガンダムもどこで入手したのか

[48 チグハグ君 23/09/04(月) 08:26:50]

口をポカーンと開けて呆然としていたティガーであったが、こんな朝早くから農作業をしている人間をただ見ているような性分ではなく…

チグハグ「自分にも手伝えることなんかありますか？」

数分後にはペジュレヴァリエを持ってきていた

ソテイラ「えぇ！もちろんですわ！」



日が昇り始めた午前7時ごろ、物音を聞きつけた人であったり、日課のために外に出てくるそこそこの人間の中にジェイスもいた

ジェイス「なんでアイツMSで土いじりしてんだ…？」

そして案の定、MSで農作業をするティガーとソテイラの姿を見て口をポカーンと開けるのだった

[49 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 11:44:37]

>>46

天からのお告げ→宇宙からの通信かもしれん

[50 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 11:44:57]

>>48

Live With The Earth, Sleep In The Earth(地球と共に生き、地球で眠る)

[51 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 15:20:50]

保守

[52 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 19:26:24]

もう19話まで来たのか
本編だと次で学園壊滅&シャディク御用だが果たして…

[53 チグハグ君 23/09/04(月) 19:52:52]

─昼下がり

チグハグ「スレッタさんが負けたぁ！？」

昼食を食べ終え、片付けを行なっていたマイティベースの食堂にティガーの驚きの声が響いた

ヨハネス「ちょっ…驚きすぎですよ先輩」

チグハグ「いやいやいやいや！スレッタさんが負けるとかどうやったら負けるのさ！相手は？シャディク先輩？…は総裁選として、エラン先輩は一応株式会社ガンダム所属だし……え？あといる？」

ヨハネス「それが…グエル・ジェターク先輩が勝ったと」

チグハグ「グエル先輩！？」

再びティガーの声が響き渡る

チグハグ「グエル先輩なら…いや、グエル先輩でも相当厳しいと思うけど……」

ヨハネス「それが、どうもミオリネ・レンブラン先輩と裏で繋がっていたようで、スレッタ・マーキュリー先輩を策に嵌めてホルダー権限を奪い返したみたいなんです」

チグハグ「……はい？」

ヨハネス「しかも…ほらこれ見てください『WHO THE NEXT KING』って見出し。どうやら先輩方総裁選に出るみたいですよ」

チグハグ「へー……あ、シャディク先輩の記事あるじゃん、あとでこれ読ませてもらえる？」

ヨハネス「いいですけど…ミオリネ・レンブラン先輩のことは気にならないんですか？」

チグハグ「いや、別に仲良くもなんともないしさ、むしろあの人は自分のこと嫌いだと思うよ『ボランティアのうちはいいけどこれにかこつけて恩を売ろうとしたら許さない』ってどやされたし……」

[54 チグハグ君 23/09/04(月) 20:03:08]

>>53

[55 チグハグ君 23/09/04(月) 20:13:49]

そう語るティガーはどこか寂しげな表情で笑った

ヨハネス「先輩は以前、経営戦略科に在籍しているとお聞きしました。もしかしてそこで何かトラブルがあったんですか？確かにあの人は苛烈な性格ですけど先輩みたいな優しい人を嫌うなんてよっぽどですよ？」

チグハグ「いやあくまで僕の感じてる事だから本当に嫌ってるかはわからないよ…それに、最初に嫌いだったのはむしろ自分の方だから」

ヨハネス「えっ…？」

チグハグ「まぁ諸事情があってね昔は地球に逃げようとするミオリネ・レンブランの事、理由も知らないくせに嫌いだったんだ。ほんと笑っちゃうよね相手の立場になんて立つこともせずただ一方的に嫌うとかさ」

ヨハネス「今は違うんですか？」

チグハグ「まぁね色々と経験して、友達とか優しい先輩が出来てちょっと余裕ができてさ、そうしたら思うようになったんだ、あぁこの人もきっと独りぼっちで寂しくてそんな状況をどうにかしたかったのかな、って思ってさそしたら嫌いになれなくなっちゃった」

ヨハネス「……やっぱりティガー先輩って」

チグハグ「？」

ヨハネス「超甘ちゃんですよね」

盛大にズッコケた

[56 二次元好きの匿名さん 23/09/04(月) 20:31:53]

もうグエルはアス校に帰還してたか
地球で遭遇するルートは消えたね
まぁ学園出てからそれなりに経つし学園出たのはランブルリングの時だし

[57 チグハグ君 23/09/04(月) 21:54:10]

チグハグ「甘ちゃんって…自分そんなにかなぁ？」

ヨハネス「先輩が自覚してる数億倍は甘ちゃんですし、優しすぎると思いますよ。…まぁここにいる人はそれにどうこういう人達じゃないですけど」

後輩から思っても見なかったことを言われショックを受けるティガー
そんな2人の元へと人影が忍び寄る

ジェイス「よぉ、さっきから総裁がなんとかなーに話してんだ？」

バカがやってきた

ヨハネス「総裁選の話ですよ、船長。今度の総裁選にうちの学校からシャディク・ゼネリ先輩と、ミオリネ・レンブラン先輩が立候補するらしくて」

ジェイス「へー…で、その総裁選ってのはなんだ？」

チグハグ「えぇ…ジェイス、ニュース見てないの？」

ジェイス「見てるぞ、そっち系は見ないが」

ヨハネス「はぁ…では、僕が説明しましょう」

[58 チグハグ君 23/09/04(月) 22:34:32]

ヨハネス「えー、まず僕たちが所属しているベネリットグループは本社の統括役である総裁の集権的管理の元自治が行われている組織ということはわかりますか？」

ジェイス「あー、要は総裁が1番偉いってことだろ？」

ヨハネス「それで大丈夫です。この総裁というのがミオリネ・レンブラン先輩のお父様であられるデリング・レンブランさんな訳なのですが、先日のプラント・クエタテロによってデリング・レンブランさんが総裁の業務を行うことが困難になりました。こうなるとリーダーを失った巨大組織という破滅待った無しの状態になってしまうので新しいリーダーを決めよう!っていうのが総裁選です」

ジェイス「あー、なんとなく分かったわ」

チグハグ「(絶対わかってない奴でしょジェイス……)」

ヨハネス「そしてこの総裁選にシャディク・ゼネリ先輩とミオリネ・レンブラン先輩が立候補してるってわけですね。まぁ、候補者はこの他にもたくさんいたんですが…」

ジェイス「いた…？まるで消えたみたいな言い方じゃねぇか」

ヨハネス「そうなんです。これが今回の総裁選での不可思議なことで、総裁選の立候補者が次々に参加を辞退、もしくは不慮の事故で亡くなっているんです」

[59 チグハグ君 23/09/04(月) 22:51:56]

チグハグ「それは自分も知ってるよ。でもあれって最近問題になってる未確認のデブリによるものとかって結論づけされてなかったっけ？」

ヨハネス「はい、僕も最初はそう思ってたんですけどね。でもリップさんが言うには「真実は人が冗談だと思いたくなるようなことに隠されている」と言っていたので、ある程度の目星はつけておきたいなと」

ジェイス「あァん？なんのことだ？」

チグハグ「ヨハネス君君は……一連の候補者絡みの事件を起こしたのがシャディク先輩だって考えてるの？」

ヨハネス「…あくまで可能性ですけどね。もうまともな候補者も残っていないこの状況、1番に得するのは誰かというのを考えた時思い浮かぶのが彼ってだけです」

チグハグ「……………」

ジェイス「まぁなんだ、ようは都市伝説じみた変な噂も出るくらいキナ臭い事やってるって事だろ？」

ヨハネス「その認識で大丈夫です。…ただ、その立て続けの事故や未確認デブリによる損害確認なんかもあるらしくて、まだ決まるのは当分先になりそうですけどね」

[60 二次元好きの匿名さん 23/09/05(火) 01:53:18]

先輩が暗躍してるかもしれないって
ついに言われちゃったな…

[61 チグハグ君 23/09/05(火) 09:26:43]

ジェイス「まぁでも頭が変わったくらいでどうこう……ん？待てよ…今までオッサンがリーダーやってたのに俺たちと歳の変わらねェガキがリーダー新しくやるとか結構マズくねェか？」

ヨハネス「マズいかマズくないかで言えば、マズイですねはい」

ジェイス「だよなァ！…そうなると俺たちに金出してくれてる会社も危ねェんじゃねェのか？」

ヨハネス「その点については心配ないですよ。リップさんのおかげでINNともコネクションありますし、ウチの1番のスポンサーはもう脱退決め込んでますからね」

ヨハネスが持つタブレットには『ガリバーズフロンティアパイオニリング ベネリットグループ脱退を表明！』とデカデカと見出しに書かれていた

ジェイス「へー、んってことは金の問題は気にしなくていいってことだな！」

ヨハネス「まぁ当分はそんな感じの認識で大丈夫だと思いますよ。ただまぁ組織を長期運用するなら、既存の企業の管理下に入るなり、会社として立ち上げてそこ所属にするなり何かしらの対策しないとすぐに火の車になってオジャンですよ」

ジェイス「そこんとこは後から考えるわ。当面の事と他んとことの調整は俺の得意分野だからな」

ドヤ顔でキメるジェイスを心底冷えた目で見つめるヨハネスであったが、実際この組織のメンバーリストは彼の顔の広さと人脈無しでは完成していないので何も言えなかった

人脈が無駄に広いバカは強いのだ

ジェイス「dice1d3=2 (2) 」

1.んじゃ、午後の作業始めっかァ！

2.どうしたんだよティガー、そんな深刻そうな顔してよォ

3.にしてもさ、ガンダムって何処にでもあんだな

[62 二次元好きの匿名さん 23/09/05(火) 17:49:54]

>>60

まあ薄々気づいてたかもしれないけどね

[63 チグハグ君 23/09/05(火) 20:24:00]

