【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅣ【season2】

[1 アルゴス 23/07/13(木) 22:11:33]

勇気を捻り出せ　今の現実に

満足したら　届かないこの思い

[2 アルゴス 23/07/13(木) 22:12:39]

第1回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒です｜あにまん掲示板

第2回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ｜あにまん掲示板

第3回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅢ｜あにまん掲示板

第4回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅣ｜あにまん掲示板

第5回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅤ｜あにまん掲示板

第6回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅥ｜あにまん掲示板

第7回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅦ｜あにまん掲示板

第8回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅧ｜あにまん掲示板

第9回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅨ｜あにまん掲示板

第10回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩ｜あにまん掲示板

第11回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅪ｜あにまん掲示板

第12回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒でⅫ｜あにまん掲示板

第13回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅢ｜あにまん掲示板

第14回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですXⅣ｜あにまん掲示板

第15回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅤ｜あにまん掲示板

[3 アルゴス 23/07/13(木) 22:13:16]

第16回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅥ｜あにまん掲示板

第17回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅦ｜あにまん掲示板

第18回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅩⅧ｜あにまん掲示板

総集編

【まだ間に合う！】自分はグラスレー寮の生徒です【総集編】｜あにまん掲示板

[4 アルゴス 23/07/13(木) 22:13:33]

season2

第1回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅠ【season2】｜あにまん掲示板

第2回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅡ【season2】｜あにまん掲示板

第3回

【🎲】自分はグラスレー寮の生徒ですⅢ【season2】｜あにまん掲示板

[5 アルゴス 23/07/13(木) 22:14:13]

プロフィール
本名:ティガー・ハグラ(Tigaer・Hagler)
渾名:チグハグ
学年:2年生
学科:経営戦略科(合ってない)→パイロット科
学籍番号:LP014
性別:男
所属寮:グラスレー寮
身長:177cm
容姿:55(平均ちょい上)
髪色:青
瞳の色:青
身体能力:76(高い)
コミュ力:16(無い)→65(そこそこ頑張った)
協調性:29(ぼっち)
料理力:88
得意料理:シチュー
パイロット能力:93(凄い)

決闘成績:1勝1敗0引き分け

[6 アルゴス 23/07/13(木) 22:14:50]

名前:ジェイソン・サダルメリク
愛称:ジェイス
学年:2年生
学科:パイロット科
性別:男
所属寮:シュネー寮(役員の家族)
一人称:「俺」
身長:164cm
容姿:113(超絶イケメン・めっちゃ女顔)
髪色:銀
瞳の色:紫
身体能力:99
コミュ力:100
協調性:93
パイロット能力:66
性格の良さ:70(善性よりだが完全な善人ではない)
備考:人形のように可愛がられてきたため、本当に信頼できる人間がおらず孤独だった。チグハグ君は初めての友達

チグハグ君の友達。とんでもないバカで頭のネジが飛んでいるが、ティガーを真っ直ぐ褒めてくれる数少ない友達の1人。ティガーからの好感度も高い

とてもバカ

[7 アルゴス 23/07/13(木) 22:15:07]

<その他>

機体のオリジナル設定、合いそうな曲、提案お待ちしています

採用されるかは確実なことは言えませんが大いに参考になります

機体設定はスレ主の監修を得て採用されるかもしれません

[8 アルゴス 23/07/13(木) 22:16:33]

あらすじ

学園テロの被害を最小限に抑えたアルゴノーツはその足で観光プラント「グリムイア」に向い、オフの日を楽しんでいた
だが平和な日常に突如として脅威が訪れる

戦え!アルゴノーツ！

[9 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 22:16:53]

盾乙、オペレーション・メテオ

[10 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 22:18:09]

Dabit deus his quoque finem.(神はこの不幸にも終わりを与えよう)

[11 アルゴス 23/07/13(木) 22:22:39]

「そういうわけで俺たちはすぐにアルゴデッセイに！」

『いや、待ってくれ』

アルゴデッセイに向かおうとするジェイスを静止すると、アルゴスはアルゴデッセイに通信を繋ぐ

『こちらアルゴス、ペジュレヴァリエを今送ったビーコンの信号に向かうように射出しておいてくれ…頼んだ』

『…というわけだ、私はここで避難誘導を行う。ジェイスとメデイアはすぐにアルゴデッセイに』

「ですが、1人では………」

無茶だと止めようとするメデイアを今度はジェイスの手が静止する

「…怪我、すんなよ」

『了解した、艦長』

少年2人は短く確認を交わすと、それぞれのやるべきことへと向かっていく

[12 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 22:34:47]

クリュサオルを使えばある程度は効果はあるだろうが･･･ウイングゼロのツインバスターライフルでも持ってこないとMS単騎で100m級の隕石破壊はキツいだろうなあ

[13 アルゴス 23/07/13(木) 22:37:00]

少年達がそれぞれの方に走り出したのと時を同じく、アルゴノーツの各メンバーも行動を起こしていた

─────────

「避難シェルターはこちらです!」

「まだまだ許容人数には余裕がありますので！押さないで！押さないで!」

ある者達は居住ブロックで大挙となって押し寄せる人々の流れを何とか捌こうとし、何度も人の流れに流されそうになりながらも、人々の避難誘導に努めた

─────────

「大丈夫？ほら立って、あと少しでシェルターだよ！」

「怪我した子は言ってねー!お姉さんがおぶって行くからー！」

観光ブロックでは買い出しに出ていたメンバーが避難中に怪我をして逃げ遅れていた人々を救助してまわっていた。特に恰幅のいい女子メンバーは怪我をした老人や子供達を何人も抱え避難シェルターまで運んでいた

──────────

「武装のチェックできたか!」

「今やってます!攻撃システム稼働率73%!船長が帰ってくる頃には準備完了できますよ!」

「万が一の事もある、非常用戦闘マニュアルの対MS戦の項目もチェックしておけ!」

アルゴデッセイのブリッジではデブリを迎撃する為の攻撃システムの立ち上げと、対応策の構築が急ピッチで進められていた

そんな中でも副戦術長を務める男は万が一の万が一を想定し、ありとあらゆる対応策の準備にも取り掛かっていた

───────────

こうしてアルゴノーツ達の迎撃準備が進む中でも、巨大な不明デブリはフロントへの距離をジリジリと詰めていく

激突まで後dice1d20=14 (14) +10分

[14 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 22:48:58]

よし！まだ時間ある！

[15 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 22:50:13]

戦術長がアルゴスなのかな

[16 アルゴス 23/07/13(木) 22:57:10]

遊園地ではアルゴスが避難誘導を行いつつ、怪我をしてしまった人のケアを行い、持ち前の身体能力の高さを活かし、急ぎの移動が難しい人々を抱えてシェルターへ送り届けまた逃げるのが難しい人を探しにいく、あまりにもオーバーワークな事を1人でこなしていた

そんなアルゴスの姿を見てか、逃げ惑う人々中から自ら避難誘導役をし始める者が現れ始めた
老人や子供を最優先にシェルターの中へと招く動きも見え始めた
この場にいるすべての人の中にあの少年のように、人を救おうと思う気持ちが芽生え始めていた

──────────

「お、お兄ちゃん…」

ある程度の避難が済んだ頃、少女がアルゴスの服の袖を掴んだ
その手はあの時のウサギのぬいぐるみの少女であった

「ミク達助かるよね…？お誕生日ケーキちゃんと食べれるよね……？」

少女はぎゅっとぬいぐるみを抱く手に力を込めて、必死に不安に耐えていた
見渡せば、多くの人達が不安そうな表情をしていた
ここには子供も多く、不安やあまりにも異常な空気感で泣き出してしまっている子もいた
目の前の少女もまた、大きな瞳にたくさんの涙を堪えていた

「大丈夫だよね……？」

アルゴスにはこの不安を和らげてあげる言葉を持ち合わせていない
本当はアルゴスだって怖い
この事態を解決できそうな手段があっても、それはあまりにも危険で、ティガーの身の安全の保証ができないのだ
だからアルゴスには実質的に打てる手がないのだ
だから怖い
何もできないからこそ怖い
いくら用意周到なアルゴスであっても、予想の範疇を遥かに超えたこの時代に対抗できる策がなかった

[17 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:00:57]

でもチグハグ君は身の安全が無いことに臆しても、見捨てることはしないだろうな

[18 アルゴス 23/07/13(木) 23:09:27]

「怖いよ……」「ちゃんと帰るよね…？」「この後花火見る予定なのに…」「何でまたこんな思いしなきゃいけないんだ…」「もﾞうﾞおﾞうﾞちﾞかﾞえﾞるﾞ！！」「誰か助けて…」「神様お願いします、私はどうなってもいいのでどうかこの子達だけは…」「フロント管理社は何をやっているんだ!」「大丈だよ…きっと大丈夫だから」


何もない
この不安を、この絶望を解消する言葉がアルゴスにはない
分からないから対処できない
知らないから都合のいい言葉の一つも言ってあげられない

ここに来てアルゴスは「事前に準備しなければ何もできない」という弱点を曝け出してしまっていた
今までシャディク等の傑物と渡り合えたり、アルゴノーツを結成できたのも事前に準備ができていたからに他ならない。それができない現状では、アルゴスはあまりに無力であった


─大丈夫だよ─

[19 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:19:37]

戦の勝敗の大半は戦う前の準備によって決まる、不測の事態に慄くのは当然のことだ、特に守るものが多いものには

[21 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:35:49]

ついに目覚めたか･･･！

[22 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:38:03]

Fear not, I am here!!!