ジェイス「どうしたんだよティガー、そんな深刻そうな顔してよォ」

辛気臭い顔のティガーにジェイスが肩に肘を乗せ聞いてくる

チグハグ「いやなんでもないから、本当になんでもない」

ジェイス「……そっか、分かった。よーしそれじゃァ俺たち先に行ってっから気が済んだら来いよー」

そう言うとジェイスはヨハネスを引き摺ってその場を離れていった

ヨハネス「ちょっ…船長！いいんですか？ティガー先輩絶対悩み事抱えてますって！」

ジェイス「いいんだよ。こうするのがあいつのためだ」

ヨハネス「いや流石に放置はダメですって」

ジェイス「ティガーはなァ、底抜けに優しいからなァ…あァいうタイプはあまりガツガツ行くと逆に悩みを内側に閉じ込めちまうんだ。だから、待つのが1番ってな!」

ヨハネス「僕は1番いい方法じゃなくても、悩みを聞いてあげるほうがいい気がしますけど」

ジェイス「ま、そんときゃそん時だ。手遅れにならねェようにだけは注意してだからな…」

[64 チグハグ君 23/09/05(火) 20:57:54]

午後からの作業の内容

dice1d3=2 (2)

1.出撃！

2.お掃除

3.避難民を別の難民キャンプまで移送

[65 二次元好きの匿名さん 23/09/05(火) 21:11:09]

ティガーからすれば先輩は自分をパイロット科に誘ってくれた恩人だからな
どんな気分だろう…
アルゴスは記憶を共有しないのかな

[66 チグハグ君 23/09/05(火) 21:25:38]

ジルド「それではみなさん、先の出撃でついた汚れをきっちりと落としますよ！」

ジルドの号令と共に大掃除が始まった
やる事は昨日の出撃で使用した機材の泥汚れなんかの清掃だ
ちなみにこれに乗じてアルゴノーツはアルゴデッセイ号の掃除をする事にした

ジェイス「やーそんなに長い時間乗り回してないつもりだったが、結構汚れるもんだなぁァ」

メデイア「それはジェイソンさん達がちゃんと片付けをしないからでしょう？船長なんですから模範的行動を心がけてください」

ジェイス「わかってますよーだ」

ジェイスはメデイアに軽口をたたきながら艦内の清掃をしていた。最初はブリッジに始まり、廊下に食道、風呂場にトイレと全員で分担しながらアルゴデッセイ号を綺麗にしていく
もはや彼らにとってもう一つの家のようになってきている船は結構な汚れが溜まっており、洗うのも一苦労になりそうだ

ジェイス「たくよォ、俺はこんなちまちましたのじゃなくてもっとガーッてやりてェんだよ！」

チグハグ「まぁそう言わないで。ブリッジ周りのこと1番よくわかってるのは船長のジェイスでしょ？」

ジェイス「おだてても不満は変わんねぇからな!」

不真面目な船長を覗き込むペジュレヴァリエのコックピットのティガーに、ジェイスは悪態をついて返すのだった

[67 二次元好きの匿名さん 23/09/06(水) 00:48:37]

今の所何も起こってないが･･･

[68 二次元好きの匿名さん 23/09/06(水) 08:52:01]

保守

[70 チグハグ君 23/09/06(水) 18:33:13]

ちなみに主要メンバーの掃除力(家事含む)はどの程度なのか

(参考:ミオリネ=5/100)

チグハグ:dice1d100=46 (46)

ジェイス:dice1d100=57 (57)

メデイア:dice1d100=79 (79)

マンフレート:dice1d100=26 (26)

(番外)

シャディク:dice1d100=32 (32)

サビーナ:dice1d100=31 (31)

レネ:dice1d100=1 (1)

メイジー:dice1d100=27 (27)

イリーシャ:dice1d100=16 (16)

エナオ:dice1d100=100 (100)

[71 チグハグ君 23/09/06(水) 22:13:58]

ジェイス「第一、掃除ってんなら部屋の綺麗さ的にティガーより俺のが出来るだろ？」

チグハグ「ゔっ…それを言われると反論がないな…」

ジェイス「だろ？ってことで俺もティガーと一緒にカノネーネブルクで外の掃除……」

適当な言い訳を見繕ってこの場を後にしようとするジェイスの首根っこをメデイアが捉えた

メデイア「私に言わせればジェイソンさんもティガーさんも掃除の練度はどんぐりの背比べレベルです。それに、不要な人員を割く必要性はありませんから、はい！ちゃんと掃除してください」

ジェイス「えぇー！ちょっとはいいじゃんかさぁ！なぁ、マンフレート先輩」

マンフレート「えっ！？お、俺に質問振るのかい？……まぁ、今後のためにも尻には敷かれ慣れておくべきだと思うよ、うん」

ジェイス「誰も味方がいねぇ！！」

ブリッジにジェイスの情けない悲鳴が響いた

[72 二次元好きの匿名さん 23/09/06(水) 22:18:44]

レネさん！？

[73 二次元好きの匿名さん 23/09/07(木) 08:10:21]

こう男どもが軒並み低いのがリアリティあるな

[74 二次元好きの匿名さん 23/09/07(木) 08:58:02]

エナオの100もすげぇ

[75 二次元好きの匿名さん 23/09/07(木) 18:49:11]

保守

[76 チグハグ君 23/09/07(木) 21:29:09]

渋々諦め、掃除に戻るジェイス。だが、その視界の端にあるものを捉えていた

ジェイス「聖女様ってやつ？まーだガンダム乗ってらァ 」

ジェイスの指さす先には廃材の入ったコンテナを器用につまんで持ち上げるガンダムの姿があった
ガンダムを危険なものとしてそれの撲滅を目標に掲げているアルゴノーツの面々にとっては目の前の光景は奇怪にすぎた

メデイア「かなり日常的に搭乗なされてますが、身体への影響はないのでしょうか…？」

チグハグ「確実にあるはずなんだけど…どうもそういう素振りはないしなぁ…」

ジェイス「あれじゃねェの？普通のガンダムとは違うってやつ。俺たちの船の大事な格納庫を占拠してやがるあのデブガンダムとかもう一体の短足ガンダムとは違って完全に無害ってやつ」

箒に頬杖をついて分かりやすく不機嫌になるジェイス
どうやら彼もガンダムには思うところがあるようだ

[77 二次元好きの匿名さん 23/09/07(木) 22:04:39]

ウルは鹵獲したんだっけ
デブってジェイスお前…キャラ被るからって…
いうほどデブかあれ？

[78 二次元好きの匿名さん 23/09/08(金) 01:05:09]

保守

[79 二次元好きの匿名さん 23/09/08(金) 07:37:51]

マジで日常的に使ってるんだなガンダム

[81 チグハグ君 23/09/08(金) 16:18:48]

ジェイス「あ、デブガンダムで思い出したわ。俺らの学校襲ったあのチビはどうなってんだ？まだ寝てんのか？」

フローレス「それについては私から説明しよう」

ジェイスの疑問に答えるように、ブリッジのモニターが医務室のカメラと繋がる。どうやら、ジェイスたちの話し声は艦中に聞こえていたようだ

フローレス「まず彼女の名前だが…」

ジェイス「知ってるよ、ソフィ・プロネだろ？一応この船に乗ってる人員と積み込んでる荷物の名前くらいは把握してらァ 」

フローレス「流石だね船長くん。では簡単に彼女の容態の説明に入らせてもらう」

モニターには数日ごとの彼女のバイタルと身体データの図が表示された

フローレス「彼女がこの船に来た時、かなり重度のデータストーム汚染による体内の情報熱学的エントロピーの増大があった。簡単に言えば身体の中から火炙りにされているような痛みとダメージがあった」

ジェイス「ヒェ……それってつまり、内側からジュージュー焼かれてるってことだよな？人間ステーキまっしぐらじゃねぇか!」

フローレス「理解が早くて助かるよ。ガンダムに乗ってスコアを上げれば、機体から流入するパーメット量と情報量が増えれば増えるほど搭乗者の命、そして何より人間としての尊厳を破壊していく。ガンダムが禁忌とされるのはそれが理由だ」

フローレス「だから本来ならば致命のスコアへと行ってしまった彼女は死ぬはずだった。だが奇跡的に彼女のデータストーム汚染は絶命一歩手前で食い止められていた。そこからはまぁとんとん拍子とまではいかないが順調に回復してきている。予想以上に体内のパーメットの抜けが早くてね本当驚きさ」

メデイア「具体的にいつ目を覚ますなどはわからないのでしょうか？」

ジェイス「そんなん医者でもわかんねェだろ？なぁ先生？第一、目が覚めたら何すんだよ。生憎俺は尋問とかやる気はねェからな」

メデイア「それは私も同じです。しかし、彼女はテロに加担した行動犯の一人、有力な情報が引き出せれば同様の被害を食い止めることも可能なはずです」

フローレス「いつ目が覚めるかどうかの具体的な日程については答えかねる。なにせ21年前に禁忌とされ封印されたはずの技術だ。医学書も論文も同様の処置がなされて閲覧も難しい……やるだけはやってみるがね」

[82 チグハグ君 23/09/08(金) 17:30:02]

ジェイス「なぁ、言った通りだろ？人の起きる時間なんて神様にもわかんねェさ。起きたら出迎えてやりゃァ事情もポロポロ喋んだろ」

メデイア「人はそんなに単純ではないと思いますよ？」

ジェイス「単純さ。ここにその生き証人がいんだろ？」

メデイア「……例外をあたかも判例としないでください」

ジェイス「おい！それって俺が単純みたいじゃねェか！な、違うよなティガー！」

チグハグ「えっ！？dice1d3=2 (2) 」

1.あ、まぁ……はははは

2.いや、うん、素直でいいやつだと思うよジェイスは

3.そうじゃないの？

[83 二次元好きの匿名さん 23/09/08(金) 21:02:21]

言いかえたな…

[84 チグハグ君 23/09/08(金) 21:54:12]

ジェイス「だよな!だよな!ほーら見ろ！俺は素直でいいやつ!単純なんかじゃねェんだよ！」

メデイア「…………………ジェイソンさんがいいならそれでいいですよ」

ティガーにおだてられたジェイスは高笑いで天を仰ぐ。そんなジェイスを見てメデイアはため息をつくのだった

チグハグ「なんかごめんなさいメデイアさん」

メデイア「いいですよ……これでも許嫁ですし」

チグハグ「……ちょっと気になってたんですけど、なんでメデイアさんとジェイスって許嫁関係なんですか？別のグループの会社同士ですし、業務内容も違いますしとても接点があるとは…」

メデイア「接点がないからこそかもしれませんね」

チグハグ「と言うと？」

メデイア「ジェイソンさんの会社……というよりはベネリットグループ全体がここ数年業績が停滞気味です。そこでグループ外の会社と関係を強くし新しい風を吹かせたい。企業人なら簡単に考えつくことです」

[85 チグハグ君 23/09/08(金) 21:54:24]

チグハグ「なんか、会社の都合で勝手に将来を決められるのって凄く残酷ですね」

メデイア「確かに他の人から見たら残酷に映るかもしれません。でも、私はそうは思っていませんよ？」

チグハグ「え、そうなんですか？……でもどうして？」

メデイア「その理由はジェイソンさんのご友人の貴方が1番よくわかっているんじゃないですか？」

チグハグ「………あぁ、たしかに、ジェイスはいい奴ですからね。超がつくほどの」

メデイア「それに"おバカ"も付きますけどね」

チグハグ「確かに」

ジェイス「…おん？なんの話してんだアイツら」

珍しい組み合わせの会話に巻き起こる小さな笑いに内容を知らないジェイスはただただ首を傾げていた

[86 二次元好きの匿名さん 23/09/09(土) 04:26:23]

一応保守

[87 二次元好きの匿名さん 23/09/09(土) 07:46:03]

メデイアさんもジェイスのこと気に入ってるんだな

[89 チグハグ君 23/09/09(土) 11:18:22]

掃除も終わって夕暮れ時、マイティベースは夕食の準備に大忙しになっていた

なんせこの基地にはオルレアとアルゴノーツ以外にも、まだ避難先の見つからない難民達もいるのだ用意する食事の量も相当に多くなる

さて、マイティベースの厨房にはオルレアの食事係に加えティガーや女将さんをはじめとしたアルゴノーツの食堂班も手伝いをしていた

オルレアの食事係たちからの評判

dice1d3=3 (3)

1.学生にしては筋がいい

2.人手なんていくらいてもいいですからね

3.助かるわー良かったらウチで働かない？

[90 二次元好きの匿名さん 23/09/09(土) 15:22:38]

そういやドルムくんの話はどうするんだろうか、このスレに混ぜて描写する感じ？

[91 チグハグ君 23/09/09(土) 20:42:09]

>>90

(時を見て再開しますのでしばしお待ちを)

アルゴノーツの手際はオルレアの人たちから勧誘される程であり、あっという間に人数分の料理が出来上がった

ジェイス「うまそー！！えーとこれは…カレーと……なんだこれ？ソーセージ？」

チグハグ「惜しい、正解はシェフタリアっていうハンバーグとソーセージの中間みたいな奴。ちゃうど賞味期限近いアミアブラがあったし、今日は大掃除でハードワークだったからね」

シェフタリア

夏野菜カレー(甘口)

[92 チグハグ君 23/09/09(土) 22:23:14]

みんなで大きな机を囲んでの夕食
ここに来てまだ2日だがアルゴノーツの面々はすでにだいぶこの場所の空気に馴染み始めており、あちらこちらでオルレアの構成員とアルゴノーツのメンバーとで会話が弾んでいたのだった

ソテイラ「このお肉料理とても美味しいです。ティガーさんが作ったのですか？」

少し甘ったるいカレーを掬っていると、向かいの席に座っていたソテイラから声をかけられた

チグハグ「え、まぁ、はい、そうです」

ジェイス「ティガーの料理うんめェだろ？俺もよく夜食とか作ってもらってんだよ！それがどれもこれもうまくてさァ、まじ生半可な飯屋の飯なんかより断然ティガーの作った飯の方がうめェからな」

チグハグ「ちょ、ジェイス！そんな褒められるほどでもないんだから誇張しないでよ」

自信無さげに答えるティガーと、そんなティガーを見て相手にティガーのことを少し誇張気味に伝えるジェイス、そしてそれにあたふたするティガー
彼らにとっていつも通りの会話はソテイラには珍しく映るようで

ソテイラ「お二人は、とっても仲がおよろしいんですね」

ソテイラの言葉にジェイスは謎に胸を張り、ティガーもまんざらではない感じでいた

[93 二次元好きの匿名さん 23/09/09(土) 22:36:11]

腹減ってきた…

[94 チグハグ君 23/09/09(土) 22:46:55]

それにしても目の前にいるソテイラ・ヴァンサンクという少女は不思議な存在である

ティガー達と幾分も歳が変わらなさそうな外見で、神の声とやらを聞き、組織を率いて人助けをしたり、農作業をしたり、そのタフネスとエネルギーは見習うべきところがある

しかし、ティガーには引っかかるところがあった。正確にはティガーの中にいるアルゴスが、"神の声"というものについて何か心当たりがあるようだった

それが何なのかアルゴスは未だ答えてはくれないが、言いたくない事情があるのだと深入りすることはやめていた

ソテイラの外見に特に目立つものはない

強いて言えば赤茶に近いような赤毛くらいだろうか。瞳の色だって別段珍しいものでもない。本当にどこにでもいるような普通の女の子と言った容姿だった

チグハグ「dice1d3=1 (1) 」

1.スレッタさんっぽいよな……

2.普通だから特別な力が宿ったのか、特別な力を持っていても普通に見えることが大事なのか……

3.凄いですね、ソテイラさん

[95 チグハグ君 23/09/09(土) 22:55:52]

ソテイラ「スレッタ……？」

どうやらティガーの独り言は彼女に丸聞こえだったようだ

チグハグ「あ、いえ、学校の友達です、友達。ソテイラさんの赤い髪が、その友達仲間に似てるなって思って…」

ソテイラ「なるほど、そうでしたか。いきなり知らない名前を出されてばっかりしてしまいましたわ」

チグハグ「いやー、すみません」

数回頭をペコペコしてると、なんとかその話は収まった。失言した時には頭を下げるに限るのだ

それにしても、ティガーにはソテイラにどこがスレッタの香りを感じずにはいられなかった

[96 二次元好きの匿名さん 23/09/10(日) 08:07:58]

もしリプリチャイルドなら神の声も
いくつか候補上がってくるね

[97 二次元好きの匿名さん 23/09/10(日) 10:36:48]

>>96

でも仮にソテイラがレプリチャイルドならもっとスレッタにそっくりなんじゃない？似てるところ髪くらいしかない感じっぽいし

[98 チグハグ君 23/09/10(日) 11:05:45]

夕食が終わり、片付けも終わればあとは自由時間となる

みな思い思いに床につくまでの時間を過ごす

例えばある者はゲームのデイリーをこなしながらトランプに勤しんでいる

例えばある者は勉強しているところを大人達に見つかりダル絡みされている

そしてティガーはと言えば

ハロ『ダンシング！ダンシング！』

「「わぁ〜すごい！」」

ハロと一緒に避難民の子供達と遊んでいた

ネコミミをつけたティガーのハロはロウジ主導の元、改造に次ぐ改造を施したことにより、もはや別物レベルの進化を遂げていた

その進化の一つが「踊り」だ。ソケットに付けられた手足はフレキシブルに稼働し、ムーンウォークだってお手のものだ

なにより、踊りは古代から人々の気分の高揚や祭事などに用いられてきたものだ。気分が沈んだ時なんかは踊ってストレスを発散した方が身も心も健やかになれるものだ

dice1d3=1 (1)

1.子供達からもう一回やってとせがまれるティガー

2.踊り疲れた子供達を親御さんの元へ届けに行く

3.ソテイラ「楽しそうなことしてらっしゃいますのね！」

[99 二次元好きの匿名さん 23/09/10(日) 20:29:36]

なんかティガー君は子供と縁があるな

[100 チグハグ君 23/09/10(日) 22:26:39]

「もっとやってー！」「やってー！」

一通り踊り終わって汗をかいたティガーに子供達はなおもせがむ。子供の体力というのは無尽蔵でこちらのことなどお構いなしなのだ

それでもティガーは笑顔を崩さず一緒に踊り続けた

小さな子の相手をすることが苦ではない自分の性格がこの時はとてもありがたかった

そして踊り続けてしばらく経った頃、ついに子供達の電池が切れたのかみな眠気を訴えそれぞれの親の元へと帰って行ったのだった

ティガーの疲労具合

dice1d100=7 (7)

[101 チグハグ君 23/09/10(日) 22:45:36]

ハロ『ティガー！ヨユウソウ！ヨユウソウ！』

チグハグ「まぁね。毎日走り込んで体力つけてるし、このくらいじゃヘコたれないさ！」

そういうと腕を捲って力瘤を出してみる。アルゴノーツの隊服の上からは想像もつかないかなり引き締まり筋肉のついた腕が筋を立て筋肉を盛り上がらせる
あまり周知されていないがティガーはこれでも結構筋肉がある方である。ちなみにジェイスも細マッチョで体が引き締まっている。パイロット科はみんなこんな感じだ
筋肉をつけるための秘訣と言うべきか、その両手には大きな工具箱が握られている。毎日こうやって整備のために重い工具箱を持ち歩いていれば自ずと筋肉はついてくるものなのだ