[23 アルゴス/チグハグ君(書き直) 23/07/13(木) 23:38:34]

そんな言葉がアルゴスの内側から響いた

人々が現状に絶望しきっていた時、シェルター入り口に一体のMS─緑の鎧に身を包んだ騎士のような機体、ペジュレヴァリエが降り立った
ペジュレヴァリエはコックピットハッチを開け、その中のコンソールに鎮座していたハロが、一つの真空パックを少年へと投げる
その中に入っていたのはガンメタルのレザージャケット、"アルゴノーツの制服"であった
それを勢いよく羽織ると、"天色の瞳"の少年は避難者達の方を向き直る

「みんな!ゼロダイバーを応援した時の3つの言葉を覚えているかな？」

「1つ、傷だらけになっても必ず前を向いて立ち上がること！」

「「1つ、どんなに強い敵でも最後まで諦めず立ち向かうこと！」」

「「「「「1つ、たとえ僅かな希望でも勝利を信じて戦うこと！」」」」」

少年の唱えるゼロダイバーのヒーロー３箇条に反応した子供達が、少年がいうのに合わせるように３箇条を斉唱する
絶望していた子供達の顔に僅かに希望の光が灯る

「心の強さ、それがどんな不可能をも可能に変える！」

「だからみんな信じて!必ずこの場所は自分達が守ってみせる!」

「君の誕生日も、台無しになんてさせない」

そして少女と目線を合わせ、優しく語りかける

「だから…自分達を、アルゴノーツを信じて！！」

天色の瞳を輝かせる少年─ティガー・ハグラはそう高らかに宣言した

[24 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:41:17]

というかハロって運ぶくらいの自動操縦ならできるのか

[25 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:41:31]

パーメット色！

[26 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:43:21]

本質的な逆境に強いのがティガー、常時で強いのがアルゴスって感じだな、融合すれば完全になる

[27 二次元好きの匿名さん 23/07/13(木) 23:48:34]

>>24

どっかのスレでティガー君のハロはVガンのハロと同じくらいの性能があるって言われてたしな

[28 チグハグ君(今夜の最後) 23/07/14(金) 00:17:34]

<もっと分かる！ワード解説>

アルゴノーツの制服

ジャケットタイプの制服。見た目はGUYSとかスーパーGUTSみたいなウルトラマンの防衛隊にありそうな感じ

胸ポケットにはクリアウィンドウもついている

背中には各隊員の名前が書いてある(ティガーなら「TIGAER」)

夏涼しく冬暖かい多機能な服で、専用のズボンと合わせると一年中之で過ごせるくらい快適だ!

船外活動をするときは専用の指貫グローブとヘルメットやキャップ、コンバットブーツでガッチリ決めるぞ!

イメージ元

[29 チグハグ君 23/07/14(金) 10:27:05]

『オハヨウ！オハヨウ！』

ペジュレヴァリエへと乗り込むと、ハロが耳をパタパタとさせ出迎えてくれ

「あぁ、おはようハロ。早速で悪いけど、今度こそみんなを助けにいくよ!」

シートは座り、生徒手帳をスロットに装填しようとしたその時、胸に掛けられた水晶体が収められた起動デバイスのような物が光り輝く

そのあまりの眩しさに思わず目を覆うと、自らの内側より、声が聞こえてきた

『ティガー、聞こえるかい？』

「君は…アルゴス、だよね？」

『そうだ、私の名はアルゴス。今はこの程度の自己紹介でとどめさせてくれ。ティガー、その「エリシオン」を生徒手帳の代わりにセットしてくれ』

「エリシオン…？」

『私が造ったペジュレヴァリエ専用の起動キーであり、私と君とを繋ぐコンパクドライヴだ。それを使えば私といつでもスイッチ・オン…交代することができる』

「何となくわかった……やってみる！」

そしてティガーはエリシオンをペジュレヴァリエのコンソールへとセットする

<WELCOME TO PEJUREVALIER>

機体モニターや各部コンソールが順次起動していく。メインコントロールレバーを降ろし、数回握り直して感触を確かめると、スラスターの出力を上げていく

「ティガー・ハグラ、ペジュレヴァリエ、行きます!」

そうして少年は造り物の空へと飛び出して行った

[30 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 10:45:29]

エリシオン･･･ギリシャ神話における英雄たちの楽園か

[31 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 11:33:59]

デバイスの中にアルゴスの生体コードとかが入ってるのかな

[33 チグハグ君 23/07/14(金) 12:49:20]

「状況はどうなってる！？」　

アルゴデッセイのブリッジでは、たった今到着したジェイスが額に汗を流しながら状況報告を求めていた

「現在、攻撃システムは稼働率100%、対アステロイド用ミサイル「ワイヴァーン」も装填完了しています！」

「目標は毎時20000kmの速度でグリムイア衝突コースを進行中、衝突予想時間まで後dice1d3=2 (2) +3分！」

「OK、把握した。さァ 、こっからがメインだ、あのデカブツのケツにありったけ食らわせてやれ!」

「ターゲットロック、ワイヴァーン、はっし……」

「ダーメーでーすー！」

砲手が発射トリガーを押そうとしたその瞬間、オペレーターの絶叫がブリッジに響いた

「付近に脱出艇が出ちゃってますー！このままワイヴァーンで破壊しちゃうとー、脱出艇が巻き込まれちゃいますー！」

「なんだって！？」

[34 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 13:45:10]

そりゃそうか、脱出艇出るわな

[35 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 17:36:45]

そういや地球にはコロニーがバンバン落ちるイメージはあるけどコロニーが戦略レベルの攻撃されるってのはあんま聞いたことないな、SEEDの核ミサイルくらいか

[36 アルゴス 23/07/14(金) 18:06:31]

「こうなりゃ、バトルホーネットのビームカノンで撃ち抜く！」

「ギャリソンのライフルが通じなかったって聞いてなかったか？ビーム兵器の有用性が薄い今、バトルホーネットは出せない」

「…ならパルスメーザーは！？」

「射角の問題とー、あれは素材か内部装置によるビーム減衰と推察されるのでー、パルメーザーの効き目が薄いですー」

「…クソッ！打つ手なしか……誰か!即効性の高い有効な対策手段は…なんか手はないのか！」

だが、ジェイスの必死の叫びも虚しくブリッジには静寂だけが響いていた
現在置かれた状況においてアルゴデッセイ号ができることはあまりにも少なすぎた
強力な武装は付近を航行する脱出艇を巻き込みかねないし、対象の性質を考えるとメイン火力であるビーム兵器を頼りにするのはいささか心許ないものがある
まさに万事休す、旅の始まりにてアルゴノーツは最大の危機に直面していた

「まだだ！」

そんな時、一つの声がアルゴノーツの専用通信チャンネルから聞こえ出す

「"手"ならまだある！」

背面に新装備「アイギス」をブースターモードで装着し、遊園地から全速力で駆けつけたペジュレヴァリエが隕石に立ち向かわんとやってきた

[37 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 18:09:27]

SEEDのメテオブレイカーみたいなもんがあれば話は早いんだがな･･･

[38 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 18:22:08]

最初に遭遇するのが自然災害とは船旅って感じがするな

[39 チグハグ君 23/07/14(金) 18:32:27]

「ごめん!寝坊した!」

「…っ…ティガー！！たく、心配かけさせやがって！」

「ごめんジェイス、お詫びは後でするから今はアレを何とかしよう!」

数週間振りの親友の帰還。本当は小躍りしたいほど嬉しかったが、今やるべきことのためジェイスも気持ちを切り替える

「だけど、手って言ったってこの前やってたシューティング・エストーラってアレもビームだろ？アレにはビーム効かねェんだぞ」

「だから"手"を使うのさ」

ニヤッと笑うとティガーはコックピットのコンパネを操作し、アルゴデッセイにあるものを送る

「あれー？なんやこれ？「ネクサスウェポン射出プロトコル」？うーん…ふむふむ。あーちょいムリーポイちゃんよろしくー」

「えっ！？ちょっと先輩！？はぁ……………よし、概要は理解しました。アルゴ…多分今はティガー先輩ですよね？こっちの準備はOKです！」

「ありがとう。それじゃぁ、指定座標によろしく！」

「AIG！…ｽｩ、NxW-01射出準備！」

[40 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 18:46:15]

チグハグ君もなんか感じ変わったな、逆境だと性格変わるタイプなのか、それともトラウマで急成長したのか

[41 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 18:56:41]

ネクサスウエポン、振り返りスレで出たあれか

[43 チグハグ君 23/07/14(金) 19:10:13]

削除
「リボルチャンバー回転開始、シリンダーコンテナは1番を選択！」

アルゴデッセイ号の船体中央部に備えられリボルバーのシリンダーのようなパーツが回転する
発射口と1番と書かれたコンテナが一直線上になるとその回転が止まる

「バレルカタパルト通電確認！NxW-01所定位置へ移動、電磁浮遊システム起動!」

「撃鉄起こせ!」

コンテナから取り出されたオレンジの機械の集積体がカタパルトへと運ばれると、円柱状のカタパルトに備えられた電磁浮遊装置で地面から浮き上がる

「射出シークエンス38番まで確認完了!セットアップ、ヨシ！NxW-01、シューーートッ！！」

オペレーターの威勢のいい掛け声共に、急発射用の超加速システム「ケラウノス」の激鉄が勢いよく降ろされ、打ち出された物体は凄まじい速度でカタパルトを進み、宇宙空間へと射出された

[44 チグハグ君 23/07/14(金) 21:17:19]

射出されたネクサスウェポンはその凄まじい速度で発射前に表面に塗布された磁気塗膜材─物体表面の流体の流れを一様にし空気抵抗による減衰を防ぐ─を撒き散らしながら宇宙空間に射出される

「誤差修正、ウェポンコネクト・プリペアー、ネクサスシステムズ・アークオン」

そこに待っていましたと言わんばかりに飛び込んできたペジュレヴァリエはネクサスウェポンと並走するように飛ぶと、右腕─クリュサオル─を変形させながら、ネクサスウェポンの背後へと回る
そして右腕を大きく振りかぶり…



「ブレイクゥゥゥゥゥコネクトォォォォォ！！！」



ネクサスウェポンの開孔部に勢いよく右腕を突き刺す
エネルギー回路の接続完了と共にネクサスウェポンは各部を展開し、4つの巨大な円柱─まるで巨人の指のようである─を支える巨大な特殊装備となる

「エノシガイオス…起動、確認！」

これこそがティガーの言う"手"
ペジュレヴァリエ専用超特化特殊工作武装類、それこそがネクサスウェポンである

[45 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 22:19:47]

ディバイディングドライバータイプなのか

[46 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 22:23:31]

完全にスーパー系である

[47 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 22:27:06]

ロマン全開！これ絶対製作者の趣味だろ！

[49 チグハグ君 23/07/14(金) 23:25:06]

「接岩！」

ペジュレヴァリエはデブリにエノシガイオス先端を突き刺すと、各円柱から4本の爪のようなパーツを展開し、機体とデブリを完全に固定する

「超振動モーター作動！出力120%！」

エノシガイオスが一瞬で高熱を帯びると、デブリ全体が微細な振動を始める
そして徐々に大きくなる振動と共に、デブリの形状が少しずつ崩れていく

液状化現象というものがある。これは強い振動を受けた砂質土が、地震の震動により固体から液体の性質を示すことにより、上部の舗装や構造物などが揚圧力を受け破壊、沈み込みを起こすものである
エノシガイオスは強力な振動を起こし、対象の原子の結び付きを分離させ形状崩壊、流動分解するための武装である
「超壊振破砕用装備」
それがエノシガイオスなのだ