ハロ『キョウハドコマデヤルンダ？』

チグハグ「そうだなぁ…とりあえず20番には到達しておき……」

ハロ『ドウシタ？ドウシタ？』

チグハグ「いや、誰かいる……？」

ティガーの耳はほんの少し、格納庫から微かに聞こえる声を捉えていた

[102 二次元好きの匿名さん 23/09/10(日) 23:08:16]

20番ってなんの番号だろ

[103 チグハグ君(今夜の最後) 23/09/11(月) 00:00:14]

足音を殺してそろりそろりと音の発信源へと近づいていく

「─────♪───────♪♪」

未だ詳細な音は聞こえないが、声の感じからして歌っているようにも聞こえる。とにかくご機嫌そうな声だ
そのまま近づいていく
棺桶屋達の修復中のMSが収容されたハンガーを通り過ぎ、ずんぐりむっくりなロートル機体の前を通過し、よく分からないジャンクのMSのハンガーの前に来た頃、その声の主が女性らしいことがわかった
さらに進んでいく
ジャンクMSのハンガーを超え、ペジュレヴァリエのハンガーの目の前に来た時、その声が隣のハンガーから聞こえているのがわかった

だがティガーには疑問があった。何故ならペジュレヴァリエの隣のハンガーに格納されているのは──

ハンガーの影から隣をちらりと覗く
吊り下げタイプの電灯の下、丁寧に紫銀の装甲を磨く1人の女性がいた

ソテイラ「ふふーんふーん♪ジャネットちゃんは街1番の美人さん♪強くて優しい紫の頭巾♪」

チグハグ「…ソテイラ……さん？」

ソテイラ「えっ？」

不意をつかれたソテイラが声のする方に振り返るとそこには、なんともバツの悪そうな顔のティガーが苦笑いで手を振っていた

[104 チグハグ君 23/09/11(月) 08:47:21]

ソテイラ「見ていましたの………？」

チグハグ「あ、いいえ！全然!全くもって!見てない…ないです!」

ソテイラに質問され慌てて誤魔化すティガーであったが、額から流れる汗と泳ぎまくっている目がそれが嘘であると暗に伝えていた

チグハグ「あーえー……そのMSってジャネットって名前なんですか？」

ソテイラ「やっぱり見ていたのですね……」

チグハグ「ｷﾞｸﾘ……」

話題逸らしのための話題で墓穴を掘る、自身の成長を全く実感できないBADコミュニケーションにティガーはただただ苦笑いするしかなかった

ソテイラ「……気にしなくてもいいのですよ、見られて困ることをしているつもりはありませんもの」

そんなティガーを憐んでか、呆れてかソテイラはまた機体の掃除に戻って行った

ソテイラ「ジャンヌダルク」

あまりにも気まずいので隣のハンガーの自分のMSのところへ行こうとしたところ、ソテイラがポツリと呟いた

ソテイラ「この子の名前はジャンヌダルク」

チグハグ「ジャンヌ……あ、だからあだ名で『ジャネット』……」

ソテイラ「その通りですわ」

[105 二次元好きの匿名さん 23/09/11(月) 09:23:59]

大事にされてるな…
ますます水星女を彷彿とさせる…

[106 二次元好きの匿名さん 23/09/11(月) 19:16:26]

保守

[107 二次元好きの匿名さん 23/09/11(月) 23:21:44]

保守

[108 二次元好きの匿名さん 23/09/12(火) 08:07:23]

保守

[109 チグハグ君 23/09/12(火) 14:12:58]

なんとか穏便な会話ができた。だが、そこからが進まない
次にどんな言葉を言うべきなのか、それを判断するにはティガーはあまりにも目の前の少女のことを知らなすぎた
トレードマークっぽい眼鏡のことを褒めるか？
泊めてもらっていることを感謝すべきか？
ティガーが選んだのは……

チグハグ「あ、あの…！」

ソテイラ「どうかしましたか？」

チグハグ「あーいや、その…あなたのMS、素敵なお名前なんですね」

ティガーの選択は自分の得意分野に話題を逸らすことだった
MSの話ならば相手の容姿や身分のことはあまり気にしなくてもいい、気軽な内容であった

ソテイラ「そうでしょう？私の好きな歴史上の人物から取ったのです。聖女ジャンヌダルク…神の声を聞き、救国のために立ち上がった気高き乙女」

チグハグ「……ジャンヌダルクのあだ名が『ジャネット』だからそのMSのことをジャネットって呼んでたんですね」

ソテイラ「えぇ、その通りですわ。ただジャネットちゃんは私に取ってはただのMSではなくて…少し可笑しいかもしれませんけれど、お友達のように思っているのです。私の、大切な友達」

チグハグ「ちっとも変なんかじゃありませんよ」

ソテイラ「えっ…」

チグハグ「MS乗りなら誰だって自分の機体の事が大好きで、相棒とか家族みたいに思うものですよ。かく言う自分もそうでして……とにかく、MSのことを友達だと思うのは何もおかしな事では無いですし、むしろもっと愛情を注ぐべきです。MSは込めた気持ちの分だけ応えてくれますから」

ソテイラ「そうですか。本当のパイロットの方に言ってもらえるとなんだか自信が出て来ますわね」

チグハグ「そんな。自分はまだただの学生でして、正規パイロットなんて…偉そうに言ってましたけどただの受け売りですよ」

[110 チグハグ君 23/09/12(火) 19:57:55]

ソテイラ「受け売りでも、それを今思い出して口にしたのはあなたでしょう？なら、これはあなたの言葉です。ありがたく頂戴いたしますわね」

チグハグ「あ、はい」

ティガーのソテイラに対しての感情

dice1d3=3 (3)

1.話しているとなんだか不思議な気分になる。物語の人物と話しているみたいで

2.MSのこと大好きなのは分かるけど、それなら尚更なんでガンダムに乗っているのかが分からない

3.なぜだか分からないけど、なんか無理をしている感じがする。ただの勘だけど

[111 二次元好きの匿名さん 23/09/12(火) 20:34:50]

なんというかこういう直感はアルゴスよりチグハグ君の方が鋭いよな

[112 チグハグ君 23/09/12(火) 22:17:22]

ソテイラ「……どうしました？私の顔に何かついてまして？」

少しばかり考え込んでいると、ソテイラからいきなり声をかけられた
どうやら意図せずしてガン見していたようだ

チグハグ「いや、ただボーッとしてただけです。あー…じゃぁ自分、隣で整備やってますんで…」

居心地が悪くなり、言い訳を発しながら逃げるようにペジュレヴァリエの格納されている隣のハンガーへと向かう

整備している時でもハンガーフレーム越しにソテイラの歌が聞こえてくる。先ほどの歌とは違う歌だが、聴いていて耳障りな歌声ではなかった

やがて掃除も終わったのか歌も聞こえなくなった。これでやっと1人(正確にはハロもいるが)になったと思い、大きく背伸びをしていると

チグハグ「あ」ソテイラ「あ」

バケツを持ったソテイラと目が合ってしまった。なんか恥ずかしくなり、徐々に背伸びの形を崩していくティガー

ソテイラ「あーこほん、明日は少し遠出のようがありますのでご就寝はお早めにとってくださいね」

ソテイラはそれだけ言うとそそくさと去って行ってしまった。1人残されたティガーはなんとも気恥ずかしい空気を纏いながら今日も相棒のコックピットで眠りについた

[113 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 08:25:55]

保守

[114 チグハグ君 23/09/13(水) 13:58:59]

─翌朝

まだ日も昇り切っていない時間帯に、大地を走る巨大な車両の姿があった
所謂巨大輸送トレーラーと呼ばれるそれはところどころ塗装が剥がれており、年季が入っているのも相まってこの車両が長い時間人間に貢献し続けていることがよく分かる

ジェイス『本当に大丈夫なのかよ？なんなら今からアルゴデッセイで一っ飛びしてもいいんだぜ？』

チグハグ「大丈夫だよジェイス。別にそんなに遠出する訳じゃないし、ペジュレヴァリエも持って来てるからね」

トレーラーの上層にあるコックピット、その後ろにある待機スペースにティガーはいた。手に持つ端末からは先程からジェイスの心配そうな声が聞こえっぱなしであり、その度にティガーが反応しているのだった

メデイア『ジェイソンさん、いい加減にしないとティガーさんも困っちゃいますよ』

ジェイス『わーてるけどよォ…俺だって出かけたかった！』

ヨハネス『記事で使いたいので写真と報告よろしくお願いしますね』

駄々をこねるジェイスの相手はメデイアに任せていると、ヨハネスから定期更新している新聞のネタ探しの協力を受けた
あの学園襲撃事件の後、事件の解決と救助に貢献したアルゴノーツは学園内で大きな支持を得ることになり学園新聞でコーナーを持つことになったのだ。ジェイスの予想が当たった結果となる
アルゴノーツの活躍は新聞を通して学園の全生徒に伝えられる。勿論、学園を離れてしまっている生徒たちにも

[115 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 19:09:30]

結構知られてるんだな 指示もある
だだ見方によっては自衛団にもみえる組織だけど
どんな風に評価されてるのか…

[116 チグハグ君 23/09/13(水) 20:21:52]

とはいえそういう外部人気というのを聞かされても、ティガーにはイマイチよく分かっていなかった。どこまで行ってもただの17歳の少年である彼にとって、同年代から凄まじい人気を獲得するというのはそれこそ、シャディクを始めとした寮の先輩や同級生で見て来ているが、自分がそうなることなど微塵も考えていなかった

それ故に人気が出たとかファンクラブができたなどの話題に関してもどういう反応をしたらいいのか分からないのが現状なのだ

ジェイス『第一!なんでティガーだけ連れてくんだよォ！行くなら俺も連れてけェ！』

メデイア『ジェイソンさん、何回も説明したでしょ？ティガーさんが呼ばれたのはソテイラさん直々のお願いだったからです。それに、貴方には船長としてやるべきことがたくさんあるでしょう！？』

ジェイス『そんなー！ティガー！なんかお土産持って来てくれよ!頼むよォ〜！！』

そうしてジェイスはメデイアによってモニターから遠くの方へと連れられて行った

ソテイラ「とても賑やかなのですね、アルゴノーツの皆様方は」

チグハグ「お見苦しいところをすみません……」

ソテイラ「いえいえ、賑やかなのはいいことですから」

申し訳なく頭を下げるティガーに対して、ソテイラはにこやかに対応していた

ティガーからソテイラへの好感度

dice1d70=13 (13) +30

[117 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 20:27:50]

あんまり高くない？
やっぱりガンダムを警戒してるのかな？

[118 チグハグ君 23/09/13(水) 20:37:54]

そんなソテイラをティガーはイマイチ信じきれていなかった

理由dice1d3=2 (2)

1.オルレアの運用目的を考えるとガンダムが存在する理由に説明がつかない、ガンダムを農作業に使用するなどますます意図がわからない

2.ソテイラから感じる「違和感」がずっと引っかかっており、アルゴスがあまり口を出したがらないのもそれに拍車をかけている

3.ガンダムを使用していること、あまりにも怪しい「神の声を聞く」聖女であること、どこか取り繕い誤魔化しているように見える素振り、彼らがイマイチ信用しきれていない

[119 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 20:39:52]

なんか裏があるのか
アルゴスが黙るようなことってなんだろ

[120 チグハグ君 23/09/13(水) 21:17:03]

ティガーがソテイラを信じきれないのにはソテイラから感じる「違和感」というのが大きかった
何かを隠しているような、自分を誤魔化しているかのような違和感である。そこに敵意や悪意は混在していないだろうが、だからこそ自分に嘘をついている人間ほど信用できないものもない
それにアルゴスが彼女に対して最初の反応以降すっかり口を閉じてしまっているのも気になるところであった

しかして、無闇矢鱈と身元を調査するわけにもいかず、出会って約3日、ソテイラからは妙に信頼されていそうなティガーはいまだに彼女の実態を捉えられずにいた

「なんであんな奴が乗ってるんですか!？」

そんな時、待機スペースの奥に続いている格納庫から若い男の声が響いて来た。どうやら、目的はティガーのようだ

「あの嬢ちゃん直々の頼み事だ、文句を言うなら嬢ちゃんに言ってきな」

「………ッ」

気になって顔を覗かせてみれば、先ほどの声の主はティガーとそれほど歳の変わらない、もしかしたらティガーよりも年下の少年であった
その少年は中年の作業服の男たちに囲まれていた。とはいっても暴力を加えられているわけでもなく、どちらかといえば嗜められている感じであった

[121 チグハグ君 23/09/13(水) 22:20:55]

ひょっこり顔を出していたティガーだが、あまりにもバレバレだったためか少年に気づかれてしまった

「おい！」

チグハグ「はい？」

「なんでお前がここにいるんだ!これは俺たちのトラックだ！スペーシアンなんかが乗っていいものじゃない!」

ティガーに激しい言葉をぶつける少年の瞳は爛々と燃えているのだが、その瞳の中に「怒り」を感じる事はできなかった。むしろこれは……

チグハグ「君……もしかして、自分が怖いの？」

それが少年の逆鱗に触れたのか、目つきを鋭くし勢いよく殴りかかってきた

dice1d3=1 (1)

1.殴ってきた相手の腕を取り背負い投げで拘束するティガー

2.さっきのオッサン達が少年を止める

3.ソテイラ「ちょっと!」

[122 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 22:52:34]

チグハグ君結構ナチュラルにアレなこと言うね、強者故の傲慢さがあっていいわ

[123 チグハグ君 23/09/13(水) 23:16:52]

いきなり殴りかかって来た少年。しかし、相手は訓練も受けていないただの少年でしかない。訓練を受け、体を鍛えているティガーに敵うわけもなく

「クッソッ……離せ!離せよ！クソスペーシアンが！」

その拳は空を切り、隙を見逃さなかったティガーによってあっけなく地面に組み付されてしまうのだった

チグハグ「……さっきのが君にとって面白くない言葉だったのなら訂正する。でも、どうして自分をスペーシアンをそんなに拒絶するの？」

ティガーの質問に対し、拘束から逃れようともがく少年は答えようとはしない。その抵抗が答えであるかのように悪態を吐きながら、手足をみっともなくジタバタとさせていた

チグハグ「大方、戦争シェアリングによって起こった戦争によって被害を受けた。だからその原因になったスペーシアンが憎い。そうでしょ？」

「……お前に何が分かるんだよ!お前らスペーシアンのせいで全部奪われて、傷つけられた俺たちの気持ちが！一丁前に人助けごっこなんてしやがって…俺達はお前らの承認欲求を満たすための玩具なんかじゃねぇんだよ！」

少年の言葉には憎しみが際限なく込められ、うっすらと目尻に浮かぶ涙は少年の無力感そのものであった

チグハグ「あぁ、そうだね。わからない、君の気持ちも境遇も、『分かってる』なんて傲慢な言葉で理解するつもりはない」

「何が言いたいッ……！」

チグハグ「君の憎しみをわかる事なんて多分自分にはできない。自分は君とは違うし、君も自分とは違う。違うから、完全に分かりあうなんてことはできない。それでも、誰かの手を払いのけることだけはしちゃダメだよ。そんな事をしていたらいつか君は独りぼっちになってしまう。それはダメだ、人間は何よりも孤独でいるのが1番辛いんだから」

「……………」

その言葉に思うことがあったのか、少年は抵抗をやめた
それを見たティガーは少年に手を差し伸べる。少年はその手を取るべきか一瞬迷ったが、結局自分の力だけで立ち上がった

チグハグ「それともう一つ、僕らがやっている事は人助け"ごっこ"なんかじゃない。君たちと同じ、本気で人を助けたいと思ってる。それだけは覚えていてほしい」

少年はティガーの言葉には耳を傾けず、そっぽ向いたままだった

[124 チグハグ君 23/09/13(水) 23:48:49]

「おいおい…まーたやらかしたのか？いい加減学習しろってなぁキング？」

「いやー、綺麗に一本取られちまったなぁ！ありゃぁ傑作だったぜ!」

少年は格納庫から来た中年'sにウザ絡みされていた
どうやら少年は「キング」と呼ばれているらしい

キング「違いますから!ちょっと油断しただけです…こんなヘマ二度としませんから」

キングはどうして自分が揶揄われているのかイマイチ理解していないようで、子供じみた勝負への執着を見せていた
そんな様子を見て中年'sは呆れたようなわざとらしいジェスチャーをするのだった

チグハグ「あの、ソテイラさん彼は」

ソテイラ「彼はキングくんですね。オルレアではメカニックをしてくれています。真面目でいい子なのですが…少し訳ありなのです」

チグハグ「……みたいですね」

[125 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 08:44:51]

保守

[126 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 13:31:37]

保守

[127 チグハグ君 23/09/14(木) 18:50:15]

ティガーがソテイラと話をしていると、それを見つけたキングがズカズカと近寄ってくる

キング「なんでお前なんかがソテイラ様と話してんだよ!」

チグハグ「なんでって……」

キング「ソテイラ様はお前みたいなクソスペーシアンが気安く話しかけていい存在じゃないんだよ！」

どうやら、ティガーの事を相当毛嫌いしているようだ。自分のリーダーに余所者の男が話しかけることさえ彼には面白くないことなのだろう
ただ、このまま言われっぱなしのままでいてはこの後の作業に支障が出ると思い、注意の一つでもしようとした時だった

ソテイラ「キングくん、それ以上はいけませんわ」

キング「ですけど…」

ソテイラ「今回ティガーさんを呼んだのは他でもない私です。それが嫌だというのなら、ティガーさんではなく私に言ってくださいまし」

キング「……ソテイラ様は、スペーシアンなんかと一緒にいてなんとも思わないんですか！？」

ソテイラ「思いませんわ」

キング「なんでですか！？俺たちから全部奪って、戦争しろって脅してくるのはアイツらじゃないですか！」

ソテイラ「それが彼らの全てではありません。どんな国の人だって良い人と悪い人がいる。大切なのは相手を思いやる心だと、私、常々言っているでしょう？」

キング「……ですけど……やっぱり俺は、そうは思えませんよ!」

そう言うとキングは逃げるように格納庫の方へと消えていった

[128 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 19:17:49]

こういうのがスペーシアンを敵だと思わないアーシアンを弾圧するようになって、ノレアみたいのが出来上がるんだろうな･････

[129 チグハグ君 23/09/14(木) 19:29:12]

ソテイラ「ごめんなさいティガーさん」

チグハグ「大丈夫ですよ、慣れてますから。小さい頃から……」

彼のような人間は地球には多い。例え戦争をしていても戦争相手ではなく、その背後にいるスペーシアンを怨む
それ自体に正当性はある。戦争シェアリングと称して、対立する組織に武器を売りつけ、争いを激化させその利益で飯を食うスペーシアンの所業は誉められたモノではないだろう
だが、彼らのダメなところは全てのスペーシアンが悪だと決めつけてしまうところだ。当然のことだが、全てのスペーシアンが戦争シェアリングに直接関与しているわけではない。街角のパン屋やヴィンテージな小物屋は誰かの命を奪って生きているわけではない。そう言う人間の方が多いのに、アーシアンの中には全てのスペーシアンが自分達の命を奪う死神のように思ってしまう人がいる
そう言う人間をティガーは幼い頃から見て来た。紛争地帯に近い野外病院というのはそう言う声の煮凝りになりやすいのだ
だからこそ、こんな状況を変えなくてはならないのだ。互いに恨み合うなど、そんな愚かしいこともないのだから