そしてその対象はこのような巨大なデブリにも当てはまる
振動が最高出力に達すると、デブリはその巨体を粒子状へと変えていく

「マグネイト！エストーラ！！」

ティガーのその叫びと共に出力が150%に引き上げられたエノシガイオスはついにデブリの流動分解に成功する

─衝突まで残り45秒、ギリギリの決着であった

[50 チグハグ君(今夜の最後) 23/07/14(金) 23:36:21]

「やっ………」
「やっ……………」
「やっ…………………」

「「「.「やったぁぁぁぁぁ！！！」」」」

アルゴデッセイブリッジ内部は歓喜の声に包まれていた
本当にギリギリのところでの劇的な解決。なんとも言えないアドレナリン由来の高揚感が場を支配していた

ペジュレヴァリエのコックピットでもティガーが背もたれに深く腰掛け、長く息を吐いていた

「……お疲れ様、相棒。よく頑張ったな」

コックピットの機体の状態を示すモニターは右腕が黄色く染まり「破損危険状態」の警告を促していた
なんのせネクサスウェポンの中でも反動が大きいエノシガイオスを1.5倍の出力で使用したのだ、機体にガタが来ても何もおかしいことはなかった
この後ちゃんと治してあげよう、そう誓いアルゴデッセイ号に戻ろうとしたその時であった

グリムイアに向かって、一筋のビームが放たれた

[51 チグハグ君(今夜の最後) 23/07/14(金) 23:36:49]

異常はアルゴデッセイ号のブリッジでも確認されていた

「不明のオブジェクト多数！」

勝利に湧き立つアルゴノーツのメンバーにメデイアの報告が緊張を走らせる

「数は3、サイズは……これMS！？」



そしてティガーもまたグリムイアに攻撃を行ったMSと相対していた

「……ガン……ダム……？」

シェルユニットを赤く染める青紫の機体─ガンダムタイプのMS3機がペジュレヴァリエを見下ろしていた

[52 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 23:42:09]

襲来、悪の三兵器

[53 二次元好きの匿名さん 23/07/14(金) 23:44:02]

エノシガイオスって海の神であり、地震の神でもあるポセイドンの別名なのか

[54 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:01:40]

>>49

なるほどつまりこれみたいな感じか

[55 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:14:49]

…似てる？

[56 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:20:04]

右腕破損状態でガンダム3機か･･･流石のチグハグ君といえども援護が無いと殲滅は無理かな？まだチグハグ君はペジュレヴァリエのフルスペックを使用してないけども

[57 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:22:15]

>>55

まあ同じ人が書いてるんだし多少の類似点はあるでしょ

[58 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:29:20]

>>57

可能性薄いかもだけど鹵獲したり

同じ出所だったりしないかなーと思いまして

[59 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:38:36]

しかしテロリスト程度がこんな戦略的攻撃を行えるのか？あくまでデブリとガンダムテロは関係がないと見るべきか

[60 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 00:43:16]

出所がオックスアースのガンダムだったら宇宙議会連合は自身が守護する義務があるフロントを壊滅させようとしたことになる･･･おそらく通常のフロントであるグリムイアにこんなことを仕掛けたことが露呈したらもう組織として終わりだろう

[61 チグハグ君 23/07/15(土) 08:26:13]

「……この状態では……いや、まだあのガンダムが「悪いガンダム」って決まったわけじゃない…！」

ティガーが敵としているのはあくまでも人を傷つける「悪いガンダム」である。悪いやつが良いやつかは見てくれだけでは判断ができない。先ほどのビームも誤射の可能性もあるし、今こうして3機も出現しているのは先ほどのデブリを破壊しようとしていた可能性もあるのだ
だからティガーは対話を試みることにした

「こちらに戦闘の意思はありません、あなた方の来訪目的を教えていただければすぐに立ち去りま……」

『ティガー！ニゲロ！ニゲロ！』

もしかしたら悪いガンダムじゃないかもしれない、そんなティガーの願いはまたもや裏切られることになる
青紫のガンダム達は片足を上げたかと思うと、つま先を変形させ、発射口からビームを放ってきたのだ

「戦うしか…ないのか!」

敵の数は3、対してこちらは右腕の出力が半分以下に落ち、クリュサオルの使用が不可能、どう見ても不利な条件であるが、ここで引く訳にはいかない理由がティガーにはあった
今自分の後ろにはグリムイアがある。あのフロントには未だ多くの人が取り残されており、この後の楽しい予定や家族の思い出が紡がれるはずだったのだ
ならば、自分の使命はその思い出を奪わせないこと、あの少女の誕生日を台無しにしない事と考えると、ここからあのガンダム達を一歩たりとも倒すわけにはいかなかった

エノシガイオスをコネクト・アウト(合体解除)すると、懐から取り出したタクティカル・ウェポンをシックルモードにし、ガンダム達と相対する

「来い！ここから先は一歩も通さない!」

[62 チグハグ君 23/07/15(土) 12:00:50]

激しくぶつかり合うペジュレヴァリエと3機のガンダム達

戦闘能力(相対評価)

ペジュレヴァリエ

dice1d300=158 (158) +150

ガンダム3機

dice1d500=1 (1) +100

[63 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:07:13]

えぇ……（困惑）

[64 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:13:18]

さすがエアリアルをボコボコにする男だ（白目）

[65 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:19:41]

草

[66 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:35:17]

令和のスザク

[67 チグハグ君 23/07/15(土) 12:42:30]

3機のガンダムの被害

dice1d3=3 (3)

1.1機の腕部破損(dice1d2=2 (2) 1.右腕　2.左腕)

2.アイギスの粒子拘束兵装で捕縛(dice1d3=1 (1) 機)

3.ビームシックルとワイヤーの合わせ技で1機を完全に達磨に

[68 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:43:34]

スコア6エアリアルと旧式機で画角に渡り合うやつだからまぁ…

[69 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 12:44:36]

>>62

悪の三兵器（仮）ガンダム、ペジュレヴァリエが破損してるからって油断したな？

[70 チグハグ君 23/07/15(土) 13:05:19]

「貰った！」

ダマになって攻撃を仕掛けるガンダム相手にティガーの取った選択肢は、真っ向からぶつかっての無力化であった
現在、右腕がほとんど使い物にならないペジュレヴァリエの使える選択肢は少ない。そもそも敵機体が武器等を持たず、脚からビームを出したことを考えれば、あの四肢に何かしらの武装が搭載されていると考えるのが自然だ
そうなると近中距離で距離を持ったままの戦闘が望ましいのだが、ビームライフルによる射撃は不意の近接戦に対応できず、ビームシックルによる近接戦はそもそも実質片腕のペジュレヴァリエには荷が重すぎる

ならばとビームシックルを投擲すると、その柄の部分にワイヤーを巻き付けると、勢いそのまま回し始める
即席の鎖鎌による攻撃、それがティガーの考えた最適行動であった

「必殺！風車！！」

高速で宇宙空間を飛び回る光の刃はついに1機のガンダムを捉え、その四肢を胴体部分から切断してみせた

[71 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 13:58:41]

マジで忍者やな

[72 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 16:03:48]

戦い方が巧い、メカニックとして機体の武器性能を把握してるのと、絶技じみた操縦技術があるからこんな使い方ができる

[73 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 16:05:12]

>>68

そう考えると妥当な結果か･･･

[74 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 16:27:34]

しかしチグハグ君は誰かを守る場面でこそアホみたいに強くなるなあ、追い詰めるほどに厄介になる

[75 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:06:28]

いまのチグハグ君ってステータスどんな感じなんだろうか

全部覚醒したのか？

マニューバ:dice1d100=77 (77) +70

AMBAC:dice1d100=21 (21) +70

射撃:dice1d100=64 (64) +70

近接:dice1d100=78 (78) +70

防御:dice1d100=1 (1) +70

回避:dice1d100=50 (50) +70

直感(ニュータイプ的なアレ):dice1d100=18 (18) +70

変態性(例.ビームの雨の中を直線で突っ込んでくる):dice1d100=74 (74) +65

技巧(戦闘の駆け引き):dice1d100=89 (89)　+30

成長性:dice1d100=51 (51)

[76 チグハグ君 23/07/15(土) 17:15:37]

1機を行動不能にし、残りの2体に対処するため、ワイヤーでビームシックルを手元に引き戻す

この程度であれば、30秒以内に片付けられる。そう思っていた



〈キャァァァァァァァァァァァァァ！！！！〉




耳をつんざくような悲鳴が聞こえるまでは

[78 チグハグ君 23/07/15(土) 17:36:08]

「がァッ…！！」

その悲鳴は宙域全体のパーメットを利用した音声システムから流れ出しており、当然その渦中にいたペジュレヴァリエのコックピットのティガーにも届いていた
とはいえ、大多数の人間が不快感を感じるというだけの悲鳴で、ティガーは1人、ヘルメット越しに頭を抱え悶え苦しんでいた

「声が……聞こえるッ……」

「プラント・クエタの時と同じ……頭に響く………！」

プラント・クエタで感じた時と同じ、犠牲者の悲鳴。あの時感じた不思議な感覚が今またティガーへと降りかかっていた

そしてその声はどんどん大きくなっていく

「タスケテ」「シニタクナイ」「イタイ」「シメイ」「ヒトノタメ」「コワイ」「イキタイ」「タスケテ」「ニゲタイ」「ツライ」「サムイ」「シニタクナイ」「イキタイ」「イタイ」「ヤメタイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」「シニタクナイ」


「イキタイ」

[80 チグハグ君 23/07/15(土) 17:39:23]

少年はその声の向こう側─光の先─にイメージを見た
およそ人間がなってはいけない形をした、人間によく似ている肉の塊が呪いのように繋がれた機械で生かされている姿を、少年はハッキリと見た



(※イメージ)

[81 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:40:55]

おいライン超えたぞオックスアース

[82 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:47:36]

オックスアース･･･悪魔、地獄の軍団･･･

[83 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:51:03]

そっかぁ、痛覚まで機体とリンクしてんのかなぁ？

[84 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:52:23]