[130 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 21:27:46]

難しいよなぁ
現実でもそうだけど素行が悪い人が一人いるだけでその組織や集まりに悪い印象ついちゃうし、避けられないものなのかね
これは俺らも気を付けないとな

[131 チグハグ君(今夜の最後) 23/09/14(木) 23:26:23]

マイティベースを出発して数時間、ついにトラックが停車した。目的地に着いたのだ

バスを降りると、潮の匂いと心地よい海風が肌を撫でる
辺りは最低限の開墾されているが、人の気配はあまりない岩肌の露出したザ・海辺の山といった感じである
そして目の前にある巨大なパラボラアンテナや鉄塔を持つ建造物が今回の仕事の目的だ

チグハグ「大規模通信設備の整備とか、まさか地球でやることになるなんてなぁ…」

ハロ『デカスギ！デカスギ！』

ティガー以外の乗員はすでに荷物を降ろしたり、中に入って設備の点検をしている
彼らに遅れないよう、ティガーもペジュレヴァリエの元へと向かうのだった

[132 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 06:56:27]

hosyu

[133 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 09:48:31]

保守

[134 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 10:38:43]

スペアシ問題は100年くらい続いてるらしいしそりゃ根深いよ。てか、本編よりもスペアシ差別要素多めだな

[135 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 16:46:45]

>>134

グラスレーっていうアス高で最高に闇深いとこだからな･･･ペイルの強化人間云々より生々しい闇の深さ

[136 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 17:01:24]

こんな風景の広がる世界線もあったのかもしれない(サリウスがいないだけで実際にこの部屋にティガーもよく来てるっぽい)
まぁでもこの場にいる人間1人残らず地球出身orスペアシハーフで親が1人以上必ず死んでるんですけどね

[137 チグハグ君 23/09/15(金) 18:56:18]

今回ティガー達のやる事は海岸近くに建てられた広域電波塔の修理である。とは言ってもその修理にも段階があり、内部の基盤点検と並行して、電波塔全体の老朽化のチェックもしなくてはならない
ティガーは後者の仕事に回された。こう言った巨大かつ高所での作業にはMSやモビルワーカーを用いるのが作業の効率化を図れるのだ

だが、MSが地表から離れたところで高度を維持するためにはスラスターを吹かす必要がある。勿論それは地上から飛び上がる時もそうであり、これを人が多い場所でやると目も当てられない大惨事となる
と言うわけでティガーとハロはスラスターを吹かしても問題のない開けた場所へ移動するため、電波塔の裏へと回り込んでいた
崖近くに建てられていることもあり、眼下には青い海が広がり潮風が吹きつけていた。ティガーもコックピットを開け、心地よい風を感じていると、足元の先10mくらいの場所に異物を発見した
大きさは大体170cmくらいであり、だらんと二つの長い円柱状のものが伸びていた。まるで倒れている人のようで……

ティガー「あ！人が倒れてる！？」

気づいたティガーはすぐさまペジュレヴァリエを膝立ちの駐機状態にすると、倒れている人間へと駆け寄っていった

[138 チグハグ君 23/09/15(金) 19:08:27]

近くに駆け寄りってみると、倒れていたのは髭の豊かな頭頂部がハゲている老人であり、その場から動いていなかった

チグハグ「大丈夫ですか！？大丈夫ですか！？」

老人「うぁ…ぁぁ……」

肩を数回叩きながら、老人の意識の確認をする。すると、呻き声に近い声で僅かながらに反応があった
心停止や意識がないと言う最悪の事態ではない事にホッと胸を撫で下ろすが、油断はできなかった。こんな岩山である。もし急に力が抜け倒れたのだとしたらどこかが内出血ない骨折している可能性もあるのだ

チグハグ「痛いところとかはありませんか？」

老人「ない……」

怪我等はないと答える老人であったが、それにしては覇気がない。もしやくも膜下等の脳の病気か？そう思っていると、老人が再び口を開く

老人「………っ…………」

チグハグ「なんて？」

老人「みず……水をくれぇ……」

盛大にずっ転んだ

[139 チグハグ君 23/09/15(金) 21:22:42]

老人「んっ…んっ…プハァッ！！いやー生き返った、すまんのぉ心配させて」

チグハグ「いえいえ、何事もなくてよかったです」

ティガーが持ってきたボトルの中の水を飲み干した老人は膝を叩きティガーに礼を言った

レジナルド「わしはレジナルドじゃ、よろしくのぉお若いの」

チグハグ「自分はティガー・ハグラです。よろしくお願いしますレジナルドさん」

チグハグ「それにしてもなんで水ぅ…って。流石に海水濾過装置くらいはあるじゃないですか？」

レジナルド「いやーアレで作った水ゲロマズじゃからな」

チグハグ「………それだけですか？」

レジナルド「それだけとはなんじゃ、大事じゃろ水の味。まずい水で作ったシチューとか最悪の極みじゃからな」

チグハグ「あーなんとなくわかります」

[140 チグハグ君(今夜の最後) 23/09/15(金) 23:48:19]

ティガーとレジナルドが無駄話に花を咲かせていると、ズンズンという地響きと共に建物の影から恐竜のような顔がこちらを睨んだ

チグハグ「うぉっ……って、あれキング君のMSか」

中に乗っているキングもティガーとレジナルドの姿を確認し、こちらへと近づいてきた

キング「おい、もう始めるぞ」

チグハグ「あぁぁ、ごめん今行く」

レジナルド「なんじゃ相変わらず随分とせっかちじゃのぉ」

キング「レー爺はのんびり過ぎるんだよ。てか、こいつに変な事されなかった？こいつスペーシアンなんだよ」

レジナルド「おぉ、そうだったのかい。ありがとうなお若いの！」

チグハグ「いえ！構いませんよー!」

キング「……なんだよ、なんでみんなスペーシアンなんかに優しくするんだよ」

[141 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 09:04:53]

保守

[142 チグハグ君 23/09/16(土) 09:10:37]

<もっと分かるワード解説！>

オルレアのメインキャラの容姿

ソテイラ

赤い髪が特徴的な女性。メガネをかけており、声は落ち着いて知的な感じがする。服装はどこかの軍服っぽい服にマントをつけている。どことなくスレッタに似ているが肌は白い。パーソナルカラーは紫銀

キング

黒に近い紫髪と褐色肌が特徴。初期案のシャディクに近い。背はティガーよりも低い。服装は作業着にベストをつけたザ・メカニック主人公って感じ。パーソナルカラーは赤系

ジルド

スーツの似合いそうな昔は美丈夫だったんだろうなーって感じの30後半〜40前半のおじさん。青髭が特徴で普段は白いシャツにベストをつけた知的な感じの服装。初老の大学の先生みたいな。パーソナルカラーは緑系

ジャック

筋肉。モチーフはガオガイガーの火麻激。タンクトップの似合いそうな日焼けの眩しい筋肉ダルマ。身長も高いしなんかこいつだけ刃牙の世界から来たって言っても騙せそう

パーソナルカラーは黄色系

[143 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 14:27:13]

保守

[144 チグハグ君 23/09/16(土) 20:31:11]

レジナルドと別れた後、ティガーとキングは鉄塔のスキャニングと補修箇所を手に持ったプラズマトーチで補修していた

ティガーの関心は手に持っているプラズマトーチよりも、反対側で作業をしているキングの乗機に向かっていた

恐竜を思わせる前傾姿勢の機体にはMSで言うところの胴体が存在せず、高さも腰より少し高い具合しかない。高度を維持するには向いていなさそうな機体ではあるが器用にやってのけるキングに感心していた

それともう一つ、キング個人に対して思うこともあった

dice1d3=3 (3)

1.流石にトラックのアレは浅慮すぎたかな…

2.珍しいな。あぁいうタイプはなんかしらちょっかいをかけてくるタイプだと思ってたのに

3.予想はつくけど、彼が自分を毛嫌いする理由は……まぁアレだよな

[145 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 02:48:05]

あれ？

[146 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 10:23:33]

保守

[147 チグハグ君 23/09/17(日) 18:09:25]

ティガーの中にはキングが自分を──スペーシアンを嫌う理由のほぼ正解があった。だがしかしそれはまだ予想で、確証には至れていなかった

だから、予想を確証に変える事にした

チグハグ「dice1d3=1 (1) 」

1.キング君ってさ、どこ出身なのかな？

2.その機体かっこいいね!君が自分で作ったの？

3.キング君はさ、いつからオルレアにいるの？

[148 チグハグ君 23/09/17(日) 19:47:29]

キング「……そんなこと聞いてどうする気だ」

無線通信越しのキングの声は少々ピリついているようだった

チグハグ「いやー自分はさ、人に会った時とかに出身とかを聞いたりするんだ〜………それだけ」

キング「出身ね…スペーシアンらしく生まれでしか物を見ないんだな。たかが宇宙で生まれた程度でふんぞり帰りやがって…」

チグハグ「…………………」

キングの愚痴にティガーは反論できなかった。キングの言葉はスペーシアンの差別の本質そのものであり、否定しようのない事実だったからだ
以前のティガーならこんな否定をされては対話を諦めていただろう。しかし、今のティガーは違った

チグハグ「自分はさ、ラゲーン出身なんだ」

対話を諦めるという選択肢は今のティガーには無かった

[149 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 20:05:42]

そのたかが宇宙っていうのにとんでもない経済格差と被支配市民っていう大きすぎる違いがあるんだよな

[150 チグハグ君 23/09/17(日) 22:04:45]