ファンアートです
プラント・クエタ出張直前のシーンです
いつも楽しませていただいてます
無理せず頑張ってください

[85 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 17:57:41]

いくらチグハグ君がマトモにやったら勝負にならないからって精神的に追い詰め続けるのはどうかと思うんですけど(震え)

[86 チグハグ君 23/07/15(土) 18:08:20]

「うっ…おぁ…うっ…」

"そういうもの"には慣れていると思っていたティガーだったが、これはそんなものを遥かに超越した"悪意"に塗り固められていた

胃の内容物が込み上げる。胃酸の酸っぱい匂いと、鼻腔が広がったことにより鉄っぽい匂いが口腔内に充満する

戦えない

少年は操縦桿を離していた

戦っちゃいけない

もう少年の目の前には敵はいない

戦いたくない

目の前にいる"人間"とは戦えない

もはやただの生体パーツでしかないソレでも、ティガーにとっては守るべき他人に違いないのだ

だから戦えない。守るべき存在に、助けなくてはいけない存在にティガーは刃を向けられない

もう助けられないと分かっていても、自分には救えないと分かっていても、倒すべき敵だと認識することができない

dice1d3=2 (2)

1.動きの止まったペジュレヴァリエにガンダム達が脚ビームの銃口を向ける

2.様子のおかしいティガーを助けるためジェイスがカノーネブルクで出撃しようとする

3.ハロの呼びかけでかろうじて正気に戻る

[87 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 18:11:52]

エグいことしやがる…

[88 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 18:18:13]

>>85

gレコのベルリとかと同じタイプだ、まともに戦わせたら一方的に叩きのめすだけだから精神的デバフを与えないと勝負の段階にもならない

[89 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 18:21:00]

なんかチグハグ君いつもこんな目に遭ってない？覚悟決めて戦おうとした瞬間にSAN値直葬レベルの精神的ダメージ喰らってる

[90 チグハグ君 23/07/15(土) 18:34:28]

「離せ!ティガーを助けに…行くんだっ！！」

その頃、ブリッジでは出撃しようとするジェイスをメデイアやクルー達が必死に押さえ込んでいた

「今行かなくて何が親友だ!アイツがピンチなのに黙って見てられるか！！」

ジェイスからしてみれば、この程度の拘束など簡単に振り解けるものでしかない。彼の高い身体能力はアルゴノーツ随一なのだから
だが、今の彼はこの船の船長であり、今彼を止めているのは付き合いこそ浅いもののみんな彼の友人なのだ
ジェイスは友を傷つけられない。それはあの日、ティガーと友になったあの日から心に決めていた一つの誓いであった

「今の貴方は船長でしょう!ジェイスさん!貴方が勢いに任せて飛び出して、誰がこの船の指揮をするのですか!今貴方がやるべきなのはパイロットとしてではなく、船長としてティガーさんを救うこと、そうでしょう！？」

メデイアの必死の説得にジェイスの動きが止まる
顔を見上げると、皆不安そうな顔をしていた
当然の話だ。突然の学園テロに始まり、滞在フロントを襲った巨大デブリを間一髪除去したかと思えば、次はガンダムの襲撃、あまりに多くのことが連続して起こりすぎていた
ピンチの親友とギリギリの船員、全員救う方法はたった一つであった

「総員に次ぐ！不明のガンダムタイプMS3機が出現した！俺たちの次の任務はあいつらをブッ飛ばすことだ!現在、ティガーがたった1人で応戦している、アイツ1人に負けてらんねーぞ！全員気合い入れ直すぞ！」

「「「「AIG！！」」」」

親友から託された船長帽子を深く被り、ジェイスはモニターに映るガンダムを睨みつけていた

[91 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 18:56:39]

そうか･･･今度は一人じゃないからな

[92 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 19:41:27]

しかしこれだけの外道を行うとはオックスアースと議会連合にはなんの憂いもなく暴れ回れそうだ

[93 チグハグ君 23/07/15(土) 19:42:07]

『シッカリシロ！シッカリシロ！』

コックピットで吐き気に襲われているティガーにハロは懸命に声をかけ続けていた。そんなハロの声でティガーもほんの少しだけ気分を落ち着けることができていた

「でも…どうすれば……」

操縦桿を握るティガーの手は弱く震えていた
もし一歩でも間違えれば…そう思うと対処しようにも頭が回らなくなる
普通のMSを無力化するのなら簡単だ。手足を切断し、スラスターも基部ごと破壊し、メインセンサーが詰まっている頭部を破壊すれば大体のMSは無力化することができる
だが、目の前のガンダムはそうはいかない。おそらくあのガンダムはパイロットとMSが自身の肉体同然の繋がりで接続されている。機体の傷がそのまま中のパイロットに反映されてしまう
正直、お手上げであった

数が2機に減ったとはいえ、片腕で相手するのはいささか辛い。相手に対しての対応策がないために、現状維持のために機体を傷つけることは許されない
だから全て受け流す。受け流し続ければ相手が傷つくことはない。というか、現状できることがそれしかなかった

[94 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:01:53]

これが>>1の言ってた人機一体か！？

[95 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:19:18]

>>94

うーんこの…忌まわしい

[96 チグハグ君 23/07/15(土) 20:24:06]

対応策がなく、消極的な対応に努めていたティガー
そんなティガーの背後からビームの雨霰が放射された

「ティガー！またせたな！」

振り返ればアルゴデッセイ号が艦左右に取り付けられた攻撃用バトルドローン「バトルホーネット」を展開し、ガンダム達に攻撃を仕掛けていた

「ジェイス！このMSに攻撃しちゃダメだ!」

「なんでだよ！？」

「それは……くっ…」

事情を話したいが、ガンダム達はそれを許してくれそうにない。一刻も早く事情を話したかったが、それでガンダム達がグリムイアに向かっては本末転倒にすぎる　

「頼むから…大人しく…しろっ！！」

ペジュレヴァリエはガンダムの襟元を掴むと、勢いよくもう1機の予測進路上へとぶん投げる。ティガーの予測通り、2体のガンダムは激突し一時的にその動きが鈍る
ゼロダイバーの得意技「地獄車投げ」を即興で再現した対応であったが、案外うまく決まった

「後はこれで…！」

そして動きが鈍ったガンダムを捕縛すべく左手を向け、ワイヤーを射出しようとする

[97 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:28:40]

サラッと受け流してるし有効打与えてるあたりホント強いな

[98 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:34:51]

なんとか対話できないもんか

[99 チグハグ君 23/07/15(土) 20:39:17]

ワイヤーでガンダムを捕縛しようとした、その時であった

『…！ティガーさがれ！』

アルゴスの急な警告に無意識で後ろに下がるティガー
その計画は正しかった

さっきまでガンダムとペジュレヴァリエが戦っていたところに、赤黒いビームのようなものが照射されたのだ
そのビームをモロに喰らったガンダム達はピクリとも動かなくなってしまった
そして動かなくなったガンダム達はさらに天から注がれたビームの雨で破壊され、爆散してしまった

「何が起こったんだ……」

戦場の誰もが現状を飲み込めず困惑していた
ティガーもその1人であったが、コックピットのモニター上面に機体反応がある事に気づくと、その方向にカメラをズームさせる
そして、驚愕する

「えっ………」

その見覚えのある蒼い機体に、特徴的なシルエットを持つ蒼い機体にティガーは開いた方が塞がらなかった


「グラン……ゲイル………？」


"失踪した"はずの友の機体が真っ黒な宙の中で蒼く蒼く光り輝いていた

[100 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:41:58]

混沌としてきたぞお

[101 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:53:44]

アイエエエエ！？ ドムル！？ ドムルナンデ！？

[102 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:54:28]

（誰だ……？）

[103 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 20:55:16]

ニカの幼馴染み···？

[104 チグハグ君 23/07/15(土) 21:10:50]

アルゴデッセイのブリッジではティガーと同じようにジェイスも驚いて開いた口が閉じずにいた

「あの機体……ドルム……？いや、でもアイツのグランゲイルはあんな姿じゃないはず……」

その無意識のつぶやきにブリッジのアスティカシア生の間に波紋が広がる

「ドルムってあの2年の猟犬王子様？」

「1年の頃に決闘告白したって伝説の人ですよ」

「あぁ…アーシアンの奴らとつるんでた」

「なんで、だってアイツは……行方不明だったのに……」

ジェイスの困惑の声はヒソヒソ話に掻き消され、誰にも聞かれることはなかった

──────────

「ドルムくん！ドルムくんなんだろ！？」

最も蒼い機体の近くにいたティガーはいなくなってしまった友の名を呼びながら、その機体に手を伸ばしていた

「よかった…生きてたんだ……ニカさんやみんなが心配してるよ？さぁ、一緒に帰ろ？」

だが伸ばしたその手に返ってきたのは、ビームガトリング という名の拒否の意思だった

「なんで！ドルムくん！」

ビームガトリング を乱射しながら、蒼い機体はどんどんこの宙域から離れていってしまう

攻撃されていてもそれでも必死に手を伸ばすティガーの元に一通の差出人不明のメールが届く

<don't get involved with that GUND-ARM (あのガンダムには関わるな)>

その一言だけを残すと、蒼い機体は宙域から飛び去ってしまった。後には伸ばしたその手だけが残り、掴むものがない架空を強く握りしめていた

[105 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 21:21:22]

ガンダムを処理したあたりシャディクの暗躍はなさそう？

[106 チグハグ君 23/07/15(土) 21:32:22]

─グリムイア　宇宙港

とりあえず一旦事態の解決に成功したアルゴノーツは、アルゴデッセイ号へと集結し、今回の事態のそれぞれの活動について報告を行なっていた

要約すると次のような感じである

居住ブロック組:dice1d3=3 (3)

1.特に問題なし、怪我人等もいない

2.住民の確認等は管理社の方に任せている途中

3.直撃したガンダムのビームによる外壁ダメージは現在応急処置が完了している

観光ブロック組:dice1d3=3 (3)

1.特に問題なし、怪我人等もいない

2.感謝されっぱなしで別の意味で疲れちゃいました

3.脱出艇を出してしまったグループがいたが、現在はフロントに帰還済み

デブリ対処組:dice1d3=1 (1)

1.使用したエノシガイオスを回収、定格出力オーバーで使用したため現在オーバーホール中

2.件のガンダムのレジストコード(識別名称)が決まる

3.現在ペジュレヴァリエのメンテ中でしばらく動かせない

[107 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 21:41:42]