キング「ラゲーンって……」

チグハグ「そ、自分、地球生まれなんだ」

キング「……だからってお前がスペーシアンってことは変わらないだろ！」

チグハグ「そうだね。でも、"宇宙に生まれたからスペーシアン"ってのが全てじゃないことはわかってくれたかな？」

キング「…………」

チグハグ「人は生まれた場所が全てじゃないよ。…もちろんそれは大きいけどさ、生まれたことを嘆いていたら前に進めなくなるよ……って自分は思う。自分を決めるのは生まれた場所じゃなくて生きてきたこれまでの人生だと思うからさ」

キング「…………」

チグハグ「だからさ、君のこと教えて欲しいんだ。生まれた場所とか、生きてきた人生とか」

キング「…………なんで知りたいんだよ。お前らスペーシアンなんか、俺みたいな底辺のアーシアンのことなんて興味ないだろ」

チグハグ「スペーシアンとかアーシアンとかそういうのは関係ないよ。たださ……かっこいいMSに乗ってるパイロットの事って知りたいって思うじゃん」

キング「カッコいい……MS………？」

チグハグ「そうそう！君のMS、スゲーカッコイイじゃん！どうやって出会ったの？どのくらい一緒にいるの？そうそう！自分と相棒はね〜」

キング「お前………」

[151 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:17:11]

…ほんとよくしゃべるようになったよな～
始まったばかりの頃は知らない人とろくに口聞けなかったのに。成長してんな～

[152 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:18:53]

>>151

やっぱグラスレー対地球寮の後に2ヶ月あったのが大きいよな、アレのおかげでコネクションができて色んな人と関わったおかげで目に見えてコミュ力上がってる

[153 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:55:09]

>>152

まあその一因となったグラスレーの恩人方は恨みの奴隷な訳だがな、この言葉をシャディク達に言ってみて欲しいわ

[154 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:59:35]

>> 生まれたことを嘆いていたら前に進めなくなるよ……って自分は思う。自分を決めるのは生まれた場所じゃなくて生きてきたこれまでの人生だと思うからさ

これプラント・クエタでおじさんからの言葉がなかったからこんな事言えなかったんだろうな

やっぱおじさん重要人物すぎるわ。ハイングラの元所有者でガンダム狩りをしてペジュレヴァリエを作って出生の秘密で悩んでるチグハグ君を励ましてってめっちゃやってる

[155 チグハグ君 23/09/17(日) 23:37:12]

予想もしていなかったティガーの反応にキングは少し戸惑っていた。自分の知っている、想像していたスペーシアンとは違う目の前の少年は彼の認知を混乱させるには充分だった

レジナルド「おーい、お若いの！そろそろ昼飯はどうかね」

チグハグ「本当ですか？それじゃぁご飯にしようかキング君」

眼下、鉄塔の足元でレジナルドが拡声器で昼飯の誘いをしていた。ティガーはキングを誘うと緩やかに高度を落として行く
キングはコックピットで地上へと降り立つ緑の騎士をただ眺めていた

────────────────

チグハグ「結構いけますねこれ」

レジナルド「じゃろう？昔はこれがご馳走だった時もあったものじゃが、今となってはいつでも食べれるお手軽飯じゃがな。いやー、良い時代になったもんじゃ」

ティガー、キング、レジナルドは電波塔の裏手、若干の緑の生い茂る場所でスチール缶に入った豆のペーストのようなものにありついていた
とにかく必須栄養素を摂るための栄養食の側面の強いレーションのようなペーストはキングにとってはお世辞にも美味しいとは思えなかった。それを、自分よりも良い物を買ってそうなスペーシアンが美味い美味いと食っているのだから、自分の舌がおかしいのではと少し疑ってしまいそうになる

キング「良い時代って…スペーシアンの奴らが搾取してくる時代がいい時代な訳あるかよ……」

レジナルド「昔に比べればの話じゃ。わしの若い頃にあったドローン戦争なんてそれはそれは苛烈でのぉ」

キング「はぁ〜…また始まったよ、レー爺の昔話」

[156 チグハグ君(今夜の最後) 23/09/18(月) 00:49:41]

チグハグ「ところでさ、キング君のMSは自分で作ったったの？あんなMS見たことないんだけど」

レジナルドの話が本格的に始まる前に会話へと横へ入ったティガーは、キングにあの恐竜のようなMSのことについて尋ねた

キング「アイツはスクラップの山から拾ってきたのを俺が直したんだ。だからアイツの本当の名前も知らないし、どういう目的で作られたのかも知らない」

チグハグ「へー、瓦礫の山から見つけた未知の機体…ロマンあるなぁ」

キング「何がロマンだよ、お前らスペーシアンはピカピカの最新型の新品いつでも買えんだろ？俺らみたいな薄汚れた中古品以下の粗悪品を必死こいて直してるやつに無理に共感するふりとかすんじゃねぇ気持ち悪い」

チグハグ「無理にはしてないよ。元々僕の相棒だって20年以上前の機体だった訳だし」

キング「へ、スペーシアンは嘘も下手くそなんだな？どこからどう見てもピカピカの新品じゃんか」

チグハグ「いやーそういう言われると照れるなぁ…こいつは…ペジュレヴァリエは生まれ変わった相棒なんだ」

キング「生まれ変わった？」

チグハグ「そう。元々自分は20年以上前に作られた「ハイングラ」ってMSを使ってたんだ。というかずっと一緒だった。初めて出会ったMSも初めて乗ったMSも初めて友達になったMSもずっと大切にしてきたMSもハイングラなんだ
だけど、ある日、どうしても勝ちたい戦いの中でハイングラに無理させすぎちゃってね。…もう直せないってなっちゃって、使える部材を溶かして作り直して、そしてペジュレヴァリエが出来たんだ」

キング「ふーん」

チグハグ「それにさペジュレヴァリエには結構無理させがちなんだ。小惑星を破壊したり、胸部装甲をひしゃげられたり結構散々な目に遭わせちゃってるけどちゃんとその度に直してる。さっきピカピカの新品って言ってくれたでしょ？実は毎日メンテして新品同然になるくらい綺麗にしてるんだ」

キング「……それくらいなら俺もやるし」

チグハグ「MSが好きなら誰だって自分の愛機にはこれくらいやるさ」

[157 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 01:01:25]

マジでドローン戦争ってどんな戦争だったんだろうな･･･あのダブスタクソ親父をクワイエットゼロっていう唯一神になるための計画に走らせたって時点で地獄が確約されてる

[158 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 08:21:15]

自分の得意分野が絡むと饒舌になるあたりがオタクのそれ

[159 チグハグ君 23/09/18(月) 17:08:53]

ティガーの話術()でMS談義が進んでいく

キングのティガーへの警戒度

dice1d60=16 (16) +40

[160 チグハグ君 23/09/18(月) 17:29:27]

とは言っても以前としてキングの警戒心は強く、イマイチ踏み込めないでいた

dice1d3=1 (1)

1.レジナルド「こほん、そろそろジジイの話も聞いてくれんかの」

2.話題作りのためにハロを持ってくる

3.トラブル発生！？

[161 チグハグ君 23/09/18(月) 19:37:36]

チグハグ「あ、すみません、つい……」

レジナルド「まぁそこまで気にせんでも良いんじゃ。ところでお若いの、ラジオを知っておるか？」

チグハグ「ラジオですか？まぁ、一応知識くらいなら。でもあれってパーメット通信の技術が確立されてからほとんど使われなくなっちゃったやつですよね？」

キング「だからって全部なくなった訳じゃねぇよ。今だって大概の通信機器にはラジオ放送を受信できる機能がある…まぁ何のためにあるのかは知らないけど」

レジナルド「ほほほ、そりゃ簡単な事じゃよ。ラジオ放送は災害時での最後の頼みの綱じゃからな。特に通信網が敷かれていない僻地でも使用できる、原始的な機器で受信できるというのはいくら時代が進んでも腐ることのない利点じゃよ」

チグハグ「なるほど…でもなんでいきなりラジオの話なんか」

レジナルド「お前さんたちが今直しているのは何か、わかるか？」

チグハグ「……電波塔、ですよね？」

レジナルド「その通り、今回電波塔の修理を頼んだのはここをラジオ放送局のとして運用するためなんじゃ」

[162 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 21:11:23]

パーメット技術に頼りきりだとそういうアナログには対応できないからな

[163 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 23:40:20]

パーメットが日用品のほとんどまでに普及してるといっても使えないこともあるだろうしな
この世界の地球なら尚更

[164 チグハグ君 23/09/19(火) 00:02:48]

チグハグ「ラジオ放送局……？一体なんのために」

レジナルド「そりゃもちろん」

チグハグ「もちろん………」

レジナルド「ワシの好きな音楽を電波に流すためじゃ！」

またも盛大にズッコけた

チグハグ「そ、そんな理由で？」

レジナルド「そんな理由？結構な理由よ!音楽なき日々はほど虚しいものもないものじゃ、そうは思わんかね？」

チグハグ「あー」

ティガーの脳裏にはアルゴデッセイ号で音楽を奏でてくれるエオリネのことが浮かんでいた
楽しげなアコーディオンの音色、ノリノリで手拍子をする船員たち、歌い出す親友、そして自分も…

チグハグ「確かに」

[165 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 00:19:24]

平和的な理由だけどフォルドみたいなテロリストは基地として使おうとするんだろうな･･･

[166 チグハグ君 23/09/19(火) 08:31:12]

チグハグ「音楽って言ったって何をかけるんです？ロックとかクラシックとか種類だけでもたくさんありますよね？」

レジナルド「それはもう決めておる。旧世紀における人類科学の到達点!星の友を夢見て旅立った勇敢な旅人が手に持つ黄金の…！」

レジナルドが興奮気味に語り始めたその時であった

チグハグ「がぁっ……！」

プラント・クエタやグリムイアの時とは違うキーンという甲高い音による頭痛が突如としてティガーを襲った

アルゴス『ティガー、敵だ!』

アルゴスが警告を発したその瞬間、凄まじい土煙と爆音がティガーたちから見てちょうど反対側、電波塔の正面から生じた

[167 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 08:39:46]