ニカ・ナナウラに幼馴染を生やすスレ:身辺整理編｜あにまん掲示板

ニカ・ナナウラに幼馴染を生やすスレ　第4幕｜あにまん掲示板

このスレも関係してたのか……

[108 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 21:41:50]

全員仕事が早いな

[109 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 21:45:03]

スレ主が一緒なのか？

[110 チグハグ君 23/07/15(土) 21:51:21]

「なるほど…よし！みんなよくやった！まぁ…なんかスッキリしないこともあったけど、アルゴノーツの初仕事無事完了だー!」

勢いよく天に突き上げられたジェイスの拳に合わせるように、アルゴデッセイ全体が湧き立っていた

「というわけで…初仕事完了のお祝いにみんなで花火見に行くぞー！！飯代は俺の奢りだー！」

またもや上がる歓声、皆口々に何を食べるか、どこで見るかを思案していた
そんな時、1人の少年が手を挙げる

「発言失礼します、ヨハネスです。祝勝ムードのところに水を刺すようですが、今回の事態、かなり大きなものですし花火大会は中止の可能性が高いのではないでしょうか」

「中止」その言葉に先ほどの空気は一変し、ドヨンとした空気が流れ始めていた。考えればその通りではあるのだが、それでもアルゴノーツの大半はまだ子供、花火大会という一大イベントに浮ついた心の行き先を求めて不満そうな顔をしていた

「あー、それなんですけどー」

間延びしたオペレーターの声が全艦に響く

「さっきフロントの偉い人に連絡とったらー、花火大会やるらしいですー、なんでもフロントの威信がどうとかー」

そして再びアルゴデッセイは歓声に包まれた

[111 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 21:57:43]

ラストムーンと関係してる？
ニカを人質にされてる？
色々思い浮かぶなぁ
行方不明になってるのか…マジで心配よ

[112 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 22:05:03]

オペ子ちゃんも気になるな、ちょくちょく出てるけど

[113 チグハグ君 23/07/15(土) 22:17:55]

─花火大会

グリムイアの花火大会はフロント内での花火としてはそこそこな規模を誇っていた

観光ブロックにある人工湖を征く船の上から打ち上げられる花火は湖面に反射し、空と水面二つの花火が同時に暗闇の中に輝く。その様の美しさを求めて毎年この時期なると近隣のフロントから観光客がやって来るのだ

「たまやー！」

随分と古風な合いの手を送るジェイスは湖が一望できる小高い丘の上でメデイアと共に花火を眺めていた

相変わらずやかましく、子供っぽいジェイスの花火に照らされる横顔をみてメデイアは思う

dice1d3=3 (3)

1.本当によく笑うようになりましたね…

2.船長やっている時はもう少しカッコいいんですけどねぇ…まぁ、こういうジェイソンさんも嫌いじゃないですが

3.本当、バカですね

[114 チグハグ君 23/07/15(土) 22:27:50]

「………俺のこと、またバカだーって思ってる？」

図星を突かれたメデイアは目を丸くすると、ジェイスから目を逸らし黙り込んでしまう

「別にいいよ、俺本当にバカだし。学校の勉強もギリギリだし、ティガーとかお前みたいにスゲー特技持ってるわけでもねぇし」

「でも俺は、バカでよかったなって思ってる」

ジェイスの突然の告白にメデイアはまたも驚く。今までメデイアが「バカ」というと多少なりとも嫌がっていたというのに…どんな心境の変化があったというのか

「バカだから、思ったことを真っ直ぐ言える。取り繕うほどの頭がないともいうけどな！でも、嘘つかないでティガーやお前やみんなと喋れるなら、俺は一生バカでいいよ」

そういうとジェイスはニッコリとメディアに笑って見せる

「そういう風に言っちゃうのがバカなんですよ…」

一際大きな花火が上がる。夜の設定になっているフロントの空を明るく照らす大きな花火が人々の視線を奪っていく

「アルゴスともちゃんと腹割って話してぇなぁ……」

そんなジェイスのぼやきさえ、音と光がかき消していった

[115 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 22:53:37]

アルゴスの謎は多いからな、どういう存在なのか、どこからきたの帰ってか

[116 二次元好きの匿名さん 23/07/15(土) 23:00:30]

水星の魔女のキャラの大半はそれが出来ないからな

[117 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 00:09:04]

今日はここまでな感じか

[118 チグハグ君 23/07/16(日) 08:55:41]

湖畔近くに立つ木製の建物の扉には「本日貸切」の看板が掛けられていた

「本当にいいんですか？自分なんかが同席しちゃって…」

「いいんだよ。それに……」

「この子ね、ウサタって言うの!」

『ハロ！ハロ！コンニチワ！コンニチワ！』

「…娘が、是非とも君に来てほしいと言っていてね」

ティガーは助けたあの少女の家族に誕生日会に招かれていた
しかし、いくら成長したとはいえ根はティガー・ハグラのままなのであまりにも自分にとって場違いな場所に萎縮しまくっていた

「自分、そんな大層なことしましたか……？」

大層なこととはいうが、迫り来るデブリを破壊したり、フロントを攻撃しようとしたガンダムを撃退したことが大層なことでないのなら、なんのことを言うのかという話ではある
もっとも、この少年の言う大層ではないと言うことは、あの日少女にウサギのぬいぐるみを渡したことなのかもしれないが

[119 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 09:33:10]

お、始まった

[120 チグハグ君 23/07/16(日) 10:14:48]

「大層……君は随分と謙虚なんだねぇ」

「あ、ありがとうございます」

対して褒められてもいないのにティガーはペコペコしっぱなしである

「お友達の方と一緒にあのデブリを壊してくれたんでしょう？今の子供達はすごいわね!」

「あ、いえ、あれはただみんなが凄いだけで、自分はただ、自分がやれることをやっただけと言いますか……」

母親の方も会話に参加してきた
あいも変わらず初対面との会話はてんやわんやで、本当に成長したのか疑わしくなってきた

『ケンソンシスギ！ケンソンシスギ！』

遂にはハロにまで言われる始末だ

[121 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 10:27:05]

まあ、確かに直前まで眠ってた訳だからいまいち実感が湧かないのかもね

[122 チグハグ君 23/07/16(日) 10:44:35]

二方から褒められアワアワしているティガーの元に、少女が近寄ってきた

「お兄ちゃん！これどーぞ!」

元気いっぱいの笑顔で少女がティガーへと一枚の紙を渡す
スケッチブックを切り取ったであろう少し分厚い紙には大きく「ありがとう」の文字とたくさんの絵が描いてあった

「守ってくれてありがとう！」

「そんな…今日は君の誕生日なのに…こんな…もらっちゃって……」

嬉しかった
今まで誰かを助けて感謝されることはたくさんあったが、こうして絵まで貰えることは今までなかった
なにより、少年にとっての直近の思い出であるプラント・クエタで多くの命を守れなかったことが、今日こうして少女の誕生日を守れたことの喜びを増大させていた

「ありがとう…ずっと大事にするね」

貰った絵をギュッと胸に抱き寄せる。この絵があればもっと頑張れるそんな気さえ湧いて来るのだ
思いは繋がるものだ。誰かを守りたいと願う少年の勇気は巡り巡って、感謝という形で少年にまた戦う勇気を与えるのだ

[123 チグハグ君 23/07/16(日) 10:46:01]

「これペジュレヴァリエ？」

「うん！お兄ちゃんのモビルスーツ！」

「凄いなぁよく描けてる…あ、見ろよハロ!お前めっちゃ大きく描いてもらえてるぞ」

『ウレシイ！ウレシイ！アリガトウ！アリガトウ！』

「それじゃぁ、これは……」

「うん！お兄ちゃん！！」

「え、これ自分！？いやぁーこんなイケメンじゃないよー」

湖畔の店には穏やかで暖かい時間がゆっくりと流れている
少年と少女の微笑ましく笑う様を、少女の親は微笑ましく見守っている

空には大きな花火が大輪の花を咲かせていた

[124 チグハグ君 23/07/16(日) 12:23:34]

「自分もなんか誕生日プレゼント…」

少女に渡すプレゼントを探し、自分の身の回りを漁ってみるが少女にあげられそうなものはない

『なら、私が手品を披露しよう』

困り果てたティガーに助け舟を出すように、アルゴスが語りかける

「……他にでもないしね。よろしく」

「それじゃぁ……チェンジ・スイッチ・オン」

そう言うとティガーの髪、その毛先が赤のグラデーションに染まり、瞳は真紅に染め上げれる

『お誕生日おめでとう、お嬢さん。あなたの誕生日を盛り上げるためにひとつ、手品を披露しても構わないかな？』

アルゴスは心底優しそうな笑顔で少女へと語りかけた

──────────

[125 チグハグ君 23/07/16(日) 12:23:51]

アルゴスに外へと招かれた少女とその家族は、花火を背にし、湖畔に佇むアルゴスへと視線を向ける
先ほどの少年とは打って変わって余裕綽々、飄々とした立ち姿は同じ少年だとはとても思えなかった

『では、本日誕生日を迎えた可愛らしいお嬢さんに、とびきり素晴らしい手品をお見せしましょう』

そう言うと、アルゴスの両手には青い粒子の入った小瓶が握られる。それは粒子状のパーメットを封入したものである
アルゴスはそれを握りつぶすと、天へと舞い上げる
青い粒子が花火の輝きを反射し、キラキラと輝く。まるでもうひとつ星空が現れたように

『世界で1番美しい宝石、ダイヤはとつも高い圧力がかかることによってその輝きを宿しこの世に生まれる。この世のあらゆる煌めく宝石の原石は自然現象という抑圧によってつくられるのさ』

そして舞い上げた粒子を目の前で両の手の間で圧縮し始める

『だが、宝石はそのままでは輝けない。人の手を借り、自らを研鑽し、磨き上げることでその輝きを何百倍にも輝きを増す。そう、こんな感じに』

そして手の間で作られたパーメットの原石が同じパーメットの粒子によって研磨され、徐々に輝きを増していく

『お嬢さん、君がこれから生きる世界には困難なことがたくさん待ち受けているだろう。だが、心配は不要だ。共に生きる友達や仲間や家族が君を研ぎ澄まし輝きを与えてくれるだろう』

そして形作られた宝石に紐をくくりつけるとあっという間にネックレスが作り上げられる

『つまり私が言いたいのは、たくさん友達や仲間を作ってたくさん幸せになってくれってことさ。ハッピーバースデー！これは今日ひとつ大人になったお嬢さんへのプレゼントだ』

アルゴスは出来上がったネックレスを少女の首へと掛ける。深い青の宝石は少女の胸元で光り輝き、もう一つの宇宙を閉じ込めたような深さを持っていた

最後にペコリと一礼すると、再び顔を上げた時、その瞳と髪はティガーのものへと戻っていた

[126 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 12:39:11]

そういやパーメットって鉱物だったな

[127 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 12:46:11]

パーメットを操る能力、本当アルゴスって何由来の人物なんだろう

[128 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 12:55:41]

洒落てんなーアルゴス

[129 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 13:00:09]

同時期に地球で酷い目に遭ってるグエルを思うと悲しくなるな

[130 チグハグ君 23/07/16(日) 13:26:44]

グリムイアの夜空を花火が彩る
その下では人々が重い思いの夜を過ごしている
屋台でりんご飴やクレープを食べる人
恋人と隣り合って花火を見る人
今日の事件を記事にするためオフィスで残業をする人
楽団の音楽に合わせてダンスを踊る人

人々の営みの光は暗い宙を照らし、数時間前の危機など微塵も感じさせないような笑い声が、フロント中に響き渡っていた

[131 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 13:34:13]

結局隕石orデブリと悪の三兵器は関係あったんだろうか

[132 チグハグ君 23/07/16(日) 13:34:21]

< 予告 >

天に咲く花の学園、アシティカシア

生徒達の笑い声が響き、誰もが明日の未来を信じて疑わない平和な世界

そんな世界に生きる少年─ドルム・ガナン─は、何一つの不自由もなく、この毎日が続いていくのだと根拠のない未来に生きていた

だが、その未来は突如として破壊される

宙に響く少年の慟哭

白い悪魔がその刃を鈍く輝かす

大切なもののため、少年はその胸の刃を振る

機動戦士ガンダム水星の魔女　IFストーリー

AVENGE OF VANARGAND

近日、開始

[133 チグハグ君 23/07/16(日) 13:46:11]

>>84

反応遅れてごめんなさい🙏

とっても素敵なイラストありがとうございます！！

これからも頑張らせていただきます!

[134 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 14:05:14]

チグハグ君達とは別視点のストーリーか？

[135 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 14:06:19]

･･･アスティカシアが平和？まあ地球の紛争地の環境とかと比べたら楽園だろうけど･･･

[136 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 14:23:44]

if？今回出てきたのとは別の世界線なのかな？

[137 チグハグ君 23/07/16(日) 14:56:40]

<もっと分かる！ワード解説>

グリムイア

宇宙に浮かぶ居住フロント。所在はラグランジュ4

3つの球体からなるフロントで外観は櫛に刺さった団子そっくりである

それぞれの球体は観光、住居、工場の区画に分かれており、その3つの球体それぞれに宇宙港がある

観光ブロックには中央に湖があり、建築物のモデルは1960年代のローマを思わせる。毎年フロント完成記念日には花火大会が開かれる。ちなみに遊園地もこのブロックにある

住居ブロックにはそこそこ大きなINNのビルや、これまたノスタルジーを感じる外観のストリートが広がる。北東地区にある「Twin-Taile」のポリロコッツォは美味しいと評判

工場ブロックにはガンマ・インダストリーなどの有名企業の工場があり、モビルクラフトが行き交う活気に満ちた工場地帯だ

元ネタ

グライアイ(3姉妹の怪物)+ノームノス島(アルゴナウタイが立ち寄った島)

[138 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 15:11:59]

企業誘致に成功した観光都市って感じだな

[139 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 15:19:56]

歴史あるフロントだけあってかなり大規模な感じがする

[140 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 17:26:42]

グライアイから怪物殺しのアイテムを貰った、または強奪したからアイギスとかの追加装備を手に入れたのか

[141 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 18:23:18]

>>139

たぶんプラントクエタとかの生産フロントと比べても遜色ないぐらいの規模な気がするわ

[142 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 19:26:38]

ああ、だから3機のガンダム(魔女)なのか

[143 チグハグ君 23/07/16(日) 20:22:01]

─グラスレー寮

その一室では深緑の髪の少女─ノレア─が青いインナーカラーの特徴的な少女─ニカ─に暴行を加えていた

「貴方のせいでナジや地球の同胞達が危険に晒されている、大人も子供もたくさん…貴方のくだらない理想のせいで…」

「それに、貴方のお仲間のせいでソフィまで連れ去られた……」

その言葉の一言一言には恨みや憎悪がこれでもかと詰め込まれており、ノレアのニカを見る目は害虫や汚らわしいものを見る目そっくりだ

「こ〜ら、落ち着きなよ」

そんなノレアを明るい笑顔が特徴的な少女─メイジー─はにこやかに止めようと言葉をかけるが、行動に移すことはない。こんな暴力、暴力のうちにも入らないのだから
その隣でぬいぐるみを抱えた少女─イリーシャ─も見ていたが、彼女が口を出すことはなかった

「おかしいよ……」

やがて、暴行を加えられ地に伏していたニカがゆっくりと体を起こし始めた

「スペーシアンが憎いからって一方的に暴れて、傷つけて…不幸をばら撒くだけじゃアーシアンの声なんか誰も聞いてくれないよ」

「こんなやり方間違ってる!」

ニカは知っている。例え立場が違っても、どれほど離れた世界に行ってしまったとしても、人と人はアーシアン、スペーシアンなんて垣根に囚われず仲良くできることを
そんなものただ今生きている場所の違いに過ぎないんだと
だから、声を上げる。だから、ノレアのやり方が間違っていると叫んだ

だが、その叫びにノレアはニカの頬を刈り上げることで返事とした

「どの口が!」

[144 チグハグ君 23/07/16(日) 20:23:16]

ノレアの蹴りがニカの肋骨付近を直撃する
咄嗟に頭と腹を庇うニカだったが、そんなのお構いなしといったふうにノレアの攻撃が止まることはない

「どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！」

奪われ続けた哀れな少女の鬱憤は止まらない

「どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！どの口が！」

同じ境遇でありながら、軟派な態度を取るニカの言葉に怒る激情を止めることはできない

「どの口がァ ！！」

あまりにも一方的な攻撃、それを見かねたように長身の少女─サビーナ─がノレアを止めに入った

「その辺でやめておけ」

「この生徒は殺させない。お前の自由もこちらが預かっていることを忘れるな」

ノレアは怒りの籠った眼をサビーナに向ける。なんとも哀れで滑稽な眼だ。まるで今の自分のようだとサビーナは心の中で自嘲した

「離せ、裏切り者！」

ノレアがサビーナの手を弾くと、ニカの元へ向かいしゃがみ込むと恨み言のようにニカへと語りかける

[145 チグハグ君 23/07/16(日) 20:23:42]

「そのクソッタレなエゴで何十何百という同胞が、治安活動の名目で殺されていきます」

「不幸をばら撒いているのはどっちですか？」

その言葉をノレアが言うと、サビーナはメイジーとイリーシャにノレアの身柄を確保させ、隔離のための倉庫へと連れていく
後に残されたのは傷つき、痛みに耐え啜り泣くニカと傷ひとつない、いつも通りの綺麗服のサビーナだけだ

─離せ、裏切り者!─

ノレアの言葉がサビーナの脳内でオーバーラップする。エコーチャンバーのようにその声が大きくなる。やがてその声はノレアの声ではなく天色の瞳の少年の声へと置き換わっていく

「そうだな、私は最低の……裏切り者だ」

誰にも聞こえないような小さな声でサビーナはボソリと自らへの嘲笑の言葉を呟いた

[146 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 20:28:48]

やっべ、この場面マジでノレアが本質ついてることになっちゃうじゃん

[147 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 20:54:34]

色々あったけどまだ父と子との時系列なんだよな

[148 チグハグ君 23/07/16(日) 21:19:01]

─アルゴデッセイ号　ティガーの部屋

「…と言うわけで本当にご迷惑お掛けしました」

「もういい加減画面の前で頭下げんのやめろって、お前のつむじしか見えねぇんだよ」

ごちゃごちゃと私物で飾られた部屋のモニターの前ではティガーが画面越しのチュチュを始めとした地球寮の面々に何度も何度もペコペコと頭を下げては、その度にチュチュに呆れられていた

「いえ、それでもご迷惑と心配をお掛けしたのは事実ですし…」

「だ・か・ら！……まぁいいや、その方がお前が帰ってきたって感じがするし」

「本当ですか!ありがとうございます！」

「またかよ！」

[149 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 21:31:39]

おお、久しぶりの地球寮メンバー

[150 チグハグ君 23/07/16(日) 21:41:52]

いつも通り、ティガーがアルゴスへと変わる以前の会話が繰り広げられる

それはアスティカシア学園での日常そのもので、足りないものといえば後は寮の先輩くらいで、ここがアスティカシアからは離れた船の中だとはティガーにはとても思えなかった

だが、もうそんな日常はどこにもない

あの学園でのテロで、生徒や教師、関係者に死者は出なかったものの、プラント・クエタ含め短期間で連続してベネリットグループ関係の施設を狙ったテロが発生したことで、学園側は緊張状態にあり、皆外出はおろか連絡手段も限られているらしい

今こうして、ティガーと通信ができているのはオジェロ達メカニックチームが即席の端末で、学校のアドレスを回避して連絡を取っているにすぎない

「それでさ、こっちに死んだ奴はいないんだけどさ……ニカが行方不明なんだよな」

それを告げたヌーノの顔は暗かった

ニカとティガー、別段そこまで親しいわけではないが、ティガーにとっては別の意味で大切な人である

ドルム・ガナン、何かにつけて二言目が「ニカが〜」と言う少年のことをティガーは地球寮に話すことを躊躇っていた

話したところで、現状地球寮ができることは少ないし、それを伝えれば余計に混乱が広がる可能性もあった

ドルムのことをdice1d2=2 (2)

1.話す

2.話さない

[151 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 21:45:27]

言わないか

[152 チグハグ君 23/07/16(日) 21:52:54]

結局、言えなかった

言えるわけがなかった。あの後、ペジュレヴァリエのモニター動画を確認したが、確かにあれはグランゲイル…だと思われる

だが、致命的に違うのだ。なんというか、別のMSのパーツを無理やりくっつけているようなチグハグさというか、MSから出るオーラがあまりにティガーの知っているドルムとはかけ離れていたのだ