そんなことできんの！？

[168 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 13:33:44]

保守

[169 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 18:59:28]

>>166

ゴールデンレコード？

[170 チグハグ君 23/09/19(火) 23:06:20]

キング「地雷！？」

真っ先に反応を示したのはキングであった。口をあんぐりと開け、瞳をわずかに揺らしていた

レジナルド「いや、地雷の爆発とは違うぞ。あれは……おそらく自立兵器の類じゃろう」

キング「それってドローン戦争でスペーシアンが置いて行ったやつだろ！？元々この辺には埋まってなかったって言ってたじゃんか!」

レジナルド「しかし目の前に現れたのは事実じゃろう。むぅ…昔噂だけ聞いたスリーパーと呼ばれるかタイプかのぉ…」

キングとレジナルドが軽い口論になっている頃、ティガーは頭痛と戦いながら次にやるべき行動を考えていた

チグハグ「うっ……ぁぁ…くっそ、頭痛い……」

アルゴス『大丈夫かティガー！？あまり無理をしては…』

チグハグ「大、丈夫……それよりもあっちにはソテイラさんとか他の人達が」

ティガーが頭を抱えながら呟いたその言葉をキングは聞き逃していなかった。ソテイラの単語が聞こえた瞬間、彼の目が変わった
一際強く拳が握られると、左腕を口元へと持っていく。その手にはブレスレットのようなものが嵌められていた

キング「来い!ユウヒ！！」

キングの叫びと共に、少し離れた場所に駐機状態であった彼の機体が起動し飛び上がったかと思えば、彼の眼前へと降り立った
どうやら彼の腕についているのは音声認識型のデバイスの類のようだ
彼はティガーとレジナルドを一瞥すると、自身のMSへと急いで乗り込み、正面の方へと駆けて行った

[171 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 08:30:47]

なんかキング君はアーシアン側の主人公みたいなキャラ造形してんな

[172 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 16:14:18]

保守

[173 チグハグ君 23/09/20(水) 20:00:21]

チグハグ「自分も行かなきゃ……」

頭痛に悩まされながらもティガーはフラフラと立ち上がる

アルゴス『……事態は急を有する。エリシオンでペジュレヴァリエを呼ぶんだ』

チグハグ「わかっ……た」

ジャケットを開け、胸元からクリスタルの嵌ったエリシオンを取り出す。強く握ればクリスタルの中に電子回路のような光が駆け巡っていく

チグハグ「来い!相棒!」

クリスタルが一際強い輝きを放つと、ペジュレヴァリエがセンサーユニットに光を灯し、ティガーの前へと降り立った
こうしている間にも反対側では爆発音が続いている。焦る気持ちを抑え、コックピットへと乗り込んだ

[174 スレ主 23/09/21(木) 00:17:06]

パーメットリンクしてればそういうこともできるか

[175 二次元好きの匿名さん 23/09/21(木) 08:13:54]

>>174

というよりもニュアンスとしては勇者ロボとかみたいなロボットの呼び出しコンソールとコントローラーを兼ねてるって感じがする

[176 二次元好きの匿名さん 23/09/21(木) 16:20:49]

保守

[177 チグハグ君 23/09/21(木) 22:11:38]

ティガーを乗せたペジュレヴァリエはレジナルドを充分に下がらせると深く腰を落とし、押さえつけられたスプリングの要領でその巨体を軽々と空へと運んだ

チグハグ「アレが……がぁぁぁぁ！！」

アルゴス『ティガー！？』

チグハグ「大丈夫…そんな事よりキング君やソテイラさんの方だよ!」

激しい頭痛に苦しめられながらティガーは目標を視線の先に捉えていた
トラックやソテイラとキングの機体の先、彼らを半ば取り囲むようにMSよりも一回り小さな球体に手の生えたようなRPGの出来の悪い雑魚悪魔の敵キャラの見た目をした奇怪な化け物達が蠢いていた

ソテイラ「せぇぇぇあぁ！！」

キング「近寄んな化け物ども!」

ソテイラとキングの機体による応戦とトラックの上部に装備された機関砲で凌げてはいるが、いかんせん多勢に無勢がすぎる。このままでは10分保たずに数に圧殺されるだろう

チグハグ「そんな事はさせない!」

とは言えそれは2機と1台の場合の話である
ソテイラ達の前、最前線へと着地したペジュレヴァリエは彼彼女らを守るように化け物達の前へと立ち塞がった

[178 チグハグ君 23/09/21(木) 22:52:44]

ソテイラ「ティガーさん！」
キング「……ﾁｯ」

ティガーという救援の登場に安堵するソテイラとどこか冷めて不満そうなキング、2人の反応は対照的だった

チグハグ「ソテイラさん、こいつらいきなり現れたんですか？」

ソテイラ「そうなんです!いきなり地面が爆発したと思ったら次から次に…」

チグハグ「他に気になるところとかはありませんでしたか？例えば変な音がしたとか、変な匂いがしたとか」

ソテイラ「変な音……あ、何かが開くような「ガチャ」って音なら!」

ティガーは与えられて情報と現在の状況から敵の正体を探っていた。とは言ってもティガーの本業はパイロット、趣味でMSには精通しているがこんな珍妙な兵器の情報はあまり持っていない。しかし分からないと思考を放棄しては解決の糸口すら掴めない状況では、少ない知識を振り絞ることが最善であった
考える
球体の核に長い手がついていて、集団で突如として現れ、何かの開く音がした…

チグハグ「まさか！？」

盤面にある情報からティガーはある一つの兵器へと辿り着いた

チグハグ「テケテケなのか！？」

[179 チグハグ君 23/09/21(木) 23:15:29]

テケテケ
正式名称を「陸戦用自在稼働腕搭載型無人自立兵器」というそれは、球体状の核にあたるコアパーツに1対の自在稼働腕を搭載したドローン戦争期間中に開発された無人兵器群─ドローンの一つである
その最大の特徴はやはりその奇怪な見た目にあるのだが、最も恐るべきはその運搬の容易さにあるだろう
専用の格納カプセルを用いた場合、最大で32機を搭載することができ、さらにこのカプセルは戦闘機等で空輸することも可能であり、小規模な都市ならばこのカプセルが5個もあれば簡単に陥落させられるのだ

恐らく今ティガー達の前に出現しているのはドローン戦争時に未回収で残されたものが何らかのはずみで起動したものだと考えられる
元よりあの戦争での爪痕はいまだに地球圏に多大な影響を残しているのだ、こうした不発弾の一つや二つなど別段珍しいものでもない

チグハグ「こいつらは単なる自律兵器です。そんなに強くもないはずですし、各個撃破で行きましょう!」

ティガーの号令にそれぞれが武器を構える

こうして、かの戦争における遺恨との戦いが始まった

[180 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 00:36:45]

シンエヴァの腕だけエヴァみたいな感じ？

[181 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 08:30:24]

埋まってたドローンが目を覚ましたか…
そういえば本編ではドローン戦争の情報あまりなかったなぁ

[182 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 11:56:24]

あぁ…胴体と腕だけだからテケテケね
(テケテケは下半身のない上半身だけの妖怪)

[183 チグハグ君 23/09/22(金) 19:43:27]

ティガー・オルレア陣営戦力dice1d100=75 (75) +50

(ペジュレヴァリエ・ジャンヌダルク・ユウヒ・輸送トレーラー)

テケテケ軍団dice1d100=31 (31) +20

推定32体

[184 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 23:03:21]

つえ

[185 二次元好きの匿名さん 23/09/23(土) 01:59:22]

ホ

[186 二次元好きの匿名さん 23/09/23(土) 12:32:52]

保守

[188 チグハグ君 23/09/23(土) 20:42:50]

テケテケは一体一体はMSで対処するならばそこまで強力な存在ではない

しかし、4対32では多勢に無勢というものであった

作戦dice1d3=1 (1)

1.ソテイラ「私が抑えますのでその間に攻撃を!」

2.チグハグ「自分が行きます!」

3.キング「俺だってMS乗りなんだ…俺だってできるはずなんだ!」

[189 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 01:03:22]

保守

[190 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 10:18:51]

保守

[191 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 16:24:17]

保守

[192 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 23:17:54]

32対4って1人8匹相手か

[193 チグハグ君 23/09/25(月) 07:38:29]

ソテイラの指示により、ジャンヌダルクを戦闘にした陣形が組まれる。もっともそれはMS4機で組むことが前提のフォーメーションであるが、緊急時のためトラックを混ぜた変則編成での運用となった

dice1d3=1 (1)

1.チグハグ「(……なんか妙に手慣れてるなソテイラさん)」

2.チグハグ「(………これグラスレーの教本にある……)」

3.キングが過剰に前へ出る

[194 二次元好きの匿名さん 23/09/25(月) 18:27:17]

保守

[195 チグハグ君 23/09/25(月) 18:28:07]

妙に手際のいいソテイラに違和感を覚えつつも、ティガーは彼女の作戦に従っていた

彼の仕事はとても簡単だ。ソテイラが止めきれなかった個体を切り伏せるただそれだけ。しかもソテイラのブロック能力が思ったよりも高く、ビームフラッグを華麗に振り回し、テケテケ達を最小限の腕の動きだけでブロックしていくその姿はティガーを持ってして見惚れるものがあった

dice1d3=2 (2)

1.キング「よそ見してんな！」

2.チグハグ「……！？そうか分かった！」

3.アルゴス『ティガー…何か気づいたことはないか？』

[196 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 00:43:06]

保守

[197 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 01:03:56]

保守

[198 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 09:18:10]

保守

[199 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 18:31:25]

保守

[200 チグハグ君 23/09/26(火) 22:01:13]

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