「それじゃぁ、今日はここで。また何かあったら連絡します」

「おう！ティガーも元気でな!」

「風邪ひくなよー」

「ファイトだぞ！」

「頑張って下さーい」

「…気をつけてね」

「またいつでも来ていいからね」

地球寮の皆が別れの言葉を次々に投げかけ、そして最後はチュチュの番となった

「dice1d3=1 (1) 」

1.ちょっとは悩みは解決したのかよ？

2.もうちょいちゃんと笑えよ…今のお前はなんかあーしの知ってるお前じゃねぇ…

3.……あんま無理すんなよ

[153 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 22:04:36]

解決したどころか更に増えたな

[154 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 22:24:33]

地球のガンダム･･･変わり果てたドルム･･･あとまだバレてないけどシャディク達の暗躍と裏切り･･･山積みだな

[155 チグハグ君 23/07/16(日) 22:26:46]

「まぁ…ぼちぼちですかね」

そういってヘロヘロの笑顔を見せるティガーに、チュチュは今日1番のため息を吐くと、珍しくニッコリと笑って見せた

──────────

地球寮との通信を終え、ティガーはある人物に連絡をかけた

「……もしもし、ロウジ君。ごめん、こんな時間に」

「いえまだ起きてましたし大丈夫ですよ？」

電話の相手はブリオン寮のメカニック科にして、ティガーのハロ関連技術の師匠であるロウジであった

「いやさ、少し頼みがあってさ…」

「頼み…ですか？」

「うん。自分がいない間、たまにでいいから地球寮の様子、見に行ってくれないかな？」

「先輩、地球寮との通信手段ないんですか？」

「いや、あるよ？全然ある。でも…やっぱりあの人達は優しい人達だから自分達が辛くても、自分には言わないだろうなって」

「……まるで先輩ですね………わかりました、定期的に顔を出します。僕もあれに興味あるので」

[156 チグハグ君 23/07/16(日) 22:26:59]

ロウジのこういう聞き分けのいいことは、もっと褒められるべきだとティガーは思う。いや、意外ともうそういうふうに評価されているのだと思うが、もっと褒めてあげてもいいと思うのだ

「あー…それともうひとつ」

「………？」

「お土産、何がいい？」

[157 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 22:38:12]

他人の振り見て我が振り直せだぞチグハグ君、あとアルゴス

[158 チグハグ君 23/07/16(日) 22:54:59]

通信を終え、時計を見ると夜の23:00を過ぎた頃だった

「…なんか、お腹減っちゃったな」

というわけで、食堂へ向かうことにした

────────────

食堂で冷蔵庫を物色しようとしたところ、食堂では数人のメンバーがカードゲームに興じていた

「お、ティガーじゃん！どーしたん、こんな時間に？」

その中の1人のジェイスは珍しそうな目でティガーを見ていた。彼の中ではティガーは早寝早起きの真面目な人間に写っているらしい。最もティガー本人は遅寝早起きの1番ダメな生活リズムの人間なのだが…

「いやーお腹減っちゃって」

「あー、そういや俺も小腹減ったなぁ…なぁ！なんか作ってくれよ！」

「たく、いつもいきなりだなぁ…いいよ！ぱぱっと作ったげる！」

[159 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 23:06:18]

アルゴデッセイ号には専属の食事班もいるんだろうか、チグハグ君の本領はパイロットだし

[160 チグハグ君 23/07/16(日) 23:09:41]

「というわけで、本日作るのは小さめなカステラパンケーキです！結構簡単にできるから、みんなも真似してみてね!」

「まずはオーブンを180℃くらいに予熱しておきましょう。お菓子作り…というかオーブンを使うなら予熱をして温めておくのが大事です」

「予熱している間に生地作りですね。時短ってやつです！」

「卵を黄身と白身に分けます。黄身のほうにハチミツとホットケーキミックスを加えて、ミキサーでよーく混ぜます」

「白身の方には砂糖を加えてメレンゲを立てておきます。砂糖はケチっちゃダメですよ？美味しいお菓子は恐れぬ砂糖の大量投入によって成り立つのです!」

「そしたら、黄身を混ぜたものにメレンゲを数回に分けて加えながら混ぜていきます。淡い黄色くらいになったらOKですね」

「出来上がった生地を油を塗ったスキレットに入れて、数回ポンポンと叩いてならしてあげます」

「ではオーブンで20分加熱して、焼き上がったら4つの切り込みを入れて、バターを落として……」

「完成!カステラパンケーキ！」

[161 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 23:13:10]

こんな時間にスイーツの話とは･･･やってくれるではないか

[162 チグハグ君(今夜の最後) 23/07/16(日) 23:40:59]

「どう？」

「めちゃめちゃうまい！…でも口の中の水分全部持ってかれる……」

「そう言うと思って、紅茶も準備してあるよ」

口をもごもごさせながら感謝を言うとジェイスは勢いよく紅茶を煽る。本当にそれなりの身分の出なんだろうか…？
他のメンバーにも概ね好評であった

「うーん、こうして料理もできるなんて益々エクセレントね！」

薄茶色のスーツを着た女性にも好評なようだ

「ありがとうございます……え？」

「誰だアンタ…！？」

この場にいたスーツの女性以外のほとんどの人間がぶったまげていた。どうして見知らぬ女性がアルゴデッセイにいるのか、どうして何食わぬ顔でパンケーキを食べているのか、何が何やらさっぱりわからない
そしてその女性はというと、驚くアルゴノーツのメンバーにドヤ顔ピースマークをかましているのであった

[163 チグハグ君(今夜の最後) 23/07/16(日) 23:41:27]

場の空気が完全に固まっていた頃、食堂にヨハネスがやってきた

「あっ！？リップさん！？なんでここにいるんですか？」

「えっ？ヨハネスお前コイツと知り合いなのか？」

「知り合いというか、師匠ポジというか…この前知り合ったばかりというか…」

言葉を詰まらせるヨハネスに変わるように、丸椅子を回転させメンバーの方を向くと、自信満々に口を開いた

「初めまして、私はリップ・プロノイア。INNの新進気鋭の敏腕ジャーナリスト…て肩書きでやらしてもらってる。以後よろしく！」

リップと名乗る女性は実にイタズラっぽい笑みでティガー達に笑いかけた

[164 二次元好きの匿名さん 23/07/16(日) 23:48:32]

すぐスクープは手に入るだろうけど全部厄ネタそう

[165 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 01:32:00]

フロント壊滅レベルの隕石破壊と3機のガンダム撃退(1機はダルマ)だけでもかなりインパクトあるからな

[166 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 08:34:24]

まだグリムイアから出発はしてないのか

[167 チグハグ君 23/07/17(月) 09:14:44]

「…で、アンタは何が目的なんだ？」

あまりにも怪しさ満点のリップに船長としての自覚が出始めているジェイスは警戒心をビンビンに逆立てている
そんなジェイスの目の前にリップは端末の1画面を見せる

「「フロントの危機を救った子供達　その名はアルゴノーツ」…！これ、今日の俺たちのやつじゃねェか！」

「早っ…え、新聞ってこんな早くにできるものなんですか！？しかもこれ、メインストーリムのめっちゃデカいやつじゃないですか！？」

つい先程自分たちが解決したばかりのグリムイアに迫る巨大デブリの事についてもう記事が出来上がっていることに、アルゴノーツメンバーは驚きを隠せなかった
それにこのニュースが載っているのは、INNのネットニュースの中でも最大の規模を誇るプラットフォームなのだ
その影響力は絶大で、これによりアルゴノーツの名は地球圏に広く伝わるだろう

「うわぁ……閲覧数億超えちゃってるよ………流石INNのネットニュース」

学生ホームページの記事とは比べ物にならないような桁違いの閲覧数にヨハネスはもうすでに感嘆のため息しか出てこなかった

割とトンデモない事になっていることを察し始め、頭を抱えるアルゴノーツ達にリップは語りかける

「私の目的は君たちの旅に同行させてもらう事、その方が面白い記事が書けそうだしね」

「君達が人を救い、私がその様子を記事にして全地球圏に発信する。君たちのやりたいことって多くの人の賛同・支援があって初めて成り立つものでしょ？君たちにとっても悪い話じゃないと思うんだけど、どう？」

[168 チグハグ君 23/07/17(月) 09:15:00]

アルゴノーツにとっては魅力的すぎる提案だった
人を救う、その行為には多くの人の手がいるものだ。もし、活動をしながら支援を促すことができたら、もっと多くの人を救うことができる
正直、リップ自体は怪しさ満々だが、断る理由などなかった

「わかった、アルゴノーツはアンタの乗船を認める。ただし、問題は起こすなよ？」

「ガッテンテン！」

調子のいい返事をするリップは大袈裟に敬礼してみせると、いきなり席を立ち

「あ、おい！ヨハネスどこに連れてくんだ！？」

「ごめん船長さーん、この子私の助手に貰ってくねー」

「えっ！？ちょっ！？ボクが助手〜！？」

ジェイスが追おうとするも、すでにリップはヨハネスの手を取り食堂から出て行ってしまった
なんとも騒がしい大人がメンバーへと加入してしまったようだ

[169 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 10:22:19]

世界を牛耳るベネリットグループ運営の学校とはいえ学内新聞とリアルでいうとCNNレベルのメディアじゃ比較にならんわな

[170 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 11:20:53]

しかし次は何が襲いかかるんだろうな

[171 チグハグ君 23/07/17(月) 11:32:25]

なんだか怪しい追加メンバーを抱えながら、アルゴデッセイ号は地球へと向かう
特に問題もなく大気圏を突入し、地球へと降下することに成功したのだが……

─────────────

─地球　どこか辺境の村

アルゴデッセイはとある村の近くにその巨体を停泊させていた

「あー…うーん……おーん……」

エンジンルームではメカニックメンバーやハロ'sが忙しなく動いてエンジンの整備を行なっていた

「様子はどうですか……？」

ハロを抱えたティガーがメカニックに話しかけると、ボサボサと伸びた無精髭を掻きながらメカニックが怪訝そうに答えた

「いやぁ…急にうんともすんとも言わなくなっちゃいましてねぇ…なんのせ使ってるのが使ってるのなので多少の我儘には付き合うつもりでしたが……」

「とんだじゃじゃ馬我儘娘ですよこいつは」

疲れの色が隠せないメカニックが見上げる先にはアルゴデッセイ号の心臓部である対消滅エンジンが何も言わず鎮座していた

[172 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 11:36:18]

メカニックチームには大人もいるのか、まあ当たり前か、パイロットならまだしも整備とかは学生のアマチュアだけでやらせたら責任取れんもんな

[173 チグハグ君 23/07/17(月) 11:52:49]

「いやーこれに関しては自分も資料読んだだけなので…手伝いたいですけど、この手のに素人が参加すると碌なことにならないですもんね」

ティガーの専門はMSにのみ限られる。元々メカニック科ですらないティガーが機体開発に関われる方が異常なのではあるが、流石に対消滅エンジンなどと言うSFに片足を突っ込んでいるものには知識のちの字すらなかった

「まぁ、1週間以内にはなんとかして見せますよ」

「お願いします!」

無精髭の男はサムズアップで答えると、またもや無精髭を掻くとティガーへと話しかける

「後、俺と会話する時は敬語を使わなくてもいいですよ」

「そんな訳にはいきません！目上の人は敬うべきだと両親に教えられたので！」

「…ﾌﾌ、噂通り誠実な人だ。でも、俺が敬語が苦手なんですよ、例え1こ下の後輩でも敬語だと距離を感じてしまうので」

「え、あ、そうなんで……1こ下？」

「あぁ、俺、アスティカシアだとメカニック科の3年なんで」

「工工工ｴｴｴｴｴｴｪｪｪｪｪｪ(ﾟДﾟ)ｪｪｪｪｪｪｴｴｴｴｴｴ工」

今日1番の大声がアルゴデッセイ号に響いた

[174 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:01:19]

！！？？さっき>>172で大人って言っちゃったんだけど！？

[175 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:04:32]

>>172

>>174

これは草

[176 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:10:38]

>>174

即落ち2コマで草

[177 チグハグ君 23/07/17(月) 12:20:30]

─一方その頃　ジェイスside

「いいんですか船長？こんなところでこんな事してて」

「いいもなにも、俺たちにできることねェだろ、現状」

「そりゃそうっすけど…」

アルゴデッセイが停泊している村の近くを流れる小川、その岸では岩の上に座りながら釣竿で釣り糸を垂らすジェイスとアルゴデッセイで音楽担当─ジェイスの強い希望により採用─を務めるエオリネ・オルフェアが、蒸し暑い昼過ぎにぼやきを入れながら釣りをしていた

それにしても魚が釣れない。赤い川底を写す水の中に魚の影すらない。というか太陽の熱で照らされて蒸発した川の水が妙に酸っぱい
2人とも顔を顰めながら釣りをしていた

そんな時、2人の近くを麦で編んだ帽子を被った老人が通りかかった

「あれまぁ、お兄さん方そこで何をなされとるの？」

「あー、釣りしてます」

「でも全然釣れないっす」

「そりゃそうだべや、この川は酸性が強いから魚なんて住んどらんのよ」

「「えぇ〜………」」

2人の数時間が徒労に終わった瞬間であった

[178 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:36:15]

束の間の日常パートって感じがするな

[179 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:40:43]

メカニックの3年ってイメージとしてはこんな顔してるのか？

[180 チグハグ君 23/07/17(月) 12:52:02]

>>179(イメージはGANTZの風ですね)

「すんません、わざわざ送り届けてもらっちゃって」

「いーのいーの、ここら辺変に入り組んでて迷いやすいからの」

釣り道具をまとめて撤収しようとした2人に、通りがかりの老人は村まで連れて行こうと提案しててくれた。今はそのご好意に甘えて村までの道を一緒に歩いているところだ

「ところでお兄さん達はどっから来たの…？」

「あー……えーと…」

その質問にジェイスもエオリネもバツの悪そうな顔で言葉を濁していた

ハッキリと自分達がスペーシアンだと言えば、どうなるか考えるまでもない。過去にもスペーシアンが地球でアーシアンに暴行を加えられた事件は多い。彼らはその轍を踏むわけにはいかなかった

「誤魔化さんでもええよ、お兄さん達、宇宙から来たんじゃろ？」

「えっ！？なんでそれを」

そんな誤魔化しは老人の目には通用しないようで、一瞬で自分達がスペーシアンだとバレてしまった

「その綺麗なおべべを見たら分かる。お兄さん達みたいな服を着ているのはみんなスペーシアンか金持ちの奴らばっかりじゃからのぉ…」

その言葉通り、彼らのアルゴノーツの制服には汚れひとつない。対して老人の服はよれていたり、ほつれがあったりとよく言えば生活感を感じられる、悪く言えば使い古した服装だった

「なぁに、別にお兄さん達がスペーシアンだからって取ってくったりしないさ。ただ珍しくてのぉ…この村にスペーシアンが来るなんて何年振りじゃろうか」

「そうだ、お兄さん達、魚が食べたいのなら市場で買って行きんさい。ここら辺の川魚は美味いと評判でなぁ…」

そう語りかける老人の顔に、多くのアーシアンがスペーシアンに向ける憎悪の表情は微塵もなかった

[181 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 12:57:05]

そもそも交流がないから恨むも何も無いってことか･･･

[182 チグハグ君 23/07/17(月) 13:48:18]

あの後、村まで送り届けたくれた老人とは別れ、2人は村の中央にある市場で魚を物色していた

「うーん、どれがいいのかさっぱりわからん」

「同じくっす…」

とはいえ、元より宇宙生まれ宇宙育ちで魚の目利きなどやったことのない2人は見た事もないような魚達を前に、うーんうん頭を悩ましてはわからないなりに魚と睨めっこをしていた

「あんちゃん達、わかんねぇなら俺が選んでやろうか？」

「すみません…」

結局、店主の方が選んでくれた魚を買うことにした2人。袋に詰められた魚というあまり見慣れない光景になんとも言えない思いを抱いていると、店の奥からジェイス達と同い年くらいの男が黒っぽい茶色い液体の入った袋を持って出てきた

「あの、それなんすか？」

「これ？……こっから配達に行くんだ」

「配達…あぁ配達!でも、それだけですか？」

「まぁ、色々と事情があってね」

言葉の真意をはぐらかそうとする少年に"面白そうな事"を感じ取ったジェイスは少年に提案する

「俺たちも連れて行ってくれないか？」

[183 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 13:52:13]

黒い液体ってとこからバリバリに怪しさを感じる

[184 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 13:55:32]

>>145

サビーナさんお労しいなぁ…どこで間違えてしまったのか……

[185 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 14:08:24]

>>184

うーん、最初から？

[186 チグハグ君 23/07/17(月) 14:29:48]

男の後について、岩肌が露出している山道を歩いていく
体力と差が有り余っているジェイスは余裕そうだがエオリネはそうではないらしく、ゼーゼーと息を切らしながら歩き続けていた

「なぁエオリネ、ヤバそうなら俺がおぶるぞ？」

ジェイスの提案にエオリネは這々の体で首を振って答える
というわけで今はジェイスがエオリネをおぶり山道を歩いていた

「ついたぞ」

男と同じところまでたどり着いたジェイスの目に飛び込んできたのは小高い崖と傷だらけで崖に寄りかかる形で停止しているMS、それと、その足元にあるボロ切れのようなタープっぽい何かだった

[187 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 15:09:47]

>>184

容赦ないこと言うと生まれとしか･･･まあシャディクの案に乗って降りれなくなったのは自分のせいだが

[188 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 15:21:27]

地球にビーム使用型MS？不穏だなあ･･･

[190 チグハグ君 23/07/17(月) 15:45:08]

「なんだこれ…」

MSが好きな方でわりと図鑑等も読んでいるジェイスですら知らない機体が目の前にはあった
主要な企業が作ったものではないとしたら、どこの企業が作ったものなのか？
手に持ったビーム兵器と思しきものから少なくとも地球企業産とは考えにくかった

「なぁ、こいつってなんだ？」

「知らないよ、数年前からここにあった、俺が知ってるのはそれだけ」

そう言うと男はタープの中へズカズカと入っていく。ジェイスもそれに続く

「ほれ、今日の飯だ……こっちのは回収しておく」

よくわからない液体の入った袋とパンのようなものが入った袋を置くと、男はそそくさとタールの外へ出て行ってしまった
しょうがなしにタープの中を見渡すと、袋の中から取り出されたものと思われる魚の煮物のぶつ切りとパンを頬張っている薄汚れた少女がいた

[191 チグハグ君 23/07/17(月) 15:46:03]

食料はこの少女のためだったのかとか、あの袋の中は魚の煮物だったのかとか、よく見ると奥の方に雑魚寝用の布のようなものが敷いてあるとか、ジェイスの思考回路に一瞬浮かんでいったことは全て、その次の瞬間には消えて他のことが頭に浮かんだ
そしてその事を少女へと問いかける

「このMSお前のか？」

それを聞いた少女はタープの中にあるMSの脚に抱きついた

「ダディ」

「へっ…？」

「ダディ」

困惑するジェイスに少女はどこか壊れた笑みでMSの事を「ダディ」と呼び続けた

[192 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 15:49:32]

また闇が深そうなネタが

[193 チグハグ君 23/07/17(月) 16:28:31]

「なんだよアレ！」

タープから出たジェイスは外で待ちぼうけていた男に詰め寄る

「……他所者は気にしなくていいよ」

「気にするだろ!見ちゃったらさ!…アイツは誰だ？なんでここにいる？ここで1人で暮らしてんのか？ダディってなんだ？」

質問責めするジェイスを男は払い除けると、一言心底冷たい声でジェイスに忠告する

「他所者は気にしなくていいんだよ」

「気にする必要もないだろ、気にしたって助けられるわけじゃない。俺たちだってそうなんだから」

そう言って男は来た道を戻って行く
取り残されたジェイスもまた、何度も何度もタープの方を振り返りながら片道を戻って行った

[194 チグハグ君 23/07/17(月) 17:08:17]

次

https://bbs.animanch.com/board/2164450/?res=4

[195 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 17:29:39]

うめ

[196 二次元好きの匿名さん 23/07/17(月) 22:53:45]

うめ

[197 二次元好きの匿名さん 23/07/18(火) 07:18:05]

うめ

[198 二次元好きの匿名さん 23/07/18(火) 07:24:19]

梅

[199 二次元好きの匿名さん 23/07/18(火) 11:49:26]

埋め

[200 二次元好きの匿名さん 23/07/18(火) 20:33:01]

うめ